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(その2)(PDF形式:1455KB)

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(その2)(PDF形式:1455KB)
第3回ものづくり日本大賞
堤 健氏 マツダ
(株)
川下 政彦氏 (株)きんでん
受賞者は、2009 年9月カナダ・カルガリーに
受賞者は、2009 年9月カナダ・カルガリーに
て開催された第 40 回技能五輪国際大会 車体塗
て、開催された第 40 回技能五輪国際大会 電工
装職種に日本代表選手として出場し、見事金メダ
職種に日本代表選手として出場し、見事金メダル
ルを獲得した。
を獲得した。
車体塗装職種は、装飾塗装や車体および部品の
電工職種は、住宅やビル、工場の電気設備工事
軽度の損傷を修理、塗装を施す競技であり、自動
を行う技能を競う職種であり、電気を供給し電気
車産業や車社会の発展に貢献している重要な技能
器具やインフラを安定的に稼働させるために重要
である。同氏の活躍により、日本としては、同職
な技能である。
種初の金メダル獲得を果たした。
本職種は、前回大会でも日本が金メダルを取っ
ており、同氏の活躍により、今回の金メダル獲得
で2連覇を果たした。
付論Ⅰ
第3回ものづくり日本大賞
競技(車体塗装)に取り組む堤選手
競技(電工)に取り組む川下選手
231
根岸 光一氏 細川紙技術者協会
泉谷 申一氏 京都国立博物館工房現場
重要無形文化財「細川紙」の製作に携わって技
少年時代より家業の手伝いを通じて漆の取扱の
術を高度に体得、優れた細川紙を製作し、伝統技
基本を習得し、その技術をいかし(財)美術院国
術の保存・伝承に尽力。
宝修理所に入所。以後一貫して彫刻を始めとする
細川紙の保持団体である「細川紙技術者協会」
の会長を務め、伝承者養成事業(国庫補助事業)
を毎年実施し、我が国の文化財の保護に貢献。
2007 年文化庁長官より、「文化庁長官表彰」
古文化財の保存修理に携わる。
特に伝統を受継いだ漆工技術の第一人者として
高い評価を得ており、古代・中世の彫刻仕上げ法
に関する知識と技術力は多くの国の事業による復
元模造品の作製においても遺憾なく発揮されてい
受賞。
る。
三重県立四日市中央工業高等学校ロボット研究部
中本 裕美氏 他4名 弓削商船高等専門学校
三重県立四日市中央工業高等学校
「全国高等専門学校第 18 回プログラミングコ
相撲ロボットに関して、全国大会において、高
校生の部門で過去に文部科学大臣賞を6回、一般
ンテスト(課題部門)
」において、最も優れた作
品に贈られる文部科学大臣表彰を受賞。
も含めた全日本の部でも5回文部科学大臣賞を受
本プログラムは、ビーズ作品を作るための支援
賞。特に、2008 年度の高校生ロボット相撲全国
システムであり、従来の平面的なビーズ作成用テ
大会においては、高校生部門で自立型・ラジコン
キストなどでは表現が難しかった立体的な作品の
型ともに優勝し、全日本の部でもラジコン型部門
表現を3Dグラフィックスによる直感的なイメー
で2年連続優勝。
ジでパソコン上に表現することが可能となった。
ロボット製作という総合的なものづくりに取り
また、マイクによる音声入力や足でパソコンを操
組む過程で、部員1人1人の創造性の発揮や技術
作できるため、両手をビーズ作品の作成に集中す
の習得、部員同士の協調性などを主体的に学ぶ場
ることができるなど完成度も高く、技術的にも優
となっており、今後も意欲的なものづくりの取組
れたプログラムであると認められる。
が大いに期待される。
マイク
足デバイス
232
第3回ものづくり日本大賞
森 晴行氏(建設マスター・大工)
木製の鳥居としては日本一の大きさを誇る川越
