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環境パフォーマンス
環境パフォーマンス 環 境 会 計 環境保全活動をコストと効果の観点から検討し、改善に結び付けるため、環境会計を活用していきます。 NOK では、環境保全活動をいっそう効果的に推進 公害防止コストが最も多く、その他は廃棄物のリサイク するため、2004年から環境会計を導入しました。 ル・処理処分に関わる資源循環コスト、環境マネジメン 集計にあたっては、環境省「環境会計ガイドライン トシ ス テ ム の 運 用 や 従 業 員 教 育 に 関 わ る 管 理 活 動 (2002 年版)」を参考にしています。また、環境保全に コストが主なものとなっています。投資は、排水処理設 かかわるコストの定義を明確にした上で環境会計集計 備関連や、廃棄物置き場の改善に関するものが主なもの システムを構築し、精度の高いデータの収集と集計の となっています。 効率化に努めています。 次年度以降は、環境保全効果や環境保全対策に伴う 2003年度は導入の初年度であるため、実績の公表は 経済効果も算出・公表するとともに、環境保全コストを 環境保全コストのみとしました。2003年度に発生した より詳細に分析することによって、環境保全活動の改善 費用は、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染防止のための と効率化に結び付けていきます。 2003年度環境会計集計結果 集計範囲:本社、藤沢事業場、福島事業場、二本松事業場、静岡事業場、東海事業場、熊本事業場、佐賀事業場、鳥取事業場 対象期間:2003年4月1日∼2004年3月31日 単位:百万円 環境保全コスト 分 類 主 な 取 組 の 内 容 ① 事業エリア内コスト 投 資 額 費 用 額 219 408 161 203 ① -1 公害防止コスト 大気関連処理設備の導入・運転、排水処理設備の導入・運転、 土壌・地下水水質調査 ① -2 地球環境保全コスト エアー漏れの防止、蛍光灯のインバーター化、監視システムの導入・運転、 フロンの回収・破壊委託 0 4 資源循環コスト 廃棄物置き場の設置・改善、 ゴムバリ粉砕機の運転・管理、 廃プラスチックのリサイクルの外部委託 58 201 ② 上・下流コスト 鉛フリー材への切り替え、六価クロムフリー材への切り替え、 自社製品の分析、通い箱の使用 0 4 ③ 管理活動コスト 環境マネジメントシステムの構築・運用、外部への情報発信、 環境教育・訓練の提供、環境負荷の測定、事業所内の緑化・美化 31 167 ④ 研究開発コスト 製品中の有害物質削減に関する技術開発、製品の長寿命化・低フリクション 化・省資源化に関する技術開発、廃棄物のリサイクル化のための技術開発、 燃料電池の部品に関する技術開発、製造工程における環境負荷物質の 排出量等の削減のための技術開発 0 93 ⑤ 社会活動コスト 環境保全団体への寄付、支援、参加、業界団体等への参加、 地域住民の行う環境活動に対する支援 0 7 ⑥ 環境損傷対応コスト 土壌・地下水汚染修復 13 22 264 701 内 訳 ① -3 合 計 参考:2003年度 NOK株式会社の 設備投資額・研究開発費 項 目 単位:百万円 金 額 当該期間の設備投資額の総額 8,280 当該期間の研究開発費の総額 6,158 12 環境パフォーマンス 環境に配慮した製品開発 NOKの代表的な製品は、オイルシールやメカニカルシール等の「漏れを防ぐこと」を主な機能とした製品であり、 輸送用機械器具の環境保全対策の一端を担っています。 オイルシールの環境保全効果 ■ オイルシールとは オイルシールとは、文字どおりオイル (油) をシール (封 オイルシール自体も進化を遂げています。当初は革製 じる) するための部品です。自動車をはじめ、航空機、船 だったため、密封性能は安定しておらず、ガレージは 舶、鉄道車輌、建設機械、農業機械、石油化学プラント、 エンジンから漏れるオイルのにおいがたちこめていました。 家電製品等、あらゆる分野で使われています。 NOK は、1950 年代半ばから、ゴム製オイルシールの オイルシールは、機械に使用されている油、水、薬液、 生産をスタートし、より高い密封性能を実現しました。 ガス等が、外部に漏れないようにするとともに、外部から また、設計や材料配合の工夫等により、摩擦力の低減に ほこりや土砂が浸入するのを防ぐ大切な役割を果たして よる省エネルギー効果や、シールの長寿命化による資源 います。