Comments
Description
Transcript
詳しくはこちら
日露経済・社会関係の主要項目:16 年 1 月から 6 月まで 望月喜市(北大名誉教授) 1/13:首相、サミット前訪 ロ意向 高村氏 大統領側 近に伝達(D160113)(要約)高 村正彦自民党副総裁は 13 日、 モスクワでプーチン大統領 側近のナルイシキン下院議 長と会談した。高村氏は幅 広い分野でロシアと関係強 化を進める考えを表明し、 対話促進のため安倍首相が 伊勢志摩サミット前に訪ロ する意向を伝えた。ただ、 経済協力を引き出したいロ シアは日本を揺さぶる構え で、北方領土交渉の進展や プーチン氏訪日の行方は見 通せていない。ウクライナ 問題などをめぐる米欧との 対立や経済低迷が続くロシ アは、対日関係強化に期待 するが、ナルイシキン氏は 両国間の昨年の貿易高が前年比で 3 割減少していると苦言を呈した。さらに「ロシアと日本 の関係は海外の要素に影響を受けるものではない」と述べ、対ロ接近を警戒する米国の意向 を気に懸ける日本をけん制した。 「札幌の伸和 HD」ロシア進出へ 極東で食品、飲食店計画(D160121)(要約)「伸和 HD」は 札幌を地盤に居酒屋など約 70 店を展開する新興飲食チェーン。ロシア極東の貿易などを手が けるため、昨年 10 月に設立された北海道総合商事に出資する道内企業の一つで、昨夏からロ シア進出に向けて準備をしてきた。輸出商品の第 1 弾に想定するのが、同社が開発した鶏が らスープ。通関手続きを経て 3 月にも輸出する予定で、初年度は 1 千万円の売り上げを目指 す。ほかにも、食肉加工品やスイーツといった自社製品の輸出を検討している。輸出事業と 並行して、飲食店の出店準備も進める。今後、ウラジオストクに拠点を持つ北海道総合商事 の協力も得て、現地における食材の調達ルートや市場動向などを調べ、早ければ今秋にも道 産食材なども使った日本料理店を開く意向だ。 注 北海道総合商社について: ロシア貿易の商社が北海道で発足 2016 年 1 月 29 日 1 吉村慎司 ロシアとの貿易やビジネスコーディネートを手がける商社「北海道総合商事」がこのほど 発足し、今春から事業を本格化する。社長を務める天間幸生氏(43)に、同社の特徴や事業 見通しを聞いた。 ――どのような会社ですか。 北海道の地域商社として、道内企業が世界に出ていくことを目的に誕生した会社です。地 域商社というと地元自治体など行政の関与がありがちですが、当社の株主はDCMホーマッ ク、北海道コカ・コーラボトリング、苫小牧埠頭など民間企業ばかりで、純粋にビジネス上 の観点から活動します。世界への足がかりとして、まずは近くで気候風土も似ているロシア との事業を主眼としています。 ――天間社長は、北海道銀行のロシア事業担当者として極東に駐在していましたね。 当社は昨年 10 月に設立し、12 月に北海道銀行と業務提携しました。その際に、私が出向の 形で社長に就任しました。私は、まもなく発足するロシア法人の代表として現地に駐在する 予定です。 ――ロシアに子会社をつくるのですか。 はい。3 月までに、ウラジオストクに「ペガスHC」という我々の 100%子会社を設立しま す。ペガスHCは、北海道に限らず日本各地からの輸出物の受け手にしていくつもりです。 ロシアのスーパーマーケットなど取引先が求めるのは「日本の商品」であって、道府県にこ だわることは少ないですから。 ――ロシア経済が低迷する今、逆風下の船出ではありませんか。 そんなことはありません。例えばリーマンショック前の、好景気に沸くロシア市場ならビ ジネスをやりやすかったかといえば、競争も激しく、特に日本の中小企業が参入するにはむ しろハードルが高かったのではないでしょうか。食品を始め生活必需品のニーズはなくなり ませんし、富裕層が消えたわけでもない。ルーブル安も、日本からの投資やロシアからの輸 出には追い風です。 ――具体的な事業は決まっているのですか。 まずウラジオで、地元企業と協力して海産物を加工して、日本に輸出します。また、当社 の株主で居酒屋などを展開している伸和ホールディングスがロシアへの食品輸出を準備して いるのですが、当然この案件でも連携します。ロシアビジネスは利益が出るまでに時間がか かると言われますが、我々は初年度から利益を出していく構えです。利益というのは社会へ の貢献度のバロメーターで、利益が出ない事業は長続きしません。株主もいろいろなアイデ アを出してくれます。商売の種は尽きません 4/1: 「代替 3 漁法」を認可へ ロシア、200 ㌋流し網禁止で(D160401)(要約)ロ政府は、ロシ ア 200 ㌋内で今年 1 月から禁止されたサケ・マス流し網漁の代替漁法として《1》2 隻の船で 網を引く「引き網漁」 《2》網を巻いて漁獲する「巻き網」 《3》定置網に似た「表層かご」の 3 漁法を認める方針を固めた。今年の漁期が始まる 6 月までに漁業規則を改正する。3 漁法のう ち、日本側が採用する方法としては引き網漁が有力。ロ農業省によると、規則の改正案は、 既に国内の関係者から意見募集を終え、今後、省庁間手続きを経て最終決定する。 4/7:日本 200 ㌋内、サケ・マス流し網漁 10 日解禁 進む出漁準備、高値不安視も (D160407)(要約)日本 200 ㌋内のサケ・マス流し網漁が 10 日に解禁されるのを前に、市内の各 漁港では出漁準備が進んでいる。ロシア 200 ㌋カイリ内での流し網が禁止された余波で高値 2 も予想される。ロシア200カイリ内での流し網が最後の出漁となった昨年は、日本200 カイリ内のサケ・マスも価格が上がり、初水揚げでトキシラズ(シロザケ)は1キロ当たり の最高値が7560円と前年の3・5倍。その後も漁獲が少なく高値が続いた。今年も高値 での推移が予想され、6日に買い物で鮮魚店を訪れた市内光洋町の主婦(62)は「根室の 春といったらトキシラズだけど、あまりに高ければ買えない」と話した。日本 200 ㌋内のサ ケ・マス漁は日ロ交渉の結果、昨年と同じ計 2050 ㌧を漁獲量の上限とすることで妥結。カラ フトマス、ベニザケ、ギンザケ、マスノスケが計 1550 ㌧、シロザケ 500 ㌧で、日本側がロシ アに支払う漁業協力費は、漁獲 1 ㌔当たり昨年同 146.4 円となった。 4/4:サハリン航路、稚内で新会社設立 運航再開 高いハードル(D160404)(要約)稚内とサハ リン州を結ぶサハリン定期航路の今季運航を断念して 3 か月余り。第三セクターの新会社 「北海道サハリン航路」が設立され、関係者からは早期再開を求める声が上がる。社長に就 任した藤田幸洋氏(藤建設社長)は、2 年以内をめどに定期航路の運航再開を目指す方針を掲 げたが、貨物量確保の具体策や運航形態はまだ白紙の状態。 4/6:稲田氏、安倍首相の親書を手渡し ロ大統領宛て(D160406)(要約)自民党の稲田朋美政調 会長は 6 日、モスクワでマントゥロフ産業貿易相と会談し、プーチン大統領に宛てた安倍首 相の親書を手渡した。マントゥロフ氏との会談で稲田氏は、日ロの首脳往来を念頭に「今年 は日ロ関係にとって重要な年になる」と強調した。 4/6 ロシアと交流拡大へ 18 年を「日本年」に(D160406)(要約)自民党の稲田朋美政調会長は 5 日、ロシアで日本文化を広めるため、2018 年を「日本年」と位置付け、交流事業を重点的 に行う考えを示した 4/7:日ロ外相 15 日会談 北朝鮮の核開発問題など議題に(D160407)(要約)ロ外務省は 6 日、 ラブロフ外相が 15 日に訪日し、岸田外相と会談すると正式発表。ロシア紙によると、安倍首 相が 5 月 6 日にソチを訪れ、プーチン大統領と会談する見通し。