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CSR経営の9つの最新キーワード
Copyright © 2013 Cre-en, Inc.
サステナビリティ⽇本フォーラム 事務局⻑
株式会社クレアン 代表取締役
薗⽥綾⼦
2013年7⽉4⽇
0
CSRとは?
Corporate Social Responsibility
≠企業の社会的責任
=企業の社会的信頼性(信頼度)
1990年代に欧州を中心に誕生した概念。
企業に対して「持続可能な社会の発展にむけて、社会課題の解
決に主体的に貢献することを求める社会請」の総称。
企業の視点からは、グローバル経済時代の中での新たな
「経営品質」「競争軸」と言える。
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1
重要な
つの最新
重要な9つの
つの最新キーワード
最新キーワード
(国際ガイドライン・フレームワーク)
1 サステナビリティ
2 影響力の範囲
(バウンダリー)
3 マテリアリティ
4 バックキャスティング
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5
6
7
8
9
ラギー・レポート
ISO26000
グローバルコンパクト
GRI
IIRC(国際統合報告評議会)
2
企業をとりまくCSR関連プレーヤー
財務側面
非財務側面
行動側面
ISO
情報開示側面
統合報告
非財務報告
認証なし(ISO14001はあり)
ISO14001
AccountAbility
(AA1000)
IIRC
(フレームワーク)
金融機関
ISO26000
GRI
(G4)
国際連合
ラギー・レポート
ILO
三者宣言
ミレニアム
開発目標
国際ガイドライン
機関投資家の
連合:CDP
(CDP Carbon)
(CDP Water)
グローバル
コンパクト
CDSB
GHG
Protocol
OECD
多国籍企業
行動指針
株主・投資家
国連PRI
(PRI)
Bloomberg
気候変動・水
SEC
(紛争鉱物)
事業会社
認証あり
行動規範
ESG格付
MSC
EICC
FSC
AWS
プライベート認証
ガイドライン
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ICMM
サプライヤー
SRI調査会社
RobecoSAM
EIRIS
格付会社/機関
Dow Jones
(DJSI)
FTSE
(FTSE4Good)
業界団体ガイドライン
企業評価側面
3
「サステナビリティ」への懸念
産業革命以降の急激な経済成長の結果、人類の持続可能性(=サステナビリティ)への懸念が
増大。企業のCSRとして、サステナビリティへの貢献に対する期待・要請が高まっている。
ギャップの
ギャップの顕在化
⇒人類は
人類は生存可能?!
生存可能?!
産業革命以降の
産業革命以降の急激な
急激な成長
この200年間で
人口は6倍、経済規模は50倍に急増
企業への
企業への期待
への期待・
期待・
要請の
要請の高まり
地球温暖化
2050年
年
92億人
億人
水・食糧不足
2005年
年
65億人
億人
生物多様性喪失
歪の原因でもある
影響力の大きな企業に
対する課題解決の
期待・要請
貧困・格差問題の深刻化
産業革命
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1000
大規模災害の頻発
・
・
・
0
1950年
年
25億人
億人
2000
4
世界中の人が、
世界中の人が、
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日本人の生活と同じ水準で暮らすには地球が2.3個必要
アメリカ人の生活と同じ水準で暮らすには地球が5.3個必要
5
エコロジカル・フットプリントの将来予測
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6
人の結びつきの希薄化(社会的疎外の拡大)
欧州では社会的弱者(失業者、貧困者、外国人など)を
排除する動きが発生。
日本でも社会的関係性の希薄化が進行し、
孤独死・自殺者・ニート・DV・うつなどが急増。
→ソーシャルキャピタルの弱体化・崩壊への
懸念が増大。
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(図1)児童虐待相談対応件数
44,210件
(平成21年度)
7
CSRテーマの変遷
CSRの中核テーマは時代と共に変化
