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「ユメシホウ」が奨励(認定)品種に採用され

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「ユメシホウ」が奨励(認定)品種に採用され
<これから普及が期待される成果>
硬質小麦「ユメシホウ」が奨励(認定)品種に採用され、
大規模な試験栽培が開始されます
利用対象:小麦を栽培している生産者、小麦を製粉・加工・販売している事業者
硬質小麦を取り巻く状況
現状
(H24年産)
需要量が生産量を
上回っています
6,500t
4,031t
さらなる生産量拡大を
生産量の拡大
単収向上による生産量拡大
(H20~24平均)
○ニシノカオリ
243kg/10a
需要
5,500t
(H26目標)
300kg/10a
○タマイズミ
201kg/10a
生産
目標
(H26年産)
280kg/10a
約30%の単収向上が必要
生産
※「三重県産小麦の今後の振興方策」より抜粋
多収性の硬質小麦品種
「ユメシホウ」
製パン適性があります
場内試験
栽培特性
品種
成熟期
収量
( kg/10a)
ユメシホウ
6月 3日
678
ニシノカオリ
6月 1日
572
生地物性
タンパク質
含有率
(%)
19% 12.4
向上 13.8
製パン
食味
官能評価
ファリノ
グラム
エキステンソ
グラム
( VV)
(形状係数)
46
3.5
0.32
44
0.9
0.00
※ フ ァ リ ノ グ ラ ム の VV値 は 、 大 き い ほ ど 、 パ ン 用 に 適 し ま す 。
※エキステンソグラムの形状係数は、大きいほど、切れにくく“こし”の強い生地になります。
※ 製 パ ン 食 味 評 価 は ニ シ ノ カ オ リ と 比 較 し て 、 か な り 不 良 ( -3) ~ か な り 良 ( +3) の 7段 階 評 価 で す 。
H24年度に県の奨励(認定)品種に採用
↓
H25年度に県内2ヶ所で約5.5haの大規模な試験栽培を開始
↓
広域栽培適応性、商品性・市場性を評価
1.背景とこれまでの課題
三重県では、製粉加工業者等県内実需者からの県産小麦に対する需要が高く、需要量が生産量を
上回る「需給の逆ミスマッチ」が続いています。この問題を解決するために、「三重県産小麦の今
後の振興方策」においては、パンや中華麺の原料として利用される硬質小麦に関して、現状と比較
して約 30%の単収向上を目標としています。そこで、既存の硬質小麦品種と比較して単収が高く、
また同程度以上の加工適性を有する品種の検討を進めてきました。
2.成果の概要
(1)「ユメシホウ」は、「ニシノカオリ」と比較して、以下の特性があります。
・単収が約 19%高いです。
・小麦粉の特性を決めるグルテンの質が良く(高分子量グルテニンサブユニット 5+10 を保有)、
製パン適性が高いです。
・生地形成状態の総合評価値で、強力粉ほど高くなるファリノグラムの値が同程度です。
・生地を伸ばしたときの伸びの程度や抵抗の強さを表すエキステンソグラムの値が大きく、切れ
にくく“こし”の強い生地ができます。
・製パン(食パン)の食味官能評価は同程度以上です。
(2)H24 年度に県の奨励(認定)品種に採用され、H25 年度から大規模な試験栽培が開始されます。
3.成果の慣行技術への適合性と経済効果
(1)単収が向上することで、生産者の収入増加が期待されます。
(2)需要量に見合った生産量が確保されることで、県内実需者が利用しやすい硬質小麦の生産体
制が確立されます。
4.普及上の留意点
(1)赤かび病に弱いので、適期防除を徹底してください。また、コムギ縞萎縮病抵抗性は‘やや
強’ですが、年次によっては発病が見られる場合があります。
(2)H25 年度から数年間の大規模な試験栽培を経て、広域栽培適応性および商品性・市場性につ
いて一定の評価が得られた場合、本県の奨励品種に採用され、一般栽培が開始される予定です。
※商品性・市場性については、パン以外の用途(醤油等)も含めて評価する予定です。
(3)一般栽培が開始される際は、種子生産を自県で行う必要があります。
お問い合わせ先
参考になる資料
研究実施予算
農産研究課
中央農業改良普及センター
松本憲悟
小倉 卓
電話0598-42-6359
電話0598-42-6323
乙部千雅子ら(2009)製パン適性をもつ温暖地向け硬質小麦品種
「ユメシホウ」の育成 作物研究所研究報告10:75-88
(http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010772288.pdf)
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