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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅

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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
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中高年向けの体力テスト
市橋, 則明; 浅川, 康吉; 池添, 冬芽; 羽崎, 完; 黒木, 裕士
京都大学医療技術短期大学部紀要. 別冊, 健康人間学
(1997), 9: 40-45
1997
http://hdl.handle.net/2433/49549
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
京都大学医療技術 短期 大学部紀要 別冊
9
97
健康 人間学 第 9号 1
中高 年 者 向 け の体 力 テ ス ト
市橋
は
じ め
則明,浅川 康吉,池添 冬芽
羽崎
完,黒木 裕士
捷性,協応性,バ ランス,全身持久力 な どの体
に
力 因子 で構成 された行動 体力 で あるこ とが多
近年,体力づ くりに対す る関心 は,スポーツ
く2),具体 的 な体 力 テス トの項 目と して は握
関係者 にとどまらず,広 く一般の人々に も広が
力,背筋力,反復横飛 び,垂直跳 び,上体そ ら
りつつある。その背景 には,現代生活が生活習
し,体前屈,などが行 われている。 しか し,近
慣病 に象徴 される様 々な慢性疾患 の温床 となる
年では,健やかな生活の保持 とい う点 を踏 まえ
生活 となっているこ と,あるいは,週休 2日制
て,中高年 を対象に成人病予防の観点か ら体力
の浸透や労働時間の短縮 によって,余暇時間が
をとらえる必要性 や3),高齢者 を対象 に 日常生
増 加 した こ とな どが 指摘 され て い る 1)。 つ ま
活活動能力 を反映 した形で体力 をとらえる必要
り,今 日の体力づ くりにおいては,従来の競技
性4,5)が強調 されてい る。柴 田6)は有用 な高齢
能力 としての体力で はな く,む しろ健 やかな生
者向け体力テス トの条件 として,① 日常生活 に
活 を保つための体力 に大 きな関心が寄せ られて
お ける心 身の機 能 を反映 しうる こ と,② 転帰
いると思われる。
(
生命予後, 日常生活動作能力 の変化) を予知
しうること,③安全かつ簡便であることを提唱
一般 に,体力 は加齢 と共 に低下す る。健やか
な生活 を保つための体力の保持 とい う観点か ら
しているが,高齢者 に限 らず中高年者 をも含め
考 えると, まず年齢 に相応 した体力水準 を保つ
て, これ らの条件 はこれか らの体力テス トが満
ことが肝要であ り, あわせて各体力因子 に対す
たすべ き課題である。
し
今 回,我 々は体力テス トを考案す るに際 し,
か しなが ら体力 の評 価 は,学校 体 育 と競技 ス
この ような体力お よび体力テス トをめ ぐる概念
る加齢 の影響 も明 らかにす る必要があろう
。
ポーツに関連 してその方法が発展 して きた経緯
の変容 を視野 に入れて測定項 目を検討 した。具
があ り,普通の人々,特 に中高年の人々の体力
体的には,行動体力の各体力因子 を反映 した項
については,評価法 の未確立 と相侯 って十分な
目立てを原則 とす る一方で,起居 ・移動動作能
知見が集積 されていないのが現状 である
力 との関連が深 い体重比筋 力 や膝伸 展筋持 久
。
ここでは,我 々が行 っている中高年者向けの
刀,あるいは関節障害 との関連が論 じられてい
体力テス トを紹介す るとともに,第 9回健康科
る関節弛緩性 といった項 目を加 えた。 また,安
学公開講座 (日々の健康づ くり) に参加 された
全性 と簡便性 の点か ら全身持久力 を省 くといっ
方 に実際に行 った結果 を報告す る。
た配慮 を した。 さらに,行動体力の枠組み とは
体 力 テ ス ト
異 なるが,生活習慣病の素因 として注 目されて
いる脂肪過多の指標 として,体脂肪率 も測定項
目に含めることに した。
体力の概念 については緒論があるが,一般 に
体力テス トを通 じて体力 を論 じる場合,その意
味 している体力 は筋力,筋持久力,柔軟性,敬
京都大学 医療技術 短期 大学部
Di
