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資料No.2-2-2 委員からのご質問回答(H26第4回技術委員会
委員からのご質問回答 平成 26 年第 4 回技術委員会 質問 資料 No.2-2-2 質問リスト 質問者 宿題 回答 1.MAAP解析による各種物理量の時間経過のグラフ 追 鈴木委員 次回技術委員会には、10 月 7 日の技術委員会資料 No.1 補足説明資料3~6頁参照 の 4、5、9 ページや 11 ページにあるような各ケースごと 注水流量のグラフへの付記は補足説明資料32~35頁参照 の D/W 圧力、S/C 圧力、限界圧力のグラフを再度お示し ください。これらの図は端的に説明文が付記されていて非 常にわかりやすかったです。 また注水流量のグラフでは、流量を切り替えたタイミン グと流量値を付記してください。 1 鈴木委員 ①RPV 内水素発生(積算)量(kg),D/W および S/C 内水 補足説明資料8~15頁参照 素量(kg)。 2 鈴木委員 ②D/W,S/C および RPV 内の水素濃度(vol.%),D/W およ 補足説明資料16~23頁参照 び S/C 内の水蒸気濃度(vol.%)。 3 鈴木委員 ③D/W,S/C および RPV 水位(mm),スプレイ流量(m3/h), 補足説明資料24~35頁参照 炉心注水流量(m3/h)。 S/C 内水位のグラフには,S/C 気相部天井の高さとフィル タベントへの配管の高さも合わせて示してください。 4 鈴木委員 ④崩壊熱,水-Zr 反応熱 (J)。 5 鈴木委員 ⑤D/W 気相圧力(kPa),D/W 気相温度(C),PCV(RCCV) D/W気相圧力:補足説明資料3~6頁参照 補足説明資料36~43頁参照 シェル温度(C),RPV 内圧力(MPa)。RPV 内圧力(MPa) D/W気相温度,PCV壁面温度:補足説明資料44~47頁参照 については,40 時間までのグラフと、LOCA 開始後 20 RPV内圧力:補足説明資料48~55頁参照 分間までのグラフの両方を示してください。 6 鈴木委員 ⑥希ガスおよび Cs-134, -137, I-131 の D/W 内および S/P 補足説明資料56~71頁参照 内存在量(Bq)。 1 質問 7 質問者 宿題 鈴木委員 ⑦希ガスの原子炉建屋へのリーク量(Bq),放出割合(-),作 回答 補足説明資料72~74頁参照 業エリアでの線量率(mSv/h)。 8 鈴木委員 ⑧RPV の内面温度が最も変化速度が大きい箇所の温度 補足説明資料75~82頁参照 (C)と温度変化速度(C/hr)。 更8 鈴木委員 溶融炉心が RPV 下部プレナムへリロケーションする際、 下部プレナムへのリロケーションは,炉心領域内の挙動と基本的には同様です。燃 炉心支持板などの炉内構造物はモデル上どのような想定 料のヒートアップに伴い,炉心ノードの下部クラストが破損すると,炉心領域下方 としているか。 (平成26年12月19日での個別ご質問) に燃料が移行し,炉心領域最下部ノード(炉心支持板ノード)にも溶融物が移行し てきます。炉心支持板ノードに溶融物が移行すると,下部プレナムへのリロケーシ ョンが開始します。 下部プレナムへ移行した溶融物は,下部プレナム内で堆積し,制御棒案内管などの 構造物を溶融させます。この際,炉心支持板は制御棒案内管などの構造物で支えら れますが構造物の大半が溶融すると,炉心を保持できなくなり,炉心領域の燃料が 下部プレナムに一気に移行します。 9 鈴木委員 ⑨復水貯蔵槽水量(m3)。これは 10 月 7 日の資料に示され 補足説明資料83~86頁参照 ていますが,①~⑧のグラフと体裁を合わせて再度示して ください。 10 鈴木委員 ⑩B4C 酸化反応の大体の時間帯(hr)と反応熱(J)の評価 B4C酸化反応は約1200℃以上で発生するため,反応時間は,申請解析での制 値。 御棒温度が約1200℃を超えて,炉心が再冠水するまでの時間(約0.5~3h r)と想定します。また,反応熱は,約767 kJ/molで,仮にB4Cが全量 酸化すると仮定すると,発熱量は約1.8×107 kJとなります。しかし,水- Zr反応(900℃以上で反応大)によるZr酸化反応割合が解析結果として2 0%未満であり,B4Cについても実際には,炉心が再冠水するまでの時間(約0. 5~3hr)に全量酸化に至ることはないと考えます。なお,燃料集合体の溶融進 展挙動を調べる試験(B4C制御棒を使用)であるカールスルーエ工科大学のQu 2 質問 質問者 宿題 回答 enchプログラムでは炉心溶融時のB4Cの酸化量として,20%~50%の酸 化割合という結果が得られております。これと同じ酸化割合の場合,B4Cの酸化 による発熱量は 3.6×106kJ~9×106kJとなり,水Zr反応熱の1 ~2割程度となりますが,本年10月7日の技術委員会にてご提示したとおり,反 応熱の増加がこの程度の場合は格納容器ベント時間に与える影響は殆どありませ ん。 1.2.計算結果の不確かさとモデル 11 鈴木委員 MAAP コードによる D/W の気相圧力及び温度の計算値の MAAPコードによるD/Wの気相圧力・温度の計算値の不確かさ要因としては, 不確かさはどの程度と評価されていますか。より詳細なモ 水-Zr反応の計算や,エアロゾルの壁面への付着量の計算や,格納容器内外への デルを用いたコードを用いて同じ条件で計算すれば、気相 ヒートシンク量の計算など,種々存在します。 (水-Zr反応については質問13で 圧力及び温度は MAAP 解析より有意に上昇あるいは低下 言及) する可能性はないでしょうか。 