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日本語におけるく共同主観的〉特徴と文法現象
日本 語 にお け るく共 同主 観 的 〉特徴 と文 法 現 象 日本語 におけ る〈共 同主観 的 〉特徴 と文法現象 認知 言 語 学 の観 点 よ り 守 0.小 屋 三千代 稿 の ね らい 日本 語 話者 は、発 話 に際 して事 態 を話 し手 中心 的 に把 握 し、 そ れ を独 話(モ ノ ロー グ)的 に語 りだす傾 向が あ る。そ れで は、 日本 語 話者 はい か に独 話 を 「 会話」 と して構 成 す るの だ ろ うか 。 例 えば英 語 話 者 は、 事態 をく 客観 的 に把握 〉 し、 言語 を よ り客 観 的 ・抽 象 的 に と らえ、会 話 の 当事 者 も互 い に話 し手 と聞 き手 とい う対 等 な、 機 能 的 関係 を結 ぶ 者 同士 と して と らえ た上 で、会 話 を構城 す る。(以上、1で 示 す 池 上 の論 考 を参 考) 英 語 話 者 に よる この よ う な会 話 を、 仮 に文 字 通 りの 「 対 話 」(ダ イ ア ロー グ)と して と らえ る と、 モ ノ ロー グ の や り取 りで会 話 を構成 す る 日本 語 話 者 の 「会 話」 は、 「 対 話 」 とい う よ りも、 「 独 話 」(モ ノ ロー グ)の 共 有 とい う側面 を持 つ こ と が推 測 され る。 で は、 日本語 話 者 はモ ノ ロー グ性 の強 い発 話 を、実 際 に どの よ うな言 語 形式 を 駆使 して共 有 し、 「 会 話 」 を構成 して い るの だ ろ うか 。 また、 この こ とは文 法 に何 らか の影響 を与 えて はい ない だ ろ うか 。 以上 の よ うな疑 問 を出発 点 と し、 以 下 、 日本 語 の 「会話 」 構 成 か ら観 察 され る 日本語 の認 知言 語 的 な特 徴 と、文 法 との関 わ りにつ い て考 察 を進 め た い。 1.日 本 語 話 者 の事 態 の く主 観 的 把 握 〉 とモ ノ ロ ー グ の語 り 認 知 言 語 学 で は 、 言 語 話 者 が 発 話 に 先 立 ち く 事 態 把 握 〉 と い う認 知 的 行 為 を行 う こ と、 す な わ ち く事 態 把 握 〉 を行 う こ と と、 そ れ に 応 じて 言 語 化 す る こ と に注 目す る。 〈 事 態 把 握 〉 に は 、 大 き く分 け て 客 観 的 な方 向性 と、 主 観 的 な 方 向 性 と が あ り、 話 者 に よ り任 意 に 採 用 さ れ る 。 た だ し、 言 語 に よ っ て そ の 採 用 の 仕 方 に は 、 よ り好 まれ る傾 向 が あ る こ とが 指 摘 さ れ て い る 。(Langacker1991,池 2003,2004,2006,2007等 を参 考) {37) 上2000, 日本 語 話 者 の場 合 は、事 態 を主 観 的 に把 握 す る傾 向 が あ る。 す な わ ち、 「問題 の事 態 の 中 に 自 らの 身 を置 きその事 態 の 当事 者 と して体 験 的 に事 態把 握 をす る一 実 際 に は問題 の事 態 の 中 に身 を置 い てい ない場 合 で あ っ て も、話 者 は 自 らが そ の 事 態 に臨場 す る当事 者 で あ るか の ように体 験 的 に事 態把 握 をす る一 」(池 上2007) とい う談話 の イマ ・コ コに密 着 した 、体験 的 な事 態 の と らえ方 をす る傾 向が 見 ら れ る。 これ は事 態 を2項 対 立 か ら成 る命 題 として と らえ る方 向(Humphrey2006の 「命 題 的態 度 」 を参 考)よ りも、主 観 の あ り方 に応 じて把 握 す る方 向 を好 む と言 い換 え る こ と も可 能 で あ る。 これ に対 し英 語 話者 の場合 は、 た とえ話 し手 が 自 ら事 態 に臨 場 して いて も、 事 態 を 自 ら と切 り離 して把 握 し、 ま た 自身 の行 為 や 自身 に 関 わ る事 態 で あ って も、 自身 を客 体化 して把握 し、 言 語化 す る傾 向が あ る。 この こ とは、 話 し手 自身 の こ とを語 る際 に、英 語 で は 自身 を客 体 化 して 人 称代 名詞"1"を あ て る の に対 し、 日本語 で は 自身 の客体 化 を好 まず、 人称代 名 詞 の体 系 そ の もの を持 た な い とい っ た違 い と してあ らわれ て い る。(池 上2007を 参 考) 次 に、 日本 語 話者 に は、 把 握 した事 態 を 「 独 話 」(モ ノ ロ ー グ)的 傾 向が 見 られ る。