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授業料不徴収協定に基づく派遣交換留学終了報告書

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授業料不徴収協定に基づく派遣交換留学終了報告書
授業料不徴収協定に基づく派遣交換留学終了報告書
所属(本学)
理工学研究科
国際開発工学専攻
留 学 先 国 ドイツ
留 学 先 国 現在の学年
留 学 期 間 2012 年
留学先大学
アーヘン工科大学
修士1年
9 月
1 日~
2013 年
8 月
31 日
1. アーヘン工科大学(RWTH Aachen)について
アーヘン工科大学は、ドイツの北西に位置しオランダ・ベルギーとの国境沿いにあるアー
ヘンにある。2013 年 4 月現在、約 3 万 6 千人の学生(内約 5 千名は留学生)が 9 ある学科(130
のコース)に所属している。大学内にはおよそ 260 にも及ぶ研究機関があり、それぞれが政府
や企業等より支援を受けて高度な研究を行っている。
2. 留学前の準備
私の場合、大学入学当初から大学院は 3 年(2 年+留学 1 年)と計画していたため、今回の留
学についても在学期間を 1 年延長しドイツへ留学した。このため、就職活動および収支論文
に関しては帰国後に取り掛かった。
留学先選定に関しては、先に留学先をドイツと決めてあり、ドイツ国内にある協定校の中
から自分の研究内容に合致する研究室を、インターネットを主に介して調べた。留学先をド
イツに決めた理由は、ドイツが再生可能エネルギーを含むエネルギー分野に力を注いでいる
国であり、ドイツ国内の研究に大変興味があったため、また、欧州国内において生活をする
上で、物価や治安に関してドイツがもっとも住みやすい国であると肌で感じていたためであ
る。興味の持った研究室(私の場合は 2 つ)を見つけた後は、研究室の教授に個人的に連絡を
取り、履歴書やカバーレターのやり取りを経て、受け入れの了承を得た。
留学前に最も苦労したことは住居を探すことだった。学生数もあり、アーヘンは大学街な
ので学生寮もかなりの数が用意されているが、当然部屋を希望する学生が多数いるため、留
学を決めたらすぐに寮に申し込むとよい。私の場合は寮への申し込みが遅かったため、なか
なか寮が決まらずに気を揉んだが、受け入れ先教授の口利きもあり、何とか寮に入ることが
できた。
ビザについてはドイツに入国してから行えばよいが、必要書類として留学中に必要な生活
費を賄う十分な費用があるかどうかを示す証明書が必要である。私の場合は奨学金の英文受
領証明書でこれの代わりとなったが、念のために英文で発行された銀行の預金証明書も事前
に用意していた。一般的には銀行の預金残高証明書を持って日本国内のドイツ大使館に行き、
ドイツ語での証明書を発行してもらうようである。
留学前の語学準備については、ドイツ語以上に英語に注力した。留学後に知った、留学前
のドイツ語の勉強として有用だと感じたものとして、Deutsch Welle が配布している Podcast
がある。ドイツ語日常会話のレクチャーが 100 回分以上にわたって利用でき、ホームページ
上で無料のテキストもダウンロードできる。
(URL: http://www.dw.de/learn-german/deutsch-warum-nicht/s-2548)
3. 留学中の勉学・研究
交換留学生の授業登録の方法は通常と異なるが、アーヘン工科大学の留学生交流課のスタ
ッフが丁寧に教えてくれるため、心配の必要はない。
アーヘン工科大学の授業は基本的に 1 つの授業が週に 2 回あり、ひとつは通常の講義、も
う片方が演習という非常に実践的な構成になっており、単位は 1 つの授業につき 5 となって
いる。1 つの授業の履修範囲が広いため、試験準備が大変で、注意が必要である。学士過程
の授業はドイツ語の授業ばかりだが、修士課程の授業は英語が過半数を占める。
*実際に履修した科目
1 学期目は”Economics of Technological Diffusion”を受講し、”Econometrics”と” Applied
Economic Modeling”を聴講した。”Economics of Technological Diffusion”の試験結果は
1.7(ドイツでは 1.0 – 5.0 の評価)で 43 人中 3 番目の成績だった。
2 学期目は”Economics of Technical Change”と”Advanced Energy Economics”を受講し、”