例えば,エアロゾルの壁面への付着量の計算については,今回ご提示予定の計算条 件の見直しにより,D/W温度・D/W圧力ともに低い側へ振れることになります。 また,格納容器内のヒートシンク量の計算についても,実際よりも少なめに見積も っており,D/W温度・圧力ともに実挙動は,計算値より低く推移すると考えられ ます。 MAAPコードの計算条件によるD/W気相圧力・温度の計算値の不確かさ要因は 種々存在しますが,全体としては計算値は実挙動より保守的になるものと考えられ ます。 (参考) 柏崎刈羽6/7号機の設置許可申請書の有効性評価では,高圧・低圧注水機能喪失 シナリオにおいては約18時間で格納容器の最高使用圧力に到達する計算結果と なっていますが,原子炉熱出力に対する格納容器容積比が柏崎刈羽6/7号機とほ 3 質問 質問者 宿題 回答 ぼ同じである福島第二1号機においては,2011年3月11日に上記シナリオと 同様のプラント状態となったものの,約60時間後に残留熱除去系が復旧するま で,最高使用圧力に到達しませんでした。 1.3.水-Zr反応について 12 更12 鈴木委員 鈴木委員 ①MAAP の水-Zr 反応の速度式は何を使っているか。 高温時については Baker-Just の相関式、低温時については Cathcart の相関式によ Cathcart-Powel(ORNL)式? り評価しています。 また、7 号機(ABWR)では炉内の総 Zr 量は何トンで、そ 7号機で炉内の総Zr量は約80tであり,仮にこの全量が100%酸化したと仮 のうち各ケースでは何%が水-Zr 反応で酸化したと評価さ 定すると、約3500kgの水素が発生することになります。各ケースでの酸化割 れますか。おおよその数値(有効数字 2 桁程度)を教え 合はおおよそ以下の通りです。 てください。 ベースケース:炉内全Zr量のうち約13% ケース①:約15% ケース②:約22% ケース③:約21% 13 鈴木委員 ②MAAP のベースケースでは、集合体内のある高さで被 炉心損傷が発生した後の全炉心領域にわたる燃料のふるまいは不確かさの大きい 覆管のふくれによるチャンネル閉塞が生じて、閉塞箇所よ 領域です。閉塞の有無についても同様であり,現状,解析コードによって取り扱い り上の燃料域には水蒸気が供給されず、そこでは水-Zr 反 応が停止すると想定しています。 しかし、 過去の PWR 集合体(DBA)LOCA 模擬実験では、 流路閉塞は完全ではなく ECCS 水は通過するという結果 になっています。BWR 集合体の場合はもともと燃料棒間 隔が PWR 集合体より大きいので、完全な流路閉塞を仮定 することは不合理でしょう。つまり、水蒸気は閉塞した箇 所より上の燃料部にも十分流れていくと考えるべきでは が異なる状況にあります。 事実,米国ではMAAPの開発元である米国電力研究所(EPRI)とMELCO Rの開発元であるサンディア国立研究所(SNL)の間でクロスウォークという名 前の相互レビュープロジェクトが実施されている最中と聞いております。 当社としては,福島第一事故の状況をこのような議論の場に提供するとともに,そ の検討動向を注視しつつ,最新の知見を評価に取り入れていきたいと考えておりま す。 一方,水素発生量の不確実さによる格納容器圧力への影響の程度は,崩壊熱によっ て発生する大量の水蒸気と比較すると限定的です。(ベースケースの水素発生量約 4 質問 質問者 宿題 ないでしょうか。一方、ケース②では、閉塞が生じないと 回答 3 500kg(5600m )に対して崩壊熱により発生する水蒸気は1時間あたり 3 3 いう想定になっています。おそらく現実は②の方にずっと 数万m 。ベント前はこれを格納容器気相部約10,000m の空間内でS/P水 やスプレイ操作により凝縮させた上で制御。つまり格納容器圧力制御は崩壊熱で発 近いと考えた方がいいのではないでしょうか。 もし流路の閉塞が、集合体の一部での燃料溶融、それに よる燃料合体、クラスター生成によるというのであれば、 完全閉塞の可能性はありますが、となると、いつ、どの集 合体でクラスター生成が生じて完全閉塞したかという予 測が必要になります。 以上に対する見解を求めます。 生する水蒸気の制御が主役) また,補足説明資料の各頁で示しているとおり,ベースケースと感度解析という形 で評価を進め,どのような事故進展をした場合でも対応可能な設備となっているか 確認している上に,現実に事故状態となった際には,格納容器圧力の挙動を見なが ら,仮にスプレイ効果が十分でなければ流量を増加させる操作を行うことになりま す。 以上,物理法則の観点,設備性能の観点,現実の手順の観点から,水素発生量の如 何によらず,格納容器圧力の制御は十分に可能です。 2.格納容器と漏えい 14 鈴木委員 ①RPV 水相部に接続している RHR 配管の内径と肉厚を RPV水相部に接続している配管は,内径約280mm,肉厚約20mm となって 教えてください。RPV からの冷却材放出(LOCA)では, います。なお,25時間後ベントケースで無条件に配管破断すると仮定している配 破断口でチョーキングを起こす時間帯がありますか。 管は,一番破断面積の大きい箇所を選定しており,内径約300mm,肉厚25mm となっています。 事故と同時に破断が発生し,原子炉から冷却材の流出が開始し,原子炉水位が低下 します。事故発生後,原子炉水位が破断口に到達するまでの間(約30秒)は,破 断口から流出する冷却材は,臨界流を仮定しており,この間はチョーキングを起こ すとして評価しています。 