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奈良県後期高齢者医療保険料収納対策実施計画
奈良県後期高齢者医療保険料収納対策実施計画 1 目 的 この計画は、奈良県内の構成市町村(以下「市町村」という。)において、統一的で 整合性のとれた効果的かつ効率的な後期高齢者医療保険料(以下「保険料」という。) の収納対策を推進することにより、奈良県後期高齢者医療広域連合(以下「広域連合」 という。)が運営する後期高齢者医療財政の一層の健全化及び安定化を図り、もって被 保険者の公平・公正な負担に基づく保険料の確保及び将来における保険料率の上昇の抑 制に寄与することを目的とし、関係法令に基づき保険料収納対策に係る具体的な実施計 画を策定するものとする。 2 基本目標 本計画の目的を達成するため、広域連合は奈良県全体の保険料目標収納率を定め、毎 年度6月末までに示すものとする。 市町村は、目標収納率を達成するため関係法令、奈良県後期高齢者医療保険料収納対 策実施計画及び収納対策実施計画運用マニュアルに沿って適切な保険料収納対策を講じ るものとする。 3 具体的な取組 広域連合及び市町村は、保険料の未納発生の防止のため、被保険者等に対し、保険料 の納付に対する十分な理解が得られるよう最大限努めるとともに、次の効果的かつ効率 的な収納対策に関する具体的な取り組みを原則として講じるものとする。 (1)広域連合の取組 ア パンフレット及びホームページ等により保険料納付に関する広報活動を実施す ること。 イ 市町村の保険料収納率に関する情報提供を定期的に県及び市町村に行う。 ウ 市町村の収納担当職員を対象に研修会又は意見交換会等の開催を行う。 エ 収納率が低い市町村に対して、必要である場合には、適宜、その市町村へ個別 訪問を行い、取組状況等の調査及び把握をし、収納対策に対する支援を行う。 (2)市町村の取組 ア 広報誌及びホームページ等において、保険料の納付に関する広報活動を実施す ること。 イ 納付書送付時に口座振替依頼書を同封する等、口座振替による納付の勧奨をす ること。 ウ 各納期限までに納付のない者に対し、納付忘れの早期解消や未納者への納付を 促すため、納期限後20日以内に、期限を指定して督促状を送付すること。 エ 督促状等を送付してもなお納付及び納付相談のない滞納被保険者等には、電話 及び臨戸訪問による保険料納付の催告、納付相談及び納付指導等を実施すること。 オ 短期被保険者証を有効活用することにより、滞納被保険者等との納付相談等の 折衝の機会の確保を図るものとする。また、短期被保険者証の交付の趣旨に鑑み、 その引渡しについては、原則として、市町村の窓口等において手交すること。 カ 滞納被保険者等には、現年度分については、最低年2回( 例11月・3月 )、 滞納繰越分に関しては、最低年1回( 例8月初旬~中旬頃 )催告状を送付する こと。 キ 預金調査等の財産調査を十分に行い滞納被保険者等の生活状況等の把握に努め ること。 ク 滞納の初期段階からのきめ細やかな収納対策(臨戸・納付相談等)を適切に行 った上で、保険料の納付につき十分な収入、資産がありながら保険料を納めよう としない悪質な滞納被保険者等に対しては、高齢者の医療の確保に関する法律(昭 和57年法律第80号)第113条の規定に基づく、不動産・預貯金等の差押等 の滞納処分について、関係法令等(地方税法等)の規定に基づき必ず行わなけれ ばならない。 ケ 差押を行う場合には、必ず滞納被保険者等に対し未納保険料について十分に周 知し(催告・差押予告書等)それでもなお、上記クに該当する場合とする。 ※納付相談の実施に当たっては次の項目に配慮し、きめ細やかな対応をするものとす る。 ① 滞納被保険者等の状況に応じ、減免や徴収猶予について十分説明すること。 ② 納付計画書等(原則:基本1年・最長2年)の作成に当たっては、滞納被保険 者等の収入や生活状況に配慮すること。また、未申告となっている者については、 収入状況の把握に努めること。 (3) 奈良県の取組 ア 奈良県は、市町村及び広域連合の収納対策の内容について、十分把握した上で、 必要な指導及び助言等を積極的に行う。 4 その他 その他、この計画に必要な事項については、別に定める 本計画を改訂する必要がある場合は、適宜、改訂するものとする。 (平成27年7月1日策定) MS・NH・HT 1.趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.今年度目標収納率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.根拠法令等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4.市町村・広域連合・県の主な業務 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 5.注意事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1.保険料収納対策事務フロー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.基本業務(納入の告知~督促まで) ・・・・・・・・・・・・・・・ (1)納付義務者について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)納入の告知及び書類の送達について ・・・・・・・・・・・ (3)督促状及び督促手数料について ・・・・・・・・・・・・・ (4)還付加算金等について ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.収納業務(催告~滞納処分まで) ・・・・・・・・・・・・・・・・ (1)財産調査について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 4 (2)納付の緩和制度について ・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)納税(徴収)の猶予の期間について ・・・・・・・・・・・ (4)徴収及び換価の猶予に伴う担保の徴取について ・・・・・・ (5)延滞金について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (6)滞納処分等について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【参考1】納入の告知〜滞納処分 収納業務チェック表及び注意事項 ・・ 【参考2】関係法令等(一部抜粋) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1 1 2 4 4 5 6 8 8 8 9 9 10 10 12 15 後期高齢者医療制度における保険料の収納の確保は、制度運営(給付費の約 1割を保険料で賄う仕組み)において極めて重要なものである。