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- 1 - ライフサイクル・コスティングの進化-アメリカ国防総省モデルを中心

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- 1 - ライフサイクル・コスティングの進化-アメリカ国防総省モデルを中心
ライフサイクル・コスティングの進化-アメリカ国防総省モデルを中心として-
岡野
憲治
(
松山大学
経営学部
)
はじめに
Ⅰ ライフサイクル・コスティングの生成-ロジスティクス・コスト・モデルの生成-
Ⅱ ライフサイクル・コスティングの形成-ライフサイクル・コスト・モデルの形成-
1.ハ-ドウエア・コスト・モデル
2.システム・コスト・モデル
Ⅲ ライフサイクル・コスティングの発展-ライフサイクル・コスト調達モデル
(Procurement
Model)への発展-
1.ライフサイクル・コスティングの方法
2.基礎諸概念
Ⅳ ライフサイクル・コスティングの深化-ライフサイクル・コスト取得モデル
(Acquisition
Model)への深化-
1.5000モデル
2.ライフサイクル・コスト分析
3.ライフサイクル・コスト経済性分析
Ⅴ ライフサイクル・コスティングの展開-予算制度(PPBES)におけるライフサイクル
・コスト分析機能-
おわりに-ライフサイクル思考の分離と独立-
はじめに
国防総省は、「原価計算基準審議会(Cost Accounting Standards Board:CASB)」の活動
が始まる 1970 年の指針 5000.1 により、主要な国防システムの取得にライフサイクル・コ
スティングの遂行を要求した。現在の指針 5000.1 は、『5000モデル』と呼ばれる取得
プログラムにおいてライフサイクル・コスティングだけでなく、ト-タル・システム性能
を最適にし、オ-ナ-シップ・コストを最小にするためのシステム・アプロ-チの採用を
要求している(1)。
本稿では、ライフサイクル・コスティングを代表するアメリカ国防総省モデルの半世紀
近くの歴史を生成、形成、発展そして深化と区分し、その進化を考察する。このモデルの
『ライフサイクル・コスティングとは、調達物品などの契約において、取得価格および所有
-1-
により発生する運用コストと保全コストなどを考慮して調達する、あるいは、取得する方法
である。』このモデルは、法律を基盤とする制度として機能するライフサイクル・コスティ
ングである(2)。
Ⅰ ライフサイクル・コスティングの生成-ロジスティクス・コスト・モデルの生成-
1947 年の国防品調達法(The Armed Services Procurement Act)の規定により、物品の調
達は、「価格と他の事項(price and other factors )」を考慮して行われなければならない。
この規定にもかかわらず、調達契約が「取得価格のみ(acquisition price alone)」に基づい
て行われていた。このやり方を改善するために国防総省は、1963 年にロジスティクス・マ
ネジメント協会に対して「ライフサイクル・コスティングを評価するように要請し」、1965
年にライフサイクル・コスティングのテスト・プログラムを開始した。そして以下に示す
ロジスティクスに必要な軍需用資材調達のためのライフサイクル・コスト概念と計算方法
が開発された(3)。
入札者
A
購買価格
1,000 ドル
予防的・事後的
インヴェントリー
保守コスト
マネジメント・コスト
1,000 ドル
500 ドル
サービスライフ
(年)
10 年
年当たりの最小のライフサイクル・コストを示した入札者Aが裁定を得る。
入札者A
=
1,000+1,000+500
=
250 ドル/年あたり
10 年
Ⅱ ライフサイクル・コスティングの形成-ライフサイクル・コスト・モデルの形成-
1.ハ-ドウエア・コスト・モデル
1970 年の調達指針は、完全な兵器システム・レベル以下のハ-ドウェアの調達にライフ
サイクル・コスティングを適用して、その品目の取得・運用・保全などのコスト総額が最
低のものを購入する方法を示している。このモデルにおけるライフサイクル・コストは、
以下である(4)。
ライフサイクル・コスト総額
(LCC:現在価値で表現される)=取得コスト(A)+
期のロジスティクス・コスト(I)+定期的に発生するコスト(R)
-2-
初
2.システム・コスト・モデル
1973 年の調達指針は、システム・レベルの取得の内容を示している。システムのライフ
サイクル・コストは、政府が当該システムを取得し、所有するためのコスト総額である。こ
のモデルのライフサイクル・コストには、開発・取得・運用・支援コストおよび廃棄コスト
などが含まれる(5)。
以上のように、60 年代と 70 年代の調達に必要なライフサイクル・コスト・モデルが形
成され、ライフサイクル・コステイングの利用が要請され、契約企業もこの分野の専門技
術を開発した。しかしこの時代には、契約企業のデ-タの正確性と信頼性およびライフサ
