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「韓中日の過去克服、ヨーロッパ統合の教訓生かし、柔軟性を」

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「韓中日の過去克服、ヨーロッパ統合の教訓生かし、柔軟性を」
日韓学生交流プログラム/日本研究センター動静
日韓大学生共同セミナー開催
10月27日、
本学日本語
学科と静岡県立大学によ
る日韓大学生共同セミナ
ーが開かれた。
今回のテー
日韓大学生交流会開催
11月3日、
南山大学日本文化学科の坂本正教授とゼミ生10名が本学を
訪れ、
本学日本語学科との日韓大学生交流会が開かれた。
同日午後の日本
語学科の授業では、
南山大学による名古屋の文化紹介、
両大学による様々
な日本語の表現についての発表後、
グループ別に集まり発表内容について
マは
「日韓関係におけるイ
理解を深めた。
特に、
日本語の表現については、
各グループで補足説明や状
功と罪~」
で、
日韓両国にお
本学日本語学科の学生は、
通常の授業とは異なり同世代の日本人から
ンターネットの影響力~
いてインターネットが及ぼす影響にはどのようなものがあるかについて
発表と討論が行われた。
インターネットが生活の一部となった現在、
その活用について静岡県
立大からは、
メディアリテラシー授業の強化、
明るい話題の積極的な報道、
ポータルサイトや差別的なサイトが容易に検索されないようにすること
が挙げられた。
東西大からは、
正しい情報取得で偽りの情報に惑わされな
い姿勢をとること、
サブカルチャーサイトの法的制限、
教育課程でのイン
況別の使用表現が確認された。
一方、
南山大学の学生にとっては
直接教わる日本語に高い関心を示した。
日本語を母国語としない日本語学習者にどのようにわかりやすく日本語
東西大学校
DONGSEO UNIVERSITY THE JAPAN CENTER 東西大学校 日本研究センター
┃本部┃
釜山広域市 沙上区 周礼路47 東西大学校 国際協力館 8F
授業の後は釜山市内にて夕食会を開き、
写真を取ったり、
連絡先を交換
し再会を約束したりと友好関係を築いた。
-東西大日本研究センター・韓日協力委員会共同主催 第5回韓中日国際シンポジウム-
東西大日本研究センターと韓日
うな対立構造は考えにくく、
新冷戦構造
回韓中日関係国際シンポジウム」
が、
状況であるものの、
今のところは顕著に
協力委員会の共同主催による
「第5
係の回復が遅れ、
日中関係も領土問
と静岡県立大学の小針進教授との間で始められたもので、
2年前からは遠
催となったこの日のシンポジウム
であるが、
日中韓3カ国からの聴衆
ている。
120名余りが会場を埋めるなど、
関心の高さを示した。
「東アジアの新たな
所長動静(10月~ 2015年1月)
訪問者(12月 ~2015年1月)
10/7~11
釜山本部
10/28
2015/1/9
シンポジウム・短編映画上映会開催(釜山・映画の殿堂)
12/3
ウム開催(ソウル・プレジデントホテル)
ソウル事務所
日韓文化交流会議委員長として第2回日韓文学朗読会及び
日韓親善宣教協会主催第1回日韓宣教シンポジウムにて基
外交ノート」
出版懇談会主催(ソウル・光化門セアンプラザ)
大塚成男 千葉大学大学院人文社会科学研究科長
1/22
(駐中日本大使館政治部)離任の挨拶
1/19
小此木政夫 慶應大学名誉教授、
および沈揆先東亜日報
1/2
1/30
日韓次世代学術フォーラム日本側運営委員会議
1/5
第53回東西サランバン(尹徳敏国立外交院長招請)
1/21
2/26
3/31
『次世代 人文社会研究』
第11号発刊
より、
東アジアの安定的秩序を作って進むべきである」
という討論者から
の指摘もあった。
第2セッションでは
「韓中日の過去克服と未来協力-ヨーロッパの教訓-」
解プロセスから教訓を得ようという趣旨の下、
発表と討論が行われた。
をテーマに、
李根寬教授(ソウル大国際大学院)と蔡建教授(中国復旦大国際
いう重要な年を前に、
韓中日3カ国は領土紛争と歴史認識の違い、
そして北
世暎東西大特任教授、
舒建中南京大歴史学院教授の指定討論が行われた。
た。
そして、
「本日のシンポジウムが、
19世紀から20世紀の紛争と葛藤を克
く
『過去の克服』
という次元で戦後処理問題を扱うことにより、
共に協力し
韓日協力委員会の李承潤会長は開会の辞で、
「韓日国交正常化50周年と
問題研究院)の発表、
および岩谷滋雄日中韓3カ国協力事務局事務総長、
趙
李根寬教授は
「ヨーロッパでは第二次世界大戦後に
『過去の清算』
ではな
決断も非常に重要であった」
とし、
「東アジアでも日本が過去の歴史をもう
山後貴弘 在韓日本大使館公報文化院副院長
12/29
日中韓3カ国集中講義
の激化を防ぐための装置を作ることに
べた。
西野純也 慶應大学教授
日韓次世代学術フォーラム韓国側運営委員会議
2/3~7
前に、
日中相互間に偶発的な衝突と対立
平井久志 立命館大学客員教授
1/7
大記者
「韓日関係の現況と展望」
懇談会
のために、
第二次世界大戦以降のヨーロッパ各国における過去の克服と和
関係がより一層深刻な対立構造となる
て新たな共同体(EU)構築にも成功した」
と紹介した。
李教授は
「特にヨーロ
寄贈図書(12月~2015年1月)
(韓日フォーラム・東アジア財団と共同主催)
有権争いで緊張状態を増している日中
服して新たな平和的秩序を模索したヨーロッパの事例を教訓に、
韓中日の
主要日程(2015年1月~3月)
孔魯明碩座教授 著書
「私の外交ノート」
出版懇話会
が見られた。
