...

鉄道情報システム (JRシステム) が高い可用性と柔軟な拡張性を持った

by user

on
Category: Documents
7

views

Report

Comments

Transcript

鉄道情報システム (JRシステム) が高い可用性と柔軟な拡張性を持った
鉄道情報システム (JRシステム) が
高い可用性と柔軟な拡張性を持った
クラウドサービスの提供を開始
JRシステムが、HPのワークショップとコンサルティングを活用
し、競争力の高いクラウド基盤を、データセンター事業のコア
メニューとして構築
お客様導入事例:
HPコンサルティングを活用したクラウド
基盤・サービスメニューの構築
業界:
ITサービス
目的
新たな事業展開としてデータセンターサー
ビスの拡張を指向。高い可用性と柔軟な
拡張性を持った高品質なクラウドサービス
(プラットフォームサービス)の提供を決断
し、競争力の高いサービス基盤・サービスメ
ニューの構築を目指した。
アプローチ
競争優位性を獲得できるサービス基盤と
その運用のあり方、サービスメニュー構築
等の検討に際し、HPのワークショップとコン
サルティングを活用。戦略立案と社内の合
意形成を円滑に進め、迅速なサービス立ち
上げを図った。
導入効果
• 検討初期段階の戦略的指針を、ワーク
ショップの活用により効果的に推進
• コンサルティングを活用し、競争力の高
いサービス基盤の設計・構築を短期間で
実現
• サーバー、ストレージ、ネットワークまで
大規模オンラインシステムの
開発・運用で培った知識と経
験と活かす
鉄道情報システム株式会社(以下、JRシス
テム)は、JRみどりの窓口の予約販売業務
を支える日本最大規模のオンライン・リア
ルタイム・システムである座席予約・販売シ
ステム「MARS(マルス)
」の開発と運用を担
う企業である。MARSは、JR の旅客事業を
サービス基盤全体の運用自動化が可能
支える巨大なサービス基盤であるととも
に
に、公共性が高く国民生活につながりの深
• マルチテナント環境に対する統合的な運
用管理基盤を実現
ビジネスの成果
• 高品質かつ価格競争力のあるクラウド
サービスを実現
• 自社の強みが発揮できるクラウドサービ
スのメニューを整備
• 運用自動化により運用コストを抑制
い社会インフラとしての使命も帯び、稼働
率 99.999%という高度安定稼働を実現して
いる。JRシステムでは、
これらの開発と運用
実績から得た知識と経験を活かし、ネット
ワークを含むシステムの開発・構築から保
守・運用にいたるまで、総合的なソリュー
ションサービスを提供している。
「 JRシステムでは、2011 年 12 月に新しいデータセン
「 初 期に実 施したワークショップにお い て は、プロ
ターを竣工しました。日本データセンター協会のファシ
ジェクトメンバー間の認識合わせ、提供すべきクラウド
リティ基準で最高レベルのティア4に相当する信頼性
サービスのコンセプト、そのために必要なサービス基
の高いセンターです。建設計画と並行して提供すべき
盤のあり方、サービスメニュー、収益モデルと投資対効
データセンターサービスの検討を進めてきました。お
果について包括的に議論することができました」
(篠遠
客様の機器やデータ資産を安全・安心にお預かりする
氏)
とともに、お客様のビジネスを支える高品質で豊富な
鉄道情報システム
営業推進本部
事業開発推進室
副室長 杵島和則氏
サービスを提供することを基本方針として掲げました」
と営業推進本部 事業開発推進室 副室長の杵島和則
氏は語る。
大規模システムの運用実績で培った“安全・安心”な
事業開発推進室 主任(技術担当)加茂宏一氏は、
バックアップサービスを提 供 することは初 期の段
階で決められました。問題は、まだ黎明期にあった
「 HPのコンサルタントを交えて議論を進めながら、目
標と基本方針をメンバー間で確実に共有できました。
また、サービス開始までに解決しなければならない課
題を具体化できたことも収穫でした」
と語る。
このワークショップを経て、以降はロードマップに沿っ
“クラウドサービス”をどのように提 供するかでし
て段階的にコンサルティングが提供された。具体的に
た」と事業開発推進室 主任(営業担当)篠 遠 光哉
は、サービスメニューとビジネスモデルの策定支援、そ
氏は当時の様子を述懐する。JRシステムがクラウド
してクラウドサービス基盤の構築に向けた要件整理と
サービスの検討を始めたのは2009 年。クラウドに対
技術支援である。
するサービスベンダーの解釈も様々で、その定義は
揺れていた。
「JRシステムが提供すべきは“安全・安心なクラウド
サービス”である、という大きな指針を最初に確認し
ました。しかし、安心なクラウドをどう実現するか、
競争優位を発揮できるサービスメニューは何か、と
