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かわら版 - 中東調査会
かわら版 2009 年 11 月 18 日 No.229 ―東地中海地域ニュース― イスラエル:エルサレムの地位に関する EU との関係 (11 月 12 日付ハアレツ紙) 11 月 12 日付けハアレツ紙は、EU 議長国であるスウェーデンが、エルサレムをイスラエル およびパレスチナの首都とするよう求めるイニシアティブを発表したことについて報じて いる。概要は以下の通りである。 1. イスラエルは、EU 議長国であるスウェーデンが、エルサレムの地位について EU の立場 をパレスチナおよびイスラエルの首都に変更しようと試みていることを非難した。 2. 最近、イスラエル外務省は、同イニシアティブの阻止に取り組んでいる。イスラエル 政府高官筋によれば、イスラエル外務省は在 EU のイスラエル大使館に対して、スウェー デンの同イニシアティブに関して排除するよう訓令を発出した。 ハアレツ紙が入手した同訓令には、議長国としてスウェーデンが配布した公式文書やス ウェーデン政府高官の発言に関する報告が含まれており、その中にはエルサレムが 2 ヵ国 の首都であることが言及されている。また、同訓令には、一部の EU 諸国は、エルサレム が 2 ヵ国の首都であるという発言およびその用語の使用が、事前に調整されたものでない と指摘する一方、スウェーデン側は EU 諸国の総意であると主張している点が記載されて いる。 3. 訓令を受け、まず在欧州のイスラエル大使館は、同イニシアティブが幅広い支持を集 めているかについて調査し、その数日後、各国政府に抗議の意を伝達した。同時に、イス ラエル国内では、27 カ国の EU 加盟国の大使が招集され、パレスチナとの最終地位交渉の 核心的議題に関する協議の結果をはじめから決定することにつながる、との抗議の意を伝 えた。 4. 上記のイスラエル側の抗議を伝える場に出席した欧州の外交官は、スウェーデンのイ ニシアティブがパレスチナとの和平プロセスに貢献する EU の努力を損なうものであると 述べた。また、エルサレムに関する新たな EU の立場は合意されていないと語った。 ◎本「かわら版」の許可なき複製、転送、引用はご遠慮ください。 ご質問・お問合せ先 財団法人中東調査会 TEL:03-3371-5798、FAX:03-3371-5799