15 鈴木委員 ②D/W の上限圧力を 2Pd(設計圧の 2 倍)とし,過温破 格納容器本体の構造評価,フランジ部の開口量評価・シール材試験,フランジ部等 損を防止する上限温度を 200℃とするもともとの根拠に のモデル試験を行い,健全性が確保できる圧力および温度条件の評価を行っていま ついて説明してください。 す。その結果,2Pd,200℃の環境下において格納容器の構造が健全であり, 閉じ込め機能を確保できるものと評価しており,これを上限温度・上限圧力として 5 質問 質問者 宿題 回答 設定しています。 16 鈴木委員 ③2Pd と 200℃は窒素と水蒸気を用いた試験のデータで 格納容器の設計圧力における設計上の漏えい率は0.4%/day(過去の窒素での 決めたものだと思います。水素は設計圧レベルでも漏れる 漏えい検査実績では0.1%/day程度)であり,窒素に対する水素の漏れやすさ 可能性があるのではないでしょうか。漏れれば,建屋内で を考慮した上で,設計圧力の2倍の圧力で水素が格納容器内に満たされた条件での の水素濃度が高まります。建屋内水素濃度をどう評価され 漏えい率を評価すると,約3%/dayと評価されます。 ていますか。 このように,格納容器は設計上も漏えいが見込まれることから,事故時に格納容器 から水素が漏えいした場合に備え,原子炉建屋オペレーティングフロアに静的触媒 式再結合装置を設置しています。本設備は格納容器の漏えい率を10%/dayと して設計しており(水素のガス組成は1/3として考慮),前記3%/dayの水素 の漏えいに対応できる能力を有しています。 17 鈴木委員 ④ベント開始圧・温度も福島事故を経て,再検討が必要な 質問12の回答にあるとおり,2Pd,200℃の環境下で格納容器閉じ込め機能 のではないでしょうか。 は確保できるものと評価しており,このことからベント開始圧を2Pdと設定して います。 18 鈴木委員 ⑤D/W 圧力の上昇に対してスプレイを繰り返し動作させ 事故時運転操作手順では,炉心損傷後の格納容器スプレイを格納容器圧力2Pd以 る際,スプレイ開始と停止のタイミングにおける D/W 圧 下に制御する目的で実施します。そのため,格納容器スプレイ開始タイミングを2 力レベルはどのようにして決めるのですか。あるいは Pdに余裕を持たせ1.5Pd「465kPa[gage]」と定めております。停止 Accident Management としていかなる判断,条件でスプ タイミングは,操作の輻輳を考慮し解析結果から「390kPa[gage]」と定 レイ(繰り返し)動作の開始・停止を決定するのですか。 め,間欠スプレイを実施することとしています。 本シナリオにおいても,格納容器スプレイへ間欠スプレイを実施しますが,原子炉 注水と格納容器スプレイが同一の系統を使用するため,交互に実施することとして います。原子炉水位が燃料冠水に十分な量が確保された場合で,原子炉注水から格 納容器スプレイに切り替えます。原子炉への注水が停止するため原子炉水位は徐々 に低下しますが,燃料が露出しないタイミングで格納容器スプレイから原子炉注水 へ切り替えます。以後,この操作を交互に実施し,燃料の冠水維持及び格納容器の 6 質問 質問者 宿題 回答 除熱を継続します。 19 鈴木委員 ⑥格納容器貫通部およびフランジ部からの、および MSIV 格納容器全体の漏えい率には,フランジ部やMSIVからの漏えい率も含めていま からのソースターム漏えいは、ソースタームの全体放出量 す。(定期検査毎に実施している格納容器全体漏えい率検査では,窒素ガスを用い に寄与するはずです。環境への最終的な放出量の評価にお て格納容器を最高使用圧力近くまで加圧し実際の漏えい率を測定しておりますが, いて格納容器フランジ部や MSIV からの漏洩率も含めて この加圧バウンダリに格納容器フランジ部やMSIVが含まれています) いることを説明してください 重大事故発生時に格納容器から原子炉建屋に漏えいする希ガスの量は,設計漏えい 率を考慮すると格納容器圧力逃し装置を経由して大気中に放出される量の100 0分の1程度になると考えています。また,SBO時には原子炉建屋の空調系は停 止しているので,原子炉建屋内雰囲気の大気中への流出や,原子炉建屋内への大気 の取り込みはほとんど無いものと考えています。そのため,格納容器から原子炉建 屋に漏えいした微量の希ガスは,原子炉建屋内で時間減衰により更に低減された後 に大気中に放出されるものと考えています。 また,格納容器から原子炉建屋内に漏えいしたセシウム等の粒子状物質は,重力沈 降や水蒸気の凝縮に伴う内壁への沈着等により原子炉建屋内で除去されるため,大 気中にはほとんど放出されないものと考えています。 これらのことより,大気中に放出される放射性物質は,格納容器圧力逃がし装置を 経由して放出されるものが大部分であると考えています。 20 鈴木委員 ⑦原子炉建屋へのソースターム漏えいが生じて作業条件 弊社の設置許可申請に基づくシナリオ(大LOCA+SBO+全ECCS機能喪失 に影響すると予想されますが,被爆はどの程度になります シナリオ)においては,作業員は最も保守的に評価した場合,W/Wベント時で約 か。 10mSv以下であり,被ばく量は100mSv(※1)に比べ十分小さいものと 評価しています。 ※1 緊急時被ばくにおける被ばく限度 7 質問 質問者 3/18 追 鈴木委員 加1 宿題 回答 PCV ペネトレイション部、電気配線ペネ(樹脂封じ)の 格納容器貫通部については,定期検査毎に貫通部(シール部)の局所漏えい率試験, 性能の確認は実験を行っていますか。実機の経年劣化をど および,格納容器全体漏えい率試験を実施し,性能確認を実施しています。格納容 う評価しますか?