また、
「尖閣諸島をめぐる領
小此木政夫 慶應大学名誉教授
宮田紀三弘 副院長 新任の挨拶
1/9
国際秩序と韓中日協力」
がテーマに掲げられ、
東アジア3カ国の関係正常化
朝鮮問題など数多くの重要課題を放置したままの状況にある」
と指摘し
2015/1/15 異鎭 東亜日報オピニオンチーム長 新任の挨拶
1/19
調講演(救世軍大韓本営)
日韓フォーラムと共同で孔魯明碩座教授(元外相)著書
「私の
は現れていない」
という点で意見の一致
題をめぐる葛藤が深まる中での開
隔画像会議システムを通して静岡県立大学の学生も画面を通して参加し
第5回日韓文化交流公演主催(ソウル・国立劇場)
は東アジアの安定を脅かす憂慮すべき
ホテル19階にて開催された。
日韓関
なお、
このセミナーは10年以上も前に当センター副所長の李元範教授
10/21~22
E-MAIL [email protected]
FAX 02-723-2272
「韓中日の過去克服、
ヨーロッパ統合の教訓生かし、
柔軟性を」
たが、
参加した学生とっては大変貴重な時間となった。
東西大・韓日協力委員会共同で第5回韓中日国際シンポジ
FAX 051-320-1902
TEL 02-723-2270~1
10月13日(月)、
ソウルプレジデント
ながら討論を繰り広げた。
途中、
討論がうまくかみ合わない場面も見られ
10/13
TEL 051-320-1900
った。
活用方法に触れ、
日韓両国において共通点や相違点が見られるかを確認し
第10回日中韓文化交流フォーラム委員長として映画関連
http://www.japancenter.or.kr
発行日 2015年 2月 28日 発行人 鄭求宗 発行所 東西大学校 日本研究センター
┃ソウル事務所┃ ソウル特別市 鍾路区 セムンアン路92(新門路1街) 光化門オピシア2331号
を教えるかを考えることになり、
互いに有意義な時間を過ごすこととな
ターネット学習の重要性を高めることが挙げられた。
発表後は、
両大学の
8
第29号
過去を克服し、
未来指向的な対策を探る場となってほしい」
と期待を述
ッパで過去の克服が成功裏に行われたのには、
政治指導者の鋭い洞察力と
また、
歓迎の辞を述べた張済国東西大総長は、
「韓日関係は相変らず従軍
少し直視し、
解決するのを我々がサポートするという意味でも、
戦後日本
おり、
日中関係も領土問題などこの地域での勢力争いにより緊張を招いて
主張した。
そして、
「韓国は過去に縛られすぎるよりも
『原則に基づいた柔軟
慰安婦問題など過去の葛藤から一歩も抜け出せない異常な状態が続いて
いる」
とし、
「複雑に絡み合う韓中日関係をじっくりと分析し、
それを基にこ
の地域の平和と安定のために鋭い洞察力が導き出されるシンポジウムと
が部分的に行ってきた努力に対してはそれなりに評価する必要がある」
と
性』
を見せ、
協力体制構築のイニシアチブを発揮する必要がある」
と提言
した。
韓日協力委員会
なるよう願う」
と語った。
録』
、
2014年
ーマに、
韓碩熙教授(延世大中国研究所所長)と宮嶋博史教授(成均館大東ア
対し、
和解のジェスチャーを見せることで中国の躍進に対する憂慮を解消
法センター所長、
朴喆熙ソウル大日本研究所所長、
若宮啓文東西大碩座教
趙世暎教授は討論で
「日韓関係に横たわる様々な懸案をカテゴリー化し
『韓日・日韓協力委員会第50回合同総会概要及び本会会議
東國大学校 文化学術院 日本学研究所
『日本学』
第39輯、
2014年
韓日協力委員会
第1セッションでは
「東アジアの新秩序-新冷戦対立か、
平和共存か-」
をテ
ジア学術研究員)の発表が行われた。
指定討論には申珏秀国立外交院国際
蔡建教授は
「個人的な意見ではあるが」
と前置きし、
「中国が平和的な構想
のために和解のジェスチャーを見せるべきだ」
とし、
「中国が先ず周辺国に
せねばならない」
と語った。
『韓日協力』
、
春、
2015年
授などが参加した。
て対応すべき」
という分離対応案を提示し、
「慰安婦問題、
歴史認識問題、
独
『翰林日本学』
第25輯、
2014年
日本が日米同盟の強化に力を注いでいるのに対し、
韓国は中国との経済的
はもう一つのカテゴリーとし、
二つのカテゴリーに並行対応すべきであ
翰林大学校 日本学研究所
発表者および討論者からは、
「中国の急成長と軍事的膨張により、
米国と
相互依存と協力関係の深化により、
外交的にも韓中急接近の立場を標榜し
・ 編集委員長 小笹克行 ・ 編集委員 山口達見、金珉志
ている」
との指摘がなされた。
しかし、
「日米VS韓中という新たな冷戦のよ
島(竹島)問題などを一つのカテゴリー、
経済・安保などの実利的な協力問題
る」
との見解を述べた。
GAA プログラム
所長コラム
「GAA(Global Access Asia) プログラム」発足
『光復(解放)70年、
韓国の新たな国家座標軸を』
鄭求宗(国際関係学部客員教授/日本研究センター所長)
2014年10月24日(金)、
タイ
要メディアも、
GAAプログ
る。
韓国は第二次世界大戦後に新たにスタートした新生独立国家の中で
が未だ健在である。
突然の成功に満足し、
国家目標と進路設定への方向感覚を失った国々
で開催された
「第13回アジア
ラム発足のニュースを大
にて、
張済国東西大総長の提
2014年10月27日版は、
「ア
されている。
それは韓国が自由民主主義政治体制と資本主義市場経済原
日本は1980年代後半に世界第2位の経済大国となり、
バブル経済に沸く
Asia)プログラム」
が発足した。
ンラインで共有-特性化に
続く逆境を乗り越えてきた結果だと言える。
に安保の最大ターゲットだったソ連が解体し、
