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咽頭炎及び皮膚感染症由来 A 群レンサ球菌における 発熱性毒素遺伝子
443 咽頭炎及び皮膚感染症由来 A 群レンサ球菌における 発熱性毒素遺伝子の遺伝子型別の検討 富山県衛生研究所細菌部 田中 大祐 嶋 智子 磯部 順子 綿引 正則 木全 恵子 (平成 16 年 11 月 1 日受付) (平成 17 年 5 月 17 日受理) Key words: Streptococcus pyogenes, streptococcal pyrogenic exotoxin, emm typing 要 旨 咽頭炎と皮膚感染症の患者から分離された A 群レンサ球菌について T 血清型別,emm 型別,発熱性毒 素遺伝子の遺伝子型別を行ったところ,以下の結果を得た. 1.2000∼2004 年の最近 5 年間に分離された 130 株について T 血清型と emm 型を調べた.咽頭由来 85 株では T12! emm12 が 21 株(25%),T4! emm4 が 16 株(19%),T1! emm1 が 12 株(14%)などで, 皮膚由来 45 株では,T28! emm28,TB3264! emm89,T 型別不 能! emm58 が 各 6 株(13%) ,T1! emm1 と T12! emm12 が各 5 株(11%)などであった.最近 5 年間の分離株と以前に調べた 1990 年代の分離株 とでは,皮膚由来株の優勢菌型に違いが認められた. 2.1990∼2004 年の 15 年間の分離株について発熱性毒素遺伝子の保有状況を検討したところ,咽頭由 来 167 株では speA 保有株は 44 株(26%) ,speC 保有株は 109 株(65%)で,皮膚由来 125 株では speA 保有株は 15 株(12%) ,speC 保有株は 50 株(40%)であった.皮膚由来株は咽頭由来株に比べ,speA 及び speC の保有率がいずれも有意に低かった(それぞれ p<0.01) .speB は 1 株(A 群抗原を有する S. dysgalactiae subsp. equisimilis)を除きすべての分離株が保有していた. 3.speA の対立遺伝子 (allele) を調べたところ,咽頭由来 44 株では,speA lineageI(speA1-speA2-speA3speA6)が 37 株(84%)で lineage II(speA4-speA5)が 7 株(16%)であった.皮膚由来 15 株では,lineage I が 11 株(73%)で lineage II が 4 株(27%)であった.また,emm 型と speA allele に関連が認めら れた.すなわち,emm1 は speA2,emm3 は speA3,emm6 は speA4,emm11 は speA2,emm18 は speA1 と関連していた. 〔感染症誌 序 文 79:443∼450,2005〕 emm12,T1! emm1,T4! emm4 が多く,皮膚由来 我々は,富山県内の病院で 1990∼1999 年に患者 株では T11! emm89,T28! emm28,B3264! emm94 から分離された A 群レンサ球菌について T 型と (以前は emm13w) ,T 型別不能! emm58 が多く,病 emm 型を調べたところ,咽頭由来株では T12! 巣部位の別に T 型ならびに emm 型の分布に違い 別刷請求先:(〒939―0363) 富山県射水郡小杉町中太閤 山 17―1 富山県衛生研究所細菌部 田中 大祐 平成17年 7 月20日 が認められることを報告した1).今回は,2000∼ 2004 年の最近 5 年間の富山県内の患者分離株に ついて病巣部位別に T 型と emm 型の分布を調べ 444 田中 大祐 他 Table 1 T and emm types of group A streptococcus islates during 2000―2004 T type 1 2 3 No. of isolates from Total no. of isolates Throat Skin 1 2 17 1 12 1 5 4 1 emm type 3 5 101 1 4 6 4 6 19 2 16 2 11 11 89 2 1 2 26 1 21 1 5 4 2 9 11 2 2 9 5 2 1 11 1 5 12 12 50/62 13 73 77 75 28 25 28 B3264 Nontypeable 68 89 std633 1 3 1 6 1 6 1 1 48 58 75 1 2 7 1 81 1 1 1 1 1 1 1 1 91 112 st809 stg485 Total 1 1 1 1 1 1 6 1 130 85 45 た.また,1990∼2004 年の分離株における 3 種類 2.レンサ球菌発熱性毒素遺伝子の検出 の発熱性毒素遺伝子(speA,speB ,speC )の保有 speA,speB ,speC の 検 出 は,PCR 法4)に よ り 状況と speA 遺伝子型別について検討した. 