外相会談では首脳会談の具 体的な成果や、北朝鮮の核開発問題などをめぐって意見交換する。 4/7:日本とウクライナ首脳が会談(D160407)(要約)安倍首相は 6 日、ウクライナのポロシェン コ大統領と官邸で会談し、ロシアはが支配する同国東部での停戦を定めた「ミンスク合意」 の完全履行と国内改革の加速を強く要請した。また、首相は伊勢志摩サミット議長国として、 ウクライナ情勢を主要議題に位置づける考えを伝えた。チェルノブイリ原発事故を受けた使 用済み核燃料の中間貯蔵施設整備に 350 万€(約 4 億 4 千万円)を新たに拠出することも表明。 ポロシェンコ大統領との会談で、ロシアと対立するウクライナへの支援継続を表明する一方、 ウクライナ側にも停戦合意の完全履行を求めた。伊勢志摩サミット議長国として、ウクライ ナを支援する米国との連携を重視しつつ、北方領土交渉進展に向けたロシアとの対話維持に も配慮した形だ。首相は日米関係を対ロ外交とのバランスに腐心している。 4/10:新千歳、発着制限緩和へ 中ロ機、毎日運航も(D160410)(要約)国土交通省と防衛省が、 新千歳空港で行っている旧共産圏の中国、ロシアなどの航空機に対する発着制限を緩和する 方向で調整に入った。現在禁止している「月・木の発着」を解禁して時間制限に切り替え、 毎日運航が可能になるよう協議している。4/21:新千歳発着、来春拡大 政府前倒し 中 ロ機も毎日運航(D160421)(要約)政府は、新千歳空港の発着枠について、来年 3 月下旬から 1 時間当たり 32 回を 42 回に拡大する方針を決めた。訪日外国人客を増やすため、当初想 定より 1 年前倒しした。発着枠の拡大分は国際線に優先的に割り当てる見通し。また旧 3 共産圏の中国、ロシアなどの航空機に対する発着制限も今年 10 月下旬から大幅に緩和し、 毎日運航を可能にする方針も決定した。 4/10:ロシア副首相、5 月来日 極東開発の協力狙い(D160410)(要約)トルトネフ副首相(極東 担当)が 5 月半ばに来日し、ロシア極東地域の開発をめぐって日本企業や政府関係者との会 談を予定していることが分かった。プーチン大統領の訪日に向けて、日本から具体的な経済 協力を引き出す狙いとみられる。ロシアは 2 月にマントロフ産業貿易相、3 月にリハチョフ経 済発展省第 1 次官が訪日するなど、経済分野で対日接近を強めている。原油安などでロシア 経済の停滞が続く中、日本への期待が高まっているとみられる。 4/10: 〈ロシア極東の今〉① 経済交流曲がり角に(D160410)(要約)昨年 10 月、ウラジオスト クにロシア極東初のカジノが開業した。中国・マカオの大規模カジノチェーンの系列で、約 1 億 7200 万㍔(約 190 億円)が投じられた。半年で約 8 万人が訪れ、客の半数は中国人。アジア 各国の関係強化を図るプーチン政権の「東方シフト」で、沿海地方は最重要地域。ウラジオ ストク周辺は国内で唯一、税関手続きの簡素化や関税の優遇措置を導入する「自由港」に指 定された。中国は沿海地方の輸出入額でトップを独走し、存在感を高めている。旧ソ連崩壊 後の極東経済をけん引してきた日本だが、 「主役」の座を明け渡しつつある。ウラジオストク にあるロ自動車大手ソラーズとマツダの合弁工場では、日本からの輸入部品で SUV 車生産を 開始し、 「新たな日ロ協力の象徴」と言われたが、生産台数は 14 年の約 3 万 3 千台をピーク に昨年は約 2 万 4 千台まで減った。ソラーズと三井物産による別の合弁会社のトヨタ車工場 は、昨年 6 月に閉鎖に追い込まれた日中韓 3 か国では、ロシア極東前期の輸出入額は拮抗し ている。ただ、極東経済の中心である沿海地方の貿易額では、日本は 1990 年代まで主導して きたが、04 年以降、中国に首位を奪われた。14 年は約 19 億㌦(約 2100 億円)で、約 58 億㌦ (約 6400 億円)だった中国の 3 分の 1 程度にとどまり、韓国と肩を並べている。中国経済も先 行き不透明感が増す中、ウラジオストク国立経済サービス大のラトキン教授は「中国は人口 が圧倒的に多く長く国境を接しているため、経済的に依存しすぎると飲み込まれかねない抵 抗感がある。日中韓の成長をバランスよく取り込んで発展するのが理想」と指摘するが、日 ロ関係の停滞が続く中、日本の経済界の反応は鈍い。 4/12: 〈ロシア極東の今〉② 愛国心鼓舞する政権(D160412)(要約)プーチン政権は 2014 年 3 月にクリミア半島を一方的に編入したため、欧米が経済制裁を実施。通貨㍔下落や資源開発 停滞で景気が悪化。景気失速への国民の不満をそらそうと、政権は愛国心の鼓舞に力を入れ た。昨年は戦勝記念 70 周年行事を多く開催した。領土問題は特に国民の愛国心に火をつけや すい。要人の相次ぐ北方領土訪問やサハリン州での大規模軍事パレードなど北方領土の実効 支配を誇示するキャンペーンを繰り返した。「強いロシア」のイメージを高めるプーチン氏の 支持率は 8 割超。一方で、国際情勢の変化も北方領土問題を難しくしている。ショイグ国防 相は「大クリール諸島」に太平洋艦隊の基地設置の可能性を検討する」とし、合わせて移動 式地対艦ミサイルも配備する方針を明らかにした。ロシアの地政学問題アカデミー軍事専門 家 K.シフコフ氏は海洋進出を図る中国や太平洋に展開する米国への対抗を念頭に「太平洋 とオホーツク海を結ぶ海域が非常に重要。オホーツク海への軍事的アプローチを守る必要が ある」 。ロシアにとって北方領土は、軍事的要衝として戦略的重要性が高まっているとの見方 が広がる。 4/13: 〈ロシア極東の今〉③ 冷える関係 交流に影 (D160413)(要約)ウラジオストク極東連 4 邦大学は、約 2 万人が通うロ極東最大のキャンパス。日本語を専門に学ぶのは 137 人と、3 年 前より 38 人減った。中国語は 17 人増の 347 人、韓国語 16 人増 121 人。卒業後の就職は中国 語の学生は 9 割、韓国語 7 割だが、日本語は 5 割に満たない。ロシアとの経済関係低迷が響 き、日本語熱は下火になりつつある。14 年のロ→韓訪問者数は 10 年前に比べ 37%増 21 万 4366 人、韓→ロへな 2.6 倍 13 万 5676 人に急増。同期間ロ→日 13%増 6 万 4077 人、日→ロ 14%増 10 万 5220 人。日本政府は訪日外国人観光客誘致拡大を図る観光戦略の中で、ロシア から訪れる観光客のビザ発給要件緩和を検討することを盛り込んだ。ただ、公安関係者など には反対論が根強く、実現は容易ではないとみられる。長年積み重ねたビザなし渡航でもぎ くしゃくした関係が生じている。住民同士が築いてきた交流の現場でも目立ち始めたすれ違 い。事態打開へ、トップ同士の信頼関係にいやが上にも期待がかかる。 4/14: 〈ロシア極東の今〉④ 関係改善 北海道が鍵(D160414)(要約)北海道銀行とプラント大 手日揮、地元企業の 3 社が温室栽培で育てたキュウリのハバロフスクでの直売では、中国産 に比べ 4 割近く高い 1 ㌔ 205 ㍔(約 330 円)が飛ぶように売れた。3 月からキュウリ約 50 ㌧を 出荷しているが、スーパーなどの注文に生産が追い付かない。ロ政府は施設建設直後、施設 のある工業団地を税減免や規制緩和を適用する特区制度「先行発展区」 (TOR)第 1 号に指定 して支援。各地で北海道との農業協力が動き出している。日ロ共同声明では、ロシア極東で は、従来のエネルギーや製造業だけでなく幅広い分野で協力を深めることを明記した。ロシ アの景気悪化の中でも、協力の裾野は広がりつつある。ロ科学アカデミー極東支部経済研究 所 P.