今後の国家進路と安保の
学が共用学習支援システムを
バル大学作り-」
との見出し
立構造の下、
国土が分断される南北対立の不幸を体験することになり、
そ
論までが一部で提起されたりもした。
もに一面を割いて報じた。
鮮戦争は、
新たな国家建設に乗り出したばかりの朝鮮半島を焦土化させ
の間の安保に関わる負担を肩代わりしてきた西側諸国が、
日本をターゲ
大学総長フォーラム(AUPF)」
きく報道した。
東亜日報の
案により
「GAA(Global Access
ジアの57大学の講座をオ
GAAとは、
アジアの様々な大
より小さくて強いグロー
通じて高水準の講義をオンラ
インで提供し、
これを各大学
で、
張済国総長の写真とと
が共有することで、
講義履修および単位取得を可能にするという、
新たな
また、
「東西大、
GAA通じてアジアの中心大学に躍り出る」
(韓国日報、
な情報アクセスを支援するという意味で、
「GAA」
と名づけられた。
GAAは
(GAA)構築合意-アジア版MOOC誕生へ期待-」
(ヘラルド経済、
10/27版)、
タイプの開かれた大学教育システムである。
アジアの大学生たちの自由
10/27版)、
「バンコク、
アジア大学総長フォーラムでオンライン公開講座
最短の期間に最速の成長を遂げた模範的な国家として、
世界で高く評価
理を採択し、
米国をはじめとする西側諸国との協力を基に、
いばらの道が
1945年日本の植民地支配から解放された韓国は、
米ソ冷戦という対
の苦痛は今日にまで続いている。
また、
北朝鮮軍の侵攻により勃発した朝
がいかなる運命を辿るかは、
冷戦以降の日本の事例に学ぶことができる。
中で浮き足立っているようであった。
しかし、
その直後、
冷戦終結ととも
目標をいかに定めるべきか諸説紛々とし、
さらには、
自衛隊無用論や解体
また、
冷戦期の世界経済における最大の受恵者であった日本に対し、
そ
た。
政府をはじめ数百万の避難民が、
洛東江前線と港町釜山を最後の砦に
ットにした
「貿易戦争」
でも起こすかのような攻勢に転じた。
日本経済は
起死回生を成し遂げた。
新生大韓民国は苦難を克服し、
焼け野原から今日
った。
その後、
「失われた20年」
と識者が評したように、
日本は冷戦後の20
国家の命運をかけた戦争という凄まじい体験をし、
その極限状態からの
緊縮財政に向かい、
10年間の長期不況というトンネルに入り込んでしま
のような経済発展を遂げ、
世界10位圏の貿易国家として、
またG20の中
年間、
国家の新たな方向設定にさまよい続けた。
そして、
国内総生産(GDP)
(釜山日報、
10/27版)など、
多数の新聞により報じられた。
望を集めるに至ったのである。
政治的不安定も体験した。
その反動として現れたのが安倍首相の
「強い日
スロメリス大など、
16ヶ国57の大学が参加する予定であり、
参加希望を
から滞在費まで多額の費用を要する。
しかし、
GAAを活用することで、
『家
易に手にしたものではない。
過去70年の間、
指導者と国民が一致団結し、
の講座を英語で作り、
共同オンラインシステムに提供する。
授業の配信は
様な教科目の編成が難しくても、
GAAを教科課程に取り入れることで経
一昨年の
「2013 AUPF」
で張済国総長が提案し、
昨年10月の
「2014 「アジア80余りの大学がオンライン講座
『GAA』
発足に合意」
(国民日報、
2
今年2015年は、
光復
(解放)
70周年という韓国にとって意義深い年であ
AUPF」
で公式プログラムとして採択された。
GAAには今年9月から東西
10/27版)、
「アジア80余りの大学の
『最高講座』
がオンライン受講可能に」
大、
中国の山東大、
ベトナムのホーチミン市交通大、
リトアニアのミコラ
張総長は
「現在、
学生たちが交換留学に行くには、
飛行機のチケット代
大をはじめ、
日本の亜細亜大、
タイのバンコク大、
マレーシアのペルリス
表明している大学は80を越える。
参加大学は今年上半期までに一つ以上
もちろん、
試験、
課題提出などを組み込んだ単位認定も可能である。
講義
は英語で行われるが、
字幕も入る多重言語システムが用いられる予定で
ある。
米国などの先進国では、
早くから
「MOOC(Massive Open Online
進国の中でも頭一つ抜きん出るサクセスストーリーで中堅後発国の羨
今日、
韓国の国民をはじめ、
世界が認める韓国の成功事例は、
決して容
にいながらの国際交流』
が可能になる」
と語った。
また、
「大学も財政上、
多
協力しながら成し遂げた血と汗の結晶である。
最近、
観客動員数が一千三
費を抑えながら良質の教科目を増やすことができよう」
とし、
このシステ
して描かれているが、
我々は6.25(朝鮮戦争)の悲劇を象徴する興南撤退
ムが大学と学生たちの国際交流パラダイムも変えると見通した。
すなわ
ち、
交換留学制度などで学生たちが物理的に動く費用が抑えられると同
時に、
各大学が高水準の授業をオンラインで提供するため、
コンテンツ開
百万人を超えた韓国映画
「国際市場」
に、
現代の朝鮮民族の受難史が凝縮
作戦と離散家族の痛みを未だ深く心に刻んでいる。
1人当り国民所得が
百ドルにもならなかった60年代初めに外貨稼ぎに出たドイツ派遣鉱夫
これに備えるには、
アジアの価値と多様性、
アジア地域に関する深遠な知
いる。
2015年秋学期から実施されるGAAには、
各大学の代表的な教養科
る政権交替が可能な現在の民主的で安定的な政治体制は、
この国の民主
急がれる。
張総長は
「2050年までに世界のGDPの半分以上をアジアが占
地域研究科目が開設されることで、
