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光ファイバ式温度発信器
取扱説明書 光ファイバ式温度発信器 形式:FUK, FUL, FUM <分離形(FUM)> <一体形(FUK,FUL)> INF-TN3FUK はじめに このたびは、光ファイバ式温度発信器(形式:FUK、FUL、FUM)をお買い上げいただき、まことにありがとう ございます。 ・この取扱説明書をよくお読みいただき、十分に理解したうえで光ファイバ式温度発信器の据付け、運転、整 備をしてください。 ・この温度発信器の仕様は、製品改良のため予告なく変更することがあります。 ・無断でこの温度発信器を改造することは、固く禁止致します。無断で改造したことにより生じた事故につい ては、一切責任を負いません。 ・詳細仕様と外形寸法図については別冊の仕様書をご参照ください。 製 造 者 : 富士電機計測機器株式会社 形 式 : 本体銘板に記す(viページ参照)。 製造年月 : 本体銘板に記す。 製 造 国 : 日本 お 願 い ©富士電機システムズ株式会社 2002 ・本書の内容の一部、または全部を無断で転載することは禁止され ています。 ・本書の内容に関しましては、将来予告なしに変更することがあり ます。 ・本書の中で分かりにくい箇所、記述の誤り、記載もれなどお気づ きの点がございましたら、巻末のマニュアルコメント用紙にご記 入のうえ、担当営業員にお渡しください。 -i- 発 行 2002-06 安全上のご注意 ご使用の前にこの『安全上のご注意』をよくお読みの上、正しくお使いください。 ここで示した注意事項は安全に関する重大な内容を記載していますので必ず守ってください。 安全注意事項のランクを「危険」「禁止」「注意」と区分してあります。 警告表示・図記号 意 味 危険 取扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、死亡または重傷を受ける可能性 が想定される場合。 禁止 危険を回避するために、行ってはいけない行為。 注意 取扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、中程度の障害や軽傷を受ける可 能性が想定される場合および物質損害のみの発生が想定される場合。 なお,「 注意 」の記載した事項でも、状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります。 いずれも重要な内容を記載していますので必ず守ってください。 ・指示の絵表示の説明を次に示します。 指示 一般的な使用者の行為を指示 - ii - 安全上のご注意 取付けおよび配管 注意 ● 仕様に記載された環境下でご使用ください。 不適切な環境への設置は、機器の故障、誤動作の原因となることがあります。 ● 設置後は、伝送ケースおよびバッテリユニットのカバーをきちんと締めておいて ください。きちんと締まっていない場合には、雨水などが侵入して、故障・誤動 作の原因となることがあります。 防爆上の注意 危険 防爆仕様の温度発信器は、法規に従って設置、配線を行ってください。 不完全な配線は、爆発や火災の原因となることがあります。 (注)本取扱説明書巻末 付1の「本質安全防爆形発信器についての注意事項」を参 照ください。 ● 保守、点検上の注意 禁止 ● 本品にはリチウム電池を内蔵しています。 充電したり、ショートさせたりしないでください。 - iii - 目 次 はじめに ……………………………………………………i 安全上の注意 ………………………………………………ii 目 次 ………………………………………………………iV 使用上の注意 ………………………………………………V 銘板の確認 …………………………………………………Vi 1. 概 要 ………………………………………………………1 2. 各部の名称と説明 …………………………………………2 3. 取付け ………………………………………………………5 3.1 分離形の取付け ………………………………………5 3.2 一体形の取付け ………………………………………7 4. 光ケーブルの接続 …………………………………………12 5. 