ミナキル所長は「 『北方領土返せ』とだけ言う日本人のイメージは、極東への農業や医 療参入で改善してきた。その先頭は、隣人関係を築いてきた北海道。全方位で対話を重ねて 協力を拡大すれば両地域の可能性を発揮できるはずだ」と指摘する。 4/14:2 プラス 2 再開検討 日ロ、安保協力強化狙う(D160414)(要約)日ロ両政府が、安全保 障政策全般について話し合う外務・防衛閣僚級協議(2 プラス 2)の再開を検討していること が分かった。ロシアがクリミア半島を一方的に編入したことで、米ロが激しく対立。日本外 務省内などでロシアとの協力に慎重論が強まり、開催が宙に浮いてきた。しかし、北朝鮮の 核実験強行や、過激派組織「イスラム国」のテロが相次ぐなか、政府・与党内からロシアと 安保分野の関係強化を求める声が出ている。日ロ関係筋によると、ロシアは開催に前向きで、 13 年に閣僚間で合意した 2 プラス 2 の定期開催を、首脳間で確認する案などが出ている。た だ、米国が日ロの接近を警戒していることから、具体的な開催時期を詰められるかは微妙だ。 4/16:日ロ首脳会談は「5 月 6 日」 森元首相が明かす(D160416)(要約)森元首相は 16 日、札 幌市内で講演し、5 月上旬に見込まれる安倍首相とプーチン大統領による首脳会談の日程につ いて「5 月 6 日だ。プーチン氏が最も大事にしているソチの別荘で会う」と述べた。根拠は示 さなかった。 4/20: 〈社説〉首相の訪ロ 領土交渉打開の契機に(D160420)(要約)力の論理を信奉するロシア との外交は容易ではない。国際社会との結束を維持しつつ、今度こそ停滞している北方領土 交渉の打開に全力を尽くしてほしい。ロシアは相変わらず強硬姿勢を見せる一方、経済協力 を求めて接近を強めつつある。政治対話を深めていく好機でもある。プーチン氏は領土問題 について「妥協はいつか見つけることが可能だし、見つけられると思う」と述べ、首相の訪 問を歓迎した。一方でラブロフ氏は、北方領土は第 2 次大戦の結果、ロシア領になったと日 本が認めるよう求めた。外相は領土問題解決と平和条約締結は同義ではないとの認識も繰り 5 返し表明している。日ロ両国が四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結することを確認し た「東京宣言」などに矛盾するのは明らかだ。交渉前の揺さぶりだろう。今年は経済や極東 担当のロシア要人の来日が続く。米欧の経済制裁や原油安で台所事情が苦しく、極東・シベ リア開発や経済近代化で日本の協力が必要な証左だ。プーチン氏来日時に成果を挙げるため には、ロシア側の実情を探り総合的な戦略を練りたい。ウクライナ情勢でロシアと対立する 米国は日ロ接近を懸念する。オバマ大統領は、安倍首相との電話会談で 5 月の訪ロ自粛を求 めた。首相は応じず、プーチン氏との対話継続の重要性を訴えた。領土問題を重視する姿勢 は当然だが、日本と米欧との結束が乱れたと思わせてはならない。日本は伊勢志摩サミット の議長国としてロシアに対し、国際秩序への復帰を粘り強く訴えていくべきだ。ウクライナ 問題では法と正義による解決が欠かせない。「力による現状変更」は不可能だと理解させる必 要がある。それが領土問題解決にもつながるはずだ。 4/21:日ロ首脳会談5月6日 首相ソチ訪問 プーチン大統領が発表 朝日新聞デジタル 2016 年 4 月 21 日 05 時 00 分 ロシアのプーチン大統領は20日、 安倍晋三首相が5月6日にロシア南部ソチを訪問して首脳会談を行うと発表した。プーチ ン氏は首相の訪ロが日ロ関係強化に貢献することへの期待を表明し、米国などの懸念を押 し切って訪ロを決めた首相の判断を高く評価する考えを示した。 プーチン氏はこの日、 モスクワのクレムリンで、日本の上月豊久・駐ロ大使ら各国の新任大使の信任状捧呈(ほ うてい)式に臨んだ。 その際のあいさつで、日本との対話の促進はロシアにとって優先 的な外交政策の一つだと指摘。その上で「5月6日に予定されている安倍首相のソチへの 実務訪問が、互恵に基づくロ日関係を拡大させることを期待している」と述べた。 20 13年4月に安倍首相が訪ロした際、次回はプーチン氏が訪日することで合意していた。 しかし、その後のウクライナ危機をめぐり日本がロシアに制裁を科したことなどから、プ ーチン氏の訪日が実現しない状況が続いていた。 (モスクワ=駒木明義) 日本側は両 トップによる会談により、膠着(こうちゃく)している北方領土問題解決に向けて糸口を 探りたい考えだ。これまで外務当局や外相レベルの交渉は平行線に終わっている。安倍首 相が国際会議を除いても3回連続訪ロする異例の展開となるが、ある政府高官は「ロシア で物事を決められるのはプーチン氏のみ」とし、首脳同士の協議継続を最優先した形だ。 4/26:ロシアの温室栽培拡大へ 道銀など出資 「道内の参画期待」(D160426)(要約)ハバ ロフスクでプラント大手の日揮などが運営する温室野菜の栽培施設が本格的に稼働し、開 所式が行われた。日揮グループの重久吉弘代表は、栽培規模を今後拡大する意向を表明し、 現地での医療分野への進出についても検討を進めていることを明らかにした。完成した温 室は 2.5 ㌶で、土を使わない「養液栽培」で年約千㌧のキュウリとトマトを栽培。既に出 荷を始めた。温室栽培施設の運営会社は事業を主導する日揮のほか、ロシア企業と、北海 道銀行がファンド経由で出資している。 4/28:首相の欧州 5 カ国・ロシア歴訪を正式発表 サミットへ地ならし(D160428)(要約)安 倍首相が 5 月 1 日~7 日、欧州 5 カ国とロシアを歴訪すると正式発表した。伊勢志摩サミ ットに向けた地ならしが狙い。ロシアとは平和条約締結問題など日ロ関係全般や、国際社 会の課題を取り上げる」と述べた。 4/29:対ロ「歴史つくる」 首相、大地代表に意欲(D160429)(要約)安倍首相は、新党大地の 鈴木宗男代表と国会内で会い、ソチで予定されるプーチン大統領との首脳会談を巡り意見交 6 換した。首相は「何とか歴史をつくっていくべく頑張りたい」と述べ、北方領土交渉の打開 に強い意欲を示した。鈴木氏は「今回は慌てずに信頼を醸成し、年内のプーチン氏来日につ なげていけばいい」と助言した。 4/30:ロ大統領 6 月訪中 連携強化をアピール(D160430)(要約)ラブロフ外相は、プーチン 大統領が 6 月に中国を訪れ、習近平国家主席と会談を予定していることを明らかにした。 伊勢志摩サミットが開かれるのをにらみ、中ロの連携強化をアピールする狙いとみられる。 5/3:ロシア、日本に接近 プーチン氏、首相と 6 日会談 欧米に揺さぶり(D160503)(要約)ロ 政府が日本との対話に積極姿勢を強めている。プーチン大統領は 6 日にソチを訪れる安倍首 相を自らの公邸に招き、夕食会を含めた本格的な会談に臨む。今月中旬にはトルトネフ副首 相が訪日し、極東開発を巡って協議する。国内経済の低迷が続く中、対ロ制裁を続ける日米 欧の結束を揺さぶる思惑や、中国依存が過度に進むことを避ける狙いもある。主要メディア は「オバマ米大統領に逆らってロシアへ」 (経済紙エルベカ)などと、米国が難色を示す中、 安倍氏が訪ロを決断したことを強調して伝えた。G7 による伊勢志摩サミットの議長国である 日本がロシアに接近していることをアピールすることで、近く制裁延長の是非を議論する EU などを揺さぶる狙いがある。欧米との関係悪化で、政経両面で中国への接近を強めるロシア だが、台頭する中国の意向に逆らえなくなることへの懸念は根強い。中国からの経済協力も ロシア側が当初期待した通りに実現しておらず、カーネギー財団モスクワ・センターの中国 専門家ガブーエフ氏は「ロシアの官僚や企業家には、経済力や技術力のある日本が中国に代 わる新たなパートナーに見えている」と指摘。