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y
1
9
9
6年 1
1
月3
0日受付
40 -
市橋,浅川,池添,羽崎,黒木 :中高年者向けの体力テス ト
机 の角 を利用 して手首 を固定 した。 また,測定
体 力テス トの実際
は 5回ずつ行い,その平均値 を採用 した。
5)関節弛緩性
1)筋力 (
体重比筋 力)
OG 技研社 製のマ スキ ュレー ター を用 いて,
a
xi
t
yt
e
s
t
7) (
図 2) を用 い
中 島が考 案 したl
右膝伸展筋力 を測定 した。測定肢位 は椅坐位 と
た。 この方法 は,股関節,膝 関節,足関節,肩
し,股関節膝 関節 90度屈 曲位 にて,3秒 間等尺
関節,肘関節,手関節,脊柱 の 7ヶ所 を対象 と
性収縮 を行 わせ た。 なお,測定前 に徒手抵抗 に
した もので,弛緩性の判定 は下記 に示す とお り
よる予備試行 を行 った。
と し, プ ラスの数 を個 人 デー タ と して採 用 し
得 られた筋力値 を体重 で除す ことによって,
た。
体重比筋力 を求めた。
①手関節 :母指が前腕 につ けばプラス とした。
2)筋 持 久 力
5度 以上過伸 展 す れ ば プ ラス と し
(
9肘 関節 :1
た。
下腿長 に合 わせ た座面 高の台 よ り立 ち座 りを
最大努力 にて30秒 間行 わせ,立 ち座 りの回数 を
(
勤肩関節 :背部で指が握 れればプラス とした。
測定 し,その値 を採用 した。
0度以上過伸展すればプラス
④膝関節 :立位で 1
3)バ ラ ン ス
とした
平衡機 能検 査 と して閉眼 で片脚 立 ち を行 わ
。
⑤足関節 :立位 にて,鍾部が床か ら離 れない よ
せ,その ままの姿勢 を可 能 な限 り長時間保持 さ
うに腰 を降ろさせ,足 関節が45度以上背屈可
せ,バ ランス を崩す まで の時間 を測定 した。 な
能であればプラス とした。
お,両手 は腰 に置かせ,測定 は 3回ずつ行 い,
⑥脊
その平均値 を採用 した。
4)敏
捷
柱 :前屈 し,手掌が床 に着 けばプラス と
した。
性
(
∋股 関節 :立位 で股関節 を外旋 させ足尖が 180
度以上開けばプラス とした。
敏捷性 の検査 として物体の落下の法則 を利用
した棒反応 テス ト (
図 1) を行 った。 これは,
6)柔
軟
性
目盛 りのつ い た木 製 の棒 (
長 さ 50cm, 直径
台上で膝が屈 曲 しない ように立位体前屈 を行
2.
5cm) を用 い, 軽 く聞 かせ た第 1指 と第 2
わせ,台面か ら第 3指の指尖 までの距離 を測定
指 の間で両指 の作 る面 に一致す るようにつ り下
し,その値 を採用 した。
げた棒 を,落下 させ,で きるだけ速 く握 らせ る
7)体 脂 肪 率
テス トで,握 った棒 の第 1指 の最上端 か ら棒 の
300 を用 い て測 定
オ ム ロ ン体 脂 肪 計 HBF-
最下端 までの長 さを測定 した。なお,測定肢位
し,その値 を採用 した。 なお測定肢位 は,立位
は椅坐位 とし,測定 中は手が移動 しない ように
にて肩関節 90度屈 曲位,肘関節伸展位 とした。
毒
峯
図 1 棒反応 テ
- 4
スト
健康人間学
第 9号
1
997
\
ヂ
続 けるよう命 じその持続時 ,一定筋力 を発揮 し
程度 を見 る場合がある。 ま間,あるいは低下の
う言葉 を用いる全身持久力 た,同 じ持久力 とい
め,有酸素作業能力 を指標 との混乱 を避 けるた
1
.Wri
st
対 し,筋持久力 は無酸素的エ
に した全身持久力 に
景 とす ることが多い。青少年 ネルギー供給 を背
=
宇
1
芦
2
.
E
l
b
o
I
V
こ
コ
垂 回数や腹筋回数な どのよ では3
0秒 間での懸
単位時間内に繰 り返 し発揮 うに亜最大の筋力 を
4.Knee
く用い られている。 今 回用 させ る測定方法が多
移動動作時の主動作筋であ いたテス トは起居 ・
対象筋 として,体重 とい うる大腿 四頭筋 を主 な
るテス トであ り,米国退役軍人
高強度の負荷 を与 え
筋持久力 のテス トと して検討 され
病院のひ とつで
てい る Si
tt
o
st
and テ ス トを参 照 して
我 々の検討 によれば,本テ
行 った もので あ る。
3
.
Sh
oul
der
としてだけでな く,起居 ・移
ス トは単 に筋持久力
4
5
5
.
A
n
●1
く反映 したテ ス トであ り,歩行
動動作能力
をもよ
自
axi
図2 j
o
i
n
tl
t
yt
e
s
t
k
一
e
立 には5.
