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Vol.18 - 株式会社パブリック・マネジメント・コンサルティング

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Vol.18 - 株式会社パブリック・マネジメント・コンサルティング
発行者 公会計改革に協力する会計人の会
協 力 株式会社PMC
発行日 平成21年10月16日
平成21年3月4日
12
18
Vol.
本号では、資本的支出に含まれる費用について解説します。
1
資産形成と
資産形成と修繕の
修繕の区別
土木事業に投じた予算の多くは、取得した有形固定資産の増加として計上され、貸借対照表の「資産の部」に組
み入れられます(資本的支出)。しかし、全てのケースでそうではありません。
例えば、毀損した資産を修繕するための工事として認められるものは「修繕費」となり、行政コスト計算書の「費
用の部」に計上されます。
資本的支出と修繕費について、企業会計においては次のように解説されています。
(1) 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額。
(2) 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額。
(3) 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取
替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額。
法人税法基本通達 7-8-1
「資本的支出の例示」より抜粋
(注) 建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得に当たる。
(1)建物の移えい又は解体移築をした場合における、その移えい又は移築に要した費用の額。
(2)機械装置の移設に要した費用(解体費も含む)の額。
(3)地盤沈下した土地を沈下前の状態に回復するために行う地盛りに要した費用の額。
(4)建物、機械装置等が地盤沈下により海水等の浸害を受けることとなったために行う床上げ、地上げ又は移設に要
した費用の額。ただし、明らかに改良工事であると認められる場合のその改良部分に対応する金額を除く。
(5)現に使用している土地の水はけを良くする等のために行う砂利、砕石等の敷設に要した費用の額。
また、砂利道又は砂利路面に砂利、砕石等を補充するために要した費用の額。
この修繕費
この修繕費について
修繕費について、
について、公会計においては
公会計においては、
においては、
次のような定義
のような定義が
定義が示されています。
されています。
法人税法基本通達 7-8-2
「修繕費に含まれる費用」より抜粋
既存の
既存の固定資産の
固定資産の価値を
価値を増加させない
増加させない修繕
させない修繕・
修繕・補修・
補修・改修・
改修・改築・
改築・改造等は
改造等は、固定資産の
固定資産の増加として
増加として認識
として認識しない
認識しない。
しない。
例1) 漁港・港湾の浚渫工事で、水深が従前と変わらないもの。
例2)河川の堤防の改修工事で、堤の容量や材料が従前と変わらないもの。
例3)災害復旧において、新規に作り直す部分以外等。
「新地方公会計制度実務研究会報告書」
137段
2
公会計に
公会計に登場した
登場した実例
した実例
以下の各項は、いずれも公会計に登場したことのある実例です。
施行条件によってケースバイケースな点はありますが、資本的支出[A]なのか修繕費[B]なのか、
この面の最下段に計上事例を掲載していますので、皆さんも考えてみてください。
10.フェンス、外構物設置工事 [ ]
1.耐震補強工事 (庁舎、保育園、学校、道路)[ ]
2.道路局部点々舗装 [ ]
12.アスベスト除去、土壌改良工事 [ ]
3.建物付帯設備の取替 (流排水、冷暖房、昇降機) [ ]
4.道路舗装の全体やり直し [ ]
5.側溝新設、歩道新設、バリアフリー工事 [ ]
6.電線地中埋設工事、水道管埋設工事 [ ]
7.側溝補修、交通標識板補修 [ ]
8.防犯燈、道路燈補修 [ ]
13.植栽補修工事(学校、公園等) [ ]
14.法面補修工事、落石防止工事 [ ]
15.トイレ洋式化工事 [ ]
16.配水管移設工事 [ ]
17.水路補修工事、池沼堤防修理工事 [ ]
18.汚水処理施設部品取替 [ ]
9.建物全面塗装工事(庁舎、校舎等) [ ]
3
11.解体工事(庁舎、校舎、道路、水路等) [ ]
19.インターフォン設置工事(学校) [ ]
資産形成事業費に
資産形成事業費に含まれる「
まれる「費用」
費用」
資産形成を目的とした事業費にも、一部は費用として区別することが妥当なものが含まれます。逆に、付随して
発生した別の事業の費用について、取得資産の価額に組み入れて考えるべきものもあります。
土地、建物、工作物等の固定資産を有償取得した場合、その取得価額については、企業会計原則(第三-五-D)に
準拠し、当該資産の取得にかかる直接的な対価の他、引取費用等の付随費用を含める
「直接的な対価」「付随費用」の中身について、具体的には以下のように定義できます。
「実務研究会報告書」
第141段
a)工事請負費
a)工事請負費・
工事請負費・公有財産購入費・
公有財産購入費・備品購入費
・実務研究会報告書で「直接的な対価」として表現されている部分。その資産の本来の価額と言えます。
b)委託料
・その設備の製作に要する設計料、監理料
・製作に先んずる調査、企画、計画の委託
c)補償、
補償、補填費
・立ち退きの為の直接の費用(退去費用の負担など)、取り壊し費用や、廃材の運搬費等々一般的な補償費
・資産に関する公正価値評価を重視するため
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