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高齢期をこころよく過ごすには
高齢期をこころよく過ごすには 平成 20 年 6 月 2 日 講師:牧野 吉治 高齢期への関門(退職を契機) メリット 自由時間の増大、自由裁量の拡大 デメリット 退職で所得減少、生き方の自己責任、生活環境の激変 1、熟年離婚 妻からの一方的な申し出の離婚が多い。 性格の不一致、暴力、浮気など短期的な・・・どちらかと言うと長期の不満や 社会環境変化に価値観の変化。熟年離婚(同居期間20年以上)の2005年 の離婚件数40,395件、30年前比5・9倍、全離婚率の20%。19 年度 (18・4~19・2)年金の夫婦離婚時分離相談は年間 108,720 件、申請8,313 件、男性の申請21・5%。 2、定年を境に夫婦の家庭内地位の逆転現象 夫は企業価値の生産第一主義、競争原理の価値観などから家庭・地域に順応の 切り替え不十分で居場所が狭まる。それに所得の減少で夫の地位が低下。夫が 家庭内の縄張り圏への侵入。 夫婦関係の新しい構築 1、 亭主関白から「新亭主力」に転換 (「亭主力」角川新書SSC新書・夫婦円満、家庭円満の新!新方式・団塊世代の亭主たちを 救う!) 家庭内では一番偉いのはカミサン。妻を補佐し、99%上手に妻の尻に敶かれ るが、子供の前では亭主力を確保する姿勢を保つ。そして妻の笑顔を引き出し、 コミュニケーションをよくする。ただし、いざの時は乾坤一擲を発揮する。 愛の3原則 「ありがとう」 「ごめんなさい」 「あいしている」 夫婦喧嘩の非3原則 「勝たない」 「勝てない」 「勝ちたくない」 1 「亭主の居場所は妻の心の中にあり」 2、 妻から定年オヤジの改善策 「定年オヤジのしつけ方」小川有里著・講談社 「ああ、うっとうしい!毎日、家にいる夫」 「定年迷子」かかえた妻たちよ。今、立ち上がれ! 定年オヤジの特徴 1、 毎日ゴロゴロ居間にいる 2、 お昼は作ってくれるものと思っている 3、 テレビがお友だち 4、 趣味はない 5、 どこに行くにもついてくる 6、 妻に頼りきり 7、 近所のひとの顔や名前をまったく知らない 8、 妻の電話に聞き耳をたてている 9、 急にケチになった 10、1 日中パジャマのまま 夫育ての15条 第1条 即実行!「お昼は自分で作ってね」 第2条 お通夜晩ごはんにするなかれ 第3条 「感じない」夫に家事をさせる法 まず「二者択一」から、誉めて育てる、第1段階でいい、もっと手伝って よ、「今週の目標」方式が効く 第4条 第5条 第6条 「二人の世界」は不仲のもとなり 顔突き合わすは不仲のもと、「うつとおしい」 「窮屈」 夫婦別寝のすすめ(?) 夫のポチ化を食い止めよう! 夫が妻の外出についていく、「妻が側にいないといやだもん」と言う甘 えん坊。一人になったとき途方に暮れるから。 第7条 無趣味夫をやる気にさせる必殺法 妻は夫に「外に出る」趣味をすすめよう。ただし妻が参加しているサーク ルなどには誘わない。 第8条 第9条 2ヶ月1回。ふたりでお出かけを 病気になったときの心がけ。いたわり不足に気をつけよう 妻が病気になったときいたわりをしておかないと、敵をうたれる? 第10条 攻めるだけじゃなく、誉め言葉を惜しまない 2 第11条 夫の地域デビューを応援するべし 近所の人の顔と名前を覚えてもらおう、夫よ私の後ろ姿をみて育て。 第12条 第13条 仕事意欲を刺激!週1でも夫に仕事を 夫は夫、妻は妻。干渉は控えめに 第14条 ドーデモ夫にするなかれ すべてドーデモよくなってしまう夫、「バジャママン」。 第15条 いざというときのまい通帳をもつべし 老いない脳・生活習慣 いつまでも「老いない脳」をつくる、10の生活習慣・石浦章一著、ワック 体の健康を維持して脳がフルに力を発揮できるような土台を整え、頭を使う 習慣をつくるのが老いない脳に繋がる。 