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「日本株はどうなるのか?」 ポートフォリオ・マネージャー討論会
お客さま用資料 フィデリティ・ワールドワイド・インベストメントが考える21世紀の投資テーマ 2014年 4月 「日本株はどうなるのか?」 ポートフォリオ・マネージャー討論会 安倍政権は、日本経済を長年にわたったデフレから脱却させようという壮大な 取り組みに乗り出しました。それに支えられ、2013年の日本株は著しく上昇しま したが、年明け以降は他市場にやや出遅れています。本稿では、日本株式運用 担当者が日本の株式市場が抱える課題について討論を行いました。 日本株運用担当者: アレキサンダー R. トリーヴス: 運用部長(司会) ニコラス・プライス: ポートフォリオ・マネージャー ジュン・ヨン・キム: ポートフォリオ・マネージャー 檜垣慎司: ポートフォリオ・マネージャー 重川利枝: ポートフォリオ・マネージャー 余 国維 (イー コックウェイ): ポートフォリオ・マネージャー はじめに アレキサンダー R. トリーヴス:アベノミクスがスタートして、2012年の末から2013 年の5月半ばまで日本株は急騰しました。株価はその後調整局面に入り、秋口 までは横ばいが続きましたが、その後は年末に向けて上昇トレンドに戻りました。 ところが、2014年に入って以降、世界の株式市場はもたついており、なかでも日 本株は出遅れています。その主な背景は、中国に対する懸念や地政学的な問 題といった海外要因です。新興国市場が急落し、世界のリスク選好度が低下す るとともに円高が進み、日本株の下げに拍車がかかったのです。国内要因に関 しては、消費税率の引き上げが迫るにつれ投資家の不安感が高まりました。ア ベノミクスの「第三の矢」(成長政策と構造改革)が思うように進んでいないことへ の苛立ちも株安に現れていると言ってよいでしょう。 ポイント 最近の市場の調整には海外要因による ものが大きい。 消費税率引き上げとアベノミクスの方向 性に対する懸念も不安材料となっている。 しかし、日本が景気後退に陥る可能性 は低く、デフレからの脱却は着実に進み つつある。 企業のファンダメンタルズは改善してお り、バリュエーションは割安圏にある。 株価の下落局面は、魅力的な銘柄へ投 資する絶好の機会である。 しかし、足元の相場は大きく変動していますが、日本のマクロ経済とミクロのファ ンダメンタルズには大きな変化は起きておりません。この点は強調しておきたい と思います。日本は長期的な成長に向けて順調に景気回復が進んでおり、最近 の市場の急落は、魅力的な銘柄への投資機会を作り出したとみています。市場 に蔓延し始めたこうした不安感を受けて、フィデリティのポートフォリオ・マネー ジャーたちに、日本株市場が抱える課題について語ってもらいます。 「今年に入ってからの相場の下げは 主に海外要因によるものです」 新興国への懸念が「質の逃避」の引き金に アレキサンダー R. トリーヴス 運用部長 フィデリティ投信 TOPIX (左軸) MSCI 新興国株価指数 (左軸) (右軸) 期間は2014年1月~3月 出典: ブルームバーグ(2014年3月24日) 1 お客さま用資料 (1) 日本市場を取り巻く環境 アレキサンダー R. トリーヴス (以下トリーヴス):日本株は2013年には 力強く上昇しましたが、今年に入ってか らは他市場に出遅れています。いわゆ る「安倍相場」はまだ続くのでしょうか? ジュン・ヨン・キム (以下キム):日本経 済は景気回復サイクルの半分にも達し ていないと考えています。年初からの調 整は、1~2年の時間軸で見ると投資家 にとって格好の買い場を提供していると 捉えるべきです。バリュエーションは魅 力的で、ファンダメンタルズは依然として 強い状況です。 ロ経済の軟化と、ウクライナ/ロシア問 題に端を発した先行き不透明感が関係 しているとみています。以上を総合する と、将来の値上がりを期待して今こそ日 本株を買う絶好のタイミングだと考えて います。 余 国維(以下 余):日本株の強気相場 はまだその途上にあると思います。バ リュエーションは他の金融商品に比べる となお割安です。預金金利は殆どゼロ で、日本10年国債利回りは0.6%にすぎ ません。日本国内が今なお大いなる疑 心暗鬼にとらわれていることは事実です。 