6回
以上が 目安 と考 えられる9)。
体 力テス トの意味づけとその標 7.川p
3)バ
閉眼片足立
ランス
ちは,視角 に
保持能力 を見 ようとす る も頼 らないバ ランスの
1体重比筋力でい
)体重比筋 力 う筋
準値
化が大 きい とされている。 ので,加齢 による変
ら明 らかなように最大力 とは,その測定方法か
感覚 とは,主 として三半規視角 によらない平衡
る
この筋力 は抗重力膝伸展筋力 を意味 してい
どか らの情報 を受 けて姿勢の保
管,筋,艇,皮膚 な
る,立つ,歩 く,な ど活動,すなわち立 ち上が
としては,
統合 を行 うものである。 標準値 持運動の調整や
える,あるいは保持す重力 に逆 らって姿勢 を変
で3
5秒, 50代 で 2
5秒, 6
0代
の力源 として最 も重要 るな どの動作 を行 うため
る10)。高齢者 で は開眼片足立で 1
5秒 程 度 で あ
い人が こうした動作 をな筋力である。体重の重
としている報告 もある6)。
。
40代
ちの ほ うが 良 い
べて大 きな筋力が必要行 うときは,軽い人に比
力の値 は通常,体重 あた
であることか ら, この筋
4敏捷性
)敏 捷
テス性
トとしては,
る。 日常生活 との関連 でりの筋力
として表 され
は,
びが行 われるが中高年者 には危険
若年者 には反復横飛
になる とスポーツ活動 に支
下では起居- 移動動作 を
8以下
この値が0.
障 をきた し,0.
6以
0
-5
0代 で 21
応時 間 を測定 した。標準値 は,4
なため,棒反
c
m,6
0代で 2
5cm 程度である10)。
4中心 とした 日常生活活
動 の障害が, さらに0.
害 される といわれている以下 となる と歩行が障
5)関節弛緩性
関節の弛緩性 は,体力
腿長 (
セ ンサ ーをあてる部位)
8)。 ただ
しこの値
に影響
さ は下
生 まれた体 の構 造 を調べとは異 なるが, もって
とを考
れるこ
4つ以上 プラスになると てい る もので あ る。
した方慮すべ きであ り, トルク体重比 として表
が大 きす ぎ る とス
ぎる と考 えて良い。弛緩性
関節の弛緩性が大
きす
2筋持久力の評価
)筋 が
持よ
久
い。
力 は,一定筋力 を単位時間内に
繰 り返 し発揮 させ る場合 と
市橋 ,浅川 ,池添,羽崎,黒 木 :中高年者 向けの体 力 テス ト
6)柔
軟
性
齢 52.
1±1
4.
8歳, 平均 体 重 54.
7±5.
9k
g, 平
今 回測定 に用 いた立位 体前屈 は,年齢 を問わ
55.
7±7.
5c
m) を対 象 に前述 した体力
均 身長 1
ず,最 も一般 的 に用 い られ る柔軟性 の評価 方法
テス トを行 った。対象者 の年齢構成 は表 1に示
であるが,体型 な どに依 存す るため,他 との比
す とお りであ った。各体力測定項 目につ いて,
較 は注意す る必要 があ る。標準値 は40-50代 で
年代 の違 い を要 因 とした一元配置分散分析 を用
5c
m,60代 で 3c
m 程度 であ る10)。
いて統計処理 し,各年代 間の差 を検討 した。 ま
7)体 脂 肪 率
た, 年 齢 と各 測 定 項 目の 関係 を pear
s
on の相
関分析 を用 いて統計処理 し,加齢 に よる体格 お
この項 目も体力 とはい えないが,体脂肪率 は
動脈硬化 をは じめ様 々な生活習慣病 の素 因 とな
よび体 力の変化 を検討 した。
る脂肪過多 の状態 を反映 す る指標 であ るため,
1)各体 力測定項 目にお ける結果
テス トの中に取 り入 れた。一般 に標準値 は男性
各年代 の結果 を表 2に示 した。
2)年代別 の体 力測定結果
1
0-20%未満,女性 20-30%未満 とされ,男性
20-25%未 満, 女 性 30-35% 未 満 で は軽 度 肥
年 代 別 の体 力 測 定結 果 を表 3に示 した。 な
捕,男性 25%以上,女性 35%以上 で は肥満 と判
お,本研 究 においては男性 の対 象者数が少 ない
定 される。
ため,女性 のみの結果 を示 した。
筋力 お よび体重比筋力 は20代 -30代 で ピーク
体 力テ ス トの測定結果
0代 で は2
0代
を示 し,加齢 に ともない低 下 し,7
本短期大学部第 9回健 康科学公 開講座 に参加
の値 の50-60%の値 に減少 していた。バ ラ ンス
平均年
した健常男性 5名,女性 33名の計 38名 (
は20代 に ピークを示 し,40代 で急激 に低 下 し,
7
0代 で は20代 の値 の 1
3.