これからの中核テーマは「持続可能な発展(サステナビリティ)への貢献」
~1980年代
1980-90年代
時代
背景
• 大量生産・大量
消費時代の到来
• 企業規模の拡大
• 産業公害、環境破
壊の拡大(バルディ
ーズ号事件)
• グロ-バル化の進展
(メガコンペティション)
• マスメディアの発達
• 児童労働問題の発生
(Nikeなど)
• 市民組織、消費者運動の
拡大
社会
要請
モノの供給
経済的価値の創出
企業活動の社会・
環境面のネガティブ
インパクト軽減
Economy
Environment / Social
CSRの
進化
経済的価値
の創出
社会・環境側面
において、NPO
からの批判対応
2000年代前半
2000年代後半
• 社会・環境面での
企業評価/格付の発達
• 法令を越えた社会的
要請の拡大と対応
(労働環境、人材育成、ダイ
バーシティ、BCP、情報セキ
ュリティなど)
• 企業不祥事の多発
(エンロン等)
• ITの普及による情報伝
達速度の拡大
• 内部統制等の強化
+
ガバナンス
コンプライアンス
Governance
コンプライアンス
中心の
“守りのCSR”
現在
+
法令を越えた
社会への貢献
(企業視点では企業価値向上
、リスクマネジメント)
Risk management
・企業価値向上に
むけた“攻めのCSR”
・リスクマネジメントとして
の“守りのCSR”
• グローバルな社会
課題の顕在化
(人口の急増、地球温
暖化、貧困・格差の拡
大、人権問題など)
• 新興国の台頭
=
サステナビリティ
への貢献
(左記を包含)
これから
・ISO26000
・G4の発行
・非財務情
報開示要
求の高まり
本業を通じたサス
テナビリティへの
貢献
Sustainability
事業活動を通じ
た持続可能な
発展への貢献
事業を通じ
た共通価値
の創造
(CSV※へのチ
ャレンジ)
※ CSV … マイケル・ポーター米ハーバード大学教授が提唱した「Creating Shared Value」と呼ばれる新たな経営戦略で、
社会課題の解決と企業の利益、競争力向上を両立させ、社会と企業の両方に価値を生み出す考え方。
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8
「攻め」と「守り」のCSR
CSRでは守りの要素をきっちりと押えることが基本。
その上で、事業を通じて「社会価値」と「企業価値」をともに高める価値
創造型・攻めのCSRにできるかが求められる。
出典: 経済同友会
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「グローバルコンパクト」と「ISO26000」
グローバルでの基準を示したGCとISO26000では、「人権」が最初の項目として挙げら
れており、非常に重要視されている。
国連グローバルコンパクト
)
国連グローバルコンパクト(
グローバルコンパクト(GC)
概要
・国連が提唱する、企業・組織の力で社会・環境課題を
解決し、持続可能な社会を築くための自主行動原則
・CEOが、企業活動に10原則を組み入れることを宣言
・国連ミレニアム開発目標の実現も目的の一つ
【国連GC10原則】
人権
原則1
要請
項目
組合結成の自由と団体交渉の権利を実効ある
ものにする。
原則4 あらゆる形態の強制労働を排除する。
原則7 環境問題の予防的なアプローチを支持する。
原則8
環境に関して一層の責任を担うためのイニシア
チブをとる。
原則9 環境にやさしい技術の開発と普及を促進する。
腐敗防止
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組織統治
人権
労働慣行
原則5 児童労働を実効的に廃止する。
原則6 雇用と職業に関する差別を撤廃する。
環境
・世界最大の国際標準化機関ISOにより、マルチステーク
ホルダー・プロセスで策定された、持続可能な発展へ
の貢献に向けた組織の社会的責任に関するガイダン
ス
・グローバルで求められる社会的要請を纏めた実質的な
グローバル・スタンダード
【7つの中核主題】
原則2 人権侵害に加担しない。
原則3
労働基準
企業はその影響の及ぶ範囲で国際的に宣言され
ている人権の擁護を支持し、尊重する。
ISO26000
原則10
強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗を防止
するために取り組む。
環境
公正な事業慣行
消費者
コミュニティ参画及びコミュニティの発展
10
ISO26000はグローバル企業のライセンス
OECD