株式市場は1990年代にバブルが崩壊し た後に長期の下げ相場に入り、以来国 内の投資家は、個人も機関投資家も何 度となく痛い目に遭ってきたので、今で も大量の資金が低金利のキャッシュや 国債に滞留しているのです。米国市場 はすでにリーマンショック前の水準を超 えています。日本が米国に追いつくと想 定すれば、東証株価指数(TOPIX)には ここからかなりの上昇余地があります。 それでも、今のところは明るい兆しが見えて いるのではないでしょうか。2015年3月期の 企業収益は1桁後半から2桁の増益を予想 しています。他の株式市場に比べるとバ リュエーションが割安なため、日本株式は 好調に推移するとの見方を変えておりませ ん。 ニコラス・プライス (以下プライス):2012 ~13年は大相場でした。消費税率の引 き上げを乗り越えれば、市場は2014~ 15年に堅調な利益成長を期待できる企 業群に再び注目するでしょう。これは フィデリティのようなボトム・アップによる 銘柄選択を得意とする投資家には良好 な環境と言えます。財務省は、2015年に は是が非でも消費税率を再び引き上げ たい意向であり、政府はここから2015年 にかけてさらなる景気刺激策を打たな 重川利枝(以下重川):アベノミクスは始 ければならないでしょう。これは株式市 まったばかりです。政府と日本銀行、そ 場にとっては追い風となるはずです。 して産業界が皆同じ方向を向いている というのはめったにないことで、デフレか 檜垣慎司 (以下檜垣): 現在の株価は ら脱却し、持続的なインフレを実現させ 日本政府と日銀などがこれまでに講じ る強い決意を感じます。誰もが成長と変 てきた施策を反映していますが、将来の 革を成し遂げなければならないと腹を 施策については何も織り込んでいない 括っているのです。こんな状況は本当に と思います。「第三の矢」の実効性を高 珍しいと思います。大変に難しい実験で めるためのさらなる施策が講じられれば あり、数々の困難を乗り越えないと成功 株価の押上げ要因になるでしょう。さら が覚束ないことは言うまでもありません。 に、最近の市場の調整は、中国のマク 「日本株の強気相場は 続いており、現在はまだ その途上にあると思います。 バリュエーションは 他商品に比べるとなお割安 です。預金金利は殆どゼロ で、日本10年国債利回りは 0.6%にすぎません」 余 国維 ポートフォリオ・マネージャー フィデリティ投信 企業収益の上方修正に市場の調整があいまって、日本株のバリュエーションが低下 増益率( EP S ) P ER P BR 2 0 0 8 年P BR EV/ EBI TDA ROE 配当利回り 10年 (X , % ) 2014 2015 2014 2015 2015 底 2014 2014 2014 国債利回り Japan 21% 14% 12.1 10.6 1.23 0.86 7.2 10.2% 2.7% 0.6% US 8% 8% 16.1 15 2.69 1.52 9.1 15.9% 2.1% 2.1% Europe 14% 13% 13.2 11.7 2.02 1.01 8 14.2% 3.4% 2.1% Asia (ex. Japan) 10% 14% 11.9 10.8 1.48 1.23 6.4 12.9% 3.3% - 注記:財政年度(2014=2015年3月期)に基づいています。日本株の母集団は東証第一部上場企業です。米国の母集団 は S&P500種構成企業です。欧州の母集団は、DJストックス600指数(除く金融)の一部でゴールドマン・サックスがカバー している企業です。EV/EBITDAからは金融が除かれています。 米国株のPERはEPSの予測を行っているゴールドマン・ サックス・グローバル・インベストメント・リサーチに基づくもので、欧州株のPERは償却額控除前の数値を用いています。 日本を除くアジアの母集団はMSCI米ドルベースの市場インデックス(現地通貨)で、ファクトセット・リサーチ・システムズと トムソン・ファイナンシャルの I/B/E/Sの試算に基づいています。日本、アジア(除く日本)、米国は2014年3月19日時点の 数値、欧州は2014年3月13日の数値です。上記データは参考用であり、ポートフォリオ・マネージャーの見解と異なる場合 もあります。 