氷川神社の大鳥居造営、成田山・川越別院客殿屋
根大改修等に尽力するなど、寺社建造に数多く携
わる規矩術を熟知した技能者である。
また、川越建設高等職業訓練校では 16 年にわ
たり後進の指導に努めるなど伝統的建築技能の継
承に大きく貢献している。
山田 隆美氏(建設マスター・大工)
局面・反り面部分等を含む難度の高い型枠工事
における第一人者である。
部分ごとの詳細な加工図である「拾い出し図」
の作成、現場での加工ゼロの取組、加工精度や作
業能率の向上などに大きく貢献している。
1979 年には技能五輪大会で第 1 位の成績を収
めると共に、同年開催された世界大会では、建築
部門で日本人初の金メダルを受章した。
付論Ⅰ
佐々木 昭二氏(建設マスター・塗装工)
局面型枠による建造物(金屋子神話民俗館)
荒木 富士男氏(建設マスター・左官工)
歴史的な遺産である原爆ドームの改修工事に携
国史跡の福岡城大手門の整備復元や、重要文化
わる。同工事では、破壊された状態を維持するた
財の旧福岡県公会堂貴賓館の震災復旧等、多数の
め、錆も現状のまま保護するなど通常の施工とは
文化財の復元・改修工事等に参画するなど、日本
違う高い技術力が必要である。
の伝統的な左官技術のみならず、西洋の左官技術
高等職業訓練校の講師を4年間勤め、日独交流
まで多種多様な工法に精通している。
事業において、企業内訓練指導員としてドイツ派
西洋の伝統工法を日本流にアレンジし、人工大
遣に参加、また、同ドイツ派遣団の受入担当も勤
理石の施工技術である「石膏マーブル技法」を共
めるなど、後進の指導・育成に大きく貢献してい
同開発し、ホテル洋館工事等の技術の向上に大き
る。
く貢献している。
原爆ドーム改修工事
第3回ものづくり日本大賞
川越氷川神社の大鳥居
福岡城(国史跡)大手門の整備復元
233
大塚 繁充氏 他1名 鹿島建設
(株)
吉川 正氏 他7名 首都高速道路(株)、
(鹿島カットアンドダウン工法)
鹿島建設(株)、大成建設(株)、鉄建建設(株)
従来では上階から下階に向けて解体していた高
(太径曲線パイプルーフ工法)
層ビル解体において、
「だるま落とし」のように、
大深度・大断面のトンネル分岐・合流部の構築
ビルの下階から各階を順次解体する技術である。
において、従来必要であった地上からの開削や地
地上付近だけで解体作業が可能であることから、
盤改良を不要とした、非開削による地中切開き工
低騒音で粉じんの飛散が少ない。また、建物の全
法である。曲線パイプルーフによる鋼管アーチを
面足場が不要となり、工期を短縮することができ
2本のシールド間に設置し、その内部を掘削す
る。
ることで地下大空間を構築する技術である。これ
により大きな土水圧に抵抗でき、水密性、施工の
安全性の向上と共に、工期及びコストを削減でき
る。また、地上からの開削が不要なため、地上交
通の阻害を軽減できる
概念図
施行事例(左:解体前、右:解体後)
井手 眞一郎氏 東亜工機
(株)
大型舶用ディーゼルエンジンの大型シリンダ・
ライナの鋳造は、その形状の複雑さと大きさから
欠陥が出やすい一方で高い強度と均一な品質が不
可欠である。
受賞者は、永年の経験と勘に基づく鋳造技術に
より高品質な製品製造を実現し、その技術により
製造されたシリンダ・ライナは、その品質を高く
評価され、世界シェア約 40%を占め、世界の大
型船舶の安全航行に貢献している。
3,600mm
UEC85LSⅡ
K90MC
K98MC
RTA96C
RTA84T
様々な形のシリンダ・ライナ(完成品)
【シリンダ・ライナ】ディーゼルエンジンのシリンダ内壁となる部品。
234
パイプルーフ施工状況
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