学生たちから人気を集めるものと期
の発信者としての役割を果たし得る
「アジア版MOOC」
の開発が何よりも
めるという予測があり、
全世界人口の60%以上がアジア人である。
そし
て、
アジア諸国の経済発展のスピードが最も速い」
とし、
「アジアの大学の
国際化はアメリカ、
中国などに偏った側面があるが、
若者たちの未来はア
ジアにあるとの考えでアジア時代に備えねばならない」
と語った。
GAAシ
ステム構築は、
米国の大学中心のオンライン講座の受信者という立場か
最近、
アジアを知るために数多くの西洋の学生たちがアジアを訪れて
目や専攻基礎科目などが提供される。
特にアジア各地域のレベルの高い
待される。
済・社会的な格差をいかに解消すべきかについて解決策を示すことので
きる指導者は、
政界にも、
経済界にも見出せない。
毎朝目覚めると、
ぞっと
す国家としての社会的品格と秩序を見出すのは困難で、
道徳律が徐々に
大規模戦争はないとしても、
イスラム過激派組織の無差別テロが緊張
を高める中、
東アジア地域は日本と中国の角逐により一触即発の状況に
的な政治秩序構築を渇望する数多くの先人たちの犠牲の上に成り立っ
治主導者の覚醒と省察が強く求められている。
日本の
「失われた20年」
を
ている。
韓国の歴代政権と国民は安保と経済という死活的な国家の命題
を最優先し、
今日のような民主化した大韓民国の構築に邁進してきたの
である。
しかし、
最近の韓国はこのような経済的な小さな成就と政治的な安定
に性急に満足し、
自己陶酔に陥っているようで、
国家的な目標を見失い、
さまよっているようにも見える。
政界は韓国が新たな段階へと躍進する
ための国家的課題と目標を提示できず、
選挙を意識した福祉ポピュリズ
交流のプラットホームを提供する役割、
すなわち共用学習支援システム
け暮れる一方で、
権力の周辺では誰が最高権力者に最も近いかという妬
のサーバーを管理する役割を担うことになり、
注目されている。
国内の主
中、
景気は沈滞のドロ沼から抜け出せずにいる。
ますます溝が深まる経
経済部門のみが苦難と逆境を乗り越えてきたわけではない。
選挙によ
ら抜け出し、
アジアが高品質な教育コンテンツを提供する発信者として
の役割を果たすという点で、
非常に大きな意義を持つ。
特に東西大はGAA
君以来、
最も良い時代』
を謳歌しているという嘆きを含んだ自分陶酔の
忘れ去られていく乱暴な世の中を見ているようである。
人当り国民所得3万ドルの時代を切り開くことができたのである。
が全世界的に勢いを増せば、
アジアの教育市場を侵食する憂慮が高まる。
の彷徨とあまりにも似た状況にあるようで非常に憂慮される。
韓国は
『檀
に立ちはだかる数多くの試練や犠牲を克服することで、
今日のような1
できるというのである。
大学の講義を一方的に受信する程度にとどまっていた。
MOOCシステム
大学の特性化分野への投資に回すことで、
大学の競争力を高めることも
今日の韓国における政治・経済・社会現象を振り返る時、
20年前の日本
するような事件事故が相次いで起きる
「不信社会」
の中に、
先進国を目指
出など時代が要求する難関を乗り越えてきた。
個人はもちろん国家の前
で共有する学習システムを活用しているが、
アジアではこれまで米国の
本」
構築戦略である。
と看護婦の送金は経済成長の原資となり、
ベトナム派兵と企業の中東進
発費や人件費、
設備投資にかかる経費を節減することができる。
それを各
Course)プログラム」
を始めており、
世界各国の優れた講義をオンライン
世界第2位の座を中国に明け渡し、
ここ数年の間は首相が1年毎に変わる
ム競争が過熱している。
与野党が次期大統領選挙に向けた勢力争いに明
み合いに余念がない。
その足元では、
政党解散命令を受けた進歩左派勢力
ある。
内外の険しい状況の下、
国家と国民を先導していかねばならない政
決して他人事とせずにそこから教訓を得ることで、
国家民族の新たな座
標軸に向かって進むことができるよう、
自覚と反省が各界に広がる
「光復
(解放)
70年」
になることを切実に願っている。
本コラムは2月2日付の東亜日報オピニオン欄に載せられた時論
の原文である。
東亜日報の時論には原文の内容を減らして掲載さ
れたが、
ニュースレター読者のために全文を再録した。<筆者注>
3
CAMPUS Aisa プログラム
東西サランバン
移動キャンパス閉講式&事業団学生ワークショップを開催
第50回 東西サランバン(10月15日)
小此木政夫(東西大客員教授 · 慶應大名誉教授)
今回の北朝鮮訪問は平壌から元山までの旅程で、
実に9年ぶりの訪問となった。
北朝
っきりと落ち着いた感じで、
北朝鮮の住民たちが安定的に見え、
多少の余裕さえ感じ
だ。
第二に、
金正恩の唯一指導体制は党を前面に出すため、
党の指導力は強化さ
で徐々に発展し、
現状に達したのではというのが全体的な印象であった。
女性たちの
東外大(中国)が実施する韓中日3カ国政府共同
推進事業
「CAMPUS Asiaプログラム」
の移動キ
ャンパス閉講式が東西大(周礼キャンパス)にて
開催された。移動キャンパスは、4 年間の
CAMPUS Asia課程の2、
3年次に韓中日30名の
学生が3大学を移動しながら、
共同学習、
共同生
活を通じ、
各国の言語、
社会、
文化、
歴史などを学
4
り合い、
自らの考えを深めることができた大変
意義深い時間だった」
と感想を述べた。
閉講式に
は、
30名の学生の他、
学生の保護者、
3大学の担
当教職員らが参加し、
2年間にわたる学生たち
の努力を労い、
その成長を称えた。
4年間の課程
たり、
閉講式前日の12月4日(木)午後には張済