9% に低 下 す る傾 向 に
表 1 対 象者 の年齢構成
人 人 人 人 人 人
11 0 1 1 1 1
人 人 人 人 人 人
男性
3
4 3 5 0
1 8 3 3
0代 で23.
3回,30代 で23.
7
あ った。筋持久力 は2
回,40代で25.
6回,50代 で23.
3回 と20代 か ら50
代 まで は年代 による変化 はみ られ ないが ,60代
4.
3回 と20代 か ら50代 に比べ て低 い値 を示
で は1
した。体脂肪率 は60
代で33.
9% と最 も高 い値 を
示 した。 また,各年代 間に差 が あ るか どうか を
検討す るため に,一元配置分散分析 を行 った結
人
5
人
0 3
0 0
0 6
0 7
0 計
2
4
15
代 代 代 代 代 代
女性
果,筋 力,体重比筋力,筋持久力,体脂肪率 の
項 目にお いて年代 に よる有 意 な差 が 認 め られ
た。
表 2 体力 測定結果
項
目
年
齢 (
読)
身
長 (
c
m)
体
重 (
kg)
筋 力 (
kg)
体 重比筋力 (
%)
筋持 久力 (
回)
バ ラ ンス (
秒)
敏捷性 (
c
m)
関節弛緩性
柔軟性 (
cm)
体脂肪率 (
%)
男
性
5
2.
8±1
4.
6
1
6
3.
8± 4.
6
5
9.
9± 6.
9
4
0.
6±1
3.
9
4± 1
5.
6
6
5.
2
2.
2± 5.
8
1
8.
0± 6.
4
2
2.
7± 5.
6
2.
0± I.
0
-3.
5±1
2.
2
2
3.
2± 1
.
8
女
性
5
2.
0±11.
3
1
5
4.
5± 4.
0
5
3.
6± 5.
8
2
3.
9± 5.
6
4
5.
3±1
0.
9
21.
0± 4.
8
2
3.
8±2
0.
9
21.
0± 4.
1
2.
5± 1.
2
8.
1± 4.
8
2
9.
8± 4.
0
3)年齢 と各測定項 目間の相 関関係
年齢 と各項 目 との関係 は, 筋 力, 体 重 比 筋
力,筋持久力,バ ランス,弛緩性 との 間に有意
な負 の相 関関係 を認め,体脂肪率 とは有意 な正
の相 関関係 を認 めた。体重,敏捷性 ,柔軟性 に
は年齢 との間に有意 な相 関が認 め られ なか った
(
表 4)
。
測定結果の分析
年齢 と相 関が認 め られた主 な もの は,体脂肪
辛 (
r-0.
58), バ ラ ンス (
rニー0.
58),体 重 比
- 43-
健康 人間学
第 9号
1
997
表 3 年代別の体力測定結果
2
0代
3
0代
40代
50代
6
0代
7
0
代
p.
1
5.
0± 1.
3
<0.
05
<0.
05
力
8.
3± 1.
29.
5± 6.
0 2
8 25.
2±5.
4
9.
4±3.
5
2
5.
5±3.
9 1
体重比筋力
5±9.
8
9 56.
4± 2.
2 44.
55.
5±11.
6.
0±6.
1 31.
49.
0±7.
7 3
1±4.
1
23.
3± 4.
8 23.
7± 5.
8 2
5.
6±4.
1
4.
3±3.
7
4 1
23.
3±2.
筋
1
8.
0±0.
67 <0.
01
筋持久力
ノヤ
ランス
68.
5±59.
3 5
4.
8±5
4.
8 23.
2±8.
1
1
2.
8±7.
8
9.
2±5.
5
9.
5±4.
8
敏捷性
6.
2± 2.
6 21.
20.1± 1.
6 1
2±2.
5
1
9.
1±4.
2 2
4.
6±5.
3
23.
2±2.
3
関節弛緩性
3.
3± 1.
8
3.
0± 0.
7
柔軟性
4.
5± 7.
3
6.
7± 5.
1 9.
7±4.
1
体脂肪率
0 30.
4.
5± 1.
2±2.
7
25.
0± 2.
4 2
表 4 年齢 と測定項 目間 との相 関係数
測定項 目
相 関係 数
p,
<0.
01
身 長
-0.
632
体
重
-0.
