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5 関係機関等の連携による少年サポート体制の構築
5 ■関係機関等の連携による少年サポート体制の構築 5 関係機関等の連携による少年サポート体制の構築 関係機関等の連携による少年サポート 体制の構築について 平 成 16 年 9 月 10 日 ( ) 青少年育成推進課長会議申合せ として積極的に参加,活用することが重要である。 2 サポートチームによる連携 (1)サポートチームの形成 今日の刑法犯少年の増加など多様化・深刻化する 「サポートチーム」は,問題行動等を起こして 少年非行,いじめ・校内暴力,不登校・ひきこもり いる個々の少年等の指導・支援について,地域に 等,少年の社会的不適応や児童虐待等による少年の 既に存在するネットワークの機能によってはきめ 被害等の諸課題に対して,予兆の把握,深刻化する 細かな対応が困難であり,既存のネットワークの 前の段階での対応等を可能とするためには,国,地 枠組みに囚われない関係機関等で構成する連携体 方公共団体の関係機関・団体等及び国民が一体とな 制により対応することの方が効果的であると判断 って取り組むことが求められている。 される場合,当該関係機関等の間において,当該 こうした時代の要請に応えるため,本会議におい 少年等に係る情報を共有し,少年の健全育成とい て,関係機関等の連携による少年のサポート体制の う共通の目的の下,各関係機関等の権限等に基づ 在り方に関する政府としての基本的な考え方につい く適切な役割分担により多様な対応を行うために て,次のとおり申し合わせることとする。 形成されるものである。 ○ メンバーの選定と役割分担 1 日常的な連携の推進 サポートチームは,原則として,一人の少年 それぞれの地域(主として市町村)においては, に対して一つのチームが形成されるものであ 学校,教育委員会,警察署,少年サポートセンター, り,そのメンバーには,問題を抱える少年やそ 児童相談所,福祉事務所,保健所,少年鑑別所,保 の家庭の状況を的確に把握し,必要とされる指 護観察所及び少年補導センター等の関係機関並びに 導・支援や状況の改善に役立つと思われる働き PTA,警察ボランティア,主任児童委員,民生・児 かけを行うことが可能な関係機関・担当者を選 童委員,保護司及び少年補導委員等地域の人材を構 定することが必要である。 成員とするネットワークを形成する等,地域の機 また,サポートチームの活動においては各機 関・人材を生かした組織的な体制を整備することが 関等の機能を最大限活用することが重要である 効果的である。 ことから,メンバー間における適切な役割分担 現在も,地域によっては, ・教育委員会が教育的必要性から設置する教育施 策中心のネットワーク ・市町村福祉部局が事務局となっている「児童虐 待防止ネットワーク」 ・警察が事務局となっている非行対策中心のネッ トワーク が必要となる。 ○ 連携調整役(コーディネーター)の選任 関係機関等の適切な役割分担の下で,サポー トチームを効率的に機能させるためには,対応す る事案について中心的な役割を担う機関等がコ ーディネーターの役割を果たすことが必要である。 ○ サポートチームの形成についての認識の共通化 等,様々な取組がなされているが,十分に整備され サポートチームによる対応が必要となった場 ていない地域もある。そのため,未だ整備されてい 合に,円滑なサポートチームの形成が図れるよ ない地域においては,その形成に向けての取組の推 う,関係機関等の日常的な連携の場において, 進が求められる。また,既にネットワークによる取 サポートチーム形成の目的やコーディネーター 組がなされている地域においては,関係機関等は, の選任等について,あらかじめ認識の共通化を 当該ネットワークを単なる情報交換の場として捉え 図っておくことが重要である。 るのではなく,他の構成員と連携して,地域の青少 年問題行動等を具体的に解決するための日常的な場 (2)サポートチームの活動 参 考 資 料 ○ 情報・問題意識の共有 183 参考資料 各関係機関等が持っている情報や問題意識を サポートチームにおいて当該情報を共有・利用す 集約・共有の上,事案に対応することにより,迅 ることについては,各機関等が,サポートチーム 速かつ効果的な指導・支援の実施が可能となる。 内において,少年の健全育成という公共性の高い ○ 共通理解・方向性を持った指導・支援 事務を適正に遂行するに当たり,問題を抱える少 複数の関係機関等が同時期に効果的な働き掛 年等に対する指導・支援の向上を図る観点から必 けを行い,少年やその保護者から信頼を得るに 要である。したがって,少年本人及びその家族等 は,共通理解に基づく同じ方向性を持った指 の権利利益を不当に侵害しないことを前提に,当 導・支援が必要である。 該提供は, 「個人情報の保護に関する法律」 (平成 また,指導・支援に当たっては,少年及びそ の家族に対する周囲からの差別意識を生じさせ ないよう十分留意することも重要である。 (3)日常的な連携へのフィードバック 15 年法律第 57 号。平成 17 年 4 月 1 日全面施行。 ) , 「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法 律」 (平成 15 年法律第 58 号。平成 17 年 4 月 1 日施 行。)及び「独立行政法人等の保有する個人情報 一つの機関による対応が可能となった場合やサ の保護に関する法律」 (平成 15 年法律第 59 号。平 ポートチームによる指導・支援としての当初の目 成17年4月1日施行。 )による,目的外利用・提供 的が達成された場合等については,サポートチー の原則禁止の例外として認められると解される。 ムとして形成していた体制を日常の連携に吸収す もとより,サポートチームにおいて共有・利用 ることとなるが,この際には,サポートチームに する個人情報を提供する機関は,提供する当該個 おける取組により得られた成果については,少年 人情報の内容について,メンバーである関係機関 非行対策・犯罪被害防止等に係る日常的な取組に 等が共通認識を図る上で必要最小限の範囲となる 反映させることが重要である。 よう,個人情報保護関連各法の趣旨に十分留意の また,サポートチームによる指導・支援につい 上,決定する必要がある。また,個人情報の内容 ては,必要に応じて再開する検討を行うことも重 によっては,共有するメンバーの範囲についても 要である。 限定する必要がある。 サポートチームで取り扱う個人情報について 3 秘密保持の徹底と個人情報保護への配慮 (1)秘密の保持 は,都道府県・市町村が規定する個人情報の保護 に関する条例,規則及び規程等の対象ともなり得 少年の健全育成に責務を有する関係機関等の間 ることから,その取扱いに当たっては,各地方公 における情報交換については,個々の事案に応じ 共団体における情報公開・個人情報保護主管部局 て情報を共有することが重要であり,サポートチ と緊密な連携を取りつつ,共通認識を持っておく ームのメンバーそれぞれに課されている守秘義務 必要がある。 に十分留意しつつ,積極的に行っていくことが必 また,サポートチームにおける秘密の保持を徹 4 サポートチームによる連携の推進のため の研修等の充実 底することも重要であり,特に,法律上守秘義務 サポートチームにおいて,メンバー相互の信頼関 の課されていない者がサポートチームのメンバー 係に基づく緊密な連携を図るには,関係機関等の業 になる場合もあることから,サポートチームにお 務内容,役割等を理解し合うことが必要であること ける情報の取扱いについて明記した規約等をあら から,関係機関においては,職員が関係機関等との かじめ整備しておく必要がある。 連携の必要性や他の関係機関等の役割を十分認識 要である。 (2)個人情報の保護 関係機関等が,自らが保有する少年に関する個 人情報を,他の関係機関等に提供することにより, 184 し,サポートチームの取組が効果的に行われるよう, 職員に対する研修等の充実を図ることが重要であ る。