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患者からみた日本のがん診療の現状と展望…PDFファイル

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患者からみた日本のがん診療の現状と展望…PDFファイル
第1回慈恵医大放射線医学講座市民公開講座
日本のがん診療の
現状と今後の展望
2007年11月10日
読売新聞社会保障部
記者 本田 麻由美
1
自己紹介
„
„
„
„
„
„
„
„
„
„
„
„
1991年 読売新聞社入社
東北総局、旧厚生省、建設省など
医療情報部(医療ルネサンス)
2000年 社会保障部で主に医療・介護問題を担当
<2002年に乳がん告知>
05年 2月 厚労省「医師需給に関する検討会」委員
06年 9月 同中医協「手術に係る施設基準等調査分科会」委員
06年10月 NCC「がん対策情報センター運営評議会」委員
06年10月 医薬医療機器総合機構「審査安全業務委員会」委員
06年10月 日本医師会「地域医療対策委員会」委員
07年 4月 厚労省「がん対策推進協議会」委員
07年 4月 文科省「がんプロフェッショナル養成プラン」選定委員
07年 8月 東京都「メディカルスクール検討会」委員
など
2
乳がん患者歴
„
„
„
„
„
„
„
„
„
„
„
2002年5月 「乳がん」告知
6月 乳房温存手術
7月 乳房全摘手術 (同時再建断念!)
8∼9月 抗がん剤治療
11月 局所再発 → 部分切除手術
12月 放射線治療
2003年1∼9月 抗がん剤治療
4月 卵巣がん疑惑浮上 → 新聞コラム開始
10月 ホルモン治療開始 →うつ状態に
2004年10月 乳房再建手術→06年人工乳房入替手術
現在
治療続行中、骨転移疑惑でグッタリ・・・
3
医療コラムを連載
„
2003年4月、乳がんに加え卵
巣がん疑惑を機に「患者の視
点 記者の視点」を読売新聞
朝刊でスタート
„
自分自身の乳がん体験をもと
に、 患者の立場になって見
えてきた 日本の医療が抱え
る問題を考えることが狙い
„
2004年4月から「がんと私」に
改題
読売新聞2003/4/29付朝刊
4
2つのこだわり
„
「患者中心の医療」って何?
患者の視点で問題提起し、患
者の気持ちを推し量ってもらう
仕組みから、提案する形へ
„ 医療者や行政など違う立場の
意見も紹介
„
„
患者の置かれた立場は?
重要な社会とのつながり
„ 「 希望 を持って生きたい」
„
読売新聞2004/4/19付朝刊
5
お話したい内容
„
「がん対策基本法」とは?
„
基本法成立の背景
∼患者の声が医療を変える
„
放射線治療の現状と課題
6
「がん対策基本法」って?
7
「がん対策基本法」
(2006年6月16日成立、2007年4月施行)
【目的】 「がん対策を総合的かつ計画的に推進する」
【基本理念】
(1)がん研究の推進と研究成果の普及
がんに関する専門的、学際的、総合的な研究を推進するとともに、がんの
予防、診断、治療等に係る技術の向上その他の研究等の成果を普及し、活
用し、及び発展させること
(2)がん医療水準の底上げと格差解消
がん患者がその居住する地域にかかわらず等しく科学的知見に基づく適切
ながん医療を受けることができるようにすること
(3)患者の意向の尊重
がん患者の置かれている状況に応じ、本人の意向を十分尊重して治療方
法等が選択されるようがん医療を提供する体制の整備がなされること
8
基本的施策
がん予防・早期発見の推進
○がん予防の推進
○がん検診の質の向上
がん医療の均てん化の促進
がん対策推進協議会
(患者・家族も委員に)
国
意見
厚生労働大臣
がん対策推進基本計画案の作成
がん対策推進基本計画
閣議決定
具体的な目標と達成時期
連携
都道
府県
都道府県がん対策推進計画
①がん治療の専門的知識や技能を持つ
医師及び医療スタッフの育成
②がん医療に関する情報の収集提供体