イクル・コステイング方法論などについての疑念の存在、見積りの保証に対する契約企業
の抵抗などが問題であった(6)。
Ⅲ ライフサイクル・コスティングの発展-ライフサイクル・コスト調達モデル
(Procurement
Model)への発展-
80 年代以後、ライフサイクル・コスティングを基礎とする調達制度は、「Code of
Federal Regulations」、「アメリカ連邦政府取得規則(Federal Acquisition Regulation 2001
年版)」、
「国防総省規則補足( Defense Federal Acquisition Regulation Supplement)」、
「国防契約監査庁規則(Defense Contract Audit Agency マニュアル、2004 年版)」、
「Office
of Management and Budget の発行する Circular A-94 Guidelines and Discount Rates
for Benefit-Cost Analysis of Federal Programs(2002 年版)(ライフサイクル・コステ
ィングにおいて使用される割引率を規定する)」などの法律を基盤とする制度として遂行
されるようになった(7)。
1.ライフサイクル・コスティングの方法
この調達モデルにおいて、海軍省のライフサイクル・コスティングは、以下の手順に従
って遂行される。
① ライフサイクル・コスト見積り目標の決定
② 仮定の定義
③ コスト・エレメントの選択
④ コスト見積り関係の選択
⑤ 必要となる各種のデータの収集
⑥
必要なデータの収集、評価の後、関連するコスト見積り関係式のを利用により、コ
ストの見積りを得る。
⑦ 感度分析とトレードオフ分析の遂行
⑧ コスト見積り結果の提示:分析から得られる結果を適切に文書化する。
-3-
2.基礎諸概念
次に、このモデルの重要な基礎諸概念として、以下が上げられる。
① ワ-ク・ブレ-クダウン構造(Work Breakdown Structure :WBS 作業明細構造)
製品指向型の系統図であるワ-ク・ブレ-クダウン構造は、製品のエンジニアリン
グ・デ-タを会計構造に転換するための方法として、あるいは、調達する政府のプロ
グ
ラム構造、予算構造あるいは会計構造として利用される。
② デザイン・ツ-・コスト(Design To Cost : DTC
)
コスト効果的な兵器システムは、コスト、性能、スケジュールおよび支援性目標など
が最適に均衡することにより達成される。デザイン・ツー・コストは、この目標を達
成
するコスト・コントロール方法である。
③ 運用コストおよび支援コストの見積り方法
運用コストおよび支援コストの見積りは、特定の条件に基づく防衛システムにより発
生するコストに焦点を当てる。
④ 修理分析の水準(Level Of Repair Analysis : LORA )
経済的および非経済的考慮事項を評価して、最も効果的な修理および支援構造を決定
する。
⑤ ライフサイクル・コストの見積り方法-パラメトリック法
パラメトリック法は、対象とする品目の性能あるいは物理的特性とコストの関係を分
析し、コストを見積る方法である。その中心が、コスト見積り関係(Cost
Estimation
Relationship : CER)である。たとえば、図に示すプログラム・ライフサイクル・コスト・
モデルが構築されるとする。このモデルにおけるライフサイクル・コストは、・研究およ
び開発コスト、投資コスト、運用および支援コストそして処分コストなどで構成される )。
これらのコストは、すべて見積られなければならないのである。
-4-
Ⅳ ライフサイクル・コスティングの深化-ライフサイクル・コスト取得モデル
(Acquisition
Model)への深化(8)-
1.5000モデル
1994 年の取得改革により、国防取得プログラムのライフサイクル・コスト計算とマネジ
メント が強化された。指針 5000.2 の 2003 年版は、国防取得制度( Defense Acquisition
System )における取得プログラムの予算規準を以下のように分類する。
取得カテゴリ-ⅠA プログラム:主要自動情報システムのプログラム。2000 財政年度のコ
ンスタント・ドル基準で、一年間に 32 ミリオンを超過するプログラムか、あるいは、ト-
タル・ライフサイクル・コストが 378 ミリオンを超過するプログラム。
取得カテゴリ-Ⅱプログラム:研究・開発・テストおよび評価の支出総額が 2000 財政年度
のコンスタント・ドル基準で、140 ミリオンを超過するか、あるいは、調達金額が 660 ミ
リオンを超過するプログラム。
取得カテゴリ-Ⅲプログラム:取得カテゴリ-Ⅰ、取得カテゴリ-ⅠA,
取得カテゴリ-
Ⅱのどの規準も満足しない取得プログラム。
これらのプログラム予算額は、図に示すプログラムの取得モデルである『5000モデ