この「漏れを防ぐ」という機能は、資源の節減や、 の節減効果も上がってきています。 環境汚染を防止する役目を果たしているのです。 オイルシールの歴史 オイルシールの環境保全効果 1950年代 環境汚染防止 資源の節約 ・シールの長寿命化 1980年代対比 約2倍 革製オイルシール 当時のオイル シール広告 ・油、水、薬液、ガスなどの漏れ防止 現 在 ・摩擦力の低減 1980年代対比 30∼40%低減 省エネルギー 現在のオイルシール オイルシールの基本構造 ハウジング (大気側) オイルシールは、金属環にシール はめあい部 金属環 リップを構成する合成ゴムを焼付け 接着し、組込んだ “ばね” により軸を ばね (油側) 適度にホールドすることで、運動 している部分のシールを可能として います。 ダストリップ部 シールリップ部 軸 リップ先端部 自動車のエンジン オイルシール取付部の拡大図 13 オイルシールの製造工程 成 形 型 鋼 材 各種工作機械 ゴ ム 金 属 環 帯 鋼 ポリ マ ー 配 合・混 錬 ば ね 鋼 線 プレス加工 巻線・ジョイント 組 立 成 形 型 表面処理・ 接着剤塗布 生 地 加 硫 成 形 ば ね 金 属 環 仕 上 げ ば ね 装 填 オイルシールは、長年の経験と研究で培った製造技術を用い、種々 の工程を経て製造されます。その工程は、特別に配合されたゴムを熱 と圧力で化学反応させながら形成する、というものです。 オイルシールの大きさ・形態は、直径1.5mm程度から直径1m以上 のものまで、用途によりさまざまです。一台の自動車には、大小合わ せて約60個のオイルシールが使用されています。 製 品 14 環境パフォーマンス 環境に配慮した製品開発 環境負荷物質の排除 ■ ELV指令への対応 ELV指令とは 2000年10月に発効したEU (欧州連合) の「使用済み自 動車に関する欧州議会及び閣僚理事会指令 (ELV指令) 」 使用済み自動車はEUレベルで処理すべき廃棄物 によって、2003年7月1日以降にEU市場に投入される車 であるという認識から、自動車業界に対し 両の材料や構成部品への鉛や六価クロム等の環境負荷 ・車両への鉛、水銀、カドミウム、 六価クロムの原則 使用禁止 物質の使用が原則禁止となります。 ・使用済み自動車と中古部品の回収・処理システ ムの整備 NOKでは、鉛・六価クロムを含まない (鉛フリー、六価 クロムフリー)製品の開発を全社目標に掲げ、対応に 等を義務づけるEU指令です。EU指令は、拘束力を あたっています。 持ち、加盟国は国内法制定の義務を負います。 ELV指令への対応 2000年10月 2003年7月 ELV指令の発効 六価クロム、鉛、カドミウム、水銀の 車両の材料・部品への原則使用禁止 ELV指令 2005年7月 ELV指令の 免除期限 鉛フリー 2007年7月 パワートレイン用ゴムの 六価クロム防錆 加硫剤・安定剤に含まれる鉛 コーティング 2004年中に自動車用 ゴムを鉛フリー化 2010年度までに鉛化合物 使用量を1トン未満とする NOKの目標 2005年12月までに六価クロム フリー処理に切り替え 六価クロムフリー ・鉛フリー化に向けて 鉛化合物使用量の推移(金属鉛換算) (単位:t) (年度) オイルシール等に使用されるゴム材料や接着剤には 34.7 2000 鉛化合物を含んだものがあります。 31.2 2001 ELV指令を受けて、鉛化合物を含まない製品への切り 替えに取り組んでいます。 18.3 2002 2003年度の鉛使用量は11.2トンであり、前年度対比 11.2 2003 39%削減(7.1トン減) しました。自動車用部品について は2004年中に鉛フリー化する計画で推進しています。今 0 10 20 30 40 後は自動車用以外の製品での鉛フリー化を推進します。 六価クロム品目数の推移 ・六価クロムフリー化に向けて (単位:品目) (年度) オイルシール等、金具との複合製品には防錆のため 金具に亜鉛メッキ+クロメート処理等を施しており、この 2000 3,487 2001 3,507 中に六価クロムが含まれています。 2,458 2002 ELV指令を受け、製品中の六価クロムの三価クロムへ の切り替えに取り組んでいます。 2,388 2003 2003年度の六価クロム含有品目数は2,388品目であり、 前年度対比70品目の削減に留まっていますが、2005年 12月までに六価クロムを全廃する計画で推進しています。 