制の整備等
③がん診療連携拠点病院の機能強化と
診療連携の推進
④在宅緩和ケアの充実等がん患者の療
養生活の質の維持向上
がん研究の推進等
○がんに関する研究促進と成果の活用
○医薬品・医療機器の早期承認に向け
た治験の促進
○臨床研究に関する環境整備
9
「がん対策推進協議会」
【基本法第19条】
厚生労働省に、がん対策推進
基本計画に関し、第9条第4項
に規定する事項を処理するため、
がん対策推進協議会を置く。
【基本法第20条】
協議会は、委員20人以内で
組織する。
協議会の委員は、がん患者及
びその家族又は遺族を代表する
者、がん医療に従事する者並び
に学識経験のある者のうちから、
厚生労働大臣が任命する。
10
「がん対策推進基本計画」
【全体目標】
(1)10年以内に年齢調整死亡率(75歳未満)20%減少
(2)すべてのがん患者・家族の苦痛の軽減、療養生活の質向上
【重点的に取り組む課題】
(1)放射線療法・化学療法の推進と、その専門医等の育成
●5年以内に全拠点病院で放射線治療・外来抗がん剤治療実施
●5年以内に新薬の上市までの期間を2.5年短縮する
(2)治療の初期段階からの緩和ケアの実施
●10年以内に、がん診療を行う医師全員が緩和ケアの基本的知識を習得
●5年以内に、2次医療圏に緩和ケアチームのあるがん診療病院を複数
(3)がん登録の推進
11
6月15日
閣議決定
病院と地域医療と
の連携もポイント
(厚生労働省の資料から)
12
都道府県がん対策協議会
„
„
26都道府県が設置
(うち15都府県が患者委員参加)
各地域での取り組みが
今後のがん医療のカギに
(左)大阪府のがん対策推進
計画協議会(上)大阪府の患
者団体有志が、がん拠点病院
の見学と病院関係者との対話
を続けている
13
基本法成立の背景
∼患者の声が医療を変える∼
14
「がん難民」の社会問題化
„
国民の2人に1人はがんを経験する時代
„
„
„
„
日本では1981年から死亡原因1位の国民病
年間60万人が新たにがんに、32万人超が死亡
「がん患者になった途端、迷路にはまったよう」
(田原総一郎さんの妻の故・節子さん)
がん患者の53%(68万人)が「がん難民」?
„
„
「医師による治療説明に不満足だった、納得できる治療方
針を選択できなかった患者」と定義
解消すれば5200億円の医療費削減効果
(NPO法人「日本医療政策機構」調査から)
15
「その日から
生き地獄でした」
„
忘れられないTさん(70歳代)か
らの手紙
„
„
„
妻が不調訴え診療所へ、3か月後
に別の病院で膵がん告知
5か月後、「もう治療法はない」「退
院して」と言われ、仕方なく家へ
「相談する術もないまま、私の腕の
中で苦しみ、胃液を出しながら息を
引き取った妻・・・」
「こんな医療、どうして信じられる
でしょうか」
読売新聞2005/8/1付朝刊
16
「がん難民」発生フローチャート
診断:年60万人
診断
初期治療
寛解
寛解
標準治療が受けられない現
実。「患者になった途端、迷
路にはまったよう」
晩期障害
がんを経験した
トラウマ。理解され
にくい晩期傷害。
2次がんの不安など
疑い
国際的な標準治療(未承認薬
問題)、緩和医療が受けられな
い。知らされない。
治癒
再発
延命治療
進行・再発がん患者を 見捨
ててきた 日本のがん医療
「普通の暮らし」ができる
時間を増やし、支える医
療・ケアが受けられない。
(東大・埴岡健一氏の資料を改変)
ターミナルケア
死亡:年30万人超
17
広島県の故・新山義昭さん
„
1998年5月 膵臓がん
(NHKの映像から)
その後、再発
地元医師「手の施しようがない」
→東京へ通院開始
適応外薬「ジェムザール」
「月単位の戦いをしているのに
年単位の承認では救われない。
なぜ欧米と日本でこんな格差が生まれるのか・・・」
(膵臓がんの治療薬として米国で開発、日本では非小細胞肺がんのみ承認)
„
1999年12月 「癌と共に生きる会」結成