国東西大総長による閉講記念特別講義が行わ
ンシッププログラムやリーダーズフォーラム
たちには
「東アジア次世代人文学リーダー」
とし
ての更なる成長が期待されている。
れた。
また、
12月5日(金)は午前に閉講式を終え、《張済国東西大総長閉講記念特別講義
「最近の韓中日関係とその含意」
》
午後からは会場を東西大センタムキャンパス :
に移し、
「CAMPUS Asia事業」
を実施する10の
事業団が一堂に会する学生ワークショップが
開催された。
《移動キャンパス閉講式》
閉講式では、
先ず張済国東西大総長が開会の
辞を述べ、
「特別講義などで3大学の学生たちと
接したが、
高度な語学力と相手国への理解の深
さに驚いた。
2年間のプログラムを通じ、
東アジ
アの将来を担い得る優れた人材に成長してく
れたことを嬉しく思う」
と語った。
続いて、
立命
館大の川口清史総長が
「非常に難易度の高いプ
ログラムであるが、
学生たちがよく乗り越えて
くれた。
3カ国の学生が相手国の言語で学び、
議
論し合った貴重な経験を生かし、
今後も成長を
続けてほしい」
と祝辞を述べた。
その後、
3大学の
学生が移動キャンパスでの学習成果などにつ
用いた歴史授業などを通じ、
各国の歴史や文化
ついて最も深く理解している。
東北アジアの未
来は君たちにかかっているという自負心を持
ってほしい」
と期待を述べた。
閉講式終了後、
東西大センタムキャンパスに
て
「CAMPUS Asia事業団学生ワークショップ」
が開催され、
ソウル大、
高麗大、
KAISTなどが運
営する10の事業団から韓中日の学生約130名
が参加した。
ワークショップでは、
姜信益韓東大
副総長(元LG電子グローバル・マーケティング
服装も洗練され、
人の移動も増大したようで、
公共の交通手段としてタクシーも増え
た。
タクシーが運行できるほど、
ガソリンがまともに存在するということに驚かされ
た。
経済学研究所関係者の話によると、
現在は農業と軽工業を重視しているという。
電
力は水力発電所を中心にインフラ整備を行い、
水力発電の不足分は火力発電で補充し
結後は新たな国際秩序調整の流れに便乗)から
は、
東西大・立命館大・広東外大の学生代表が3カ
乗的国家態勢(冷戦期はイデオロギーに、
冷戦終
脱皮する動きが見られる点、
②便乗脱皮を追求
する3カ国が共通分母探しによるパートナー作 「CAP(CAMPUS Asiaの略)語」
(共同生活での意
りを試みている点の二点を挙げた。
そして、
「歴
史問題を便乗脱皮の手段とすれば、
東北アジア
は19世紀の混乱へと回帰する可能性が十分に
ある」
と警告し、
その解決策として次の四点を挙
げた。
①歴史問題における日本の隣国に対する
思疎通を円滑に図るため、
韓中日3カ国語を織
り交ぜたコミュニケーション手段)を寸劇で紹
介し、
他の事業団の学生たちから注目を集めて
いた。
また、
事業の運営に当たる教員たちも参加
した全体討論会では、
学生から
「CAMPUS Asia
就職活
配慮、
②歴史問題と非歴史関連懸案の分離作業、 が素晴らしい事業であるにも関わらず、
③歴史問題解決への視点変換(歴史問題を関係
改善の前提条件とする
「入口論」
から、
関係回復
後に解決を模索する
「出口論」
へ)、
④便乗脱皮の
動をしていても認知度の低さを感じる。
広報に
もう少し力を入れるべきでは」
という意見が出
された。これに対し、教員からは
「 CAMPUS
本事業に対する
試みをより建設的な手段に求めることである。 Asiaに関する論文が出るなど、
講演の終わりに張総長は
「東アジア問題を国家
人と持続的な意見交換を行ってほしい。
また、
他
国の新聞を毎日精読するなどして知識を蓄積
自分なりの考えを発信できるようにならね
について客観的な見方ができるようになった。 し、
関心は様々な分野で高まってきている。
ダボス
会議などをモデルにこの学生ワークショップ
を拡大し、
東アジア地域の諸問題に対し、
3カ国
の学生が広く社会に対し意見を示すような場
にしては」
といった提案などがなされた。
る。
第三に、
現在の北朝鮮経済が回復傾向を見せており、
対内計画の実行により、
経済が少し回復し始めたようである。
そして第四に、
政治は比較的安定的に運
営されると判断するが、
市場経済の拡張は非常に速い速度で進行すると見られる。
金正恩体制スタート後の主な変化として、
第一に軍事産業を除く、
ほぼ全て
の工場、
企業に自主経営権を付与したことが挙げられる。
第二に、
5月30日に金
もう一つ印象的だったのは、
元山開発事業であった。
北朝鮮当局がなぜこのような
全ての変化を一言で概括すれば、
中国における30年間の改革・開放は、
過度
したことである。
第三に、
現在の不動産価格の上昇も大きな変化と言えよう。
場所へのスキー場建設に注力するのか疑問であったが、
夏の元山海水浴場、
冬の馬息
に集中した権力を分散し、
移転したものであるが、
北朝鮮においても現在その
北朝鮮経済をテイクオフさせるための資本と技術の提供が期待できるのは韓国の
場や企業の分配権、
生産権など、
各道の開発区に権力を与えることにより、
権力
嶺スキー場と、
金剛山観光コースはやはり韓国人観光客の誘致のためであると思われる。
みで、
日朝関係が改善されない限り、
韓国から援助に頼るしかない。
「2018年平昌冬季
オリンピックまで、
あと3年」
という発言は、
実は南北関係改善への意志と見ることが
ような変化、
すなわち権力移転が起きているのである。
権力移転というのは、
工
が分散しているのである。
中国の対北朝鮮政策は、
北朝鮮が崩壊した場合に中国は責任を負えないが、