閉じ込め機能には水素も含まれている 器は,設計上,気相部から窒素や水素を含む気体の漏えいを想定した設計としてい のですか? ることから,局所漏えい率試験では,貫通部(シール部)を気体窒素により加圧し て漏えい率試験を実施しています。 また,電気配線ペネ(樹脂封じ)についても,40年相当のプラント運転を想定し た放射線,熱劣化影響を考慮した試験体に対し,事故条件下における健全性確認の ための気密試験を実施しており,リーク量が判定基準を十分満足していることを確 認しています。なお,事故条件下では,電気配線ペネ(樹脂封じ)の二次シール部 (二重構造になっているシール部の二重側)の温度は100℃を下回っており,樹 脂が劣化するような温度ではないことを確認しています。 以上のことから,電気配線ペネ(樹脂封じ)について,経年劣化によるシール材の 急激な気密性低下の可能性は小さいことが試験で評価されており,それに加えて定 期検査時に実施する原子炉格納容器漏えい率検査により,シール材の経年劣化によ る気密性の異常有無を確認して管理を行っています。 3/18 追 加2 鈴木委員 東電回答の漏えい率 10%/day に対して、 「水素のガス組成 原子炉格納容器内には,通常運転中は窒素が封入されていますが,事故時には,格 は 1/3」 、 3%/day の水素の漏えいに対応できる再結合装置、 納容器内に種々の気体成分が放出されます。漏えい率の評価においては,事故時に と述べていますが、このガス組成とは何ですか(水蒸気、 発生する水素の濃度を保守的に見込み,想定される格納容器内の気体の存在割合 希ガス、水素、窒素は?) 。こうした漏えい率は実験で測 (ガス組成)が水素:水蒸気:窒素≒34:33:33(1:1:1)の割合で存 定したのですか。 在するものとして,格納容器圧力が2Pdになった際の漏えい率を評価し,それに 対して余裕をとった10%/dayを静的触媒式再結合装置の設計の前提として います。(補足説明資料に示した「大LOCA+SBO+全ECCS機能喪失シナ リオ」では,最も水素濃度が高くなる感度解析ケースにおいても,ドライウェル内 の気体の存在割合(ガス組成)は,水素:水蒸気:窒素≒18:68:14となり 8 質問 質問者 宿題 回答 ます) なお,事故時の格納容器漏えい率を測定した実績はありませんが,定期検査毎に実 施している原子炉格納容器全体漏えい率試験において,格納容器の漏えい率が許容 値(0.4%/day)以下であることを確認しています。 3/18 追 鈴木委員 加3 2Pd でも設計上の率を上回る漏えいなしというのは、実 福島事故の知見を踏まえ,格納容器開口部等のシール部に用いられているシール材 機(KK6 号機、7 号機)で実験して確認したのですか。 については,耐高温環境性に優れた改良EPDM材を採用します。改良EPDM材 実験する予定はありますか。 の性能確認として,フランジ試験(改良EPDM材を用いたフランジシール部から の漏えい試験)を行い,200℃,2Pdの環境下において漏えいが生じないこと を確認しています。また,過去には,(財)原子力発電技術機構(NUPEC)に よる研究において,格納容器の1/10スケールモデル試験体を用いた試験におい て,2Pdを超える圧力での試験を実施しています。 3/18 追 鈴木委員 加4 FV 系が損傷して使えなくなった場合、PCV は内圧がどこ 格納容器バウンダリを構成する機器の健全性評価では,200℃,2Pdに対する まで耐えると評価していますか。 格納容器の健全性を確認しており,2Pdを上回る圧力になった場合においても, 即座に破損するものではないと考えています。上記ご質問においてご紹介したNU PECの試験においては,限界圧力を確認する試験を実施しており,その際には, 常温環境下ではあるものの,約4.6Pdで試験体が破損しています。 なお,フィルタベント設備が損傷した場合であっても,耐圧強化ベントラインを用 いたベントを行うことが可能な設計となっており,フィルタベント設備の損傷によ り,即座に格納容器の内圧が上昇しない設計としています。 3.フィルタベント系統 21 鈴木委員 ①放射性物質が格納容器から出てフィルタベントへ行く 途中にスタックへ分岐する配管部分があります。このスタ ックへの分岐を閉じている弁の漏洩率はどのくらいです 当該弁は,格納容器隔離弁ではないため漏えい試験を実施していませんが,当該弁 と同一構造の弁について,定期検査時に漏えい率試験を実施しています。これまで の定期検査時における漏えい率の平均は,弁の試験結果を格納容器全体の漏えい率 に換算した場合で約0.001%/dayとなります。なお,当該弁は,空気作動 9 質問 質問者 宿題 か。 回答 弁(AO弁)で、弁の設計漏えい量として特に明確に定められたものはありません が、出荷前試験における漏えい量の判定基準はゼロとなっており、出荷時点での漏 えい量はゼロでした。 4.スプレイ操作など 22 鈴木委員 ①現場の操作としては,中操において D/W 圧力・炉心の 本シナリオについては,ご理解の通りです。 (事故時運転操作手順では原子炉への注水と格納容器スプレイは別々の系統から 水位・復水貯蔵槽の水位・S/C の水位をそれぞれ見ながら, 実施することができることになっているので,原子炉水位を安定させるため原子炉 現場のバルブを中操から操作する,つまりスプレイ⇔炉心 注水と格納容器スプレイを切り替えることがないように,別々の系統から水を入れ 注水の切り替え,スプレイ流量の調節を行う,と理解して ることも試みます) いいですか。 23 鈴木委員 ②スプレイと炉心注水を切り替える弁操作の信頼性は重 要です。