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空間点過程理論を用いた 都市施設立地シミュレーション

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空間点過程理論を用いた 都市施設立地シミュレーション
1
空間点過程理論を用いた
都市施設立地シミュレーション
システム情報工学研究科
指導教員 鈴木 勉
鄭 起宅
200920681
様々な都市施設の立地分布
小学校の分布


駅の分布
ホテルの分布
都市施設(点的)の種類および分布パターンは様々
(何らかの)立地法則⇒現実での立地分布
2
施設の立地法則
「地域施設の研究を行う場合,研究方向は大きく二つに
区分して考えることができる.一つは施設団体の機能,
使われ方などを究明し,新たな計画にフィード・バックし
ようとするものであり,他の一つの方向は,施設それ自身
を要素とする施設の集合を対象として施設相互の関係
の秩序と法則を求めようとすうるものである」
(柏原(1991)「地域施設計画論」より)
施設がどのような立地法則をしているかの解明が必要
3
立地規制によるリスク制御
迷惑施設の立地は不確実性を内包するリスクとして存在
立地可能
工場
<立地規制の無い場合>
立地不可
<立地規制のある場合>
立地規制により,リスクを制御している
4
各施設に対する用途地域別規制
区 分
用 途
住居用 住居、共同住宅、寄宿舎、下宿
文教
小学校、中学校、高等学校
大学、高等専門学校、専修学校
自動車教習所
図書館
宗教
神社、寺院、教会
医療福祉 診療所、保育所
一般公衆浴場
老人ホーム、身体障害者福祉ホーム
病院
老人ホーム、児童厚生施設
商業用 劇場、映画館、劇場、観覧場 (△は200㎡以上のものは禁止)
ホテル、旅館
店舗
50㎡以下の併用住宅
飲食
2F以下且つ 150㎡以下
第第
12
種種
低低
層層
住住
居居
専専
用用
地地
域域
第
1
種
中
高
層
住
居
専
用
地
域
第
2
種
中
高
層
住
居
専
用
地
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第
1
種
住
居
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域
第
2
種
住
居
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域
準
住
居
地
域
近
隣
商
業
地
域
工
準
商
工 業
工
業
業 専
業
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地 用
地
域
域 地
域
域
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風 俗
車庫
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× × × × × × △ △ ○ ○ × ×
× × × × ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ×
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
× ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
2F以下且つ 500㎡以下
2F以下且つ1500㎡以下
× × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
× × × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
3000㎡以下
住宅附属の小規模50以下
一般の事務所、倉庫
(△は1500㎡、▲は3000㎡超は禁
止)
キャバレー、料理店、ダンス
マージャン、パチンコ
個室付浴場
300㎡以内又は都市計画決定
× × × × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
× × × △ ▲ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
様々な施設に対して規
制が存在する
事務所
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各施設に対する用途地域別規制
区 分
用 途
住居用 住居、共同住宅、寄宿舎、下宿
文教
小学校、中学校、高等学校
大学、高等専門学校、専修学校
自動車教習所
図書館
宗教
神社、寺院、教会
医療福祉 診療所、保育所
一般公衆浴場
老人ホーム、身体障害者福祉ホーム
病院
老人ホーム、児童厚生施設
商業用 劇場、映画館、劇場、観覧場 (△は200㎡以上のものは禁止)
ホテル、旅館
店舗
50㎡以下の併用住宅
飲食
2F以下且つ 150㎡以下
事務所
風 俗
車庫
第第
12
種種
低低
層層
住住
居居
専専
用用
地地
域域
第
1
種
中
高
層
住
居
専
用
地
域
第
2
種
中
高
層
住
居
専
用
地
域
第
1
種
住
居
地
域
第
2
種
住
居
地
域
準
住
居
地
域
近
隣
商
業
地
域
工
準
商
工 業
工
業
業 専
業
地
地 用
地
域
域 地
域
域
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2F以下且つ 500㎡以下
2F以下且つ1500㎡以下
× × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
× × × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
3000㎡以下
住宅附属の小規模50以下
一般の事務所、倉庫
(△は1500㎡、▲は3000㎡超は禁
止)
キャバレー、料理店、ダンス
マージャン、パチンコ
個室付浴場
300㎡以内又は都市計画決定
× × × × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
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× × × △ ▲ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
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6
用途地域による立地規制の例
第一低層住居地域
第二低層住居地域
第一中高層住居地域
第二中高層住居地域
第一住居地域
第二住居地域
準住居地域
近隣商業地域
準工業地域
工業専用地域
<杉並区・中野区のカラオケボックス分布>
<杉並区・中野区のカラオケボックス分布>
実際の施設の立地も用途地域によって規制されている
7
立地法則と立地規制
?
立地法則が解明さ
れていない場合
?
?
?
?
立地法則が解明さ
れている場合
仮に施設がどのような立地法則で立地するか解明ができると,立
地規制の変更を検討する際計画の結果の予測が可能
8
立地法則の種類
施
設
ー
場
所
施
設
ー
施
設
<立地規制>
<立地傾向>
・用途地域
・その他
立地に関わる
諸法制度
・人口分布
・地価分布
・交通利便性
・公害
<異種類施設間>
<同種類施設間>
タイプ
①-1
①-2
①-3
←
A
A
○
○
○ →
← ○
○
○ →
相互作用
無
双方引力
双方斥力
タイプ
②-1
②-2
②-3
②-4
②-5
②-6
A
○
○
← ○
← ○
○
○
→
←
←
←
B
相互作用
●
無
●
双方引力
● → 双方斥力
●
引斥力混在
●
片方引力
● → 片方斥力
9
空間点過程(Spatial Point Process)
点パターン(Point Pattern)
⇒一定領域Wの中に位置座標を持った点(x1,x2,….xn)
の集合