「サービスメニューの策定については、事業としてお
客様から対価をいただくためのノウハウを、HPのコン
サルタントが豊富に持っていることを実感しました。た
とえば、他社と同じサービスでも、
どのようなシステム
をどのように運用するかで大きく収益が変わります。
中でも重要な示唆は、サービス基盤の
“運用の効率化”
いうことについてプロジェクト内でなかなか明確に
でした」
(加茂氏)
できない状態が続きました」
(篠遠氏)
運用の効率化、そのカギを握るのはHPが提供する
“自
「これらの解決に向けたヒントを与えてくれたのが
HPです」(杵島氏)
JRシステムは、本プロジェクトにおいてHPが提供する
「クラウドワークショップ」と「クラウドコンサルティン
グ」を採用した。
HPのクラウドワークショップとコンサ
ルティング
HPは、世界86個所にあった自社のデータセンターを6
拠点に統合し、世界屈指のプライベートクラウドを構築
した経験を持つ。また、数多くのデータセンター事業者
やサービスプロバイダーに対してクラウドサービス基
盤の構築を支援してきた。HPが提供する
「クラウドワー
クショップ」と
「クラウドコンサルティング」には、
これら
豊富な経験から培ったノウハウが凝縮されている。
2
をプロジェクトの全員で共有できたことに大きな意義
これが、社員のおよそ9割を技術者が占めるというJR
ビス、お客 様の災害対 策や事 業 継 続 計画を支える
日本ヒューレット・
パッカード株式会社
テクノロジーコンサル
ティング統括本部
コンサルタント
土田隆文氏
括的な議論を経て、サービス開始までのロードマップ
がありました」
と評価する。
「お客 様のシステムをお預かりするハウジングサー
鉄道情報システム
営業推進本部
事業開発推進室
主任(営業担当)
篠遠光哉氏
ケースも起こり得る。篠遠氏は「ワークショップでの包
サービスとソリューションをお客様に提供する― ―
システムのポリシーである。
鉄道情報システム
営業推進本部
事業開発推進室
主任(技術担当)
加茂宏一氏
社内メンバーだけで構成されたプロジェクトでは、製品
や技術などクラウドの一側面に議論が集中してしまう
動化テクノロジー”
だった。
高度に自動化されたクラウドサービ
ス基盤
クラウドサービスを支えるインフラストラクチャ構築に
は、いくつかの選択肢がある。クラウド事業者がどのよ
うなサービスを指向するかによって、インフラ機器の
最適構成は大きく変わることになるだろう。
「競合を含む外部環境をウォッチしつつ、クラウドサー
ビスの提供に必要な技術検証を進めていきました。
ちょうど同時期に、自社の情報系システムを統合するプ
ロジェクトが進行しており、仮想化されたサーバーとス
トレージを統合的に運用可能なプラットフォームを選
定していたのです。これが、私たちのサービス基盤の
あり方に重要なヒントとなりました」
(加茂氏)
加茂氏の言うプラットフォームとは「HP CloudSystem
「実際に技術検証を進めていく中で、テンプレートを
Matrix」。HPが推進する「コンバージド・クラウド戦略」 使ったプロビジョニングの威力を目の当たりにしまし
における中核製品である。統合インフラソリューション
た。非常に簡単な手順で、誰にでもプロビジョニングや
として、サーバー、ストレージなどの ITリソースを仮想
構成変更が行えることが確認できたのです」
(加茂氏)
的にプール化し、要求に応じて柔軟かつ迅速に提供す
ることができる。
HP CloudSystem Matrixでは、メニューを選択するだ
けで自動的にプロビジョニングが実行される。運用管
「HP CloudSystem Matrixは、
私たちが指向する
“安全・
理者を選ばない、
運用が属人化しない、
ということはイン
安心なクラウドサービス”
に最適であると感じました。
フラ機器を選定する上で非常に重要なポイントになる。
システムとしての信頼性を高めるために主要コンポー
ネントを冗長化できること、サーバーの自動フェイル
オーバー機能やストレージのクラスタリング機能など、
サービス停止を起こさない仕組みを実装できることに
も着目しました」
(加茂氏)
サーバーやストレージ、管理ソフトウェアなどのコン
ポーネントが、検証・構成済みの状態で手に入るシンプ
ルさも注目すべき点だ。最小構成からスタートしてビ
ジネスの成長に合わせて拡張できることもメリットに
なる。
さらに重要なことは、サーバーやストレージ、ネットワー
加茂氏は、
「しか も 、HP CloudSystem Matrixで は
『 HP バーチャルコネクト』によってサーバー側の I/O
が仮想化され、物理的な配線を一度行えばサーバーの
接続先設定や変更はすべて管理ツール上から行えま
す」
と続ける。
「私たちが提供するクラウドサービスでは、外部接続
