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環境分野における分野別評価報告書 - 新エネルギー・産業技術総合開発

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環境分野における分野別評価報告書 - 新エネルギー・産業技術総合開発
環境分野における分野別評価報告書
平成13年6月
産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会
環境分野における分野別評価WG
はじめに
国の予算を用いて行われる研究活動や技術開発を「評価」することは、効率的・
効果的な研究開発の実施、国民への研究開発実態の開示、政策の企画・立案・実施へ
のフィードバックという観点から極めて重要である。経済産業省においては、平成9
年8月に「経済産業省技術評価指針」を策定し、産業技術審議会評価部会(現在の産
業構造審議会産業技術分科会評価小委員会)において、主要プロジェクトを対象とし
て、中間・事後評価、追跡評価を実施してきた。さらに、平成12年5月には、技術
評価指針を改訂し、プロジェクト毎の評価に加え、環境やエネルギーといった分野毎
に、分野内の複数事業を俯瞰的に見て事業構成や資源配分状況等を評価する「分野別
評価」という考え方を導入した。
「環境分野における分野別評価WG」は、環境分野の分野別評価を行うために、産
業構造審議会産業技術分科会評価小委員会に設置されたものである。本WGにおいて
は、環境分野における技術開発事業の実施状況を分析し、その事業構成、事業実施状
況や資源配分が合理的かどうか等を評価した。
本報告書は、それらの分析・評価結果や提言の内容をとりまとめたものである。
平成13年6月
産業構造審議会産業技術分科会
評価小委員会
環境分野における分野別評価WG
産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会
環境分野における分野別評価WG
委員名簿
(50 音順、敬称略)
座長 山地 憲治 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授
委員 五十嵐 泰夫 東京大学大学院農学生命科学研究科教授
上野 潔 三菱電機株式会社リビング・デジタルメディア事業本部
渉外部技術担当部長
永田 勝也 早稲田大学理工学部教授
橋本 和久 株式会社荏原製作所総合事業推進センター部長
藤本 瞭一 日刊工業新聞社編集局編集委員
藤盛 紀明 清水建設株式会社執行役員技術研究所所長
益永 茂樹 横浜国立大学大学院環境情報研究院教授
渡辺 孝 財団法人理工学振興会理事
(前政策投資銀行設備投資研究所所長)
産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会
環境分野における分野別評価WG
審 議 経 過
第1回WG(平成13年4月18日)
・分野別評価の考え方と検討の進め方について
・環境分野の技術開発の方向性に関する基本的考え方について
・環境分野の技術開発の実施状況について
第2回WG(平成13年5月17日)
・環境問題への制度面・技術面での対応と関係省、海外の技術開発
実施状況について
・経済産業省の環境分野における技術開発の分析について
・環境分野における分野別評価の論点について
第3回WG(平成13年6月28日)
・評価報告書(案)審議
なお、本評価報告書は産業構造審議会産業技術分科会第2回評価小委
員会(平成13年8月27日開催)において了承された。
目 次
はじめに
委員名簿
審議経過
評価概要
第1章 評価方法 ―環境分野における分野別評価の検討の進め方― ・・・・
1.経済産業省における技術評価の考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.分野別評価の目的と内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.環境分野における分野別評価の検討の進め方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.1
1.1
1.2
1.5
第2章 現状分析 ―環境分野の技術開発実施状況の分析 ・・・・・・・・・・・・・・
1.環境分野をめぐる状況と技術開発の基本的考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)環境分野をめぐる状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)技術開発の基本的考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.技術開発実施状況の分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)技術開発領域と技術テーマの整理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)経済産業省における技術開発の実施状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)他省、民間、海外における技術開発の実施状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・
2.1
2.1
2.1
2.2
2.4
2.4
2.11
2.56
第3章 評価・提言 ―環境分野の技術開発実施状況の評価 ・・・・・・・・・・・・
1.環境分野における分野別評価の特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.技術開発実施状況の評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)地球温暖化対策技術開発の評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.1
3.1
3.3
3.3
(2)廃棄物・資源循環対策(3R)技術開発の評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)化学物質対策技術開発の評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(4)その他の分野の技術開発の評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.総合的な評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.4
3.5
3.6
3.7
おわりに
評価概要
「環境分野における分野別評価WG」での評価・提言のポイント
1.地球温暖化対策技術開発のあり方
→ 明確なロードマップを描くことが必要。
2.廃棄物、資源循環対策技術開発のあり方
→ 社会システムや成果の活用を明確にイメージした技術開発の推進が必要。
また、社会システムの中での活用・普及をすすめるためには、規制やルー
ル作りとの関連から、関係省庁間の連携が必要。
3.化学物質対策技術開発のあり方
→ 化学物質のリスク評価の着実な実施に加え、総合的なリスク削減の技術
開発が必要。
1.地球温暖化対策技術開発のあり方
参考:有機性廃棄物のメ
タン発酵→炭素変換固定
(サッポロビール、島津
製作所、2004年の実用化
を目指す
)
導入の可能性
地中貯留技
術開発
(40億円)
砂漠植物プロ
ジェクト
(30億円)
古紙利用(バイオ
マス有効利用サイ
クル)(19億円)
接触水素化反応
利用二酸化炭素
固定化
(約90億円)
細菌・藻類等利用
固定化技術
(143億円)
注)点線のマルは終了プロ
ジェクト、実線のマルは実施
中のプロジェクトを示す。
これまでの評価結果などをも
とに作成。
10万トン
リアクター
CO2高温
分離技術
(41億円) 石炭・天然ガ
ス活用型
(19億円)
火力発電所に
おける脱炭素
装置
海洋中の炭素
循環メカニズ
ムの調査研究
(45億円)
100万トン
温暖化対策(二酸化炭素)対策技術の事業分布
後継プロ
ジェクト
海洋隔離の環
境影響調査
(65億円)
1000万t
地中、海洋貯留
削減ポテン
シャル
(tC/年)
○CO2対策技術では、これまで特定の技
術開発について集中的にプロジェクト方式
で実施。
○この分野では、本来的には、基礎研究か
らベンチスケール試験、実証試験、環境影
響評価等を含む長期間かつ多段階のステッ
プが必要。
○しかし、これまでは実用化までの研究開
発のステップが明確に設定されていない例
も見られ、基礎的な要素技術開発が中心で
あるにもかかわらず、大規模なプロジェクト
として実施され、その結果、プロジェクト終了
後の成果の活用及びその後の政策的展開
が明確でなかった例もある。
○今後は以下が必要。
・技術の実用化までのタイムスパンと道筋の明確化。(ロードマップの明確化)
・技術開発のスタート時において、競争的資金の活用などにより基礎レベルのものは小規模で多数
実施し多様な可能性を追求し、実用化へのステップが明確に示せるものについては、集中的に資源
を投入。
・新たに導入した評価軸等に沿った研究分野、成果のインパクト、投入資源量の大小・バランスを考
慮することが重要。(上記の図を参照)
2.廃棄物、資源循環対策技術開発のあり方
国が行う技術開発の必要性︵循環経済ビジョン等による︶
潤滑油
紙
×
3
3
×
PETボトル
家電(その他)
×
3
FRP
建材
エアゾール缶
2
○社会システムを視野に入れ、成果の実現可能性、
成果の活用を明確にイメージして技術開発事業を立
案することが必要。
なお、そのためには、規制やルール作りとの関連か
ら、関係省庁間の連携が必要。
太字下線は経済産業省において
現在プロジェクト実施中のもの
○:該当プロジェクトあり
(円の大きさはH12∼13年の予算額に対応)
(数字は予算額(億円))
×:該当プロジェクトなし
タイヤ
× ×
アルミ缶
×
5 ×
× ×
繊維製品
スチール缶
電子・事務機器(3)
その他紙製容器包 装(2)
ガラスびん(5)
発泡スチロールトレイ
×
1
10
× ×4
蛍光ランプ
段ボール(2)
その他プラスチック製容器包装(2)
家電(4品
目)
×
×
3
ガス・石油機器
自動販売機
×
建設機械
自動販売機
家具等
オートバイ
ぱちんこ遊技機
自転車
× × ×
×
塗料
ガス導管
ニカド電池
紙パック
×
0
0
1
自動車
×
電線
× × ×
バッテリー
2
4
3
対策の必要性
図 資源循環技術の技術開発事業分布(製品別)−総括図−
国が行う技術開発の必要性︵産構審業種別ガイドライン等による︶
太字下線は経済産業省において
現在プロジェクト実施中のもの
○:該当プロジェクトあり
(円の大きさはH12∼13年の予算額に対応)
(数字は予算額(億円))
×:該当プロジェクトなし
3
窯業・土石製品
2
○組立産業における3R対策技術開発を検討していく
ことも必要。
電気・ガス・
熱供給・水道
5
×
3
(主たる廃棄物:汚泥)
(主たる廃棄物:汚泥)
非鉄金属
14
1
家具・装備品
ゴム製品
0
林業
×
漁業
公務
×
衣服・その他の繊維製品
なめし革・同製品・毛皮
×
× ×
出版・印刷
プラスチック製品
一般機械器具
サービス業
石油・石油製品
その他製造業
運輸・通信業
×
精密機械器具
1万トン
10万トン
化学
×
パルプ・紙・紙加工品
鉄鋼
×
(主たる廃棄物:鉱さい)
飲料・飼料・
たばこ
木材・木製品
金属製品
4
× ×× ×
電気機械器具
輸送用機械器具
卸売・小売業
食料品 鉱業
×
×
建設業
×
3
農業
×
繊維
100万トン
1,000万トン
図 資源循環技術の技術開発事業分布(業種別)−総括図−
1億トン
○この分野では、極めて多数の技術テーマが多数の
者により実施されている。政策目標に見合った合理的
な資源配分を実現しやすいプロジェクトのフォーメーショ
ンとして、3R対策の「プログラム方式」による取組の検
討が必要。プログラム方式での実施の場合は、社会
ニーズが高いために制度整備と合わせて技術開発の
推進が求められる分野を対象とすることも重要。
(※自動車については、3Rプログラムの中で推進検
討中。)
排出量
○具体的な技術開発テーマとしては、左図も踏まえ、
以下のようなテーマの必要性を検討することが必要。
・汚泥対策技術開発(ペーパースラッジ、化学工業か
らの汚泥)
・繊維については複合繊維の素材分離、再生利用用
途の拡大の技術開発
・FRPを対象とした技術開発
・鉄鋼スラグ、非鉄金属(銅)スラグを対象とした技術
開発
3.化学物質対策技術開発のあり方
ダイオキシン類
ダイオキシン/co-PCB
基
盤
技
術
計測
・
監視
対
策
技
術
環境負荷抑制対応
廃棄物エネルギー
利用促進調査研究
(1件、3億円)
環境ホルモン効
果に関する評価・
試験法の開発
(1件、7億円)
化学物質総合評価管理技術 (1件)
・約180物質のリスク評価等を実施
「環境中・物質中の微量化学物質の定量分析技術の開発」
「生物のもつ機能を利用した環境中化学物質の高感度検出・計測技術の開発」
(2件、13億円)
未然防止
(発生抑制、
代替)
製造工程におけるDXN対策
(3件、3億円)
処理・
処分・
除去
焼却炉におけるDXNの分解・
除去(4件、9億円)、超臨界利
用分解技術等(2件、15.2億円)
環境改善
・
その他有害物質
「有害物質の発生・曝露機構の研究開発」 (1件、2億円)
現象解明
予測
・
影響評価
内分泌かく乱化学物質
(環境ホルモン効果)
シックハウス関
連 (1件)
坑廃水処理
(3件、19億円)