運転と停止 …………………………………………………13 5.1 運転準備 ………………………………………………13 5.2 運 転 …………………………………………………14 5.3 停 止 …………………………………………………14 6. 調整、設定 …………………………………………………15 6.1 ゼロ、スパン調整 ……………………………………15 6.2 測定レンジの設定 ……………………………………16 6.3 ダンピング設定 ………………………………………17 6.4 指示計のスケール変更 ………………………………18 7. 保 守 ………………………………………………………19 7.1 定期点検 ………………………………………………19 7.2 バッテリユニットの交換 ……………………………20 7.3 異常と処置 ……………………………………………22 7.4 CPUのリセット ………………………………………24 8. 校 正 ………………………………………………………25 付1 本質安全防爆形発信器の注意事項 ………………………28 付2 パラメータ …………………………………………………29 - iv - 使用上の注意 長期間にわたる保管について 乾燥した常温、常湿 に近い屋内に保管して ください。 なお、光ケーブル引 込口の保護キャップは 付けたままにしておい てください。 暑い!! 取付けは適切な設置場所を選んで 振動、ちり、ほこり および腐食性ガスの少 ない場所。 ゴホ ゴホ ゴホッ 点検のできるスペースのある場所で 保守、点検のできる せまい!! スペースのある場所 (3.1項のなかの「点検ス ペースについて」を参照) 。 取付け角度 取付ける角度は水平 または垂直に取付けて ください。 不安定で イライラ イラ・・・ その他 上記のほか、本文中の注意事項も、必ずお守りく ださい。 -v- 銘板の確認 本発信器のケースには、下図の計器銘板が取付けられていますので、ご指定の形式、仕様であることをご確 認の上、ご使用ください。 FFI Tag No. SYSTEM Temp. Transmitter Type Range Power Supply Output Span Limit Battery 3.6v Opt.Signal Sensor Ser. No. Mfd. Fuji Electric Systems Co.,Ltd. Made in Japan なお刻印事項の内容は以下の通りです。 Type:形式 Range:レンジ Power Supply:電源 Output:出力 Span Limit:最大スパン Sensor:温度検出器(センサー)種類 Ser. No.:製造番号 Mfd:製造年月 - vi - TK4F2444 1 概要 本計器は、各種の温度測定に使用される温度発信器です。 伝送部にはマイクロプロセッサを内蔵し信号をディジタル処理して高精度化、インテリジェント化を実現してい ます。 信号伝送路には光ファイバを採用し、オプティカルスターカプラ、マスターステーションとともに光ファイバ式 フィールド計装システムを構成しています。 システム構成 上位システム マスターステーション センタ フィールド 光ケーブル オプティカルスターカプラ 光ケーブル フィールド機器 -1- 2 各部の名称と説明 取付板 検出部 伝送部 光ユニット 光ユニット 伝送部 光コネクタ 光コネクタ バッテリ センサー ターミナル バッテリ (検出部 一体形) (検出部 分離形) 伝送部内部 CPUプリント板 ベースプリント板 指示計 発信器全体の説明 名 称 説 明 検出部 温度を検出するセンサー(一体形の場合) 伝送部 検出信号を出力信号に変換するアンプユニット バッテリ 発信器の電源。 光ユニット 光伝送の為の電気 光コネクタ 光ユニットへ接続する光ファイバ用コネクタ。 センサーターミナル 別置の温度センサを接続するターミナル(分離形の場合) 指示計 出力信号の表示およびアラーム等の状態表示を行います。 ベースプリント板 検出部からの信号を増幅・変換します。 CPUプリント板 マイクロプロセッサを搭載し、通信や測定の制御を行います。 光変換ユニット。 -2- 2章 各部の名称と説明 各スイッチ類 アドレススイッチ ゼロ,スパン調 スイッチ モード設定スイッチ RUN SELF STANDBY SPAN ZERO 指示計 各スイッチの説明 名 称 モード設定スイッチ 説 明 STANDBY、SELF、RUNのモード切換えを行う。 