パノフ元駐日大使は 4 月、領土問題について 「日本側に妥協の用意がない限り、何も進展しない」と語った。 5/5:日ロ首脳あす会談 南部ソチで(D160505)(要約)安倍首相は 6 日、ソチを訪れ、プーチン 大統領との首脳会談を行う。両国は、首相訪ロ後のできるだけ早い時期に 北方領土問題 を含 む事務レベルでの平和条約締結交渉を行うことで合意しており、両首脳が具体的な方向性を 打ち出せるかが焦点となる。首相はプーチン氏との信頼関係を再確認し、経済や安全保障な ど幅広い分野についても率直に意見交換したい考えだ。首相は伊勢志摩サミットの議長国と して、テロ対策や難民問題でのロシアの協力は不可欠とみており、プーチン氏に国際社会と の連携を要請する方針。ウクライナ問題でロシアと対立する米国や欧州などに対し、日ロ間 の政治対話の必要性をアピールする狙いもあり、首相は 3 日の EU のトゥスク大統領らとの 会談で「ウクライナやシリア問題についてもプーチン氏と議論し、ロシアの建設的な関与を しっかり求めていきたい」と強調した。 5/6:ロシアに経済協力提案 首脳会談 領土交渉前進狙う(D160506)(要約)安倍首相は 6 日、 ソチを訪問し、プーチン大統領と大統領公邸で会談。首相は極東・シベリア開発に向けた経 済協力など幅広い分野の関係強化を提案した。停滞が続く北方領土交渉の前進につなげたい 考えで、ウクライナ危機以降、延期が繰り返されてきたプーチン氏の早期来日に道筋がつけ られるかが焦点となる。プーチン氏は、 「日本はアジア太平洋地域における重要なパートナー だ。政治分野や経済貿易分野で特別な注目を要する問題があることを考慮し、関係を維持、 発展させることが重要だ」と述べた。首相は「平和条約締結問題を含めた政治、経済、文化 などの2国間の課題、そして世界が直面するさまざまな課題についてゆっくりと胸襟を開い て話したい」と応じた。首相は会談で、ロシア経済の発展や国民生活の向上につながるイン フラ整備などの協力を提案するとともに、北方領土問題を含む平和条約締結交渉の加速を促 7 す見通し。双方の外務省高官による平和条約交渉を 6 月に行うことで合意するとみられる。 両首脳はウクライナ情勢やテロ対策、北朝鮮の核・ミサイル開発についても意見交換し、首 相はロシアに建設的な関与を求める方針。今年から禁止されたロシア 200 ㌋内の 流し網漁 の 代替漁法など漁業協力を巡っても協議する見通しだ。 5/6:ロシア、安倍首相に 9 月招請へ プーチン氏が首脳会談で(D160506)(要約)ウシャコフ大 統領補佐官は 5 日、プーチン大統領が 6 日の日ロ首脳会談で、9 月 2,3 日にウラジオストクで 開催する東方経済フォーラムに安倍首相を招待すると明らかにした。プーチン氏の訪日につ いては「準備はできている」とし、日本から具体的に日付が提示されるのを待っていると述 べた。6 日の会談で北方領土問題は議題になると説明したが、双方に受け入れ可能な解決策を 見いだすには両国の外務省間で協議を重ねなければならないと指摘。早ければ 6 月にも外務 次官級協議を開くとの見通しを示した。ウシャコフ氏は、今年が日ソ共同宣言から 60 年の節 目だとして、平和条約締結には「両国のパートナーシップをより深め、経済、科学、文化な どの分野で関係を広げ、国際問題でも協調することが必要だ」と主張した。6 日の会談で、ロ シア側からウクライナ危機に伴う日本の対ロ制裁を議題に挙げることはないとも語った。シ リア情勢、北朝鮮問題に関しても意見交換するといい、伊勢志摩サミットを前に「ロシア大 統領と意見を調整するのは日本の首相にとっても重要だ」と語った。 5/7:日ロ首脳会談要旨(D160507)(要約) 【北方領土問題】 両首脳 今までのアプローチとは違う「新たな発想」で交渉を進め、現 首脳間で問題を解決する。9 月にウラジオストクで開く「東方経済フォーラム」に合わせて再 会談する。国際会議に合わせて首脳会談を重ねる一方、両国が安全保障分野を含む政治対話 を加速させる方針で一致。首相 停滞を打破するため、2国間の視点だけでなくグローバル な視点を考慮に入れた上で、未来志向の考えに立つべきだ。 【プーチン氏訪日】首相 協力の積み重ねの中で適切な時期を探ろう。準備する上で、双 方が静かな交渉環境を維持するために、相手の国民感情を傷つける行動や発言は控えるべき だ。 【平和条約締結交渉】両首脳 6 月に外務次官級による交渉の開催を確認。 【経済協力】 首相 (1)日本式医療の最先端の病院建設(2)上下水道を含む都市づくり(3)中小企業 交流(4)エネルギー開発(5)ロシアの産業多角化(6)極東地方の振興(7)原子力や IT な ど最先端技術の結集(8)人的交流の拡大―と 8 項目の経済協力案を提示する。ロシア国民が 直接、恩恵を実感できるプランを考えている。道新 160507 大統領 ぜひ実現したい。両国関係は経済が最も重要。難しい政治状況の中でも、ロシア に進出する日本企業を支援したい。 【北朝鮮情勢】両首脳 核保有を認めないことで一致。 【ウクライナ情勢】首相 全ての当事者に停戦合意の完全履行を求める。ロシアが建設的 な役割を果たすことを強く期待している。大統領 政治的な解決が重要だ。憲法改正や自治 体への自治権付与などウクライナ政権の対応を注視したい。 5/8 : ロ シ ア 本音は経済協力 実現へ日本に圧力も 領土問題見通せず首脳会談 (D160508)(要約)ウクライナ問題などを巡ってロシアと欧米の対立が続く中で行われた 6 日の 日ロ首脳会談。ロ側は「あらゆる分野で関係拡大の方向性を示した」(ラブロフ外相)と評価 8 し、日本との政治対話を活性化させる構えだ。しかし北方領土問題では、表立って軟化姿勢 は見せておらず、プーチン大統領の訪日や平和条約交渉の進展をちらつかせて、具体的な経 済協力の実現を迫ってくるとみられる。日本側はロシアに強硬な欧米とのバランス外交に苦 心しそうだ。ロ側は 6 日の両首脳による少人数会談に経済発展相を同席させ、夕食会にはさ らに 2 人の経済閣僚が参加するなど、経済重視の姿勢を露骨にアピール。プーチン氏が首相 を 9 月にウラジオストクで開く経済フォーラムに招待したのも、極東開発で中国への過度な 依存を避けるため、日本からの協力を拡大したい思惑が透けて見える。ロ側は領土問題の進 展には「2 国間に積極的で建設的な雰囲気をつくる必要がある」 (ウシャコフ大統領補佐官) と主張。ラブロフ氏は 6 日ので、2013 年以来、中断している外務・防衛閣僚級協議(2 プラ ス 2)の再開を日本側に強く求めるなど、幅広い分野での協力拡大を迫った。大統領訪日につ いても、日本側に日程提示を求める一方、「充実した成果が必要」(ロシア政府筋)としてお り、今後の政治対話を通じ、具体的な経済協力を求める圧力を強めるのは必至だ。ペスコフ 大統領報道官は会談後、両首脳が北方領土問題を巡って「極めて建設的」に議論したと指摘。 ただ、具体的な協議は外務当局間に委ねる従来の姿勢を繰り返しただけ。ロシアのある対日 専門家は「ロシアにとって領土問題は優先課題ではない」と言い切る。包括的な日ロ関係の 強化を図り、北方領土交渉の前進を目指す日本側は、9 月のウラジオストクでの次回首脳会談 までに経済協力の具体案をまとめたい考え。ただ、民間企業の意向も絡む経済協力が、政府 の思惑通りに進むかどうかは不透明。安倍首相は 9 月の中国での G20 首脳会合など第三国で の国際会議に合わせた首脳会談も模索するが、経済協力の進捗状況を確認しあう展開になる 可能性もある。