(池 上2000,2003,2004,2006,2007)こ に語 りだ す の こ とは発 話 者 の 主観 を優 先 させ て把 握 した事 態 を、積 極 的 に抽 象化 ・記 号 化 す る こ とな く、 未分 化 な ま ま にモ ノ ロー グで語 りだす こ とを意 味す る。 この モ ノ ロー グ的 な語 りに 関連 して、 池 上2000に 以 下 の よ うな興 味 深 い 記述 が あ る。 ・〈 聞 き手 に とって復 元 可能 〉 とい う省 略 の た めの 条件 は 、省 略 の現象 を説 明 す る の に有 効 な現 象 で あ る。 〈 聞 き手 に とって復 元 可能 〉 とい う こ とは、 英 語 の 談 話 にお け る省 略 の研 究 で は、基 本 的 な説 明原 理 と して使 われ て い る。 ・日本 語 の コ ミュニ ケ ー シ ョンは 、安 定 した形 での く 聞 き手 に とっ ての復 元 可 能 性 〉 よ りも、 〈 話 し手 に とって の復 元 可 能 性 〉 とく 聞 き手 責任 〉*と い う二 つ の要 因 の 間 の微 妙 なバ ラ ンス の上 に立 って進 め られ る とい うこ とが しば しばあ るので は な いか。 ・〈 聞 き手 に とって復 元 可能 〉 とい う原 則 に立 っ ての談 話 が典 型 的 にく対 話/ダ イ ア ロー グ 〉的 と言 え る もので あ る とす る と、 〈話 し手 に とって復 元可 能 〉 と い う原則 に立 って の振 舞 い を多 く許容 す る 日本 語 の談 話 は、 〈独 白/モ ノ ロー グ 〉的 な性 格 を帯 び てい る と言 え るであ ろ う。 池 上2000に よる と、Hindsは1987"ReaderversusWriterResponsibility"で (38) 日本語におけるく共同主観的〉特徴 と文法現象 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの 成 功 に 関 し、 話 し手 に 責 任 が あ る とす る の が く 話 し手 責 任 〉、 聞 き手 の 方 に あ る とす る の が く 聞 き手 責 任 〉で 、 どち ら に多 く傾 くか に よ っ て 言 語 社 会 が 類 型 論 的 に分 け られ 、日本 語 は 後 者 に 属 す と指 摘 して い る とい う。 以 上 を ふ ま え て 、 日本 語 話 者 の モ ノ ロ ー グ 的 な 「会 話 」 の 特 徴 を 観 察 し、 文 法 現 象 との 関 わ りを見 て い く。 2.モ ノ ロ ー グ の 発 話 か らく 共 同 主 観 的 〉 な 「会 話 」 へ は じめ に、次 の女子 学 生 二 人 の会 話 を見 られ た い。 A1:ね え 、 な ん だ か 、 も う寒 い ね K2:う ん。 A3:そ ろ そ ろ 冬 物 、 ほ しい な あ … 。 K4:そ う い え ば 、最 近 買 い 物 に 行 っ て な い な … ず っ と ク ラ ブ と か あ っ た し … 。 A5:行 き た い な あ … そ うだ 、 △ △ 、 オ ー プ ン し た ん だ っ て ね 、 渋 谷 じ ゃ な か った っ け…。 K6:え っ 、 渋 谷 だ っ た? A7:あ れ 、原 宿 だ っ た か な … ね 、 な ん か さ あ 、気 に な る ん だ よ ね 、 あ そ こ … 。 K8:う ん 、 な る 、 な る。 A9:ち ょ っ と行 っ て み よ うか な 、 と思 っ て … 。 K10:あ っ、 い い ね 一 。 まず は上 の会話 にお け るA3とK4に A3はKに 注 目され た い。後 で確 か め た とこ ろで は、 一 緒 に買 い物 に行 って ほ しい と思 っ て発 話 してお り、K4はA3の 意 向 を汲 み、 同調す る こ と を表 出 の形 で発 して い る。 つ ま り、 この場 面 で は両 者 は 一 見 そ れぞ れ が そ れぞ れ の感情 を表 出 し合 っ てい る よ うに見 え るが 、相 手 と自身 の 表 出 を共有 す る方 向、 い わば主 観 を共有 す る方 向 で会 話 を進 めて い る と考 え ら れ る。 この会 話 を、 仮 に0人 の話 し手 に よ る独 話 に書 き換 え る と、 次 の よ うにな る。 … な ん だ か 、 寒 い … そ ろ そ ろ冬 物 、 ほ しい な … 最 近 、 買 い 物 に 行 っ て な い … ず っ と ク ラ ブ と か あ っ た も ん … 行 き た い な あ … △ △ 、 オ ー プ ン した っ け … 渋 谷 だ っ た か な … あ れ 、 原 宿 か な … 気 に な る な あ … 行 っ て み よ う か な 。Kち 緒 に 行 っ て くれ な い か な あ 。 (39) ゃん 、一 この独 話 か ら、 先 の会 話 をみ る と、 まる で0人 の独 話 を二 人 で分 担 して行 っ て い る よ うに見 え る。 た だ、 当然 なが ら、 この独 話 を二 人 の発 話 に分 け る だけ で は 日本語 ら しい 「会 話 」 は構 成 され ない。 「会 話 」 にす るに は、 以 下 の下 線 部 の よ うな言語 形 式 が必 要 とな る。 ね え、 な ん だ か 、 も う 寒 い ね 。 Al K2う ん。 A3 そ ろ そ ろ冬 物 、 ほ しい な あ … 。 K4 そ うい え ば 、最 近 買 い 物 に 行 っ て な い な … ず っ と ク ラ ブ とか あ っ た し… 。 A5 行 きたい なあ… そ うだ、 △ △、 オー プ ン したん だ って ね 、渋谷 じゃなか っ た っ け … 。 K6 え っ 、 渋 谷 だ っ た? A7 あ れ 、原 宿 だ っ た か な … ね 、 な ん か さ あ 、気 に な る ん だ よね 、 あ そ こ … 。 K8な A9 K10:う る、 な る。 ち ょ っ と行 っ て み よ うか な 、 と思 っ て … 。 ん、 い い ね。 下線 部 の言葉 は、 い わ ゆ る感動 詞 、終 助 詞 な どの感 情 や認 知 的表 出 に 関わ る形 式 や 、記 憶 の検 索 に関 わ る指示 語 、 聞 き手 の注 意 を引 く無助 詞 な ど、具 体 的 な情 報 内容 以 外 の機 能 を伝 える形 式 で 、 いず れ も話 し手 や 聞 き手 の感 情 を含 め た、認 知 的行 為 を メ タ的 に表 示す る もの で あ る。 この点 で 、 日本語 話 者 は独 話 的 な発 話 を、 メ タ認 知 的 な言 語 形式 を付 けな が ら、 聞 き手 と認知 的 に共有 す る こ とに よっ て、 「 会 話」 を構 成 す る側 面 が あ る と考 え られ る。 以 下 、 さ らに具体 的 な文 法 形 式 に関連付 けて考 察 す る。 3.独 話 を い か に 共 有 し 「会 話 」 に す る か 日本 語 話者 は、発 話 に先 立つ 事 態把 握 を主観 的 に行 う傾 向が 見 られ るが 、会 話 の構 成 に際 して は、話 し手 は聞 き手 を 自身 の延 長上 に と らえ て、 互 い にく 共 同主 観 的 〉態 勢 を と り、それ に基 づ いて独 話 を共有 して会話 を構 成 す る と考 え られ る。 〈共 同主 観 性 〉 とは、 辻2002に よ る と 「個 々人 の 主観 は(あ る程 度)他 の 問で 共 有 され る」 とい う仮 説 で あ り、 「『間 主 観性 』 「相 互 主体(主 も言 う」。 また、 「人 は 自分1人 観)性 人と 』と で環 境 世界 を解釈 す るので はな く、他 者 を前提 と (40) 日本語におけるく共同主観的〉特徴と文法現象 し、 他 者 を巻 き込 ん で共 同 で解 釈 してい る とい う考 え方 で あ」 り、 「平 明 に言 え ば、個 人の 主観 を認 め なが ら も、 い わ ば 『み ん なが 同 じように主 観 的 にな って い る』 とい う もので あ る。」小 項 で は この用 語 を暫 定 的 に採 用 す る。 注 話 し手 と聞 き手 が互 い に く共 同主 観 的 〉な態勢 を と り、 そ れ に基 づ いて独 話 を 共 有 す るた め に は、会 話 の場 や 事 態把 握 の内 容、 情 意 な どを認 知 して い る こ とを 随時 言語 化 し、確 認 し合 う こ とが 必 要 に な る と推 測 され る。 以 下、 こ う した認 知 的機 能 に 関わ る文 法形 式 を、 具体 例 と ともにあ げ る。 3-(1)認 知 を言 語 化 し、認 知 的 共 有 を志 向 す る まず 、 次 の例 を見 られ た い。 1.「 あ っ/お っ、 キ ム タ クの奥 さん だ!」 「えっ、 違 い ます 」 2.「 あ の う」「は い」(「キ ム タ クの奥 さんです か?」)「 え っ、違 い ます け ど…」 1は 感動 詞 に よっ て事態 認知 を言語 化 し表 出 してい る例 、2は 感 動 詞 や接 続 語 に よって、 発 言認 知 の 言語 化 ・言 い さ しや相 槌 、含 み を表 現 して い る例 で あ る。 感動 詞 はく 共 同主観 的 〉な傾 向 を持 つ 日本 語 話者 に と り、 ひ と り話 し手 の表 出 に とど ま らず 、 聞 き手 の注 意 を引 き、 理解 を期待 す る働 きを持 つ 語 と して機 能す る。 これ は感動 詞 本 来 の機 能 か ら派 生 す る とい う よ り、 会話 の場 にあ る話 し手 と 聞 き手 が 、 互 い にく共 同主観 的 〉であ る こ とを背 景 に起 こる、 認 知 言語 学 的 な文 法 現 象 だ と考 え られ る。 