また、被保険 者間の負担の公平性を確保することや、支援金を負担している若年世代の理解 を得ること、将来における保険料率の上昇を抑制する観点からも、適切に保険 料収入を確保することが求められる。 この収納対策実施計画運用マニュアルは、こうした状況のもと、奈良県下の 構成市町村において のとれた、効果的かつ効率的な収納対策を 推進し、保険料収納額の確保及び収納率の更なる向上を図ることにより、本制 度の安定的な運営を目的とし関係法令に基づき収納対策実施計画と併せて策定 する。 後期高齢者医療保険料目標収納率 ○高齢者の医療の確保に関する法律 ○地 ○地 ○民 方 税 法 ・・・ ・・・ ・・・ 1 とする。 方 自 法 治 法 ○ ・確実な納入の告知の徹底 ・納期内納付の周知徹底 ・口座振替による納付の勧奨の実施 ・各納期限後20日以内に期限を指定して督促状の発送の徹底 ・催告書の発送の徹底 ※例)現年度:11、3 月 滞繰:8 月初旬~中旬頃 ・滞納の初期段階からのきめ細やかな収納対策の実施(電話、臨戸による 催告及び折衝) ・早期及び詳細な財産調査等の徹底 ・延滞金の確実な徴収の徹底 ・短期被保険者証の活用 ・納付計画作成時(原則基本1年間、特別な事情がある場合最長2年間) ・差押予告等(未納保険料について十分な周知)の徹底 ・悪質な滞納者被保険者等へ関係法令等に基づき滞納処分の確実な実施 ・連帯納付義務者への滞納処分の実施 ・時効管理の徹底 ※ 2 納付の告知 ・口座振替の勧奨等 ・納期の10日前必着 納期限 未 納 時効の中断★ 完納 納付相談 未納者への対応記録 督促状の発送 (各納期限後20日以内) 簿の作成・経過記録 完納 未 納 完納 時効の中断 ★ 分納計画等 財産・実態調査等 財産・実態調査等 不履行 ・催告書の発送→例)現年 11 月・3 月 ・電話による催告、臨戸訪問 滞納処分 の 検 討 広域連合への報告 差押予告等 時効の中断★ 差押等 未 納 執 行 停 止 <執行停止> 翌年5月末 ・執行停止事案報告一覧表 ・滞納処分執行停止決議書写し 地方税法第15条の7第1に該当 ・催告書の発送→例)滞繰分 8 月初旬 法定期間の経過 納付 地方税法第15条の 7第5項に該当 <執行停止の取消> 随時 ・執行停止取消決議書写し 広域連合への報告 徴 収 権 消 滅 不 納 欠 損 即時欠損 シ ス テ ム に 入 力 市 町 村 後 期 高 齢 者 3 <不納欠損処分> 随時 or 4月末 ・不納欠損処分事案報告一覧表 ・不納欠損処分決議書写し 標準システムによる連携にて取 収納連携 込 滞納調定額の減額 ①被保険者(高確法第 160 条第 1 項) ・被保険者は、市町村がその者の保険料を普通徴収の方法によつて徴収しようとする場合 においては、 ②世帯主 (高確法第 108 条第 2 項) ・ は、市町村が当該世帯に属する被保険者の保険料を普通徴収の方法によつて徴 収しようとする場合において、当該保険料を ③配偶者 (高確法第 108 条第 3 項) ・ は、市町村が被保険者たる他方の保険料を普通徴収の方法によつて徴収 しようとする場合において、当該保険料を ④納付義務の承継(地方税法第 9 条) ・相続があつた場合には、その相続人は、被相続人に課されるべき、又は被相続人が納付 し、若しくは納入すべき ただ し、限定承認をした相続人は、相続によつて得た財産を限度とする。 ・相続人が二人以上あるときは、各相続人は、被相続人の地方団体の徴収金を民法第九 百条 から第九百二条 までの規定によるその相続分によりあん分して計算した額を ・相続人のうちに相続によつて得た財産の価額が同項の規定により納付し、又は納入すべ き地方団体の徴収金の額をこえている者があるときは、その相続人は、そのこえる価額を 限度として、他の相続人が同項の規定により納付し、又は納入すべき地方団体の徴収金 を納付し、又は納入する責に任ずる。 ・承継する義務は、当該義務に係る ①納入の通知(広域連合条例第 17 条) ・保険料の額が定まったときは、広域連合長は、速やかにこれを被保険者に通知しなけれ ばならない。その額に変更があったときも、同様とする。 ※ ②納入通知の手続き(地方税法第 713 条) ・普通徴収によつて徴収しようとする場合において納税者に交付すべき納税通知書は、遅 4 くとも、その ③書類の送達(地方税法第 20 条) ・地方団体の徴収金の賦課徴収又は還付に関する書類は、郵便若しくは信書便による送 達又は交付送達により、その送達を受けるべき者の住所、居所、事務所又は事業所に送 達する。ただし、納税管理人があるときは、地方団体の徴収金の賦課徴収(滞納処分を 除く。)又は還付に関する書類については、その住所、居所、事務所又は事業所に送達 する。 ・交付送達は、地方団体の職員が、前項の規定により送達すべき場所において、その送 達を受けるべき者に書類を交付して行う。ただし、その者に異議がないときは、その他の 場所において交付することができる。 ・次の各号に掲げる場合には、交付送達は、前項の規定による交付に代え、当該各号に 掲げる行為により行うことができる。 ・送達すべき場所において書類の送達を受けるべき者に出会わない場合その使用人その 他の従業者又は同居の者で書類の受領について相当のわきまえのあるものに書類を交 付すること。 ・書類の送達を受けるべき者その他前号に規定する者が送達すべき場所にいない場合又 はこれらの者が正当な理由がなく書類の受取を拒んだ場合 送達すべき場所に書類を 差し置くこと。 ・通常の取扱いによる郵便又は信書便によつて第一項に規定する書類を発送した場合に は、この法律に特別の定めがある場合を除き、その郵便物又は民間事業者による信書の 送達に関する法律第二条第三項に規定する信書便物は、通常到達すべきであつた時に 送達があつたものと推定する。 ・地方団体の長は、前項に規定する場合には、その書類の名称、その送達を受けるべき 者の ④公示送達(地方税法第 20 条の 2) ・送達すべき書類について、その送達を受けるべき者の住所、居所、事務所及び事業所 が明らかでない場合又は外国においてすべき送達につき困難な事情があると認められる 場合には、その送達に代えて公示送達をすることができる。 ・公示送達は、地方団体の長が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に 交付する旨を地方団体の掲示場に掲示して行う。 ・掲示を始めた日から起算して 5 ①督促状(地方自治法第 231 条の 3) ・分担金、使用料、加入金、手数料及び過料その他の普通地方公共団体の歳入を納期 限までに納付しない者があるときは、普通地方公共団体の長は、 ・督促状を発した日から起算して相手方に通常到達すべきであった時 で時効が中断され、その翌日から新たに時効が進行する。 ま ※ ②督促手数料(地方自治法第 231 条の 3→市町村条例) ・普通地方公共団体の長は、前項の歳入について同項の規定による督促をした場合にお いては、条例の定めるところにより、手数料及び延滞金を徴収することができる。 ①還付加算金(地方税法第 17 条の 4) ・地方団体の長は、過誤納金を第17条又は第17条の2第1項から第3項までの規定により 還付し、又は充当する場合には、次の各号に掲げる過誤納金の区分に従い当該各号に 掲げる日の翌日から地方団体の長が還付のため支出を決定した日又は充当をした日 (同日前に充当をするに適することとなつた日があるときは、その日)までの期間の日数に 応じ、その金額に年7.3パーセントの割合を乗じて計算した金額(以下「還付加算金」と いう。)をその還付又は充当をすべき金額に ②起算日(地方税法第 17 条の 4) ・過誤納金の区分に従い規定されており、第1項の適用については、保険料は賦課行為 により決定するものであるため、 (地方団体の徴収 金第:1・4号 地方税:第2・3号) ・特別徴収の場合の起算日について特別徴収義務者から ③終期(地方税法第 17 条の 4 第 1 項) ・地方団体の長が還付のため 。 ④除算計算(地方税法第 17 条の 4 第 2 項第 1 号) ・過誤納金があることを通知した場合において、その通知を発した日から30日を経過して も還付請求がないときは、その経過する日の翌日から還付請求のあった日までの期間 6 は、還付加算金の計算期間から ⑤端数処理(地方税法第 20 条の 4 の 2 第 2 項・第 5 項・第 7 項) ・「計算の基礎となる還付金の額」が、分割納付又は納入されたものであるときは、その分 割納付又は納入された金額ごとに計算。 ・「計算の基礎となる還付金の額」に、1,000 円未満の端数があるときは、その端数金額を 切り捨てて計算し、「計算の基礎となる還付金の額」の全額が 2,000 円未満のときはその 全額を切り捨てる。 ・保険料額が分割して納付され、又は納入された場合において過誤納金が生じたために 還付し、又は充当するときにおける還付加算金については、それぞれの計算期間に対応 する算出額の計算過程における金額に1円未満の端数が生じたときは、その端数全額を 切り捨て、年度毎に合算した額がその「確定金額」となる。 ・還付加算金の「確定金額」に 100 円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てる ものとし、確定金額の全額が 1,000 円未満のときは全額を切り捨てる。 ⑥消滅時効 ・保険料の過誤納金を還付する際の還付加算金の請求権は高齢者の医療の確保に関す る法律第160条の「保険料その他この法律の規定による徴収金」には含まれないと解さ れるため、 。 7 ①財産調査(高確法第 137・138 条) ・市町村は、保険料の徴収に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配 偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者又はこれらで あつた者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問さ せることができる。 ・市町村は、保険料の徴収に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配 偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者の資産若しく は収入の状況又は被保険者に対する第百七条第二項に規定する老齢等年金給付の支 給状況につき、官公署若しくは年金保険者に対し必要な文書の閲覧若しくは資料の提 供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは被保険者の雇用主その他の関係 人に報告を求めることができる。 ※ ①徴収の猶予(高齢者の医療の確保に関する法律第111条) ・被保険者又はその属する世帯の生計を主として維持する者が、震災、風水害、火災その 他これらに類する災害により、住宅又は家財について著しい損害を受けたこと。 ・被保険者の属する世帯の生計を主として維持する者が死亡したこと、又はその者が心身 に重大な障害を受け、若しくは長期入院したことにより、その者の所得が著しく減少したこ と。 ・被保険者の属する世帯の生計を主として維持する者の所得が、事業又は業務の休廃止、 事業における著しい損失、失業等により著しく減少したこと。 ・被保険者の属する世帯の生計を主として維持する者の所得が、干ばつ、冷害、凍霜害 等による農作物の不作、不漁その他これに類する理由により著しく減少したこと。 ②換価の猶予(地方税法第 15 条の 5) ・その財産の換価を直ちにすることによりその事業の継続又はその生活の維持を困難にす るおそれがあるとき。 ・その財産の換価を猶予することが、直ちにその換価をすることに比して、滞納に係る地方 団体の徴収金及び最近において納付し、又は納入すべきこととなる他の地方団体の徴 収金の徴収上有利であるとき。 8 ③滞納処分の停止(地方税法第 15 条の 7) ・滞納処分をすることができる財産がないとき。 ・滞納処分をすることによつてその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき。 ・その所在及び滞納処分をすることができる財産がともに不明であるとき。 ※ (地方税法第 15 条の 7 第 5 項) ・限定承認をした相続人が相続によって承継した地方団体の徴収金を有する場合 において、その相続による相続財産について第1項第1号の規定に該当する理由 がある場合 ・解散した法人又は解散の登記はないが廃業して将来事業を再開する見込みが全 くない法人について、その資産がない場合 ・会社更生法第204条第1項の規定により租税債権が免責された場合 ①猶予の期間(奈良県後期高齢者医療に関する条例施行規則第38条) ・最長6カ月(事由の発生した年度の保険料に限る) 地方税法第 15 条第 1 項・3 項 ・地方団体の長は、納税者又は特別徴収義務者が次の各号の一に該当する場合に おいて、その該当する事実に基き、その地方団体の徴収金を一時に納付し、又は 納入することができないと認めるときは、その納付し、又は納入することができないと 認められる金額を限度として、その者の申請に基き、1年以内の期間を限り、その徴 収を猶予することができる。この場合においては、 ・地方団体の長は、前二項の規定により徴収を猶予した場合において、その猶予を した期間内にその猶予をした金額を納付し、又は納入することができないやむを得 ない理由があると認めるときは、納税者又は特別徴収義務者の申請により、その期 間を延長することができる。ただし、その期間は、すでにその者につき前二項の規定 により ①担保の徴取(地方税法第 16 条) ・地方団体の長は、第十五条又は第十五条の五の規定により徴収を猶予し、又は差押財 産の換価を猶予する場合には、その猶予に係る金額に相当する ただし、その猶予に係る金額が50万円以下である場合又は 担保を徴することができない特別の事情がある場合は、この限りでない。 9 一 二 国債及び地方債 地方団体の長が確実と認める社債(特別の法律により設立された法人が発行する 債券を含む。)