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ソフトフォーカスで 撮影したように見せる
目次 本書の読み方…………………………………………………6 Digital Image Pro 10 とは………………………………8 レタッチテクニック、基礎の基礎………………………10 室内で撮った人物写真の色を補正する 20 夜景をキレイに見せる 22 建物の歪みを直す 24 パノラマ写真を作成する 26 昼の写真を夜に変える 28 2 ▼ 18 ▼ トリミングして構図を調整する ▼ 16 ▼ 逆光で撮影した画像を明るくする ▼ 14 ▼ 夕焼けを鮮やかに見せる ▼ フォトレタッチ テクニック編 40 美しい青空を再現する 42 スレンダーボディにする 44 雪を白く明るく見せる 46 夜のスナップを修整する 48 紅葉を鮮やかにする 50 ▼ 女性の顔を若返らせて美しくする ▼ 38 ▼ 桜の花の薄紅色を再現する ▼ 36 ▼ 料理をおいしく見せる ▼ 34 ▼ 影になった部分を明るくする ▼ 32 ▼ 夕日で赤く染まった部分をキレイにする ▼ 30 ▼ ピンボケ写真を修整する 3 52 フィルタを使ってスピード感を出す 54 別々の写真を合成して2ショット画像を作る 56 古い写真を復元する 58 車や服の色を変える 60 ▼ １人を複数人いるように見せる 62 ▼ 行ってない場所に行ったように見せる 64 ボケを生かして花を際立たせる 66 邪魔な電柱を消す 68 ソフトフォーカスで撮影したように見せる 70 ▼ ケーキに文字を入れる 72 ▼ 4 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ミックス光源を補正する 78 ガラスの映り込みを消す 80 レタッチでオリジナル作品を作る 82 ▼ 写真素材で文字を作る ▼ 76 ▼ 商品の画像に影をつける ▼ 74 ▼ 水面への映り込みを追加する 84 ………………………86 【コラム】トーンカーブの使い方 ……………………… 【コラム】選択範囲切抜きのコツ 画像整理・管理テクニック編 写真管理はフォルダが基本………………………………………………………………90 必要な写真をすばやく見つけるには……………………………………………………92 写真を選択するテクニック………………………………………………………………94 同じような条件で撮影した画像をまとめて補正する…………………………………96 人に見せたい写真を簡単に選り分けるには……………………………………………98 ホームページ用に写真のサイズとファイル形式をまとめて変更する……………100 CD-RやDVD-Rなどに写真をバックアップする……………………………………102 CD-RやDVD-Rなどにある写真を管理する…………………………………………104 写真をまとめて印刷する………………………………………………………………106 索引 ……………………………………………………108 5 夜のスナップを修整する 明るい街ならカメラのフラッシュはOFFにしてしまいましょ う。夜の撮影とはいっても、近くを撮るなら、三脚なしで撮っ てもきちんとカメラを構えていればカメラブレは少ないし、街 の光だけで撮ると、何より動きが自由で、いきいきとした写真 が撮れます。レタッチは明るさと色を中心に補正します。正し い色・明るさよりは、そのとき感じた印象に近い方向に、色・ 明るさを作っていくほうが、より感じたものを想い起こさせる よい写真になります。 ［補正］−［カラーバランスと彩度の補正］を選びます。電灯光 の雰囲気を残せるよう、［光源］の数値を補正し、 ［鮮やかさ］を 上げて、元の色が浮かび上がるよう調整します。影になっている 道路の部分は、［カラーバランス］の［シャドウ］で［C］（シア ン）を左側、［Y］（黄色）を右側に補正して、さらにオレンジっ ぽさを減らします。 ホワイトバランスは、オートに指定してあった のですが、もともと電灯の光はオートでの調整 可能範囲外なので、電灯光のオレンジが強く、 色調が片寄って全体がモノトーンになってしま い、華やかさに欠けています。 ［ハイライト］は、［C］（シアン）を右 側、［Y］（黄色）を左側に補正して、 少し電灯の光を強調します。［完了］ をクリックします。 48 フォトレタッチ テクニック編● 露出の補正には［補正］− ［露出と光の補正］から、コ ントロールしやすい［トーン カーブの編集］をクリックし、 ［レベル調整／トーンカーブ］ を使います。 画像の車のライトに照らされている男性のジーンズを クリックすると、トーンカーブに対応する位置がポイ ントとして表されるので、ドラッグして持ち上げ、明 るく強調します。全体が明るくなりすぎたので、道路 をクリックして、そのポイントを下方にドラッグして、 道路をやや暗くします。 RGBを個別に操作することによって、 カラーバランスの補正と同様な操作も できます。［青］チャネルの中央あたり をクリックして上方にドラッグすると、 全体のオレンジっぽさを減じながら明 るく、［赤］チャネルを上方にドラッグ すると、全体のオレンジっぽさを減ら しながら暗くなります。［完了］をクリ ックし、これで完成とします。 カメラブレを防ぐために、カメラの 感度設定は高めにします。街にはい ろいろな種類の光があふれています が、電灯や蛍光灯にホワイトバラン スを設定するよりは、後でパソコン 彩度が増して全体に 華やかになっていま ソフトを使って補正するという考え す。前のカップルが、 方で撮ると、気軽に撮れますし、今 車のライトで照らさ までになかった世界が広がります。 れている感じも出せ ました。 49 ソフトフォーカスで 撮影したように見せる デジタルカメラの画像データは、撮影後すぐにパ ソコンに取り込んで、レタッチ作業を行えるので 便利です。またレタッチ機能を使って、撮影時に できなかったことや、後から自分なりのイメージ で絵を作り直すことができます。普通に撮影した 花の写真ですが、ソフトフォーカスで撮影したよ うなレタッチを加えて、花がより目立つようにし てみましょう。 レタッチ作業を行う場合は、最初に素材のスタック を複製しておきます。元画像のみで作業を進めた場 普通に撮影した花の写真を、後処理によって幻想的なソフトフ 合、失敗すると取り返しがつかなくなることがあり ォーカス風に仕上げてみましょう。 ます。複雑な作業をする場合にはスタックを複製し、 元画像が残っている状態で作業を進めましょう。 スタックウィンドウで元画像をクリックして 選択し、ツールバーの［コピー］ボタン、［貼 り付け］ボタンをクリックして、スタックを 複製します。 花びらの部分だけの選択範囲を作ります。［自動選択］を選び、ツー ルバーの［選択（詳細） ］をクリックしてオプションパレットを開き、 ［許容範囲］や［選択モード］を変更しながら花びらの部分を選択し ましょう。多少の細かいすき間があっても、問題はありません。 70 フォトレタッチ テクニック編● 花びらの部分が選択できたら、ツールバーの ［コピー］ボタン、［貼り付け］ボタンをクリッ クし、花びらだけのスタックを作成します。 手順1で複製したスタックに戻って、今度は花の中心 の黄色い部分だけを選択し、手順3と同様に［コピー］ ［貼り付け］を行って、新たなスタックを作成します。 手順1で複製したスタックを選択して、［補 正］メニューの［ぼかし］−［ぼかし（ガウ ス）］を選びます。背景がぼけて元の形状が わからなくなるくらいまでぼかしたら、［完 了］をクリックします。 次に、花びらの透明度を落として、背景のぼ けている花が透けて見えるようにします。花 びらのスタックを選択し、［特殊効果］メニ ューの［透明化］−［均等］を選んで、透明 度を変えます。元画像の、ピントの合ってい るエッジがしっかりと見えながらも、周りが ぼけている状態にします。 花の中心部のスタックを選び、同様に透明化 します。今度は花びらのスタックに適用した 透明度よりも少なめにして、中心部がより目 立つようにします。［編集］メニューから ［すべての素材を統合］を選び、画像を統合 すれば完成です。 エッジ部分はシャープに見えながらも、ふんわりとぼかしの かかった幻想的な画像になりました。 71