STANDBYモード 運転停止の状態で、伝送、指示共停止されます。 SELFモード プロセス量の測定と指示(指示計付の時)のみ行います。 上位システムとの伝送は行いません。 RUNモード 運転状態のモードです。 測定値や各種データの送受信を上位システムと行います。 アドレススイッチ 機器のステーションNo. を設定するスイッチです。 ゼロ、スパン調スイッチ ゼロ点調整、スパン調整スイッチ。 ゼロ スイッチをゼロ側に倒すと、測定値が0%点に調整されます。 スパン スイッチをスパン側に倒すと、測定値が100%点に調整されます。 バッテリユニットや指示計、CPUユニットの取付け、取外しの際は、モード設定スイッチをSTANDBY 指示 にしてから行ってください。他のモードで行うと、メモリデータが消失することがあります。 -3- 2章 各部の名称と説明 ディジタル指示計のモード表示機能 モードスイッチRUNの時の状態 % BATT FIX SPAN ZERO モード表示 Mode 表示している場合 表示していない場合 % % 出力 ZERO ゼロ調整可能 SPAN スパン調整可能 FIX(点滅) 上位との伝送が途絶えて 上位との伝送が行われてい いる る状態 BATT バッテリ電圧低下警報 バッテリ電圧正常 (点滅) 実目盛表示出力 測定が行なわれている状態 -4- 3 取付け 3.1 分離形の取付け,配線 注意 ・重量物ですので取扱いには充分ご注意ください。 ・設置場所は、使用条件に合った場所に設置してください。 ・取付けは「取扱説明書」の記載に従って確実に行ってください。不確実な取付けは、落下、故障、誤 動作の原因になります。 取 付 け ◆ パイプ取付の例を右図に示します。 Uボルト ① 取付金具に付属のUボルトを使用して垂直 または水平のパイプに固定します。 ② パイプは2B(外形φ60.5)を使用します。 取付金具 ◆ 壁取付の場合は、取付金具のUボルト用の穴 を利用してボルト(M8)で壁に取付けます。 (ボルトは付属しておりません。 ) パイプ -5- 3章 取付け 指示計の向き変更 指示計の向きを変えるときは、右図の六角穴 付止ネジを緩めてから(2ヶ所)伝送部をゆっ くり回転させます。 六角穴付止めネジ 図のように90°まで回転させることが可能で す。 回転させた後は、上記の六角穴付止ネジを緩 めて伝送部を固定します。 注意 伝送部 90°以上回転させないでください。 (内部の配線が切れる可能性があります。) 90゜ 回転 指示計 配 線 注意 温度センサからのケーブルは、ノイズ混入 を防ぐため電源線等との混在は避けて、電 線管を通して配線してください。 センサーターミナルへの配線は次の様にしてくださ センサーターミナル い。 A (1) 測温抵抗体の場合 センサーターミナルのA,B,Bの接続は、 B 間違えないようにしてください。端子ねじ B はしっかり締付けてください。 (締付トルク 1.3±0.16N•m) 測温抵抗体の場合 (2) 熱電対の場合 センサーターミナルへ接続するケーブル は、JIS C 1610(熱電対用補償導線)を使 + 用してください。 – センサーターミナルへの接続は間違えない ようにしてください。端子ねじはしっかり 締付けてください。 (締付トルク 1.3±0.16N•m) 熱電対の場合 -6- 3章 取付け 3.2 一体形の取付け 注意 温度計の取付けまたは、運搬する場合には衝撃を与えたり、落としたりしないようにしてください。 検出部にはスラッジ、ごみなどを付着させないようにしてください。 検出部に振動、機械的応力が加わらないようにしてください。 取付け箇所 ◆ パイプラインに取付ける場合 ① 原則として挿入長が十分とれる場所に取付 けてください。 ただし、パイプラインに取付ける場合で挿 入長が十分とれないときは、下記②∼④の ようにしてください。 ② 流れ方向に向かって斜めに取付ける場合。 ③ パイプラインのベント部分に流れ方向へ向 かって取付ける場合。 -7- 3章 取付け ④ トラップを設けて取付ける場合。 ◆ タンクに取付ける場合 ① レベル変化で検出部が測定状態の影響を受 けないような場所へ取付ける。 取付け方法 ◆ フランジ形取付けの場合 次の順序でフランジ形温度発信器を取付けま す。 ① ガスケットを取付け挿入します。 