その他の有価証券 四 五 保険に付した建物、立木、船舶、航空機、 及び建設機械 鉄道財団、工場財団、鉱業財団、軌道財団、運河財団、漁業財団、港湾運送 事業財団、道路交通事業財団及び観光施設財団 ①延滞金(市町村条例) ・普通徴収に係る保険料を納付すべき被保険者又は連帯納付義務者は、納期限後にそ の保険料を納付する場合においては、当該納付金額に、その納期限の翌日から納付の 日までの期間に応じ、当該金額が2,000円以上であるときは、当該金額(1,000円未満 の端数があるときは、これを切り捨てる。)につき年14.6パーセント(当該納期限の翌日か ら3月を経過する日までの期間については年7.3パーセント)の割合をもって計算した金 額に相当する ただし、延滞金額に100円 未満の端数があるとき、又はその全額が1,000円未満であるときは、その端数金額又は その全額を切り捨てるものとする。 ※ ②延滞金の免除(地方税法第 15 条の 9・市町村条例) ・その差押え又は担保の提供に係る地方税を計算の基礎とする延滞金につき、その差押 え又は担保の提供がされている期間に対応する部分の金額の二分の一に相当する金額 を限度として、免除することができる。 ・市町村長は、納付することができないやむを得ない理由があると認めるときは、第 1 項 の延滞金額を減免することができる。 ①差押等(高確法第 113 条) ・「地方税の滞納処分の例により処分することができる。」 地方税法の規定により読替え ・徴税吏員は、地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を ・徴収金の滞納処分については、国税徴収法に規定する滞納処分の例による。 10 ②連帯納付義務者への滞納処分(民法第 434・440 条) ・納入の通知は、「納付の履行の請求」についての効力及び「債権(納付額)確定」の効力 を有するものであると解されている。それぞれの効力の他の連帯納付義務者(主たる債務 者を含む。以下同じ。)への影響について、前者は、民法第 434 条の規定の適用を受け、 連帯納付義務者の一人に対し納入の通知を行うことにより他の連帯納付義務者全員に その効力が及ぶところ、後者には同条の適用はなく、同法第 440 条の規定により相対的 な効力しか有さないことから、連帯納付義務者の一人に対し納入の通知を行った場合で も他の連帯納付義務者にはその効力が及ばないこととなる。 ・市町村が、後期高齢者医療の保険料について滞納処分を行うに当たっては、地方自治 法第 231 条の 3 の規定により、当該保険料について督促を行うことが前提とされていると ころ、前述のとおり、納入の通知を行っていない連帯納付義務者に対しては当該保険料 に係る ・納入の通知を行った者以外の連帯納付義務者に対して滞納処分を行うに当たっては、 当該連帯納付義務者に対し納入の通知を行うことにより当該連帯納付義務者に対する 当該保険料に係る債権を確定させた上で督促を行うことが必要となる。 ・納入の通知が有する「納付の履行の請求」の効力は、民法第 434 条の適用を受け、他の 連帯納付義務者に対する絶対的効力を有することから、連帯納付義務者の一人に対し 納入の通知を行うことにより生じる ④時効(高確法 160 条) ・徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び後期高齢者医療給付を受ける権利 は、 ⑤時効の中断等(民法第 147・153・156 条、地方税法第 18 条の 2 各号) ・納付の告知 ・督促状を発した日から起算して (通常3日)まで時 効が中断され、その翌日から新たに時効が進行する ・徴収の猶予又は差押財産の換価の猶予に係る部分の地方団体の徴収金につき、 ・交付要求 その交付要求がされている期間 ・催告は、 ・ (時効の中断の効力を生ずべき承認をするには、相手方の権利についての 処分につき行為能力又は権限があることを要しない。) 11 ・ ・ ・ ・ ・ ・各納期限後 に督促状発送の徹底(法的規定なし) ・催告書の発送(法的規定なし) ※ ・ (電話・臨戸による催告等) ・ ・ ・接触の機会の確保のため、短期被保険者証の有効活用 ・滞納又は納付相談に至った原因、現在の収支の状況、資産・負債の状況、家族構成、生活 状況など債務者から詳細な事情の聴取及び財産調査の内容、それらを総合して分納の可否、 分納額等の決定 ※担保の提供がされている期間に対応する部分の金額の二分の一に相当する金額を限度 12 として、延滞金を免除することができる。(地方税法第15条の9第4項) ・納付計画等に対する保険料のみなので、 ・納付計画履行後の延滞金の説明、確定及び確実な徴収 ※納付計画書等は、地方税法による徴収猶予や換価の猶予(特別な事情があ る場合)と違い法的規定はないが、前述の とする。また、納付計画書等は、滞納者被保険者等が納 付計画を記載した書面を差し入れ、納付を誓約するものであるから、 が、地方税法の履行の延期の特約等(徴収及び 換価の猶予)と異なり、法的に よって計画 の履行によって納付されれば、強制的な処分は差し控えるという合意が徴収職 員との間で成立しているという意味合いでしかなく、 また、延滞金については、納付計 画書等の履行後に確定することに注意し、延滞金が付加される場合について は、納付計画履行後、別に延滞金の納付が必要である旨の説明をし、 ※ ・差押予告書等(未納保険料について十分な周知)発送の徹底(法的規定なし) ・悪質な滞納者被保険者等には、差押等滞納処分の確実な早期実施 ・執行停止及び不納欠損の乱用の禁止 ・納付計画書等の不履行者に対する滞納処分の確実な早期実施 13 ・連帯納付義務者への納入の告知(債権の確定) ・債権確定後に納期を指定して督促状の発送 ・ ・ ・ ・ ・ 14 ≪高齢者の医療の確保に関する法律≫ (普通徴収に係る保険料の納付義務) 第百八条 市町村がその者の保険料を普通徴収の方法によつて徴収しようとする 場合においては、当該 2 市町村が当該世帯に属する被保険者の保険料を普通徴収の方法によつて徴収し ようとする場合において、当該保険料を 3 市町村が被保険者たる他方の保険料を普通徴収の方法によつて徴収しよ うとする場合において、当該保険料を (滞納処分) 第百十三条 市町村が徴収する保険料、後期高齢者医療広域連合が徴収する徴収猶予した一 部負担金その他この章の規定による徴収金は、 (被保険者等に関する調査) 第百三十七条 後期高齢者医療広域連合は、被保険者の資格、後期高齢者医療給付及び保険 料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する 世帯の世帯主その他その世帯に属する者又はこれらであつた者に対し、文書その他の物件の 提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。 