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画像診断で使われる画像処理技術2
空間領域 画像処理 空間周波数領域 平滑 filtering 雑音除去,平滑化 微分 filtering edge,輪郭を取り出す 強調 filtering edge,輪郭を強調する ・移動平均 ・加重平均 ・ガウシアン ・メディアン ・1次微分 ・2次微分 ・鮮鋭化 原画像-微分画像 ・Prewitt ・Sobel ・Laplacian 空間領域 画像処理 フーリエ変換を行う 空間周波数領域 (手順) 2次元 (1) 入力画像(原画像)をフーリエ変換[(u,v)] 2次元 (2) 演算子(マスク,フィルタ)をフーリエ変換[(u,v)] (3) (1)と(2)の積をとる (4) (3)の結果をフーリエ逆変換し,処理画像を得る (逆フーリエ変換) f x, y h x, y g x, y 入力画像 f(x, y) フーリエ変換 (1) F(u, v) (3) フィルタ (2) H(u, v) F(u, v)×F(u, v) h(x, y) 線形フィルタであれば, 上記式が成り立つ 空間領域での 画像処理 空間周波数領域 での画像処理 = G(u, v) G(u, v) (4) フーリエ逆変換 g(x, y) 処理画像 g(x, y) 畳み込み積分定理(convolution定理) 2つの関数f(x),h(x)の畳み込み積分のフーリエ変 換は,それぞれの関数のフーリエ変換F(ω),H(ω) の積で表される f x hx F H 実領域での畳み込み積分は, 周波数領域では掛け算で行える 空間処理と空間周波数処理 f(x,y)*h(x,y) 入力画像 f(x,y) 出力画像 空間フィルタリング g(x,y) F-1[G(u,v)] F[f(x,y)] フーリエ変換 F(u,v) * :コンボリューション記号 フーリエ逆変換 F(u,v)×H(u,v) 空間周波数フィルタリング G(u,v) F(u,v)とH(u,v)のデータサイズを同じにさせる必要がある 空間周波数領域での代表的フィルタリング (1)低域通過フィルタ[low-pass filter](高域遮断フィルタ) 1, u f 0 (1次元) H u 0, otherwise 2 2 1, u v f0 (2次元) H u , v 0, otherwise H(u) 1 f0 u H(u,v) 0 f0 f0 1 F(u,v) H(u,v) F(u,v)×H(u,v) 画像に含まれる空間周波数 成分のうち,低周波数成分は 残し,高周波数成分は除去す るようなフィルタ (2)高域通過フィルタ[high-pass filter](低域遮断フィルタ) 1, u f 0 (1次元) H u 0, otherwise 1, u 2 v2 f0 (2次元) H u , v 0, otherwise high-pass filter = 1 - low-pass filter H high u, v 1 H low u, v H(u) 1 f0 u H(u,v) 1 f0 f0 0 画像に含まれる空間周波数 成分のうち,高周波数成分は 残し,低周波数成分は除去す るようなフィルタ F(u,v) H(u,v) F(u,v)×H(u,v) (3)帯域通過フィルタ[band-pass filter] (1次元) 1, f 0 u f1 H u 0, otherwise H(u) 1, f u 2 v 2 f 0 1 (2次元) H u , v 0, otherwise 1 f0 f1 u H(u,v) f1 0 f0 f0 f1 1 画像に含まれる空間周 波数成分のうち,ある 中間的な周波数の範囲 を通すようなフィルタ F(u,v) H(u,v) F(u,v)×H(u,v) 周期の異なるサイン波の合成 混合波 高周波成分 低周波成分 = + 低周波成分 (入力)混合波 FT IFT 空 間 周 波 数 フ ィ ル タ リ ン グ FT IFT low-pass filtering 高周波成分 FT IFT high-pass filtering f(x,y) H(u,v) g(x,y) G(u,v) IFT FT F(u,v) H(u,v) g(x,y) G(u,v) IFT H(u,v) g(x,y) G(u,v) 空間周波数フィルタ 通過域(白):1 遮断域(黒):0 IFT ・移動平均フィルタ low-pass filterの性質有 1 x y h x, y 2 rect , w w w FT sin wu sin wv H u, v wu