出典:ゴールドマン・サックス・グローバル・インベストメント・リサーチ、日経、時事 2 お客さま用資料 (2)アベノミクスと「第三の矢」 トリーヴス:アベノミクスはうまく行くでしょ は行きそうにありません。たとえば、環 うか?「第三の矢」は今のところどれも期 太平洋パートナーシップ協定(TPP)交 待外れだというのが大方の見方のように 渉ひとつとってみても、多くの国が関 思われます。 わっており、しかも各国の利害は足並み が揃っていないのです。とは言え、政府 キム:「第三の矢」に関してはまだ判定が 下されていないと理解しています。投資 は多くの施策を打ち始めており、明るい 家の期待が高まっていただけに失望感 兆候も見え始めています。今後1年を通 があるのは事実です。しかし、私は、今後 じて「第三の矢」による前向きの効果が 2年間の日本株の見通しが「第三の矢」に 目に見える形で現れてくると思います。 かかっているとは考えておりません。ここ からの日本株市場を強力に支えるのは、 檜垣:「第一の矢」と「第二の矢」(財政 「超」低金利政策と割安なバリュエーショ 政策)に比べ「第三の矢」が効果を発揮 ン、そして先進諸国のしっかりしたファン するまでに時間がかかることは、ある程 ダメンタルズの組み合わせだとみている 度容認されていると思います。「第三の からです。 矢」は成長戦略と規制緩和に関わるも プライス:「第一の矢」(金融緩和策)は、 のなので、実現に手間暇がかかるのも 資産の再配分を促す上で最も効果を発 当然ではないでしょうか。いずれにせよ、 揮しており、2014年の後半にはさらなる 賃金が実際に上がっている点は留意し 緩和策が予想されています。そうなれば ておくべきでしょう。賃金が上昇すれば、 借入金依存度の高い発行体や資産クラ 消費税率引き上げの悪影響が相殺され、 スは恩恵を受けるでしょう。「第三の矢」 2014年夏以降には消費が刺激されるだ (構造改革)については、安倍首相の支 ろうと考えています。国民が安倍首相を 持率から目が離せません。というのも安 支持している限り、アベノミクスの「第三 倍氏が困難な政策を推進できるかどうか の矢」の成功に賭けてもリスク以上の十 は、国民の支持に大きく左右されるから 分なリターンが期待できると思います。 です。また、インフレが進行する過程で、 賃金の上昇トレンドも注視します。 余:まず、「第三の矢」は効いています。 重川:「第三の矢」が期待外れに見えるの アニマル・スピリットは復活しています。 は、これが最も実行が難しく、目に見える 日本の景気は円安が引き金となって回 成果が現れるにはかなりの時間がかか 復軌道に乗り始めています。企業の設 るからです。雇用改革、税制改革、業界 備投資は持ち直し、融資の伸び率も高 再編、年金改革、医療制度改革、農業改 まってきました。大企業はベースアップ 革など、どれも時間がかかり、一筋縄で に動き、雇用市場はひっ迫しています。 政府は構造改革を一層進める必要があり ますが、小泉政権後の数年に比べると、 現在の安倍政権が置かれている状況は かなり改善し、待ち望まれていた安定政 権がようやく実現したと言えるでしょう。問 題は、安倍首相がすぐにできること以上の ことを約束したということです。改革は「言 うは易く行うは難しい」ものです。しかし、 安倍首相がこれまで成し遂げたこと、そし て今後できることは、日本経済に大きな影 響を及ぼすでしょう。 「政府は多くの施策を打ち始めて おり、明るい兆候が見え始めてい ます。今後1年を通じて時間の経 過とともに「第三の矢」による前向 きの効果が目に見える形で現れて くると思います」 重川利枝 ポートフォリオ・マネージャー フィデリティ投信 「第三の矢」 - 改革プロセスでの次の法的ステップ 今国会に提出されている法案 内容 会社法 カジノ/統合型リゾートの規制緩和 農業改革法 社外取締役による企業経営に対するガバナンスの強化 カジノや統合型リゾートの許可 コメの生産を抑制する「減反」政策を順次廃止し、コメ生産の補助金を削減する 産業 国内の生産性向上設備投資促進税制 国家戦略特区法 生産性の向上につながる設備投資を促進するための税制措置 特区での規制緩和を推進 雇用と労働 出入国管理及び難民認定法 雇用保険法 高度の専門的な能力を有する外国人が永住権を得るのに必要な期間を短縮 教育訓練給付と育児休業給付金の拡充 エ ネルギ ー 電気事業法 2016年までに電気の小売業への参入の全面自由化を実施 医療 日本医療研究開発機構法案 日本版国立衛生研究所(NIH)の設立を推進 インフ ラ スト ラ ク チャ ー 道路法等の一部を改正する法律案 都市再生特別措置法 マンションの建替えの円滑化等に関する法律 高速道路の老朽化に対応した更新事業への資金配分と料金徴収期間の延長 コンパクトなまちづくりの支援と過疎地の過度な拡散の抑止 一定地域における容積率制限の緩和 2014年6月に発表予定の「改訂版成長戦略」で触れら れる施策 実効法人税率の(2015年3月期の35.6%からの)さらなる引き下げ 女性の労働参加率を向上するための特別措置 農業協同組合の改革法案 M&Aを促進するための「のれん代」の非償却を含む企業会計改革 東京オリンピックに向けたインフラ整備 出典:ゴールドマン・サックス・グローバル・インベストメント・リサーチ、日経、時事 3 お客さま用資料 (3) ウクライナ情勢の影響について トリーヴス:ウクライナをめぐる緊張感が高 まり、金融市場では先行き不透明感を助長 する主な原因となっています。どう捉えてお けばよいでしょうか? 場面も何度かはあるでしょうが、ウクラ イナ問題が米国、欧州、日本で改善して いるファンダメンタルズに大きな影響を 及ぼすとはみておりません。 キム:短期的には、ウクライナ情勢は市場に 悪影響を及ぼしても不思議ではないし、実 際そうなるでしょう。しかし、ロシアと西側諸 国の緊張が極端に高まらない限り長続きし ないと思います。 余:ロシアが広範囲にわたる経済制裁 を受けると、世界経済全般にとって好ま しい事態にはならないと思います。しか し、これまでの歴史を振り返ると、バリュ エーションが割安でファンダメンタルズ が強固でさえあれば、突然先行きが不 重川:今回の事態は、新たな世界秩序に向 けた1つの兆候だと考えています。今や米国 透明になったり、危機が顕在化したりと は世界の警察官役からは降りようとしている いった期間は格好の投資機会となって のです。もしロシアの勝手な行動が許された きました。最高の投資タイミングを正確 ら、中国もそれに倣うかもしれません。する に突き止めるのは難しく、ウクライナ情 とアジアにとっては厄介なことになり、日本 勢が悪化するテール・リスクは常にあり は必然的に影響を受けるでしょう。私はこの ます。一つの堅実な方法は、ドルコスト 成り行きをきわめて注意深く見守っています。 平均法による投資で、新たな情報を得 るたびに、保有ポジションのリスクとリ 檜垣:今回の騒動は、日本株を安く買える好 ターンとを評価し直すことだと思います。 機と捉えています。今後市場が大揺れする (4) 消費税率の引き上げ トリーヴス:日本の消費税率はこの4月1日 に5%から8%に引き上げられました。増税 は17年ぶりですが、前回の1997年の時には 景気が急速に悪化した記憶から、投資家の 間に不安が高まっていることは間違いあり ません。実際、景気ウォッチャー調査や消費 者信頼感指数などの経済指標は将来の景 気悪化を示唆しています。今後の展開をど のように考えますか? 日本経済が後退したのは、主に海外要 因によるものであって、消費税率の引き 上げ自体ではありませんでした。政府は また、今回の影響を緩和するために、 様々な景気刺激策を打ち出しています。 したがって、消費税に関する懸念から市 場が調整するタイミングがあれば、それ は買いの好機になると考えています。 「今後市場が大揺れする場 面も何度かはあるでしょうが、 ウクライナ問題が米国、欧州、 日本で改善しているファンダ メンタルズに大きな影響を及 ぼすとはみておりません」 檜垣慎司 ポートフォリオ・マネージャー フィデリティ投信 「消費税率引き上げの影響 は一時的と考えています。多 くの人々が1997年を連想して は不安がっていますが、当時 の日本経済が後退した主な 理由は、海外要因によるもの であって、消費税率の引き上 げ自体ではなかったのです」 キム:消費税率引き上げの影響は一時的と プライス:安倍政権は財政問題に取り組 ジュン・ヨン・キム 考えています。3%から5%へ引き上げられ む必要があり、今回の消費税率引き上 た1997年を連想する人が多いですが、当時 げは財政改革の第一段階に当たります。 