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平成26年2月17日(月)~19日(水)(PDF文書)

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平成26年2月17日(月)~19日(水)(PDF文書)
平成 26 年 3 月 14 日
太田市議会議長
小
暮
広
司
様
太田市議会 公明クラブ
代 表
川 鍋
栄
公明クラブ会派視察報告書
下記の通り会派視察を行ってまいりましたので、報告いたします。
記
1.日 程
2.視察地
平成 26 年 2 月 17 日(月)から 19 日(水)までの 3 日間
香川県高松市・香川県香川郡直島町
3.視察事項 (1) 高松市・丸亀商店街振興組合:市街地再開発事業について
(2) 高松市・高松市美術館について
(3) 直島町・ベネッセアートサイト直島・地中美術館について
4.派遣議員
4名
5.視察概要
別添のとおり
川鍋栄・太田けい子・五十嵐あや子・星野一広
1.香川県高松市議会
視察概要
高松市の概要(平成 25 年 4 月 1 日現在)
・面積 375.17 ㎢ ・人口 418,523 人 ・世帯数 177,880 世帯
・市制施行 明治 23 年 2 月 15 日
・一般会計予算額 平成 24 年度:1,468 億円 25 年度:1,474 億円
・議員定数 40 人
・政務調査費 120 万円 (議員 1 人あたりの年額)
○視察事項
(1) 高松市・丸亀商店街振興組合:市街地再開発事業について
・目的
高松丸亀町まちづくり株式会社は、行政からの出資比率を 5%とした民間
主導型の第 3 セクターです。イニシャルコストについては、行政の支援を
一部受けていますが、ランニングコストは自主財源で賄うよう収支計画を
立てています。
利益については地元へ還元することを目的としており、従来の企業デベロ
ッパーと異なります。このような民間主導型の市街地再開発は、全国でも初
の試みです。「みんなの街を、街のみんなでつくる」これが、この再開発事
業の合言葉となっています。この手法が商店街の再生や再開発事業の参考に
なると思い、視察を行った。
・所感
中心市街地に存在する商店街は社会背景、商業環境の大きな変化により
見事にシャッター通りと化してしまった。その中の一つに土地問題が大き
な要因としてある。
この振興組合が土地問題を解決すべく取った手法が、「土地の所有権と使
用権の分離」である。地権者の出資で作ったまちづくり会社が全ての商店の
地権者と定期借地権契約を結んでその使用権を取得し、同社が建物を整備・
所有する。
同社は、テナントの家賃収入から銀行への返済、建物の管理費用などを差
し引いた金額を地代として地権者に支払う。これを「オーナー変動地代家賃
制」と呼ぶ。そして、土地の使用権をまちづくり会社が一括して持つことで、
利害調整に手間取ることなく思うようなテナントミックス(業種の再編成)を
行うことができる。
全てを行政にお任せしてしまうのではなく、自分たちの街を自分たちで自
らリスクを負い自治権をもって運営していこうという、新しい自治組織の形
成である。
全ての大前提は、土地問題の解決であり、土地の所有と利用を分離する
ことによって初めて可能になる施策である。これがまさに、エリアマネジメ
ントである。
また今回、振興組合の計画作りにおいて、まず全国の再開発の失敗事例
の調査研究から始めたとの事。そこには、一定の法則があることを発見した
ようだ。
駅前の一等地が衰退すると、行政が再開発に乗り出す。地上げをし、新
しいビルを建てて核となるテナントを招致する。それを請け負うのはデベロ
ッパー。
ビルを竣工し、テナントを誘致した段階で報酬を得て去っていく。ところ
が、そもそも再開発を行うのは衰退した場所だからであり、満足な業績が上
げられずテナントは数年で撤収してしまうことになる。
すると、駅前にまた新しい空きビルができ、仕方なくお役所は公的な施設
などで穴埋めをすることになったり、新たな土下座外交が始まることになる、
という悪循環を繰り返すことになるというものである。
だからこそ、地元主導でしか街づくりは成功しないと考え、そこにこだわ
ってきたという。
どれだけ優れたリーダーがいても、行政の支援があっても、地域のコミ
ュニティーが崩壊しておれば開発は不可能だ。
生まれ育った地元に対する熱意と触媒とコミュニティーの存在こそが、再
開発の成功には必須の条件であるのは間違いないものと思えた。
太田の駅前周辺の再開発事業や商店街の再生についても、改めて不安をの
ぞく為に努力しなければと思った。
(2) 高松市・高松市美術館について
・目的
当美術館は丸亀商店街の一角にある。昭和 63 年 8 月に開館し、25 年が
経過している。建物や設備機器の経年劣化が進む中、改修基本計画を作成
し、平成 27 年度リニューアルオープンを予定しており、現在基本設計、実
施設計を行っていた。
市街地に建つ美術館としての機能や、誰もが使いやすい美術館としての基
本方針について、本市で計画している、北口駅前の文化交流施設の参考にし
たいため研修をした。
・所感
高松市土地開発公社が日銀高松支店跡地を購入し、跡地利用問題研究会
から市長へ報告。美術館構想が報告され、建設懇談会が発足していった。
地元の商店街では、駐車場にしたかったようだ。
高松市美術館では、内外の優れた美術作品の展覧会の充実、系統的な美
術品の収集を進めるとともに、教育普及にも一層力を注ぎ、子供たちが豊か
な感性を育むことができる取り組みの充実や市民ニーズに沿った講座など
の事業の企画に取り組んでいた。
特に、中心市街地に近接した都市型美術館という立地条件を生かし、地
域との連携の強化により、賑わいや交流の創出など、まちづくりと一体とな
った取り組みを進め、都市機能の向上に寄与する美術館を目指していた。
平成 24 年度実績では、展覧会 72 展、入場者数 121,951 人で、特別展と
常設展を開催。市民ギャラリーや講演会、講座、ミニコンサートなど工夫し
ている。
管理運営について、指定管理者制度は検討されたかとの伺いに対し、検
討委員会では当面直営で運営することに決めて了承を得たとのこと。やはり
学芸員が展示計画を検討する際、長いスパンで行う為、2、3 年で検討する
指定管理者制度はあまり馴染まないようだ。
いずれにしても、市街地の駅前での賑わいを創出し、親しみの持てる美
術館、図書館を創る上で大いに参考になった。
2.香川県香川郡直島町議会
視察概要
直島町の概要(平成 25 年 4 月 1 日現在)
・面積 14.23 ㎢ ・人口 3,206 人 ・世帯数 1,533 世帯
・町制施行 昭和 29 年 4 月 1 日
・一般会計予算額 平成 23 年度:36 億円 24 年度:36 億 6 千万円
・議員定数 10 人
・政務調査費 なし
○視察事項
(1) 直島町・ベネッセアートサイト直島・地中美術館について
・目的
建築家・忠雄氏が手掛けた七つの建築が点在し、20 年程前から「アート
の島」として知られる瀬戸内海の直島(香川県直島町)が話題になった。
決してアクセスが良いとは言えない人口約 3,000 人の小さな島に、多くの
観光客が訪れている。2010 年の「瀬戸内国際芸術祭」では、93 万人を超え
る観光客が島に押し寄せた。
これが一過性のイベント効果でないことは、ここ7年間、毎年 30 万人の入
込客数があることからも明らかである。
これまでの経過、そしてベネッセアートサイト直島について、また 10 年前
に設立された地中美術館を視察して、本市で計画している美術館づくりや観
光振興に役立てていきたい。
・所感
Benesse(ベネッセ) ⇒ Bene (よく) + esse (生きる) 「志」をもって
夢や理想の実現に向けて一歩一歩近づいていく生き方であり、そのプロセ
スをも楽しむ生き方のこと。
直島南部を文化・リゾートエリアとして開発を藤田観光がする。1960 年
用地を取得し藤田無人島パラダイスをオープンするが、1976 年に撤退する。
その後約 10 年間、理想のパートナーを待つことになる。
ベネッセコーポレーション創業社長の福武哲彦氏が次に世界中の子どもた
ちが集い楽しめるキャンプ場づくりをする。志半ばで逝去したため、息子の福
武総一郎氏が引き継ぐ。
1988 年、直島文化構想を発表し、「自然」と「アート・建築」と「人」をコ
ンテンツとし、「Benesse」を考え、体験する場所を創る。
「在るものを壊し、新しいものを創る」から「在るものを活かし、無いもの
を創る」へ。
本村地区に残る古い民家を修復・保存・復元させながら、現代美術の空間と
して再生させるプロジェクトを始める。
また、直島におけるアートの核・中心として、財団法人直島福武美術館財団
により設立・運営する地中美術館が 10 年前の 2004 年にオープンした。
安藤忠雄、クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリア
の 4 芸術家作品を展示している。
本市で計画している美術館でも、パーマネント作品が欲しいと感じる。せめ
て屋外に芸術作品の展示があると良いのではと思う。駅を行き交う人と作品の
交流が見たい。潤いを感じる空間づくりを望みたい。
福武財団は助成事業も行っており、瀬戸内助成と地域助成を展開し、年間 300
件の応募の中から、瀬戸内活動助成約 40 件、地域助成約 30 件を実施している。
本県では中之条プロジェクトが受けている。
ベネッセアートサイト直島の活動の効果としては、住民と観光客とのコミュ
ニケーションが多く生まれた。
若い人との交流で、お年寄りが元気をもらった。これまでにない活気や刺激
に包まれて良かった。島始まって以来の客で、色々なふれあいが出来たことが
嬉しかった。
3 年に一度開催の瀬戸内国際芸術祭も成功し、雇用も生まれ、利益も地域に還
元される仕組みが構築された。里山や棚田の再生もでき、新たな賑わいも創出
できた。繁忙期には、町や観光協会と受入体制の会議を行い、島全体で対応す
るなど連携が芽生えた。
「直島」から始まり、
「犬島」
「豊島」へと広がる備讃瀬戸の島々を舞台に、3
組織が連携して進める、現代アート活動とその活動による地域再生活動が見事
に達成できたプロジェクトに、圧倒された。
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