ウクライナ対応で G7 と足並みをそろえつつ、米国と対立するロシアとの経済 協力を進める構図はこれまでと同じで、首相は内政、外交とも難しいかじ取りを迫られそう だ。 5/8:サケ・マス漁の操業確保検討へ (M160508)(要約)ロシアの EEZ で今年 1 月からサケ・ マス流し網漁が禁止された問題で、安倍首相とプーチン大統領は 6 日、操業機会の確保に向 けて協力することを確認した。 5/10:サハリン窓枠会社、札幌進出 ロシアで 製造、7 月販売開始(D160510)(要約)サハリン 州ユジノサハリンスクの窓枠メーカー大手 「カールヴィ」が 7 月、札幌市内にショール ームを開き、日本に初めて進出する。通貨ル ーブル安が進み、ロシアの輸出企業の追い風 となっており、同社は「寒冷地向けの技術が 生かせる北海道にビジネスチャンスがある」 と判断した。進出に協力する北海道銀行によ ると、ロシアの企業が道内に進出するのはこ こ数年はないという。同社はプラスチックや アルミニウム製の窓枠を製造しており、サハ リンの住宅やビルで 7 割のシェアを占める。 窓枠内部を細かく仕切るなどして断熱性と気密性を高めたという。窓ガラスは日本メーカー 製を使っている。道内で一般的な幅 60 ㌢、高さ 120 ㌢の窓枠は窓ガラス込みで約 3 万 2 千円 9 (輸送費込み)から販売する計画。定価ベースで日本製と変わらない水準とする。同社は道 内で需要が伸びているリフォームに重点を置き、札幌で注文を受け、ロシアで組み立てた製 品を道内に運び込む。工事は地元の工務店に頼むが、ゆくゆくは自前で行えるよう人材を育 てる。札幌に倉庫を設けることや、東京への進出も検討する。 6/2:サハリンから北海道へ高機能窓枠を輸出したい(D160602) (要約) :真冬には氷点下 30 度を下回るサハリンで機能する窓枠を、北海道に輸出したい。サハリン州の窓枠メーカー 「カールヴイ」のウラジミール・カラグラコフ社長(54) 。ドイツの技術などを活かし、窓枠 内部を多層構造にして断熱性と気密性が高い。ロシア国内窓関連メーカーのコンクールで上 位入賞した。ルーブル下落で「自社製品を日本製と同水準の価格で販売できる見通しが立っ た」 。3 月下旬には札幌で展示会を開き重要調査をした。魚師や建設会社勤務を経て、現在の 会社を 1998 年に創業した。今も始業時間午前 8 時の 15 分前には出社し、社員と一緒に歩む 姿勢を心がける。 「日本の皆さんにカールヴイの窓を提供し、快適な暮らしのお手伝いをした い」 。 注:もっぱら日本企業の対ロ進出ノニュースの中で、ロシアのメーカーが日本に進出するケ ースは殆どない。その意味でも、この会社の成功を祈って止まない。 5/11:サハリン知事来道 知事と会談(D160511)(要約)道は 10 日、サハリン州のコジェミャコ 知事が 11 日に北海道を訪れ、高橋はるみ知事と 12 日に道庁で会談すると発表。日ロ首脳会 談で経済協力の推進を確認したことを受け、地域間の経済交流の活性化などを議論する見通 し。コジェミャコ知事の道内入りは知事就任後初めて。サハリン州知事の北海道訪問は 2014 年 1 月以来。コジェミャコ知事はサハリン州に進出している道内の銀行や建設会社などを訪 問する。12 日に高橋知事と会談した後大阪に移動。トルトネフ副首相(極東担当)と合流し、 企業関係者に極東への投資を呼び掛ける。 5/12:サハリン州知事、道内企業を視察 高橋知事と会談(D160512)(要約)サハリン州のコジ ェミャコ知事が 11 日道内入りし、サハリン州に進出している道内企業を視察した。コジェミ ャコ知事は空知管内南幌町にある農業用ビニールハウスの加工工場を視察した。 5/12:北方四島の共同開発提案へ ロシア副首相来日(D160512)(要約)トルトネフ副首相(極 東担当)は、6 日にソチで行われた日ロ首脳会談を「肯定的な会談だった」と評価。日本との 経済協力拡大に強い期待感を示し、今回の訪日で日本側に北方領土の共同開発を提案する考 えを明らかにした。日本政府はロシアが実効支配する北方領土での経済活動について、ロシ アの主権を容認することにつながりかねないとして慎重姿勢を続けてきた。安倍晋三首相は 6日の首脳会談で領土問題解決に向け「新たなアプローチ」を提案しており、対応が注目さ れる。トルトネフ氏は、ロシア政府としてクリール諸島(北方領土と千島列島)の開発を着 実に進める考えを示し「それを日本と共同で実現することは可能だ。第一に日本を招待する」 と主張。住宅インフラの整備や栽培漁業などを挙げ、日本側に協力を呼びかける考えを示し た。領土問題をめぐっては「お互いの領土を奪い取るのは不可能だ」と指摘。両国関係の発 展に向けて協力を強化するべきだと強調した。安倍首相が「新たなアプローチ」を打ち出し たことについて「賢明な立場で、正しい提案だ」と評価した。また、サハリン州から北海道 に電力を供給する「エネルギーブリッジ」構想の実現に向け、日本側に前向きな対応を求め た。 5/12:ロ副首相 日本側の本気度試す(D160512)(要約)<解説>トルトネフ副首相が北方領土 10 の共同開発を日本側に提案する考えを示したのは、6 日の日ロ首脳会談で経済協力の拡大や平 和条約交渉で「新たなアプローチ」を打ち出した安倍政権の本気度を試す狙いがある。四島 の帰属交渉への悪影響を懸念し、共同開発に慎重姿勢を続けてきた日本政府だが、ロシア側 が強く実現を求めてくるのは必至で、今後の焦点となりそうだ。北方領土の共同開発は、日 本の高い技術力や資金力を生かして整備を進めたいロ側に期待が大きい。しかし、ロシアに よる実効支配下でロシア法に従って経済活動をすることは「ロシアの主権を認めたことにな る」 (日本外務省幹部)と日本側に警戒感が強い。ロ政府は、中国や韓国にも北方領土への投 資を呼びかけているが、思うように進んでいない。原油安などで経済の低迷が続く中、クリ ール諸島(北方領土と千島列島)の発展計画を着実に進めるため、日本からの投資を呼び込 みたいのが本音だ。ロ側は、新たなアプローチを打ち出すなど対ロ関係強化を掲げる安倍首 相に、これまで進まなかった共同開発で進展を期待するとみられ、安倍政権は判断を迫られ る。 5/13:水産取引所建設、観光客増など協力 北海道、サハリン両知事会談(D160513)(要約)高 橋はるみ知事は 12 日、サハリン州のコジェミャコ知事と道庁で会談し、両地域間の経済交流 を拡大することを確認した。道内企業の技術を生かした農業関連施設の設置や水産物取引所 の建設のほか、観光客増加に向けて協力することで一致した。経済交流に関しては、コジェ ミャコ知事が、ビニールハウス設計・施工大手の越浦パイプ(札幌)のハウス用フィルムを 購入する意向を表明。サハリン州・コルサコフに水産物取引所を建てる際に、道内水産卸大 手のカネシメ高橋水産(札幌)からアドバイスを受ける考えを示し、高橋知事は歓迎した。 両知事は観光客を増やすため、ビザ免除に向け両国政府に働き掛けることで合意した。高橋 知事は北方領土問題に関連し、6 日の日ロ首脳会談で「新たなアプローチ」で交渉することで 一致したことに言及。 「元島民が住む北海道の知事として、最大の懸案の領土問題が加速度的 に解決に向かうことを期待している」と述べた。コジェミャコ知事は「われわれの関係がス ムーズに進めば、難しい問題も、より簡単に解決できる」と述べるにとどめた。コジェミャ コ知事は北海道銀行本店で、笹原晶博頭取らと会談したほか、岩倉建設(札幌)などを視察 した。極東への投資を呼び掛けるために、大阪に移動した。 5/13:ロ下院議長も広島へ(D160513)(要約)プーチン大統領の側近であるナルイシキン下院議 長が 6 月半ばに訪日し、広島を訪問することが分かった。