ガスケット -8- 3章 取付け ② フランジのボルト穴にボルトを通して、ナ ットを締付けます。 ③ 気密を保つため対角線に3回ぐらいに分け て締付け力が平均になるようにします。 ③ ① ② ④ ◆ ねじ込み形取付けの場合 次の順序でねじ込み形発信器を取付けます。 ① 平行ねじの場合 ガスケットを検出部に挿入し、ねじ込みま す。 ガスケット -9- 3章 取付け ② テーパねじの場合 シールテープ ねじ部にシール用テープを巻付け、検出部 を挿入し、ねじ込みます。 指示計の向き変更 指示計の向きを変えるときは、6頁を参照し て行ってください。 指示計 - 10 - 3章 取付け 点検スペースについて 保守・点検が容易に行えるように、発信器回 りのスペースが十分取れるよう設置場所を選定 してください。 特に伝送部正面は、バッテリユニット交換の スペースとして500mm以上を確保してくださ い。 上 0以 50 バッテリユニット 取付けとバッテリ寿命について 取付け状態によってバッテリの寿命が影響を 受けます。 (1) 取付姿勢 バッテリユニットの姿勢が垂直(+側が上) 天 または水平になる取付けで使用してくださ い。 + − −(マイナス)側が上になると、垂直の時 地 バッテリ に比較して寿命が半減します。 2) 周囲温度と寿命 できるだけ高温での使用はさけてください。 100% バッテリ寿命が若干低下します。 80% 容 量 −40℃ 0℃ 周囲温度 - 11 - 70℃ 4 光ケーブルの接続 ◆ 光ケーブルはコード付きを使用し、右図のよ 約400mm うにコード部の長さをとります。 光ケーブル コード 光コネクタ ◆ 発信器のケーブル接続口にケーブルグランド 光コネクタ を取り付け、光ケーブルを通して発信器の中 へ引き込みます。 ケーブルグランドのゴムパッキンを締め付け て光ケーブルを固定します。 光コード ケースの内側に沿って光コードを1周させて から光コネクタを接続します。 ケーブルグランド ケーブルグランドのゴムパッキンは、光ケ 注意 フレキシブルチューブ ーブルと光コネクタの外形寸法を考慮して サイズを選定してください。 光ケーブル ◆ 光コネクタを接続する時、フェルール端面に 切欠 汚れやほこり等の付着がないことを確認して から接続してください。 カップリングナット レセプタクルの切欠部にコネクタの突起を合 レセプタクル わせて挿入し、カップリングナットを回して 固定します。 フェルール 突起 ◆ ケーブル接続口は2ヶ所(下、横)あります ので、任意に選定することができます。 ケーブル 接続口 - 12 - 5 運転と停止 5.1 運転準備 各スイッチの設定 アドレススイッチにより機器のステーション No.を設定します。 スイッチの番号とステーションNo.の関係は アドレススイッチ モード 設定スイッチ ゼロ,スパン 調整スイッチ 以下のようになっています。 スイッチ 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ステーションNo. 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 RUN 工場出荷時はステーションNo.1になっていま す。 - 13 - SELF STANDBY SPAN ZERO 5章 運転と停止 5.2 運転 モード設定スイッチをRUNに設定すると、上 モード 設定スイッチ 位機器と通信を開始します。 RUN SELF STANDBY SPAN ZERO 5.3 停止 長期間停止の場合は、モード設定スイッチを モード 設定スイッチ STANDBYにして停止します。 (バッテリの消耗を防ぎます。) RUN - 14 - SELF STANDBY SPAN ZERO 6 調 整、設 定 6.1 ゼロ、スパン調整 アドレススイッチ ◆ モード設定スイッチがSELFまたは、RUNの時 モード 設定スイッチ ゼロ,スパン調 スイッチ に調整可能です。 指示計にSPAN、ZEROの表示が出ていますが、 RUN SELF STANDBY SPAN ZERO これは調整可能の状態を示します。 注)ゼロ、スパン調整の可能範囲は以下の通りで すが、10%以上の調整が必要な時は測定レ SPAN ンジが異なっている場合がありますので、レ ZERO 指示計 ンジを確認してください。 