...

2016/02 - 北白川幼稚園

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

2016/02 - 北白川幼稚園
学校法人 北白川学園
Dec.- Mar.
冬
!
山びこ通信
2015
­ 2016
i
isc L bens
D
たのしい学び。本当の学び。大人も子どもも!̶ クラス便りとエッセイ
山の学校
学期号
lvdvs collinvs
しぜん イタリア語 ラテン語
ウェブプログラミング ロシア語
フランス語 数学
歴史 ギリシャ語
かいが ユークリッド幾何
将棋道場
ことば
ドイツ語
つくる 漢文 かず
英語
と文化 / 倫理 )
(社会
/
数学
/
調査研究
/
法律
/
生活
山の学校ゼミ
ロボット工作
2 4
13
20
16,17
15,19
13
6
14
イベント
7,9
4,5
18
8 9
17
12
9
素読 と子どもたち
山の学校代表
11
9
山下 太郎
私は山の学校で「論語」の素読を担当しています(月に一回、小学生対象)。やり方は幼稚園で行なっている
俳句と同じです(週に二回、年長児対象)。どちらも正座をして挨拶し、黙想するところから始まります。俳句は五、
七、五の切れ目まで、一方、
「論語」は切りのよいところまで私が先に言葉を発し、子どもたちがそれを復唱します。
「論語」の素読は今も草の根レベルで行われていると思われますが、幼児を対象とした俳句の素読はおそらく
全国的にもまれだと思います。これは幼稚園の創設当初に祖父の発案で始まったものです。「幼児と俳句」と題
したエッセイ(『この道50年』所収)の中で、父が祖父の心中を次のように伝えています。
「俳句なら短かくて覚えやすいし、文学的なリズム感もある。就学前の準備教育とは違い、早くから知ってい
たからといって入学後の学習の妨げにもなるまい。幼児期にこそ、日本古来の最短詩である俳句を通して、
知育よりもむしろ詩ごころの根っこを育ててやりたい」。
昔と今と、子どもたちを取り巻く環境は大きく変化しましたが、今の子どもたちが、俳句や「論語」といっ
た伝統に根ざした「大人の言葉」、「本物の言葉」を渇望していることは実践して初めてわかります。素読とま
でいかなくても、家族で百人一首をすれば、読み手となる大人は誰もがこのことを実感するのではないでしょ
うか。
さて、山の学校の「論語」では、私は本来の素読を離れ、子どもたちにいろいろな問いを出すようにしています。
例えば、「徳孤ならず。必ず隣あり」を紹介した後、「この『とく』とはどんな漢字かな?」といった具合に。
下の学年から尋ねていくと、ある生徒は「得」、別の生徒は「特」と答え、最後に上級生が「道徳の徳」と答え
てくれます。
知識の確認をするためというよりも、こうしたやりとりそのものを大事にしたいと思い、私はできるだけ
子どもたちにとって身近な話題を取り上げ、対話(問いと答え)の時間をもつようにしています。「論語」にか
ぎらず中国古典の魅力は、一字一句、一文一文が多様な解釈を許容する点にあります。すでに知っていると思っ
ている言葉も、観点を変えて問い直すと面白い発見があります。
子どもたちの反応を見ていると、ある程度わかりやすい言葉とそうでない言葉があります。「利によりて行え
ば怨(うら)み多し」や「君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩る」などは、内容を説明すると低学年の
子どもたちも「なるほど」という顔をします。逆に「君子は器(き)ならず」は、「器」でいけない理由を
子どもに伝えるのは難しく、また、「巧言令色すくなし仁」も、説明に手こずる言葉です。もちろん、素読とい
うことでいえば、言葉を尽くして理解してもらうことが目的ではありません。
昨年の某日。この日は許可を得て幼稚園の年長児が参加していたこともあり、基本に戻って冒頭の言葉のみ
を扱うことにしました。
子曰く(しのたまわく)、学びてしこうして時に之(これ)を習う、また説(よろこ)ばしからずや。朋(とも)
遠方より来たる有り、また楽しからずや。人知らずして慍(うら)みず、また君子ならずや。
〈 ▶巻末へ続く〉
発行元 学校法人 北白川学園 山の学校 〒606-8273 京都市左京区北白川山ノ元町 41
9,10
『しぜん』
1
A クラス
B1 クラス
2
担当 梁川 健哲
C1 クラス
『しぜん』
担当 小坂 諒
B2 クラス
3
C2 クラス
『つくる』
4
担当 福西亮馬
『つくる』
担当 小坂 諒
1∼2年
2∼4年
5
『かいが』
A クラス
B クラス
6
6
担当 梁川 健哲
『ことば』
『ことば』
『ことば』
担当 小坂 諒
担当 福西 亮馬
7
『かず』
『かず』
8
『かず』
『かず』