のためのネットワークサービスをインターネットだけ
に限定せず、お客様が自由に選定いただけるという特
徴があります。この要件に迅速に応えるために、ネット
ワークとの接続もメニューを選ぶだけで自動設定され
る仕組みを構築しました」
(加茂氏)
クなどの仮想化されたITリソースを、必要なときに必要
な分だけ供給できる従量制に加え、優れた運用業務効
率にあった。それを支えるのがHP独自の
“自動化テクノ
ロジー”
である。
3
ソリューション
概略
ハードウェア
•HP CloudSystem Matrix
• HP TippingPoint IPS
ソフトウェア
•HP Operations
Orchestration
•HP Service Manager
•HP SiteScope software
•ネットワーク仮想化IRF
サービス
•HPクラウドワーク
ショップ
•HPクラウドコンサル
ティング
この機能は、最先端の Run Book Automation(RBA: “安全・安心”を支えるのは、強固なデータセンター
運用自動化)
ツール「HP Operations Orchestration」
ファシリティ、高信頼なサービス基盤、そして24時間
によって実装された。複雑な構成手順を自動処理する
365日体制で提供されるシステム監視・障害通知サー
ことにより、ここでも属人化を排除することに成功し
ビスである。
た。サービス提供のスピード化と運用業務の標準化・効
率化を、高い水準で同時に実現している。
「統合的なシステム管理基盤の重要性をアドバイス
してくれたのも、HPのコンサルタントでした。これに
「クラウドのサービス価格を下げるには運用コストを
下げることが重要、
とここまではどのベンダーでも考え
より、複数のベンダー製品が混在するハウジング環
境と、クラウドサービス基盤の両方を効率良く管理
ることです。HPは、運用コストを下げるには
“自動化”
が
できています」
(加茂氏)
最も有効であることを多くの経験から学びました。そし
採用されたのは「HP SiteScope software」である。
て、
“ネットワーク構成を含めた自動化”
を実現する具
体的なソリューションを持っていることが他社との大き
な違いです」と、本プロジェクトでコンサルティングを
担当した日本HPの土田隆文氏は語る。
エージェントレスでマルチベンダー環境のサーバー/
アプリケーションの監 視を行えることが 特 長 だ。
さらに、現在導入を進めているサービスデスク製品
「HP Service Manager」によるインシデントの集中管
この提案が、JRシステムが提供するクラウドサービス
の差別化にも結びついた形だ。
「運用の効率化を徹底的に進めるために、サーバーや
理も、運用業務の効率化に大きく貢献していくだろ
う。
最後に、杵島氏が次のように締めくくった。
ストレージのプロビジョニングだけでなく、外部ネット 「より運用コストの低いクラウドサービス基盤、そし
ワークとの接続構成までの自動化をアドバイスしてく て競争力の高いサービスメニュー。これらを高い水
れたHPコンサルタントの洞察に感心しました」と加茂
氏は評価する。
クラウドとハウジングの環境を統合
的に監視
篠遠氏が「クラウドビジネスの確かな手ごたえを感
じている」と語る通り、新機軸を打ち出したJRシステ
ムのデータセンターサービスは順調な滑り出しを見
準で追求していくことが、クラウドビジネスの成否の
カギを握っています。ビジネスの成長に伴いシステム
を拡張しても、運用側の体制を大きく増強する必要
のない仕組みが構築できたことも私たちにとって大
きな収穫でした。今後は、より付加価値の高いサー
ビス、競合差別化となるコンテンツを開発していき
たいと思っていますので、HP のコンサルタントには
引き続き期待しています」
せている。
「私たちのデータセンターサービスの“安全・安心”
というコンセプト、それを支えるサービス基盤と運用
に対して多くのお客様から理解と共感を示していた
だきました」
(篠遠氏)
Get connected
hp.com/go/getconnected
Share with colleagues
記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
記載事項は2012年7月現在のものです。本カタログに記載されている情報は取材時におけるものであり、
閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。
@Copyright 2012 Hewlett-Packard Development Company,L.P. 日本ヒューレット・パッカード株式会社
〒136-8711 東京都江東区大島2丁目2番1号
4AA4-2148JPN, JCS12216-01 2012年7月
Fly UP