弁の信頼性,運転員の訓練などをどう考えますか。 こうした動作は BTC シミュレータのメニューに入ってい ますか。 25時間後ベントケースでは,ガスタービン発電機車の起動により電源を復旧させ るため,中央制御室から弁操作を遠隔にて実施します。D/Wスプレイ弁及び原子 炉注入弁は月1回の定例試験にて動作確認を実施しています。なお,注入先の切り 替えに用いる弁は残留熱除去系の弁で,事故環境下(温度,圧力,放射線影響)で の動作を考慮した弁となっています。 また,D/Wスプレイと原子炉注水の切替操作をするシミュレータ訓練を実施して います。 24 鈴木委員 ③手順書は改訂済でしょうか。その場合,改訂された手順 復水移送系を用いた原子炉への代替注水手順書及びPCV代替スプレイ手順書は 福島第一原子力発電所の事故前から整備済みです。 書も規制委員会はチェックするのでしょうか。 また,手順書ではPCV代替スプレイは間欠運転で行うこと,スプレイ停止中は原 子炉への代替注水等を適宜行うことなど,操作時の注意事項も事故前から定めてい ます。 (25時間ベントシナリオで使用する手順については,改訂はしていません) なお,復水移送系を用いた手順については,審査会合等で確認を頂いている段階で あり,適宜対応してまいります。 10 質問 25 質問者 宿題 回答 鈴木委員 ④現在までに実機 6 号機あるいは 7 号機で格納容器スプ 格納容器スプレイについては,プラント建設時の使用前検査において,空気による レイを実際に動作させた経験がありますか。 通気試験を実施しています。一方,サプレッションチェンバのスプレイについては, 使用前検査の他,月1回の定例試験において動作試験を実施しております。 なお,スプレイノズルについては,実機大のノズル単体を用いて代替格納容器スプ レイ流量に相当する流量でのスプレイ放水試験を実施し,性能を確認しています。 また,復水移送ポンプ及び残留熱除去系ラインを用いた原子炉への注水試験によ り,バイパス流の無いことを実機で確認しております。このことから,同ポンプ及 び同系統を用いる代替格納容器スプレイにおいても,バイパス流は無いものと考え ています。 更25 鈴木委員 それとも格納容器スプレイには建設時から一度も水を通 していないのですか。それをどう考えますか。 格納容器スプレイと同様の設計を行っているサプレッションチェンバスプレイに ついて通水試験を実施していること,格納容器スプレイについて通気試験により流 路が確保されていることの確認を実施していること,ということから通水試験と同 等の確認ができているものと考えています。 26 鈴木委員 ⑤東電シナリオではスプレイ動作限界は S/C 内水位がフ ィルタベント配管水没高さに来たとき(クリティカル条 件)としていますが,S/C の気相空間の水位が注水(スプ レイや蒸気凝縮)によってで上がっていくとき,フィルタ フィルタベント動作以前に,S/C内に流れた水素等は,補足説明資料の87頁に 示すとおり,真空破壊弁を通じて一部D/Wに流れます。 なお,大LOCA+ECCS機能喪失+SBOの25時間PCVベントシナリオで は,PCVベントはスプレイ用の水源(CSP)への水の補給が間に合わず,枯渇 するために25時間でベントするのであって,その段階ではS/C水位高さがベン ベントを動作させる以前は,それまで S/C に存在した水 ト配管水没高さに到達していません。水源が枯渇しなければ,S/Cベント配管高 素や希ガスはどこへ行きますか。 さに至るまで,事象発生から約40時間までベント開始時間を遅らせることが可能 となります。補足説明資料の87頁参照 27 鈴木委員 ⑥大 LOCA 後,炉心を冷却した水は貯水槽の水と循環し て崩壊熱を継続的に除去しているのでしょうか,それとも 25時間ベントのケースでは,RHR系ポンプや代替熱交換器車の機能を無条件に 見込んでいません。従って,後者となります。(注水→ベントによる熱除去) 11 質問 質問者 宿題 回答 注水した水の蒸発によって崩壊熱除去をおこなうのでし ょうか。 28 鈴木委員 ⑦25 時間でベントしたとして,それ以降は炉心および格 25時間後ベントのケースでは,無条件に本来の交流電源(外部電源や非常用ディ 納容器内の水循環はどのような状態を維持するのですか。 ーゼル発電機)や海水への熱除去系の機能が喪失していると仮定しています。復旧 いつ本来の交流電源や海水への熱除去系が復旧すると想 までは想定していません。 定していますか。 従って,本評価においては,崩壊熱に相当する注水を実施しつつ,発生した熱はフ ィルタベントを通じて大気へ逃がす,ということを継続することとなります。 29 鈴木委員 ⑧LOCA 発生後 2 時間の、中操での操作に関係する系統 有効性評価シナリオの「大LOCA+SBO+ECCS機能喪失」が発生すると, の弁や計装系、通信系などの電源は DC 蓄電池であり、持 ガスタービン発電機から交流電源が供給される「約2時間」までは計装系(原子炉 続時間など十分な容量があることを説明してください。 水位計など重大事故等時の対応に必要な計器)は区分Ⅰの蓄電池で対応可能な設計 としています。 同様に,通信設備(ページング,PHS)は専用の蓄電池で対応可能な設計として います。 蓄電池の給電時間は,有効性評価シナリオ「24時間全交流電源喪失※」が発生し た場合を想定しています。 本想定においては,原子炉の水位維持を目的とし区分Ⅰに属する原子炉隔離時冷却 系,又は高圧代替注水系に給電できるように,区分Ⅰの蓄電池を増強し,以下の設 計としています。 ※:LOCA事象の重畳なし <弁> 原子炉隔離時冷却系,高圧代替注水系:24時間 12 質問 質問者 宿題 回答 <計装設備> 区分Ⅰ:8時間 8時間以降は原子炉水位計など重大事故等時の対応に必要な計器:24時間 同様に通信設備の蓄電池についても増強し,以下の設計としています。 <通信設備> ページング:8時間,PHS:12時間 5.スプレイ効果 30 鈴木委員 3 ①スプレイの定格流量(設計流量)の正確な値を教えてく RHRでのD/Wスプレイの定格流量は840m /hとなっています。 ださい。 31 鈴木委員 ②シナリオでは定格の 1/6~1/7 の流量でスプレイを動作 させますが,これによる液滴サイズ分布の変化による蒸気 凝縮効果への影響や D/W の不均一な三次元空間構造への 液滴散布による蒸気凝縮効果への影響は,実機規模での試 験データがありません。蒸気凝縮が有効であるという期待 をどのように担保するのですか。 ・ 過去の研究成果(定格の1/6~1/7の流量での効果確認含む)から,実寸 大のスプレイノズル単体を用いたスプレイ散布試験を実施しており,観測され た液滴径から凝縮効果は十分得られると考えます。 ・ また,大LOCAシナリオでは,D/W内は水蒸気で満たされており,かつガ スは混合しており,均一な状態にあります。 ・ 従って,代替格納容器スプレイによる蒸気凝縮効果は,実機規模の試験を行わ ずとも,期待するまでもなく物理法則から明白です。 (参考)原子力発電技術機構,「重要構造物安全評価(原子炉格納容器信頼性実証 事業)に関する総括報告書」,平成15年 3 月 (3.2 スプレイによる格納容器内でのFP除去試験) 実機での代替格納容器スプレイ流量約130m3/hをノズル単体にスケールダウ ンした条件でスプレイ試験を実施しており,以下のスケーリングの考え方が記載さ れています。 「本試験にて使用する装置(GIRAFFE-FP)は後述するように高さ方向にほ 13 質問 質問者 宿題 回答 ぼ実寸大装置であり,格納容器内主要部の体積のスケール比は同じである。従って, 実機で使用しているスプレイノズルを用い,このスケール比で定まるノズル本数を 使用すれば,実機と同様のスプレイ散布状態を模擬できる。また,初期条件として 容器内に封入する物質の量や,境界条件として連続的に供給する諸量もすべて所定 のスケーリング比でスケールダウンすれば,測定すべき物理量は実機と同様の過渡 変化が実時間でスケール模擬可能である。」 なお,試験ではありませんが,福島第二原子力発電所では,2011年3月11日 の津波により崩壊熱除去機能喪失状態となり,注水した水の水蒸気が格納容器内に 蓄積していく状況となりましたが,復水移送ポンプ1台(大LOCAシナリオでは 復水移送ポンプ2台)によって代替格納容器スプレイの間欠運転を実施し,格納容 器圧力維持及び低下による蒸気凝縮効果が確認されています。 補足説明資料88,89,90頁参照 32 鈴木委員 ③定格の 1/6~1/7 流量での PCV 内蒸気凝縮効果に関する 質問31への回答参照 定量的な判断ができるような実験データがない以上,スプ レイの効果に関する MAAP 度解析では,低流量側の感度 解析も行うべきです。 6.水源および送水 33 鈴木委員 ①淡水貯水池の水位を日常的に維持する方法,送水のフレ 淡水貯水池の水位については,適宜,現地確認を行い,水位低レベル(2万トンの 目安ライン)となっている場合には井戸からの補給を行うこととしています。 キシブルホースと防火水槽,および復水貯蔵槽の耐震対策 送水のフレキシブルホースは側溝(蓋付き)内に配備しており,耐震対策は実施し を教えてください。 ていません。10m毎に取替え可能な構造のため,破損があれば予備ホースに交換 することとしています。 大型防火水槽(100t)および復水貯蔵槽については,Ss地震動に対して必要 な機能(貯水機能)を維持できることを確認しています。 14 質問 34 質問者 宿題 鈴木委員 ②送水のフレキシブルホースの破損部の交換作業の実地 訓練は行いましたか。その作業に要する時間はどのくらい でしょうか。 35 鈴木委員 ③スプレイ水と炉心注水を供給する代替注水系の系統と 操作について、その配管、分岐、弁などを配置した系統図 によって簡単に説明してください。 更35 鈴木委員 スプレイ・注水系の弁は DC 駆動の MO 弁であって、AC 駆動弁、AO 弁は無いでしょうか。SBO となった場合、 弁は fail-as-is となるのでしょうか。またこの系統の耐震 性はどうでしょうか。耐震クラス S ですかB,Cですか。 回答 交換作業訓練を実施しています。 その際の交換作業時間は,1 箇所(10m)あたり5人で30分程度となっていま す。 復水貯蔵槽を水源として復水移送ポンプを使用し,非常用炉心冷却系に接続された 弁を開操作し,非常用炉心冷却系の原子炉注入弁または格納容器スプレイ弁を開け ることにより,代替原子炉注水または代替格納容器スプレイを実施することができ ます。補足説明資料91頁参照 代替注水系を使用した原子炉注水及び格納容器スプレイで使用する弁は「AC駆動 電動弁」であり,SBO時は「fail-as-is」になります。 代替注水系を使用した原子炉注水及び格納容器スプレイラインは残留熱除去系と 復水補給水系を使用しております。 残留熱除去系及び復水補給水系の耐震性は以下のとおりとしております。 残留熱除去系: 「Sクラス」設計 復水補給水系:耐震「Bクラス」の復水補給水系のうち原子炉注水及び格納容器 スプレイラインに使用している箇所は基準地震動Ssに対して 安全機能が損なわれないよう耐震強化工事を実施しております。 