点過程(Point Process)
⇒各点の位置が確率性を持ち,シミュレーションの結果
として点パターンが作られる
⇒様々なモデルが存在し,データに対するモデルパラ
メータ推定が可能
⇒ポアソン過程(Poisson Process),コックス過程(Cox
Process),ギブス過程(Gibbs Process)などに大別

10
ギブス過程

施
設
ー
場
所
ギブス過程(Gibbs Process)
施
設
ー
施
設
X  x1 ,..., xn
bu   ed (u ) cu, v   eφ r  <立地規制>
<立地傾向>
・用途地域
・その他
立地に関わる
諸法制度
・人口分布
・地価分布
・交通利便性
・公害
<異種類施設間>
<同種類施設間>
タイプ
①-1
①-2
①-3
←
A
A
○
○
→
○ ← ○
○
○ →
相互作用
無
双方引力
双方斥力
タイプ
②-1
②-2
②-3
②-4
②-5
②-6
A
○
○
← ○
← ○
○
○
→
←
←
←
B
相互作用
●
無
●
双方引力
● → 双方斥力
●
引斥力混在
●
片方引力
● → 片方斥力
u, v :領域内の任意の位置
d (u)   0  1 z1 (u)   2 z(a)
2 (u )  
r | u  v |
x1,…,xn:各点の位置
n(X ) : 点の個数
(b)
a :標準化定数
b(u ) :u での点の分布傾向関数
φ(r )
c(u,v):座標 u と φ
v (r
間の距離に従う相互作用関数
)
各点間の距離関係により点の
位置の確率が決まる
(各点が相互非独立)
 (u ) :u に対する濃度(単位面積当り点の個数)関数
zi (u ) :u に対する i 番目の共変動関数
 (r ) :2 点間距離による相互ポテンシャル関数
(負ならば斥力,正ならば引力)
r 1 0,  r1,…:パラメータ
2
r 0 <斥力>
<引力> r
11
ギブス過程のシミュレーションの方法