抗癌薬及び副作用防止薬の早期一括承認を求める署名活動など
„
2001年2月 坂口厚労大臣(当時)に緊急措置請求書を提出
「患者が動かなくて、一体だれが動くんだ・・・」
18
大阪府の故・三浦捷一さん
„
1999年12月 肝臓がん発病
肝癌再発予防薬が試せない
„
2000年12月
TV出演した新山義昭氏に連絡
「一緒にやりましょう!」
„
„
2001年1月 「癌治療薬早期認可を求める会」結成
2001年6月 坂口厚労相(当時)に「治療法治験薬制度」提言
「患者の自己決定権の尊重」を訴え→後に医師主導治験制度の創設へ
「癌治療薬、特に肝癌再発予防薬の早期認可を要望する請願書」
を国会に提出、採択される
„
2002年1月 4団体で「日本がん患者団体協議会」結成
19
新薬がなかなか届かない
世界で初めて上市された時点と、各国で上市された時点を比較し、その平均
世界で初めて上市された時点と、各国で上市された時点を比較し、その平均
を見ると、日本では1,416.9日、欧米主要国では504.9∼915.1日の遅れがある。
を見ると、日本では1,416.9日、欧米主要国では504.9∼915.1日の遅れがある。
注)
注) 2004年世界売上上位100製品から同一成分の重複等を除いた88製品のうち、それぞれの国で上市されて
2004年世界売上上位100製品から同一成分の重複等を除いた88製品のうち、それぞれの国で上市されて
いるものを比較の対象とした。
いるものを比較の対象とした。
1,500
世界初上市から各国上市までの平均期間(医薬品創出国) 88製品 2004年
1,000
1,416.9
500
915.1
620.1
583.1
537.9
511.8
504.9
ドイツ
スウェーデン
スイス
イギリス
米国
0
日本
フランス
出典:日本製薬工業協会 医薬品産業政策研究所
リサーチペーパーNp.31(2006年5月) IMS Lifecycle より引用
標準治療が受けられない
<国立がんセンター東病院化学療法科の報告>
国立がんセンター東病院を受診した「乳がん遠隔転移・遠隔再発例」の78例(2003年2月
からの2年間)を対象に、標準治療が的確に実施されたか、実施された治療法が妥当で
あるかについて検討。
評価不能
害をもたらす可能
性のある治療
9人(12%) 4人(5%)
極めて標準的でエビ
デンスに則った治療
30人(38%)
18人(23%)
17人(22%)
標準的として許容
範囲内の治療
標準よりかなり
外れる治療
出典:向井博文ら「乳癌の臨床」2005年10月号
「告知」は日本特有の課題?
„
「知りたい」けど「知らせたくない」
„
„
読売新聞世論調査(2001年)
自分ががんになったら「告知を望む」78%
家族ががんになったら「知らせない」42%「知らせる」39%
「病名告知」と「余命告知」の混同
„
医師の自己満足と保身の「告知」蔓延
„
日野原重明・聖路加国際病院理事長
「医療者に患者の生きる希望まで奪う権利はない」
なぜ「告知」は必要か
患者とのコミュニケーション技術の不足
がんに限らず、医学部教育からの課題
„
島根県の故・佐藤均さん
„
2003年4月 大腸がん再々発で
「もう治療法はない」→東京へ通院開始
「癌と共に生きる会」会長を引き継ぐ
①国際標準の未承認薬の早期承認
②腫瘍内科医の育成
③がん診療の地域格差の是正
„
2003年9月 「第3次対がん10ヵ年戦略案」に働きかけ
「臨床腫瘍医等のがん専門医の育成」など提供体制充実の視点を盛り込む
„
2004年8月 未承認薬「オキサリプラチン」使用へ
欧米では大腸がんの標準薬だが日本では未承認(現在は承認済)
„
2004年11月 規制改革・民間開放推進会議で訴え
「島根でも真っ当な治療を。愛する人に同じ思いをさせないために」
23
がん治療を担う人材育成に課題
がんの治療には
„
手術 (局所治療)
„
放射線治療 (局所治療)
„
„
抗がん剤治療 (全身治療)
緩和治療 (全身治療)
養成に
遅れ!