この 点 か ら も、 日本 語 は常 に聞 き手 の察 しが求 め らる、 聞 き手責 任 の言語 で あ る こ とが わ か る。 日本 語 で は、 聞 き手が く共 同主 観 的 〉に察 しや行 動 をす る こ と が 想 定 され る ため、 表 出 とい え どもア トラ ンダム な もので は な く、 「あ、 う、 え、 お 、 わ あ」 な どを使 い分 け て、 聞 き手 に話 し手 が事 態 や情 意 を ど う と らえ、 い か に共有 して ほ しいか を、細 か く伝 える わ けで あ る。 この よ うに、感情 表 出 の言語 形 式 が 、 聞 き手 に何 らか の認 知 的 行為 を促 す機 能 を持 っ てい る とい う現 象 が 、 日本 語 にお い て観 察 され るが、 この こ とは感動 詞 が 日本 語 話 者 の く共 同主観 的 〉特 徴 を背 景 に、 話 し手 個 人 の表 出 を超 えてく共 同主 観 的 〉な表 出 につ なが りや す い こ とを示 してい る と考 え られ る。 3-(2)同 注 意 を促 し、 維 持 ・補 強 す る こ こ で は 聞 き手 の 視 線 を誘 導 し、 共 同 注 意 を促 す 場 合 を取 り上 げ る。3は 語 に よ る 事 物 直 示 、4は 3.「 そ れ 、 新 型MP3?」 無 助 詞 、 間 投 助 詞 に よ る事 物 直 示 の 例 で あ る。 「こ れ じ ゃ な くて … こ っ ち!」 (41} 指示 4.「 これ_/こ れ ね、 ハ ワイ のお み や げで す」 上 の指 示語 は、 談 話 の場 で体 験 的 に対象 を指 示 してい る。英 語 で は指 示 語 はた とえ話 し手 が 手 に して い る場 合 で あ って も"Thatsmellsbad1."と い う言 い方 が 可 能 で あ り、 日本 語 ほ ど現 場 に密着 してい な い こ とが わか る。 無助 詞 は、 助 詞 が現 れ るべ き箇所 で0拍 の 空 白を数 える こ とにそ の形 式 と機 能 が観 察 され、 そ れ が相 手 に共 同注 意 を促 す 。 間投 助 詞 も同様 に後 に一 拍 の 空 白を 数 える こ とに よって、 共 同注 意 を促 し、 あい つ ちす な わち メ タ認 知 の形 式 を さそ う と思 われ る。 次 に、 終助 詞 の例 を見 られた い 。 5.「 い い お天気 で す ね」 「そ うです ね」 6.「 これ 、変 だ よ/な 」 「そ うだ よね」 5も6も 終 助 詞 に よる事 態 直示 の例 で あ る。 終 助 詞 も基 本 的 に表 出 を表 す が、 相 手 に共 同注 意 の対 象 を掲 げ、 共 視(小 稿 で は、会 話 を構 成 す る者 同士 が 同 時 に 同 じ対 象 に注 目 し続 け る、 の意)を 求 め る 「ね 」、 共 同 注 意 を求 め 共視 を伴 わ な い 「よ」、 直接 的 に は共 同注 意 を求 め な いが 、 〈共 同主 観 的 〉 な態 勢 に基 づ き共 同注意 ・共視 を期 待 す る 「な ・わ」 な どが あ り、 会話 のく 共 同主 観 的 〉な場 を前 提 と して、使 い分 け られ る。(守 屋2006a,b) これ に関連 して 、文 末 に現 れ る 「の」 の 例 を見 られ た い。 7.A「 どう した の?」B「 7は 頭 が痛 い 璽/何 で もないの/あ な た に関係 ないの 」 「の」 に よる事 態 暗 示 の 例 で あ る。 「の」 は会 話 の場 で注 目すべ き事 態 を 暗 に直 示 す る。 上 で はく共 同主観 的 〉立場 に よ り、 互 い に暗示 され る事 態 、 す な わちBの どこか元 気 の なさそ うな、 わ けが あ りそ うな事 態 が、 直 接言 語 化 され な い もの の 、 「の」 で 明確 に指 摘 され 共 同注 意 が 促 され て い る。 これ に と も ない 、 「の」 の指示 す る事 態 の共有 を軸 に、 共 同主 観 的 な談 話 の場 が構 成 ・維 持 され る。 以 上 を整 理 す る と、 次 の よ うに な る。 (1)日 本語 話 者 は 、 イ マ ・コ コの会 話 の場 にお け る対 象 の直 示 や暗 示 に伴 うく 共 同注 意 〉を随 時 促 しなが ら、 〈 共 同 主観 性 〉 を意 識 化 させ 、<共 同主 観 的 〉な会話 の場 を構成 す る。 (2)日 本 語 話 者 は、 会 話 に お い て最 小 の言 語 形 式 で 、発 話 の対 象 とな る事 態 の 出 来 や発 話 を認知 した こ と を随 時 言 語 化 して、発 話 の 認知 的側 面 を活 性 化 させ 、 会 話 の場 を メ タ認 知 的 に作 りだ し、 維 持 ・補 強 す る。 {42) 日本 語 にお け るく 共 同 主観 的 〉特 徴 と文 法 現 象 4.日 本 語 に お け る聞 き手 責 任 性 とそ れ を背 景 と した文 法現 象 以上 の よ うに・ 日本語 話 者 には会 話 の場 に成 立 す るく共 同主 観 的 〉関係 を期 待 して発 話 す る傾 向が み られ るが 、 一 方 、 聞 き手 には、 話 し手 の発 話 の意 味 や意 図 をそ の場 に応 じて読 み込 む現 象 が 見 られ る。 これ は話 し手 の期 待 で もあ る。 ここで は、 文 意 が く 聞 き手 責任 的 〉に伝達 され、 そ の結 果 聞 き手 自身 に認 知 的 行為 を求 め る方 向 に発 展 しうる こ と を指摘 す る。 これ ほ どまで に、 日本語 の 話 し 手 は聞 き手 を 自身の 認知 的枠 内 に取 り込 ん で発 話 してお り、 聞 き手 もそ れ に応 じ る こ とが想 定 され て い る と考 え られ る。 4-1.聞 き手 に よ る話 し手 の 独 話 の く共 同主観 的 〉読 み 込 み と文 法現 象 以 下 は、 いず れ も話 し手 の認 知 的行 為 、 す な わ ち新 しい事 態 の 出来 の認 知 、推 量 、 疑 問 、 反語 な どを、 「独 話」 で 語 りだす 形 式 を とっ て い るが 、 実 際 は程 度 に 差 こそ あれ 、 聞 き手 に話 し手 と同様 の認知 的行 為 を求 め る もの であ る。 これ は く 共 同主 観 的 〉な話 し手 と聞 き手 の態 勢 を前提 と し、 聞 き手 にそ れ を求 め、理 解 し て くれ る こ とを期 待 し、 聞 き手 に依存 す る こ とで成 立 す る意 味 で あ る。注 目す べ き点 は、 こ う した用 法 の 多 くが 、 文法 的 に従 来別 の もの と して記 述 され て きた こ とで あ る。 以 下 、具 体 例 とと もに示 す 。 (1)ナ ル 表現 1.「 ドアが 閉 ま ります 」 2.「 携 帯 電 話 の ご使 用 は周 りの 方 の ご迷惑 に な ります 」 これ らの 文 は単 に現 象 を表す 命 題 文 の述 定 で あ り、 談話 の場 と切 り離 され る と 意味 が わ か らない。 つ ま り話 し手 が 、 聞 き手 は く共 同主観 的 〉な態 勢 にあ り、 共 有 の場 の事 態 を〈共 同注 意 〉 してい る と想 定 して初 め て成 り立 つ、 聞 き手 に話 し 手 の 意 向 の理解 を求 め る表現 で あ る。 「ドァが 閉 ま ります か ら、 ご注 意 下 さい」 「携 帯 電 話 の ご使 用 は周 りの 方 の ご 迷 惑 に な ります か ら、 ご遠 慮 下 さい」 と、 聞 き手 に指 示 を与 え な くと も よい こ と で、 配 慮 に もつ なが るが、 い ず れ にせ よ 日本 語 にお い て は、 〈共 同主 観性 〉が前 提 され、場 を共有 す る こ とに よっ て共 同注 意態 勢 が 想 定 しや す くなる と、命 題 の 述 定 文 が 聞 き手 に行 為 を求 め た り、理 解 を求 め た りす る機 能 に結 び付 きやす くな る こ とが わか る。 この こ とは 「よ くもそ ん な ひ どい こ とが言 え る もの だ/今 後 は二 度 とこ うい う (43} こ とを言 わ ない こ とだ」 な どの形 式 名 詞 文 の述 定 が、 聞 き手 に訴 え る感 情 表 出や 警 告 な どにつ なが る0つ の理 由 とな っ てい る。 (2)推 量 表現 3.「 これで い い だ ろ う」 4.「 だ か ら言 った で し ょう」 5.「 明 日は雨 で し ょう」(天 気 予報) い ず れ も話 し手 の推量 行 為 の 表 明 で あ るが、 感 情 表 出 と同様 、 話 し手 ひ と りの 推 量 に と どま らず 、多 か れ少 なか れ 聞 き手 に推 量 行 為 とそ の結論 へ の納 得 を求 め るニ ュ ア ンス を持 つ。3は これ だ けで は話 し手 の完 全 な独 話 なの か、 聞 き手 との 合 意 を想 定 した もの か 区別 が つ かず 、 判 断 は聞 き手 に委 ね られ るが、 どこか共 有 が期 待 されて い る。4も 聞 き手 に こそ推量 を求 め、 かつ話 し手 の判 断へ の 理解 を 求 め る文 と して機 能 す る。5は(1)の ナ ル表 現 で あ り、 聞 き手 を推 量 の共 有へ と巻 きこむ表 現 とな っ てい る。 この 点 で、 占い 師 の予言 の よ うな表 現 だ と もい え よ う。 (3)意 向 表現 6.「 お 、10時 7.