未来を変える～ソーシャルビジネスと戦略的CSR

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未来を変える～ソーシャルビジネスと
戦略的CSR/CSV（共有価値の創造）
Copyright © 2014 Cre-en, Inc.
株式会社クレアン 薗田綾子
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2013/11/11
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2050年の世界人口は96億人突破・・・
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世界の経済体（国家と企業）の経済規模の単純比較
→企業の影響力が国家をこえて拡大
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企業が持続可能な社会実現に取り組む意義・背景
世界人口の増加
グローバル経済の拡大
企業の影響力拡大
市民社会の意識の向上
情報通信の発達
外部不経済の拡大
政府の失敗／限界
市場の失敗
市民組織（NGO等）
の影響力拡大
非財務面の企業評価の
枠組みの整備
（企業格付・評価、SRI ）
グローバルな社会・環境問題の発生
（人類の持続可能性への危機感）
企業は社会に大きなインパクトを与えていること
を再認識
消費者政策の変化
企業の主体的な社会・環境配慮型経営（ブラン
ド価値の創造、課題解決型イノベーション）
企業の社会的責任（CSR）の誕生/発展
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Corporate Social Responsibility
＝企業の社会的責任 → 企業の社会的信頼性
（企業に対して「持続可能な社会の発展にむけて、社会課題の
解決に主体的に貢献することを求める社会要請」の総称）
Corporate Social Responsibility
みなさんの会社にとっての「社会」とは？
みなさんの会社にとっての「ステークホルダー」とは？
ステークホルダーにとって「持続可能な社会」に変革するため
には、どんな社会課題を優先的に解決するべきか？
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攻めと守りのCSR
CSRでは守りの要素を押えることが第一。その上で、いかに「社会価値」と
「企業価値」をともに高める価値創造型・攻めのCSRにできるかが問われる。
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出典： 経済同友会
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CSV（共有価値の創造）への期待
社会問題の顕在化・深刻化により、企業に対して守りのCSRに加えて、攻めのCSR&CSVが
求められるようになっている。CSVはマイケルポーターが提唱する新しい経営フレームワーク。
サステナビリティに向けた
ネガティブインパクト ポジティブインパクト
の軽減
の拡大
製品・サービスの提供価値を通じた貢献
企
業
の
社
会
へ
の
持
続
的
貢
献
の
類
型
化
本業そのもの
近年期待される
領域
（CSV）
バリューチェーン
環境、人権・公正な取引、製品
品質保証、情報開示、地域社会
への配慮等
製品・サービスを生
み出す関連業務/
プロセスを通じた
貢献
人事・労務管理
自社、グループ会社、地域社会
等
従来のCSR活動
の中心
ガバナンス
コンプライアンス、リスクマネジメ
ント、情報セキュリティ等
事業を通じて得られた利益/リソースによる社会への還
元
社会貢献活動、フィランソロピー
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（CSV）
より戦略的に
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CSVの3つのアプローチ
CSV （Creating Shared Value）は、共有価値の創造で
①製品・サービスという企業活動のアウトプット、
②バリューチェーンという企業活動そのもの、
③企業活動と社会との関係性を通じて、社会問題を解決しようとするもの。
社会問題を解決する
製品・サービスの提供
（製品・サービスのCSV）
CSVとは、
社会問題の解決と
企業の利益、競争
力向上を両立させ
社会と企業の両方
に価値を生み出す
ための経営フレー
ムワーク
バリューチェーンの
競争力強化と
社会への貢献の両立
（バリューチェーンのCSV）
事業展開地域での
競争基盤強化と
地域への貢献の両立
（クラスター/競争基盤のCSV）
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社会問題を事業機会と捉え、自社の製品・サービス
で如何に社会問題を解決するかの探索を通じた新規
事業創発・推進
代表例：GEのエコマジネーション、ヤマトグループの
まごころ宅急便、トヨタのプリウス
効率化を通じたコスト削減、サプライヤー育成を通じ
た高品質原料の安定供給等、バリューチェーンを（新
たな視点で）最適化しつつ社会問題を解決
代表例：伊藤園やキリンによる原料農家育成、日本
IBMの障がいを持つ研究者積極雇用
事業展開地域における人材、周辺産業、輸送インフ
ラ、市場の透明性等を自ら強化することを通じ、地域
に貢献しつつ、自社の競争力を向上
代表例：エーザイのｈｈｋ（ヒューマンヘルスケア）活動
による「患者との接点」という競争基盤の強化
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CSV/シェアード・バリューとCSRの相違
CSV/シェアード・バリューは、競争優位獲得のため、企業戦略として実施するもの。
Corporate Social
Responsibility（CSR）
Shared Value
（CSV/シェアード・バリュー）
Motivation
動機
Corporate reputation
評判の向上
Competitive advantage
競争優位の獲得
Main Driver
主な推進力
External stakeholders
外部ステークホルダー
Corporate strategy
企業戦略
Reactive
受動的
Proactive
能動的