Markov chain Monte Carlo(MCMC) 法
(i)初期 t ステップで n 個の施設の分布パターン X t 1  x1,..., xn が与えられているとする.
この中でランダムに k 番目の 1 点が削除されるとする.
(ii) xk を除く他の点の位置 X '  {x1 ,..., xk 1 , xk 1 ,..., xn } を所与とし, xk の位置を新たに決定
する.その位置を変数 u とすると,新たな点位置の条件付き確率密度関数を以下の式で与え
る.
f (u | ' ) 
 u | '
  u | 'du
W
(iii) [2]の確率密度関数により xk の位置が決まり,新たな分布パターン X t  x1,..., xn  を
得て,次の t+1 ステップとして(i)に戻る.
100
100
90
90
80
80
70
70
60
60
100
90
100
80
90
70
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70
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50
50
50
40
40
40
30
30
30
20
20
20
20
10
10
10
0
10
0
0
0
20
t=060
40
80
100
0
20
t=10
40
60
50
40
30
0
0
80
100
20
40
60
t=100
80
100
0
20
40
60
t=1000
80
100
<シミュレーションの例>
12
本研究の目的と構成
第1章 はじめに(背景・目的)
第2章 都市施設の分布パターン分析
第3章 空間点過程理論
目的①:施設の立地研究に空間
点過程理論を導入
目的②:立地法則と分布パターン
間の関係把握
第4章 施設立地の理論的
シミュレーション
第5章 現実施設分布における
点過程モデルの適用と応用
第6章 終わりに(結論,今後の課題)
目的③:現状施設立地分布の立
地法則推定
施設立地の理論的シミュレーション
(第4章)
仮想都市空間
•
•
•
•
100×100の計1万の正方区画
全体の施設個数は24個
各施設は区画の中心点に立地すると仮定
施設間の距離は区画の中心点間の直線距離
15
1種類施設のモデル設定
 (r )  g
φ(r )