15 0 1,000 2,000 3,000 4,000 ■ DOP・DBPフリー化に向けて ゴムの可塑剤として広く使用されているDOP (フタル から、代替剤へ切り替えるための材料開発や加工性等の 酸ジ-2-エチルへキシル) 、 DBP (フタル酸ジブチル) は、 技術検討を行っています。2004年度から順次切り替え 近年EU指令により一部の用途で規制対象となったこと を進め、2006年末までに全廃する計画で進めています。 ■ お取引先への調査依頼 環境負荷物質を含む原材料・部品の調査フロー 製品の原材料・部品等に含まれる環境負荷物質を削 主要顧客の環境負荷物質 減・全廃するには、お取引先の協力が不可欠です。NOK 自動車業界、電機業界 等 調査対象物質抽出 では、自動車業界、電機・電子業界等で削減の動きが NOK環境負荷物質調査一覧表 高まっている環境負荷物質について調査し、8,502物質 (8,502物質) をNOKの管理対象物質として登録しました。登録した 物質についてお取引先にご協力をいただき、約2,200点 W e b 上 調 査 の購入原材料・部品について該当物質の含有の有無の (環境負荷管理物質含有量申告一覧) Web上で回答 調査を行っています。 購 入 先 環境負荷物質を含まない製品を提供するため、お取引 先を含めた仕組みづくりを行っています。 設計段階での環境保全評価 ■ 製品等環境保全アセスメント基準 NOKでは、 「製品等環境保全アセスメント基準」を策定 アセスメントにあたっては、生産時の環境負荷物質の し、製品設計、材料配合設計及び生産設備設計の業務に 拡散防止、使用時のエネルギーロスの削減、廃棄時の再 おいて、それぞれの設計段階での環境保全への評価基準 利用化やリサイクル容易性等が考慮されます。 を定めています。 環境保全アセスメント 評価基準 資源の使用 ・製品の歩留り向上 ・小型化による省資源 ・製品の寿命向上 生 産 使 用 ・低環境負荷材料の選定 ・低環境負荷工程を 選定した製品設計 ・成形機の放熱範囲の極小化 ・省エネ部品採用による 省エネ設備設計 ・製品の低摩擦による 使用時の省エネルギー設計 エネルギー消費 環境負荷物質の拡散 16 廃 棄 ・製品の使用後の再利用化 ・分解が容易な低廃棄設計、 リサイクル設計 廃棄処分の発生 環境パフォーマンス 省エネルギー・省資源 限りある資源を、次世代へと引き継いでいくために。そして、自らの事業活動と環境保全を両立させていくために。 NOKでは、エネルギー節減のための工夫や、資源の無駄をなくすための取り組みを推進しています。これからも、 地球環境の保全を考える企業として、さらなる省エネルギー・省資源の実現に向けて、積極的に取り組んでいきます。 省エネルギー NOKでは、省エネルギーによる地球温暖化防止への貢 場の活動を支援しています。 献を重要な課題と捉え、2010年度末時点での二酸化炭素 各事業場では、設備のインバーター化、高効率モーター 排出量を2000年度比で7%削減することを目標に取り組 の導入、建物の断熱塗装、遮光フィルムやプルスイッチ んでいます。 の取り付け、省エネルギー型蛍光灯への交換等の取り組み が行われました。 全社的な取り組みとしては、省エネルギー小委員会を 2003年度の二酸化炭素排出量は50.4千t-CO2 となり、 設置し、各事業場のエネルギー使用・削減の計画や状況 を把握し、全社としての取りまとめを行っています。また、 2002年度と比較してやや減少していますが、今後はさら 社内外の技術的な方策や事例等の情報を収集し、各事業 に省エネルギーの取り組みを強化していきます。 2003年度エネルギー使用量の内訳 二酸化炭素排出量の推移 (単位:千GJ) (単位:千t-CO2) (年度) 重油・灯油等 59.2 (4.4%) 53.2 2000 都市ガス・LPG 68 (5.2%) 49.4 2001 50.6 2002 総 量 1,316 千GJ 50.4 2003 1,189 20 30 40 50 60 (90.4%) 電 力 ジュール(J)への換算: 二酸化炭素への換算: 「エネルギーの使用の合理化に関する法律施行規則」 (平成15年 改正) の係数を用いて算出しています。 省 資 (社)日本自動車部品工業会の係数を用いて算出しています。電力に 関しては、電気事業連合会の2001年度の係数を用いて算出しています。 源 ■ 歩留り向上のための取り組み ゴム歩留りの推移 (単位:%) (年度) NOKでは、省資源を実現するため、製造工程で使用す 61.6 2000 るゴムの歩留り向上について、全社目標を掲げて取り組 64.6 2001 んでいます。