土壌汚染対策
×
○化学物質対策全般で、ダイオキシン、
環境ホルモンに関する技術開発が中心と
なっている。この他は、生産量の多い物質
を中心に化学物質のリスク評価、リスク評
価手法の開発が実施されている。
○有害化学物質の分解・除去の分野では、
ダイオキシン対策が中心的に実施されて
いる。土壌汚染対策はあまり行われてい
ない。
修復
化学物質対策技術開発事業の実施状況
今後は以下が必要。
・リスク評価が行われている他は、ダイオキシン、環境ホルモンが中心となっている。今後は化学
物質の総合的なリスク評価に伴うリスクの予見と削減という観点が必要であり、他の化学物質に
関する技術開発も重要。
− リスク評価に関わるデータ集積などの知的基盤の整備
− 現在の科学的知見に基づいて重点化されている分野におけるリスク削減技術
− リスク評価手法の進展に伴うリスクの予見と事前対策技術
− エンドオブパイプ対策技術からインプラント(クリーナープロダクション)技術への展開
・土壌汚染対策に対するニーズの増大に対応した技術開発の推進。
第1章 評価方法
−環境分野における分野別評価の検討の進め方−
第1章 評価方法 −環境分野における分野別評価の検討の進め方−
1.経済産業省における技術評価の考え方
経済産業省では、経済産業省における技術開発プロジェクトの評価を行うため
のガイドラインとして、平成9年8月に「経済産業省技術評価指針」を策定・告
示した。この指針に基づき、産業技術審議会評価部会(現在の産業構造審議会/
産業技術分科会/評価小委員会)において、これまでの4年間で主要プロジェク
ト87件の中間・事後評価、追跡評価を実施してきている。
平成12年5月には技術評価指針を改訂し、多面的・階層的な評価システムを
構築し更に適切な評価を実施していくこととされている。具体的には、
①個別研究開発課題(プロジェクト)の進展に応じた評価
・事前評価(事業実施前に実施)
・中間・事後評価(事業の中間・終了時点に実施)
・追跡評価(事業終了後5∼15年後に実施)
②分野別評価(環境、エネルギー等の分野毎にプロジェクトの分布等を評価)
③制度評価(研究開発制度自体の評価)
④機関評価(研究開発運営機関の評価)
を実施することとしている。
(下図を参照)
…に関する研究開発制度 制度構造評価
制度評価
制度A
制度B
事前評価/事後評価
プ ロ ジ ェ ク ト g
プ ロ ジ ェ ク ト f
プ ロ ジ ェ ク ト e
プ ロ ジ ェ ク ト d
プ ロ ジ ェ ク ト c
プ ロ ジ ェ ク ト b
プ ロ ジ ェ ク ト a
課題評価
事前評価
中間・事後モニタリング評価
追跡評価
分野別評価(環境、エネ
ルギー等の分野毎に評価)
分野Ⅰ
分野Ⅱ
分野Ⅲ
図1−1 経済産業省における技術評価の枠組み
1.1
2.分野別評価の目的と内容
上記の評価の種類のうち、分野別評価の目的や内容等は以下のとおりである。
○分野別評価の目的
分野内の技術開発の実施状況や事業分布の分析、技術開発成果や技術水準の
分析等を通じて、分野毎の適切な技術開発事業の構成、資源配分を実現。さ
らに、分野別評価の結果・提言を技術開発政策にも反映。
○分野別評価の内容
複数の研究開発事業を分野毎に束ねて、分野内の技術開発事業の実施状況や、
事業分布を分析・評価。
○評価結果の活用
分野内での資源配分の適正化や技術開発課題の構成の見直し。技術開発政策
の見直しにも反映。
また、経済産業省技術評価指針においては、分野別評価の枠組みは以下のよう
に規定されている。
経済産業省技術評価指針(抜粋)
4.分野別評価
対象となる複数の事業を産業技術戦略に基づく分野ごとにまとめて俯瞰的視点から事
業分布の妥当性を評価するとともに、中間・事後評価結果等を踏まえ、これら事業の相
対的位置づけや今後の方向性等に関する評価を行う。
①評価者
評価対象分野に知見のある専門家や、経済的・社会的ニーズについて指摘できる有
識者等の外部評価者。
②被評価者
評価対象となる事業の推進部署
③評価事務局
技術評価調査課又は技術評価調査課及び直接事業を担当しない部署との合同事務
局
④評価手続・評価手法
事業原簿、成果内容及び運営状況報告等を基に外部評価者からなるパネルレ
ビューにより評価を行う。複数の事業をまとめて分野別に俯瞰的視点から整理・分
析するとともに、評点法を適宜活用しつつ相対的評価を実施し、各事業ごとの今後
の方向性等について提言する。
1.2
⑤評価項目・評価基準
複数事業の分布バランス、相対的位置付け、各事業の方向性等の他、必要に応じ
て研究開発の態様等を踏まえ評価事務局が設定する。
なお、分野別評価の具体的なイメージとしては、図1−2(第11回産業技術
審議会評価部会(平成12年12月)資料)に示したとおりである。
1.3
分野Aにおいて経済産業省が実施する研究開発事業
事業a1 事業a2 事業c1
事業c2
事業a3
事業a4 事業c3
A分野内の個別事業のモニタリン
グ評価結果
A分野における社会動向、社会
ニーズ
小分野a 小分野c
注:円が大きいほど事業規
模が大。
この図は小分野を概念的
事業d1
にグルーピングしたもの
小分野b 小分野d
1.4
小分野aの中での事業分布
実用化の近さ
近
事業a2 事業a3
事業a4
事業a1
遠
小 大
A分野における国内外の技術開
発動向
○小分野bにおける研究開発 ○社会ニーズ、技術開発動
向を踏まえて実施の意義が
事業が存在しないが、実施
小さくなった事業はないか。
が必要な事業はないか。
○見過ごされている事業はないか。
【分野別評価の論点】
○このような事業分布は適切か。
○事業の選択、リソース配分は適切か。
資源配分の適正化、事業構成見直し。技術開発政策、戦略
等に反映。
事業の効果の大きさ
図1−2
評価のイメージ(Aという分野における評価)
3.環境分野における分野別評価の検討の進め方
本WGにおいては、分野別評価の審議にあたり、
1段階目:前提条件の整理、技術開発実施状況の現状分析
2段階目:評価・提言(技術開発状況の問題点、今後への提言の抽出)
という2つの段階に分けて検討を行った。
(図1−3参照)
1段階目の「前提条件の整理」とは、技術開発を行うにあたっての基本的な考
え方はどのようなものであったかを改めて整理したものである。環境分野での技
術開発の考え方や重要技術課題を示したものとしては、「産業技術戦略」(200
0年4月、工業技術院)があるため、1段階目の「前提条件の整理」においては、
産業技術戦略で示された重要技術課題とともに、環境分野における技術開発を進
めるにあたっての基本的考え方を整理した。
1段階目のもう一つの項目である「技術開発実施状況の現状分析」では、まず、
環境分野においてあり得る技術開発課題を可能な限り網羅的に整理するとともに、
その技術開発課題に対して政府の技術開発事業が存在するか否かを整理した。次
に、経済産業省、他省庁、民間部門、海外における環境分野の技術開発実施状況
の分析を行った。
2段階目の「評価・提言」では、1段階目で行った整理、現状分析を踏まえて、
以下の観点で検討を行った。
○事業分布の問題
・技術開発事業の分布について、ある特定分野に事業(数、予算)が集中して
いないかどうか。
・技術開発事業の分布が政策目的に照らして合理的なものになっているかどう
か。
○事業フェーズ(基礎、実用化段階)のバランスの問題
・技術開発事業が基礎、実用化段階といったフェーズに応じてバランス良く実
施されているかどうか。例えば、実用化への道筋が不明確であるにもかかわ
らず、大規模で実証的なプロジェクトとして実施されていないかどうか。
本WGの検討は上記のような進め方に沿って実施された。本報告書の第2章
の「現状分析」では、上記に示した1段階目の検討結果を示しており、第3章の
「評価」では、上記の2段階目の検討結果を示したものである。
1.5
現状分析
○産業技術戦略で示された、環境分野
での重要技術課題(→第2章の1)
○技術開発課題と実施状況の整理
(→第2章の2)
○温暖化対策、3R対策、有害化学物
質対策等の小分野毎の技術開発の方
向性に関する基本的考え方(→第2章
の1)
○技術開発の実施状況の分析
第1回
前提条件
→経済産業省、他省、民間部門、海
外での技術開発実施状況の分析
(→第2章の2)
評価・提言(論点としては以下)
・技術開発事業の分布が、政策目的に照らして合理的なものになってい
るかどうか。
○事業フェーズ(基礎、実用化段階)のバランスの問題
・技術開発事業が基礎、実用化段階といったフェーズに応じてバランス
よく実施されているか。例えば、実用化への道筋が不明確であるにもか
かわらず、大規模実証プロジェクトとして実施されていないかどうか。
図1−3 環境分野における分野別評価の検討の進め方
第3回
・技術開発事業の分布について、ある特定分野に事業(数、予算)が集
中していないかどうか。
第2回
1.6
○事業分布の問題
第2章 現状分析
−環境分野の技術開発実施状況の分析−
第2章 現状分析 −環境分野の技術開発の実施状況の分析―
1.環境分野をめぐる状況と技術開発の基本的考え方
(1)環境分野をめぐる状況
環境問題は 21 世紀の人類が直面する最重要課題の一つであり、わが国においても
環境と調和した経済社会システムの構築が緊急課題となっている。
その中で特に重要と考えられるものが以下の3分野であり、現在のわが国の環境対
策はこの3分野を中心に法規制や各種の自主的取り組みなどが実施されている。
①地球温暖化の抑制
②資源有効利用・廃棄物減量化等による循環型の経済社会の実現
③化学物質のリスクの極小化と管理
各分野毎の目標・課題と制度面での対応状況は図 2.1-1 のとおりである。
︻ 目標︼
環境と調和した経済社会システムの構築
資源有効利用・廃棄物減量化 化学物質のリスクの極小化・
等による循環型の経済社会の 管理
実現
○温室効果ガスの回収・固定 ○リデュース
○化学物質の安全性評価・管
化・有効利用
○リユース
理
○温室効果ガスの排出の最小 ○リサイクル
○環 境 負 荷 の 少 な い 化 学 物
化
○廃棄物の適正処理
質・製品への転換
○省エネ、新エネ技術による
○有害物質の回収・無害化・
CO2排出削減
浄化
地球温暖化の抑制
︻制度面での対応︼
○地球温暖化対策推進法
○地球温暖化対策推進大綱
→省エネの推進、産業界の
自主行動計画の実施、新エ
ネの導入、原子力立地の推
進、代替フロン等対策の推
進、技術開発の推進
○省エネルギー法
→トップランナー基準の設
定、工場に係る省エネ措置
の強化
○新エネ法
○経団連自主行動計画
○循環型社会形成推進基本法
→基本的枠組み
○資源有効利用促進法
→再生資源のリサイクル、
リサイクル容易な構造等の
工夫、分別回収のための表
示、副産物の有効利用、リ
デュース、リユース
○容器包装リサイクル法
→容器包装の市町村による
収集、容器包装の製造・利
用業者による再商品化
○家電リサイクル法
→小売店による引取、製造
業者等による再商品化
○建設リサイクル法、食品リ
サイクル法
○産 構 審 品 目 別 ガ イ ド ラ イ
ン、業種別ガイドライン
○化学物質管理促進法
→事業者による化学物質の
排出量の把握・届出等(P
RTR制度等)
○ダイオキシン類対策特別措
置法
○化審法
○大気汚染防止法
○水質汚濁防止法
○PCB処理
○土壌汚染対策
図 2.1-1 環境分野の主要課題と制度面での対応状況
2. 1
(2)技術開発の基本的考え方
経済産業省においては、1999年7月に「循環型経済システムの構築に向け
て(循環経済ビジョン)」(産業構造審議会地球環境部会、廃棄物・リサイクル部
会合同基本問題小委員会)を策定し、循環型社会の形成に向けた取り組みと3R
(リデュース、リユース、リサイクル)に係わる技術開発の基本的方向を定めた。
さらに、2000年4月には「産業技術戦略」(工業技術院)を策定し、廃棄
物・資源循環対策だけでなく、地球温暖化対策や化学物質のリスク管理を含めた
環境分野全般の技術開発に対する基本的考え方を定めた。これらによれば、環境
分野の技術開発の基本的考え方は表 2.1-1 の通りである。
2. 2
表2.1−1 環境分野の技術開発の方向性に関する基本的考え方
地球温暖化対策
廃棄物・資源循環対策
化学物質のリスク極小化・管理
左記3つに共通的な課題
産業技術戦略で 二酸化炭素等の温室効果ガスの回 資源利用の最小化、廃棄物の減量化が図ら
示された方向性 収・固定化・有効利用等を図る。 れた資源循環型経済社会への転換と、廃棄
物の適正処理を図る。
(重要技術課題等)
○温室効果ガス分離・回収技術
(重要技術課題等)
○温室効果ガス固定技術
○リデュース技術
○温室効果ガス貯留技術
○リユース技術
○代替フロン等の新規代替物質開 ○リサイクル技術
発等
○廃棄物処理技術
化学物質の有害性の知見の蓄積、有害 左記3つに共通した技術課題
化学物質の分析・測定、無害化・浄化 としては以下。
等、化学物質の管理を促進する。
(重要技術課題等)
(重要技術課題等)
○生産プロセス革新技術
○化学物質の安全性評価・管理に係る ○LCA手法の研究
技術
○環境関連データベース整備
○環境負荷の少ない素材・製品等の開
発
○有害化学物質の回収・無害化・浄化
技術
技術開発の方向 ○温室効果ガスを削減するため、 ○3R対策を講ずるメルクマールは、
○化学物質による生態系の破壊や人体 ○産業技術戦略にも示されて
性に関する基本
長期的視点で技術的選択肢を用
・排出量が多いこと
へのリスク増大への対処といった社
いるように、環境調和型の
的考え方
意するとともに、短期的課題と
・含有資源の有用性が高いこと
会ニーズに対応することが必要であ
バイオプロセス等の生産プ
して、京都議定書の温室効果ガ
・処理が困難であること
る。一方で、化学物質は多岐に渡
ロセス革新技術やLCA手
ス削減目標のための技術開発を