Smart Grid Economics and Information Management”、” Advanced Macroeconomics”およ
び ” Power Economics in liberalized Electricity Markets”を 聴 講 し た。 ”Economics of
Technical Change”の結果は 3.3 で平均より少し上、”Advanced Energy Economics”の成績は
2.0 で 24 人中 2 番目の成績だった。
1 年を通して取得した単位数は 15 である。
4. 留学中の行った勉学・研究以外の活動
基本的には研究室での活動がほとんどである。毎週水曜日にはフットサルを研究所のメン
バーで行っており、たびたび参加して汗を流していた。12 月には研究所全体でクリスマスパ
ーティーを行った。新年始まってすぐには、オーストリアでセミナー合宿があり、研究内容
を発表し、余った時間でスキーを楽しんだ。2 月ごろにはケルン大学との合同ゼミや、またま
た研究所全体でカーニバルを行うなどし、7 月には学科内で行われたフットサル大会に参加し
た。
5. 留学費用について
留学費用に関してはほとんどを奨学金で賄った。
内訳
渡航費
25 万円(往復)
住居費
2 万~2 万 6 千円(月)
生活費
3 万~4 万円(月)
保険料
15 万円(日本国内で加入)
6. 留学先での住居について
アーヘン工科大学の寮はアーヘン市内にいくつもあるが、所属している学生数に対しては
不十分なので、できうる限り早めに(アーヘン工科大学へ留学するかどうか決まっていなくて
も)寮の予約を行う必要がある(URL: http://www.studentenwerk-aachen.de/wohnen/)。
私は、ドイツ人 3 名との計 4 人でキッチンおよびシャワー・トイレを共有するフラットに
入った。インターネット・光熱費別で月々€205 で光熱費等を入れても€240 ほどである。運
のいいことに、フラットメートは皆親切で、少しの問題も起きることなく 1 年間過ごすこと
ができた。
7. 留学先での語学状況
授業はすべて英語で行われた。研究に関しても基本は英語でやり取りを行っており、英語
で意思疎通がうまくできなければかなりストレスになると感じる。英語能力に関しては完璧
には程遠いが、それでも日常会話や研究に関する議論、授業内容の理解は問題なくでき、語
学力が原因で勉学が進まないということはめったに起こらなかった。
買い物やレストランでのやり取りは基本ドイツ語で行った。最初はたどたどしかったと思
うが、ドイツ人と過ごしているうちにこれらに関してはドイツ語でほぼ問題なく対処できる
ようになった。ただ、研究や授業をドイツ語でこなすことはまだ難しく、日常会話でもたび
たび単語が出てこないなど、四苦八苦することが多く、英語に逃げてしまいがちである。
ドイツ語を話せることは間違いなくよいことではあるが、ドイツ語も英語も中途半端にな
ってしまうようであれば、英語を磨いたほうが生活に支障をきたすことはドイツ、特に学生
街のアーヘンではまずない。
8. 単位認定、在学期間について
1 年間の留学で 15 単位を取得した。また在学期間を 1 年間延長する予定である。
9. 就職活動について
留学先では就職活動は一切行っていない。帰国後、2014 年度卒業予定の学生とともに就職
活動を行う予定である。
10. 留学先で困ったこと
新年早々、日本から持参していたノートパソコンが壊れ、データがすべて消えることに直
面した(HDD ではなく衝撃等に強い SSD にしたにもかかわらず SSD の不具合)。幸いノート
パソコンは保証が効いたので、アーヘン市内の修理業者に依頼し、2 週間ほどで直ったが、
故障直前まで行っていた莫大な研究データが消えてしまい、1 からデータ収集を行わなけれ
ばならなかったことは骨が折れた。
11. 留学を希望する後輩へアドバイス
今回、アーヘン工科大学に 1 年間留学させていただいて得られたものは計り知れない。講
義や研究に加え、ドイツにおける生活スタイルや文化を深く識ることができ、自分とはまっ
たく違う視点や知識を持つ友人もできた。また、1 年間海外で生活することにより、少しの
ことでは動じない精神力を得ることができた。
私は留学を少しでも希望されている方には、ぜひ学生のうちに海外に行き、同年代の方々
がどのように研究しているか、どのように考え、また行動しているかをぜひ知っていただき
たい。語学力やコミュニケーション能力も、もちろん養われるであろうが、自分には何が足
りないのかを知るよい機会だと思う。
(以上)
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