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刑事実務論(刑事弁護) 前田 裕司

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刑事実務論(刑事弁護) 前田 裕司
科目名
担当教員
刑事実務論(刑事弁護)
科目の種類
□
前田
配当学年
学期
実務基礎科目
3年次
春学期
単位
2単位
裕司
必修・
選択
選択
成績評価の基準と方法
期末試験
(点・%)
中・小テスト
平常点(出席それ自体を評価はしない)
課題・レポート
発表・討論
授業への参加度
(点・%)
50
50
(点・%)
(点・%)
(点・%)
(
)
(点・%)
備 考
課題として出す、準抗告申立書、保釈請求書、類型証拠開示請求書、弁論等の書面の内容及び授
業中における意見・討論状況で評価する。
■ 授業の概要
憲法34条は「何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与えられな
ければ、抑留又は拘禁されない」と定める。また、憲法37条3項は「刑事被告人は、いかなる場
合も、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができない
ときは、国でこれを附する」と規定している。憲法は強大な国家から訴追される立場の人間に、そ
の援助者として、資格を有する弁護人を付けることとしているのである。刑事訴追を受けた人に法
律専門家である弁護人を付することの民主主義的な意義は実に大きいものがあり、弁護人をすみや
かに付する国家こそ、成熟した民主主義国家と言える。そして、弁護人は必然的に、社会の少数者
や異端を援助する立場に立つのであり、その活動は、まさに民主主義の根源に関わるものとして、
極めて重要なのである。2009年5月から、裁判員裁判の実施や被疑者国選の大幅な拡大が実施
され、刑事弁護人の活動、力量を問われる機会が増えた。弁護人とは何かを市民が考える機会が増
えている。そこで、刑事弁護実務の現状を踏まえて、捜査段階から公判手続までの各手続における
弁護人の活動の在り方を検証するのが、本授業の目的である。講義にあたっては、ある模擬裁判事
件の記録を配付して、その記録に基づきながら授業を進める。なお、刑事訴訟法の知識を○×方式
で問う10問程度の小テストを随時行う。
■ 到達目標
刑事訴訟手続の基礎を踏まえて、捜査弁護から公判弁護の一連の手続の中での、一つ一つの場面に
おける弁護の在り方を修得すること、これにより刑事訴訟法の各条文を体得すること。
■ 履修条件
刑事訴訟法を履修していること。
■ 教科書
模擬裁判事件記録を配付のうえ、講義用の教材資料を講義ごとに準備する。
■ 参考文献・参考資料
武井康年・森下弘編 「ハンドブック刑事弁護」(2005 年、現代人文社)
刑事弁護ビギナーズ:(2007 年、現代人文社)
■
授業内容等の公開
公開は予定していない。
授業計画
テーマ
授業内の学修活動
無罪推定の原則、検察官の立証責任、合理的な疑いを超えた証
明などを国際人権法、憲法を通じて学ぶ
*刑事裁判のルールの意味を考える
1
刑事裁判のルールと何か
2
3
刑事訴訟法における捜査手続の流れを学ぶ
弁護人の活動の場面を知る
被疑者弁護活動の実際
4
5
接見の実務と技術
6
違法捜査にいかに対処するか
7
身体拘束からの解放
8
⑴
⑵
模擬裁判記録に基づき、どのような初回接見をするか実演を交
えて検討して、被疑者弁護活動における接見の重要性を知る
違法な取調べが行われた場合の弁護人の不服申立の方法や活動
を学ぶ
身体拘束に関する刑事訴訟法の法令と司法統計年報などによる
身体拘束の現状を知る
解放のための不服申立の方法を学ぶ
模擬裁判記録に基づき申立を検討する
*勾留に対する準抗告申立書を起案する
9
裁判所への不服申立の実務
10
接見禁止にいかに対処するか
接見禁止の現状とこれに対する弁護活動を学ぶ
11
弁護人の証拠収集活動
弁護人の捜査段階での証拠収集活動を学ぶ
模擬裁判記録に基づき証拠収集活動を検討する
12
⑴
⑵
13
保釈請求の手続
保釈の手続規定(刑事訴訟法 88 条から 94 条)を学ぶ
14
保釈の現状と問題点
保釈の現状と問題点を学ぶ
15
保釈の実務
模擬裁判記録に基づき保釈申立を検討する
*保釈請求書を起案する
16
公判手続の概要
公判の手続(即決、略式)の概要を学
17
公判前整理手続の概要
公判前整理手続の規定(刑事訴訟法 316 条の 2~32)を学ぶ
18
証拠開示請求
刑事訴訟法 316 条の 15、20 の活用を学ぶ
19
弁護人の予定主張
刑事訴訟法 316 条の 17 の規定と運用を学ぶ
20
弁護人の証拠意見
検察官請求証拠に対する意見を検討する
21
供述調書の証拠能力
刑事訴訟法 320 条~328 条の規定を学ぶ
22
その他の供述の証拠能力
同上
23
公判前整理手続の実務
模擬裁判記録に基づき各種請求を検討する
*類型証拠開示請求書を起案する
24
冒頭陳述
弁護人の冒頭陳述の在り方を検討する
25
証人尋問
26
刑事訴訟規則199条の3~14の規定を学び、公判における
弁護人の主尋問、反対尋問技術を修得する
反対尋問での自己矛盾供述の顕出方法を学ぶ
27
最終弁論
弁護活動の集約点としての最終弁論の在り方を学ぶ
28
判決までの弁護活動
結審後判決までの弁護活動を学ぶ
29
期末試験に代わるレポート
30
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