・有害物質が含有され適正処理が必要で
り、また、対策を講ずるべき有害化
法の研究等の着実な実施が
進める必要がある。
あること
学物質も多く、対策を講ずべき手法
必要と考えられる。
である。
としても、安全性評価・管理、エン
○技術開発の推進にあたっては、
ドオブパイプ型のもの、土壌・地下
達成時期、効果を勘案しバラン ○このような観点等から、例えば省資源化
水汚染修復といった様々なタイプが
スのとれた技術開発を実施して
を進める分野としては、鉄鋼スラグ、銅
ある。
いくことが適切と考えられる。
スラグの発生抑制・リサイクル、ペー
具体的には、実現可能性が高
パースラッジの発生抑制・リサイクル、 ○化学物質のリスク極小化という社会
く、効果が高い技術について
化学工業からのスラッジの発生抑制・リ
ニーズに対応するための技術開発と
は、集中的な技術開発を実施
サイクルへの取組が求められている。こ
しては、広範囲にわたる社会ニーズ
し、実現可能性が小さく道筋が
れとは別に、リサイクル等を進めるべき
にバランス良く対応していくことが
不明確な技術との資源配分にも
製品も特定されており、このように取組
必要と考えられる。
メリハリをつけていく必要があ
が求められていることが明確になってい
る。
る製品や素材等を中心として、技術面で
の貢献が期待できる場合に技術開発を進
めていくことが適切と考えられる。
(出典:
「産業技術戦略 2000年4月」等をもとに作成)
2.3
2.技術開発実施状況の分析
(1) 技術開発領域と技術テーマの整理
技術開発実施状況の分析を行うにあたり、まず、環境分野における技術開発領
域と主な技術開発テーマを可能な限り網羅的に整理した(表 2.2-1 参照)
。ここで
は、環境分野の中の領域として、
「地球環境問題対策」
、
「廃棄物・資源循環対策」
、
「化学物質のリスク極小化・管理」、「生態系の保全、野生生物の保存等」及び
「これらに共通的な課題(生産プロセス革新技術、その他基盤技術等)
」の5つの
領域に整理した。次に、これらの領域毎に政府で実施している技術開発事業の実
施状況を整理してある(表 2.2-2∼2.2-6 参照。なお、表 2.2-2 については、地球環
境問題対策のうち地球温暖化対策について整理しており、地球環境問題対策のう
ちの砂漠化、酸性雨等については、表 2.2-6 において整理している。
)
。表 2.2-2∼
2.2-6 においては、網掛けしてある事業が経済産業省において実施されている事業
であり、下線が引いてある事業が経済産業省以外の省庁において実施されている
事業である。
これらの各領域毎の技術開発事業の実施状況については、次節以降において分
析している。その際、まずは、経済産業省における技術開発実施状況を分析し、
その後に、他省庁、民間部門、海外における技術開発実施状況を分析している。
なお、産業技術戦略で示された領域としては、地球環境問題対策の中での「地球
温暖化対策」、「廃棄物、資源循環対策」、「化学物質のリスク極小化・管理」、「こ
れらに共通的な課題」の4つであることから、次節以降においては、この4つの
領域に焦点をあてて分析している。
2.4
表 2.2-1 環境分野における技術開発領域と技術テーマ
地球環境問題対策
森林破壊、砂漠
地球温暖化対策等
リデュース
化、酸性雨
CO2対策技術
代替フロン等対策技術
○新規代替物質開発
○長寿命化設計技術
(森林破壊)
○CO2分離・回収技術
・代替冷媒利用技術
・第5世代材料
○熱帯林の観測
・吸着法(活性炭等の吸着剤
・代替発泡剤
・高耐久性素材の
○植林
を利用。圧力ス インク ゙法な
・新洗浄方式
開発
ど)
・アップグレード
・膜分離法(セラミックス膜、高分
(砂漠化)
設計
子膜等による分離法)
○緑化技術
・製品のモジュー
・吸収法(アルコール、アミ ○非フロン系物質(炭
化水素、水等)の利
・灌漑技術
ル化
ン等の溶液によりCO2を
用技術
・土壌改良技術
・メンテナンス技
吸収)
・冷蔵庫用断熱材
・ストレス耐性
術
・建材用断熱材
植物育種技術
○CO2固定技術
・物理的固定技術
○省資源化技術
−珪酸塩、吸着剤による固定
・軽量素材の開発
○代替プロセス開発
(酸性雨)
・化学的固定技術
・部品小型化・軽
・代替ガス利用電子
○酸性雨原因物
−接触水素化(CO2を水素
量化技術
デバイス製造エッ
質の排出抑制
と反応させメタン等として
チング
技術
○廃棄物削減技術
回収)
・
代替ガス利用電子
・石油脱硫
・汚泥削減プロセ
−人工光合成
デバイス製造ク
・排煙脱硫
スの開発
・生物利用固定技術
リーニングプロセ
・シュレッダーダ
−森林等による固定
○酸性雨による
ス
スト減容化
−微細藻類等による固定影響の観測・
・
高性能断熱建材
・焼却灰減容化
・海洋利用固定技術
評価・予測・
−沈み込み流利用法
−サンゴによる固定
○CO2貯留技術
・海洋貯留技術(ハイドレー
ト法等)
・地中貯留技術(地下圧入
法、地中リサイクル等)
○CO2排出削減技術
・省エネルギー技術
・代替エネルギー技術
・新エネルギー技術
(→「エネルギー分野」で検討)
リユース
廃棄物、資源循環対策
リサイクル
○製品等毎のリサイクル技術
・容器包装
・家電
・自動車
・廃電子機器(パソコン)
○オープン設計
・建設廃材・石膏ボード
・古紙
○余寿命診断技術
・繊維製品
・製品リユース可否判 ・その他
断技術
○素材毎のリサイクル技術
○使用履歴管理技術
・廃プラスチック
−材質識別・分離技術
○機能回復技術
−ケミカルリサイクル
−サーマルリサイクル
○再利用品機能検査技術 ・FRP
・材料劣化判断技術
・鉄鋼
・非鉄金属
○容易分離・解体技術
・ガラス
−着色・脱色技術
○剥離技術
−色識別
○易分解性構造設計
・分離設計
・ノン接着設計
・ねじレス接合技術
○部品分別技術
○産業廃棄物毎のリサイクル技術
・汚泥
○傷・汚れ・摩耗の少な
−低濃度で含まれる有用資源の高
い材料の開発
効率分離・選別技術
・有機系廃棄物
−堆肥化
−飼料化
−生ごみプラスチック化
・石炭灰
−固化、金属回収
・鉱さい
−破砕粒調、金属回収
○CO2モニタリング技術
○CO2以外の温室効果ガス対 ○オゾン層保護対策
・オゾン層の観測技術
策技術
・メタン対策技術(廃棄物最
終処分場、農業分野からの ・フロン等破壊技術
−混焼分解
排出抑制)
−プラズマ分解
・N 2 O対策技術(燃焼改
−液中焼却
善、N2O分解触媒)
−触媒分解
−紫外線分解
−爆発処理
○リサイクル原料の利用
○リサイクル情報ネットワーク整備
・新規代替物質開発
○生産プロセス革新技術
・環境調和型バイオプロセス(生物触媒、バクテリア・リーチング等)
・新規化学プロセス技術(
[光]触媒利用技術、超臨界利用技術、代替溶媒利用技術、新規化学合成プロセス)
○LCA手法の研究、環境関連データベース整備
・LCA手法の研究
・環境関連データベースの整備
・マテリアルフローの解析
○環境モニタリングシステムの整備
・大気、水質、植生データ等の測定・利用体制の整備
2.5
適正処理
○ガス化溶融技術
○排ガス処理技術
○処理困難物の適
正処理技術
○処分場適正管理
技術
安全性評価
化学物質のリスク極小化・管理
素材・製品開発
回収・無害化・浄化
○有害化学物質の ○有害化学物質使用削減 ○有 害 化 学 物 質 の 除
去・無害化技術
発生・環境動態 技術
・ダ イ オ キ シ ン 除
の解明
・非ハロゲン系難燃性
去・無害化技術
・発生メカニズ
樹脂
・PCB除去・無害
ムの解明と排
・鉛レス・アンチモン
化技術
出インベント
レスレンズ
・農薬、環境ホルモ
リー作成
・有害物質排出抑制型
ンの除去・無害化
・有害化学物質
塗装・メッキプロセ
技術
の環境中での
ス
・その他有害化学物
挙動解明
・鉛フリーはんだ
質の除去・無害化
○シックハウス対策
技術
○有害化学物質の
・建材からの有害化学
測定
○土壌・地下水の汚染
物質排出低減
・有害化学物質
修復技術
・有害化学物質使用低
の自動・簡易
・バ イ オ レ メ デ ィ
減
計測法の整備
エーション
・生物機能利用 ○(プロセス開発)
・物理的浄化法
・ダイオキシン排出削
測定方法(バ
・化学的浄化法
減
イオアッセイ
○大気汚染防止技術
等)の整備
・有害化学物質
○水質汚濁防止技術
のモニタリン
グ技術
○化学物質のリス
ク評価
・健康影響評価
・生態系影響評
価
生態系の保全、野生生物の保
存等
○生態系のモニタリング
○自然活動、人為活動による
生態系影響の予測・評価
・有害化学物質による生態
影響の解明
○生態系の修復・管理
○野生生物の分布状況把握
○個体群の維持管理
○環境創造技術
・ビオトープ創造技術
表 2.2-2 環境分野における技術開発テーマと実施状況(地球温暖化対策)
CO2対策技術
代替フロン等対策技術
○新規代替物質開発
・代替冷媒利用技術:エネルギー使用合理化新規冷媒等開発(経済産業省:継続中)
・代替発泡剤
:
(同上)
・新洗浄方式
:
(同上)
○CO2分離・回収技術
・吸着法(活性炭、ゼオライト等の吸着剤を利用。圧力スイング法など)
・膜分離法(セラミックス膜、高分子膜等による分離法)
:二酸化炭素高温分離・回収再利用技術開発(経済産業省:H11 終了)
・吸収法(アルコール、アミン等の溶液によりCO2を吸収)
○CO2固定技術
・物理化学的固定技術(珪酸塩、吸着剤による固定)
・化学的固定技術
−接触水素化等(CO2を水素と反応させ、メタン等として回収)
:接触水素化反応利用二酸化炭素固定化・有効利用技術開発(経済産業省:H11 終了)
石炭・天然ガス活用型二酸化炭素回収・利用技術開発(経済産業省:継続中)
・生物利用固定技術(炭素固定能力をもつ生物を利用した固定法)
:細菌・藻類等利用二酸化炭素固定化・有効利用技術開発(経済産業省:H11 終了)
生物機能利用砂漠地域二酸化炭素固定化技術開発(砂漠植物プロジェクト)
(経済産業省:継続中)
エネルギー使用合理化古紙等有効利用二酸化炭素固定化技術開発(経済産業省:継続中)
森林における二酸化炭素収支に関する研究(環境省)
光合成科学研究(文部科学省)
・海洋利用固定技術(海洋の物質循環、サンゴ等を利用した固定法)
・固定技術全般:温室効果ガスの人為的な排出源・吸収源に関する研究(環境省)
○CO2貯留技術
・海洋貯留技術(CO2をハイドレートとして海洋に沈め、貯留する方法)
:二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影響予測技術開発(経済産業省:継続中)
回収二酸化炭素の深海底貯留法の評価に関する研究(国土交通省)
二酸化炭素深海貯留のための新投入システム COSMOS の開発に関する研究(国土交通省)
・地中貯留技術(回収したCO2を地下に圧入する方法。地中リサイクル法ではさらに帯水層中の微生物を利用してメタンに変換する)
:二酸化炭素地中貯留技術研究開発(経済産業省:継続中)
○代替プロセス開発
・代替ガス利用電子デバイス製造エッチングプロセス
:電子デバイス製造プロセスで使用するエッチングガスの代替ガスシステム及び代替プロセスの研究開発(経済産業省:継続中)
・代替ガス利用電子デバイス製造クリーニングプロセス
:SF6代替ガス利用電子デバイスクリーニングプロセス研究開発(経済産業省:継続中)
○非フロン系物質の利用技術
・炭化水素を利用した冷蔵庫用断熱材の開発
・炭化水素、CO2を利用した建材用断熱材の開発
:高性能断熱建材技術開発対策事業(経済産業省:継続中)
・炭化水素、アンモニアを利用した冷蔵庫の開発
○フロン等破壊技術
−混焼分解:エネルギー使用合理化HFC等破壊処理技術調査(経済産業省:H12 終了)
フロン破壊モデル事業評価調査(環境省:継続中)
−プラズマ分解:ハロン破壊実証試験(経済産業省:H11 終了)
エネルギー使用合理化HFC等破壊処理技術調査(経済産業省:H12 終了)
フロン破壊モデル事業評価調査(環境省:継続中)
−液中燃焼処理:エネルギー使用合理化HFC等破壊処理技術調査(経済産業省:H12 終了)
−触媒分解
:エネルギー使用合理化HFC等破壊処理技術調査(経済産業省:H12 終了)
フロン破壊モデル事業評価調査(環境省:継続中)
−紫外線分解
−爆発処理等
○植物・森林等の二酸化炭素固定能力向上技術
:細菌・藻類等利用二酸化炭素固定化・有効利用技術開発(経済産業省:H11 終了)
(再掲)
生物機能利用砂漠地域二酸化炭素固定化技術開発(砂漠植物プロジェクト)
(経済産業省:継続中)
(再掲)
○CO2モニタリング技術
・観測機器・観測ネットワークの整備
:成層圏プラットホームに関する研究開発(文部科学省、総務省)
地球規模の高度海洋監視システム(ARGO 計画)
(文部科学省、国土交通省)
○GWP 値の見直し
・測定技術の開発
・大気圏化学グローバルダイナミクス(文部科学省、科学研究費)
・対流圏光化学とオゾン収支
・温室効果気体の変動と循環のダイナミクス
・アジア・太平洋地域でのエアロゾルの変動と放射への影響
・対流圏におけるハロゲンの化学と循環 等
・北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究(文部科学省、振興調整費)
・炭素循環に関するグローバルマッピングとその高度化に関する国際共同研究(文部科学省、振興調整費)
・風送ダストの大気中への供給量評価と気候への影響に関する研究(文部科学省、振興調整費)
○CO2排出削減技術
・省エネルギー技術
・代替エネルギー技術
・新エネルギー技術(→「エネルギー分野」で検討)
○CO2以外の温室効果ガス対策技術
・メタン対策技術(廃棄物最終処分場、農業分野からの排出抑制)
西シベリア大低地におけるメタンフラックスの年変動と将来予測に関する研究(環境省)