「 だ 、 帰 ろ う」 → そ ろ そ ろ 行 こ う」 → 「帰 ろ う っ と」 「そ ろ そ ろ 行 こ うか 」 8.「 駆 け 込 み 乗 車 は や め ま し ょ う」 → 「(よ)う 「や め ま し ょ う ね」cf「 や め て 下 さ い 」 」 は 興 味 深 い こ と に 話 し手 の 意 向 と聞 き手 の 意 向 、 話 し手 と 聞 き手 の 意 向 を 意 味 し う る 。 つ ま り、6は か ない 。 これ は 「(よ)う こ の ま ま で は ど の タ イ プ に属 す る か 判 断 が 付 」 が く 共 同 主 観 性 〉 を 背 景 に 、 意 向 の あ りか の 判 断 が 聞 き手 に 委 ね られ て い る た め で あ る 。 か りに6で 話 し手 個 人 の 意 向 を 明確 にす る な ら→ の 後 の 例 の よ う に言 う方 が 誤 解 が な い し、7も 向 の 表 出(誘 い)な 聞 き手 を含 め た 話 し手 の 意 ら ば → の 例 の よ う に 言 う方 が わ か りや す い だ ろ う。 な お 、8 の 聞 き手 の 意 向 の 指 定 の 表 現 は 、 依 頼 の 「∼ て 下 さ い 」 よ り も行 為 を指 示 し な い 点 で 、 娩 曲 的 で 丁 寧 な 印 象 を与 え る が 、 聞 き様 に よ っ て は 、 話 し手 が 聞 き手 を 子 供 の よ う に 自 身 に取 り込 ん で い る よ う に も聞 こ え る 。 こ れ も、 〈 共 同 主 観 性 〉 を 前 提 と し、 聞 き手 を巻 き込 み 、 行 為 を期 待 す る 、 日本 語 の 特 徴 か ら生 じ る意 味 で あ る。 (44} 日本語におけるく共同主観的〉特徴と文法現象 (4)否 9.「 定 に よ る 自問 表 現 あ の 子 、 塀 か ら落 ち な い か な 」 10.「 あ の リ ン ゴ 、 食 べ た い な。 落 ち な い か な」 11.「 一・ 緒 に 行 か な い(か ・か な)?」 12.「 こ れ っ て 、 お い し く な い?」 上 の よ う な 「∼ な い(か)?」 は 、 本 来 事 態 の 出 来 が 未 確 認 で あ る場 合 の 話 し手 の 独 話 で あ る 。 す な わ ち 、 こ の 「な い 」 は 否 定 と い う よ り も 「未 然 」 「未 確 認 」 の 意 味 で あ り、 そ の た め こ の 不 安 定 な状 況 の 結 論 を待 つ じ り じ りす る よ う な不 安 感 や 期 待 感 が 表 さ れ る 。 こ の 点 は 、9か た だ 、9や10の 11や12の ら12ま で 共 通 す る 。 よ う に 、 よ り独 話 に 近 い 場 合 は 自問 自答 に 近 い 感 じ と な るが 、 よ う に 、 聞 き手 の 体 験 を 伴 う こ とが 想 定 さ れ る 場 合 は 、 多 くは 、 明 確 な 上 昇 イ ン トネ ー シ ョ ン を伴 い 、 聞 き手 に行 為 や 反 応 を期 待 す る もの とな る 。 こ の場 合 、 話 し手 は 感 情 表 出 と同 様 に、 聞 き手 との く 共 同 主 観 的 〉 な 態 勢 と、 感 情 や 意 向 の 理 解 を期 待 す る 。 た だ し、 先 に も述 べ た よ う に 未 然 の 事 態 に伴 う不 安 感 や 期 待 感 は 、 聞 き 手 も共 有 す る と こ ろ に な る た め 、11の よ う に 聞 き手 自 身 が 同 行 す る こ と を、 話 し手 が 期 待 感 や 不 安 感 を持 っ て い る よ うな ニ ュ ア ンス を含 む 独 話 は 、 聞 き手 に 決 定 権 を 委 ね 、 か つ 話 し手 に と り切 実 な 期 待 で あ る と い う 印 象 を 与 え る た め 、 誘 い の 表 現 と して 適 切 な形 式 と な る。 な お 、 筆 者 の 学 生 た ち は 、 「こ れ 、 お い し くな い?」 は 「お い しい ね 」 と言 う ほ ど に は押 し付 け が ま し さ が な い の で 、 「ね 」 よ りも使 い や す い と言 う。 つ ま り、 「こ れ は 、 お い しい」 と対 象 を掲 げ 、 「ね 」 で 共 同 注 意 を求 め る よ り も、 「こ れ は 、 お い しい と 聞 き手 が 思 うか 、 心 も と な い 」 と 、 共 同 主 観 的 に 事 態 を 認 め よ う とす る 点 で 、 遠 慮 した 表 現 と な り、 そ れ が 好 ま しい よ うで あ る 。 (5)反 語 表現 13.「 ほ ら、 僕 が 言 っ た 通 り じ ゃ な い(か)」 14.「 あ 、 素 敵 な ネ ク タ イ じ ゃ な い(で 15.