例えば、腫瘍内科医は
臨床で
„„ がん患者の全身治療、全身管理
がん患者の全身治療、全身管理
„„ 最新データに基づいた標準的
化学療法の実践
最新データに基づいた標準的化学療法の実践
„„ 癌治療のコーディネーター
癌治療のコーディネーター
研究で
„„ 臨床研究
(新しい治療)の計画、実行
臨床研究(新しい治療)の計画、実行
„„ 基礎的研究から臨床への応用
基礎的研究から臨床への応用
教育で
„„ 腫瘍内科医の育成
腫瘍内科医の育成
なのに、養成されてこなかったのは
がん告知がタブー
外科ががん診療の中心
大学に診療科(講座)がない
血液・腫瘍内科医の日米比較
日本
比
米国
人口
1.281億
人口
2.982億
43%
医師 (2004)
249,574
医師 (2004)
632,818
39%
日本内科学会認定医
(専門医)
55,278
(13,603)
Gen Intern Med
186,868
30%
126
Med Oncology
10,016
1.3%
Hematology
6,122
35%
日本臨床腫瘍学会
専門医
日本血液学会
認定血液専門医
2,119
東京都の会田昭一郎さん
„
2000年 舌がん
手術の提示に対し、
「悪いものを取ってしまう手術を
受けるのがいい」と思った
だが、海外の標準治療を調べると
「第一選択は放射線治療、
中でも小線源治療が有効」
一体どこで受けられるのか
自分で調べるしかなかった
„
2004年 「市民のためのがん治療の会」設立
放射線治療の有効性など正しい情報を提供、専門医によるセカンド
オピニオンの紹介
「日本では有効な治療法を十分活用できていない」
27
河村前文科大臣に、「腫瘍内科
医、放射線治療医の育成に関
する要望書」を提出する佐藤さ
んと会田さん(2004年5月)
坂口元厚労大臣に
「未承認薬の早期承
認等に関する要望
書」を提出(2004年
1月)
28
「私たちの声を聞いてください」
„
2004年1月 抗癌剤併用療法に関する検討会
„
2004年9月 がん医療水準の均てん化検討会
„
2005年1月 未承認薬使用問題検討会議
【左】抗がん剤の早期承認を求めて記者
会見する癌患者団体(2004年12月)
【右】均てん化検討会で患者団体ヒアリ
ングが実現(2005年3月)
29
がん対策 3つの空手形
日本では1981年から死亡原因1位の国民病なのに・・・
1984年から「対がん10か年総合戦略」スタート
„
第3次対がん10か年総合戦略(2004∼)
「がんの罹患率と死亡率の激減を目指す」
„
健康フロンティア戦略(2004・5与党幹事長・政調会長会議)
「がんの5年生存率を20%改善」
„
健康日本21
「がん一次予防の推進;喫煙減少、検診受診増」
→しかし、掛け声ばかりで具体的な司令塔となる部署も施策も
明確になっていなかった
30
医療政策決定に
患者の参加を訴えて
佐藤均さん
「患者や家族が声を上げ
なければ、本当の意味
で患者が望む医療は実
現できない」
「なのに、今後の医療の
方針を決める会議のテ
ーブルには医療界や行
政の関係者しかおらず、
患者不在だ」
読売新聞2005年1月10日付朝刊
31
広がる患者たちの連携
乳がん患者団体が連携し、介護
保険サービスの対象から乳がん
は除外との政府方針に対し、乳
がんも対象とするよう、公明党国
会議員らと共に尾辻大臣に要望
(2005年5月)
厚労省担当者との意見交換
会の後に開かれた「がん患者
ネット」の記者会見(2005年
3月衆院議員会館)
32
「がん患者大集会」開催
「がん難民!そんな言葉をなくしたい!!