ゼロ;最大スパンの約±20% スパン;測定スパンの約80∼120%の間で 調整可能 SPAN, ZEROの表示が出ていれば 調整可能の状態 ◆ ゼロ点および100%に相当する入力を印加し て、ゼロ、スパン調スイッチで調整します。 ZERO側に倒すと0%出力に調整されます。 SPAN側に倒すと100%出力に調整されます。 ゼロ調整 HHCキー操作 HHCの表示 電源スイッチON (モニタースイッチはOFF) HHC VERSION 1.4 ◆ ハンドヘルドコミュニケータ(HHC)を使用 しての調整 指示 数秒後 MONITER OFF? HHCのバージョンが1.6未満の時は、下記の ENT ST1 メモリデータを変更することによってサポー 0.2% 測定値 トが可能になります。 ST-N 熱電対FUK及びFUM□ A∼H の時: 38番地に“01”を入れる。 1 ∼ 8 機器の ステーションNo. 測温抵抗体FUL及びFUM□ J∼P の時: 38番地に“02”を入れる。 ST□ ENT 調整終了後は元のデータに直してください。 0.2% 測定値 ADJ L-L 7 ST□ 調整値 (1) ゼロ点調整; ゼロ点に相当する入力を印加 ENT し、右の操作を行います。 0.00% ST□ 0.0% 調整後の値 (2) スパン調整; 100%点に相当する入力を印 加し同様の操作で調整を行い L-L 7 H-L キーの代りに キーを押し 8 ます。但しスパンの時は ます。 - 15 - 6章 調整、設定 6.2 測定レンジの変更 ゼロレンジ変更 HHCキー操作 測定レンジは、御注文時に指定されたレンジ で調整されておりますが、変更が必要な時はハ ンドヘルドコミュニケータ(HHC)を使用して HHCの表示 電源スイッチON (モニタースイッチはOFF) 以下のように行います。 MONITER OFF? ENT ゼロレンジ,スパンレンジとは ゼロレンジ (RGZ) = スパンレンジ (RGS) 出力が0となる入力値 = 最大スパン 測定スパン 最大スパン HHC VERSION 1.4 ST1 0.0% 測定値 ×100(%) ×100(%) ST-N 1 ∼ 8 ENT L-L 7 RANG 該当のステーション番号を 設定する。 ST□ RGZ 0.00% 現在のゼロ点 最大スパンについては8項(P.27)を参照く ださい。 1 0 0 ST□ 0 RGZ 10.00% 10%点をゼロ点 (0%)に変更 注)HHCのバージョンについては6.1項を参照く ST□ ENT ださい。 −10.0% レンジ変更後の設定値 ゼロレンジの変更 HHCを接続して右記のように操作します。 ENT を押した後に表示される−10.0%は,10%点 をゼロ点(0%)に設定したので,元の測定値0.0%が −10.0%に変わった。 (最大スパンの10%点を0%に設定する例で す。) ゼロレンジの設定可能範囲は、最大スパン の±100%です。 スパンレンジの変更 スパンレンジ変更 右の例は、測定スパンを100%→80%に変更 HHCキー操作 HHCの表示 する場合を示します。 ST□ 40.0% (測定値40%の状態で、測定スパンを100% 測定値 →80%に変更すると、測定値は50%に変わり ます。) H-L 8 RANG 設定可能範囲は8項(P.27)の測定スパンの 8 0 0 0 ST□ RGS 100.00% ST□ RGS 80.00% ST□ 50.0% 通りです。 ENT レンジ変更後の測定値 - 16 - 6章 調整、設定 6.3 ダンピング設定 ダンピングを入れることによって出力の脈動 を減衰させることが出来ます。 ダンピングの設定は、HHCを使用して行いま すが、温度発信器の場合、実際の時定数はHHC で設定した値の5倍になります。 - 17 - 6章 調整、設定 6.4 指示計のスケール変更 指示計の表示スケールを変更する時は、HHC 表示スケール変更 を使用して発信器内のメモリデータを変更して HHCキー操作 HHCの表示 行います。 ST□ □□.□ 測定値 (1)表示値の設定 MR メモリ番地 3B, 3A: 100%時に表示したい数値の、小数点を 3 FUNC A 0 ST□ RAM(3A)□□□□ * 除いた値(Max.19999,Min.-19999)を 現在の設定値 16進に変換して入力する。 0 メモリ番地 3D, 3C: 7 FUNC D 3 0 ST□ RA(3A) 0 7 D 0 0%時に表示したい数値の、小数点を除い 3B番地 3A番地 た値(Max.19999,Min.