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ヴェネト便り:Acqua alta
ヴェネト便り: alta ヴェネト便り:Acqua 便り: Venezia(ヴェネツィア)に行って来ました。Firenze からイタリアの新幹線 Freccia(フレッチャ)で 2 時間。電車の話はまたの機会にして、3 年ぶりの Venezia です。前回はちょうど Carnevale(カーニヴァ ル)の時期だったので、まぁどこもかしこも観光客で溢れていて、ただ人の波に流されながら見て回った 感じでしたが、今回は、クリスマス~年末年始~1 月 6 日のベファーナの休暇が終わり、2 月のカーニヴ ァル開始までのいわば「空白」期間で観光客も少なく、前回は(ものすごい待ち時間で)近寄りもできな かったような観光名所も見てきました。 Venezia 本島の唯一の鉄道の駅 Venezia Santa Lucia(サンタ・ルチア)駅を出て、す ぐ目の前に広がる風景がこれです。水の都 Venezia。ここから先は電車もバスもないの で、移動方法としては、水上バス Tragetto(ト ラゲット)を使うか、水上タクシー。あとは 自分で歩くしかありません。100 メートルも 歩けば運河と橋。 もちろん車はありませんし、 橋は必ず階段になっているので、自転車を見 かけることもありません。 住んでいる人にも旅行者にも優しくはない環 境ではありますが、それでも誰でも一度は行 ってみたい、そして一度行ったらまた行きた いと思う街だと思います。 街はなんだか迷路みたいです。ところどころ に「サン・マルコ広場」とか「鉄道駅」とか、 かなりおおざっぱな矢印があって、それを頼 りに移動するか、地図を頼りに動くわけです が、夕方や夜は、細い路地なんか明かりが少 なくてすぐ矢印を見逃すし、地図も○○広場 とか、大きな広場じゃないとなかなか探すの も難しく、人におおよその方角だけ聞いて、 後はさまよう感じです。☺ 橋の下には運河。街中の細い運河でも、ゴン ドラや水上タクシー、荷物を運ぶ小さな船が 行き来します。 (救急車だって、ごみの収集だ ってもちろん船です) 駅の近くで、 「??」なものを見かけました。 ある一定の間隔をあけてテーブル状のものが道の真ん中に置 いてあります。全ての道、というわけではないですが、同じ ようなテーブル状のものを見かけました。高さも色々。 幸運(?)にも Venezia の名物の一つのアレも体験してきま した。そうです。時々日本でもニュースになるアレです。 ☺ Aqua alta (アクア・アルタ) 。もともとイタリア語では「満 潮」の意味のようですが、ここ Venezia では、高潮とアフリ トスカーナ発ヴェネト便り ~Acqua alta~ von Eriko T. am 16/01/16 カから吹いてくる「シロッコ」という名前の季節風が重なって発生する、浸水現象。なんだそうです。 発生時期としては、秋から春に多いそうですが、夏にも起こるとのことで、Venezia の風物詩ですね。 海面の水位が 80 センチを超えると、Venezia 本島で一番海抜の低いサン・マルコ広場から浸水が始まる そうです。で、この道に置いてあったテーブル状のものは Passerelle(パッセレッレ)と呼ばれる、Aqua alta の時に準備される通路なんです。 到着した日の夕方のサン・マルコ広場の 様子。画面左下に Passerelle が準備され ているのが分かります。 夕食を済ませて再度サン・マルコ広場に 戻ると!!もうPasserelle が準備されて います。テンション上がります。 嬉しくなってまだ Aqua alta も始まって いないのに、Passerelle の上を歩いてみ ました。☺結構しっかりしていて、人が すれ違えるくらいの幅があります。 ひっくり返る心配はなさそうです。 Passerelle の上から何やら不穏な光景が。 広場の「排水溝」的なところから、どん どん水が湧き出してきて、水たまりができてい きます。聞けば、これが Aqua alta の最初の兆 候だとか。 この日の次の満潮時間は明け方。 いったいどうなるんだろう?と楽しみ半分・心 配半分でホテルに戻りました。 明け方、サイレンの音で目がさめました。 100 センチを超える水位が予想される場合には サイレンが鳴るそうです。慣れた人だと、サイ レンで水位が分かるそうな。 トスカーナ発ヴェネト便り ~Acqua alta~ von Eriko T. am 16/01/16 翌朝のサン・マルコ広場。なんだかプールみたいになっていました。 お店ではで長靴や靴の上から履くカバーを売っています。 イタリアの観光地はどこもそうですが、雨が降れば傘を売りに来る し、行列ができれば飲み物を売りに来るし、Aqua alta が始まれば、 長靴や靴カバーを売りに来る人がいます。もちろん地元民と思われ る人たちは、ひざ上くらいまである長靴で完全防備です。でも観光 客向けの靴カバーも案外丈夫なようで、広場のプールをバシャバシ ャと歩き回っている人も多数。これも Venezia ならではの思い出に なりそうですね。 こんな浸水でも Passerelle のお蔭で、長靴がなく ても、カバーを買わなくても主要な観光名所には 問題なくたどり着けます。 でも全ての道に Passerelle があるわけではない (長靴屋の陰謀?)ので、水没した路地に出くわ した時なんかはすごい遠回りをする必要がありま す。 トスカーナ発ヴェネト便り ~Acqua alta~ von Eriko T. am 16/01/16 Venezia 名物のゴンドラだって Aqua alta の間は水位が上がって橋の下を通れないので、水が引くまで営 業中止。普段は熱心に観光客を呼び込んでいるゴンドリエ(ゴンドラを漕ぐ人)も暇そうです。 水上バス Traghetto(トラゲット)乗り場近くもこんな感じです。運河に近いので水位も高いです。 お店やホテルなんかは水が入らないように、入り口 をブロックしています。ひどいところは、もう川み たいに水が流れていて、お客さんは近寄れないし、 お店に入れない! 水没した路地に面したお店は開いているのに孤立し ていて、なんだか変な感じでした。 まぁお店の人には慣れたもんでしょうけどね。 Venezia の物価が高いのは、この Aqua alta による 機会損失とか海水による商品へのダメージとか、も ろもろのリスク分が料金に加算されているからでは ないか?と勝手に想像。☺ トスカーナ発ヴェネト便り ~Acqua alta~ von Eriko T. am 16/01/16 Aqua alta の良いところは、潮が引けば水は海に戻るところでしょうかね?数時間後のサン・マルコ広場。 Passerelle はまだ残っていますが、すっかり水は引いて、雨が降った後みたいです。 翌日の満潮時間はちょうどお昼の 12 時頃。11 時頃に海を見に行くと、もう水位が上がってきていました。 Venezia の風物詩 Aqua alta。なかなか珍しい+面白い体験でした。☺ トスカーナ発ヴェネト便り ~Acqua alta~ von Eriko T. am 16/01/16