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環境が人に与える影響 Influence that environment gives person.
環境が人に与える影響 Influence that environment gives person. 1K04B236 指導教員 主査 山崎勝男先生 目的 世 の中 には、練 習 時 には良 い成 績 を残 してい 大和 由晃 副査 堀野博幸先生 を設 定 した。データ収 集 後 、3つの条 件 における 参 加 者 全 体 のパフォーマンスについて、環 境 要 るのに、記録会や大会のような大勢の他者の前で 因の1要因(3水準)の多変量分散分析を実施した。 は極 端 にパフォーマンスが落 ちる人 が居 る。逆 に、 環境要因が得点に与える影響を,Pillaiのトレース 普段はさえない人がぶっつけ本番であるのにすば に基 づき検 討 した。下 位 検 定 では,Bonferroni法 らしい成績を残したりもする。そうかと思えば、賭け に準 拠 した多 重 比 較 を行 った。同 時 に、アンケー 事となると普 段 よりも良いパフォーマンスを残す人 トに書 いてもらった参 加 者 自 身 の緊 張 耐 性 への も居 る。このように、人 はそれぞれの性 格 や緊 張 自 己 評 価 に分 類 し、傾 向 を考 察 した。その後 、ア への耐 性 により、状 況 においてのパフォーマンス ンケートや実 験 中 の会 話 で目 立 った参 加 者 の感 が上下することは、普段の生活の中でも時折気付 想を纏め、内観報告として検証した。 くことである。このことから私 は、周 囲 の環 境 が人 のパフォーマンスにどのような影 響を与 えるのかを 研究、考察することとした。 結果考察 多 変量 分 散 分 析において、的当て課 題におけ る平 均 得 点 について3条 件 の有 意 な主 効 果 が認 方法 められた。下 位検定としての多重比較 においては、 【実験参加者】 「単 なる存 在 」条 件 はそのほか2つの条 件 に比 べ 男 性16名 ,女 性9名(21±1.2歳 )の計25名に実 て有 意 に 得 点 が低 かった。「 観 察 者 」 条 件 と「 報 験 協 力 を依 頼 した。実 験 実 施 は,10時 から17時 酬 」条 件 については、顕 著 な違 いが見 られなかっ の間として,早朝 覚 醒または疲労 状 態にある者 に た。自己評価による緊張への耐性の種類により分 は実験への参加を辞退してもらった。 類 した群 に関 して検 討 を行 ったところ、緊 張 に弱 い群については,「報酬」条件で最も得点が高く, 【実験条件および課題】 緊 張 に強 い群 は「観 察 者 」条 件 と「報 酬 」条 件 で 本 実 験 では,的 当 て課 題 を用 いた。的 から3 ほぼ同 値 を記 録 した。しかし,緊 張 への耐 性 が普 m50 cm離れた位置から参加者は投 球した。的は, 通 であると自 己 判 断 を下 した群 については,それ 地面から1.5 mの高さに設定した。的の大きさは43 ぞれの状 況 の変 化 にも顕 著 な得 点 の変 化 は見 ら ×45 cmである。ボールはゴムボールを使用し、賞 れなかった。アンケートによる内 観 報 告 について 品は図書カード500円分を用意した。 は、緊 張 に弱 い群 はネガティブな感 想 が多 く、緊 環 境 条 件 は、参 加 者 の端 に人 が居 るだけの 張 に対 して普 通 であるとした群 はポジティブな感 「ただの存在」条件、観察者が参加者に好意的な 想が多かった。緊張に強いと答えた群については、 応 援 、評 価 をする「観 察 者 」条 件 、応 援 プラス点 普 通 であると答 えた群 と同 じようにポジティブな感 数 次 第で賞 品を参 加 者 に贈る「報 酬 」条件の3つ 想 が多 く、そ れに加 え、実 験 への意 見 や継 続 の 希 望 など、より肯 定 的な意 見を残 す傾 向 があった。 ら, 緊 張 に 強 い と 答 え た参 加 者 群 は,観 察 者 の 存在という状 況への緊張 の加重と,賞 品の存在と 結論 緊 張 への耐 性 について,普 通 であると答 えた 参加者群については,個人のパフォーマンスの高 いう状 況への緊 張の加 重は,種 類 は違えども,同 じ「緊張」として受け取り,安 定したパフォーマンス を出したのではないかと考えた。 低 はあったが,3条 件 の状 況 変 化 にもそれほど顕 以 上 のことから,好 意 的 な環 境 や他 者 存 在 は 著 な違 いは表 さなかった。これは,緊 張 に特 別 な 人のパフォーマンスに優 位に影響 を与えると結 論 反 応 を返 さない分 ,実 験 に対 しても普 段 どおりの 付 ける。それに加 え,人 の緊 張 耐 性 によってその 気 分 で臨 んだからであると考 えられる。自 己 評 価 影 響 が促 進 ・抑 制 されることが判 った。また、本 実 において緊 張 に強 いと答 えた参 加 者 群 について 験では,観察者は実験参加者へ好意的な反応を は,「単 なる存 在 」条 件 については緊 張 に弱 い参 向 ける条 件 設 定 を用 いた。そのためパフォーマン 加 者 群 と同 程 度 のパフォーマンスであったが, スも上 昇 を見 ることが出 来 たが、今 後 は否 定 的 な 「観 察 者 」条 件 ,「報 酬 」条 件 については緊 張 に 反応を向けた場合についてもさらなる研究が期待 弱 い 参 加 者 群 より 有 意 に高 い 得 点 を示 したが、 される。 条 件 間 に得 点 の差 は見 られなかった。このことか