多国籍企業
行動指針
世界の様々な課題
公正な
事業慣行
消費者課題
労働慣行
環境
ISO
26000
強制労働
強制労働
児童労働
児童労働
組織統治
コミュニティ
への参画
「ラギー・レポート」
すべての課題解決
すべての課題解決に
課題解決に
デュー・
デュー・デリジェンスの
デリジェンスの考
え方は有効
参加国(約100カ国)の
ステークホルダーの8割が
ラギー氏を支持
先進国
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拷問
拷問
虐殺
虐殺
貧困
貧困
人権
監禁
監禁
飢餓
飢餓
差別
差別
世界の人権課題を
解決するには
国家は人権侵害から保護する義務
があり、企業は人権を尊重すべきで
ある。人権侵害を回避し、負の影響
に対処(救済)すべきである。予防の
ためには「人権デュー・デリジェンス」
が必要とジョン・ラギー氏が提唱
途上国
政府
NGO
企業
消費者団体
労働組合
中立機関
11
影響力の範囲(バウンダリー)
自社が責任を負うべき範囲は、これまではほぼ自社グループ内と理解されていたが
バリューチェーンを含めて「自社の影響力の範囲」を判断して対応する必要がある。
ISO26000発行前
ISO26000発行後
ス
テ
ー
ダ
ー
子会社・グループ会社
これまでは
責任範囲が曖昧
一次仕入先
害
人権侵
責任の範囲はおおよそ「自社グループ内」
ス
テ
:
ー
ク
ホ
ル
ダ
ー
サプライチェーン
害
人権侵
ク
ホ
ル
ダ
ー
二次仕入先
二次仕入先
ス
テ
ー
一次仕入先
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ス
ダ
ー
ー
ル
子会社
自 社
ク
ホ
ル
テ
ク
ホ
自 社
責任の範囲はバリューチェーンを含めた「影響力の範囲」
12
社会的要請への未対応がリスクとなった事例
ネスレ
問題の経緯と結果
ネスレ(2011年売上高9兆2400億円)がインドネシア
のシナールマス社から調達したパーム油が、違法伐採
により熱帯雨林破壊に加担していたことが判明(シマ
ールマス社は違法伐採は行っていないとネスレに報告
していたが、ネスレは現地確認していなかった)。
NGOがネガティブ・キャンペーンを開始。インドネシア大
統領もNGOの指摘を評価。
キットカットブランドや社会的評価が大幅に低下するリ
スクが高まり、ネスレは「2015年までに環境破壊を伴
わないパームオイルだけを使う」との方針を発表。
ネスレのサプライチェーン
熱帯雨林
パーム農園造成による伐採
パーム油は、熱帯雨林を伐採して生産されてお
り、特に違法伐採で生産されているパーム油を
調達する企業は、NGO等の攻撃対象になるリス
クがある
キャンペーン内容
採
違法伐
NGOや
ら
市民か
の批判
① YouTubeに、ネスレが製品に使用
しているパームオイルの生産が、
インドネシアの熱帯雨林を破壊して
いる、と指摘する映像が流れる。
② ネスレのFaceBookファンページ
(9万3千人が登録)にネガティブ
なコメントが多数寄せられ炎上。
③ 20万通以上の抗議メールが、
NestleのCEO宛に送りつけられる
④ 株主総会の会場でNestleの株主に
「Give the orang-utans a break」
と訴える抗議活動が展開される。
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出典: Greenpeace HPより
13
企業を取り巻くマルチステークホルダー
「ステークホルダーとの関係性」が経営リスク・機会に直結する時代に。
ステークホルダーは、事業基盤(資源・インフラ・ルール・人財・評判など)と密接に関係するため、企業は全ての事業プロセ
スで、さまざまなステークホルダーとの関わりを持つ。サプライチェーンはグローバルに広がっている。
株主・ 投
資家
従業員・
家族
企業
事業基盤
取引先
業界 団
体
地球・自然環境
政府・ 自
治体
地域 社
会
社会システム
国内外
の顧客
顧客
消費者
生物
多様性
将来
世代
製品/
サービス
リサイクル
/フォロー
NGO
事業プロセス(バリューチェーン)
調達
研究
/開発
生産
/品質
マーケ
ティング
販売
物流
人事労務 ・ 安全衛生 ・ 環境 ・ 総務 ・ 経理 ・ 財務 ・ 広報IR ・ 法務 ・ リスク管理 ・ 経営企画 ・ 監査
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GRI (Global Reporting Initiative)とは?