材料と方法 1.菌株 行った. 3.speA 遺伝子型の同定 speA 遺伝子型別は,前述の PCR 法による speA 1990∼2004 年の間に富山県内の 2 カ所の病院 増幅産物(393bp)の DNA 塩基配列を調べ,同定 で分離された A 群レンサ球菌 292 株(−80℃ 凍 を行った.塩基配列は Applied Biosystems model 結保存)を用いた.その内訳は,咽頭炎患者の咽 3100 DNA シークエンサーを用いたダイレクト 頭由来 167 株,皮膚感染症患者の皮膚由来 125 株 シークエンス法で決定した.決定された塩基配列 である.T 型別は市販の型別用血清(デンカ生研) を既知の speA alleles の塩基配列(accession num- を用いてスライド凝集反応により行った.emm ber は, speA1:X61554, speA2:X61561,speA3: 型別は,Beall ら2)3)の方法に準じて emm 遺伝子の X61568,speA4 :X61573,speA5 :AF029051, 5’末端領域の塩基配列を決定し,CDC のデータ speA6:AF055698)と DNASIS Pro Ver. 2.02(日 ベース(http:! ! www. cdc. gov! ncidod! biotech! 立 ソ フ ト ウ ェ ア エ ン ジ ニ ア リ ン グ)を 用 い て strep! strepindex. html)を利用して行った. BLAST 検索を行った. 感染症学雑誌 第79巻 第7号 A 群レンサ球菌の発熱性毒素遺伝子の遺伝子型別 445 Table 2 Distribution of spe genes among group A streptococcus isolates from throat emm type T type Total no. of isolates 1 1 21 2 2 5 3 4 3 4 10 24 6 6 6 8 11 77 11 2 5 89 1 12 spe genotype AB ABC B BC 17 2 1 1 1 4 3 21 2 1 2 10 6 1 1 1 12 32 50/62 1 13 73 77 4 2 18 18 4 4 22 25 77 22 75 1 1 12 1 28 28 9 87 50/62 89 2 1 6 1 94 4 6 4 1 1 4 12 1 18 48 1 1 58 2 50/62 75 77 87 2 1 2 1 111 1 B3264 Nontypeable Total 167 32 1 4 2 1 1 11 9 1 1 6 1 1 1 1 1 1 1 2 1 2 1 1 28 16 30 93 4.統計処理 で は,T28! emm28,TB3264! emm89,T 型 別 不 有意差検定は χ2 検定を使用し,p<0.05 を有意 能! emm58 が 各 6 株(13%) ,T1! emm1 と T12! emm12 が各 5 株(11%)などであった. とした. 成 績 1.2000∼2004 年に分離された A 群レンサ球 菌の菌型分布 2.1990∼2004 年の分離株の発熱性毒素遺伝子 保有状況 咽頭由来 167 株の発熱性毒素遺伝子保有状況を 咽頭由来 85 株,皮膚由来 45 株,合計 130 株に Table 2 に示す.speA 保有株は 44 株(26%) ,speB ついて T 型と emm 型を調べた結果を Table 1 に 保有株 は 167 株(100%) ,speC 保 有 株 は 109 株 示す.咽頭由来株では,多い順に T12! emm12 が (65%)であった.咽頭由来株で優勢な T! emm 21 株(25%) ,T4! emm4 が 16 株(19%) ,T1! emm1 と発熱性毒素遺伝子保有の関係を見ると,T1! が 12 株(14%)などであった.一方,皮膚由来株 emm1 で は speA と speB 保 有 が 21 株 中 17 株 平成17年 7 月20日 446 田中 大祐 他 Table 3 Distribution of spe genes among group A streptococcus isolates from skin T type emm type Total no. of isolates spe genotype AB 1 2 1 2 8 3 8 3 3 77 1 1 1 101 2 4 5 4 6 11 ABC B 1 1 1 1 1 11 44/61 1 2 2 11 1 1 12 12 9 13 73 77 st833 80 3 1 1 1 28 87 68 16 5 1 81 89 94 3 8 10 std633 81 1 2 1 3/B3264 9/B3264 12/B3264 74 22 1 1 1 Nontypeable 1 6 22 48 1 1 1 1 58 75 81 14 1 1 8 1 1 88 91 112 1 1 1 1 1 st809 stg485 1 1 B3264 Total * 125 1 5 sts104 6 89 28 ―* 3 12 14/49 BC 1 9 3 1 1 1 1 4 1 1 11 4 3 8 10 2 1 1 1 1 1 6 1 1 1 11 4 63 46 1 Negative for speA, speB, and speC genes (81%) ,T4! emm4 で は speB と speC 保 有 が 24 (40%) であった.