ゴム生地の厚み・幅の調整や、ゴムだまりを 小さくしたり、射出成形のスプルー・ランナーを細くする 63.1 2002 こと等により、ゴム使用量を削減することが可能です。 65.1 2003 NOKでは、こうしたゴム生地量の見直しや、成形方式の 50 変更、型の形状を変更する等の工夫を重ね、ゴム生地の 準備や、加硫の段階で使われるゴムの量を最小限にする 努力をしています。 取り組みの結果、歩留りは2002年度の63.1%から2003 年度の65.1%まで向上しています。 17 55 60 65 70 廃棄物管理 自らの事業活動で発生した廃棄物を安全かつ適切に処理することは、重要な「企業の社会的責任」です。 NOKでは、製品の製造過程で発生した廃棄物を、できる限りリサイクルすることはもちろん、 廃棄物発生の抑制に向けた取り組みを行っています。 廃 棄 物 管 理 ■ 廃棄物の処理 製造工程で発生するゴムばり、廃プラスチック、廃溶剤 の達成 (リサイクル率98%) を目指し、廃棄物削減の取り 等が、NOKの主な廃棄物です。ゴムばりは主にリサイクル 組みを行っています。全社的な取り組みとしては、各事業 され、汚泥・廃油等はリサイクルまたは焼却されます。 場担当者によって構成されるゼロエミッション推進小委員 こうした処理が困難な廃棄物は、埋め立て処分されます。 会を設置し、各事業場の廃棄物削減状況の報告や、成功 NOKでは、中期目標として、2006年度にゼロエミッション 事例の共有等の情報交換を行っています。 廃棄物排出量・最終埋立処分量 産業廃棄物総排出量 (年度) 2000 リサイクル率の推移 最終処分量 (単位:t) 9,703 2000 3,148 8,762 2001 7,625 7,839 2,000 4,000 75.8 2003 1,549 0 72.6 2002 1,847 2003 67.6 2001 2,398 2002 (単位:%) (年度) 6,000 8,000 10,000 80.2 0 20 40 60 80 リサイクル率(%)= {1−(最終処分量/産業廃棄物総排出量)} ×100 ■ ゴムばりのリサイクル NOKでは、ゴムの歩留り向上によってゴムばり発生の 抑制に努めているほか、リサイクルに力を入れています。 ゴムばりは、主にゴムの加硫工程で発生します。NOKは ゴムばりを粉砕機にかけた上で排出しています。粉砕さ れたゴムばりは他の素材と複合され、主にゴムブロック などの土木関連の製品として生まれ変わります。 ゴムばり粉砕機 ■ その他のリサイクル事例 各事業場では、ゼロエミッション達成に向けて、さまざ まなリサイクルの可能性を模索しています。現在実施し ているリサイクルは下記のとおりです。 ・蛍光管のリサイクル(全事業場) リサイクル後の製品 (ゴムブロック) ・アキュムレータの端材のリサイクル(東海事業場) ・ゴムばり等の廃プラスチックのRDF化検討 (藤沢事業場、二本松事業場) ・使用済み塩ビチューブのリサイクル化検討 (藤沢事業場) ほか 18 粉砕されたゴムばりを梱包 100 環境パフォーマンス 化学物質管理 オイルシールや各種製品の製造過程では、さまざまな化学物質を使用しています。 NOKでは、これらの化学物質を適切に管理し、法定の届出を行うとともに、使用量の削減や環境への排出量を 極力減らす取り組みを行っています。 化学物質管理 NOKでは、指定化学物質の環境への排出量・移動量の 届出を義務付けるPRTR (Pollutant Release and Transfer Register:環境汚染物質排出・移動登録制度) 法に従い、 2003年度は17物質について届出を行いました。 PRTR法対象物質(2003年度実績) 政令 番号 排 出 量 (kg) 第一種指定化学物質の名称 大 気 移 動 量(kg) 公共用水域 事業所土壌 事業所埋立 下水道 事業所外 1 亜鉛の水溶性化合物 0 38 0 0 0 2,700 9 アジピン酸ビス (2-エチルヘキシル) 22 0 0 0 0 644 16 2-アミノエタノール 200 0 0 0 0 0 24 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩 0 0 0 0 0 98 32 2-イミダゾリジンチオン 2 0 0 0 0 8 40 エチルベンゼン 3,100 0 0 0 0 62 63 キシレン 