リモートセンシングとモデリングによる西シベリア低湿地からのメタン発生量推定に関する研究(環境省)
・N2O対策技術(燃焼改善、N2O分解触媒)
(共通テーマ)地球温暖化制御のためのCH4、N2Oの対策技術と評価に関する研究(環境省)
○オゾン層保護対策
・オゾン層の観測・モデリング技術等:衛星データ等を活用したオゾン層破壊物質の解明及びモデル化に関する研究(環境省)
成層圏力学過程とオゾンの変動及びその気候への影響【科研費、特定領域研究】
(文部科学省)
・フロン等破壊技術
−混焼分解:エネルギー使用合理化CFC等破壊処理技術調査(経済産業省:H10 終了)
フロン破壊モデル事業評価調査(環境省:継続中)
−プラズマ分解:ハロン破壊実証試験(経済産業省:H11 終了)
フロン破壊モデル事業評価調査(環境省:継続中)
−液中燃焼処理
−触媒分解:フロン破壊モデル事業評価調査(環境省:継続中)
−紫外線分解
−爆発処理等
−その他:電解法によるフロン-12 のテトラフルオロエチレンへの変換【科学研究費】
(文部科学省)
・新規代替物質開発:エネルギー使用合理化新規冷媒等開発(経済産業省:継続中)
2.6
表 2.2-3 環境分野における技術開発テーマと実施状況(廃棄物、資源循環対策)
リデュース
リユース
○易分解性構造設計
○長寿命化技術、機能向上技術
・分離設計:電子・電気製品の部品等の再利
・第5世代材料(インテリジェント材料、
スマート材料)
用技術(経済産業省:継続中)
・高耐久性素材の開発(スーパーメタル、
・ノン接着設計
スーパーオレフィンポリマー)
・ねじレス接合技術:電子・電気製品の部品
:廃棄物の少ない循環型プラスチック
等の再利用技術(経済
の設計・製造等技術開発(経済産業
産業省:継続中)
省:継続中)
・アップグレード設計、評価・メンテナン ○オープン設計
ス技術
:資源循環型住宅技術開発プロジェク ○余寿命診断技術
・製品リユース可否判断技術
ト(経済産業省:継続中)
:電子・電気製品の部品等の再利用技術
(経済産業省:継続中)
・製品のモジュール化
○使用履歴管理技術
○省資源化技術
・軽量素材の開発
:廃棄物の少ない循環型プラスチック ○機能回復技術
の設計・製造等技術開発(経済産
○再利用品機能検査技術
業省:継続中)
・材料劣化判断技術:電子・電気製品の部品
等の再利用技術(経済
・部品小型化・軽量化技術
産業省:継続中)
○廃棄物削減技術
○容易分解・解体技術
・汚泥削減プロセスの開発
・シュレッダーダスト減容化
・焼却灰減容化
○剥離技術
○部品分別技術
:電子・電気製品の部品等の再利用技術(経
済産業省:継続中)
○傷・汚れ・摩耗の少ない材料の開発
リサイクル
○製品毎のリサイクル技術
・容器包装:一般廃棄物の容器包装系プラスチックを対象とした回収システムの研究開発(経済産業省:継続中)
:食品容器包装リサイクル技術開発事業(農林水産省)
・家電 −解体・分離・選別しやすい加工組立技術
:廃家電品一貫リサイクルシステム開発(経済産業省:H10 終了)
・自動車
・廃電子機器(パソコン)
・建設廃材・石膏ボード :資源循環型住宅技術開発プロジェクト(経済産業省:継続中)
:建設廃材・ガラス等リサイクル技術開発(経済産業省:継続中)
:循環型社会の形成に資する建築解体廃棄物等のリサイクル推進に関する調査・研究(国土交通省)
・古紙:余剰古紙を用いた乾燥式高強度古紙再生パネルの研究開発(経済産業省:継続中)
・繊維製品 −原料回収、解繊、反毛化
・その他:消火器・防炎物品等のリサイクルの推進(総務省)
○素材毎のリサイクル技術
・廃プラスチック −材質識別・分離技術、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクル
:熱可塑性樹脂などの液相分解法によるモノマー・化学原料へのケミカルリサイクル技術の開発(経済産業省:継続中)
:可燃性廃棄物燃料化等技術開発(経済産業省:継続中)
:廃プラスチック含有塩素と廃ガラスびん含有アルカリの同時回収に関わる研究開発(経済産業省:継続中)
:再生可能資源からの環境低負荷プラスチックの生産に基づく持続型材料システムの構造(文部科学省、科学研究費)
・FRP:廃 FRP 製品等再資源化実証システム研究(経済産業省:H11 終了)
:廃 FRP 船リサイクルシステム実用化の研究(国土交通省)
・鉄鋼 −新鉄鋼プロセス、廃ガス・ダスト中金属回収、触媒中金属回収、易リサイクル性素材の開発
:環境調和型金属系素材回生利用基盤技術開発(経済産業省:H11 終了)
:スーパーメタルの技術開発(経済産業省:継続中)
:リサイクル超鉄鋼材料研究(文部科学省)
・非鉄金属 −廃ガス中金属回収、触媒中金属回収、易リサイクル性素材の開発
:非鉄金属系素材リサイクル促進技術開発(経済産業省:継続中)
:スーパーメタルの技術開発(経済産業省:継続中)
:リサイクル性に優れた無添加合金製造技術の開発に関する研究(文部科学省)
:高性能マグネシウムの新展開−21世紀の超軽量金属材料−(文部科学省、科学研究費)
・ガラス −着色・脱色技術、色識別
:建設廃材・ガラス等リサイクル技術開発(経済産業省:継続中)
:廃プラスチック含有塩素と廃ガラスびん含有アルカリの同時回収に関わる研究開発(経済産業省:継続中)
:CO2 排出抑制型廃ガラス高度利用システムの研究開発(経済産業省:H12 終了)
○廃棄物毎のリサイクル技術
・汚泥 −低濃度で含まれる有用資源の高効率分離・選別技術
・有機系廃棄物 −堆肥化、飼料化、生ごみプラスチック化
:食品産業における生物活性利用等再資源化技術開発事業(農林水産省)
:環境保全のための家畜排泄物の高度処理・利用技術の確立(農林水産省)
:都市ごみの生分解性プラスチック化による生活排水・廃棄物処理システムの構築(文部科学省、振興調整費)
:バイオマス有効利用のための高度な微生物制御技術に関する基礎研究(文部科学省、振興調整費)
・石炭灰(ばいじん、燃えがら) −固化、金属回収
:石炭灰有効利用技術開発(経済産業省:継続中)
・鉱さい −破砕粒調、金属回収
○リサイクル原料の利用
:港湾構造物へのリサイクル材活用開発調査(国土交通省)
○リサイクル情報ネットワークの整備
○3R全般に関する取組
:3R技術実用化事業(経済産業省:継続中)
:ゼロエミッションをめざした物質循環プロセスの構築(文部科学省、科学研究費)
:環境と資源の持続的利用に資する資源循環型エコシステムの構築に関する研究(文部科学省、振興調整費)
:材料の低環境負荷ライフサイクルデザイン実現のためのバリアフリープロセシング技術に関する研究(文部科学省、振興調整費)
2.7
適正処理
○ガス化溶融技術
:ガス化溶融炉の開発・整備(経済産業
省:継続中)
○排ガス処理技術
○処理困難物の適正処理技術
・エアバッグ
:エアバッグ適正処理技術の開発等(経
済産業省:H11 年終了)
○処分場の適正管理技術
表 2.2-4 環境分野における技術開発テーマと実施状況(化学物質のリスク極小化・管理)
安全性評価
○有害化学物質の発生・環境動態の解明
・発生メカニズムの解明と排出インベントリー作成
:下水汚泥処理施設での有機有害物質の挙動に関する研究(国土交通省)
:有害化学物質の発生・曝露機構の研究開発(経済産業省:継続中)
:ダイオキシン発生機構・抑制調査研究(経済産業省:継続中)
・有害化学物質の環境中での挙動解明
:東アジア海域における有害化学物質の動態解明に関する研究(環境省)
:東シナ海における長江経由の汚染汚濁物質の動態と生態系影響に関する研究(環境
省)
:農林水産業における内分泌攪乱物質の動態解明と作用機構に関する総合研究(農林
水産省)
○有害化学物質の測定
・有害化学物質の自動・簡易計測法の整備
:環境中・物質中の微量化学物質の定量分析技術の開発(経済産業省:継続中)
:環境ホルモン戦略計画 SPEED'98(環境省)
・生物機能利用測定手法(バイオアッセイ等)の整備
:生物の持つ機能を利用した環境中化学物質の高感度検出・計測技術の開発(経済産
業省:継続中)
:環境ホルモン戦略計画 SPEED'98(環境省)
・有害化学物質のモニタリング技術
:工場等における揮発性有機塩素化合物の連続監視技術に関する研究(経済産業省:
H10 終了)
:バイオモニタリングに効果的な水生生物の開発と試験法に関する研究(環境省)
:ダイオキシン類・環境ホルモン等の化学物質による環境リスクの積極的制御(環境
省)
素材・製品開発
○有害化学物質使用削減技術
・非ハロゲン系難燃性樹脂
・鉛レス・アンチモンレスレンズ
・有害物質排出抑制型塗装・メッキプロセス
・鉛フリーはんだ
○シックハウス対策
・建材からの化学物質排出低減
:資源循環型住宅技術開発プロジェクト(経済産業省:継続中)
:建築廃材・ガラス等リサイクル技術開発(経済産業省:継続中)
:生活価値創造住宅技術開発プロジェクト(経済産業省:H12 終了)
:シックハウス対策技術の開発(国土交通省)
:室内化学物質空気汚染の解明と健康・衛生居住環境の開発に関する研究(文部科学
省、振興調整費)
・有害化学物質使用低減
○(プロセス開発)
・ダイオキシン排出削減
:ダイオキシン類排出削減促進技術開発事業(経済産業省:H11 終了)
回収・無害化・浄化
○有害化学物質の除去・無害化技術
・ダイオキシン除去・無害化技術
:超臨界流体を用いたダイオキシン等無害化技術開発(経済産業省:継続中)
:飛灰無害化技術開発(経済産業省:継続中)
:産業用焼却設備向け簡易型ダイオキシン除去・分解装置の技術開発(経済産業省:
継続中)
:焼却炉排ガス中のダイオキシン類の直接分解方式の研究開発(経済産業省:継続
中)
:高効率パルスパワー技術を用いた焼却炉用有害化学物質削減装置の開発(経済産業
省:継続中)
:環境対応次世代小型焼却炉技術開発(経済産業省:H11 終了)
:建設分野におけるダイオキシン等汚染対策調査及び技術開発(国土交通省)
・PCB除去・無害化技術
:超臨界流体を用いたダイオキシン等無害化技術開発(経済産業省:継続中)
:PCB5 割無害化技術導入(環境省)
・農薬、環境ホルモンの除去・無害化技術
:有害化学物質除去触媒の探索・育成(文部科学省)
:食品中の微量物質制御等安全性確保技術の開発(農林水産省)
・その他有害化学物質の除去・無害化技術
:ガス化溶融炉の開発・整備(経済産業省:継続中)
:資源循環型社会を指向する環境低負荷型の新材料研究開発(文部科学省)
○土壌・地下水の汚染修復技術
・バイオレメディエーション
:土壌汚染等修復技術の開発(経済産業省:H12 終了)
:ダイオキシン類汚染土壌浄化技術等の実証調査(環境省)
・物理的浄化法 −ジオメルト法、真空加熱分解法
:ダイオキシン類汚染土壌浄化技術等の実証調査(環境省)
・化学的浄化法 −BCD法、メカノケミカル法、超臨界水酸化法
:ダイオキシン類汚染土壌浄化技術等の実証調査(環境省)
○化学物質のリスク評価
・健康影響評価
:化学物質総合評価管理プログラム(経済産業省:継続中)
:環境ホルモン効果に関する評価・試験法の開発(経済産業省:継続中)
:アスベスト代替鉱物繊維のリスク評価のための研究(厚生労働省:H10 終了)
:環境有害因子の健康影響評価に関する研究(環境省)
:農薬内分泌攪乱影響判別技術確立事業(農林水産省)
:内分泌かく乱物質による生殖への影響とその作用機構に関する研究(文部科学省、
振興調整費)
・生態系影響評価
:東シナ海における長江経由の汚染汚濁物質の動態と生態系影響に関する研究(環境
省)
:環境ホルモン戦略計画 SPEED'98(環境省)
:内分泌攪乱物質等漁業影響調査(農林水産省)
:ダイオキシン類等漁業影響調査(農林水産省)
:内分泌かく乱物質による生殖への影響とその作用機構に関する研究(文部科学省、
振興調整費)
○大気汚染防止技術
・ダイオキシン除去・無害化技術【再掲】
○水質汚濁防止技術
:エネルギー使用合理化坑廃水処理技術開発(固液分離技術)(経済産業省:継続
中)
:鉱害防止技術(高効率廃水処理技術開発石炭灰利用坑廃水処理技術)(経済産業
省:継続中)
:鉱害防止技術(坑廃水処理省力技術)
(経済産業省:H10 終了)
:有用植物の水質浄化特性の解明による資源循環型水質浄化技術に関する研究(農林
水産省)
2.8
表 2.2-5 環境分野における技術開発テーマと実施状況(生産プロセス革新技術、その他基盤技術)
生産プロセス革新技術
○環境調和型バイオプロセス
・生物触媒、バイオリアクター等:
環境調和型生産プロセス技術(高機能化学合成バイオリアクター)
(経済産業省:H11 終了)
エネルギー使用合理化生物触媒等技術開発(経済産業省:継続中)
植物利用エネルギー使用合理化工業原料生産技術開発(経済産業省:継続中)
生物機能活用型循環産業システム創造プログラム(経済産業省:継続中)
カビの酵素高生産能を活用した環境調和型工業プロセス技術の基盤研究(文部科学省、振興調
整費)
こめぬかを原料とする環境に適合した有機工業化学に関する基礎研究(文部科学省、振興調整
費)
新規微生物酵素による希少糖類生産システムの開発とこれらを用いたもみがら等の地域未利用
資源の有効活用に関する基礎研究(文部科学省、振興調整費)
LCA技術、環境関連データベース整備
○ LCA手法の研究、データベース整備
・手法研究:製品等ライフサイクル環境影響評価技術開発(経済産業省:継続中)
・データベース整備:
(同上)
環境モニタリングシステムの整備
○ 環境モニタリングシステムの整備
・大気の観測システムの整備
地球フロンティア研究システム(文部科学省)
成層圏プラットホームの構築に関する研究(文部科学省、総務省)
地球大気成分の衛星観測データ処理アルゴリズムに関する研究(環境省)
地球規模の高度海洋監視システム(ARGO 計画)の推進(文部科学省)
地球規模の高度海洋監視システム(ARGO 計画)による気候予知の推進(国土交通省)