ポートフォリオ・マネージャー フィデリティ投信 消費税率の引き上げを前に経済指標が急速に悪化 (前年比%) (業況判断指数(DI)) 日本の実質GDP成長率 (左軸) 日本の景気ウォッチャー調査 – 景気の先行き判断 (右軸) 出典: ブルームバーグ、内閣府 2014年2月28日現在 4 お客さま用資料 2014年上半期の国内景気見通しが良くな いことはすでに市場にも織り込まれていま す。こうした環境の中で少しでも良い ニュースが出れば市場では好意的に解釈 されるのではないでしょうか。 の強さを理由に、消費税増税の影響を前 回よりもはるかに小さいと感じている点だ と思います。したがって、4月の増税の影 響は比較的軽いでしょう。そしてそのこと に市場が気づく前に、下げの局面があれ ば買っておくことが得策だと考えます。 重川:市場は消費税の引き上げを懸念し ています。しかし各社の話を聞くと、影響は 檜垣:消費税増税の負の影響は十分に 限定的だと感じている企業が多いようです。 警告されてきました。日本銀行は、景気 例外は、高価な家電製品を取り扱う小売 後退のリスクを緩和するために追加的な 業者で、白物家電の購入が急増し、増税 金融緩和策を講じるでしょう。さらに、政 前の駆け込み需要が見られました。しかし 府はすでに実施を決めたもの以外にも追 むしろ注目すべきは、設備投資関連企業 加的な財政政策に踏み込むかもしれま と自動車メーカーが、全体的な投資意欲 せん。したがって、消費税増税の影響は 限定的だと思います。6~12カ月で考え ると、日本株を買い控える理由は何も ないというのが私の意見です。 余:株式市場は懸念材料を織り込みな がら上昇を続ける習性があります。日 本市場が2007年のリーマンショック以 前の高値に挑むにはこの懸念を乗り越 えなければなりません。消費税増税の 悪影響についてはこれまでに十分警告 されており、TOPIXは1月から調整局面 に入っています。 消費税増税は(十分に警告された)リスクだが、かなりの政策支援が用意されており、金融環境は(1997年当 時よりも)はるかに改善している。 不良債権比率と企業の資金繰り判断(日銀短観) 短観資金繰り判断(「楽である」 ― 「苦しい」) 不良債権比率 大企業 中堅企業 中小企業 出典: シティ・リサーチ、金融庁、日本銀行 結 論 トリーヴス:今年に入ってからの日本株は 世界の他市場に出遅れてきました。現在 は、ウクライナ紛争に加え中国経済の見通 しに関する懸念が市場に影を落としていま す。円高が海外資金の(日本株市場)から の流出を引き起こすのも大きな影響の一 つです。 現在と1997年ではいくつか重要な違いが ありますが。当時と異なり、現在は国内の 金融システムは安定しており、アジアの金 融危機が勃発しているわけでもありません。 さらにマクロ/ミクロのファンダメンタルズと バリュエーションも現在の方が良好です、 それでも消費税増税の影響は短期的には 日本市場に下方圧力を及ぼす可能性があ ります。 増税前には大幅な駆け込み需要があり ましたので、今後数カ月はその反動での 落ち込みは避けられないと思います。実 際、景気ウォッチャー調査などの先行き 判断は大きく下落しています。しかし、消 費活動の落ち込みは一時的なものに終 わり、雇用と所得状況の改善を背景に、 今年後半にはゆっくりと反発するでしょう。 さらに、日本企業は収益が引き続き上向 き傾向にあって、堅調な業績を背景に大 幅な増配や自社株買いが相次いで発表 されています。企業の利益総額は前四半 期比での増益が続いており、各社の業績 も上方修正されていることから現在の勢 いはしばらく続くでしょう。市場は、ここ数 カ月の調整でバリュエーションが次第に 魅力的になっているため、押し目買いの 5 準備が整ったと言えそうです。 国内外の様々なマクロ経済要因によっ て株価は当面大きく変動するでしょうが、 中長期的には日本株は有望との見方 を変えておりません。 「最近の市場の調整は、魅力 的な銘柄選択機会を作り出し たとみています」 アレキサンダー R. トリーヴス 運用部長 フィデリティ投信 お客さま用資料 過去水準から比べても、前回の消費税率引き上げ(1997年4月)時と比べても割安な現在のバリュエーション 株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)で見た日本株のバリュエーション TOPIX12カ月予想PER TOPIX PBR 平均 平均 両グラフ共に期間は1994年12月末~2014年2月末 出典: データストリーム、東洋経済新報社 フィデリティ・ワールドワイド・インベストメントは、資産運用業界におけるグローバル・リーダーとして、英国、欧州、中近東及びアジア太平洋地域の個人投資 家や機関投資家に向け、資産運用サービスを提供しています。