077
筋
1.
8±0.
81 2.
0±0.
67
2
2.
7± 1.
2.
8±0.
96
4.
1±4.
9
9.
7±1.
1
3.
9±3.
5
29.
5±3.
3 3
31.
4±3.
4
ll.
5±3.
7
<0.
01
慣化 す るこ と,体重比筋力 や筋持 久力 の維持 に
は 日常 活動 量 を保 つ こ と, が 有 効 と考 え られ
る。 加齢 に ともな う体 力低 下 を予 防す るには,
40代以 降か らこう した予 防策 を生活 の中に積極
力
-0.
55
6
<0.
01
体重比筋力
-0.
556
<0.
01
筋持久力
ノヤ
ランス
-0.
409
<0.
05
-0.
577
<0.
01
ポ ーツ活動 な どの際 に 自身の リス ク として認識
<0.
05
考 え られ る
敏捷性
関節弛緩性
的 に取 り入 れ る必要 があ ろ う。 また,関節弛緩
性 は これ を改 善 す る こ とはで きな い た め, ス
してお くこ とが,関節傷害 の予 防 につ なが る と
0.
31
2
-0.
3
67
柔軟性
0.
223
体脂肪率
0.
583
。
お
<0.
01
わ
り
に
中高年者 の体力 テ ス トの概要 を実施結果 とと
筋力 (
r -0.
56),筋持 久力 (
rニ ー0.
41
) と,
もに紹介 した。高齢者 になるほ ど年齢 に よる体
関節弛緩性 (
rニ ー0.
37) で あ った (
表 4)。 し
力 の個 人差が大 き くなるため, 中高年者 に適 し
-
たが って加齢 に伴 い体脂肪率 は増加 し,バ ラ ン
た体力 テ ス トだけで な く, 70歳以上 の高齢者用
スや筋力,筋持 久力 ,関節弛緩性 は低 下す る傾
の体 力 テ ス トを さ らに検 討 して い く必 要 が あ
向がある と考 え られ る。 一方,敏捷性 ,柔軟性
る。
は年齢 との間 に有意 な相 関 を認 め なか った (
表
文
4)。年齢 と相 関 を認 め た体力 因子 につ いて年
代 ごとの平均値 (
表 3) か らは,体脂肪率 にお
献
1
) 日本体育施設協会健康 ・体力研究部会 :健康体
いて は軽度肥満 と判 定 され る30% を越 えるのが
力相談のあ り方.東京 :体育施設出版 , 1
988:
40代であ り,バ ラ ンスや体重比筋力 において も
6
2)猪 飼 道 夫 :日本 人 の 体 力, か ら だ の 科 学
30代 と40代 の間 に,筋持 久力 と関節弛緩性 で は
1
971:3
9,1
91
50代 と60代 の間 にそ れぞれ差が大 きか った。 し
3)健康保険組合連合会 :健康づ くりのための活動
たが って,加齢 に と もな う体力低下 の実態 とは
994
体力測定開発事業報告書. 1
体脂肪率 の増加 とバ ランス,筋力,筋持 久力お
4)種 田行男,荒尾
孝,西鴨洋子,他 :高齢者の
身体活動能力 (
生活体力)の測定法の開発. 日
よび関節弛緩性 の低 下であ り, これ らの低 下 は
本公衆衛生雑誌
まず40代 で体脂肪率 ,バ ランス,体重比筋力で
1
99
6:43, 1
9
6-2
07
5) 宮下充正:
高齢者 の体 力.宮 下 充正,武藤芳照
顕在化 し, 60代 にな る と筋持 久力 お よび関節弛
編,高齢者 とスポー ツ.東 京 :東京大学 出版
緩性 に も及ぶ と考 え られた。体脂肪率 の維持 に
986:92
0
会, 1
は摂取 カロ リーを適量 に保 ち,有酸素運動 を習
6) 柴田 博 :高齢者の体力測定 とその評価.体育
44-
市橋,浅川,池添,羽崎,黒木 :中高年者向 けの体力 テス ト
文集
の科学 1987:37, 658-661
7
) 中 島寛 之 :ス ポー ツ 整 形 外 科 的 メ デ ィ カ ル
チ ェ ック. 臨床 スポー ツ医学 1985:2, 735-
1
990:6
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投稿 中)
1
0)東京都立大学体育学研究室 :日本人の体力標準
8) 黄川昭雄,難波寿美夫 ,山本利春,他 :下肢 の
運動 能力 ・機能 の測定 と訓練 のための装置 GT
値.東京 :不味堂, 1989
1
60 の開発 につ いて. 第 1
5回運動療法研究会論
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