ところで,皮膚由来株において, 株中 21 株(88%),T12! emm12 では speB と speC T28! emm28 と T 型 別 不 能! emm58 は,1990∼ 保有が 32 株全て(100%)であった. 1999 年と 2000∼2004 年のいずれの時期において 皮膚由来 125 株の発熱性毒素遺伝子保有状況を も優勢であった.これらの T! emm と発熱性毒素 Table 3 に示す.speA 保有株は 15 株(12%) ,speB 遺 伝 子 保 有 の 関 係 を 見 る と,T28! emm28 で は 保 有 株 は 124 株(99%) ,speC 保 有 株 は 50 株 speB と speC 保有が 16 株中 11 株(69%),T 型別 感染症学雑誌 第79巻 第7号 A 群レンサ球菌の発熱性毒素遺伝子の遺伝子型別 447 Table 4 Annual changes of spe genotypes of T1/emm1, T11/emm11, and T nontypeable/emm58 isolates spe genotype(No. of isolates) Year T1/emm1 1990 1991 BC(1) AB(2),B(1) 1992 AB(1) 1993 1994 AB(1) AB(1) Throat Skin BC(1) BC(3) BC(1) , B(1) BC(2) B(1) B(1) AB(2) 1996 ABC(1) BC(1) 1997 1998 AB(1) BC(1) 1999 AB(1) 2000 AB(3),ABC(1) B(2) 2001 2002 AB(5) AB(3) B(1) B(2) 2003 2004 AB(2) AB(3) BC(1) ABC(1) AB(1) B(1) B(1) nontypeable Table 5 speA alleles of 59 speA-positive clinical group A streptcoccus isolates T type TNT* /emm58 1995 *T Source T11/emm11 emm type speA allele (No. of isolates) にまとめた.T1! emm1 は 1992 年以降からすべて の菌株が speA を保有し,T11! emm11 は 2003 年 以降からすべての菌株が speA を保有していた. また,T 型別不能! emm58 は 2000 年以降からすべ 1 3 1 3 speA2(19) speA3(10) 6 6 speA4(6) 3.speA の遺伝子型別 11 18 11 18 speA2(2) speA1(4) speA を保有する咽頭及び皮膚由来株の speA al- 22 Nontypeable 22 6 18 1 3 speA2(1) speA4(1) speA1(1) speA2(8) speA3(1) 6 28 std633 speA4(1) speA2(1) speA5(1) 株(67%),speA4 が 3 株(20%),speA3 と speA5 speA4(1) speA2(1) speA4(1) 型の菌株は,由来に関わらずに同一の speA 遺伝 1 3 6 28 B3264 9/B3264 Nontypeable 74 1 6 ての菌株が speB 単独保有であった. lele を調べた結果を Table 5 に示す.咽頭由来 44 株 で は,speA2 が 22 株(50%) ,speA3 が 10 株 (23%) ,speA4 が 7 株(16%) ,speA1 が 5 株(11%) であった.一方,皮膚由来 15 株では speA2 が 10 がそれぞれ 1 株(7%)であった.また,同じ emm 子型を示した.すなわち,emm1 は speA2,emm3 は speA3 ,emm6 は speA4 ,emm11 は speA 2 , emm18 は speA1 と関連していた. 考 察 不 能! emm58 の 14 株 で は speB 単 独 保 有 が 8 株 A 群レンサ球菌の菌型分布に関して,咽頭由来 (57%)で speB と speC 保有が 6 株(43%)であっ 株において優勢な菌型は 1990∼1999 年と 2000∼ た. 2004 年 の い ず れ も T1! emm1,T4! emm4,T12! 