-19999)を16 進に変換して入力する。 ENT (2)小数点位置の設定 □□.□ 100%時に表示する数値を2000(07D0H)に 変更した例。 メモリ番地35に下記から選択して入力す る。 メモリデータ 00 01 02 03 81 ST□ 小数点位置 小数点なし 小数点以下1桁 小数点以下2桁 小数点以下3桁 %表示,小数点以下1桁 注)%以外の時は単位表示がありませんので、 実目盛に変更した時は、単位を記入したシ ールをLCDの横に貼ってください。 - 18 - 7 保守 7.1 定期点検 ◆ 取付部のチェック 取付部から測定物の漏れがないことをチェックして ください。 ◆ 外観点検 温度発信器各部の破損、腐食等の有無を目視 また、ガスケットが劣化していないことも目視によ り点検してください。 で検査します。 もし腐食が発生するような付着物がありまし 溶接部にきず、ひび割れ、腐食のないことを目視に より点検してください。 たら、掃除するとともに、付着しないような処 置を講じてください。 ◆ カバー、Oリングの点検 伝送部カバーなどのOリングが劣化、損傷し ていないか点検してください。ヒビ割れ等の劣 化がある時は新品のOリングと交換してくださ い。 カバーのねじ部にホコリ等が付着している時 は、清掃後ねじ部にグリースを薄く塗布してね じ込んでください。 ◆ 光コネクタの点検 光コネクタに弛みがないか点検してください。 ◆ 検出部のチェック ごみ、すす、スラッジなどが付着していない か、熱応力によるきず、ひび割れ、腐食がない かを目視により点検してください。 - 19 - 7章 保守 7.2 バッテリユニットの交換 バッテリユニットの注意事項 バッテリ電圧の確認方法 取扱上の注意 バッテリ電圧は当初は約3.6Vです。3.2Vまで 禁止 ● 火の中に投げ入れないでください。 低下するとバッテリアラームが発生し、さらに ● 充電しないでください。 2.4Vまで低下すると機器が停止します。 (下図) ● ショートさせないでください。 ● 加熱しないでください。 ● 分解しないでください。 ● 水中に捨てないでください。 ● 機器停止 バッテリアラーム 3.6V 高温中(45℃以上)に放置しないでくだ 3.2V さい。 2.4V (V) バッテリの寿命 使用開始 約2週間 (1) バッテリの寿命は、約4年です。 (2) 保管時の消費量 ● バッテリユニット単品での自然消費は約 1%/年です。 ● 約4年 製品の予備品等、製品に組込まれた状態で の消費は約4%/年です。(STANDBY状態) - 20 - 7章 保守 バッテリの交換 バッテリ電圧が低下すると、バッテリアラームが発 バッテリは、19Ahのものを使用しています。 生しますので、アラームが発生したら速やかにバッテ リを交換してください。(アラーム発生後1週間以内に 注意 交換してください。) 下図のように 19Ah の表示シールが貼って あります。 (1) バッテリユニットの取外し バッテリユニット取付ねじをドライバで緩 めてバッテリを取外します。 指示 外してください。 シール (2) 交換 新しいバッテリに交換の日付を記入後、取 付けます。 電圧の初期低下がありますので、2∼3回 軽く振ってから取付けてください。 極性が違うと端子台に入らないようになっ ていますので、無理に押し込まずに極性を 確認して取付けてください。 + − バッテリユニット 交換が終了したら、モードスイッチをSELF にして指示計に表示が出ることを確認しま す。 指示計がない時はRUNにして上位との通信 が復帰していることを確認します。 - 21 - 19Ah モードスイッチをSTANDBYにしてから取 7章 保守 7.3 異常と処置 指示計に以下の表示が出たら、プロセスおよび機器に異常が発生したことを意味します。以下に従って適 切な処置をとってください。尚、処置が不可能な場合は当社サービスへご連絡ください。 表示 原因 指示計 オーバー 処置 測定レンジの見直し (測定レンジの125%以上) オーバーの設定ポイントは100 ∼125%の間で変更可能です。 変更が必要な時は御用命くださ い。 指示計 アンダー 測定レンジの見直し (測定レンジの–25%以下) アンダーの設定ポイントは0∼ −25%の間で変更可能です。 