できる。
北朝鮮はテイクオフ前の段階であり、
決して崩壊直前の状態ではない。
南側(韓
中国が圧力を加えると、
韓国、
北朝鮮と米国が水面下で接触し、
関係改善を図る
うか。
も日中関係のように改善に向かうであろう。
国)に依存しつつ、
沈滞状況をある程度まで解決しようとしているのではないだろ
こともあり得るため、
決定的、
戦略的な変化は考えにくく、
近いうちに中朝関係
第52回 東西サランバン(12月23日)
若宮啓文(東西大客員教授 · 元朝日新聞主筆)
テーマで各プログラムの成果報告をする場で
国の学生による共同生活の中で生み出した
れるが、
金正恩体制は弱まると見られ、
一定の権力が委譲されたという点であ
正恩が
「5.30労作(談話)」
を発表し、
市場経済へと進むことのできる枠組みを示
なったこと自体は認めざるを得ない。
張済国総長は昨今の東アジア情勢を分析し、 現」
、
韓中日の学生による討論会や交流会などが
行われた。
「私を変えたCAMPUS Asia」
という
うに激しい起伏を見せたが、
経済的には肯定的な変化が起きているということ
ているという説明であった。
沈滞することなく、
都市の雰囲気も以前より遥かに明るく
担当社長)による特別講演
「進路設計と夢の実
韓中日関係悪化の原因として、
①3カ国共に便
より広い視野で見つめ、
他国の友
いて発表した。
東西大のジョン・ダヨンさんは、 レベルでなく、
「それぞれの国で実際に使われている教科書を
たちは同世代の若者たちの中で韓中日3カ国に
の最終年度となる2015年には、
海外インター 《CAMPUS Asia事業団学生ワークショップ》
ぶ課程である。
2013年2月から3カ国を二周す (最終成果報告会)
などが予定されており、
学生
る形で行われた移動キャンパスを終えるに当
ばならない」
と学生たちに要請した。
そして、
「君
今回、
北朝鮮を訪問した印象として、
次のような点が挙げられる。
第一に金正
恩体制になってからの3年間、
北朝鮮情勢、
政策展開がジェットコースターのよ
るほどであった。
貧困ではありながら、
それなりの物資は供給されており、
この10年間
3カ国の学生たちで東アジアの未来について語
金景一(北京大教授)
鮮社会がこの10年の間で、
いかに変化したのかを調査するのが目的であった。
10年前の北朝鮮に比べ、
街がきれいになったというのが全体的な印象であった。
す
去る12月5日(金)、
東西大・立命館大(日本)・広
第51回 東西サランバン(11月12日)
昨年12月に行われた日本の総選挙の結果、
連立与
も述べたが、
今回の選挙結果として次のようなことが言え
民党が291議席で4議席減り、
公明党は4議席増えた。
の連立もこれ以上言及されるような雰囲気でなくなり、
こ
党が3分の2の議席を得た点は注目するに値する。
自
今回の選挙は
「ないない選挙」
で、
ないものの多い選挙
であった。
史上最低の投票率を記録し、
解散の大義、
こ
れと言った争点、
各政党の十分な準備、
有権者の熱気
もなかった。
連立与党が全議席の3分の2を確保したことにより、
党内はますます安
る。
極右政党である次世代の党は壊滅し、
自公と維新の党と
のような状況が右傾化にブレーキをかける形となった。
沖
縄で米軍基地移転への反対を掲げた非自民候補が全員当
選したことも、
安倍首相に対するブレーキとなっている。
日韓関係の行方については、
様々な議論がなされている。
日中間では北京での
倍首相、
官邸の力が確実なものになったと言えよう。
したがって、
現在の安倍政権は
APEC開催時に、
不完全ながら首脳会談が行われた。
中国側は、
尖閣諸島をめぐる領
れる。
求し、
発表された合意文書には
「若干の認識の一致を見た」
という文言が書き込まれ
今後3年間、
大きな失敗がなければ、
通算6年間は政権を維持するものと予想さ
アベノミクス選挙と呼ばれているが、
安倍首相だけが笑ったという意味で
「安倍
のみ、
クスッ」
と冗談交じりに表現してみた。
公明党は35議席という非常に大きな
土紛争の存在を認めること、
安倍首相が靖国参拝をしないことを明言するよう要
た。
日本の安倍首相の側からは何の約束もなく、
靖国問題にも言及されず、
認識の一
致は
「若干」
というものであった。
しかし、
安倍首相は少なくとも今年、
来年には靖国
議席数を確保し、
改選前には13議席だった共産党は法案提出権を持つ21議席を得
神社を訪問しないという含みを持たせたのである。
今回の選挙では2議席という結果に終わってしまった。
みんなの党は笑うことも泣
槿恵大統領はAPECを踏み台に日中韓首脳会談の開催を提案したが、
これを実現
た。
一方、
次世代の党は19議席から2議席に減り、
生活の党は既に瓦解した状態で、
日韓関係においても、
このような手法を参考にし、
応用することができよう。
朴
くこともできない状態で消滅してしまったし、
維新の党は変化の時を迎え、
民主党
できるかが当面の課題だと言える。
最も大きな障害は、
やはり慰安婦問題であろう
党首が落選するという結果となってしまった。
しかし、
これを機に新たな党首を選
一方的に譲歩を要求するのではなく、
安倍首相がそれなりの決断を下すならば、
韓
この問題に対しては、
両国の客観的なアプローチが必要である。
韓国も日本側に
との連係も模索することになると予想される。
民主党は議席数は増やしたものの、 が、
出しようという動きも見られ、
混乱に陥っているという状況にはない。
東亜日報のオピニオンに寄稿した
「右傾化にブレーキをかけた日本の総選挙」
で
国側も責任を持って慰安婦被害者とその支援団体を納得させるという展開に持