ル』のマネジメントに組み込まれる。このフレ-ムワ-クにおいてライフサイクル・コス
-5-
ティングが実施される。プログラム・マネジャ-の以下の意思決定マイルストーンの手順
に従ってプログラム・マネジメントが進行する。
① 利用者のニーズおよびテクノロジ-機会
② 概念の洗練
③ テクノロジー開発
④ システム開発および実証
⑤ 製造および配備
⑥ 運用および支援
以上は、ライフサイクル・コスティングの深化をその機能の視点から説明している。21
世紀におけるライフサイクル・コスティングの機能としては、①マテリアル・システムズ
(兵器システムズ)などのライフサイクル・コストの見積り計算、②システム効果性分析
とトレード・オフ分析、③プログラム予算におけるライフサイクル・コストの見積り計算、
④アメリカ会計検査院によるライフサイクル・コスティングによる国防総省プログラム予
算見積りのモニタリングなどが指摘できる。
次に、ライフサイクル・コスティングの方法論の深化を、陸軍省によるマテリアル・シ
ステム(兵器システム)を対象とするライフサイクル・コスト分析および経済性分析の視
点から検討する。
-6-
2.ライフサイクル・コスト分析(9)
陸軍省のライフサイクル・コストは、国防総省の予算管理制度である戦略的プランニン
グ・プログラミング・予算編成および執行システム(PPBES:Planning,
Programming ,Budgeting and Execution System )との関連性も考慮されるので、「資金を提
供する要素(Funded Elements)」という表現が使用され、以下の種類がある。
(1)研究・開発・試験・評価に資金提供する原価要素。
(2) 調達に資金提供する要素
(3) 軍事用構築物に資金提供する要素
(4)軍関係者直接人件費に資金提供する要素
(5)運用および支援に資金提供する要素
(6)陸軍運転資本資金(Army Working Capital Fund)要素
そしてこれらのライフサイクル・コスト分析および見積りの目的は、プログラムおよび
システムに関連する諸資源要求を金額に換算し、さらに予算要求に換算することにある。
実践される分析プロセスは、以下である。
(1)
(2)
(3)
定義・基本原則・仮定・制約事項などの設定。
コスト要素構造および作業明細構造(Work Breakdown Structure))の開発。
デ-タベース、コスト・モデル、コスト見積関係式などの構築
(4) 各要素について、コスト見積りを行う。
(5)
コスト見積り総額の検査。
(6) 文書の作成。以上のすべての段階の事項を文書化する。
この方法論の特質は、三次元のマトリクスから構成されている点にある。また、マテリ
アル・システムを対象とするこのライフサイクル・コスト分析の結果については、合衆国
法典 10 編 2432 条と 2433 条により、文書による報告が求められる。
3.ライフサイクル・コスト経済性分析(10)
次に、陸軍省が実践する「ライフサイクル・コスト経済性分析」を基礎技法として
紹介する。経済性分析のプロセスは、所定の目標を達成する選択的行動方針のコストおよ
び便益を特定し、分析し、比較するシステム・アプローチであり、資源の最も効率的で効
果的な使用を決定する。ライフサイクル・コストを基礎とする経済性分析のプロセスは、
以下である
-7-
(1)目標の設定
(2)仮定の構築
(3)制約事項の識別
(4)代替案の識別
(5)各代替案のライフサイクル・コストの見積り
(6)各代替案の便益の見積り
(7)ライフサイクル・コストおよび便益の比較分析による現状案を含む代替案の比較
(8)
感度分析、リスク分析、不確実性分析の実行
(9)分析結果および勧告案の報告書の作成
(10)報告書をチエックリストにより精査し、妥当性を確認する
Ⅴ ライフサイクル・コスティングの展開-予算制度におけるライフサイクル・コスト分
析機能-
国防総省は、1962 会計年度に予算制度の PPBS(Planning, Programming and Budgeting
System:戦略計画・プログラム作成・予算管理システム)を導入した。PPBS は、1968 会計
年度には連邦政府の予算制度となり、1971 会計年度に、連邦政府の予算制度としては廃止
された。しかし国防総省は、このシステムをその後も継続し、その予算の執行(Execution)
機能を発展させた PPBES(Planning, Programming ,Budgeting, and
Execution System )が、現
在の予算制度として使われている。国防総省は、軍レベルでの予算の執行段階の導入によ
って、予算の強調点を割当権限から責任権限へと移行させ、プログラムの成果および結果
を強調したのである(11)。
また、PPBES は、1997 年の政府成果および結果法(Government Performance and Results Act
:GPRA)の要求する成果予算管理( Performance
Budgeting)にも関係がある。予算額と並