1969年に設立、現在は世界24カ国でビジネスを展開、従業員は6,000名を超え、預かり及び 運用資産は約36兆円※にのぼります。ファンド等の延べ受益者数は5百万を超え、660本を越える株式、債券、不動産、アセット・アロケーション型のファンド の運用を行なっています。運用を担当するファンド・マネージャーは、世界12カ国で調査を行なう、業界でも最大級の調査チームによる調査情報へのアクセ スがあります。フィデリティ・ワールドワイド・インベストメントは、独立系の運用会社で、非公開企業です。日本においては、フィデリティ投信株式会社が投資 信託及び企業年金や機関投資家向け運用商品やサービスを提供、フィデリティ証券が投資信託を中心とした個人の長期的資産形成を支援するサービスを 提供しています。 (※2013年12月31日現在) 6 お客さま用資料 当資料は、信頼できる情報をもとにフィデリティ投信が作成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。 当資料に記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。また、いずれも将来の傾向、数 値、運用結果等を保証もしくは示唆するものではありません。 当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するも のではありません。 当資料にかかわる一切の権利は引用部分を除き当社に属し、いかなる目的であれ当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。 投資信託のお申し込みに関しては、下記の点をご理解いただき、投資の判断はお客様自身の責任においてなさいますようお願い申し上げます。なお、当 社は投資信託の販売について投資家の方の契約の相手方とはなりません。 投資信託は、預金または保険契約でないため、預金保険および保険契約者保護機構の保護の対象にはなりません。 販売会社が登録金融機関の場合、証券会社と異なり、投資者保護基金に加入しておりません。 投資信託は、金融機関の預貯金と異なり、元本および利息の保証はありません。 投資信託は、国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、当該資産の市場における取引価格の変 動や為替の変動等により投資一単位当たりの価値が変動します。従ってお客様のご投資された金額を下回ることもあります。又、投資信託は、個別の投 資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては 目論見書や契約締結前交付書面を良くご覧下さい。 投資信託説明書(目論見書)については、販売会社またはフィデリティ投信までお問い合わせください。なお、販売会社につきましては以下のホームペー ジ(http://www.fidelity.co.jp/fij/fund/japan.html)をご参照ください。 ご投資頂くお客様には以下の費用をご負担いただきます。 ・申込時に直接ご負担いただく費用: 申込手数料 上限 4.32%(消費税等相当額抜き4.0%) ・換金時に直接ご負担いただく費用: 信託財産留保金 上限 1% ・投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用: 信託報酬 上限 年率2.0844%(消費税等相当額抜き1.93%) ・その他費用: 上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。目論見書、契約締結前交付書面等でご確認ください。 ※当該手数料・費用等の上限額および合計額については、お申込み金額や保有期間等に応じて異なりますので、表示することができません。ファンドに係 る費用・税金の詳細については、各ファンドの投資信託説明書(目論見書)をご覧ください。 