っていくのが望ましいと考える。
5
次世代研究 [日韓次世代学術フォーラム 第11回 国際学術大会参加者による研究紹介]
林孝埈
(政治・法律)
朴泯河(社会・ジェンダー)
ソウル大学校法学専門大学院
修士課程
[email protected]
建国大学校大学院
文化コンテンツ専攻博士課程
[email protected]
韓国の遵法闘争現象を
「法文化論的・観点」
で扱った。
最
今回の研究では、
近大きく問題になっている広域バスの立ち席乗車禁止などの事例を通
じ、
韓国で遵法闘争が現れるようになった原因、
韓国の法文化の変化が遵
法闘争に及ぼす影響、
そして、
これを考慮した遵法闘争に対する判例法理
の修正の必要性について指摘した。
韓国社会で
「遵法」
であるにもかかわらず、
「闘争」
と認識される
「遵法闘
争」
という特異な現象が現われるようになった原因は、
第一に法規範と現
第二に
「法のとおりにしよう」
という言葉を好転的に受け入れる
実の乖離、
伝統的な法意識のためだということが言える。
しかし最近になり、
法規範と現実を合致させようとする試みが増えて
おり、
40年余りにわたった法意識調査結果を通時的に考察してみると、
「法のとおりにしよう」
という言葉に対し、
合理的で望ましいと感じる国民
の数も圧倒的に増えていることがわかる。
それでも裁判所では引き続き遵法闘争を一律的に労働法上の争議行為
と判断している。
今後はこのような態度から脱し、
法文化の変化を積極的
に受容する
「法の現実主義的観点」
をとることによって、
遵法闘争の性格を
研究コラム
「同じようで異なる日韓多文化政策と言論」
老人の文化芸術アク
現在活発に行われている老人文化芸術教育は、
セシビリティ強化、
享有増大に焦点を合わせる福祉的アプローチから
進み、
現代社会の老人問題を解決できる積極的な方案にならねばなら
ないという問題意識から始まったものである。
老人は依然として衰弱
李賢京(日本研究センター研究室長)
連日にわたり観客動員数の記録更新を続けている大ヒット映画
「国際
市場」
(監督:ユン・ジェギュン)のワンシーンに、
東南アジア出身と思われ
国の多文化政策にも多くの示唆を与える。
一方で、
最近日本では入国管理
ジョンミン扮する主人公の徳寿
(トクス)
はこれを見て、
過去に自らがド
外国人を統制・管理しているという指摘を受けているのに対し、
韓国の在
金を儲けた奴はコーヒーも飲めねえって言うのか?わしらだって、
そう
目的を置いているという点で、
日本の多文化共生政策に示唆を投げかけ
した存在と見なされている。
しかし同時に、
ボランティア、
仕事、
学習な
無礼に接する韓国人の高校生が登場する。
ファン・ 法の改正により外国人登録制度が廃止されたものの、
るカップルを無視し、
在留資格を通じて
に直面している。
したがって老人一人一人の内的意味と社会的意味を
イツで体験した派遣鉱夫として苦難の日々を思い出し、
「他の国に来て、 韓外国人処遇基本法と多文化家族支援法は、
移住民の適応と社会統合に
どの自己啓発と自己管理に忠実で、
生産的活動に参加する新老年文化
このような
発見できるよう導く社会的支援が大変重要になっており、
脈絡で文化が持つ社会的価値に注目する必要性がある。
文化の社会的
価値は文化の生産と享有で代弁されることから、
より体系的な過程へ
とアプローチしなければならない。
この時、
社会的価値をより具体的な
枠組みで提示した池上惇の
「文化の社会的循環モデル」
が挙げられる。
世代から世代へ社会的に循環する際、
教育の重要性を強調したことは、
単純に老人を対象にする生涯学習でなく、
老人文化芸術教育の側面で
より切実に考えなければならない問題と判断できる。
やって(出稼ぎしながら)生きてきたんじゃ」
と高校生を怒鳴りつける場
面がある。
6
石塚由佳(言語・文学)
冨澤宣太郎(宗教・思想)
神戸大学大学院
人文学研究科 博士後期課程
[email protected]
東京大学大学院
人文社会系研究科 博士後期課程
[email protected]
天皇制という支配秩序の正当性(Legalität)は、
聖性を帯びていると
化しつつある。
近代文学史研究の進行に伴い、
国際化が始まった近代にお
される宗教表象や信仰体系にいかなる影響を与えたのか、
本研究はこ
動きが出てきた。
しかし先行研究では重訳あるいは原作としての日本文
の過程でいかなる変容を遂げたのかに着目し、
その変容を促した支配
学や日本の翻訳・翻案小説との詳細な比較を行った研究は乏しい。
本フォ
報道される移住民の姿は告発型ニュースの比率が最も高く、
彼らの多く
国民の避けるいわゆる3D業種(日本で言う3K業種)に多くの移住労働者
マスコミは社会的少数者である移住民に対するイメージ形成に大きな
くの労働者を派遣していた。
一方、
経済成長を遂げた現在の韓国では、
自
たちが労働力を提供している。
また近年、
国際結婚が増加し、
婚姻件数全
体の13.6%を占めるに至り、
特に農村地域ではその割合は40%に達して
の中に登場する移住労働者を蔑む高校生の姿は、
私たちの自画像なのか
の問いを認識目標におく。
分析においては、
外来宗教が日本への土着化
秩序や社会的状況の特徴を読み解くという社会学的方法をとる。
ーの位置する釜山市沙上区も、
週末ともなれば沙上駅と市外バスターミ
ナルを中心に、
休日を楽しみに出てきた外国人たちの姿をあちらこちら
れるべきであると考える。
れまで経験したことのない多人種、
多民族、
多文化が共存する社会になっ
《参考文献》
パク・ヨンジュン(2014)
「韓日の多文化政策とその関連法律に関する考察」
『多文化コンテンツ研究』