同じ T! emm 型の菌において発熱性毒素遺伝子 emm12 であった.1992∼2000 年の咽頭炎由来株 保有状況に年次変化が認められたものを Table 4 を中心とした全国集計でも,T1,T4,および T12 平成17年 7 月20日 448 田中 大祐 他 型が多いことが報告されている5).一方,皮膚由来 tiae subsp. equisimilis と同定された.通常の A 群 株 で は T28! emm28 と T 型 別 不 能! emm58 は レンサ球菌(S. pyogenes)と異なるこのような菌株 1990 年代と 2000 年以降のいずれの時期も優勢で が最近国内でも患者から分離されている10)11). あったが,その他の菌型は優勢な時期が限られて 日 本 国 内 各 地 で は 1989∼1990 年 頃 か ら speA いた.すなわち,皮膚由来株では TB3264 型はいず 陽性の新しいクローンの T1! M1 型菌が出現し, れの時期も多かったが,それらの菌株の emm 型は 広まってきていることが報告されている12)∼14).今 1990 年代は emm94 が多く,2000 年以降は emm89 回の検討でも T1! emm1 の菌株で同様な結果が得 が多かった.勝川ら6)も TB3264 型の菌株において られた.また,今回は T11! emm11 や T 型別不能! 2000 年を境に同様な emm 型の変化が認められた emm58 でも発熱性毒素遺伝子保有状況に年次変 ことを報告している.また,皮膚由来株では 2000 化が認められた.今後も分離菌株の動向調査にお 年以降は T1! emm1 と T4! emm4 が増加し,1990 いて血清型別等に加えて発熱性毒素遺伝子保有状 年代に優勢であった T11! emm89 は検出されな 況を調べることは有用と考えられる. Bessen ら15)は,A 群レンサ球菌は染色体上の かった. 皮膚感染症患者由来の A 群レンサ球菌につい emm 遺伝子サブファミリーの数と配列の違いか て発熱性毒素遺伝子保有状況を調べられた報告は ら 5 つのパターン(パターン A∼E)に分けられ, 少ない.そこで今回は,皮膚感染症患者の皮膚由 パターン A∼C は咽頭由来株と,パターン D は皮 来株について検討するとともに,咽頭炎患者の咽 膚由来株と,パターン E は咽頭由来株と皮膚由来 頭由来株についても調べた.その結果,speA 保有 株の両方とそれぞれ関連すると報告した.さらに, 率は,咽頭由来株では 26%,皮膚由来株では 12% 彼ら16)は,emm パターン A∼C や E の菌株は speA であり,皮膚由来株は咽頭由来株より speA 保有 allele の系統 I(speA1-speA2-speA3-speA6)と関連 率が有意に低かった(p<0.01) .特に,皮膚由来株 し,emm パターン D の菌株は speA allele の系統 で優勢な T28! emm28,T 型別不 能! emm58 の 菌 II(speA4-speA5)と関連すると報告した.今回, 株は 1 株を除きすべて speA を保有していなかっ 我々は speA allele を調べたところ,咽頭由来株で た.また,speC 保有率に関しても,咽頭由来株で は speA allele の系統 I が 84%(44 株中 37 株)と多 は 65%,皮膚由来株では 40% であり,皮膚由来株 かった.また,皮膚由来株では,咽頭由来株より は咽頭由来株より speC 保有率が有意に低かった やや低率ではあるが,系統 I が 73%(15 株中 11 (p<0.01) .ところで,Murakami ら7)は,日本人の 株)と多かった.我々の結果は彼らとほぼ同様で 皮膚感染症由来株と咽頭や扁桃などの粘膜に感染 あると考えられる. 症を起こした菌株では speA 保有率がどちらも また,本研究では emm 型と speA allele の間に 60∼70% 程度であり,差が認められなかったと報 は関連が認められる結果となった.すなわち, 告している.また,岸下ら8)は日本人の咽頭炎由来 emm1 は speA2,emm3 は speA3 ,emm6 は speA4, 株 400 株を調べたところ,speA 保有率は 15%, emm11 は speA2,emm18 は speA1 と 関 連 し て い speC 保有率は 77% であったと報告している.地 た.emm 型あるいは M 血清型と speA allele の間 域や年次により発熱性毒素遺伝子の保有状況に差 の同様な関係は国内外でも報告され,特に,劇症 が有ることなども考えられるので,今後更に検討 型 A 群レンサ球菌感染症患者由来株で優勢な M1 が必要かと思われる. 型と M3 型の菌株はそ れ ぞ れ speA2 と speA3 を speB は染色体上にコードされ,ほぼ 100% の菌 9) 保有していることが指摘されている17)18).Kline 株に存在すると報告されている .