変えよう日本のがん医療 手をつなごう患者と家族たち」
„
より多くの患者、家族の
声を聞きあおう
„
23の患者団体が共催
テーマは
„
„
「地域格差解消」
「未承認薬」
„
「情報提供」
„
(2005年5月28日大阪)
三浦さん「正しい情報はがん患者の生きる希望だ」
佐藤さん「今日が患者参加による日本のがん医療改革のスタートだ」
33
行政の背中を押す
„
2005年3月 患者団体と厚労省担当課が意見交換会
患者団体が、①がん政策の司令塔「がん対策本部」
②患者主体の「がん情報センター」 など訴え
„
„
2005年5月 厚労省に「がん対策推進本部」設置
2005年7月
「がん対策推進
アクションプラン2005」
1)「がん対策基本戦略」の策定
2) 「がん対策情報センター」
∼情報ネットワークの構築
3)「がん対策情報センター
運営評議会」の設置へ
34
がん情報ネットワークの構築
がん対策情報センター運営評議会
︵ 外部有識者による国民・患者の視点
を反映︶
(厚労省資料より)
35
HPで一般的情報を提供
(がん対策情報センターHP画面)
36
相談支援センターで個別支援
„
個別相談で、解決の道を一緒に探す
„
„
„
具体的な情報提供
„
„
„
„
一般的な正しい情報を提供する「情報センター」に対し
各拠点病院に設置、専任の相談員
地域の医療機関や
医療従事者の紹介
セカンドオピニオン紹介
患者の療養上の相談
患者参加がカギ
„
地域の患者支援団体と
患者・家族を支える大切さ
HPで情報収集が苦手な人には小冊子も準備
37
政治が動く
„
患者・医療者の声を受けて
„
2006年3月
民主党案、公明党案
相次ぎ発表
„
2006年4月12日 与党PT発足→与党案
„
2006年5月22日 山本孝史議員
「私もがん患者」と告白
„
2006年6月07日 与党案・民主党案で調整
与党と民主党で合意
„
(山本孝史氏のHPから)
2006年6月16日 「がん対策基本法」成立
<超党派による議員立法、全会一致>
„
2007年4月1日 法施行
„
法に基づく「がん対策推進協議会」の議論開始
38
放射線治療の課題と展望
39
がん患者のうち放射線治療を受けている割合
66%
70%
60%
56%
60%
50%
40%
25%
30%
20%
10%
0%
ア メリカ
ドイ ツ
イ ギ リス
日本
(がん対策推進協議会資料から)
がんの治療には
„
手術 (局所治療)
„
放射線治療 (局所治療)
„
抗がん剤治療 (全身治療)
„
緩和治療 (全身治療)
„
遺伝子治療
„
民間療法
知られてい
ない!?
患者の訴えは
ココから!
放射線治療とは
„
根治的治療;
低侵襲で体にやさしい
„ 臓器の形態や機能を温存
„
„
緩和的治療;
„
癌性疼痛の緩和、機能の保持や回復
→治療後の生活の質(QOL)の低下が少ない
→手術と同じくらい治せる疾患がある
→医療費が安い
42
6月15日
閣議決定
重点的に取り組む項目
の2つが、放射線治療
に関係している!
(厚生労働省の資料から)
43
進行肺癌(IIIA期)に対する治療法の違い
手術
放射線治療
無治療
カナダ
10%
70%
20%
日本
60%
40%
0%
日本は、手術が多く、放射線治療が大変少ない!
日本は、手術が多く、放射線治療が大変少ない!
早期(I期)肺癌の5年生存率の比較
病期
海外手術
日本手術
定位照射
IA期
IB期
61%
40%
70-75%
60%
78%
68%
ASC2004, IASLC2005
放射線治療の成績は手術に匹敵!
放射線治療の成績は手術に匹敵!