『かず』
担当 福西 亮馬
担当 吉川 弘晃
『中学・高校数学』
『ことば』
担当 福西 亮馬
山の学校ゼミ『倫理』
『調査研究』
担当 浅野 直樹
担当 浅野 直樹
『かず』
1
2
3
98
a
S = 100
2
99
99
2S = 101 101
2S = 101 × 100
S = 5050
n
100{2 1
Sn
99 1}
2
S
3
98
98
99
3
101
担当 浅野 直樹
100
d
S100 =
S=1
『中学・高校数学』 『高校数学』
Sn =
n{2a
(n 1)d}
2
= 5050
100
2
101
1
101
101
9
1
2
4
256
a
512
r
1024
n
Sn
Sn =
1(1 2 )
2047
=
= 2047
1
1 2
11
Sn =
a(1 r n)
(r
1 r
1)
S
S=1
2
2
2S = 2
4
8
16
32
4
8
16
32
)
2S = 2
S=1
4
2
8
4
16
8
)
2S =
S=1
2
2
4
4
8
8
64
64
32
16
16
16
128
128
64
32
32
32
256
256
128
64
64
64
512
512
256
128
128
128
1024
1024
512
256
256
256
2048
1024
512
512
512
2048
1024
1024
1024
2048
S = 2048 1
S = 2047
『中学数学』
10
担当 吉川 弘晃
『中学英語』
『中学英語』
『高校英語』
担当 吉川 弘晃
『英語講読』 (John Dewey, Essays in Experimental Logic)
『高校英語』
『英語文法』 『中学英語』
『高校英語』
dis
incredibly
+y[ly]
+cover
2016
+tract
担当 浅野 直樹
『中学英語』
contract
influence
discover
in
+cred
+ibl[ible]
con
influence
com
in
+pose
+flu
compose
+ence
+tract
+ion
attraction
influenza
com
+passion
compassion
at[ad]
11
Essays in Experimental Logic
John Dewey
idea, reflection,notion
reflection
notion
+ion
note
山の学校ゼミ『社会』
12
re
idea
+flect
担当 中島 啓勝
『イタリア語講読』
担当 柱本 元彦
『ロシア語講読』
担当 山下 大吾
T
N
13
『フランス語講読』
A
担当 渡辺 洋平
6
L’ africain
120
1
7 8
8
8
=
6
esprits animaux
14
『ラテン語初級講読』
担当 山下 大吾
C
4
A
humanitas
A
B
aurea mediocritas
Ca
C
6
Cu
26
D
2
Ci
virtus
『ラテン語初級』A・B 『ラテン語初中級』『ラテン語中級』
『ラテン語上級』
A
担当 広川 直幸
Hans H. Ørberg, Lingua Latina I: Familia Romana
B
Exercitia Latina
Hans H. Ørberg, Lingua Latina I: Familia Romana
Ørberg
Exercitia
PHI Latin
Texts
O. Seel
W. Hering
2
15
2014
A. J. Woodman, C. S. Kraus, Tacitus: Agricola
OCT
1
D. H. Garrison, The
Student’s Catullus
『ギリシャ語初級』 『ギリシャ語中級』
『ギリシャ語上級』 担当 広川 直幸
Peckett & Munday, Thrasymachus
4
2
23
A
L. Tarán, D. Gutas,
Aristotle: Poetics. Leiden: Brill, 2012
D. W. Lucas, Aristotle: Poetics. Oxford UP, 1968
B
Wilson
Dover, Aristophanes: Clouds. Oxford UP, 1968
Dover
Sommerstein
Henderson
Dover
2
10
interpolation
800
16
OCT
K. J.
『新約ギリシャ語初級』
7
担当 堀川 宏
2
『ロボット工作』
担当 小坂 諒
DC
arduino
xyz
xy
3
2
z
17
月例イベント
『将棋道場』
座主 中谷 勇哉
10
9
4
20
(
18
!)