んで成果情報を提示する成果予算管理をすれば、プログラム結果についての資金支出選択
に焦点を当てることになるので、予算意思決定を改善することにもつながる。
PPBES は 4 年間の大統領任期中の予算を対象とし、2年間の予算サイクルを持つ2種類
の制度を有している。まず、国防総省は、偶数年のオン予算年度において 2 年間の予算を
編成する。次に、予算の執行およびプログラム成果の評価は、奇数年のオフ予算年度に行
われる。2年間の予算サイクルの執行に伴って、プログラム変更提案についての予算変更
提案文書が予算編成プロセスに導入されたのである。なお、予算年度を越える 4 年間のデ
ータは、Future Years Defense Program(FYDP)から導き出されることになっている(12)。
PPBES のプロセスは、以下である。
① プランニング:国家安全に対する脅威の分析と脅威に備える適切な戦略を策定する。
-8-
② プログラミング:プランニング決定、プログラミング・ガイダンスおよび議会へのガ
イダンスなどが、資源の詳細な配分へと転換される。
③ 予算編成と承認:遂行されるプログラムの価格決定および全体能力の詳細なレビュー
のための基礎を提供する。
④ 予算の執行と成果の精査:予算に対する実際結果と予測結果の監視と報告。
おわりに-ライフサイクル思考の分離と独立-
国防総省のライフサイクル・コスティングは、この半世紀において、ロジスティクス・
モデルから現在の『5000モデル』へと進化している。このモデルと調達契約制度にお
ける原価計算基準(Cost Accounting Standards)が、現在、国防総省の取得制度として機能し
ている。しかし本稿では、国防総省においてライフサイクル・コスティングが進化を遂げ
た理由を深く掘り下げていない。この点は、今後の研究課題である。
国防総省におけるシビリアン・コントロ-ルの思想は、法律と会計検査院(General
Accountability Office:GAO)を基盤として現在も健在である。会計検査院は、国防総省の調
達と取得を分析し、そして監視するためににライフサイクル・コスティングを活用してい
る。ライフサイクル・コスティングの進化の理由を考察する場合、シビリアン・マネジメ
ントというマネジメント思想が、その背景にあるのではないかという仮説が思い浮かんで
くる。この仮説も、今後の研究において明らかにすべき課題である。
そして国防総省モデルから出発したライフサイクル・コスティングという魅力ある名称
は、「ライフサイクル」の分離と独立を促し、多様なライフサイクル思考(Life Cycle
Thinking)といえるものを創造し、マネジメント理論の構築に貢献している。この点も今
後の研究課題である(13)。
-9-
注
(1)U. S. Department of Defense(2003a),Direvtive 5000.1 The Defense Acquisition
System..1971.
U. S. Department of Defense,,Direvtive 5000.1 The Defense Acquisition
System..2003.
岡野憲治『ライフサイクル・コステイング-その特質と展開-』同文舘,2003 年。
Blanchard , Benjamin S(, System Engineering
Management , Second Edition ,
Prentice-Hall.1998..
U. S. Department of Defense, Defense Acquisition Guidebook.2004.
(2)U. S. Department of De6ense,Life Cycle Costing Procurement Guide
(interim), Department of Defense Guide No. LCC-1 .1970.
(3)U. S. Logistics Management Institute(1965), Life Cycle Costing in Equipment Procunement,
Report No.LMI Task 4C-5 .1965. .
(4)U. S. Department of De6ense,Life Cycle Costing Procurement Guide
(interim), Department of Defense Guide No. LCC-1 .1970.
(5) U. S. Depanment of Defense, Life Cycle Costing Guide for System
Acquisitions
(interim) Department of Defense Guide No. LCC-3.1973.
Seldon , Robert N. (1979), Life Cycle Costing : A Better Method of Government
Procurement ,Westview Press , pp.4-7.