f ( x)    c( xi , x j ) φ(r
g )o
 i j

X  x1 ,..., xn
o
cu, v   eφr  r | u  v |
r
10
r
10
r
 (r )  0
パラメータgを変化させつつ,
シミュレーションを行う
u, v :領域内の任意の位置
x1,…,xn:各点の位置
a :標準化定数
c(u,v):座標 u と v 間の距離に従う相互作用関数
(r )) :2
(r
:2点間距離による相互ポテンシャル関数
点間距離による相互ポテンシャル関数(負ならば斥力,正ならば引力)
(負ならば斥力,正ならば引力)
<初期値>
16
シミュレーションによる結果の例
○g =-10.0
○g =0.0
○g =2.0
17
シミュレーション結果分析の指標設定
点パターンの特性を指標化する
dAA:各A施設から最も近い他A施設までの距離の平均
dOA:100*100区画から最も近いA施設までの距離の平均
18
シミュレーション結果
gr
-10
-1
0
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
1
2
dAAの平均 dAAの標準偏差
14.60
0.94
12.69
1.18
11.29
1.26
10.38
1.15
9.06
3.17
1.96
2.30
1.16
0.16
1.14
0.17
1.07
0.15
1.02
0.15
dOAの平均
dOAの標準偏差
9.75
0.44
10.29
0.56
10.81
0.66
11.43
0.90
15.32
9.88
40.54
11.17
43.00
5.72
44.64
6.62
46.14
7.90
46.48
6.78
<各シナリオ別100回の平均と標準偏差>
• 引力↑:dAA減少, dOA増加
• 斥力↑:dAA増加, dOA減少
<1000回結果の散布図>
19
立地規制のある場合
①中心立地型
②片隅立地型
③郊外立地型
④点在立地型
各立地規制に対して規制面積をさせつつ,パラメータgを-10(斥
力),0(無関係),1(引力)の3通りで変化させシミュレーション(20回
ずつ)を行う
20
中心立地型の結果
g=1.0
g=0.0
g=-10.0
①-a
①-a
①-b
①-b
①-c
①-c
21
中心立地型の結果
①-a
①-b
①-c
22
片隅立地型の結果
g=1.0
g=0.0
g=-10.0
②-a
②-a
②-b
②-b
②-c
②-c
23
片隅立地型の結果
②-a,g=1.0
②-a,g=0.0
②-a,g=-10.0
②-b,g=1.0
②-b,g=0.0
②-a
②-b,g=-10.0
②-c,g=1.0
dOA
②-c,g=0.0
②-c,g=-10.0
②-b
dAA
②-c
24
郊外立地型の結果
g=1.0
③-a
g=0.0
g=-10.0
③-a
③-b
③-b
③-c
③-c
25
郊外立地型の結果
③-a,g=1.0
③-a,g=0.0
③-a,g=-10.0
③-b,g=1.0
③-b,g=0.0
③-a
③-b,g=-10.0
③-c,g=1.0
dOA
③-c,g=0.0
③-c,g=-10.0
③-b
dAA
③-c
26
点在立地型の結果
g=1.0
g=0.0
g=-10.0
規制なし
規制なし
④
④
27
点在立地型の結果
g=1.0
g=0.0
g=-10.0
④ g=1.0
④ g=0.0
④ g=-10.0
dOA
規制なし
dOAの変化はあまり見られない
dAA
④
28
各類型間結果の比較
①-b
g=1.0
②-b
③-b
④
①-b
②-b
g=0.0
③-b
g=-10.0
④
29
各類型間結果の比較
① g =1.0
① g =0.0
① g =-10.0
①-b
② g =1.0
② g =0.0
② g =-10.0
dOA
③ g =1.0
②-b
③ g =0.0
③ g =-10.0
④ g =1.0
④ g =0.0
③-b
④ g =-10.0
dAA
④
30
2種類施設のモデルおよび指標設定
○パラメータの種類
gAB
gAA
gBB
gBA
gAA, gAB, gBA,gBBを-10(斥力)と1(引力)に変化
<初期値>
させつつ,16通りのシミュレーションを行う
○指標設定
dAB:各 A 施設から最も近い B 施設までの距離の平均
dBA:各 B 施設から最も近い A 施設までの距離の平均
31
2種類施設の結果①(gAA=1.0 gBB=1.0)
(a)+gAB=1.0 gBA=1.0
(b)✕gAB=1.0 gBA=-10.0
(c)✕gAB=-10.0 gBA=1.0
(d)+gAB=-10.0 gBA=-10.0
32
2種類施設の結果②(gAA=1.0 gBB=-10.0)
(a)+gAB=1.0 gBA=1.0
(c)✕gAB=-10.0 gBA=1.0
(b)✕gAB=1.0 gBA=-10.0
(d)+gAB=-10.0 gBA=-10.0
33
2種類施設の結果③(gAA=-10.0 gBB=1.0)
(a)+gAB=1.0 gBA=1.0
(c)✕gAB=-10.0 gBA=1.0
(b)✕gAB=1.0 gBA=-10.0
(d)+gAB=-10.0 gBA=-10.0
34
2種類施設の結果④(gAA=-10.0 gBB=-10.0)
(a)+gAB=1.0 gBA=1.0
(b)✕gAB=1.0 gBA=-10.0
(c)✕gAB=-10.0 gBA=1.0
(d)+gAB=-10.0 gBA=-10.0
35
立地規制のある場合(2種類施設)
A ○
Ⅰ隔離型
A ×
B ×
Ⅱ部分混在型
B ○
Ⅲ片方規制型
A ○
B ○
Ⅳ点在隔離型
各類型ごとにgAA, gAB, gBA,gBBを-10(斥力)と1(引力)に変化させつ
つ,16通りのシミュレーションを行う
36
隔離型の結果
gAB=1.0 gBA=1.0
A ○
A ×
B ×
gAB=1.0 gBA=-10.0
B ○
gAB=-10.0 gBA=1.0 gAB=-10.0 gBA=-10.0
A ○
B ○
gAA=1.0
gBB=1.0
gAA=1.0
gBB=-10.0
gAA=-10.0
gBB=1.0
同種間の相互作
用は強くなるが,
異種間の相互作
用は阻害する
gAA=-10.0
gBB=-10.0
37
×
部分混在型の結果
A ×
B ○
gAB=1.0 gBA=1.0
AgAB=1.0
○ gBAB=-10.0
○
gAB=-10.0 gBA=1.0 gAB=-10.0 gBA=-10.0
gAA=1.0
gBB=1.0
gAA=1.0
gBB=-10.0
gAA=-10.0
gBB=1.0
AとB間互いに引
力が働く場合,混
在領域にA,Bが建
つことが多い
gAA=-10.0
gBB=-10.0
38
片方規制型の結果
B ○
A ○
B ○
gAB=1.0 gBA=1.0
gAB=1.0 gBA=-10.0
gAB=-10.0 gBA=1.0 gAB=-10.0 gBA=-10.0
gAA=1.0
gBB=1.0
gAA=1.0
gBB=-10.0
gAA=-10.0
gBB=1.0
BがAから引力を
受ける場合,Aは
右側に多く立地
する.
gAA=-10.0
gBB=-10.0
39
点在隔離型の結果
A ○
B ○
gAB=1.0 gBA=1.0
gAB=1.0 gBA=-10.0
gAB=-10.0 gBA=1.0 gAB=-10.0 gBA=-10.0
gAA=1.0
gBB=1.0
gAA=1.0
gBB=-10.0
AとB間双方引力
の場合.AとBそ
れぞれの立地可
能な領域の境目
でかたまる傾向
がある
gAA=-10.0
gBB=1.0
gAA=-10.0
gBB=-10.0
40
まとめ(第4章)



