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見合い相手は美貌か!経済か!? 北朝鮮の男が結婚を決意する時
北朝鮮難民救援基金 NEWS Aug 2014 № 089 コラム 金正玉の北朝鮮だより 見合い相手は美貌か!経済か!? 北朝鮮の男が結婚を決意する時 韓国の男の結婚の条件は、相手の女性の 美貌がどうかが優先されるそうだ。その証 拠に韓国ではエステサロンや整形手術が盛 んで美女が多い。何しろ大統領までが整形 手術をする国柄だ。 「盧武鉉大統領が整形手 術をした」というニュースが写真入りで報 道されたとも聞いている。 <編集部注: 正しくは美容整形手術ではなく、老化に伴 う腱膜性眼瞼下垂の治療手術である。> それに対して北朝鮮の男たちは、相手の 女性が見目麗しいのにこしたことはないが、 それよりも重要なのは、「経済」なのだそう だ。人によって少しずつ差はあるが、現在、 北の男性は女性の外見をたいして気にしな い。 「財産が一つもなく、美貌だけでは困 る」という言葉が出回っているほどだ。 「美 貌は一緒に夫婦で出かけたときの申し訳程 度あればいい」と考える。朝鮮の男と女の 理想的な関係は「南男北女」 (ナンナム、プ ンニョ)だと言われる。さしずめ日本なら 「東男に京女」だろうが、もともと北の男 たちにとっては、 「美貌はある程度当たり前 で」自分のパートナーに要求する条件では なく、前提なのかもしれない。 それでは、重視する「経済」の中身は何 か。見合い相手(紹介を受ける女性)の父 親の役職がなんであるかが重要。つまり社 会的な地位。上位の役職であればあるほど、 自然にお金が流れ込む。大小の賄賂に事欠 かない。小は高級煙草、高級でなければワ ンカートンの煙草などは、地方から平壌に 行く通行証を出してもらう安全局(警察) には欠かせない。大は影響力を使った「利 権」 、「天下り」だってある。 北の社会では、 「建物の警備員からその組 織のトップまで、その地位に従って賄賂を 受け取る権限がある」ということなのだ。 義父の地位が高ければ、良い仕事にも就く ことができるし、もしかすると経済的な支 援だって受けられる。 10 それでは、相手の女性はどんな職業の女 性が理想なのか。 貿易部や軍部隊の供給所などの分野で働 いている女性を好む。ここで働いている女 性たちは、だいたい嫁に行く準備( 家電製 品、結婚後に商売の元金)を円満に解決で きる。 次に市場で商売(工業品、化粧品、家電 製品)をする女性たちである。結婚前に元 金を持って商売をする女性は何かと心強い。 結婚後も生活に特別な苦労がないからだ。 では姉妹のうち何番目を結婚相手にする のがいいのか。概して二女や三女を好む傾 向が強い。これは、北朝鮮の家族制度、家 父長制によるところが多い。長女と結婚す れば義理の弟が多く、長男の立場となった 者がしなければならない社会的な義務が多 いからである。だから二女や三女がいい。 末っ子は、家の中の愛を独り占めして育っ たせいで、結婚後嫁でも、従来の愛を受け ようとする。二女は、何事にもスマートで、 中間位置で姉や妹の仲をよく取り持って住 んでいたので、夫の両親や兄弟たちの間も 仲良くできると重宝される。昔から「三女 は顔も見ないで連れて行かれる」との諺が 生きている所以だ。三女は人気の結婚相手 であるのは間違いない。 いくら美しくても経済に余裕がなければ、 たわいのないことでも腹を立て争いが起き る。 「米櫃で人心が出る」と言われるように、 経済的に余裕のある環境では、あえて顔が きれいでなくても共に生活する価値がある。 10 年前までは北朝鮮でも女性は良い大 学を卒業するよりも、 「いい所に嫁に行く方 がよい」という話があった。しかし、今で は逆に男はなんといっても能力を持ってい る妻に会うことが最高の幸運だとする。 「十 年たてば山河も変わる」という朝鮮の諺の 通り、結婚観も変わって来たということに なる。