(7)岡野
憲治 「ライフサイクル・コスティングに関する一考察-政府調達制度のライフ
サイクル・コスティングを中心として-」『会計』第 169 巻第2号。2006 年2月。PP.85-97。
(8)岡野
憲治 「ライフサイクル・コスティング:『ライフサイクル・コスト取得制度』
の特質-ライフサイクル・コスト分析を中心として-」『会計』第 177 巻第1号。2010 年
1月。PP79-89。
(9)岡野
憲治 「ライフサイクル・コスティング:『ライフサイクル・コスト取得制度』
の特質-ライフサイクル・コスト分析を中心として-」『会計』第 177 巻第1号。2010 年
1月。PP79-89。
(10)岡野
憲治 「ライフサイクル・コスティングの研究-アメリカ国防総省ライフサイク
ル・コスト経済性分析を中心として-」『会計』第 179 巻第3号。2011 年3月。PP.99-111。
(11)岡野憲治
『松山大学総合研究所所報第 58 号アメリカ国防総省管理会計研究-調達制度
ライフサイクル・コスティング研究を起点として-』第3章アメリカ国防総省における管
理会計の展開-LCC(Life Cycle Costing)と国防総省予算管理制度:
PPBS(Planning,Programming and Budgeting System )と PPBES:Planning,
- 10 -
Programming ,Budgeting and Execution System の展開を中心として-。松山大学総合研究
所。2009 年。28-43 頁。
(12)このシステムの開発に貢献された R.N.Anthony 教授は、1965 年から 1968 年まで、
Assistant Secretary of Defense,Controller であった。
5年間の国防総省プログラムは、将来年度の国防プログラム(Future Years Defense
Progrm )と名称が変更され、現在では、 以下に示す 11 個の主要国防プログラムがある。
Program 1 から 5 までが、Force- Oriented のプログラムである。
(Department of Defense(1987),Department of Defense Instruction, Implementation of the
Planning Programming, and Budgeting System,
p.24.)
Program 1 – Strategic Forces
Program 2 – General Purpose Forces
Program 3 – Intelligence and Communications
Program 4 – Airlift and Sealift Forces
Program 5 – Guard and Reserve Forces
Program 6 – Research and Development
Program 7-Central Supply and Maintenance
Program 8 – Training, Medical, and Other General Personnel Activities
Program 9 – Administration and Associated Activities
Program 10 – Support of Other Nations
Program 11– Special Operations Forces
U. S. Department of Defense, DOD 7045.7-H Future Years Defense Program(FYDP) Structure
Handbook.2004.
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Stuart E. Johnson, A New PPBS Process to Advance Transformation,Defense Horizons
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(13)防衛省装備施設本部『ライフサイクルコストの算定要領(第2.1版)』。平成 21
年1月。
防衛省装備施設本部『平成 22 年度ライフサイクルコスト管理年次報告書』。平成 22
9月。
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Kluwer Academic Publishers , 2002 .
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CRC Press , 2008.
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Social and socio-economic LCAguidelines Complementing environmental LCA and Life Cycle
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長野 史痲「環境管理会計手法としてのライフサイクル・コスティング」『明治大学経営
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経営論集
』第 59 巻第1・2号。2012 年2月。PP.95-115。
- 12 -
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164 巻第6号。2003 年 12 月。PP.79-92。
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展開を中心として-。松山大学総合研究所。2009 年。28-43 頁。
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コスト経済性分析を中心として-」『会計』第 179 巻第3号。2011 年3月。PP.99-111。
岡野 憲治 「原価計算基準の意義と役割」
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ロバ-ト・S/・マクナマラ著
仲
晃
訳『マクナマラ回顧禄-ベトナムの悲劇と教訓-』
共同通信社。1997 年。
ロバ-ト・S/・マクナマラ編著
仲
晃
訳『果てしなき論争-ベトナムの悲劇を繰り返
さないために-』共同通信社。2003 年。
デ-ビッド・パッカ-ド著
依田
卓巳訳 『
HPウエイ[増補版] 』海と月社。2011
年。
ハワ-ド・E・オルドリッチ著
クルを探る
】
若林直樹他訳
『
組織進化論
【
企業のライフサイ
』東洋経済新報社。2007 年。
英文タイトル: An Evolution of Life Cycle Costing -An Emphasis on U.S.Department of
Defense
Life Cycle Cost
Model -
Kenji Okano , Professor , Matsuyama University
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