7.RHR配管の大LOCAの可能性 36 鈴木委員 ①RHR 三系統の RPV ノズル→中間材→RHR 炭素鋼→最 RHR系のRPVノズルからRPVから見て第1弁までの配管鳥瞰図の模式図に ついては,補足説明資料92頁参照。 初の弁までの構造の溶接箇所を入れた模式図を示され、ど この範囲におけるISI(供用期間中検査)については,維持規格に従い,超音波 のような検査(In-service inspection)を行っているのか 探傷試験(UT) ,漏えい試験(VT-2)を実施しております。 を説明してください。 15 質問 37 質問者 鈴木委員 宿題 回答 ②また念のため、線量が高くて直接の超音波探傷を行えな ボトムドレンラインについては,中越沖地震後の設備健全性確認のために,耐震裕 度の小さい箇所を対象に点検を実施しております。当該部については,線量が高く いボトムラインについても位置と構造の模式図を示され、 超音波探傷試験の実施が困難なため,詳細な目視点検を実施しております。なお, 代替検査箇所を示してください。 この点検については,中越沖地震後の影響確認のために,特別に実施したものです。 位置と構造の模式図については,補足説明資料93頁参照。 10/21 質 鈴木委員 問事項 ① 規制委員会には,RHR に超音波探傷ができない部分があ 平成21年2月12日に「柏崎刈羽原子力発電所7号機に関する新潟県中越沖地震 ることを伝えてありますか。6 号機でも RHR 配管は同様 後の設備健全性に係る点検・評価報告書」を原子力安全・保安院に報告しており, な状況になっていると思いますがどうでしょうか。 (平成26年10月21日質問状でのご質問事項) その中に記載しています。 http://www.tepco.co.jp/cc/press/09021202-j.html 中越沖地震後の点検は,目視点検後,地震応答解析の結果,評価基準値に対して裕 度が小さかった部位を非破壊検査することとしたものであり,6号機の同RHR配 管は裕度が充分であったため,非破壊検査の対象とはなっていません。 10/21 質 問事項 ② 鈴木委員 7 号機を運転しても 5 号機を並行して運転していない限り 中越沖地震後の点検は,目視点検後,地震応答解析の結果,評価基準値に対して裕 度が小さかった部位について,非破壊検査を実施したもので,7号機の当該部位(R 代替モニターはできません。 PVのボトムドレンライン)については高線量であったため,5号機の類似部位地 つまり 7 号機のみを再稼働した状態ではクラックの発 震応答解析の結果,評価基準値に対して全プラントの中で裕度がもっとも小さかっ 生の有無・成長進展の状態については全く不明なので,大 た5号機の部位の点検結果も参考に評価を実施し,異常のないこと確認しました。 破断が「非常に過激な仮定」であって「現実には発生しえ (5号機については,裕度がもっとも小さかった部位の点検(UT,PT)を実施 ない」ことを担保することは不可能です。 「非常に過激な し,地震の影響も含め,異常がないことを確認しています。 ) 仮定」 「現実には発生しえない」という表現は担保がない 以上無理があり,3.11 前の安全神話(SA は日本では起こ 一方,その後の設備の維持管理のための評価としては,通常の定期検査時のISI らない)に逆戻りすることに通じます。こうした表現につ (供用期間中検査)にて管理しています。 いてどうお考えになりますか。 (平成26年10月21日質問状でのご質問事項) 16 質問 38 質問者 宿題 回答 鈴木委員 ③仮に RHR 配管の内部状態が不明ならば,ABWR の 3 上記 10/21 質問事項②で回答しましたが,中越沖地震後の点検において当該箇所 系統すべての RHR 配管にクラックが成長して大破断を生 (RPVのボトムドレンライン)も含め,評価し,異常のないこと確認しました。 じる確率は無視できません。地震時に 3 系統のうち 1 系 統が大 LOCA を起こし,残る 2 系統が機能停止という東 一方,その後の設備の維持管理のための評価としては,通常の定期検査時のISI (供用期間中検査)にて管理しています。 なお,7号機における当該箇所(RPVのボトムドレンライン)は,RHR1系統 電の 25 時間シナリオの想定は,保守的というよりむしろ のみとなります。 現実的な仮定です。 大LOCAシナリオでは,上記RPVのボトムドレンラインの破断時の挙動を包絡 つまり,地震という共通事象によって 3 系統の内 2 系 統で大LOcaが生じて残り 1 系統だけ健全,あるいは 3 するシナリオとして,RHR(A)ポンプ吸込配管がギロチン破断し,残る2系統の RHR(B)及びRHR(C)についても機能喪失するシナリオを仮定しています。 系統すべてで大破断Locaという可能性も考え,シナリ なお,地震に対しては,十分に強度を確保しており,2系統あるいは3系統の大破 オには,RHR の 2 系統で大 LOCA,および 3 系統で大 断を想定しなくても,偶発的に1系統のギロチン破断が起こったと無条件に仮定す LOCA の想定を加えることが必要と思います。以上に対 ることで,十分保守的な前提と言えます。 する見解を求めます。 8.急速減圧による水位計の過大表示 39 鈴木委員 大 LOCA が生じたとき、 RPV の急速減圧が起こります。 <原子炉水位計の構造> こ れ に よ っ て RPV 水位 計 の 基 準 参 照 水 柱 (reference RPV水位計は,補足説明資料94頁に示すとおり,2つの水柱の差圧を計測する column) 、 凝 縮 器 (condensing pot) 、 お よ び 補 給 水 槽 ことにより,水位を検出する原理です(凝縮槽方式)。 (auxiliary reservoir)は急激な減圧沸騰を生じ、同時に参 原子炉水位計の蒸気凝縮槽に蓄積した非凝縮性ガスの影響によって,原子炉の減圧 照水柱、凝縮器および補給水槽の水に溶けて蓄積していた 水素や酸素の急速な析出によるバブリングが引き起こさ れ、水位計系統からの水の排出はさらに急激になります。 バブリングを正確に言うならば、減圧に伴う溶存ガス(非 凝縮性ガス)の気泡化による水位計系統内の排水現象とい う表現になるでしょう。つまりシャンパンの瓶の栓を抜い 時に水位計が誤指示を出す可能性が過去の海外情報で確認されており,水位計の蒸 気配管の形状によって非凝縮性ガスが凝縮槽へ蓄積しやすいことが考えられるプ ラントについては,蒸気配管形状を改良し,凝縮槽機能の維持を図る対策を実施済 みです。 <事故時の対応手順> 冷却材喪失事故時においては,原子炉の圧力が急速に下がるため,原子炉定格圧力 の状態で校正している狭帯域及び広帯域水位計の指示値は変化する(燃料域水位計 17 質問 質問者 宿題 たようなものです。 回答 は大気圧,100℃で校正しており,同様に指示値は変化)。そのため,原子炉圧 この減圧沸騰とバブリングの相乗効果のために、補給水 力に対する各水位計の補正曲線を事前に準備し,実水位を判断する手順としていま 槽が参照水柱の減少を補償する効果も減殺され、その結 す。 果、参照水柱は大幅に低下し、同時に中操で観測する水位 計表示は大幅に過大評価となります(過大表示は 1F1 で 経験済み) 。この参照水柱の減少は簡単に復旧できるとは 思えません。したがって RPV 内の水位は正確に把握でき なくなり、大 LOCA が生じたこと自体への認識に遅れが 生じ、その後の炉心注水量の制御操作も非常に困難になり ます。 また,原子炉の圧力が急速に下がるとともに,格納容器内温度が上昇します。格納 容器内温度が原子炉圧力の飽和温度以上になった場合,凝縮槽内の水が沸騰し水位 計が正確な指示を出さなくなる可能性を考慮して,「水位不明」と判断する手順と しております。「水位不明」の対応手順は注水可能系統により原子炉を満水にする 操作を実施します。 福島事故後においては,凝縮槽の「気相部」 「液相部」 「水柱部」に温度計を設置し, 凝縮槽内の水位低下を把握し,これによっても「水位不明」と判断する手順も整備 しております。この場合も,原子炉を満水にする操作で対応します。なお,事故後 以上をふまえ、7 号機の RPV 水位計の、参照水柱、凝 の原子炉への注水流量と崩壊熱量から原子炉水位を推定する手段も整備しており 縮器、および補給水槽を含む配管系の詳細な構造と各部の ます。 サイズを示して、参照水柱の急速減少に対する対策を説明 してください。 <福島第一1号機~3号機との違い> また福島第一 1 号機~3 号機の水位計との構造上の違い 福島第一1号機~3号機も同様に凝縮槽方式を採用しており,計装ノズル1箇所に (たとえば補給水槽の有無) 、および福島事故後に柏崎プ 対し蒸気配管が2本に分岐され凝縮槽(2 台)が設置されている点のみ,柏崎刈羽7 ラントの水位計に関する何らかの変更・改良をされました 号機と異なります(上記構造はBWR-4プラントで採用しており,柏崎刈羽7号 らそれについても説明してください。 機などのBWR-5以降のプラントは計装ノズル 1箇所に対し凝縮槽1台設置) 3/18 追 加5 鈴木委員 水位不明の状況で、どのようにして RPV を満水にするの 原子炉の満水操作とは,目標水位を定めて注水するのではなくRPVを水で満たす ですか。満水とは具体的に TAF+何 m のことでしょうか。 ことを目的とした注水操作です。 具体的には,原子炉の減圧が終了(原子炉圧力0.34MPa以下)していること を確認し,注水可能な系統を使用して原子炉へ注水し原子炉を満水にします。 その際,SRVを開放して原子炉圧力をS/P圧力より0.4MPa(RPV満水 18 質問 質問者 宿題 回答 確認最低圧力)以上高い状態に維持することで満水を確認します。 その他の満水確認方法として,開放SRV排気管温度による確認,ポンプ追加起動 による原子炉圧力の上昇による確認があります。 なお,具体的な目標水位ではありませんが,上記の通りRPVが満水されてSRV から冷却水が排出されていることにより満水を確認することから,その時の水位と しては,TAFより約6.5m以上となります。 3/18 追 鈴木委員 加6 東電回答「水位計凝縮槽の気相部、液相部、水柱部に温度 過去に,実機プラントで水位計凝縮槽の気相部,液相部,水柱部に温度計を設置し 計を設置し.....水位低下を把握し.....」は、実験を行って有 て,プラント運転中での温度測定を実施しています。(6,7号機含め、全号機で 測定実施) 効性を確認したのですか。 3/18追加質問 3/18 追 鈴木委員 加7 3/18 追 加8 鈴木委員 格納容器内圧、ベントフィルタ装置内圧が負圧になって外 ベントを実施している最中にも,崩壊熱によって常に格納容器内では大量の水蒸気 気の逆流による水素爆発条件が成立する可能性はないで が発生し続けることから,除熱が復旧しない限り,ベント中に格納容器内やフィル しょうか。 タ装置内が負圧になる可能性はありません。 LOCA が生じて原子炉に注水している間、原子炉水は核燃 水-Zr反応に伴い発生する水素量に対して,ガンマ線による水の放射線分解で発 料から強烈なガンマ線を受けて放射線分解が生じ、気体状 生する水素量は極少量であり,ベント時間に対する影響は無視できる程度です。 の水素と酸素が発生するはずです。これらの量をどのよう に評価していますか。 19