2 市町村は、保険料の徴収に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者 若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者又はこれらであつた者に 対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。 3 第六十一条第三項の規定は前二項の規定による質問について、同条第四項の規定は前二項 の規定による権限について、準用する。 (資料の提供等) 第百三十八条 後期高齢者医療広域連合は、被保険者の資格、後期高齢者医療給付及び保険 料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する 世帯の世帯主その他その世帯に属する者の資産若しくは収入の状況又は被保険者に対する第 百七条第二項に規定する老齢等年金給付の支給状況につき、市町村その他の官公署若しくは 年金保険者に対し必要な文書の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他 の機関若しくは被保険者の雇用主その他の関係人に報告を求めることができる。 2 後期高齢者医療広域連合は、被保険者の資格に関し必要があると認めるときは、他の後期高 齢者医療広域連合及び保険者に対し、他の後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療 の被保険者及び加入者の氏名及び住所、健康保険法第三条第三項に規定する適用事業所の 15 名称及び所在地その他の必要な資料の提供を求めることができる。 3 市町村は、保険料の徴収に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者 若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者の資産若しくは収入の状 況又は被保険者に対する第百七条第二項に規定する老齢等年金給付の支給状況につき、官 公署若しくは年金保険者に対し必要な文書の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託 会社その他の機関若しくは被保険者の雇用主その他の関係人に報告を求めることができる。 (時効) 第百六十条 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利 及び後期高齢者医療給付を受ける権利は、 2 保険料その他この法律の規定による ≪地方自治法≫ (督促、滞納処分等) 第二百三十一条の三 分担金、使用料、加入金、手数料及び過料その他の普通地方公共団体 の歳入を納期限までに納付しない者があるときは、普通地方公共団体の長は、 3 普通地方公共団体の長は、分担金、加入金、過料又は法律で定める使用料その他の普通地 方公共団体の歳入につき第一項の規定による督促を受けた者が同項の規定により指定された 期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、当該歳入並びに当該歳入に係る前項の 手数料及び延滞金について、 この場合に おけるこれらの徴収金の先取特権の順位は、 (金銭債権の消滅時効) 第二百三十六条 金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利は、時効に関し他の法律 に定めがあるものを除くほか、五年間これを行なわないときは、時効により消滅する。普通地方公 共団体に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。 ≪地方税法≫ (相続による納税義務の承継) 第九条 相続(包括遺贈を含む。以下本章において同じ。)があつた場合には、その相続人(包 括受遺者を含む。以下本章において同じ。)又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百 16 五十一条の法人は、被相続人(包括遺贈者を含む。以下本章において同じ。)に課されるべき、 又は被相続人が納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金(以下本章において「被相続人 の地方団体の徴収金」という。)を ただし、限定承認をし た相続人は、相続によつて得た財産を限度とする。 2 前項の場合において、相続人が二人以上あるときは、各相続人は、被相続人の地方団体の徴 収金を民法第九百条から第九百二条までの規定によるその相続分により 3 前項の場合において、相続人のうちに相続によつて得た財産の価額が同項の規定により納付 し、又は納入すべき地方団体の徴収金の額をこえている者があるときは、その相続人は、そのこ える価額を限度として、他の相続人が同項の規定により納付し、又は納入すべき地方団体の徴 収金を納付し、又は納入する責に任ずる。 4 前三項の規定によつて承継する義務は、当該義務に係る申告又は報告の義務を含むものと する。 (徴収猶予の要件等) 第十五条 地方団体の長は、納税者又は特別徴収義務者が次の各号の一に該当する場合にお いて、その該当する事実に基き、その地方団体の徴収金を一時に納付し、又は納入することが できないと認めるときは、その納付し、又は納入することができないと認められる金額を限度とし て、その者の申請に基き、一年以内の期間を限り、その徴収を猶予することができる。この場合 においては、 一 納税者又は特別徴収義務者がその財産につき、震災、風水害、火災その他の災害を受け、 又は盗難にかかつたとき。 二 納税者若しくは特別徴収義務者又はこれらの者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は 負傷したとき。 三 納税者又は特別徴収義務者がその事業を廃止し、又は休止したとき。 四 納税者又は特別徴収義務者がその事業につき著しい損失を受けたとき。 五 前各号の一に該当する事実に類する事実があつたとき。 2 地方団体の長は、納税者又は特別徴収義務者につき、地方団体の徴収金の法定納期限(随 時に課する地方税については、その地方税を課することができることとなつた日)から一年を経 過した後、その納付し、又は納入すべき額が確定した場合において、その納付し、又は納入す べき地方団体の徴収金を一時に納付し、又は納入することができない理由があると認めるときは、 その納付し、又は納入することができないと認められる金額を限度として、その地方団体の徴収 金の納期限内にされたその者の申請に基き、その納期限から 、その徴収 を猶予することができる。この場合においては、前項後段の規定を準用する。 3 地方団体の長は、前二項の規定により徴収を猶予した場合において、その猶予をした期間内 にその猶予をした金額を納付し、又は納入することができないやむを得ない理由があると認める ときは、納税者又は特別徴収義務者の申請により、その期間を延長することができる。