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JAWIC 米国で建材不足が深刻化 ―NAHB の 7 月調査結果― NAHB

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JAWIC 米国で建材不足が深刻化 ―NAHB の 7 月調査結果― NAHB
August 12, 2004
JAWIC
財団法人 日本木材総合情報センターシアトル事務所
Japan Wood-Products Information and Research Center Seattle Office
Phone +1(425)392-6003 Fax +1(425)391-3532
4327 246 th Pl SE, Issaquah, WA 98029, USA
米国で建材不足が深刻化 ―NAHB の 7 月調査結果―
NAHB(米国ホームビルダー協会)は 8 月 10 日、7月に実施した建材需
給動向調査結果を発表した。今回の調査では、セメントをはじめとする
主要建材の供給不足が深刻化している実態が明らかになった。
同調査では、セメント、石膏ボード、壁材、OSB、鋼材、断熱材等に供
給不足が明らかになった。また建材卸売価格の上昇は、新設住宅一戸当
たりのコストを 5,000∼7,000USD 引き上げ、また建材の供給不足による
工期の遅れは、さらなるコスト上昇を招いている。
最も不足が深刻化しているのはセメントで、不足しているとの回答率
は 41%であった。この回答率は、3月には3%、5月には 11%と拡大し
ていたが、その後急速に拡大した。
米国のセメント総需要量に対する輸入量の割合は 20%である。当初、
セメントの不足は、需要量の 40%を輸入に頼っているフロリダで、春か
ら目立つようになった。
セメント不足には、メキシコ産
セメントに対するアンチダンピ
ング関税の導入が関係している。
供給不足を補うにあたって、最も
効率が良いメキシコからの輸入
は、高率関税によって供給が絞り
込まれている。アジアからの輸送
は 44 日も要するのに対して、メ
キシコからの輸送は4日間しか
米国において OSB は、壁、床等に多用されている。
かからない。
26%の調査対象は、壁用石膏ボードの不足をあげており、この割合も
昨年 10 月の 11%、今年3月の 16%、5月の 19%と比較すると上昇して
いる。
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また3分の1近い調査対象は、壁、床、屋根に使用する OSB、合板、
木質ボードの不足をあげている。この割合は昨年 10 月の 52%と比べれ
ば小さくなったが、価格は高止まっている。
一方、構造用製材品の供給は十分なされている。しかしランダムレン
グス誌によると、1,000BM 当たりの構造用針葉樹製材品総合価格は、8
月第 1 週が 472USD と今年最高値であり、昨年の 311USD と比較すると 52%
も上昇している。
建材の供給不足はコストの上昇も引き起している。過去6カ月におい
て、回答者の 90%は構造用製材品と OSB に、88%は合板に、86%はセメ
ントに、80%は鋼材に、75%は壁用石膏ボードに高い費用を要したと回
答している。
(8 月 10 日付け NAHB ニュースリリース)
オレゴン州の木材伐採量は 6 年ぶりの高水準―2003 年実績―
オレゴン州森林省は、2003 年の木材伐採量は 40 億 BF(前年比2%増)
と、1997 年以来の高水準となったと発表した。
森林省のエコノミストは、昨年の木材伐採量の増大は、森林省が家族
経営林と称している製材工場を持たない 5,000 エーカー(2,024ha)未満
の私有林における伐採によってもたらされ、価格の上昇は、このような
森林所有者の伐採行動に直接作用すると語った。
なお専門家は昨年のオレゴン州における木材伐採量の増加は、40 年ぶ
りの低い住宅ローン金利により生じた旺盛な住宅需要と高い木材価格に
促されたもので、住宅ローン金利が上昇し始めているので、この傾向が
今年も継続するとは考えられないと述べている。
(8 月 9 日 Associated Press)
ウッドブリッジ社のスキーナパルプ工場救済 契約に至らず
ウッドビレッジ社は、BC 州北部のスキーナパルプ工場の救済に参加し
ないとの決定をした。ウッドブリッジ社は、ニュースキーナフォレスト
プロダクツ社の株式を取得するために、7,000 万 CanD の投資を準備して
いるといわれていた。もしウッドブリッジ社がスキーナパルプ工場に投