今回,speB 遺 ら19)は SpeA1(speA1 によりコードされる SpeA 伝子を保有していない菌株が 1 株あったが,T 型 蛋白)の 20 種類におよぶ変異体を作成し,劇症型 別不能! emmstg485 で,アピストレップ 20 や 16 A 群レンサ球菌感染症の病態に関与していると SrRNA 遺伝子配列によ り Streptococcus dysgalac- 考えられているスーパー抗原の特徴を in vitro の 感染症学雑誌 第79巻 第7号 A 群レンサ球菌の発熱性毒素遺伝子の遺伝子型別 実験で調べたところ,SpeA3 は SpeA1 と比較し てマイトジェン活性や MHC class II 分子との親 和性がかなり高かったと報告している. 今回の検討では,咽頭炎と皮膚感染症に由来す る菌株では speA と speC の保有状況に差が認め られた.今後,それぞれの疾患の原因菌の特徴や 発病機構の解明を進めるため,他の病原遺伝子に ついてもさらに調べる必要があると考える. 謝辞:稿を終えるにあたり,菌株を分与頂いた富山県立 中央病院と富山市民病院の検査担当各位に深謝いたしま す. 文 献 1)Tanaka D, Gyobu Y, Kodama H, Isobe J, Hosorogi S, Hiramoto Y, et al .: emm typing of group A streptococcus clinical isolates : identification of dominant types for throat and skin isolates. 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The results were summarized as follows: 1)T and emm types were determined in 130 GAS isolates obtained between 2000 and 2004. Among 85 throat isolates, predominant T! emm types were T12! emm12(25%) , T4! emm4(19%) , and T1! emm1(14%).Among 45 skin isolates, predominant T!emm types were T28!emm28 (13%),TB 3264! emm89(13%) , Tnontypeable! emm58(13%),T1!emm1 (11%),and T12!emm12 (11%).Predominant T!emm types of skin isolates in 2000―2004 slightly differed from those during 1990s in our previous report. 2) The presence of streptococcal pyrogenic exotoxin genes in 292 GAS isolates obtained between 1990 and 2004 was examined. Significantly lower proportion of skin isolates, compared with throat isolates, was found to harbor the speA gene(12 versus 26%,respectively;p<0. 01) , or the speC gene (40 versus 65%,respectively;P<0. 01). All but one of tested isolates carried the speB gene. The speB -negative isolate was identified as S. dysgalactiae subsp. equisimilis with the group A antigen. 3)Types of the speA alleles were determined in 59 speA-positive GAS isolates. Among 44 throat isolates, 37(84%)were speA lineage I(speA1-speA2-speA3-speA6) , and 7(16%)were lineage II(speA 4-speA5).Among 15 skin isolates, 11(73%)were lineage I and 4(27%)were lineage II. The pairwise associations were observed between emm type and speA allele:emm1 and speA2, emm3 and speA3, emm6 and speA4, emm11 and speA2, emm18 and speA1. 感染症学雑誌 第79巻 第7号