・水系の観測システムの整備
・生態系の観測システムの整備
サンゴ礁生物モニタリング手法の開発に関する研究(環境省、農林水産省)
衛星リモートセンシングと結合した植物構造動態モデルによる植物群集変動の推定システ
ムの開発(農林水産省)
・バイオマスの原燃料利用
・有機性廃棄物の再資源化→リサイクルで検討
・生分解性プラスチック(グリーンプラ)
・その他基盤整備
環境データ解析のための統計的手法に関する研究(環境省)
短波長ミリ波帯電磁波による地球環境計測技術の研究(国土交通省)
光領域アクティブセンサーによる地球環境計測技術の研究開発(国土交通省)
高分解能3次元マイクロ波映像レーダによる地球環境計測予測技術の開発(国土交通省)
・バクテリア・リーチング
・大気汚染防止、排水処理等への利用
・バイオレメディエーション→化学物質のリスク極小化・管理で検討
・生物利用CO2固定→温暖化で検討
○新規化学プロセス技術
・(光)触媒利用技術:
環境調和型触媒技術開発(経済産業省:継続中)
・超臨界利用技術:
超臨界流体利用環境負荷低減技術研究開発(経済産業省:継続中)
次世代化学プロセス技術開発(経済産業省:継続中)
・新規化学合成プロセス:
次世代化学プロセス技術開発(経済産業省:継続中)
○その他
省エネ型工作機械等の開発(経済産業省:継続中)
2.9
表 2.2-6 環境分野における技術開発テーマと実施状況(自然生態系)
森林破壊、砂漠化、酸性雨
(森林破壊)
○熱帯林の観測
○植林
生態系の保全、野生生物の保存等
生態系のモニタリング
○自然活動、人為活動による生態系影響の予測・評価
・有害化学物質による生態影響の解明
(砂漠化)
○緑化技術
・灌漑技術
・土壌改良技術
・ストレス耐性植物育種技術
中国の半乾燥地域に生育する植物の生理生体機能に関する研究(環境省)
(酸性雨)
○酸性雨原因物質の排出抑制技術
・石油脱硫
・排煙脱硫
○酸性雨による影響の観測・評価・予測・
○生態系の修復・管理
亜熱帯地域での農地からの細粒赤土流出防止技術の確立と海洋生態系への影響解明に関する研究(農林水産省)
土壌環境の管理技術の開発(農林水産省)
小笠原森林生態系の修復・管理技術に関する研究(農林水産省)
○野生生物の分布状況把握
湖沼沿岸帯に生息する底生生物の生息環境に関する研究(環境省)
湖沼の植物プランクトンに及ぼす様々な環境ストレスの影響(環境省)
高山域に分布する植物の環境適応性に関する研究(環境省)
温帯林野生植物の環境反応性に関する研究(環境省)
植物の生理生体機能の画像診断法に関する研究(環境省)
河川流下過程の水質変化と水域影響評価に関する研究(環境省)
サンゴ礁生物多様性モニタリング手法の開発に関する研究(環境省)
生態系の構造計測手法に関する研究計測(環境省)
スケーリングによる広域生態系の構造評価手法に関する研究(農林水産省)
衛星リモートセンシングと結合した植物構造動態モデルによる植物群集変動の推定システムの開発(農林水産省)
海洋生態系の解明(生物多様性を含む)
(農林水産省)
草地・牧野林などの活用による生態系保全型肉用牛放牧技術の開発(農林水産省)
サンゴ礁生態系の生物多様性構造の解明に関する研究(農林水産省)
○個体群の維持管理
希少海洋生物の保護・増殖技術の開発(農林水産省)
○環境創造技術
・ビオトープ創造技術
水循環を考慮した地下水資源の開発・利用・保全技術の開発(農林水産省)
有用植物の水質浄化特性の解明による資源循環型水質浄化技術に関する研究(農林水産省)
生態系の保全・生息空間の創造技術の開発(国土交通省)
2.10
(2)経済産業省の環境分野における技術開発の実施状況
本節では、前節における整理に従って、経済産業省における技術開発実施状況
の分析を行った。
①環境分野全体の技術開発実施状況
環境分野全体の技術開発事業は表 2.2-7 のとおりとなっている。環境分野全体の
実施状況とその内訳は以下のようになっている。
平成12年度
平成13年度
・環境分野全体
49件、177.8億円
45件、215.8億円
・地球温暖化対策分野
13件、 89.8億円
12件、 82.2億円
・廃棄物、資源循環対策分野
15件、 26.6億円
12件、 28.2億円
・化学物質対策分野
14件、 26.8億円
13件、 32.8億円
・生産プロセス革新技術等分野
6件、 31.6億円
7件、60.1億円
・LCA技術開発分野
1件、
1件、 2.6億円
3.1億円
○表 2.2-8、2.2-9 では、各技術開発事業の対策フェーズとして、現象解明、予測
影響評価、計測・監視、未然防止、処理・処分・除去、環境改善・修復、その
他に分けている。件数ベースで見ると、「処理・処分・除去」が42件、「未然
防止」が21件となっており、予算ベースでは、
「処理・処分・除去」が1,1
45億円、
「未然防止」が556億円となっている(図 2.2-1)
。このように、処
理・処分・除去という「対策」技術が多く、未然防止の観点からの技術開発は
相対的に少なくなっている。
○なお、平成12、13年度実施分のみを見ると、プロジェクト件数は「処理・
処分・除去」に関するものが依然として多いが、予算額では「未然防止」の観
点のプロジェクトの方が多くなっている(図 2.2-2)。この結果は、経済産業省
における研究開発プロジェクトが、これまでの「対策」技術から、
「未然防止」
型へシフトしつつあることを示している。
②地球温暖化対策分野における技術開発実施状況
1)地球温暖化対策分野全体の技術開発事業の状況
○平成12年度、13年度予算ベースでの実施状況は次のようになっている。
・二酸化炭素の分離・回収、固定化・有効利用、貯留技術の分野:
平成12年度
平成13年度
7件、33.0億円
7件、36.6億円
2.11
・代替フロン等の新規代替物質開発等
平成12年度
平成13年度
5件、30.6億円
4件、23.7億円
平成12年度
平成13年度
1件、26.2億円
1件、21.9億円
・その他
○なお、省エネ、新エネ技術によるCO2排出削減については、エネルギー分野で
検討することとしている。
2)二酸化炭素の分離・回収、固定化・有効利用、貯留技術開発事業の状況
a.CO2対策関連事業全体の事業実施状況と資源配分
○二酸化炭素の分離・回収、固定化・有効利用、貯留技術の分野における平成
12、13年度のプロジェクト型の事業件数、予算規模は以下のとおりと
なっている。
平成12年度
・CO2分離・回収技術
0件、
平成13年度
0億円 0件、
0億円
・CO2固定化・有効利用技術 4件、11.8億円 3件、10.4億円
・CO2貯留技術
2件、19.6億円 2件、21.2億円
○これらに加え、提案公募型等の事業が実施されており、その規模等は以下の
とおりとなっている。
(対象分野としては、CO2分離・回収、固定化・有効
利用、貯留技術をカバーしている)
・提案公募型等の技術開発事業
平成12年度
平成13年度
1件、1.6億円
2件、5.0億円
○CO2分離・回収技術については、平成11年度までは「二酸化炭素高温分
離・回収再利用技術研究開発」が実施されてきたが、平成12,13年度は
実施されていない。
CO2固定化・有効利用技術と貯留技術を比べると、事業件数ではCO2固
定化・有効利用技術が貯留技術よりも多いが、予算規模としては、貯留技術
が固定化・有効利用技術の2倍程度となっており、貯留技術に重点的に予算
配分されている。
ア)CO2分離・回収技術開発事業の状況
2.12
CO2分離・回収技術としては、吸着法、膜分離法、吸収法などがある。
経済産業省の事業としては、平成11年度まで膜分離法の「二酸化炭素高
温分離・回収再利用技術開発」が実施されてきたが、現在はC02分離・
回収技術の分野の事業は実施されていない。
イ)CO2固定化・有効利用技術開発事業の状況
CO2固定化・有効利用技術としては、物理的固定技術、化学的固定技術、
生物利用固定技術等がある。
経済産業省の事業としては、物理的固定技術は実施されていない。
化学的固定技術としては、
「接触水素化反応利用二酸化炭素固定化・有効利
用技術開発」がこれまでに実施され、現在は、
「石炭・天然ガス活用型二酸
化炭素回収・利用技術開発」が実施されている。
生物利用固定技術の分野では、これまで「細菌・藻類等利用二酸化炭素固
定化・有効利用技術開発」が実施され、現在では、
「生物機能砂漠地域二酸
化炭素固定化技術開発」、「エネルギー使用合理化古紙等有効利用二酸化炭
素固定化技術開発」が実施されている。
ウ)CO2貯留技術開発事業の状況
CO2貯留技術としては、海洋貯留技術と地中貯留技術がある。
経済産業省の技術開発事業としては、
「二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影
響予測技術開発」と「二酸化炭素地中貯留技術研究開発」が実施されてい
る。
○上述したように、CO2対策関連技術の中では、貯留技術開発が重点的に実
施されており、貯留技術に次いでCO2固定化・有効利用技術の資源配分が
大きくなっている。CO2固定化・有効利用技術の中では、物理的固定技術、
化学的固定技術に比べて生物利用固定技術への資源配分が大きくなっている。
b.事業の効果・インパクトと事業規模等との関係
○CO2対策関連技術開発事業について、プロジェクト型事業と提案公募型等
の件数、予算規模は以下のとおりとなっている。
・プロジェクト型の大規模な事業
平成12年度
・提案公募型等の事業
平成13年度
6件、31.4億円
5件、31.6億円
1件、 1.6億円
2件、 5.0億円
○このように、CO2対策関連技術開発事業は、プロジェクト型の大規模な技
2.13
術開発が圧倒的に多くなっており、CO2対策関連技術開発事業の大部分
がプロジェクト型の下で特定の技術課題が追求されている。
○プロジェクト型のCO2対策関連技術開発事業の事業分布は図 2.2-3 のとおり
である。図 2.2-3 は、実用化の近さ、CO2削減ポテンシャルと事業規模の関
係を示している。過去の事業も含め、これまで、細菌藻類等利用固定化技術
開発、接触水素化反応利用二酸化炭素固定化技術開発、二酸化炭素高温分
離・回収再利用技術研究開発、海洋中の炭素循環メカニズムの調査研究等が
実施されてきている。また、現在実施されているプロジェクトとしては、海
洋隔離の環境影響調査、生物機能利用砂漠地域二酸化炭素固定化技術開発、
石炭・天然ガス活用型二酸化炭素回収・利用技術開発、古紙等有効利用二酸
化炭素固定化技術開発、地中貯留技術開発等が実施されている。これらは、
いずれも大規模なものとなっている。
(終了したもの)
・細菌藻類等利用固定化技術:
総事業規模143億円
・接触水素化反応利用二酸化炭素固定化技術:
総事業規模 92億円
・二酸化炭素高温分離・回収再利用技術研究開発:総事業規模 41億円
・海洋中の炭素循環メカニズムの調査研究:
総事業規模 45億円
(実施中のもの)
・石炭天然ガス活用型二酸化炭素回収利用技術: 総事業規模 19億円
・生物機能砂漠地域二酸化炭素固定化技術開発: 総事業規模 30億円
・海洋隔離の環境影響調査:
総事業規模 65億円
・地中貯留技術開発:
総事業規模 40億円
○細菌藻類等利用固定化技術開発、接触水素化反応利用二酸化炭素固定化技術
開発、二酸化炭素高温分離・回収再利用技術研究開発、海洋中の炭素循環メ
カニズムの調査研究、海洋隔離の環境影響調査については、中間又は事後評
価が既に実施されている。評価結果は表 2.2-10 のようになっており、実用化
に関してはいずれも厳しい評価結果が得られている。
○プロジェクト型の技術開発事業では特定の技術課題が追求されてきたが、上
記のように厳しい評価結果が得られている。一方で、競争的資金の活用等に
より様々な技術課題を追求すべく、プロジェクト型の事業に加え、これまで
「プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発」が実施されてきて
おり、平成12年度では3件(1件あたり4000万円程度)の技術開発
テーマを実施している。また、平成13年度からは提案公募型の「二酸化炭
素固定化・有効利用技術実用化開発」が開始されることとなっており、平成
13年度は5件程度(1件あたり6000万円程度)の技術開発テーマが公
2.14
募・採択される予定となっている。
3)代替フロン等対策技術開発事業の状況
a.代替フロン等対策技術開発事業全体の事業実施状況と資源配分
○新規代替物質の開発、代替プロセス開発、HFC等破壊の各分野における平
成12,13年度の事業件数、予算規模は以下のとおりとなっている。
平成12年度
・新規代替物質開発
平成13年度
1件、 7.6億円
1件、 6.0億円
・代替プロセス等開発 3件、22.7億円
3件、17.7億円
・HFC等破壊
0件、
1件、 0.3億円
0億円
このように、代替フロン等対策技術開発事業の中では、新規代替物質開発と
代替プロセス等開発が中心的に実施されているが、上記のとおり、平成13
年度予算においては、新規代替物質開発6.0億円に対して代替プロセス等
開発17.7億円となっている。なお、非フロン系物質を利用した断熱建材
技術開発は、ここでは「代替プロセス等開発」に含めている。
ア)新規代替物質開発の状況
代替フロン等の新規代替物質開発が平成6年度より継続的に実施されてお
り、代替冷媒利用技術、代替発泡剤開発、新洗浄方式の技術開発が実施さ
れている。
イ)代替プロセス等開発の状況
代替プロセス等開発としては、電子デバイス関連の技術開発が中心的に実
施されており、具体的には、
・電子デバイス製造プロセスで使用するエッチングガスの代替ガスシステ
ム及び代替プロセスの研究開発
・SF6代替ガス利用電子デバイスクリーニングプロセスの研究開発