オバマ米大統領の広島訪問が決定 した中で、日米の結束を揺さぶる狙いもありそうだ。 5/14:旧ソ連抑留死者、新たに 67 人公表 道内出身は 15 人(D160514)(要約)厚労省は 13 日、 旧ソ連に抑留され、樺太やシベリア地域で死亡した計 67 人の名簿を HP に公表した。このう ち道内出身者は 15 人で、シベリア地方の 1 人を除き、14 人が樺太地域で死亡。厚労省の HP アドレス http://www.mhlw.go.jp/ 5/14:農業施設建設地に北方領土含まず サハリン州政府が変更(D160514)(要約)北海道との 経済交流でサハリン州政府が北方領土を含めるとしていた農業関連施設の建設候補地につい て、同州政府は 13 日、四島を含まない「北クリール(千島列島北部) 」に変更すると発表し た。前日の発表内容を一転させた背景には、日本政府が四島での共同開発に慎重な姿勢を続 ける中でサハリン側の動きが先走りすぎると「日ロ関係に悪影響を与えかねないと判断した のでは」 (日本政府関係者)との見方が出ている。同州のコジェミャコ知事は高橋はるみ知事 と会談した際、道内企業からビニールハウス用フィルムを購入する考えを伝えた。建設地に 11 は言及しなかったが、サハリン州政府は同日、 「クリール(北方領土と千島列島)を含めサハ リン州にビニールハウスを建てる」と発表した。ところが州政府は 13 日に、前日の発表の変 更をサハリンのマスコミ各社に伝えた。理由は明らかにしておらず、州政府報道担当は「分 からない」と話した。日ロ外交筋は「サハリン州政府の今回の対応は異例。踏み込みすぎて、 外交問題に発展するのを懸念したのでは」と指摘している。 5/14:引き網漁で 1 隻試験操業 日ロサケ・マス交渉妥結、割当量は激減(D150514)(要約)ロ シア 200 ㌋カイリ内の日本漁船のサケ・マス漁に関する今年の操業条件を決める政府間交渉 が 13 日、モスクワで妥結した。流し網漁が今年から禁止されたことに伴い、網を引く「引き 網」漁で、1 隻が試験操業を行うことで合意。水産庁が委託する道外の調査船が操業する。漁 獲割当量は 68.88 ㌧で、昨年 1962 ㌧(19 隻操業)から激減する。ロ側に支払う入漁料は約 2118 万円。1 ㌔あたりの単価は 306 円 60 銭で前年同じ。最も高価なベニザケが 12.70 ㌧、シ ロザケ 27.18 ㌧、カラフトマス 18 ㌧。ロシア 200 ㌋リ内の日本漁船のサケ・マス漁の操業条 件を決める日ロ政府間交渉が妥結したことを受け、道水産林務部の小野寺勝広部長は13日、 「流し網に代わる代替漁法への転換に向けた第一歩として、試験操業の機会が確保されたこ とに安堵するとともに、今回の調査結果を生かし、できるだけ早期にロシア水域におけるサ ケ・マス漁業の操業機会が確保できるよう期待している」とのコメントを発表した。 5/14:サハリン残留邦人に共同墓所 札幌・南区に完成し慰霊祭(D160514)(要約)終戦後にサ ハリン(樺太)に残された日本人らのための共同墓所が 14 日、札幌市南区の霊園「藤野聖山 園」に完成し、納骨と慰霊祭が行われた。2 人の遺骨が納められた。遺族や友人ら約 120 人が 参列し、戦争によって翻弄された故人をしのんだ。 5/14:札幌市長、6 月ノボ市訪問(D160514)(要約)札幌市の秋元市長は 6 月 22~27 日、姉妹都 市のノボシビルスク市を就任後初めて訪問する。ノボシビルスクの若者と交流を続ける山鼻 南小校長が同行し、第 4 ギムナジウム小学部と姉妹校提携を結ぶ。両市の学校が姉妹校にな るのは初。 5/16:プーチン大統領、年内訪日か 日程検討中とロシア(D160516)(要約)ペスコフ大統領報 道官は 16 日、6 日に行われた日ロ首脳会談で、プーチン大統領が年内に日本を訪れる可能性 について安倍首相と協議したとし、日程を検討中だと述べた。ペスコフ氏は、年内に訪日が 実現するかという記者の質問に対し、日ロ首脳会談で「それに関する話があった」と指摘。 「詳細な日程に関し、外交ルートで合意ができ次第、公表する」と述べた。プーチン氏側は 訪日について「準備はできている」 (ウシャコフ大統領補佐官)と前向き。ただウクライナ問 題でロシアへの圧力を維持したい米国は日ロの接近を警戒しており、日本は板挟みの状態に ある。日ロ首脳会談に関し、ラブロフ外相は6日、安倍首相がプーチン氏に訪日を要請し、 具体的な日程を含め詳細を話し合ったと説明していた。ただ日本側は、訪日時期や訪問先に ついては話をしていないと発表 している。 5/16:「日ロ経済」本格協議へ トルトネフ副首相が来日 (D160516)(要約)政府は 16 日、 安倍首相が提示した 8 項目の対 ロ経済協力案の実現に向け、日 12 ロ協議を本格化させた。世耕弘成官房副長官が午後、来日したロシアのトルトネフ副首相と 会談し、協力項目の一つであるロシア極東地域の開発協力について意見調整。北方領土交渉 に先行する形で議論を進めることも視野に、政府間対話を加速させる。北方領土問題への対 応について、安倍首相は 6 日のソチでの日ロ首脳会談で「新たなアプローチ」に基づく交渉 に乗り出すと明言している。具体的内容は明らかでないが、外務省幹部は「領土問題で日ロ のどちらの主張が法的、歴史的に正しいかを争っても結論は出ない。未来志向で考えようと いう意味だ」と説明する。日ロ経済対話の促進は、この新方針に基づく対応の一環とみられ る。世耕氏は会談で「日ロ間の平和条約締結交渉を含む政治、経済、安全保障などの協力を さらに進めたい」と強調。トルトネフ氏は、8 項目の協力案を「プーチン大統領から非常に高 い評価を得られている」と歓迎。極東開発を巡る協力への期待感を示し「地理的に見ると日 本は一番近い国。今世紀の優先的な内政課題だ」と応じた。 5/18:(A160518) (要約)来日中のトルトネフ副首相(極東開発担当)は、5 月 16 日、世耕弘 成官房副長官、丸紅会長の朝田照男経団連日本ロシア経済委員長と面会した。林幹雄経済産 業相とは 18 日に会談する予定。5 月 6 日の日ロ会談で安倍晋三首相が示した 8 項目の協力プ ランをテコに、日本の対ロ投資引き上げを強く要請した。 ただ、日本企業はロシア進出に慎重だ。経団連が 15 年秋に発表した 182 社対象のアン ケートでは、ロシアでのビジネスを「拡大・強化を検討」と答えた企業は 35.4%、前年の 49.4%から減った。行政や法制度の不備を指摘する企業も多い。「トルトネフ氏は 16 日、 財界幹部に“投資環境を改善できるよう柔軟に対応したい”とのべたが,企業幹部は“新 たな進出には時間がかかる”と伝えたという」。日本政府高官は「ロシアが日本の経済協 力に相当なメリットがあると思っているうちに企業進出を加速させたい」と話している。 グラフに示したように、対ロ直接投資(FDI)は 2003 年までは 0 レベルであったが、2011 年まで右肩上がりの伸びを示した。しかし、日本の対外総直接投資(FDI)に占める対ロ 直接投資は 2005 年以来 2014 年に至る 9 年間、1%以下のレベルであり、日本の民間投資 はロシア以外の国々に比較して対ロ投資のメリットを殆ど認めていないと言わざるを得な い。 「2014 年末の日本の対ロ直接投資残高は 2026 億円であったが、それは、日本の世界全体 への対外直接投資残高 141 兆円の僅か 0.14%に過ぎない。企業数に関しても、全世界での 日系企業の現地法人数は 28013 社であるのに対しロシアでは 183 社(全体の 0.65%)とな っている。中国への進出は(大陸のみで 6707 社、同 23.9%)であった(2014 年のデー タ)。 