wv 1 1 1 x かつ y のとき 2 rect x, y 2 0 その他 h(x,y) h(x,y) 1/w2 1 H(u,v) H(u, v) 3/w 3/w u -2/w -1/w 1/w 2/w w/2 x -w/2 0 ・ガウシアンフィルタ FT x2 y2 h x, y exp 2 2 2 2 1 h(x, y) h(x,y) low-pass filter H(u, v) H(u, v) x 3σ 2σ σ σ 0 68.3% 99.7% 2σ 3σ H u, v exp 2 2 2 u 2 v 2 u 原画像 histogram ウィンドウイング条件B A B WL ウィンドウイング条件A WW WW WL Dynamic Range (DR) 圧縮の概要 一般的な階調処理では,画像中の全濃度域に対してなんらか の濃度変換が行われる. これに対して,ある範囲内の濃度域に対してのみ濃度変換を 実施し,その範囲外では原画像の濃度を維持する局所的な 階調処理がある. この局所的な階調処理は,ダイナミックレンジ(dynamic rage: DR)圧縮処理と呼ばれ,医用画像では主に可視不良な低濃 度域(あるいは高濃度域)を可視できる濃度域に引き上げる (あるいは引き下げる)ために使われる. ダイナミックレンジ圧縮処理は,局所的な濃度域において高周 波成分のコントラストは保持しつつ低周波成分のコントラストの みを調節する階調処理であるともいえる. DR圧縮処理の手順 画像表示で画像情報を変えずに広い診断可視域を実現する ための新しい画像処理法 局所的な階調処理法 fave(x, y) 平滑化 処理 原画像 f(x, y) 低周波 成分画像 濃度変換関数 h[ ] 濃度変換 (階調変換) h[fave(x, y)] + DR圧縮 画像 g(x, y) = f(x, y) + h[fave(x, y)] (1)原画像に平滑化処理を実施し低周波成分画像を作成する (2)低周波成分画像に予め定めておいた濃度変換関数を適用する (3)濃度変換関数の出力画像を原画像に加算する g(x, y) 4096 4095 4096 4095 ①原画像 3072 3071 平滑化 3072 3071 2048 2047 2047 2048 1023 1024 1023 1024 f(x, y) 00 h(x) 1023 濃度変換関数 (0,α) 2047 00 2048 2047 1024 1023 (β,0) x ②低周波成分画像 fave(x, y) ③低周波成分画像に対する 濃度変換関数の出力 00 4095 -1023 -1024 h[ ] h[fave(x, y)] -2047 -2048 x , h( x ) 0, x x 4096 4095 3072 3071 DR圧縮画像 (①+③) 2048 2047 低濃度部DR圧縮 1024 1023 00 f(x, y) + h[fave(x, y)] 4096 4095 4096 4095 ①原画像 3072 3071 平滑化 3072 3071 2048 2047 2047 2048 1023 1024 1023 1024 f(x, y) 00 h(x) 濃度変換関数 h[ ] 2047 4095 x ②低周波成分画像 00 2048 2047 1024 1023 fave(x, y) ③低周波成分画像に対する 濃度変換関数の出力 00 (β,0) -1023 -1024 -1023 (xmax,α) x 0, h( x ) x , x x max x max h[fave(x, y)] -2047 -2048 4096 4095 3072 3071 DR圧縮画像 (①+③) 2048 2047 高濃度部DR圧縮 1024 1023 00 f(x, y) + h[fave(x, y)] 2048 4095 1024 3071 ④高周波成分画像 (①-②) 2048 4095 1024 3071 0 2047 0 2047 -1024 1023 -1024 1023 0 -2048 4096 4095 3072 3071 f(x, y)- fave(x, y) ⑤濃度変換後の 低周波成分画像 (②+③) 0 -2048 4096 2047 3072 1023 2047 2048 20480 1023 1024 -1023 1024 0 0 4096 4095 3072 3071 fave(x, y)+h[fave(x, y)] -2047 0 4096 低濃度部DR圧縮画像 (④+⑤) 4095 3072 3071 2048 2047 2048 2047 1024 1023 