が実施されている。
これらに加え、非フロン系物質の利用技術として、フロン等の温暖化物質
を使用しない断熱建材の技術開発が実施されている。
ウ)HFC等破壊技術
平成12年度はHFC等破壊処理技術調査が実施されていたが、平成13
年度は事業が実施されていない。環境省においては「フロン破壊モデル事
業評価調査」が実施されている。
2.15
③廃棄物、資源循環対策(3R対策)分野における技術開発実施状況
1)3R対策分野全体の事業分布の状況
○平成12年度、13年度予算ベースでの実施状況は次のようになっている。
(図
2.2-4)
平成12年度
平成13年度
・リサイクル技術開発
13件、24.1億円
10件 20.1億円
・リデュース技術開発
1件、 1.5億円
1件
2.2億円
・リユース技術開発
1件、 1.0億円
1件
1.8億円
・3R全般の技術開発
0件、
1件
4.2億円
0億円
○このように、リデュース・リユース技術開発に対して、リサイクル技術開発へ
の資源配分の割合が極めて大きくなっている。
2)3R対策技術開発事業の状況
a.リサイクル技術開発事業の状況
○リサイクル技術開発事業について、個別の製品、素材毎の実施状況は以下の
ようになっている。
平成12年度
平成13年度
・プラスチック:
4件、 3.4億円
4件、 3.6億円
・古紙:
3件、 2.1億円
1件、 1.3億円
・鉄鋼:
1件、 2.9億円
1件、 2.9億円
・非鉄金属:
3件、11.2億円
3件、 9.0億円
・ガラス:
3件、 4.0億円
2件、 4.1億円
・建設廃材:
2件、 4.0億円
2件、 4.6億円
・石炭灰:
1件、 3.1億円
1件、 1.6億円
・繊維製品:
0件
0件
・家電製品:
0件
0件
・パソコン:
0件
0件
・PETボトル:
0件
0件
・自動車:
0件
0件
・FRP:
0件
0件
○3R対策を講ずるメルクマールとしては、
・排出量が多いこと
・含有資源の有用性が高いこと
・市町村による処理が困難であること
・有害物質が含有されていて適正な処理が必要であること
であり、このような観点から、業種・製品毎に3R対策を講ずべきものが特
2.16
定されている。目標とするリサイクル率等も製品毎に示されている。
個別製品等毎の技術開発事業の分布と資源配分を考察するためには、製品等
毎の発生量、現行のリサイクル率、リサイクル目標率と、技術開発事業への
投入予算額との関係を把握することが適切と考えられ、この観点から図 2.2-5、
2.2-6 のグラフが得られる。これらは主に製品別・素材別の発生量に着目した
ものである。これらに加え、廃棄物の発生量・最終処分量に着目した分析も
必要と考えられ、図 2.2-7∼2.2-10 では、廃棄物別の発生量・最終処分量等と
技術開発事業への投入予算額との関係を示している。
さらに、個別製品等毎の技術開発の必要性と、含有資源の有用性、廃棄物の
発生量、処理困難性に着目した分析も必要と考えられ、この観点から図 2.211∼2.2-15 が得られる。
○図 2.2-5 は製品別の発生量、リサイクル率と技術開発事業規模の関係を表した
ものである。これをみると、平成12、13年度で技術開発の対象となって
いる製品は、ガラスびんと紙であるが、これら製品はいずれもリサイクル目
標率を達成しているか、もしくは目標率に近い水準である(ガラスびん:目
標値65%に対し1999年で73.9%、紙:目標値60%に対し200
0年で57%)
。一方で、リサイクル目標率と現在のリサイクル率との乖離が
大きいパソコン、家電、ペットボトル、自動車等については、技術開発事業
は実施されていない。現在のリサイクル率が小さい繊維製品等についても技
術開発事業は実施されていない。
なお、パソコン、家電については、後述するリユース技術開発事業が実施さ
れている。また、家電については、使用済み家電品の有価物回収システムの
技術開発事業が過去に大規模実証試験として実施されている。自動車につい
ても、過去に、シュレッダーダストの減容・固化・乾留ガス化技術開発や、
エアバッグの処理技術開発が実施されている。ペットボトルについても、
ペットボトル高度再資源化技術や循環型ペットボトルリサイクル技術開発事
業がこれまでに実施されている。
○図 2.2-6 は、素材別の発生量、現在のリサイクル率と技術開発事業規模を表し
たものである。これをみると、最も発生量が大きい鉄鋼では2.9億円、2.
9億円(それぞれ平成12年度、平成13年度予算額、以下同じ)となって
いる。次に発生量が大きい紙では、2.1億円、1.3億円となっている。
その次に発生量が大きいプラスチックでは3.4億円、3.6億円となって
いる。これらに比べて相対的に発生量が小さい非鉄金属では、11.2億円、
11.2億円となっており、技術開発事業規模が相対的に大きくなっている。
ガラスでは4.0億円、4.1億円となっている。
2.17
○一方、発生量は相対的に小さいものの、発生量が増加傾向にあるFRPに
ついては、技術開発事業は実施されていない。FRPの主要な用途には浴槽
などの家庭用とFRP船があるが、FRP船については、国土交通省におい
てリサイクル技術開発が進められている。
○図 2.2-7 は、産業廃棄物の発生量、リサイクル率と技術開発事業規模の関係を
示している。図 2.2-8 は、産業廃棄物の最終処分量、最終処分率と技術開発事
業規模の関係を示している。最終処分量の大きい廃棄物としては、汚泥、建
設廃材、廃プラスチック、ガラス・陶磁器類、金属くず等であるが、最終処
分量が最も大きい汚泥については、技術開発事業は実施されていない。また、
建設廃材、廃プラスチックに比べて金属くずの事業規模が相対的に大きく
なっている。
○図 2.2-9 は、業種別の産業廃棄物発生量、リサイクル率と技術開発事業規模と
の関係を示している。図 2.2-10 は、業種別の産業廃棄物の最終処分量、最終
処分率と技術開発事業規模の関係を示している。これを見ると、発生量が大
きいものとしては、鉄鋼業の鉄鋼スラグがあり、その他のものとしては、化
学工業の汚泥、パルプ・紙・紙加工品製造業の汚泥等がある。これらについ
てはいずれも技術開発事業が実施されていない。また、技術開発事業が実施
されていないものとしては、非鉄金属製造業のスラグがある。一方で、技術
開発事業規模が最も大きい金属くずの分野では、相対的に高いリサイクル率、
低い最終処分率と、相対的に小さい最終処分量となっている。
○図 2.2-11 は、技術開発の必要性、製品毎の発生量と技術開発実施状況を示し
ている。技術開発の必要性については、「循環型経済システムの構築に向け
て」
(産業構造審議会地球環境部会、廃棄物・リサイクル部会合同基本問題小
委員会報告書)
、産業構造審議会製品別・業種別リサイクルガイドライン等で
示されている技術開発の必要性に関する指摘等を踏まえて、その必要性を4
段階に分類している。4段階に分類した根拠は表 2.2-15 に示したとおりであ
る。なお、図 2.2-12∼2.2-15 における技術開発の必要性に関しても同様に4
段階に分類している。これを見ると、技術開発の必要性が高いと分類されて
いるもの(3に分類)については技術開発が実施されているが、技術開発の
必要性がその次に高いと分類されているもの(2に分類)の中では、発生量
が大きい衣料も含めて技術開発が実施されていない。
○図 2.2-12 は、技術開発の必要性、製品毎の含有資源の有用性と技術開発実施
状況を示している。技術開発の必要性についての分類方法は上述のとおりで
ある。製品毎の含有資源の有用性については、製品廃棄量、含有資源率と資
2.18
源の生産量・埋蔵量との関係から算出している(発生量/可採年数で数値
化している。発生量のデータは表 2.2-15 に、可採年数のデータは表 2.2-16 に
示したとおりである)
。これを見ると、技術開発の必要性が高いと分類されて
いるもの(3に分類)については技術開発が実施されている。
○図 2.2-13 は、技術開発の必要性、製品毎の処理困難性と技術開発実施状況を
示している。技術開発の必要性についての分類方法は上述のとおりである。
処理困難性については、「循環型経済システムの構築に向けて」(産業構造審
議会地球環境部会、廃棄物・リサイクル部会合同基本問題小委員会報告書)
で示されている内容に従っている。処理困難性を4段階に分類した根拠は表
2.2-15 と表 2.2-17 に示したとおりである。技術開発の必要性が高いと分類さ
れているもの(3に分類)については技術開発が実施されているが、その次
に高いと分類されているもの(2に分類)の中では、処理困難性が高いと位
置付けられているFRPについて技術開発が実施されていない。
○図 2.2-14 は、図 2.2-11∼2.2-13 を統合したものであり、製品毎の技術開発の
必要性と、廃棄物・資源循環対策の必要性と技術開発実施状況の関係を示し
ている。技術開発の必要性についての分類は上述のとおりである。対策の必
要性は、図 2.2-11∼2.2-13 で考察した、製品毎の発生量、含有資源の有用性、
処理困難性の3つの要素を統合して一つの数値にしている。具体的には、
対策の必要性={log(廃棄量〔千トン〕
)+log(希少性)+処理困難性}/3
としている。
これを見ると、技術開発の必要性が高いと分類されているもの(3に分類)
については技術開発が実施されているが、その次に高いと分類されているも
の(2に分類)については、図 2.2-11∼2.2-13 等のこれまでの分析において
も抽出された繊維製品やFRPについて技術開発が実施されていないことが
浮かび上がってくる。
○図 2.2-15 は、技術開発の必要性、業種毎の廃棄量と技術開発実施状況を示し
ている。これを見ると、技術開発の必要性が高いと分類されているもの(2
に分類)については、技術開発が実施されているが、その次に必要性が高い
と分類されているもの(1に分類)の中では、鉄鋼業、パルプ・紙・紙加工
品製造業、化学工業に関する技術開発は実施されていない。鉄鋼業では、鉄
鋼スラグの利用促進のための技術開発が求められており、パルプ・紙・紙加
工品製造業では、ペーパースラッジの発生抑制、再利用技術開発が求められ
ている。化学工業では、汚泥の用途拡大のための技術開発が求められている。
2.19
b.リデュース・リユース技術開発事業の状況
○リデュース技術開発事業としては、ミレニアムプロジェクトとして、廃棄物
の少ない循環型プラスチックの設計・製造等技術開発が実施されている。こ
の分野はこの1件のみが実施されており、平成12年度予算額は1.5億円、
平成13年度予算額は2.2億円となっている。
○リユース技術開発事業としては、ミレニアムプロジェクトとして、電子・電
気製品の部品等の再利用技術が実施されている。この事業では、具体的には、
分離設計技術、製品リユース可否判断技術、材料劣化判断技術、部品分別技
術等の開発が実施されており、平成12年度予算額は1.0億円、平成13
年度予算額は1.8億円となっている。
c.その他の状況
○上記のプロジェクト型の技術開発事業に加え、平成13年度からは、提案公
募型の制度が発足しており、4.2億円の予算額となっている。
④化学物質対策分野における技術開発実施状況
1)化学物質対策分野全体の事業分布の状況
○平成12年度、13年度予算ベースでの実施状況は次のようになっている。
平成12年度
平成13年度
・化学物質の安全性評価: 5件、 9.0億円
6件、21.5億円
・素材・製品開発:
1件、 5.8億円
0件、
・回収・無害化・浄化:
8件、12.0億円
7件、11.3億円
14件、26.8億円
13件、32.8億円
合
計
0億円
○平成13年度は平成12年度に比べて事業規模が拡大している。これは、安全
性評価の分野において、化学物質の有害性等の評価・管理技術の開発を総合的
に実施する「化学物質総合評価管理プログラム」が13年度から開始されるこ
とに主に起因している。一方、素材・製品開発については、平成13年度は実
施されていない。これら全体の事業分布については、図 2.2-16 のとおりとなっ
ている。
2)化学物質の安全性の評価に関する技術開発事業の実施状況
○化学物質の安全性評価の分野は、有害化学物質の発生・環境動態の解明、有害
化学物質の測定、化学物質のリスク評価の3分野に大別される。
2.20
ア)有害化学物質の発生・環境動態の解明に関する技術開発事業の状況
有害化学物質の発生・環境動態の解明については、発生メカニズムの解明
と排出インベントリーの作成、有害化学物質の環境中での挙動解明の2つ
に分けられる。経済産業省では発生メカニズムの解明として、2件の技術
開発事業が実施されている。
イ)有害化学物質の測定に関する技術開発事業の状況
有害化学物質の測定については、有害化学物質の自動・簡易計測法の整備、
生物機能利用測定手法(バイオアッセイ等)の整備といった課題がある。
有害化学物質の自動・簡易計測法の整備については、微量化学物質の定量
分析技術について1件の技術開発事業が実施されている。生物機能利用測
定手法の整備についても1件の技術開発事業が実施されている。
ウ)化学物質のリスク評価に関する技術開発事業の状況
この分野では、環境ホルモン効果に関する評価・試験法の開発がミレニア
ムプロジェクトとして実施されている。また、平成13年度からは、化学
物質の有害性等の評価・管理技術の開発を総合的に実施する「化学物質総
合評価管理プログラム」が開始(一部平成12年度前倒し実施)されるこ
ととなっている。
3)環境負荷の少ない素材・製品等の開発に関する技術開発事業の状況
○環境負荷の少ない素材・製品等の開発として、シックハウス対策技術開発が実
施されている。
4)有害化学物質の回収・無害化・浄化に関する技術開発事業の状況