ギブス過程のモデルを加工し,施設の種類が1種類お
よび2種類ある場合のシミュレーションを行った
施設間の相互作用が変化するによって異なる結果が
出てくることが分かった
立地規制の形態および面積により施設の立地分布も
変化し,これによって立地規制が有効に働く相互作用
のケースは何か分かった
41
42
現実施設分布における
点過程モデルの適用と応用
(第5章)
分析手法


アプリケーション
⇒spatstat(Baddeley, 2005)利用
モデル
⇒シュトラウス(Strauss,1975)のモデル利用
 (u ) :u での点の分布傾向関数
f X  ab(u) n( X )  s ( X ) X  x1 ,..., xn bu   ed (u ) d (u)   0  1 z1 (u)   2 z2 (u)  
 (u ) :u での点の分布傾向関数
γ:相互斥力パラメータ(0 から 1)
s(X):距離 r より近い点間関係の個数の総合
n(X ) : 点の個数
a :標準化定数
 0,  1,…:パラメータ
zi (u ) :u に対する i 番目の共変動(面の変数)関数


パラメータ推定法
⇒類似推定法(Baddeley, 2000) 利用
分析指標
⇒dAA,dOA(20m間隔の格子点(12,309個)からの距離利用)
43
対象地域の選定
用途地域
面積(km2)
第一種低層住居専用地域
0.00
第二種低層住居専用地域
0.00
第一種中高層住居専用地域
0.79
第二種低層住居専用地域
0.00
第一種住居地域
4.64
第二儒住居地域
0.30
準住居地域
0.12
近隣商業地域
2.84
商業地域
6.05
準工業地域
16.81
工業地域
0.71
工業専用地域
0.00
合計
32.27
比率
0%
0%
2%
0%
14%
1%
0%
9%
19%
52%
2%
0%
100%
44
ケーススタディーガソリンスタンド
<ガソリンスタンド(99個)および道路の分布>
仮定
<道路からの距離の分布>
・ガソリンスタンドの間の距離が250mより近い場合相互作
用が働く
・ガソリンスタンドの立地は道路からの距離に影響される
45
ガソリンスタンドの立地規制
第
一
種
低
層
住
居
専
用
地
域
第
二
種
低
層
住
居
専
用
地
域
第
一
種
中
高
層
住
居
専
用
地
域
第
二
種
中
高
層
住
居
専
用
地
域
第
一
種
住
居
地
域
第
二
種
住
居
地
域
工
準
商
工 業
工
業
業 専
業
地
地 用
地
域
域 地
域
域
規
制
水
準
火薬類、石油類、ガス等の危険物の貯蔵処理の量が非常に少ない施設
× × × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
①
火薬類、石油類、ガス等の危険物の貯蔵処理の量が少ない施設
× × × × × × × ○ ○ ○ ○ ○
②
火薬類、石油類、ガス等の危険物の貯蔵処理の量がやや多い施設
× × × × × × × × × ○ ○ ○
③
火薬類、石油類、ガス等の危険物の貯蔵処理の量が多い施設
× × × × × × × × × × ○ ○
④
規制水準①
規制水準②
規制水準③
準
住
居
地
域
近
隣
商
業
地
域
規制水準④
46
パラメータ推定結果とシミュレーション結果の
例
 0  11.5475
1  - 0 . 0 1 5 6   0.8475
(立地傾向の定数項)
(道路からの距離の係数)
gas3sim02 (相互作用パラメータ)
zone
gas1sim02
規制水準①
gas2sim02
規制水準②
規制水準③
規制水準④
<推定したパラメータで得た分布パターンの例>
47
シミュレーション結果(ガソリンスタンド)
規制水準①
dOA
○
○
○
○
規制水準②
規制水準③
規制水準④
規制水準①
規制水準②
規制水準③
規制水準④
規制水準が高まるとdAAは
減少しdOAは増加する
dAA
48
ケーススタディー小学校
<小学校(72個) の分布>
仮定
<夜間人口密度(ha当たり人口)>
・小学校の間の距離が500mより近い場合相互作用が働く
・小学校の立地は夜間人口密度に影響される
49
小学校の立地規制
第
一
種
低
層
住
居
専
用
地
域
第
二
種
低
層
住
居
専
用
地
域
第
一
種
中
高
層
住
居
専
用
地
域
第
二
種
中
高
層
住
居
専
用
地
域
第
一
種
住
居
地
域
第
二
種
住
居
地
域
工
準
商
工 業
工
業
業 専
業
地
地 用
地
域
域 地
域
域
規
制
水
準
幼稚園,小学校,中学校,高等学校(現状の規制) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ×
①
準
住
居
地
域
近
隣
商
業
地
域
変更案-Ⅰ
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ×
②
変更案-Ⅱ
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × × × ×
③
規制水準①
規制水準②
規制水準③
50
パラメータ推定結果とシミュレーション結果の
例
 0  -12.6857
1  0.0032
(立地傾向の定数項)
(夜間人口密度の係数)
syo1sim01
規制水準①
syo2sim02
規制水準②
  0.4713
(相互作用パラメータ)
syo3sim02
規制水準③
<推定したパラメータで得た分布パターンの例>
51
ケーススタディー小学校
dOA
○ 規制水準①
○ 規制水準②
○ 規制水準③
規制水準①
dAA
規制水準②
規制水準③
商業系用途地域に立地規
制を加えると通学距離が
顕著に伸びる
52
まとめ(第5章)