1024 1023 00 f(x, y) + h[fave(x, y)] 00 ④高周波成分画像 (①-②) f(x, y)- fave(x, y) ⑤濃度変換後の 低周波成分画像 (②+③) fave(x, y)+h[fave(x, y)] 高濃度部DR圧縮画像 (④+⑤) f(x, y) + h[fave(x, y)] 原画像 DR圧縮画像 4096 4096 3072 3072 2048 1024 0 β=2400 α=1300 POSITION 原画像の太線上の濃度プロファイル 2048 1024 β=2400 α=1300 POSITION 0 DR圧縮画像の太線上の濃度プロファイル ボケマスク処理 Unsharp Masking アンシャープマスク処理 非鮮鋭マスク処理 原画像 高周波成分を強調することを目 的とした高域強調フィルタである. 画像の鮮鋭化の手段として最も 頻繁に使われている.本質的に は鮮鋭化フィルタと同じである。 強調画像(鮮鋭化画像) アンシャープマスク処理 注目画素を含む局所領域(Mask)の平均画素値fave(x, y) とオリジナル画像の画素値f(x, y)の差に重み係数wを 積算して,それをオリジナル画像の画素値に加えた値を 処理画像の画素値g(x, y)とする. fave(x, y) 平滑化 処理 処理画像=原画像+重み係数×(原画像-平滑化画像) ボケ画像 (低周波成分画像) [f(x, y)-fave(x, y)] 荷重 weighting 原画像 差分画像 w[f(x, y)-fave(x, y)] f(x, y) (高周波成分画像) 重み係数 処理画像 + g(x, y) = f(x, y) + w[f(x, y) -fave(x, y)] g(x, y) 非鮮鋭マスク処理 1.ボケ画像生成:画像に ローパスフィルタを施し, ボケ画像(低周波成分画 像)を生成する 2.差分画像生成:原画像か らボケ画像を減算すること により,差分画像(高周波 成分画像)を生成する 3.強調画像生成:重みをつ けた差分画像を原画像に 加えることで強調された 画像(鮮鋭化画像)を得る f(x) Original Signal fave(x) Lowpass Signal f(x)- fave(x) Highpass Signal g(x)=f(x)+w×[f(x)- fave(x)] Sharpened Signal Original image f(x, y) Low-pass image (Mean filtering) fave(x, y) High-pass image Sharpened image (Original – Low-pass) (Original + f(x, y) – fave(x, y) w×High-pass) アンシャープマスキング G u , v F u , v H h emph u , v F u , v 1 kH high u , v 高域強調フィルタ ハイパスフィルタ F u , v 1 k 1 H low u , v ローパスフィルタ F u , v k 1 kH low u , v 空間周波数領域 空間領域 k 1F u , v kF u , v H low u , v 平滑化フィルタ g x, y f x, y w f x, y f x, y * hlow x, y w 1 f x, y wf x, y * hlow x, y 国家試験問題 画像処理で誤っている組み合わせはどれか。 a. 加重平均 -- S/Nの改善 b. 高域周波数の増強 -- 輪郭の強調 c. 階調処理 -- コントラストの調整 d. スムージング -- ノイズの増加 1. a, c, dのみ 2. a, bのみ 4. dのみ 5. a ~ dのすべて 3. b, cのみ A:4 2011年 国家試験問題 画像処理で正しいのはどれか。2つ選べ。 1. 平滑化処理は雑音を強調する 2. DR圧縮は局所的な階調処理である 3. 微分フィルタ処理は低周波領域を強調する 4. ウィンド幅を狭くするとコントラストは低下する 5. ボケマスク処理はエッジのコントラストを増大する A:2,5 2009年 国家試験問題 ア 原画像(A)と次式で示される処理画像(B)を示す。 g(x, y) = f(x, y) + k[f(x, y) -fs(x, y)] B 処理画像 正しいのはどれか。 ただし, g(x, y) は処理画像, f(x, y) は原画像, fs(x, y) は 平滑化画像,kは強調係数と する。 1. ア 2. イ 3. ウ 4. エ 5. オ イ ウ エ オ A 原画像