「 私 っ て 、 一 日に8時 す か)」 間 寝 な い と仕 事 が で き な い 人 じ ゃ な い で す か 」 〈 共 同 主 観 性 〉 を 前 提 とす る こ と で 、 反 語 は 話 し手 個 人 の 反 語 的 な 表 現 に と ど ま らず 、 聞 き手 を 巻 き 込 み 、 聞 き手 に 同 様 の 認 知 的 行 為 を、 場 合 に よ っ て は 強 引 に求 め る 表 現 と な り う る 。13は そ の 例 で あ り、 「∼ じ ゃ な い(か)」 と い う反 語 の 認 知 行 為 は、 話 し手 だ け で な くむ し ろ 聞 き手 に求 め られ て い る 。 こ う した 認 知 行 為 の 要 求 は 、14の よ う に 聞 き手 が 認 め る こ と を快 く感 じ る 場 合 に は 、 よ り心 地 {45) よい 褒 め言 葉 に な りう る し、 逆 に15の よ う に聞 き手 の 与 り知 らぬ 事 柄 につ い て 認 知 を求 め る場 合 に は、馴 れ なれ し く不 快 な言 葉 とな りう る。 5.お わ りに 日本 語 の記述 に お いて、 日本語 話 者 の く共 同主 観 的 〉な傾 向 に注 目す る こ とに よ り、様 々 な 日本 語 の認知 言 語 学 的現 象 が 、体 系 的 に把 握 、 記述 され る もの と思 わ れ る。 この く共 同主観 的 〉傾 向 は言 語 に よ りか な り差 が あ る こ とが 予想 され る。 今 後 は対 照 的 な観 点 か らも、 この テ ーマ の研 究 を進 め たい 。 注 く 共 同主 観性 〉 とく問 主観 性 〉 につ い て ◇ 共 同主 観性 は 「個 々人 の主観 は(あ る程 度)他 人 との 問で共 有 され る」 とい う 仮説 で あ り、 「間 主観 性」 「相 互 主体(主 観)性 」 と も言 う。現 象学 的 に は、 主 観 と客 観 の分 離 と同一 に 関す る哲 学 上 の 問題(主 客 問題)に 対 す る1つ の 回答 と して提 示 され た。伝 統 的 な認 識論 は、他 人 の存 在 とい う もの を原 理 的 に無 視 して処 理 で きる とい う想 定 の うえ に立 って い た。 しか し、 他 人 の存 在 は、 む し ろ認 識 の成 立 に とっ て前 提 と され るべ き もの で あ り、他 人 の介在 が 思 考 や感 覚 の在 り方 を規 制 す る こ と も知 られ る よ うに な った。 こ う した考 察 か ら導 か れ た のが 共 同主観 性 とい う仮 説 で、人 は 自分1人 で環境 世 界 を解 釈 す るの で は な く、 他 者 を前 提 と し、 他 者 を巻 き込 んで共 同 で解 釈 して い る とい う考 え方 で あ る。 平 明 に言 えば、 個 人 の主 観 を認 め なが らも、 い わば 「み ん なが 同 じよ うに主観 的 にな って い る」 とい う もの で あ る。(辻 幸 夫編2002) ◇哲 学 の側 で は、intersubjectivityは 常 識 や 規 範 や社 会 通念 な ど、 「 不 特 定多 数 の 主観 にあ まね く抱 か れ てい る共通 の観 念 や 考 え」 を指 して使 われ て い る(守 屋 注 …廣松 渉1972「 世界 の共 同主観 的存在 構i造』勤 草 書 房)の 考 え を指す か) こ とが 多 く、 そ の 意 味 で は共 同 主 観 性 と い う訳 語 が ぴ っ た りです 。 そ して 、 「 不 特 定多 数 の主 観 に共 通 して の不 特 定多 数 を どん どん切 り詰 め て考 えて い け ば、 究極 的 に は 「 二 人 の主 観 に共通 して 」 とい う ところ まで切 り詰 め て考 え る こ とが で きるで し ょう。私 の頭 の なか で は前 者 に共 同主 観性 、後 者 に 間主 観性 を充 て るのが よい と思 われ ま した 。(鯨 岡2006) 上 記 の鯨 岡2006は わ か りや す く、 ま た 日本 語 を考 え る上 で も有 効 な側 面 が あ る と思 われ るが 、 小稿 で は、前 者 の よ うに、 〈 共 同主 観性 〉 を〈間 主観性 〉 と異 な る概 念 とは と らえ ない。 そ れ は 、 日本語 の事 実 を見 てい くと、 話 し手 と不 特 定 多 {46} 日本語におけるく共同主観的〉特徴と文法現象 数(あ るい は公 け)と い う と らえ方 と、 話 し手 と話 し手が個 人 的 な 関 わ りを持 つ 他者 とい う と らえ方 は、 実際 は非常 に線 引 きが 難 しい と思 わ れ る こ とに よる。 