Measurement
測定成果
Spending, standard ESG
metrics
費用、標準的ESG指標
Social and economic value
created
生み出された社会・経済価値
Management
マネジメント担当
CSR departments
CSR部門
Across the whole firm
全社
全社
Risk reduction and goodwill
リスク軽減、信用
New business opportunities
新たな事業機会
Successful projects
社会的プロジェクトの成功
Large scale sustainable
change
大規模なｻｽﾃﾅﾋﾞﾘﾃｨへの変化
Approach
アプローチ
Business Benefit
ビジネス上の利益
Social Benefit
社会の利益
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（事例）国産茶にこだわった伊藤園の茶産地育成事業
伊藤園は、高齢化が進む茶産地農家を技術面、経営面で支援。茶葉の安定調達、品質向上
につなげている。（ポーター賞2013受賞）
取り組み概要
社会にとっての価値
高齢化、後継者不足が深刻化する茶産地農家
の保全
2001年から宮崎県都城市でスターとした茶産
地育成事業で、高齢化や後継者不足が深刻化
している茶産地農家に対して、技術の提供を行
い、良質の茶葉を全量買取で支援
農家の後継者がいなくなった耕作放棄地をお
茶畑として再生
茶葉の品種や、刈り取りのタイミング、加工法
などを伊藤園が提供
耕作放棄地の解消
自社にとっての価値
緑茶系飲料市場が拡大し、国産茶葉の供給が
追いつかない状況で、国産茶葉を安定調達
生産からの取組みで、理想の茶葉を入手
食の安全が求められる中、国産茶葉100%の
ブランドで、シェアNo.1（40%前後）を継続
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（事例）ソニー・ピクチャーズのサステナブルな映画づくり
ソニー･ピクチャーズは、環境に配慮した映画づくりを通じて、環境・社会意識の高い
ハリウッドの映画監督やスターの支援を獲得。
取り組み概要
ソニー･ピクチャーズは、環境に配慮した映画
づくりを推進。最近公開された“アメイジング・ス
パイダーマン2”では、製作および宣伝ツアーの
カーボン・ニュートラルを実現
映画製作のセットは、再利用された木材、鉄鋼
、ガラス等の材料を使用。人工的な気候でも、
生分解性の雪、水を材料とするスモークなどを
使用。コスチュームやセットの装飾をリサイクル
。さらに、撮影場所での植林、環境配慮のメッセ
ージを伝えるキャンペーンを実施
また、WWFなどと協働して、パンダの生息地
近くのコミュニティにクリーンな料理用コンロを提
供して、地域の環境を保全することにより、カー
ボンオフセットを購入
社会にとっての価値
映画づくりにおける環境負荷軽減
地域の環境保全
消費者の環境に対する意識向上
自社にとっての価値
環境・社会意識の高いハリウッドの映画監督、
スターの映画製作への支援獲得
スパイダーマンは、環境意識を啓発するイベン
トなどにも参加
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（事例）コカ･コーラの低所得者スキルアッププログラム開発
コカ･コーラは、ブラジルで若者に職業訓練と雇用の機会を提供する「コレチーボ」
プログラムを展開。若者のスキルを高め戦力化することにより、売上を拡大し、
ブランド認知を向上。
取り組み概要
コカ･コーラはブラジルで、低所得層の若者がスキル
不足で仕事が得られないという社会問題に対して、若
者を教育して、コカ･コーラの小規模流通業者の戦力と
して活用する「コレチーボ」というプログラムを展開
NGOと協力して、若者に小売り、事業開発、起業家精
神に関する研修を実施。地元流通業者と協力して、具
体的な業績向上プロジェクトに取り組ませる
若者のスキルが高まる結果、仕入れ、プロモーション、
商品化などで小売業者のパフォーマンスを大きく改善
するとともに、地域でのブラント認知を向上
上記について、職に就いた若者の数と参加者の自尊
心の向上といった社会価値、売上拡大、ブランド認知
の向上といった企業価値のKPIを設定して、活動を推
進
2009年のプログラム開始以降、ブラジル全土150以上
の低所得地域で活動を展開し、５万人以上に研修を実
施。そのうち30%は、コカ・コーラや小売りパートナーに
就職
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社会にとっての価値
若者の職業訓練の機会提供と雇用促進
若者の自尊心の向上
自社にとっての価値
スキルの高い若者の活躍によるコカ･コーラの
売上拡大
ブランド認知の向上
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（事例）エフピコの障がい者雇用とトレーのリサイクル
エフピコは、障がい者を戦力として活用し企業の競争力を向上。
さらに、食品トレーのリサイクルの仕組み整備を通じて、利益率の高い製品を提供。
取り組み概要
社会にとっての価値
食品トレー最大手のエフピコは、障がい者を積
極的に雇用し、障がい者雇用率16.1%を実現。
その大部分が重度の知的障がい者
障がい者が活躍し、生活の糧を得る場の提供
トレーのリサイクルによる環境負荷の軽減
工場で障がい者を戦力として活用する仕組み
を機能させ、健常者と変わらない水準の給与を
提供
また、トレーを回収するためのリサイクルボック
スをスーパーに設置するとともに、回収・リサイ
クルのシステムを整備
回収トレーを使ったエコトレーの普及を推進
自社にとっての価値
健常者よりも集中力が高く、まじめで確実な仕
事をしてくれる障がい者による競争力の向上
自社製品の中で最も利益率の高いエコトレー
の普及
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CSVにご関心のある方は、下記をご参照下さい。
書籍「CSV経営」赤池学、水上武彦著（NTT出版）
ブログ「CSV/シェアード・バリュー経営論」
http://www.cre-en.jp/mizukami-blog/
（お問い合わせ先）
株式会社クレアン
〒108-0071 東京都港区白金台3－19－6 白金台ビル5F
電話： 03-5423-6920
CSVコンサルタント 水上 武彦
[email protected]