変更が必要な時は御用命くださ い。 指示計 ・ゼロ、スパンレンジの設定ミス ・下記範囲内で再設定 設定範囲 ゼ ロ:最大スパンの±100% スパン:8項の測定スパン参照 ・表示スケールの設定ミス ・表示スケールの見直し (6.4項参照) 指示計 バッテリ電圧低下 (3.2V以下) バッテリユニットの交換 (7.2項参照) BATT “BATT”フリッカ 指示計 アンプ異常 アンプ(CPU、ベースボード) の交換 注) 異常表示及びアラームの伝送は2つ以上を同時に表示及び伝送することはできませんので、2つ以上の 異常が同時発生した時は、以下の優先順位が高い方が優先して表示及び伝送されます。 故障>オーバー,アンダー>バッテリアラーム - 22 - 7章 保守 表示 原因 処置 指示計 検出部の断線 検出部の交換 指示計 CPU異常 CPUのリセットまたはCPUプリ または ント板の交換 指示計異常 指示計の交換 CPU異常 CPUのリセットまたはCPUプリ BATT FIX OUT√ DISP√ SPAN ZERO 異常表示 指示計 または ント板の交換 指示計異常 指示計の交換 CPU異常 CPUのリセットまたは SELF/RUNモードで表示が出ない 指示計 CPUプリント板の交換 (矢印)がフリッカしない 指示計 上位機器と通信していない 上位機器または伝送ラインの点 検 (光コネクタ等) FIX RUNモードで“FIX”がフリッカする - 23 - 7章 保守 7.4 CPUのリセット RUNモードで指示計の表示がでない時や、指示計の (矢印)がフリッカしない時はCPUのリセットを 行ってください (1) モードスイッチをSELFにします。 CPUプリント板 (2) CPUプリント板のリセットスイッチを時計 ドライバやピンセット等で押してください。 指示計の表示が出て、 (矢印)がフリ ッカすれば正常に戻りました。 リセットスイッチ - 24 - 8 校正 校正準備 温度発信器の校正は計器調整室にて行います。 校正に当たっては、接続する温度検出器の種類により、一般に次のような装置を使用します。 ・入力抵抗器(測温抵抗体の時) ・基準電圧発生器(熱電対の時) 校正手順 ① 校正手順 a)検出部分離形の配線 下図に従って接続を行います。 入力抵抗器 1 2 バッテリ 光ユニット 測温抵抗体の場合 - 25 - 3 センサーターミナル (3線式) 8章 校正 基準電圧発生器 1 + 2 3 バッテリ 光ユニット センサーターミナル 熱電対の場合 b)検出器一体形の接続 検出器接続コネクタに接続するコネクタを用意し、 検出部を取外し、下図に従って接続を 行います。 以下の通り配線する。 接続用コネクタ 京セラ エルコ製:型番60-9021-0313-00-339 (ソケット) 型番60-9021-3034-10000 検出器接続コネクタ (コンタクト) 測温抵抗体 A B 1 B 2 3 コネクタ番号 熱電対 + 1 - 26 - 2 コネクタ番号 8章 校正 ② ゼロ点調整 測定レンジのゼロ点に相当する入力を印加した状態で、指示計の表示値またはHHCの表示値を確認しま す。 調整が必要な時は、6.1項ゼロ、スパン調整に従って調整を行ってください。 ③ スパン調整 測定レンジの100%点に相当する入力を印加した状態で指示計の表示値またはHHCの表示値を確認しま す。 調整が必要な時は、6.1項ゼロ、スパン調整に従って調整を行ってください。 ④ 変換特性試験 入力を0%、25%、50%、75%、100%等に変化させて各点の測定値を読み取りまます。 各センサの測定範囲と測定スパンを以下に示します。 形 式 センサ 測定範囲 測定スパン 最小 最大 FUK1, FUM A J熱電対 −200∼+400℃ 50℃ 400℃ FUK2, FUM C E熱電対 −200∼+400℃ 50℃ 400℃ FUK3, FUM E K熱電対 −200∼+400℃ 50℃ 400℃ FUL1, FUM J,L,N 測温抵抗体Pt100 −200∼+400℃ 50℃ 400℃ 形 式 センサ 測定範囲 測定スパン 最小 最大 −200∼+750℃ 100℃ 750℃ FUM B J熱電対 FUM D E熱電対 −200∼+800℃ 100℃ 800℃ FUM F K熱電対 −200∼+1200℃ 150℃ 1200℃ FUM G R熱電対 0∼+1600℃ 200℃ 1600℃ FUM H T熱電対 −200∼+350℃ 50℃ 350℃ 測温抵抗体Pt100 −200∼+600℃ 80℃ 600℃ FUM K,M - 27 - 付1 本質安全防爆形発信器の注意事項 本質安全防爆形発信器(以下本安発信器という)は、労働安全衛生法に基づき公的機関の行う検定に合格し たものです。 