○回収・無害化・浄化に関する技術開発については、有害化学物質の除去・無害
化技術、土壌・地下水の汚染修復技術、大気汚染防止技術、水質汚濁防止技術
に大別できる。
○有害化学物質の除去・無害化技術としては、経済産業省では5件のダイオキシ
ン、PCB等の除去・無害化に関する技術開発事業が実施されている。環境ホ
ルモン等の除去・無害化を主目的とした技術開発事業は経済産業省では実施さ
れていないが、2章2(3)で後述のとおり、他省においては実施されている。
超臨界水利用技術については、1件の事業が実施されており、これはダイオキ
シンやPCBの除去・無害化に貢献するものである。また、ガス化溶融技術に
ついては、ガス化溶融炉の開発整備事業が実施されている。土壌・地下水汚染
修復技術では、バイオレメディエーションの技術開発事業が1件実施されてい
る。バイオレメディエーション以外の物理的浄化、化学的浄化技術等について
2.21
は実施されていないが、2章2(3)で後述のとおり、他省でもバイオレメディ
エーションが中心的に実施されているようである。なお、個別有害化学物質を
対象とした技術開発については、実用化の観点からの評価が重要である。
○大気汚染防止技術については、排ガス中のダイオキシンの除去・無害化の観点
から技術開発が実施されているが、その他の大気汚染物質を直接のターゲット
とした技術開発は実施されていない。一方、水質汚濁防止技術では、平成12
年度、13年度とも2件の坑廃水処理技術開発事業が実施されている。
○このように、有害化学物質の回収・無害化・浄化に関する技術開発については、
主にダイオキシン対策技術開発が重点的に実施されている一方、これ以外では、
平成13年度事業としては、坑廃水処理技術開発のみが実施されるという事業
分布となっている。
⑤生産プロセス革新技術等の分野における技術開発実施状況
○平成12年度、13年度予算ベースでの実施状況は次のようになっている。
平成12年度
平成13年度
・環境調和型バイオプロセス技術:2件、 7.4億円
3件、33.4億円
・新規化学プロセス技術:
3件、21.4億円
3件、24.1億円
・その他
1件、 2.8億円
1件、 2.7億円
6件、31.6億円
7件、60.1億円
合
計
○化学工業等の生産プロセスを環境調和型のバイオプロセスに変革するための技
術開発を行う「生物機能活用型循環型産業システム創造プログラム」が平成1
3年度から開始されることに伴い、環境調和型バイオプロセス技術の比重が高
くなっている。なお、上記の「その他」では、切削油剤を使用しない工作機械
等の開発が実施されている。
○なお、上記の他、LCA技術開発が継続的に実施されている。
2.22
表2.2-7 経済産業省の技術開発実施状況一覧表(1/4)
H12年度予算額
(億円)
予算総額(億円)
中目標
小目標
重要技術課題
細分類
技術課題名
133092 固定化・有効利用
技術
備考
上記3項目に共通する技術
133094 植物・森林等の二
酸化炭素固定能力向上技
術
生物機能利用砂漠地域二酸化炭素 砂漠地域における、二酸化炭素固定化に資する耐環
固定化技術開発(砂漠植物プロジェク 境性植 物機能の研究開発。
ト)
エネルギー使用合理化古紙等有効利 植物体及び植物廃棄物から燃料油原料(脂肪酸)を製
用二酸化炭素固定化技術開発
造するための、高効率かつCO2非排出型システムの開
発を行う。
30
2.8
2.5
19
2.8
3.5
②温室効果ガス排出の最小化 133101 新規代替物質の開
発
133102 HFC等排出抑制技
術
その他
③温室効果ガスを出さないエ
ネルギー源等の利用
大目標4−2
306
3
未然防止
対策技術
処理・処分・
除去
環境改善
・修復
その他
H11終了
3.0
12
4.4
10
○
3.2
0
○
92
二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影 二酸化炭素の海洋隔離は、二酸化炭素の大気への排
響予測技術開発
出抑制のために有効な技術であるが、海洋に投入され
た二酸化炭素の挙動やそれによる環境への影響等解
明されていない点等の二酸化炭素海洋隔離に伴う環境
影響予測技術の開発を行う。
65
二酸化炭素地中貯留技術研究開発
エネルギー多消費型産業により排出されるCO2を分離
回収し、日本近海の地中帯水層に圧入し、貯留する技
術の開発を行う。
40
地球環境対策に資する基盤技術の探索、フィージビリティ
の確認を目指す研究
8
二酸化炭素固定化・有効利用技術実 CO2削減・固定化技術等について広く一般から公募を
用化開発
行い、実用可能性が高い提案に対して支援を行う。
19
0
0
H11終了
○
0
0
H11終了
○
105
15
20
13
21
○
5
8.5
○
27
1.6
1.6
0
2.0
5.0
○
3.0
○
(30)
(173)
(143)
エネルギー使用合理化新規冷媒等開 特定フロン等の代替化合物を対象として、オゾン層を破
発
壊せず、地球温暖化効果の少ない、冷媒、発泡剤、洗
浄剤等を開発している。
42
SF6代替ガス利用電子デバイスクリー 電子デバイスの製造プロセスにおいて、CVD装置内に
ニングプロセス研究開発
付着した不純物を取り除くために使用されているSF6等
に代替する温室効果の小さいクリーニングガスの開発
と、代替ガスを用いた省エネルギー型CVD装置の開発
を行う。
25
電子デバイス製造プロセスで使用す 地球温暖化効果が小さく、エッチング工程でのエネル
るエッチングガスの代替ガスシステム ギー消費が少ないPFC系ガスに代替するガスの開発及
及び代替プロセスの研究開発
び開発されたガスを使用する省エネルギー型の半導体
エッチングプロセスの開発を行っている。
130
(3)
(3)
0
202
7.6
(3)
(3)
0
30
6.0
○
H11終了
○
24
○
6.2
4.0
○
15
13
○
5
1.3
1.2
○
京都議定書において削減対象となったHFC等につい
て、化学的特性の似ている特定フロンの破壊技術(燃焼
法、プラズマ法等)を活用して、エネルギー効率よく、か
つ有害副生成物を伴わない環境負荷の小さいHFC等破
壊処理技術を開発するための調査を行っている。
0.3
エネルギー使用合理化CFC分解処
理技術
特定フロンをエネルギー効率よく、かつ有害物質を発生
させないで熱分解させる技術について、既存の産業廃
棄物炉を活用する技術開発を行った。
2
ハロン破壊実証実験
特定フロンより安定な化合物であり現存する特定フロン
の破壊施設での破壊が困難なハロンについて、プラズ
マ破壊法により数千度以上の温度域で安全かつ確実に
破壊するシステムを開発する。
1
即効的・革新的エネルギー環境技術 早期に成果が得られ実効の期待できる即効的環境関連
開発(SF6代替ガス利用電子デバイス 技術、抜本的な解決に資する革新的環境関連技術の研
クリーニングプロセス研究開発を除く) 究開発
48
エネルギー使用合理化HFC等破壊
処理技術調査
計測・
監視
○
固定発生源からの高濃度の二酸化炭素を、分離膜を用
いて大量かつ連続的に回収し、さらに回収した二酸化
炭素に水素を添加することによりメタノール等の有用化
学物質を合成するプロセスの開発を行った。
高い断熱性を有しかつフロン等の温暖化物質を使用し
ない高性能断熱建材等の技術開発を行う。
0
現象解明
○
143
高性能断熱建材技術開発対策事業
0
分野合計
基盤技術
予測
影響評価
○
光合成を高効率に行う微生物等を自然界から探索・育
種開発し、最も効率良く光合成を行う生育環境条件を人
工的に実現して、工業的に高密度で大量に培養し、自
然界での光合成以上の効率で二酸化炭素を固定化す
るとともに、再資源化する技術開発を行った。
生物機能利用砂漠地域二酸化炭素
固定化技術開発(砂漠植物プロジェク
ト)【再掲】
細菌・藻類等利用二酸化炭素固定
化・有効利用技術研究開発【再掲】
0
個別事業
19
プログラム方式二酸化炭素固定化・有
効利用技術開発
0
分野合計
石炭・天然ガス活用型二酸化炭素回 石炭及びCO2を大量に随伴する劣性天然ガスから、採
収・利用技術の開発
掘現場で太陽熱を利用し、メタノールを合成する技術の
開発を行う。
接触水素化反応利用二酸化炭素固
定化・有効利用技術開発
41
個別事業
41
複合糖質応用二酸化炭素固定化・有 高度なCO2固定化能及び有用物の分離精製機能を持
効利用技術開発
つ複合糖質の生化学的な生成技術の開発
133093 貯留技術
分野合計
二酸化炭素高温分離・回収再利用技 セラミックス分離膜等を利用した二酸化炭素高温分離・
術開発
回収再利用技術を開発する。また、開発システムの市
場適応性等の調査研究を行った。
細菌・藻類等利用二酸化炭素固定
化・有効利用技術研究開発
対策フェーズ
プロジェクトの概要
個別事業
地球温暖化を抑制 ①温室効果ガスの回収・固定 133091 温室効果ガス分
する経済社会の実 化・有効利用(Recovery &
離・回収技術
現
Stock)
H13年度予算額
(億円)
3.3
0.3
0.3
0
0.0
H12終了
○
0
0
H10終了
○
0
0
H11補正
○
26
26
22
22
○
表2.2-7 経済産業省の技術開発実施状況一覧表(2/4)
H12年度予算額
(億円)
予算総額(億円)
中目標
小目標
重要技術課題
細分類
技術課題名
備考
131011 リデュース技術(省
資源化技術、長寿命化技
術)
廃棄物の少ない循環型プラスチック
の設計・製造技術開発
131021 リユース技術
電子・電気製品の部品等の再利用技 コンピュータ、複写機、冷蔵庫等の製品について「回収→選
術
別・分解・分別→再利用→生産」と言う製品・部品のクロー
ズドループを完成させるため最大のネックとなっている製
品の企画、設計、選別、分解、分別に係る技術開発
5
熱硬化性樹脂などの液相分解法によ 現在埋め立て処分している熱硬化性樹脂を油化し、プラ
るモノマー・化学原料へのケミカルリサイクル スチック原料モノマーとして分離・再生利用するケミカルリサイクル
技術の開発
技術を構築する。
2
⑥廃棄物・副産物の原材料や 131031 リサイクル技術
エネルギーとしての再生利用
(Recycle)
廃プラ
対策フェーズ
プロジェクトの概要
個別事業
資源の有効利用と ④天然資源利用・廃棄物の発
廃棄物の減量化を 生抑制(Reduce)
しつつ資源循環を
図る経済社会の
⑤製品又は部品の再使用促
実現
進(Reuse)
H13年度予算額
(億円)
製造から使用に至るライフサイクル全体での廃棄物抑
制型のプラスチック製品の設計・製造技術を確立する。
4
分野合計
4
個別事業
1.5
分野合計
2
個別事業
2.2
分野合計
2.2
現象解明
基盤技術
予測
影響評価
計測・
監視
未然防止
対策技術
処理・処分・
除去
ミレニアム
○
5
1.0
1
1.8
1.8
ミレニアム
○
746
1.1
24
0.7
20
○
建設廃
建築廃材・ガラス等リサイクル技術開 リサイクルしやすい新たなガラスの着色・脱色方法の技
材、ガラス 発
術開発及び建築物の解体の際大量に発生するものの
現在再利用の用途が限定されている廃木材等につい
て、高機能ボードの製造等新たなリサイクル用途拡大に
向けた研究開発を実施する。
10
建設廃材 資源循環型住宅技術開発プロジェク 住宅における資源の投入量及び廃棄物発生量の最小
ト
化により循環型経済社会に対応した資源循環型の住宅
システム開発を推進する
10
金属
非鉄金属系素材リサイクル促進技術 石油代替エネルギーを利用し、アルミニウム等の非鉄
開発
金属系素材を高付加価値で再利用するための高純度
化技術の研究開発を行っている。
60
金属
スーパーメタルの技術開発
リサイクル容易な材料(スーパーメタル)の研究開発
25
4.6
4.2
○
石炭灰
石炭灰有効利用技術開発
石炭灰を土木・建築分野等へ活用する技術の開発。
5
3.1
1.6
○
廃プラ
可燃性廃棄物燃料化等技術開発
廃プラスチック等の可燃性廃棄物をセメント製造におけ
る原料及び燃料として再利用するための技術開発
3
0.4
0.3
-
余剰古紙を用いた乾燥式高強度古紙 乾式により解繊された低級古紙を原料として、既存の木
再生パネルの研究開発(新規リサイクル 質系ボードと同程度の品質を有する、軽量かつ高強度
製品等関連技術開発)
の乾式古紙再生パネルを製造するために技術開発を実
施。また、製品パネルの用途に応じた品質・性能評価を
実施。
-
雑誌古紙を用いた発砲成形エコマテ 雑誌古紙とバインダーとなるゼラチンを混合し、さらに発
リアルの開発(新規リサイクル製品等関 泡・成形によって製造する生分解性に優れた緩衝材な
連技術開発)
らびに製造設備開発を実施。併せて用途開発を行い、
用途に応じた品質・性能評価を実施。
-
雑誌古紙を利用した最終処分場向け
覆土代替工法および土壌流出防止工
法の研究開発(新規リサイクル製品等関
連技術開発)
破砕・解繊した古紙、バインダー及び水からなる混合ス
ラリーを原料として用い、これを湿式で廃棄物表面上に
散布し、生分解性の薄い皮膜を形成させて被覆すること
による覆土代替工法ならびに古紙を用いた土壌流出防
止工法を開発。
-
CO2排出抑制型廃ガラス高度利用シ 廃ガラスを再生商品に要求される粒度組成に分級し、
ステムの研究開発(新規リサイクル製品 全てが原料として低コストで供給されるとともにCO2排
等関連技術開発)
出量・消費エネルギーの少ない供給システムを開発。さ
らにそのシステムにより破砕・分級されたガラスカレット
の利用・用途技術開発研究を実施。
-
処理困難廃プラスチック類再資源化
技術
廃車等のシュレッダー処理により鉄くず、非鉄金属くず
を回収した後に残るシュレッダーダスト等処理困難なプ
ラスチックの再資源化技術を開発する。
?