20,370 0 0 0 0 2,250 68 クロム及び3価クロム化合物 0 0 0 0 0 170 115 N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド 0 0 0 0 0 174 145 ジクロロメタン(別名 塩化メチレン) 20,530 0 0 0 0 6,260 2,000 172 N,N-ジメチルホルムアミド 120 0 0 0 2.5 204 テトラメチルチウラムジスルフィド (別名 チウラム又はチラム) 3 0 0 0 0 90 801,200 0 0 0 0 194,320 5,160 227 トルエン 230 鉛及びその化合物 0 0 0 0 0 232 ニッケル化合物 0 0 0 0 0 1 249 ビス (N,N-ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛(別名 ジラム) 0 0 0 0 0 805 272 フタル酸ビス (2-エチルへキシル) 0 0 0 0 0 1,417 ■ 有機溶剤の排出量削減 有機溶剤の排出量 (別途目標としている塩素系有機溶 有機溶剤環境排出量の推移 (単位:t) (年度) 2,506 2000 剤の排出量を除く) の削減を、2010年度までに2000年度 2,663 2001 比50%まで削減することを目標に、継続した取り組みを 行っています。 2,626 2002 全社的には、共通技術の検討や、対策の具体化と推進 2,590 2003 を目的としたVOC(揮発性有機化合物)削減小委員会を 設けて、ソフトメタル(薄い金属板の両面に合成ゴムを 1,500 コーティングしたシール製品) の製造に用いられる有機 溶剤ゴムのりのラテックス化や、有機溶剤系接着剤の 水溶性化をテーマとした検討を行っています。 各事業場では、燃焼方式による有機溶剤の処理や、接着 剤の配合見直しによる有機溶剤使用量削減などの検討を 行っています。 19 2,000 2,500 3,000 ■ 接着剤中の塩素系溶剤の使用量削減 テトラクロロエチレン・トリクロロエチレン使用量の推移 (単位:t) (年度) オイルシールやゴム焼付け品等の接着剤を、塩素系溶 2.16 2000 剤を含まないものに切り替えています。2003年度はトリク 1.61 2001 ロロエチレンやテトラクロロエチレンを含む接着剤使用 量を、2002年度の1.49トンから0.88トンに削減しました。 1.49 2002 今後も継続して対策を行っていきます。 0.88 2003 0 ■ 洗浄用ジクロロメタンの環境排出量削減 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 ジクロロメタン環境排出量の推移 (単位:t) (年度) オイルシールやゴム焼付け品等の金属部品洗浄工程 58.9 2000 では、ジクロロメタンの環境への排出量を削減するため、 洗浄条件や、表面処理方法の変更に取り組んでいます。 また炭化水素系溶剤洗浄装置の導入検討や、 2台あった 56.0 2001 32.6 2002 洗浄機を1台に減らす等の取り組みを行い、2003年度 29.9 2003 のジクロロメタン環境排出量は29.9トンと、2002年度の 32.6トンに比べ、8.3%削減することができました。今後 0 20 40 60 も引き続き、排出量削減に取り組んでいきます。 土 壌・地 下 水 汚 染 対 策 揚水曝気方式とは 藤沢事業場、福島事業場の2事業場で、土壌及び地下水 石油や揮発性有機化合物に汚染された地下水を汲 を調査した結果、テトラクロロエチレン等が環境基準値の 3∼4倍を示したため、行政に報告した上で、汚染対策を実 み上げ、曝気 (水と空気を強制的に接触させること) により汚染物質を気化・分離し、活性炭で吸着・除去 施しています。両事業場では揚水曝気方式による修復を する浄化法です。 行っていましたが、2003年度はバイオレメディエーション バイオレメディエーション方式とは 方式の修復を検討し、2004年度から実施しています。 土壌中の微生物の分解能力を利用し、土壌・地下 水中から石油や揮発性有機化合物等の汚染物質を 分解・除去する浄化法です。 揚水曝気方式のしくみ 空気と汚染地下水を 接触させ汚染物質を 気化させる ポンプで 汲み上げ ブロワー 排気 無害化 されたガス 処理水 ガス用 水用 活性炭槽 活性炭槽 汚染土壌・地下水 バイオレメディエーションのテスト (藤沢事業場) 20