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化石・古生物萌図鑑 - 恐竜・化石グッズの専門店 ふぉっしる
サンプル版です 化石・古生物萌図鑑 定価:無料 監修:古生物萌図鑑制作委員会 古生物萌図鑑制作委員会 から 古生物学は,もっとも魅力のある学問であると言えるのではないでしょうか。過去に滅んだ生物たちに思いを 馳せるということは,ロマンに満ち満ちた行為であると思います。しかも古生物学では,そのロマンにサイエン スがともなっているのです。当委員会では,かねてより「どうやったら,古生物をもっと身近に感じてもらえる だろうか」と考えておりました。そこで時流にのる形で,「萌に頼ったらどうだろう?」と発想したのが本書で す。良い意味で「萌」には多くの人を魅了する要素があると思っています。 古生物の特徴をとらえたイラストを窓口に,しかし掲載している情報はアカデミックに,そんな図鑑があって も良いのではないかと考えております。本書をきっかけにして,古生物学というサイエンスに少しでも興味を もっていただける人たちが増えることを願ってやみません。 本書はサンプル版ですが,制作するにあたり,イラストに関してはやはりプロの方に描いていただく必要があ ると考え,雑誌のコンテストで受賞歴もあるROHGUN氏にお願いしました。とりあえずは,3点。アノマロカリ スとクアドロプス(三葉虫)と,ニッポニテス(異常巻きアンモナイト)をイラスト化していただきました。 とってもキュートに仕上がっています。古生物が擬人化したら,いったいどんな台詞を話すのでしょう? ぜひ, そんなところにも思いを馳せて,楽しんでいただけましたら幸いです。 文章に関しましては,執筆と編集助言を土屋健氏(ふぉっしる店長の夫)にお願いしています。同氏は某科学 雑誌の記者・編集者で,数多くの古生物関連の記事を長年にわたって執筆してきました。なお,同氏は完全にボ ランティア協力で,本書・本委員会は,同氏の所属する科学雑誌編集部とは何の関係もございません。 当委員会では,本書制作をお手伝いいただける方を募集しています。古生物イラストをえがいてくださるプロ のイラストレーターの方,本書に掲載する写真をご提供いただける方,そして制作に関してのスポンサーとなっ ていただける企業の方,出版してくださる出版社の方。ご興味をおもちでしたら,まずは委員会本部のある,オ ンラインショップふぉっしる([email protected])にご連絡くださいませ。 2011.7.21 古生物萌図鑑制作委員会 委員長 土屋 香 ふぉっしる店長 とくに求む! 萌絵のイラストレーター 上記の趣旨に賛同し,古生物の萌絵を描いてくださるプロイラストレーターを募集します。描いていただきたい 古生物はいっぱいいますので,ご興味をお持ちになられた場合は,まず,委員会本部である,オンラインショッ プふぉっしる([email protected])にまでご連絡ください。完成までには,古生物知識のある委員 よりいくつかのチェックをさせていただくことになるかと思います。なお,完成品に関しての著作権,版権に関 しましては,相談の上,決定させてください(版権を譲渡してくださる場合は,些少ではありますが,イラスト 料をお支払い致します)。 熱烈歓迎! 出版社さま 本書を完成まで支援くださる,そして完成後,出版をしてくださる出版社をさがしております。くわしくは,委 員会本部である,オンラインショップふぉっしる([email protected])にまでご連絡ください。 その姿は,カンブリア紀最強?? アノマロカリス ちょっとリアル絵:頭部からの びる1対2本の長い付属肢が最大 の特徴 写真:化石として発見される場 合も,頭部の付属肢が多い。も ともと「アノマロカリス」という 名は,この付属肢にあたえられ たものだった。 カンブリア紀の王者として知られる奇天烈なヤツ 学名:Anomalocaris canadensis 分類:アノマロカリス類 時代:古生代カンブリア紀 生息地:カナダ,中国 体長:約60cm 時代背景 カンブリア紀は,はっきりとした化石で進化をたどることのできる 最古の時代だ。この時代に,現在生きるすべての動物グループ(分 類単位でいう「門」レベル)がはじめて出そろったと考えられてい る。陸に生物はなく,すべては海で生活していた。海の環境はけっ して良好ではなく,酸素のすくない,よどんだ海だったともされ る。この時代の多くの生物は数cmほどの体長しかない。しかし, アノマロカリスは数十センチ∼数メートルの体長をもっていた。 特徴 アノマロカリスは,これまでに何種類か発見されている。共通する特徴は,頭部から長くのびる触手(大付属 肢)だ。