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表 2.7.4 締固め含水比と土の性状 段階 状態 模式図 土の性状 第一段階
段階 状態 模式図 第一段階 半固体状領域 第二段階 弾性体的な領域 第三段階 塑性体的な領域 第四段階 半粘性流体的な領域 表 2.7.4 締固め含水比と土の性状 土の性状 ・水の量が土粒子、空気間げきに比べて少ない状態。 ・各土粒子は水による繋がりを完全にはもてないので、突固めの衝撃 により土粒子個々の運動が容易で飛び跳ね、密な状態に安定出来 ず、一般的に乾燥密度は小さい。 ・この状態で締固められた土は、脆く、変形抵抗はかなり大きいが、 強度は小さい。空気間げきは大きいので、透水性はよく、水中では 破壊し易く、水に対する抵抗性は小さい。 ・しかし、粗粒で粒径の揃った砂では、この段階で最大乾燥密度を示 すことがある。これは、土粒子の重さがランマーによる衝撃による 飛散に耐え、その振動によって不安定なかみ合いが外れて密な堆積 状態になるためと考えられる。 ・突固めにより土粒子が互いに接近させられたとき、土粒子間の水が 各粒子に付着し、その水と間げき空気との間にメニスカスができ、 その表面張力により、土粒子間に強い繋がりが出来てくる状態。 ・土粒子の運動が制約されるため、締固められた土の外観は固体的で、 強度や貫入抵抗は最大を示し、性状は弾性的である。 ・突固め後の密度は、一度突固められた部分が、次ぎのランマーの落 下で緩められることが少なくなるので、第一段階より大きくなり、 透水性は低下する。 ・しかし、空気間げきは相当残っているので、水の浸入で間げきが水 で満たされるとメニスカスが消滅し、強度は低下する。 ・一方、粒径の揃った粗粒土では、粒子間の水の表面張力が粒子の移 動を拘束し、乾燥密度の減少を招くことがある。 ・土粒子間の水が豊富になり、土粒子間の水のメニスカスの曲率が小 さくなり、水が土粒子相互の移動の潤滑をよくするように働き、土 粒子の移動が再び容易になる状態。 ・第一段階のような互いに繋がりのない粉体・粒体状ではないので、 粒子独自の大きな移動は拘束され、第二段階よりも残留気泡の抜け 出しが容易となり粒子の配置変えがたやすくなる。このため、土は 密な状態になりうる。したがって、この状態のときに最大乾燥密度 が得られる。 ・突固め時の粒子の移動が容易であるので、規則正しい粒子配列が予 想され、突固められた土の均等性はよく、密度は高く、透水性は低 くなる。 ・この状態では、土はだいぶ湿った外観を呈し、第二段階より強度、 変形抵抗は低くなる。 ・土の間げきのほとんどが水で飽和され、土粒子は完全に水で覆われ て、土粒子相互の凝集力を失い、次第に粘性粒体的な性質を帯びて くる状態。 ・細粒土やそれを多く含む土では、突固め時に土の表面が餅をつくよ うに波うち、ランマーは土の中に潜って吸い付けられ、突固めがし にくい状態(うむ状態、オーバーコンパクション)。 ・強度、変形抵抗は減少し、乾燥密度は小さくなる。 ・この段階は、余剰な水を保持できる土でなければ存在せず、砂では この状態はほとんど存在しない。 ・この段階は、飽和度 Sr=100%(空気間げき率 Va=0%)まで、続くは ずであるが、突固めでは実際には困難で、一般に Va=5%程度は残 るといわれている。