現実施設分布データを対象に点過程モデルを適用し,
モデルのパラメータを推定した
シミュレーションにより長期的にありうる施設分布を予
測した
用途地域の規制水準を変化させるとどのような分布に
なりうるか予測した
53
今後の課題

シミュレーション試行回数の増加
→統計的に有意性を持たせる

3種類以上施設の場合のシミュレーション

適切な分析指標の開発

より多様な施設の分析

規制緩和の場合の立地予測
54
参考文献

[1] Baddeley, A. and Turner, R. (2000):Practical maximum pseudolikelihood for spatial
point patterns. Australian and New Zealand Journal of Statistics. 42, 283–322.

[2] Baddeley, A., Turner, R. (2005): Spatstat: an R package for analyzing spatial point
patterns. J. Stat. Software 12 (6), 1–42.

[3] Hogmander, H. and Sarkka, A.(1999): Multitype spatial point patterns with
hierarchical interaction. Biometrics 55, 1051–1058.

[4] Illian, J. and Penttinen, A. and Stoyan, H. and Stoyan, D. (2008): Statistical Analysis
and Modelling of Spatial Point Patterns, Wiley.

[5] Møller, J. and Waagepetersen, R.(2003):Statistical Inference and Simulation for
Spatial Point Processes. Chapman and Hall/CRC, Boca Raton, FL.

[6] Ogata, Y. and Tanemura, M. (1984):Likelihood analysis of spatial point patterns. J.
Roy.Statist. Soc. B 46, 469–518.

[7] Penttinhen, A. (1984):Modelling interaction in spatial point patterns:Parameter
estimation by the maximum liklyhood method. Jyvaskyla Stud. Comput Sci. Econom.
Statist. 7.

[8] Ripley, B.D. and Kelly, F.P. (1977):Markov point processes J. Lond. Math. Soc. 15,
188–192.
55
参考文献

[9] Ripley, B. D. (1981) Spatial Statistics. New York: Wiley.

[10] Strauss, D.J (1975):A Model for clustering. Biometrika 62, 467–475.



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
[11] 腰塚武志(1985): 都市施設の密度と利用者からの距離との関係について,都市計
画,20, 85-90.
[12] 鄭起宅,鈴木勉(2009):多種類の都市施設の相互立地関係の構造に関する研究,
都市計画論文集学術研究論文発表会論文, 44-3, 583-588.
[13] 増山篤(2008):ポイントの空間分布パターンを判別する分析方法間での分析結果の
相互従属性-CSR仮説下における最近隣距離法と方格法の比較, 都市計画論文集
一般研究論文, 43-2, 41-49.
[14] 三木富士夫(1980):低ランク財を扱う小売店の空間分布について,都市計画,15,
157-162.
[15] 吉川徹(1987):基盤施設が都市活動の分布に与える影響を分析するための統計
的手法,都市計画,22, 246-251.
56
57
ご静聴ありがとうございました
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