大付属肢は,それだけをみるとエビのような形状であり,実際「Anomalocaris(奇妙なエビ)」とい う学名も,この触手に対してあたえられたものである。するどい突起を有する口をもっていたことと,ほかに類 を見ないサイズから,「カンブリア紀の王者」と考えられてきた。しかし,近年になって「実はかむ力がさほど 強くなかったのではないか」という指摘もあり,実際の生態については謎も多い。アノマロカリス類は,長い 間,カンブリア紀特有の生物と考えられてきた。しかし,モロッコのオルドビス紀の地層や,ドイツのデボン紀 の地層でも化石が発見され,思いのほかこのグループが長寿だったとみられるようになってきている。 illustration by ROHGUN 先割れスコップ をもつ三葉虫 クアドロプス 写真:トゲをもつ三葉虫という のは,この時代,めずらしくな い。しかし,先割れスコップ状 の突起というのはほかにない。 魚類時代に咲いた多様な三葉虫類の代表格 学名:Quadrops flexuosa 分類:三葉虫類(ファコプス類) 時代:古生代デボン紀 生息地:モロッコ 体長:95mm 時代背景 三葉虫類は,古生代カンブリア紀に登場し,古生代末のペルム紀に 滅んだ動物群だ。その期間は3億年間におよぶ。ただし,3億年の 間,ずっと繁栄していたわけではなく,主に三つの時代が繁栄期に あたる。カンブリア紀,オルドビス紀,デボン紀である。このうち デボン紀は,アゴをもつ魚類が繁栄をはじめた時代にあたる。現在 へとつづく,海洋世界の覇を魚類が確立したのである。そのような 背景の中,三葉虫類はさまざまな姿の種を登場させていた。 特徴 クアドロプスの標本をみたときに,各節からのびる長いトゲが眼につく。これは大きな特徴だが,有顎魚類とい う圧倒的強者がいたこの時代の三葉虫にとって,こうしたトゲはけっしてめずらしいという特徴ではない。むし ろ,この三葉虫を特徴づけるのは,頭部先端からのびる「先割れスコップ」のような突起である。何に使われて いたのかはなぞにつつまれているが,おそらく海底に半身をうずめるときなどに使われていたのだろう。頭部か らは,1本の太い突起が出ており,まるで水の流れになびくかのように,後方へとのびているのも本種独特の特 徴だ。 illustration by ROHGUN 日本が世界に誇るアンモナイト ニッポニテス ちょっとリアル絵:こんな姿で もアンモナイトのなかま。 写真:日本の北海道で産出す る。俗に「異常巻き」とよばれ るアンモナイトの一つ。なお, 写真はレプリカ。 世界の古生物関係者を魅了する! 学名:Nipponites mirabilis 分類:アンモナイト類 (ノストセラス類) 時代:中生代白亜紀 生息地:日本 時代背景 中生代白亜紀は,陸では恐竜たちが我が物顔で闊歩していた時代 だ。海では,クビナガリュウを中心とした海棲爬虫類が繁栄してい た。アンモナイト類は,古くは古生代に出現した。その後,進化と 絶滅を繰り返しながら,白亜紀になって多様性の華が開く。なお, こう見えても「頭足類」であり,現生でいうイカやタコの仲間であ る。頭足類にはほかにオムガイがいる。 体長:計測不能(全体で大人の拳大) 特徴 「Nipponites」という学名は「日本の化石」を意味している。ヘビが複雑に(無茶苦茶に)とぐろをまいている ような殻をしているが,実はこの巻き方には規則性がある。高校数学で登場する「sinカーブ」なのだ。アンモナ イトは成長しながら殻をのばしていくと考えられており,ニッポニテスはsinカーブをえがきながら,その姿勢を 安定させることでこんな複雑な形になったようだ。「異常巻き」とよばれるアンモナイトの一つである。この 「異常」という言葉は,よく知られるアンモナイトのような「平面螺旋状ではない」という程度の意味で,病的 な異常を意味しない。本種は日本固有種であり,日本古生物学会のシンボルマークでもある。世界的にもよく知 られた種で,古生物の世界で生きる者にとって本種を知らなければ,モグリといわれても文句はいえまい。 illustration by ROHGUN オンライン化石ショップ ふぉっしる http://www.palaeoshop-fossil.com/ 化石・古生物萌大図鑑 サンプル版 2011年7月20日発行 監修 古生物萌図鑑制作委員会 編集助言・文章著作 土屋 健 イラスト ROHGUN 写真 Gallery ふぉっしる 発行者 ふぉっしる(委員会本部) 本書は,ネットショップ「ふぉっしる」で無料配布しているサンプル版です。 本書におけるすべての権利は,ネットショップ「ふぉっしる」が有します。 無断転載,複製などはかたくこれを禁じさせていただきます。