CSRレポートのためのガイドライン「サステナビリティ レポーティング ガイドライン」
を作成している団体。1997年アメリカのボストンで国連環境計画(UNEP)と
CERES (Coalition for Environmental responsible economies)が共同で設立し
た国際NGO。(現在はオランダが本拠地)
創始者メンバーは CERESのボブ・マッシー氏。企業、NGO、シンクタンク、コンサル
タント、経営者団体、大学などのマルチステークホルダーで構成。
グローバル企業に必要なサステナビリティ報告のスタンダードとなっている。
GRIガイドラインの発行および改訂のあゆみ
2000年 第1版(G1)発行
2002年 第2版(G2)改訂
2006年 第3版(G3)改訂
2011年 第3.1版(G3.1 )改訂
2013年 第4版(G4)改訂
経済・社会・環境のトリプルボトムラインに関して、正確かつバランスよく透明性の高い開示を企業に求めて
いる。ガイドラインでは、CSR活動において、経済的・環境的・社会的に「重要なテーマ」=「マテリアリティ」を
決定することマテリアリティを決める上でステークホルダー(利害関係者)の参画が重要としている。
トリプルボトムラインとは
経済、社会、環境の3側面の総収支を重視して、 総合的に「黒字」を目指すべきであるという考え
方。英国のコンサルティング会社 サステナビリティ社のジョン・エルキントン氏が提唱 した概念。
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GRIガイドライン内容改訂(G3→G4)のポイント
◎マテリアリティ報告へのシフト
1)マテリアリティに焦点を当てた情報開示
・チェックボックス方式(網羅性)からマテリアリティ報告へのシフトを明示
・①マテリアリティ②バウンダリー③マネジメントアプローチを三位一体で検討
※マテリアリティを「アスペクト」の切り口で選定⇒「マテリアルアスペクト」
・マテリアリティ選定プロセスの開示
2)開示項目を拡充
・ガバナンス:経営のサステナビリティへの関与を明確化
・サプライチェーン:経済、環境、社会の各指標へ反映
3)アプリケーションレベルを廃止
・代替として「準拠」(in accordance with)を導入
・「Core」 及び 「Comprehensive」の2つのレベルを設定
→経営層が関与しながら、企業がより積極的な意志をもって、報告する内容にステークホ
ルダーの期待・要求をふまえて決定していくプロセスを重視。
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「マテリアリティ」とは?
マテリアリティ=サステナビリティ(sustainability
マテリアリティ=サステナビリティ(sustainability context)の実現に向け、
context)の実現に向け、
取り組むべき事項をステークホルダー(stakeholder
取り組むべき事項をステークホルダー(stakeholder inclusiveness)の視点
inclusiveness)の視点
を入れて選定した重要課題(群)のこと
を入れて選定した重要課題(群)のこと
ステークホルダーにとっての重 要性
大
⼩
優先的な取り組みが必要な重要課題(群)
優先度を上げ
対応するCSR
課題
優先度は低いが継続的に
対応の必要性をウォッチする
CSR課題群
ステークホルダー
に取り組みの
必要性を
説明する必要
がある
CSR課題
大
自社にとっての重要性(経済・環境・社会側面)
※G3の解釈よりクレアン作成
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IIRC(=The International Integrated Reporting Council)の統合報告フレームワーク
統合報告とは、既存の財務報告に中長期的戦略を組み込み、6つの資本を重視した価値創造プロセス
統合報告とは、既存の財務報告に中長期的戦略を組み込み、6つの資本を重視した価値創造プロセス
及びコーポレート・ガバナンスや環境・社会側面に関する非財務報告(ESG)を統合したもの。
及びコーポレート・ガバナンスや環境・社会側面に関する非財務報告(ESG)を統合したもの。
IIRCは、マービン・キング教授を議長に、証券監督局国際機構(IOSCO)、国際会計基準審議会(IASB)、
IIRCは、マービン・キング教授を議長に、証券監督局国際機構(IOSCO)、国際会計基準審議会(IASB)、
国際連合、世界銀行を含む国際団体、企業、投資家、NGO、会計士団体の代表者で構成。
国際連合、世界銀行を含む国際団体、企業、投資家、NGO、会計士団体の代表者で構成。
統合報告書のターゲットは財務資本の提供者(=投資家)
統合報告書のターゲットは財務資本の提供者(=投資家)
IIRC
IIRC
(統合報告のフレームワーク)
(統合報告のフレームワーク)
フレームワーク
測定・開示基準
(開発団体)
財務情報
財務情報
IFRS:国際財務報告基準
IFRS:国際財務報告基準
(IASB:国際会計基準審議会)
(IASB:国際会計基準審議会)
非財務(ESG)情報
非財務(ESG)情報
GRIガイドライン
GRIガイドライン
(GRI)
(GRI)
連結バウンダリーでの報告
サプライチェーンも含めた報告
※IIRCフレームワークの解釈などよりクレアン作成
→IIRCはレポートを単に1冊にするのではなく、経営にESGを組み込む「統合思考」を重視。
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統合レポートとサステナビリティレポートは並存する
G4国際会議での見解は
・統合レポートとサステナビリティレポートの2つは今後も並存していくもの
・大きな理由としては発行の目的、ターゲットが異なるため
統合 レポ ート (報告書 )
サステナビ リティレ ポー ト(
ト ( 報告書 )
読者
投資家 ( 財務資本 の 提供者 )
マルチステ ー クホルダー
目的
価値創造 に 向 けた コミ ュニケー ション
社 会課題 の 解決 に 向 けた コミュニケ ーション
報 告範囲
連結
連結+
連結 + サプ ライチェ ーン まで 含 む
特徴
報告内容の
報告内容 の 客観性 ・比較可 能性 を重 視
ステ ークホ ルダー との 実践 コミ ュニケ ーション を 重 視
※G4カンファレンスでの見解及びG4の解釈よりクレアン作成
→世界の認識と日本の認識にずれが生じないようにしていくことが重要
→短期だけではなく、中期・長期的での価値創造する経営を重視。
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「バックキャスティング」は中長期的な経営ビジョンを考えるのに有効
=将来のあるべき姿を想定し、未来から現在を振り返って考えること
全く新しい発想でブレークスルーを図る思考法
出典:The Natural Step Japan
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20
ご静聴ありがとうございました
静聴ありがとうございました!