16集
イム・ヤンジュン(2012)
「韓国居住移住労働者に対する新聞の報道傾向と認識研究」
『言論科学研究』
12冊4号
ハン・ヒョンソ、
チェ・ミオク(2011)
「外国人滞留者増加にともなう社会問題の類型と実態分析」
『GRI研究論叢』
13冊3号
形成されるほどになった。
このように韓国社会は移住民の増加により、
こ
ている。
日本の場合、
1975年のベトナム敗戦による国際社会の圧力で、
1978年
た翻案作品の新旧両面性を持つ主人公描写及び翻案者の啓蒙意図という
とで、
再構成に影響を与えた近代天皇制における知的状況が明らかに
いたのに対し、
1980年代以降はニューカマー中心の政策へと大きく切
国際化推進と円高などの経済的要因により、
韓国同様3K業種を中心に外
と、
彼らのテクストの読解を通じて理解される思想像とを比較するこ
増加し、
1980年以前の移住民政策が主にオールドカマーを対象にして
されると考えている。
り替えられた。
今後、
内村鑑三に代表される無教会の分析を通じて以上のテーマを
より多層的に理解したい。
無教会では、
神―個人との関係にのみ聖性を
近代文学の形成に至るまでの韓国文学はジャンルのみならず叙述形式に
ではなく、
信仰の積極的裏付けを以て―されている点に特徴があり、
そ
文学作品の文体の変遷過程について考察してみたい。
朝鮮後期文学から
至るまで大きく揺らぎながら形成されていった。
その中でも翻訳・翻案小
説が媒介となりもたらした外来的影響の一つでもある文体の変遷過程が
韓国近代文学にもたらした意義について明らかにしたい。
認めるプロテスタント的信仰と、
ナショナリズムとが結合―妥協的に
の積極的結合は、
近代天皇制の正当性と宗教的信仰との相互関係を明
らかにする上で格好の対象となる。
また、
無教会における神―個人と、
天皇―国家―個人への思想の関係を分析することは、
人権概念を考え
る上で必須の
〈国家と個人〉
という課題―現在の日本の政治的状況に目
を転じた時にはまさに今日的課題―を問うことにもなろう。
と差別を払拭するためには、
彼らの民族との文化的な違いを認め、
その多
者の生活必需品を販売する商店が急増し、
「外国人街」
と呼ばれる地域が
りの金海
(キムヘ)
市には数年前から外国レストランをはじめ、
移住労働
延佳を取り上げてきた。
明治維新後、
天皇制・国体の称揚という文脈で、
期における翻訳・翻案小説を中心とした1910年代から1920年代の韓国
もしれない。
日韓両国の移住民と同じ社会的少数者に対する大衆の偏見
様性を生かす共同社会構築のための多文化政策を実現しなければなら
国人労働者が急増した。
それだけでなく国際結婚と留学生が同時期から
日本を通していかに受容されたのかを分析してきたが、
今後は韓国開化
を間接的に習得することになるのである。
もしかすると、
映画
「国際市場」
で目にすることができる。
また、
沙上駅からモノレールで移動できるお隣
彼らの思想は解釈・再構成されてきた。
このような再構成による思想像
二点に着目し検討した。
また、
これまでは1910年代頃の韓国翻案作品が
国民は、
マスコミ報道を通じて彼らに対する認識を形成するためである。
の外国人の移住は、
今後も継続的に増加すると展望される。
本研究センタ
公像に投影された社会的背景や翻案者の創作意図を分析したものであ
る。
掲載新聞社の経営方針下という制約的環境の中で韓国式に変容され
機能と影響力を行使する。
移住民との直接交流を経験できない大多数の
またドラマや映画の中に登場する移住民の姿を通じ、
彼らに対する認識
から定住を前提とした難民の移住が始まり、
1980年代には経済活動の
ながら、
受容されたもの・受容されなかったものを明らかにし、
作品の主人
が単純労働者の姿で現れるなど、
肯定的な側面より否定的な側面が強い。
2000年以降着実に増加し、
2014年11月現在で1,756,031人を越えてい
これまでの研究では、
近世朱子学者の山崎闇斎や儒家神道家の度会
ーラムにおける報告は趙重桓の
「長恨夢」
「双玉涙」
と日本の原作を比較し
しかし、
最近の日韓両国の多文化政策の進展とは対照的に、
マスコミで
僅か30~40年余り時代を遡れば、
韓国は外貨獲得のために海外へ多
る(
『法務部出入国外国人政策統計月報』
2014年11月号)。
多様な地域から
いて翻訳・翻案小説が近代文学の一側面へと発展したことを再検討する
ている。
いるとされる。
1990年に49,507人だった国内居住外国人滞留者総数は、 すなわち、
新聞やテレビのニュースで報じられる移住民に関連した記事、
より個別的、
具体的に検討していかなければならない。
近年、
韓国における文学研究者の中で翻訳・翻案小説に対する見方が変
等な関係の中での相互共存を追求するという面でより包括的であり、
韓
このように韓国と日本の状況を大きな枠組みで見ると、
多人種、
多民
族、
多文化が共存する似た類型と見ることができるが、
多文化政策の推進
方法においては違いを見せる。
韓国では移住民の中でも特に結婚移民者
の増加にともなう問題点の解決に力を入れたのに対し、
日本では移住民
増加により発生する多くの問題点を解消し、
日本人と移住民が共存でき
るように政策を推進してきた。
また、
韓国では政府主導の下、
移住民に対
する保護と支援の対象を韓国国籍取得者に限定する傾向があるのに対
し、
日本では各地方自治体を中心に移住民を同じ地域住民として認め、
対
ない。
それと同時に、
移住民に対する正確で客観的なマスコミ報道がなさ
7
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