本安発信器には、当核検定に合格した旨の検定合格標章および防爆上の必要な仕様を記載した銘板(本安銘 板)が取付けられています。 これらを確認のうえ、その内容に合致した使用を行ってください。。 なお、詳細については労働省産業安全研究所発行の技術指針「工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆)」を 参照してください。 本安発信器の設置 本安発信器の保守 (1) 設置場所の制限 (1) 通電中の保守 対象ガスに応じた危険場所に設置し、使用す ることができます。 本安発信器の危険場所での保守は、通電中に 行う場合、下記の範囲としてください。 対象ガスの詳細は「工場電気設備防爆指針 (ガス蒸気防爆)」を参照してください。 (1) 目視点検 発信器・配管・配線などの腐食・損傷およ びその他の機械的構造の点検。 (2) ゼロ調・スパン調など、所定の調整機構に (2) 設置場所の環境 よる調整。 本安発信器の設置場所の許容周囲温度は60℃ 以下です。直射日光、プラント設備などから受 (2) 修理 ける輻射熱などにより、計器の表面温度が60℃ を超過するおそれのある場合は、適切な防護措 本安発信器の修理は、プラグインによるユニ ット交換の場合は危険場所で行うことができま 置を講じてください。 すが、より安全を期すためには安全場所に持ち 込んで行ってください。 部品の交換は、プリント板の交換,バッテリ ユニットの交換など、コネクタ結合またはねじ 結合で着脱できる範囲で行ってください。 - 28 - 付2 パ ラ メ ー タ 主なパラメータを以下に示します。 アドレス データ例 16進 20 21 00 00 ゼロレンジ 22 23 10 27 スパンレンジ 24 25 00 00 26 27 ** ** 28 29 ** ** 2A 2B ** ** 2C 2D ** ** 2E 2F ** ** 30 31 ** ** バッテリ電圧調整データ 変更不可 32 33 34 ** ** ** 固定データ 変更不可 35 01 小数点位置 36 37 00 00 37;バッテリ調整フラグ 変更不可 38 39 02 05 機器形式 変更不可 3A 3B 10 27 表示係数(100%) 3C 3D 00 00 表示係数(0%) 3E 3F ** ** 校正ポイント(Low) 変更不可 40 41 ** ** 校正ポイント(High) 変更不可 42 43 ** ** ゼロ点調整データ 44 45 ** ** スパン調整データ 46 47 ** ** 46 47 ** ** 4A 4B ** ** 内 容 備 考 温度補正データ 変更不可 固定データ 変更不可 調整すると データが変る 変更不可 固定データ 注意 アンプ(またはCPUユニット)を交換する時は、上記アドレスのデータを全て記録しておき、交換後 にそのデータを入力してください。 - 29 - ★ マ ニ ュ ア ル コ メ ン ト 用 紙 ★ お客様へ マニュアルに関するご意見,ご要望,その他お気付きの点,または内容の不明確な部分がございまし たら,この用紙に具体的にご記入のうえ,担当営業員にお渡しください。 マニュアルNo. ご 提 出 日 年 月 日 INF−TN3FUK 社名 光ファイバ式温度発信器 マニュアル名称 ご提出者 所属 形式:FUK,FUL,FUM 氏名 ページ 行 内 容 意見,要望,内容不明確‥‥‥‥‥いずれかに○印 出版元記入欄 担当 受付 年 月 日 受付番号 本社 〒141-0032 東京都品川区大崎一丁目11番2号(ゲートシティ大崎イーストタワー) http://www.fesys.co.jp 技術相談窓口(インフォメーションセンター) http://www.fic-net.jp (042)585-2800 FAX (042)585-2810 受付時間 AM9:00∼12:00 PM1:00∼5:00 [月∼金曜日(祝日を除く)、FAXでの受信は常時行っています]