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建築材料
建築材料 第15回 構造用コンクリート製品 &材料のトピックスとして 建築学科 平岩 陸 1 構造用コンクリート製品とは? まず、コンクリート製品とは、 工場で作られたコンクリートのこと (二次部材とも) 現場生産のコンクリート その中でも構造用のものをここでは取り上げる 構造用でないコンクリート製品もある 外壁仕上げ材:ALC、カーテンウォールなど 2 コンクリート製品工場 3 構造用コンクリート製品の種類 ・プレキャストコンクリート Pre-cast Concrete :あらかじめ・打設された・コンクリート 通称PCもしくはPCa →プレストレストコンクリートと区別 こちらもPCまたはPS ・建築用コンクリートブロック 通常、コンクリートブロック塀用 4 コンクリート製品の作り方 5 コンクリート製品の利点 現場打ちのコンクリートはどうしても・・・ 品質にばらつきが生じやすい 工場生産の場合、 ・品質管理がしやすく、品質のばらつきが少ない ・硬めのコンクリートでも打設できるため、 品質の良いコンクリートが作りやすい ・大量生産が可能で低コストでできる 6 コンクリート製品の弱点 当然不利な点もあって、 ・コンクリート部材が大きくなると重量が大きく、 運搬に経費がかかる ・小さい建物や特殊な部材の多い建物の場合 にはコスト減にならない ・事前の工程計画が非常に重要 7 壁式PCa 8 プレキャスト造の接合部 床板接合部 壁板・床板接合部 9 PCa床 PCa床板と現場打ちコンクリートの合成床 現場で配筋 鉄筋トラス付きプレキャスト板 10 コンクリートブロック 11 材料のトピックス 12 材料の使用上の注意点 ・内装制限:防火上の観点 ・シックハウス対策:室内環境上の観点 ・有害物質:健康上の観点 使用できる材料に制限がある ・廃棄物の処理・建設材料のリサイクル 13 内装制限 建築基準法35条の2 別表第1欄に掲げる特殊建築物、(中略) その壁および天井の室内に面する部分の仕上げを 防火上支障のないものとしなければならない 仕上げ材料として、 難燃材料、準不燃材料の使用が求められる 特殊建築物: 人が多く集まる建築物に対し、 それぞれ面積などにより規定されている :劇場、映画館、病院、ホテル、集会場など 14 施工の一例 基本的には内装制限は 火災の初期の延焼を防止するのが目的 天井:岩綿吸音板 壁:石こうボード+壁紙 15 岩綿吸音板の認定 16 石こうボードの認定 壁:石こうボード+壁紙 17 シックハウス 住居内での室内空気汚染に由来する 健康障害 ・家具・建材から放散されるVOC ・ダニやカビ VOC(揮発性有機化合物) :常温常圧で揮発する有機化合物の総称 ホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなど 18 シックハウス対策 建築基準法第28条の2 (居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置) ・ホルムアルデヒドの規制 合板や塗料などで防腐剤として広く使用されている ・クロルピリホスの使用禁止 防蟻剤として使用されてきた 他の法律では、他の化学物質も制限されている 19 シックハウス対策 ホルムアルデヒド発散建材の区分 区分 規制対象外 「F☆☆☆☆」 第3種 「F☆☆☆」 第2種 「F☆☆」 第1種 「F☆」 発散量 制限 0.005mg/m2・h以下 制限なし 0.005~0.02mg/m2・h 0.02~0.12mg/m2・h 0.12mg/m2・h超 使用面積制限あり (換気回数による) 使用禁止 20 シックハウス対策 他の法律による規制 21 有害物質 過去、建築材料として広く使われたが 現在では使用が禁止されているもの →解体時に特別な処置が必要になる ・石綿(アスベスト) セメント系の材料に繊維として使用されていた 解体工事で切断などすると飛散する ・PCB 以前の電気製品などに使用されていた 特別な処理施設での処理が必要 22 廃棄物処理法 建設事業に伴って排出される 廃棄物の処理について定めた法律 ・廃棄物の保管について ・収集運搬業者、処分業者への委託について ・広域再生利用指定制度の活用 石膏ボード、ロックウール、ALCなど 23 建設副産物の分類 24 建設副産物の例 25 廃棄物管理票(マニュフェスト) 26 建築材料のリサイクル 建設リサイクル法 ・特定建設資材のリサイクルが義務付けられている ・コンクリート塊 ・コンクリートおよび鉄からなる建設資材(PC板など) ・アスファルト・コンクリート塊 ・建設発生木材 ・分別解体の推進(ミンチ解体の禁止) 27 対象建設工事 建設面積の規模によって適用される 28 リサイクル状況 29