そこで、ロシアとしては、外資導入拡大が焦眉の課題となっており、プーチンの極東政 策にも、TOR(優先投資地区)や自由港湾政策などが政策の目玉となっているのである。 5/18:日ロ平和条約交渉定期化 大統領補佐官発言 プーチン氏、年末訪日(D160518)(要約) ウシャコフ大統領補佐官(外交担当)は 17 日、プーチン大統領と安倍首相の首脳会談で、両 外務省高官による平和条約交渉を 2 カ月に 1 回程度の頻度で定期開催することに合意したと 記者団に述べた。ただ、両国の隔たりは大きく、開催を定期化する効果は不透明。ウシャコ フ氏は、首脳会談で日本側が提案した経済協力と平和条約交渉の進展は「全く関係ない」と 強調した。 4/18:北方領土新アプローチ 「首相の友好姿勢 評価」 露副首相兼極東連邦管区大統領全権代表 13 ユーリー・トルトネフ氏 (M160518)(要約)17 日に東京都内でインタビューに応じ、安倍首相 が「新たな発想に基づくアプローチ」により領土問題の解決を目指すと表明したことについ て「日本の首相がロシアと友好と協力関係を目指すことをうれしく思う」と評価した。8 項目 の経済協力計画に関しても「 (地元の)経済開発の優先分野とほぼ一致している」と歓迎した。 領土問題については「政治問題は担当していない」と述べながら、同地域の経済開発につい て「日本企業を招きたい」と呼びかけた。 5/18 : 札幌 ノ ボシ ビ ルス ク 協 会 経 済 交 流掲げ 新 法 人 オ ペ ラ など鑑 賞 ツ ア ー計 画 (D160518)(要約)札幌市の姉妹都市ノボシビルスク市との人的交流に加え、相互の経済交流を 後押しするため、NPO 法人「札幌ノボシビルスク協会」が設立された。2004 年に発足した札 幌・ノボシビルスク友好交流協会(千葉裕子会長)を中心に、互いに市民訪問団を派遣する などしてきた。しかし発足から12年、いったん 3 月で同協会を解散。経済・産業分野での 交流も視野に入れて 2 月に新たな NPO 法人を設立し、5 月からあらためて活動を始めた。計 画では、9 月にノボ市を訪問してオペラやバレエなどを鑑賞するツアーを募集する。10 月に は札幌出身の書家長谷川悠貴さんを同市に派遣し、書道展を開く。札幌や北海道での事業展 開に関心がある現地企業を集め、札幌訪問団の受け入れなども行う。 5/18:サハリン航路再開へフォーラム 促進協が事業計画(D160518)(要約)地方自治体や団体、 企業などでつくる 日ロフェリー定期航路 利用促進協議会が 17 日総会を開き、本年度の事業 計画を決めた。稚内とサハリン州コルサコフ港を結ぶ定期航路の再開を目指し、道内とサハ リン州の貿易拡大に向けたフォーラムを開くことなどが盛り込まれた。昨年 9 月で運航が終 了した同航路を巡っては、稚内市と同市内の建設会社などが今年 4 月、第三セクター「北海 道サハリン航路」を設立し、再開を目指している。 5/18:サハリン訪問事業、今年は空路に 航路撤退で道日ロ協会 「交流の火消さない」 (D160518)(要約)NPO 法人北海道日本ロシア協会は、昨年まで稚内とサハリン州を結ぶ定期航 路で行っていた訪問事業「サハリン平和の船」を、今年は空路を使って「平和の翼」として 実施することを決めた。昨年ハートランドフェリーが同航路から撤退したことに伴う措置。 同協会は「30 年続けてきた交流の火を消すわけにはいかない」と話す。北海道・ロシア極東 交流事業実行委員会主催の「青少年サハリン・北海道『体験・友情』の船」も同様に、空路 を使う。 5/18:ロシア大統領訪日、年末で調整 補佐官、合意に期待(D160518)(要約)ウシャコフ大統 領補佐官は 17 日、プーチン大統領の日本訪問が年末に実現する可能性があると表明した。ウ シャコフ氏は大統領訪日時期について「日本側と合意できることを期待している。年内だと 考えているが、あえて言うとすれば年末だ」と述べ、日ロ政府間で訪日実現に向けて日程調 整が進んでいることをうかがわせた。平和条約締結問題に関する日ロ外務次官級協議を「2 カ 月に 1 回ぐらい」のペースで定例化することで合意しているとも語った。日本が提示したロ シアへの経済協力については高く評価しつつ、経済協力と平和条約締結の問題は「全く関係 ないことだ」と強調した。 5/20:領土と経済分離「日本側が表明」 ロ極東発展相(D160520)(要約)ガルシカ極東発展相 は 19 日ロ首脳会談で、「日本側が初めて、領土要求と経済協力という二つの問題を切り離す 原則を表明した」と語った。安倍首相はプーチン大統領との首脳会談で、経済協力を提案す るとともに、 「新たなアプローチ」で平和条約交渉を進める方針を表明。新たなアプローチの 14 詳細は明らかになってないが、ロ側は、領土問題と結びつけずに経済協力を進展させるよう、 日本への圧力を強めてくるとみられる。 5/20:サハリンと北海道、協力拡大で一致 両議会議長が会談(D160520)(要約)サハリン州を 訪問中の道議会代表団は、ユジノサハリンスクの同州議会を訪れ、議員 15 人と会談、両地域 の協力を深めていくことで一致。エフレーモフ氏は、ロシア極東の経済協力などを協議した 日ロ首脳会談に触れ、 「建設的で有意義だった。サハリンと北海道とも幅広い分野で協力を拡 大していこう」と呼び掛けた。遠藤氏は「両国間には解決しなければならない問題もあるが、 われわれの信頼関係をより強固にし、両地域の発展のために尽力したい」と話した。 5/22:平和条約交渉と経済協力 ロシア切り離し強める(D160522)(要約)ロ政府が、日本から の経済協力と平和条約交渉の進展を切り離す姿勢を強めている。経済協力拡大で交渉の進展 を目指す日本側を揺さぶるとともに、9 月に下院選を控え、愛国ムードが高まる国内からの批 判を避ける思惑がありそうだ。6 日の日ロ首脳会談で、安倍首相は 8 項目の経済協力プランを 示し、 「新たなアプローチ」で平和条約交渉を進めることを提案。ロ側は首脳会談で「日本側 が初めて領土問題と経済協力を切り離した」(ガルシカ極東経済発展相)と主張。平和条約交渉 で早期の進展がなくても、経済協力を先行させることを日本側に受け入れさせる狙いだ。ロ 国内では、ロ政府が経済協力を得るために領土問題で妥協することを警戒する声が出ている。 プーチン氏は、ロ国営テレビの「我々の島を取引し、高く売ろうとしているのか」との質問 に対し、 「何も売らない」と反論。プーチン氏は平和条約交渉で北方領土問題を協議する考え を明言するなど、日本にも歩み寄る姿勢を見せた。日本と繋ぎ止めつつ、下院選や大統領選 をにらみ、領土問題では硬軟織り交ぜた発言が続きそうだ。 5/25: 〈ひと 2016〉NPO 法人札幌ノボシビルスク協会理事長 長谷川真奈さん(D160525)(要 約)幌市の姉妹都市ノボシビルスクと北海道との人的、経済交流を支援するため、NPO 法人 「札幌ノボシビルスク協会」を設立。12 年前、ロシアからの訪日客を受け入れる旅行会社 「さくらツアー企画」を設立。ノボ市では日本食ブームが起き、日本の医療機器や農業機械 に関心を持つ企業があることがわかった。ロシアの主要通貨ルーブル安の中、日本からはロ シアへ行きやすく、 「今がロシアに打って出る絶好のチャンス」 。 5/25:道内観光情報、SNS でロシアへ 視察団の 10 人札幌訪問(D160525)(要約)在ロ・ハバ ロフスク総領事館の主催事業として道内と山形県を訪問し、フェイスブックなどの会員制交 流サイトで観光情報を発信するロシア人視察団 10 人が 23 日、札幌市役所で町田副市長と懇 談。同事業は日本政府が外国への日本観光 PR を目的に行っている。