ご注意)上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。 費用の料率につきましては、フィデリティ投信が運用するすべての公募投資信託のうち、徴収する夫々の費用における最高の料率を記載しておりますが、 当資料作成以降において変更となる場合があります。投資信託に係るリスクや費用は、夫々の投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事 前に良く目論見書や契約締結前交付書面をご覧下さい。 フィデリティ投信株式会社 金融商品取引業者 登録番号: 関東財務局長(金商)第388号 加入協会: 一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会 BCR140416-1 CSIS140428-2 7 取り扱い金融商品に関する留意事項 ●商号:岡三オンライン証券株式会社/金融商品取引業者関東財務局長(金商)第 52 号 ●加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会 ●リスク:【株式等】株価変動による値下りの損失を被るリスクがあります。信用取引、先物取引、オプション取引および株価指数証拠金取引では投資金額 (保証金・証拠金)を上回る損失を被る場合があります。株価は、発行会社の業績、財務状況や金利情勢等様々な要因に影響され、損失を被る場合があり ます。投資信託、不動産投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等は、裏付け資産の評価額(指数連動型の場合は日経平均株価・TOPIX 等)等、先物取引、オプション取引および株価指数証拠金取引は対象指数等の変化に伴う価格変動のリスクがあります。外国市場については、為替変動 や地域情勢等により損失を被る場合があります。上場新株予約権証券は、上場期間・権利行使期間が短期間の期限付きの有価証券であり、上場期間内に 売却するか権利行使期間内に行使しなければその価値を失い、また、権利行使による株式の取得には所定の金額の払込みが必要です。株価指数証拠 金取引では建玉を保有し続けることにより金利相当額・配当相当額の受け払いが発生します。【外貨建て債券】債券の価格は基本的に市場の金利水準の 変化に対応して変動するため、償還の前に売却すると損失を被る場合がございます。また、額面金額を超えて購入すると償還時に損失を被る場合がござ います。債券の発行者又は債券の元利金の支払いを保証している者の財務状態の悪化等により、債券の価格が変動し損失を被る場合がございます。債 券の発行者又は債券の元利金の支払いを保証している者の財務状態の悪化等により元本や利子の支払いが滞り損失を被る場合がございます。外貨建て 債券は外国為替相場の変動などにより、円換算でのお受取金額が減少する恐れがあります。これにより円換算で投資元本を割込み、損失を被る場合がご ざいます。【FX】外国為替証拠金取引は預託した証拠金の額を超える取引ができるため、対象通貨の為替相場の変動により損益が大きく変動し、投資元 本(証拠金)を上回る損失を被る場合があります。外貨間取引は、対象通貨の対円相場の変動により決済時の証拠金授受の額が増減する可能性がありま す。対象通貨の金利変動等によりスワップポイントの受取額が増減する可能性があります。ポジションを構成する金利水準が逆転した場合、スワップポイン トの受取から支払に転じる可能性があります。為替相場の急変時等に取引を行うことができず不測の損害が発生する可能性があります。【各商品共通】シ ステム、通信回線等の障害により発注、執行等ができず機会利益が失われる可能性があります。 ●保証金・証拠金:【信用】最低委託保証金 30 万円が必要です。信用取引は委託保証金の額を上回る取引が可能であり、取引額の 30%以上の委託保証 金が必要です。【先物・オプション】発注必要証拠金および最低維持証拠金は、「(SPAN 証拠金額×当社が定める掛け目)-ネットオプション価値の総額」 とし、選択取引コース・取引時間によって掛け目は異なります。当社の Web サイトをご確認ください。また、変更の都度、当社の Web サイトに掲載いたしま す。【株価指数証拠金取引】発注証拠金(必要証拠金)は、株価指数ごとに異なり、取引所により定められた証拠金基準額となります。