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レストランセレスティ
古い日本家屋を利用した高級フランス料理店 ! ○ 愛知県 ここがポイント レストランセレスティ 古い日本家屋でいただく本格フランス料理をきめ細やかなサービスとと もに提供する。 た。 「花が枯れている」、 「店内が寒い」、 「暑い」 、 など連日苦情が寄せられたという。お客様に気 ■創業者の略歴、開業経緯 持ちよく食事をしてもらう場を提供できる店と 小澤氏は、大学時代にはボクシングのオリン してサービスの充実を図ることが最重要課題と ピック選考会決勝に進んだ経験がある。しかし なった。シェフでありオーナーである小澤氏の その決勝敗退を最後にボクシングを辞め、大学 経営理念や考え方が顧客の立場に立っているか も辞めた。ボクサーになるか料理人になるか迷 を確認し、従業員に対する教育を行った。 業種:フランス料理店 本社所在市 愛知県 名古屋市 創業 :平成12年10月 売上高:9,000 万円 従業員数:12 名 代表者 小澤 智章 創業塾 っていたほど料理に興味のあった小澤氏は、シ また、料理の質、味は価格以上の価値を示さ 平成 11 年の県商工会連合会主催の創業塾を受 ェフになることを決心。料理学校に通った後、 なければ顧客に振り返ってもらえないことが現 講し、事業計画書の書き方や経営全般に関する知 渡仏と帰国を繰り返し、通算 5 年のフランスで 実であるので、昼・夜のメニュー、コースメニ 識を得られ、融資等についての相談もできた。 店内の様子。日本家屋に洋式のテーブルセット の修業と国内での割烹、すし、天ぷら屋での修 ューの充実を図った。 が絶妙にマッチ。 業を経て、名古屋のワインバーでシェフとして 働き始めた。ワインバーは評判となり、連日に ■今後の展開、新たな目標 の先行きをとらえる目的のほか、経験の浅い従 ■経営方針、経営理念、店舗コンセプト ぎわった。2 年勤めたところで、所期の目的で 開業以来、来客の年齢層が上がり、現在は 40 業員に姉妹店で経験を積ませることもできる。 料理人であり続けること ある自分の店を持ちたいと思うようになった。 代∼50 代が主流となっており、客単価もディナ 慣れた従業員についても姉妹店とローテーショ ーで 9,000 円。今のこの店が順調に軌道に乗っ ンで仕事に従事してもらうことで緊張感や労働 たら、客層 30 代前後、客単価 4,800 円の姉妹店 意欲を持続させることができると考えられるた を設けたいと考えている。若年層の流行や好み めである。 門構えにこだわった小澤氏が一目で気に入っ た緑豊かな日本庭園がある昭和初期の旧家を利 ■創業に際し、 「創業塾」で学んだこと 用して、高級フランス料理を提供する「レスト 平成 11 年に県商工会連合会主催の創業塾を ランセレスティ」。280 坪の敷地、建坪 70 坪と 受け、経営に関する知識を学んだ。料理人とし いう店内は、全 9 室で 30 席。ランチタイムとデ ては既に一流の域に達していた小澤氏ではある ィナータイムを設けており、全予約制。 が、経営に関しては独学で学んだ部分も多く、 経営者ではなく、料理人であり続けるという 創業塾で創業等に関する経営全般の系統立った 信念を持つ小澤氏は、原価のことを考えていた 講義を受けられたことは非常に役立ったとい らいい料理は作れないと料理には惜しみなく高 う。また、受講後も融資等について県商工会連 価な食材を利用し、日本食材のいいところを積 合会に相談すると丁寧にいろいろなことを教え 極的に取り入れ、和食の修行、フランスでの修 てもらった。 業経験を活かした気張りすぎない料理を作る。 また、いかにお客様に喜んでもらえるかを従 業員の生きがいにしてもらいたいと店の回転を ■開業後の問題点とその対応 運転資金の不足など経営者としての経験がな ランチタイム 1 回、ディナータイム 1 回に抑え、 かったために苦労したこともあるが、それより 料理以外のことでも顧客を楽しませることを心 も、接客の経験が浅かったためにお客様にご迷 がけ、調度品に至るまで気を抜かない。 惑をかける失敗を重ねた頃がつらい時期であっ 古い日本庭園が店舗を取り囲む。