資するのであれば、同工場の操業が再び開始され、プリンスルパートの
港湾、地域の経済的回復・発展につながると期待されていた。
(8 月 10 日付け Globe and Mail)
ワシントン州北部で森林・草地火災多発
ワシントン州北央部で森林火災が相次いでいる。ワシントン州では6
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件、5万 398 エーカー(2万 396ha)の森林と草地が延焼中である。最
も規模が大きい火災は、チェランの西 24km で発生しているポットピー
ク・シシリッジ複合火災で、3つの火災が一定の地域内で、計4万 6,970
エーカー(1万 9,009ha)を焼いている。
ワシントン州では、先週、南西部とオリンピック半島東部の森林火災
警戒水準を「レベルⅢ」から「レベルⅡ」に引き下げたが、8月 12 日の
時点では、これらの地域が再び「レベルⅢ」に引き上げられている。
ワシントン州の森林火災警戒水準(8月 12 日現在)
ワシントン州ウェブサイトより転載
オレゴン州でも森林火災警戒水準引き上げ
オレゴン州は8月 10 日から南部の広い範囲で、森林火災警戒水準を
「レベルⅢ」に引き上げた。
「レベルⅢ」への引き上げは、サウスカスケ
ードの全域が8月 10 日からなされ、ダグラスファーFPA も8月 10 日に
それまで「レベルⅡ」であった一林区が「レベルⅢ」に引き上げられた
ため、全域が「レベルⅢ」となった。この他、すでに「レベルⅢ」に指
定されている箇所は、ノースカスケード WL-1 林区(8月 12 日指定)、ウ
エスタンレーン WT-1 林区(8月 10 日指定)、サウスオレゴンの 11-R と
12-R を除く9林区(8月4日指定)、セントラルオレゴンの MH-1、MH-4
林区(7月 23 日指定)。
なおオレゴン州では先週までカスケード山脈東側における火災が報告
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されていたが、現時点では大きな火災は発生していない。
オレゴン州ウェブサイトから転載
BC 州の森林火災件数は減少
BC 州の森林火災は、8月 10 日には 225 件にまで減少している。現在
延焼中の大規模な火災は4件で、カムループスの北方約 100km にあるク
リアーウォーター湖周辺のキナクリニバレー火災は 5,185ha を、ウィリ
アムレイク西方約 400km のサウスツウィードムアー公園内で発生してい
るロンサムレイク火災は2万 862ha を、コッチョレイク東部の火災は
3,500ha を、バレマウントから6km 離れたスウィフトクリークでは 520ha
を焼失してなお延焼中である。
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BC州の森林火災発生状況
火災件数
落雷による新規火災
人為による新規火災
延焼中件数(落雷)
延焼中件数(人為)
火災延べ件数
火災延べ面積(ha)
BC州合計
225
3
5
198
25
1,742
182,542
(2004年8月10日)
コースタル ノースウエスト プリンスジョー カムループス サウスイースト
13
47
44
82
19
1
0
1
0
0
1
0
2
1
0
4
43
39
74
19
8
3
5
8
1
197
180
336
486
226
668
90,547
53,479
9,685
335
カリブー
20
0
0
19
1
317
27,828
注1: 火災件数には初期火災、延焼中火災、警戒箇所、巡視箇所、最終鎮火作業件数を含む。
注2: 新規火災は前日の件数。
注3: 火災延べ件数、火災延べ面積は4月1日からの累積値。
資料: BC州ウェブサイト
森林に対する各種の規制状況
裸火の使用
キャンプファイヤー
森林への立ち入り
旅行・通過
注:
資料:
コースタル
×
×
〇
〇
(2004年8月10日)
ノースウエスト プリンスジョー カムループス サウスイースト
〇
〇
×
×
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
カリブー
×
〇
×
〇
〇は規制なし、×は規制
BC州ウェブサイト
森林火災警戒水準
気
温
BC 州森林局ウェブサイトから転載した 8 月 11 日 13 時の状況
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湿
度
降雨量
BC 州森林局ウェブサイトから転載した 8 月 11 日 13 時の状況
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