1、 週に1~2回以上、1回30分以上運動する 高齢者はムリが禁物。庭仕事、家庭菜園などは筋肉を使うのでよい。有酸素運 動として、手軽なのはウォーキングで毎日30分以上歩くのが望ましい。有酸 素運動や筋力運動は、体内と脳の血流をよくして、体と脳を活発にする。さら に血圧を下げ、カロリーも消費するので太り過ぎの予防。酸素を体に送り込む 力が維持され、体も脳も若さが保たれる。 2、 食事のバランスに気をつけて、食べ過ぎない 基本的には、野菜などバランスよく食べるが大切。動物質の取りすぎはコレス テロール値をあげ、動脈硬化の原因になる。それに対して、大豆タンパク質は 血中コレステロールを下げる作用がある。動物実験では、食事を制限すること で、寿命が延びることが報告されている。 3、 ストレスをうまく受け流す ストレスにうまく対処することが、健康で長生きする秘訣。神経質な人は、人 や状況にとらわれすぎて振り回されストレスが大きくなるので、多少自分勝手 に振舞うことも必要。 4、 人とのコミュニケーションのある生活 会話は脳をフルに使うが、定年退職後は、人間関係が少なくなり会話が減る。 それを補い家族のコミュニケーションを増やす。それに外部の人達たちとの趣 味・活動を広げコミュニケーションをはかる必要がる。 5、 好奇心をもって、新たなことに挑戦する 年をとるとともに、いろいろな経験を積み重ねるので、ものごとに驚かなくな る。好奇心はものごとをなし遂げる集中力を発揮し、ものごとに挑戦するのは 脳が活性化する。 6、 学習習慣を続ければ記憶力は保たれる リタイアしたら、自分の興味あることを学び続ける必要がある。年をとればと るほど、暗記ができなくなるが根気よく何回も繰り返せば覚えることができ、 それを繰り返せば少ない回数で覚えられる。 3 7、 目標をもつ 何かをやろうと思ったら締め切りを設定する。自分のことだけでなく、家族の ことにも目標をもつ。目標をもつことが、やる気を起こし、脳を活性化する。 趣味や学習習慣にも目標が必要。 8、 自分に報酬を与える 何かをなしとげたら、その報酬を自分で設定することで、ドーパミンが活用さ れ、脳の活性化となる。 9、 本を読む習慣を維持する 本を読めば言語野が活動するだけでなく、脳の各部位が活動する。 10、意識的に段取りをする 脳の機能が衰えてくると、意識しなくてもできていたような段取りもできなく なる。意識的に段取りをすることによって認知症の進行を遅らせことができる し、脳を活性化する。 中高年で伸びる知的能力・知恵 「生涯発達の心理学」 ・岩波新書 「流動性知能」 (図形弁別や図形構成など)は、比較的環境の影響を受けにくい 能力であり、これは青年後期ないし成年初期にピークに達し、中高年期にかけ て次第に低下していくと想定される。 「結晶性知能」 (語彙や社会的知識など)は、かなり遅い時期まで維持されるか かえって上昇するらしい。経験に基づく知識によることが大きいと考えられる。 中高年の有能さ 中高年期には個人差がきわめて大きいので、比較的早く有能さを失う人もいる が、エキスパートとしてゆるぎない名声と、それに見合った有能さを持ち続け る人もいる。高齢者であっても、健康がよく、しかも社会的文化的環境によっ て十分サポートされているならば、高い知的能力を維持し、時としてはそれを 増大させるのも可能。自分で選んだ分野においてはあとまで有能さを保たれる。 知恵・人生の問題解決能力 人生の重要でしかも不確かな出来事に対する判断能力の「知恵」が、年齢が高 くなるにつれて次第にはっきり現れてくる可能性がある。長い年月の問題の経 験を集積したことにより、高齢者がこの分野でエキスパートになっていること が考えられる。 以上 4