つ ま り、他 者 と対 立す る 「 私 」 が 客 観 的 ・記号 的 に想 定 され て い ない以 上 、他 者 との線 引 きも必 ず しも明確 で は な い と考 え られ るの であ る。 小稿 で は、 こ う した く共 同主 観 性 〉 を個 々の対 等 の人 間 同士 に よっ て構 成 され る もの で はな く、 イ マ ・ココにお いて会 話 が成 立 す る 「 場 の共 有」 に よって成 立 す る もの と と らえ、 場 に応 じて公 け に傾 くか個 人 的関係 に傾 くか 、 とい う方 向 か らく 共 同主 観性 〉 を と らえ るこ と とす る。 日本 語 は主観 的 に事 態 を把 握 して独 話 的 に語 りだす傾 向 を持 っ て い る。 そ の点 で 、話 し手 が客 観 的 な事 態 把 握 を し、 かつ話 し手 と聞 き手 が互 い に対 等 の 関係 に お い て ダ イ ア ロー グ を構 成 す る英 語 に基 づ い て考 え られ た、例 え ば グ ライス の協 調 の原 則(Grice1975)の よ うな概 念 とく共 同主 観 〉の 概念 とは、基 本 的 にス タ ンスが 異 な る と考 え られ る。 ◆ 参 考文献 池上嘉 彦2000『 日本 語論 へ の招待 』 講 談社 池上 嘉彦2003,2004「 言語 におけ る く主観 性〉 と 〈主観性 〉 の指標(1)(2)」 学論 考』 第3・4号 『認知 言語 ひつ じ書房 池上嘉 彦2006a「 〈主観 的把握 〉 とは何 か」 『言語』5月 号 大修館 書店 池上嘉 彦2006b『 英 語 の感覚 ・日本語 の感覚 くこ とば の意味 の し くみ』 日本放 送 出版協 会 池上嘉 彦2007「 〈主観 的把握 〉一 認知言 語学 か ら見 た 日本語 話者 の〈 い ま ・ここ〉へ の こ だわ り」東 京言語研 究所 夏期 講座 レジュメ 大藪 泰2004『 共 同注 意 』川 島書 店 尾 上圭 介2001『 文法 と意 味』1く 鯨岡 峻2006『 ろ しお 出版 ひ とが ひ とをわか る とい うこ と 間主観性 と相互 主体性 』 ミネル ヴ ァ書房 近 藤安 月子2002「 『の だ』が指標 す る話 し手 の主観性」 『言語 』5月 号 大修館 書店 近 藤安 月子 ・守屋 三千代2006「 日本 語 文法教 育 の課題一 聞 き手 認知 と終 助詞 を中心 に一 」 「日本学研 究』16「 〈 日本 的 〉の現在 」北京 日本学研 究 中心 辻 幸夫 編2002『 認知 言語学 キー ワー ド事 典』研 究社 秦野 悦子 ・や まだ よ うこ編1998『 コ ミュニケ ー シ ョンとい う謎 』 ミネル ヴ ァ書房 本多 啓2002「 共 同注 意 の統 語論」 『認知言 語学論 考』 第2号 増 山真 緒子1991『 表 情す る世界=共 守屋 三千代2006a「 〈共 同注 意〉 と終助 詞使用」 『 言 語』5月 号 大 修館書 店 守屋 三千代2006b「 同主 観性 の心 理学 ひつ じ書房 ことば ・自我 ・知覚』新 曜社 日本 語 にお け る聞 き手 認識 の言語 化」 『JCLA(日 {47) 本 認知 言語学 会) 論 文 集 』 第6号 守 屋 三 千 代2007「 物語 文 の 『語 り 』 と 『読 み 』 一 〈共 同 注 意 〉 と く間 主 観 性 〉 の 観 点 か ら 一 」 『東 ア ジ ア 日 本 学 国 際 検 討 会 論 文 集 』 洛 陽 外 語 学 院 Humphrey,Nicholas1986垂 水 雄 二 訳1993『 Humphrey,Nicholas2006柴 田 裕 之2006『 Crossley,Nick1996西 原 和 久 訳2003『 内 な る 目一 意 識 の 進 化 論 』 紀 伊 國 屋 書 店 赤 を 見 る 感 覚 の 進 化 と 存 在 理 由 』紀 伊 國 屋 書 店 間 主観 性 と公 共 性 』 新 泉 社 Langacker,Ronald.W.1991"FoundationsofCognitiveGrammar"VolumeIIStanford UniversityPress,StanfordCalifornia Tomasello,Michaell999大 Trevarthen,Colwyn1979鯨 堀 ・本 多 他 訳2006『 岡峻編訳 心 と こ とば の 起 源 を探 る 』 勤 草 書 房 ・鯨 岡 和 子 訳1989「 早 期 乳 児 期 にお け る 母 子 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と 協 応 」 『母 と 子 の あ い だ 』 ミ ネ ル ヴ ァ 書 房 Trevarthen,ColwynandHubley,Penelopel979鯨 岡 峻 編 訳 ・鯨 岡 和 子 訳1989「 互 主 体 性 の 成 り 立 ち 」 『母 と 子 の あ い だ 』 ミ ネ ル ヴ ァ 書 房 (48) 第2次 相