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第3章 問題となる行為はどんな行為(行為例)

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第3章 問題となる行為はどんな行為(行為例)
第3章 問題となる行為はどんな行為(行為例)
1 お客さま・株主との関係で問題となる行為(会社法違反)
(1) 会社の経営状況の情報開示に関する違法行為
企業会計原則に違反する粉飾決算などは、会社法などで厳しく規制されて
います。
(2) 内部統制システムの未構築
株主からの会社経営の負託に応えるため、会社業務を適正に行う体制と
して「会社業務の適正を確保するための体制の整備に係る基本方針」(第 224
回取締役会・平成18年5月31日開催)を決議しましたが、今後とも内部統制シ
ステム(違法行為や不正が行われることなく業務が適正に行われる体制)の継
続的な見直しによる体制の充実を図らなければなりません。
2 取引先との関係で問題となる行為
(1) 取引先との関係で独禁法に抵触する行為
委託・資材調達の取引会社に対し、一方的に不利な取引条件を強要する
ことや、契約先の選定に関し差別的取り扱いを行うなどの行為も、独占禁止
法などの競争規制法令に違反します。また、契約の締結や営業活動の中で
得た取引先の機密情報や個人情報を安易に扱い、社外に漏らすことは、個
人情報保護法などの法令に違反します。
(2) 贈答、接待に関する行為
お客さま・株主や取引先などに対し、常に公正かつ誠実に接するとともに、
取引の会社などから贈答や接待を行ったり受けたりすることは、癒着や不正
取引になりかねません。特に、取引先からの贈答は虚礼廃止の観点から、
固く辞退する必要があります。また、社外との懇親の場を設定する場合は、
社会通念上妥当な範囲内で実施することが必要です。
3 官庁・公務員との関係で問題となる行為
(1) 官庁の許認可、届出手続に関する法令違反
・ 許認可規制の違反行為
許認可事項について、許認可を経ずに勝手に新設工事、増設工事などを
行うことは、規制法令の重大な違反であり、官庁と社会からの信頼を失い計
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り知れない悪影響をもたらします
・ 虚偽の届出行為
届け出るべき必要があるのに届出を怠ったり、データを改ざんして偽ること
も、不公正・不誠実な姿勢を厳しく批判されるので、絶対に避ける必要があり
ます。
(2) 贈賄、政治資金提供など公務員・政治家への違反行為
・ 公務員に対する刑法違反行為や公務員倫理法違反行為
政治家や公務員に金品を贈る行為は、贈賄罪として処罰されます。
また、接待を行うことは、業務との関連性などにより贈賄罪になりますし、
関連性がなくても公務員倫理法や官庁の倫理行動基準に違反しないよ
う注意が必要です。
・ 選挙に関する法令違反行為
政治家や自治体の首長の選挙に関して、会社が寄付を行ったり、当選
祝で金品を贈ったりすることは、政治資金規正法や公職選挙法に違反し
ますので、対応については十分注意する必要があります。
4 地域社会との関係で問題となる行為
(1) 情報開示に関して問題となる行為
事実と異なる情報やデータを公表したり、発表すべき内容を意図的に隠
すことは、信頼を失うことになり、絶対に避けるべきです。
また、あいまいでわかりにくい表現で誤解されたり、他者の権利や感情を
害するような妥当でない表現で公表することは、可能な限り避けるべきで
す。
(2) 環境関係法令に違反する行為
環境保全や廃棄物処理などに関する諸法令への違反に対しては、厳格
に対策を講じ予防するとともに、省エネルギーやリサイクルなどについても、
地球環境の観点から積極的に取組む必要があります。
5 反社会的勢力との絶縁に関する問題行為
市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に屈服したり、癒着した
りすることは、企業の社会的責任に反するとともに、当社事業活動そのものの公
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正性が疑われます。あいまいな対応は厳に戒めるとともに、毅然とした態度で臨
み、ひとりで悩まず、上長と相談しながら、断固たる姿勢で組織的に対応する必
要があります。
また、私生活においても、反社会的勢力から弱みにつけ込まれることがないよ
う慎重に自らを律しなければなりません。
6 従業員と会社との関係で問題となる行為
(1) 社内の労使関係、職場環境に関して問題となる行為
・ 労働関係法令の違反行為
会社が労働組合の運営に介入するなどの不当労働行為は、組合の公平性
ひいては会社経営の公正性を疑われることとなり是非とも避けるべきです。
・ 労働基準法の違反行為
時間外労働など労働条件に関する法令に違反する行為は、従業員の士気
が低下するとともに、会社の遵法意識を疑われ信用を損なう行為です。
・ 労働者派遣法等の違反行為
社外の労働者を受け入れる場合、労働者派遣法等関係法規を遵守する
必要があります。特に、派遣社員については、個別の契約業務に応じた適正
な業務手続の実施や就業状況管理の徹底を図っていくことが必要になります。
・ セクハラ、パワハラ、待遇差別など職場環境に関して問題となる行為
セクシャル・ハラスメントやパワー・ハラスメント、男女間の待遇差別など従業
員のみならず、パートタイマーや派遣社員及び委託関係先なども含め、職場で
働く人の人権を侵害したり、事故防止体制の不備から重大な労働災害事故を
発生させることは、会社の信用を大きく損なうとともに、職場で働く人の士気の
低下を招くことになります。
(2) 社内規則遵守と私生活の自律に関する問題行為
・ 会計処理、資産管理に関する犯罪行為
会計処理に関する社内ルールに違反して、社外に支出するべき金銭を従
業員が着服するとか、会社の物品を持ち帰るなどの行為は、横領罪や背任罪
に問われる犯罪です。
・ 業務上取り扱う情報の安全管理に関する違反行為
業務上取り扱う情報を許可なく社外に持ち出したり、私用パソコン内に保存
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することは、情報漏洩の危険性があり、避けなければなりません。また、従業員
個人情報の取り扱いに関しては、細心の注意を払う必要があります。
・ 社内規則の遵守と私生活の自律
社内規則の遵守と指揮命令系統の維持は当然のこととして、飲酒運転等各
種法令に違反する反社会的行為などの会社の信用を害するような行為は、私
生活においても絶対に行ってはなりません。
また、ツイッターやブログなどのソーシャルメディアを利用する際は、発信した
情報が短期間で広範囲に広まるなどの特性を理解し、その結果が個人への批
判や誹謗中傷に留まらず、会社への批判や信用失墜にも繋がるリスクが大きい
ことを十分に認識しておく必要があります。
ソーシャルメディアで勤務先や勤務先の特定に繋がる情報を発信することは、
たとえ個人的な内容であっても、会社の見解と捉えられる可能性があることを
認識しておく必要があります。
(3) 公私のけじめ
会社における職務や地位を、私的利益のために利用することなく、私的利害
が会社と対立する状況が生じた場合、中立的な立場を維持し、会社に不利益
となるような行為は取らない必要があります。
7 不祥事発生時に必要となる行動基準
不祥事が発生した場合に、事態の深刻化を防ぎ、早期の収束を図るためには、
社内の対応体制の速やかな構築が求められますが、その前提として、まず、発生箇
所等は社内のルールに従ってできるだけ迅速に事業報告を行うことが重要です。
また、原因究明と再発防止の徹底を図るため、事実関係の調査等に対して、社内
関係箇所が全面的に協力することも欠かせません。
くれぐれも、情報隠しや報告の遅延によって、事態の拡大を招くようなことは避けな
ければなりません。
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