ありがとうございました!
「CSR経営を
経営を実践すること
実践すること」
すること」で
未来の
未来の子どもたちのために
安心・
で
安心・安全で
安全で輝く笑顔があふれる
笑顔があふれるHAPPYで
があふれる
サステナブルな
サステナブルな未来を
未来を創造しましょう
創造しましょう。
しましょう。
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21
(参考資料)CSRが生まれた背景の整理
例) オランダNPOセクターの支出はオラ
ンダ一国のGDPの15.5%、国民所得の
10.2%を占める (2003)
市民社会の発達
情報通信の発達
誰でも全世界に瞬時に
情報を発信し、受け取れる
④ 市民組織(NGO等)の
影響力拡大
市民の支持を受けたNGOによる
グローバル企業(Shell、Nikeなど)
への批判や抗議行動、協働の拡大
⑥ 非財務面の企業評価の枠
組みの整備
( 企業格付・評価、SRI )
世界人口の増加
2050年には世界人口
は90億人を越える
市場に委ねていても、公害
防止や資源劣化の回避、
公共財の十分な供給等が
実現されない
グローバル経済の拡大
① 企業の影響力拡大
外部不経済の拡大
・欧州: 26,654億ドル (2008)
世界の経済体(国家と企業)の上位100
のうち47が企業に(2008-09)
市場の失敗に対応すべき政府
が対応困難に
③ 政府の失敗/限界
市場の失敗
② グローバルな社会・環境問題の発生
(人類の持続可能性への危機感)
食・水資源の需給逼迫・価格高騰、気
候変動、自然災害の増加、資源の劣化
/枯渇、自然破壊と生態系サービスの
低下、貧困・格差拡大とテロ、経済成長
のジレンマ・・・など
・ ハードロー(法令)による規制型アプローチの限界
・ ソフトロー(社会規範)と社会監視による企業の主体
的な社会・環境配慮の促進 (競争原理の導入)
CSRランキングなどのほか、SRI (企業投資の際、
財務面に加えて環境や社会面のパフォーマンス
を考慮した投資)が拡大し、市場(株主・投資家)
や顧客を通じた企業への社会要請が拡大 (以下
はSRI市場残高)
・米国: 27,110億ドル (2007)
直近の200年間で経済規模は約
50倍に拡大
⑤ 消費者政策の変化
・ 行政規制型から市場重視型へ
(事前規制から明確なルールに基づく
事後規制型へ)
・ 行政監視から市場による監視へ
(コスト負担の問題)
企業の社会的責任(CSR)の誕生/発展
・日本: 8,971億円 (2011.3)
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22
(参考資料)統合報告書を巡るよくある誤解
誤解①
●統合報告書はアニュアルレポートとCSRレポートを1冊にまとめたもの
・投資家向けの数ある報告を「統合」するということ(「報告」の統合であり、「報告書」の統合ではない)
・株主価値向上に関する情報(「財務情報」)の中に、他のステークホルダーのための価値
や、社会価値、環境価値の向上に関する情報(「CSR情報」)を組み込むという、中長期的な企業経営に
関する情報内容の統合
誤解②
●統合報告書は社内の各部署から情報収集することで作成できる
・「各部署の活動報告をまとめたもの」とは異なる
・財務情報の中に、CSR情報を組み込むためには、部署横断的な検討が必要
・ビジネスモデルや事業戦略の中に、社会・環境への配慮を組み込む必要があり、経営層に
よる検討が必要
誤解③
●統合報告書は報告書発行コストの削減になる
・以下の理由により、検討に必要な手間や時間が大きく、コストを削減できるかどうかは一概に言えない(元々、
コスト削減は統合報告の目的ではない)
・社内横断的な検討プロセスや、経営層による検討プロセスが必要
・従来の報告書で扱っていない、新たな領域(価値創造プロセスの全体像)を報告することが必要
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23
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