札幌のほか、石狩、帯広、 山形各市などを訪れる。札幌では、市時計台や北海道神宮を見学したほか、札幌大で学生ら と交流した。 5/31:ロシア向け機械輸出不調 輸出 2 カ月ぶり減少 4 月の小樽港(D160531)(要約)小樽税 関支署は 4 月の小樽港貿易概況(速報値)をまとめた。輸出はロシア向けの鮮魚加工機械な どが減少した影響で前年同月比 54.3%減の 3 億 9300 万円となり、2 カ月ぶりに減少した。輸 出入の総額は同 17.3%減の 26 億 200 万円で、再び減少に転じた。同支署によると、輸出は 「一般機械」が前年同月比 67.2%減の 4600 万円で 3 カ月ぶりに減少。 「輸送用機器」はロシ ア向けの中古車が減って同 62.2%減の 1 億 5100 万円となり、18 カ月連続で減少した。ただ中 国向けホタテが好調で「魚介類および同調整品」は同 28.5%増の 9300 万円と 2 カ月連続増。 輸入総額は前年同期比 3.5%%減の 22 億 900 万円で 5 カ月連続減少。アメリカなどからの 15 「肉類および同調整品」が同 43.2%%減の 3 億 4600 万円となり、6 カ月連続の減少となった。 6/4:ロシア 北方領土に経済特区 年内設定(D160604)(要約):ロシアの極東発展省は 6 月 2 日、クリル諸島に年内に経済特区をつくる方針を発表した。択捉島や国後島で養殖や観 光などの産業を育成する。クリル諸島の経済特区では、22 事業に 193 億ルーブル(約 308 億 円)の投資を見込んでいる。ホタテの養殖や.観光や鉱業などを推進する。 6/4:北見産タマネギ、ロシア輸出模索 2 農協が現地視察 物流ルート確保がカギ (D160604)(要約)きたみらい農協と常呂町農協が、タマネギのロシア輸出を検討している。ホ クレンを通じ昨秋、北見産タマネギがアジア圏に輸出されたのを機に、両農協は先月、ロシ アの 2 都市を視察。関税や販売方法などの課題を探った。品質に手応えを得る一方、物流な どの課題も分かり、今後、実現に向けて具体策の検討を進める考えだ。同農協によると、現 地スーパーでは、中国産やロシア産のタマネギが山盛りで並べられていたが、規格が統一さ れておらず、品質にもばらつきがあり、きたみらい産タマネギが輸出できれば「十分売れる」 との手応えをつかんだという。両農協が輸出の可能性を探る背景には、昨年の豊作のような 場合に値崩れを防ぎ、農家所得を確保する狙いがある。課題は物流ルートの確保や現地での 保存体制の確立。両農協などによると、輸出する場合、貨物船を利用し、《1》小樽↓ウラジ オストク《2》石狩↓韓国・釜山↓ウラジオストクなどのルートが想定される。ただ《1》は 距離は近いが船が小さく不定期、《2》は距離的ハンディがありコストが高くつく―などの課 題があるという。安定供給に向け、現地での倉庫など保管体制の確立も必要だ。同農協は今 後、輸送コストなど販売する場合の課題を整理し、輸出につなげたい考え。小野寺組合長は 「多少高くても安心な野菜がほしいという消費者ニーズもあり、ビジネスチャンスがあると 感じた。今後は行政とも連携しながら輸出の可能性を追求したい」としている。 6/5:貝殻島コンブ漁初水揚げ サオマエコンブの質良し、量も期待(D160605)(要約)北方領 土・貝殻島周辺で 4 日始まったコンブ漁で根室市内の各漁港に初水揚げされた特産のサオマ エコンブは、幅が広くて長い良質のものが目立ち、漁師から豊漁を期待する声が上がった。 ロ側に採取料を支払って操業する貝殻島コンブ漁は、日ソ民間協定が結ばれた旧ソ連時代 1963 年に始まった。200 ㌋漁業専管水域設定による 4 年間の中断をはさみ、今年は操業が 50 回目の節目になる。操業する期間は 9 月末まで。 6/7:大西さん搭乗、7 月 7 日に延期 ロシア宇宙船ソユーズ(D160607)(要約)ロ国営宇宙開発 企業ロスコスモスは、宇宙飛行士大西卓哉さんが搭乗する宇宙船ソユーズの打ち上げを今月 24 日から 7 月 7 に延期すると発表。飛行の安全性を高めるためソフトウエアの追加テストを 実施すると説明した。今回の打ち上げには新型「ソユーズ MS」が初めて投入される。姿勢制 御のエンジンを改良したほか、衛星利用測位システム GPS が搭載されている。 6/10:経団連、ロシア訪問 4 閣僚と会談、協力再始動(D160610)(要約)モスクワを訪問した 経団連の朝田照男・日本ロシア経済委員会委員長らは 9 日、ドゥボルコビッチ副首相、ウリ ュカエフ経済発展相らと相次いで会談した。経団連のモスクワ訪問団派遣は2011年以来。 ウクライナ危機による対ロシア制裁後、日ロ間の経済協力は停滞していたが、首脳対話を機 に動き始めた。ドゥボルコビッチ氏らは、5 月に安倍首相がプーチン大統領との首脳会談で示 した極東振興やエネルギー開発など 8 項目の経済協力案に注目し、経団連に具体化するよう 要請した。 6/17:日ロ交流活性化へ 北大生ら意見交換 (D160617、モスクワ渡辺玲男) (要約)日本と」 16 ロシアの若者による交流を活発にしようと、日ロ青年フォーラムが 6 月 15 日、モスクワで開 かれた。 北大など全国から集まった大学生 28 人が、ロシアの青年組織の代表者らボランテイ ア活動を巡って意見を交換した。日露青年交流センターなどの主催。フォーラムでロシア側 は、2014 年ソチ冬季 5 輪でのボランチイア経験や、17 年に各国の学生を集めた大規模なイベ ントを計画していることを説明し、 「日本との交流拡大を期待している」と呼びかけた。日本 側はボランテイアの運営方法やロシア政府の支援について質問した。ロシアを始めて訪れた北 大理学部の波多腰(はたこし)純也(22)さんは「ロシアについて情報が少なかったので勉強 になった。今後の交流に生かしたい」と話した。 6/17~18:プーチン氏来日「年内に」ロシア下院議長 見通し示す(D160617&18)(要 約)安倍晋三首相は 6 月 16 日、プーチン大統領側近のナルイシキン下院議長と官邸で約 20 分会談した。次いでナルイシキン氏は 17 日、東京都内で記者会見し、プーチン氏の来 日が年内に実現するとの見透視を示した。9 月上旬のウラジオストクでの首脳会談にも触 れこの 2 つの会談で日ロ関係が加速されるとのべた。首相が 5 月に提案した 8 項目の経 済協力は、両国関係の進展に役立つとの認識を示した。一方、今後の交渉では、平和条約 締結後の歯舞、色丹 2 島の日本への引き渡しを明記した 56 年の日ソ共同宣言に基づく解 決が基本との認識を表明。日本側に対し「第二次大戦後の(日本が敗戦したという)事実、 現状を認めてもらいたい」とも述べた。彼は 17 日、大島理森衆院議長、自民党の高村正 彦副総裁、公明党の山口那津男代表らと相次いで会談。大島氏は会談で日ロ関係の進展に 期待感を示し、ナルイシキン氏は「これからの時代のた努力したい。議員同士の役割は非 常に大切だ」とのべた。 外務省ホーム・ページより。国後島及び択捉島からの患者の受入れ: 平成 28 年 6 月 16 日 1 6 月 17 日から,外務省は,北方四島住民支援事業の一環として,人道上の見地から, 国後島及び択捉島の患者 2 名を,市立根室病院及び町立中標津病院において受け入れる ことを決定しました。2 今回の患者 2 名については,島側からの受入要請及び患者の病 状等を踏まえ,受入れを決定したものです。3 北方四島からの患者受入れは,平成 10 年度から実施しており,2015 年までに延べ 214 名の患者を受け入れています。(患者情 報)(1)50 代女性,国後島(市立根室病院) (2)50 代女性,択捉島(町立中標津病院) 17