ただし、そ 17 の期間は、すでにその者につき前二項の規定により 4 地方団体の長は、第一項若しくは第二項の規定により徴収を猶予したとき、又は前項の規定 によりその期間を延長したときは、その旨を納税者又は特別徴収義務者に 前三項の申請につき徴収の猶予又は期間の延長を認めないときも、また同様とする。 (換価の猶予の要件等) 第十五条の五 地方団体の長は、滞納者が次の各号の一に該当すると認められる場合(第十五 条第一項の規定に該当する場合を除く。)において、その者が地方団体の徴収金の納付又は納 入について誠実な意思を有すると認められるときは、その納付し、又は納入すべき地方団体の 徴収金につき滞納処分による財産の換価を猶予することができる。ただし、 一 その財産の換価を直ちにすることによりその事業の継続又はその生活の維持を困難にするお それがあるとき。 二 その財産の換価を猶予することが、直ちにその換価をすることに比して、滞納に係る地方団体 の徴収金及び最近において納付し、又は納入すべきこととなる他の地方団体の徴収金の徴収 上有利であるとき。 2 地方団体の長は、前項の換価の猶予をする場合において、必要があると認めるときは、差押に より滞納者の事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがある財産の差押を猶予し、又は 解除することができる。 3 第十五条第一項後段、第三項及び第四項前段並びに第十五条の二第三項及び第四項の規 定は、第一項の換価の猶予について準用する。この場合において、第十五条第三項本文中「納 税者又は特別徴収義務者の申請により、その期間」とあるのは、「その期間」と読み替えるものと する。 (滞納処分の停止の要件等) 第十五条の七 地方団体の長は、滞納者につき次の各号の一に該当する事実があると認めると きは、滞納処分の執行を停止することができる。 一 滞納処分をすることができる財産がないとき。 二 滞納処分をすることによつてその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき。 三 その所在及び滞納処分をすることができる財産がともに不明であるとき。 2 地方団体の長は、前項の規定により滞納処分の執行を停止したときは、その旨を滞納者に 3 地方団体の長は、第一項第二号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その 停止に係る地方団体の徴収金について差し押えた財産があるときは、その 18 4 第一項の規定により滞納処分の執行を停止した地方団体の徴収金を納付し、又は納入する 義務は、その執行の停止が 5 第一項第一号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その地方団体の徴収 金が限定承認に係るものであるときその他その地方団体の徴収金を徴収することができないこと が明らかであるときは、地方団体の長は、前項の規定にかかわらず、その地方団体の徴収金を 納付し、又は納入する義務を直ちに消滅させることができる。 (納税の猶予の場合の延滞金の免除) 第十五条の九 第十五条第一項第一号、第二号若しくは第五号(同項第一号又は第二号に該 当する事実に類する事実に係る部分に限る。)の規定による徴収の猶予(以下本項において「災 害等による徴収の猶予」という。)若しくは第十五条の七第一項の規定による滞納処分の執行の 停止をした場合又は第十五条第一項第三号、第四号若しくは第五号(同項第三号又は第四号 に該当する事実に類する事実に係る部分に限る。)若しくは第二項の規定による徴収の猶予(以 下本項において「事業の廃止等による徴収の猶予」という。)若しくは第十五条の五第一項の規 定による換価の猶予をした場合には、その猶予又は停止をした地方税に係る延滞金額のうち、 それぞれ、当該災害等による徴収の猶予若しくは執行の停止をした期間に対応する部分の金額 に相当する金額又は当該事業の廃止等による徴収の猶予若しくは換価の猶予をした期間(延滞 金が年十四・六パーセントの割合により計算される期間に限る。)に対応する部分の金額の二分 の一に相当する金額は、免除する。ただし、第十五条の三第一項、第十五条の六第一項又は 前条第一項の規定による取消しの基因となるべき事実が生じた場合には、その生じた日以後の 期間に対応する部分の金額については、地方団体の長は、その免除をしないことができる。 2 第十五条の規定による徴収の猶予又は第十五条の五第一項の規定による換価の猶予をした 場合において、納税者又は特別徴収義務者が次の各号の一に該当するときは、地方団体の長 は、その猶予をした地方税に係る延滞金(前項の規定による免除に係る部分を除く。)につき、猶 予した期間(当該地方税を当該期間内に納付し又は納入しなかつたことについてやむを得ない 理由があると地方団体の長が認める場合には、猶予の期限の翌日から当該やむを得ない理由 がやんだ日までの期間を含む。)に対応する部分の金額でその納付又は納入が困難と認められ るものを限度として免除することができる。 一 納税者又は特別徴収義務者の財産の状況が著しく不良で、納期又は弁済期の到来した他の 地方団体に係る地方団体の徴収金、国税、公課又は債務について軽減又は免除をしなければ、 その事業の継続又は生活の維持が著しく困難になると認められる場合において、その軽減又は 免除がされたとき。 二 納税者若しくは特別徴収義務者の事業又は生活の状況によりその延滞金額の納付又は納入 を困難とするやむを得ない理由があると認められるとき。 3 第二十条の九の三第五項ただし書の規定により徴収の猶予をした場合には、その猶予をした 地方税に係る延滞金につき、その猶予をした期間(延滞金が年十四・六パーセントの割合により 計算される期間に限るものとし、前二項の規定により延滞金の免除がされた場合には、当該免除 19 に係る期間に該当する期間を除く。)に対応する部分の金額の 4 地方団体の長は、滞納に係る地方団体の徴収金の全額を徴収するために必要な財産につき 差押えをした場合又は納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金の額に相当する担保の 提供を受けた場合には、その差押え又は担保の提供に係る地方税を計算の基礎とする延滞金 につき、その差押え又は担保の提供がされている期間(延滞金が年十四・六パーセントの割合 により計算される期間に限るものとし、前三項の規定により延滞金の免除がされた場合には、当 該免除に係る期間に該当する期間を除く。)に対応する部分の金額の二分の一に相当する金額 を限度として、免除することができる。 (担保の徴取) 第十六条 地方団体の長は、第十五条又は第十五条の五の規定により徴収を猶予し、又は差押 財産の換価を猶予する場合には、 ただし、その猶予に係る金額が五十万円以下である場合又は担保を徴す ることができない特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 国債及び地方債 二 地方団体の長が確実と認める社債(特別の法律により設立された法人が発行する債券を含 む。)