(定位照射は、I期肺癌の第一選択になる可能性も)
(定位照射は、I期肺癌の第一選択になる可能性も)
国別・期別にみた子宮頸癌の手術実施率
手術実施率
90
仏
仏
独
独
英
英
米
米
Ⅰ期
日本
日本
Ⅲ期
80
70
60
50
40
30
20
10
年度群
Ⅱ期
1 2 3
1 2 3
1 2 3
1 2 3
1 2 3 4
子宮頸がん治療で初の指針
日本婦人科腫瘍学会
今年10月、初のガイドライン
„ 欧米と「ズレ」も
„
<1b期と2期>
◆子宮と周辺組織やリンパ節も手術で
取る「広汎子宮全摘出術」をグレードA
ダッシュ(エビデンスはないが常識)に
◆米NCCNでは、Ⅰb期とⅡa期は根治的放射線療法を、
Ⅱb期は同時化学放射線療法を推奨。これに対し、「手術
と再発、生存率の差はない」「文献データに基づけば適用
は妥当かつ可能」としながら、一ランク下のグレードBに
47
どうして日本では放射線治療が少ないのか?
(手術が一般的と考えられているのか?)
手術で取ってしまった方が治った気がする
„ がんが見つかると外科を紹介される
„ 外科の主治医が、放射線治療を勧めない
„
従前の日本のがん診療の姿
看護師
患者
腫瘍内科医
放射線治療医
精神科医
緩和ケア医
オンコロジーナース
リエゾンナース
緩和ケアナース
外科医
心理療法士
薬剤師
MSW
ボランティア
栄養士
どうして日本では放射線治療が少ないのか?
(手術が一般的と考えられているのか?)
手術で取ってしまった方が治った気がする
„ がんが見つかると外科を紹介される
„ 外科の主治医が、放射線治療を勧めない
„ 放射線治療を、よく知らない
„ 放射線科にいつかかればいいか分からない
„ 放射線治療医がどこにいるのか分からない
„
放射線治療に関する日米比較
日本
米国
放射線治療医
500
5,000
品質管理責任者
(医学物理士)
115
5,000
700
2,400
900
3,300
170,000
600,000
治療施設
治療装置
年間新患数
放射線治療医
がいない
治療品質と安全の管理に問題!
51
放射線治療スタッフ・設備の比較
(人口100万人当たり)
国名
放射線
腫瘍医
放射線 医学
技師 物理士
少なすぎ!
治療
施設
リニア
ック
日本
3.6
11.3
0.3
5.9
5.8
米国
15.6
33.3
9.1
7.4
11.9
英国
ドイツ
オランダ
中国
韓国
8.3
7.3
9.2
28.5
47.3
48.5
8.1
5.8
3.9
1.0
2.6
1.2
3.2
3.7
5.8
3.9
2.7
1.9
5.5
0.5
0.7
0.6
1.5
0.8
1.8
癌治療と宿主11-19,16(3),2004
照射事故!
53
社会の高齢化に伴い、QO
Lを大事にした放射線治療
の需要も高まるはず!?
●
現在は
17万人
東北大・山田章吾
教授の資料から
54
高精度
放射線治療
(IMRT)
◆放射線治療医の育成
◆治療の品質管理を行う医
学物理士等の育成
がなければ成り立たない!
55
その患者に何が必要か多職種で考える
看護師
医者
オンコロジーナース
リエゾンナース
緩和ケアナース
外科医
腫瘍内科医
放射線治療医
精神科医
緩和ケア医
心理療法士
患者
薬剤師
MSW
ボランティア
栄養士
望みたいチーム医療・継続ケアの姿
「ただ、誰がトータルコーディネート?」
看護師
薬剤師
オンコロジーナース
リエゾンナース
緩和ケアナース
医者
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緩和ケア医
患者
心理療法士
栄養士
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在宅医
ボランティア
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MSW
望みたいがん医療連携の姿
Hospital
がんに対する治療
地域・多職種チームカンファレンス
患者・家族
Hospice
緩和ケア
General Practitioners
在宅ケア
「最善の医療の提供」に必要なこと
患者の価値観と希望
専門性
科学的データ
エビデンス・ベースド・メディシン(EBM:根拠に基づく医療)の3要素
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ご静聴ありがとうございました
読売新聞記者 本田麻由美
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