Web サイトで最新のも のをご確認ください。【FX】個人のお客様の発注証拠金(必要証拠金)は、取引所 FX では、取引所が定める証拠金基準額に選択レバレッジコースに応じ た所要額を加えた額とし、店頭 FX では、取引金額(為替レート×取引数量)× 4%以上の額とします。法人のお客様の発注証拠金(必要証拠金)は、取引 所 FX では、取引所が定める証拠金基準額とし、店頭 FX では、取引金額(為替レート×取引数量)× 0.34%以上(最低 500 円)の額とします。発注証拠金 に対して、取引所FXでは、1 取引単位(1 万又は 10 万通貨)、店頭FX では、1 取引単位(1,000 通貨)の取引が可能です。発注証拠金・取引単位は通貨ご とに異なります。Web サイトで最新のものをご確認ください。 ●手数料等諸費用の概要(表示は税込):【日本株】個人のお客様の取引手数料には 1 注文の約定代金に応じたワンショットと 1 日の合計約定代金に応じ た定額プランがあります。法人のお客様は1注文の約定代金に応じたワンショットのみとなります。ワンショットの上限手数料は現物取引で3,240円、信用取 引で 1,296 円。定額プランの手数料は現物取引の場合、約定代金 100 万円以下で上限 864 円、以降約定代金 100 万円ごとに 540 円加算、また、信用取 引の場合、約定代金 200 万円以下で上限 1,080 円、以降約定代金 100 万円ごとに 324 円加算します。手数料プランは変更可能です。信用取引手数料は 月間売買実績により段階的減額があります。信用取引には金利、管理費、権利処理等手数料、品貸料、貸株料の諸費用が必要です。【上場新株予約権証 券】日本株に準じます。【中国株】国内取引手数料は約定金額の 1.08%(最低手数料 5,400 円)。この他に香港印紙税、取引所手数料、取引所税、現地決 済費用の諸費用が必要です。売買にあたり円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。 【外貨建て債券】外貨建て債券を募集・売出し等により、又は当社との相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお支払いただきます。外貨建て債 券の売買、償還等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。【先物】取引手 数料は、日経平均株価先物が 1 枚につき 324 円(取引枚数により段階的減額あり)、日経 225mini が 1 枚につき 43 円、TOPIX 先物が 1 枚につき 432 円、 ミニ TOPIX 先物、東証 REIT 指数先物、TOPIX Core30 先物が 1 枚につき 64 円、NY ダウ先物が 1 枚につき 864 円、日経平均 VI 先物が 1 枚につき 432 円です。【オプション】取引手数料は、日経 225 オプションが約定代金に対して 0.1728%(最低手数料 216 円)、TOPIX オプションが約定代金に対して 0.216%(最低手数料 216 円)です。【株価指数証拠金取引】取引手数料は、1 枚につき 162 円です。【投資信託】お申込みにあたっては、当該金額に対し て最大 3.78%の申込手数料をいただきます。換金時には基準価額に対して最大 0.75%の信託財産留保金をご負担いただく場合があります。信託財産の 純資産総額に対する信託報酬(最大 2.484%(年率))、その他の費用を間接的にご負担いただきます。また、運用成績により成功報酬をご負担いただく場 合があります。詳細は目論見書でご確認ください。【FX】取引所FX および店頭FX の取引手数料は無料です。取引所FX アルゴトレード 365 につきまして は、投資助言料として決済益の 10.8%をお支払いいただきます。スプレッドは、通貨ごとに異なり、為替相場によって変動します。Web サイトで最新のもの をご確認ください。 ●お取引の最終決定は、契約締結前交付書面、目論見書等およびWebサイト上の説明事項等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってくださ い。 OKASAN ONLINE SECURITIES CO., LTD.