その他の有価証券 三 四 五 保険に付した建物、立木、船舶、航空機、 及び建設機械 鉄道財団、工場財団、鉱業財団、軌道財団、運河財団、漁業財団、港湾運送事業財団、道 路交通事業財団及び観光施設財団 六 2 前項の規定により担保を徴する場合において、その猶予に係る地方団体の徴収金につき差し 押えた財産があるときは、その担保の額は、その猶予をする金額からその財産の価額を控除した 額を限度とする。 3 地方団体の長は、第一項の規定により担保を徴した場合において、担保財産の価額若しくは 保証人の資力の減少その他の理由により猶予に係る金額の納付若しくは納入を担保することが できないと認めるとき、又は第十五条の二第二項若しくは第十五条の五第二項の規定により差 押を解除したときは、納税者又は特別徴収義務者に対し、増担保の提供、保証人の変更その他 担保を確保するため必要な行為を求めることができる。 4 前三項に定めるもののほか、担保の提供について必要な事項は、政令で定める。 (還付加算金) 第十七条の四 地方団体の長は、過誤納金を第十七条又は第十七条の二第一項から第三項ま での規定により還付し、又は充当する場合には、次の各号に掲げる過誤納金の区分に従い当該 各号に掲げる日の翌日から地方団体の長が還付のため支出を決定した日又は充当をした日 20 (同日前に充当をするに適することとなつた日があるときは、その日)までの期間の日数に応じ、 その金額に年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額(以下「還付加算金」という。)を 一 更正、決定若しくは賦課決定(普通徴収の方法によつて徴収する地方税の税額を確定する 処分をいい、特別徴収の方法によつて徴収する個人の道府県民税及び市町村民税並びに国 民健康保険税に係る特別徴収税額を確定する処分を含む。以下この章において同じ。)、第五 十三条第二十一項若しくは第二十三項若しくは第三百二十一条の八第二十一項若しくは第二 十三項の規定による申告書(法人税に係る更正若しくは決定によつて納付すべき法人税額又は 法人税に係る更正若しくは決定によつて納付すべき連結法人税額(第五十三条第四項に規定 する連結法人税額をいう。)に係る個別帰属法人税額を課税標準として算定した道府県民税又 は市町村民税の法人税割額に係るものに限る。)、第七十二条の三十三第一項若しくは第二項 の規定による申告書(収入割のみを申告納付すべき法人以外の法人が当該申告に係る事業税 の計算の基礎となつた事業年度に係る法人税の課税標準について税務官署の更正又は決定 を受けた場合(当該法人が当該事業年度において第七十二条の十八に規定する連結申告法 人(第七十二条の十三第九項に規定する連結子法人に限る。)である場合にあつては、当該事 業年度終了の日の属する第七十二条の十三第十三項に規定する連結事業年度において当該 法人との間に同項に規定する連結完全支配関係がある同条第十一項に規定する連結親法人 が当該連結事業年度に係る法人税の課税標準について税務官署の更正又は決定を受けた場 合)において、当該更正又は決定に係る法人税の課税標準を基礎として計算した事業税に係る ものに限る。)、第七十二条の三十三第三項の規定による修正申告書若しくは第七十二条の八 十九第一項若しくは第三項の規定による申告書(消費税に係る更正又は決定により納付すべき 消費税額を課税標準として算定した地方消費税の譲渡割額に係るものに限る。)の提出又は過 少申告加算金、不申告加算金若しくは重加算金(以下この章において「加算金」という。)の決定 により納付し又は納入すべき額が確定した地方団体の徴収金(当該地方団体の徴収金に係る 地方税に係る延滞金を含む。)に係る過納金(次号及び第三号に掲げるものを除く。) 当該過 納金に係る地方団体の徴収金の納付又は納入があつた日 二 更正の請求に基づく更正(当該請求に対する処分に係る不服申立て又は訴えについての決 定若しくは裁決又は判決を含む。)により納付し又は納入すべき額が減少した地方税(当該地方 税に係る延滞金を含む。次号において同じ。)に係る過納金 その更正の請求があつた日の翌 日から起算して三月を経過する日と当該更正があつた日の翌日から起算して一月を経過する日 とのいずれか早い日 三 所得税の更正(申告書又は修正申告書の提出によつて納付すべき額が確定した所得税額に つき行われた更正に限る。第五項において同じ。)に基因してされた賦課決定により納付し又は 納入すべき額が減少した地方税に係る過納金 当該賦課決定の基因となつた所得税の更正の 通知がされた日の翌日から起算して一月を経過する日 四 前三号に掲げる過納金以外の地方団体の徴収金に係る過誤納金 その過誤納となつた日と して政令で定める日の 21 2 前項の場合において、次の各号のいずれ翌日から起算して一月を経過する日かに該当すると きは、当該各号に定める期間を同項に規定する期間から控除しなければならない。 一 地方団体の長が過誤納金があることを納税者又は特別徴収義務者に通知した場合において、 その通知を発した日から三十日を経過する日までにその過誤納金の還付を請求しないとき。そ の経過する日の翌日から還付の請求があつた日までの期間 二 過誤納金の返還請求権につき民事執行法の規定による差押命令又は差押処分が発せられ たとき。 その差押命令又は差押処分の送達を受けた日の翌日から一週間を経過した日までの 期間 三 過誤納金の返還請求権につき仮差押がされたとき。 その仮差押がされている期間 3 二以上の納期又は二回以上の分割納付若しくは分割納入に係る地方団体の徴収金につき過 誤納を生じた場合には、その過誤納金については、その過誤納金の額に相当する地方団体の 徴収金に達するまで、納付又は納入の日の順序に従い最後に納付又は納入された金額から順 次さかのぼつて求めた金額からなるものとみなして、第一項の規定を適用する。 4 適法に納付され、又は納入された地方団体の徴収金が、その適法な納付又は納入に影響を 及ぼすことなくその納付し、又は納入すべき額を変更する法律又は条例の規定に基き過納とな つたときは、その過納金については、これを第一項第四号に掲げる過誤納金と、その過納となつ た日を同号に掲げる日とそれぞれみなして、同項の規定を適用する。 5 地方団体の徴収金の納付又は納入があつた場合において、その課税標準の計算の基礎とな つた事実のうちに含まれていた無効な行為により生じた経済的成果がその行為の無効であるこ とに基因して失われたこと、当該事実のうちに含まれていた取り消しうべき行為が取り消されたこ とその他これらに準ずる政令で定める理由に基づき、その地方税について更正(更正の請求に 基づく更正を除く。)又は賦課決定(所得税の更正に基因してされた賦課決定を除く。)が行なわ れたときは、その更正又は賦課決定により過納となつた金額に相当する地方団体の徴収金につ いては、その更正又は賦課決定の日の翌日から起算して一月を経過する日(普通徴収の方法 によつて徴収する地方税について、当該賦課決定前にこれらの理由に基づき納付すべき税額 が過納となる旨の申出があつた場合には、当該一月を経過する日と当該申出のあつた日の翌 日から起算して三月を経過する日とのいずれか早い日)を第一項各号に掲げる日とみなして、同 項の規定を適用する。 (時効の中断及び停止) 第十八条の二 地方税の徴収権の時効は、次の各号に掲げる処分に係る部分の地方団体の徴 収金につき、その処分の効力が生じた時に中断し、当該各号に定める期間を経過した時から更 に進行する。 一 納付又は納入に関する告知 その告知に指定された納付又は納入に関する期限までの期間 二 督促 督促状又は督促のための納付若しくは納入の催告書を発した日から起算して十日を 経過した日(同日前に第十三条の二第一項各号の一に該当する事実が生じた場合において、 差押えがされた場合には、そのされた日)までの期間 22 三 交付要求 その交付要求がされている期間(この法律においてその例によるものとされる国税 徴収法第八十二条第二項の規定による通知がされていない期間があるときは、その期間を除 く。) 2 前項第三号の規定により時効が中断された場合には、その交付要求に係る強制換価手続が 取り消されたときにおいても、なお時効中断の効力は、失われない。 3 地方税の徴収権で、偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又は その全部若しくは一部の税額の還付を受けた地方税(当該地方税に係る延滞金及び加算金を 含む。以下本項において同じ。)に係るものの時効は、当該地方税の前条第一項に規定する法 定納期限の翌日から起算して二年間は、進行しない。ただし、当該法定納期限の翌日から同日 以後二年を経過する日までの期間内に次の各号に掲げる処分又は行為があつた場合において は当該各号に掲げる処分又は行為の区分に応じ当該処分又は行為に係る部分の地方税ごとに 当該各号に定める日の翌日から、当該法定納期限までに当該処分又は行為があつた場合にお いては当該処分又は行為に係る部分の地方税ごとに当該法定納期限の翌日から進行する。 一 納付又は納入に関する告知(延滞金及び加算金に係るものを除く。) 当該告知に係る文書 が発せられた日 二 申告納付又は申告納入に係る地方税の申告書の提出 当該申告書が提出された日 4 地方税の徴収権の時効は、徴収の猶予又は差押財産の換価の猶予に係る部分の地方団体 の徴収金につき、その猶予がされている期間内は、進行しない。 5 地方税についての地方税の徴収権の時効が中断し、又は当該地方税が納付され、若しくは納 入されたときは、その中断し、又は納付され、若しくは納入された部分の地方税に係る延滞金に ついての地方税の徴収権につき、その時効が中断する。 (書類の送達) 第二十条 地方団体の徴収金の賦課徴収又は還付に関する書類は、郵便若しくは信書便による 送達又は交付送達により、その送達を受けるべき者の住所、居所、事務所又は事業所に送達す る。ただし、納税管理人があるときは、地方団体の徴収金の賦課徴収(滞納処分を除く。)又は還 付に関する書類については、その住所、居所、事務所又は事業所に送達する。 2 交付送達は、地方団体の職員が、前項の規定により送達すべき場所において、その送達を受 けるべき者に書類を交付して行う。ただし、その者に異議がないときは、その他の場所において 交付することができる。 3 次の各号に掲げる場合には、交付送達は、前項の規定による交付に代え、当該各号に掲げる 行為により行うことができる。 一 送達すべき場所において書類の送達を受けるべき者に出会わない場合 その使用人その他 の従業者又は同居の者で書類の受領について相当のわきまえのあるものに書類を交付するこ と。 二 書類の送達を受けるべき者その他前号に規定する者が送達すべき場所にいない場合又はこ れらの者が正当な理由がなく書類の受取を拒んだ場合 送達すべき場所に書類を差し置くこと。 23 4 通常の取扱いによる郵便又は信書便によつて第一項に規定する書類を発送した場合には、こ の法律に特別の定めがある場合を除き、その郵便物又は民間事業者による信書の送達に関す る法律第二条第三項に規定する信書便物(第二十条の五の三において「信書便物」という。)は、 5 地方団体の長は、前項に規定する場合には、その書類の名称、その送達を受けるべき者の氏 名、あて先及び発送の年月日を確認するに足りる記録を作成しておかなければならない。 (公示送達) 第二十条の二 地方団体の長は、前条の規定により送達すべき書類について、その送達を受け るべき者の住所、居所、事務所及び事業所が明らかでない場合又は外国においてすべき送達 につき困難な事情があると認められる場合には、その送達に代えて公示送達をすることができ る。 2 公示送達は、地方団体の長が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付 する旨を地方団体の掲示場に掲示して行う。 3 前項の場合において、 (課税標準額、税額等の端数計算) 第二十条の四の二 地方税の課税標準額を計算する場合において、その額に千円未満の端数 があるとき、又はその全額が千円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。 ただし、政令で定める地方税については、この限りでない。 2 延滞金又は加算金の額を計算する場合において、その計算の基礎となる税額に千円未満の 端数があるとき、又はその税額の全額が二千円未満であるときは、その端数金額又はその全額 を切り捨てる。 5 延滞金又は加算金の確定金額に百円未満の端数があるとき、又はその全額が千円未満であ るときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。 7 第二項及び第五項の規定は、還付加算金について準用する。この場合において、第二項中 「税額」とあるのは、「過誤納金又はこの法律の規定による還付金の額」と読み替えるものとする。 ≪民法≫ (時効の中断事由) 第百四十七条 時効は、次に掲げる事由によって中断する。 一 二 、仮差押え又は仮処分 三 24 (催告) 第百五十三条 催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民 事調停法若しくは家事事件手続法による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生 手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。 (承認) 第百五十六条 時効の中断の効力を生ずべき承認をするには、相手方の権利についての処分 につき行為能力又は権限があることを要しない。 (連帯債務者の一人に対する履行の請求) 第四百三十四条 連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その 効力を生ずる。 (相対的効力の原則) 第四百四十条 第四百三十四条から前条までに規定する場合を除き、連帯債務者の一人につい て生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。 25