『ラテン語講習会』クラス便り
担当 山下 太郎
19
〈 ● 巻頭文の続き〉
慣れ親しんだこの言葉を全員で朗誦した後、私は子どもたちに次のような話をしました。
「復習することは楽しいですか。家に帰って学校で学んだ事を復習するのは大事です。コツをいいます。六年
生は五年生、五年生は四年生の勉強に必ずうっかりしていること、積み残しがあります。二年生は一年生で習っ
たことをやり直すと『なるほど、そういうことだったのか』とわかることがあるはずです。その発見は『よろ
こばしからずや』です。では尋ねます。一年生は何を復習すればいいのでしょうか」。
こう聞くと、みな困った顔をしました。一人の小学一年生が答えました。
「幼稚園には教科書はない」と。お見事。
その通りです。次に、二年生が答えました。「一年生でもすでに習ったものがある。それをやり直せばいい」。
2015
­ 2016
これもその通りです。私は次のように話を続けました。
「今日集まったみなさんは幼稚園時代に何を学びましたか。俳句の時間に園長先生が言ったことを思い出して
下さい。『姿勢が大切。小学校に行ってもよい姿勢で学んで下さい』と繰り返し言いましたね。そのことはどう
しても忘れがちです。ほかにもたくさんのことを幼稚園時代には学びました。今できていることもあれば、で
きていないことや忘れてしまったことがあるかもしれません。そのようなことをもう一度思い出してみて下さ
い。そして『なるほど、そういうことか』と納得できるなら、それもまた『よろこばしからずや』です。
孔子は学校の勉強を学ぶことだけを『学ぶ』と言ったのではありません。むしろ、幼稚園時代にみなが大切
にした優しさや思いやりや勇気の一つ一つを大人にもわかるように説明していると先生は思います。たとえば、
みなさんは、手をつないで幼稚園に通いました。年少児が泣いたとき、『だいじょうぶ?』とやさしくしてくれ
ました。そんなみなさんを孔子は『君子なるかな』と言うでしょう。君子とは立派な人という意味です。大人
だけが立派だという意味ではありません。今いるみなさんも、良い姿勢で学び、家族や友達を大切にして毎日
を過ごせば、君子と呼ばれるのです。この『論語』という本にはそういう生きる上で大切なことを『思い出す』
冬
平
成
28
年
︵ 2
平 月
成 27
15 日
年 発
7 行
月 ・
第 通
1 巻
号 第
発 50
行 号
︶
ヒントがいっぱい書かれています。そしてその大切なことは、幼稚園ですべてみなさんは学んだのです。これ
冒頭の言葉はこれまで何度説明したか、何度声に出したかわかりません。子どもたちの真剣な姿勢と表情が、
この日は上のような話を導いたと感じています。私にとっても、素読の時間は新鮮な言葉との出会いの場になっ
ています。 (山下太郎)
2016 年
4 月開講 新クラス会員募集。
小学生『歴史』クラス
木曜 17:30∼18:30(予定)
吉川 弘晃
「日本では小学生から日本の歴史
(京都大学文学部西洋史学専修
山の学校講師)
(社会)を学びますが、歴史とはどの科目
にもまして不思議と楽しさにあふれる学び
です。なぜなら、過去に起きた
人間が関わるあらゆるものを物語の形にして自由に考えられるからです。
しかし、
「自由」といっても、一つだけ重要なルールがあります。それは、物語の一つひとつに証拠を示
して相手に理解してもらうことです。クラスでは、日本の歴史を理解するうえで基本的な道具を、国語や算
数、理科の知識を引っ張りながら(歴史は知の総合格闘技です)、楽しんで身に付けていきます。
」
発
行
元
学
校
法
人
北
白
川
学
園
北
白
川
幼
稚
園
・
山
の
学
校
京
都
市
左
京
区
北
白
川
山
ノ
元
町
41
FREE PAPER
からも、がんばって声に出していきましょう」。
Fly UP