ペットボトル高度再資源化技術
使用済みのペットボトルを効率的かつ経済的に再資源
化するため、異物の分離・素材による分別技術、洗浄技
術およびフレーク時の粉化低減技術を開発し、トータル
処理システムを開発する。
9
石膏ボード 解体廃石膏ボードの再資源化に関す 解体廃石膏ボードから、新しい石膏ボードを製造するた
る技術開発
めのリサイクル技術として、有害な金属類(ヒ素、鉛、カ
ドミウム等)や紙繊維を含む解体系の廃石膏ボードから
不純物を取り出す技術開発を行う。
1
ガラス
廃プラ
廃プラ
金属
環境調和型金属系素材回生利用基
盤技術開発
品質の低下した金属系スクラップの再生利用を可能と
する新しい環境調和型金属系素材回生利用技術の開
発を行った。
1.8
6.4
4.8
○
塩化ビニル等プラスチックのマテリアルリサイクルを促
進するため、プラスチック表面に付着した無機塩及び厨
芥等の分別洗浄装置、塩化ビニル系プラスチックの除
去装置及び塩化ビニル系プラスチックの高純度回収装
置を開発し、新たなプラスチック分別システムを構築す
る。
古紙
1.5
○
廃プラ
古紙
ミレニアム
○
-
古紙
2.8
○
廃プラ、ガ 廃プラスチック含有塩素と廃ガラスび 廃プラスチックに含まれる塩素はセメント焼成炉内でトラ
ラス
ん含有アルカリの同時回収に関わる ブルの原因となることから、塩素を廃ガラスびんに含有
研究開発(新規リサイクル製品等関連技 されるアルカリを利用して中和する、廃プラスチックと廃
術開発)
ガラスびん双方のリサイクルが可能な新しい塩素・アル
カリ同時回収システムを開発する。
一般廃棄物の容器包装系プラスチッ
クを対象とした回収システムの研究
開発(新規リサイクル製品等関連技術開
発)
2.5
1
3.9
○
0.9
○
0.8
○
1
0
H12終了
○
0.3
0
H12終了
○
0.5
0
H12終了
○
0
0
H11終了
○
0
0
H11終了
○
0
0
H11補正
○
85
0
0
H11終了
○
環境改善
・修復
その他
表2.2-7 経済産業省の技術開発実施状況一覧表(3/4)
H12年度予算額
(億円)
予算総額(億円)
中目標
小目標
重要技術課題
細分類
技術課題名
廃家電
廃家電
廃プラ
廃プラ
廃FRP
金属
⑦3R技術
⑧廃棄物の適正処理
131041 3R技術
131051 廃棄物処理技術
化学物質のリスク ⑨化学物質の安全性の評価・ 132061環境モニタリング技
を極小化・管理す 管理に係る技術基盤の整備・ 術
る経済社会の実 確立
現
132062 化学物質総合評価
管理技術
電線被覆材燃料化技術開発
備考
廃電線の被覆材を代替エネルギーとして再利用するこ
とを可能とするため、電線被覆材の燃料化の障害となる
物資(塩素、鉛等)の除去技術の開発、燃料化プロセス
の開発を行った。
3
使用済み家電品主要4品目を安全な工程で効率よくリサ
イクルするための技術を開発し、使用済み家電品の受
け入れから有価物回収までの一貫処理リサイクルシス
テムの開発を行なう。
46
廃棄物処理・再資源化導入システム 廃家電品の投入から有価物の回収や一部の有害物の
開発
無害化処理まで、石油代替エネルギーを利用した省力
的・効率的な廃家電品一貫処理リサイクルシステムを開
発する。
480
廃家電品一貫リサイクルシステム開
発
循環型PETボトルリサイクル技術開
発事業
分野合計
個別事業
分野合計
0
個別事業
分野合計
0
現象解明
3
廃FRP製品等再資源化実証システム 廃FRP製品をセメントの原燃料とするため、硬質な廃
研究
FRP製品を高効率に分別・破砕する技術の開発、及び
廃プラスチック製品との混合技術の開発を行う。
2
アルミニウム再生地金多様化促進技 リサイクルが容易かつ軽量・安価なアルミ地金の利用を
術開発事業
促進するため、自動車を対象として①リサイクル部材活
用のための合金成分検証、②易溶解再生のための固
相分離基礎技術開発、③新接合技術の開発を行う。
2
3R技術実用化事業
リデュース・リユース・リサイクル(3R)技術の実用化促
進
4
これまで焼却あるいは埋め立て処分によりリサイクルが
行われていなかったもの、あるいはリサイクル率が低
かったものについて、資源の有効利用を図ることを目的
として研究開発を行っている。
3
有害化学物質の発生・曝露機構の研 有害化学物質等の適正管理を実現するための革新的
究開発
な測定技術等の確立
2
環境負荷抑制対応廃棄物エネルギー ダイオキシン発生抑制対策に必要な知見を得るため、
利用促進調査研究
ダイオキシン発生挙動の調査及び安全な臭素系難燃材
料の調査研究を行う。
3
環境中・物質中の微量化学物質の定 環境中や工程で発生する微量化学物質の分析を容易
量分析技術の開発
におこなえる分析手法を開発するとともに、化学物質の
微量分析に不可欠な環境分析用標準物質を開発。
2
生物の持つ機能を利用した環境中化 生物の持つ高感度な認識応答機能を利用することによ
学物質の高感度検出・計測技術の開 り、環境中の環境ホルモン等極微量な化学物質を高感
発
度・安価に測定する技術を開発する。
11
H11終了
0
0
H10終了
0
0
H10終了
0
0
H11補正
0
0
H11補正
○
0
0
H11補正
○
0
0
H11補正
○
0
0
4.2
4.2 日本新生
○
3
0
0
0
0
○
H11終了
○
18
1.0
5
1.0
1.0
6
ミレニアム
○
1.5
○
1.1
1.1
ミレニアム
○
2.2
2.2
ミレニアム
○
化学物質の有害性等の評価・管理技術の開発を総合的
に実施
-
環境ホルモン効果に関する評価・試
験法の開発
人に対する内分泌かく乱効果に関する評価手法・試験
法の開発
-
-
0
4
3.7
77
5.8
12
16
3.7
6
0
○
ミレニアム
⑩環境負荷の少ない化学物質 132071環境負荷の少ない物 シックハウ 生活価値創造住宅技術開発プロジェ 住宅の性能評価・表示技術、住宅の部材・生産技術、住
及び製品への転換(Replace) 質・素材・製品等の開発
ス
クト
宅の健康・環境配慮技術、住宅の省エネルギー技術
74
ダイオキシ ダイオキシン類排出削減促進技術開 紙パルプの晒工程におけるダイオキシンの発生・排出を
ン対策
発事業(晒パルプ工程ダイオキシン 削減する技術を開発する。
生成・排出高度削減対策技術)
ダイオキシ ダイオキシン類排出削減促進技術開 ダイオキシン類の排出濃度0.2ng-TEQ/N3以下を達成
ン対策
発事業(製鋼工程におけるダイオキシ する製鋼技術開発。
ン類削減技術の開発)
1
0
0
H11補正
1
0
0
H11補正
ダイオキシ ダイオキシン類排出削減促進技術開 アルミニウム溶解工程で使用される塩素ガス等の減量
ン対策
発事業(アルミニウム製品製造におけ 化技術開発。
るダイオキシン類排出抑制技術開発)
1
0
○
H12終了
○
○
○
0
0
H11補正
○
8
38
1.5
8
1.7
8
ミレニアム
○
12
3.1
2.9
○
ダイオキシ 産業用焼却設備向け簡易型ダイオキ ダイオキシン常温触媒分解技術を適用した排ガスと飛
ン対策
シン除去・分解装置の技術開発
灰を同時に処理するシステムを開発する。
6
1.5
ダイオキシ 焼却炉排ガス中のダイオキシン類の 排ガス中のダイオキシン類をオゾンを用いた活性水噴
ン対策
直接分解方式の研究開発
霧により99%以上分解する方式を開発する。
5
1.0
ダイオキシ 高効率パルスパワー技術を用いた焼 ハニカム(蜂の巣)状セラミックスを用いて、多数のセル
ン対策
却炉用有害物質削減装置の開発
内に高速パルス放電で一様な非平衡プラズマを発生さ
せ、排ガス中のダイオキシンを分解する装置を開発。
5
1.2
ダイオキシ 環境対応次世代小型焼却炉技術開
ン対策
発
2
ニューサンシャインプロジェクトで得られた高温空気燃
焼技術を応用した、高性能工業炉を小型焼却炉に適応
する技術開発を行う。
対策技術
処理・処分・
除去
○
化学物質総合評価管理技術
非鉄金属製錬施設の活用により、飛灰に含まれるダイオ
キシンの無害化を図った上で、飛灰から金属を回収するた
めの技術開発を実施する。
未然防止
○
廃プラスチックのメタノール化リサイク 廃プラスチックと酸素から高純度の一酸化炭素と水素を
ル技術開発
発生させ、さらにこれを反応させることにより、メタノー
ル、酢酸等の化学製品を合成する技術開発を行う。
ダイオキシ 飛灰無害化技術開発
ン対策
計測・
監視
○
0.8
⑪有害化学物質の回収・無害 132081 有害化学物質の回 ダイオキシ 超臨界流体を用いたダイオキシン等 ダイオキシン等の分解しにくい有害化学物質を完全に
化・浄化
収・抽出・無害化技術
ン対策
分解性化学物質の無害化の研究
分解し、無害化する技術を開発する。
PCB対策
基盤技術
予測
影響評価
○
使用済PETボトルをモノマーであるBHETに化学分解す
るとともに、分解工程で使用されるエチレングリコールを
再利用する効率的なPETモノマー製造技術、及びPETモ
ノマーを精製して高純度BHETとし、これからPETボトル
用の樹脂を製造する技術開発を行う。
エアバッグ 廃棄物処理・リサイクル関連技術開
発(エアバッグ適正処理技術の開発
等)
対策フェーズ
プロジェクトの概要
個別事業
廃プラ
H13年度予算額
(億円)
3.7
○
○
○
0
0
H11補正
○
環境改善
・修復
その他
表2.2-7 経済産業省の技術開発実施状況一覧表(4/4)
H12年度予算額
(億円)
予算総額(億円)
中目標
小目標
重要技術課題
細分類
技術課題名
3つの中目標の達 ⑫資源・エネルギー投入及び 130121 生産プロセス革新
成に共通な技術開 廃棄物・有害化学物質の排出 技術
発課題
の最小化を図るためのシステ
ムの抜本的改革
備考
土壌汚染等修復技術の開発(バイオ 自然界に存在する微生物の機能を利用して、土壌汚染
レメディエーション)
に係る難分解性物質を効率的に分解・処理するための
技術開発を行う。
12
エネルギー使用合理化坑廃水処理技 ファジー制御技術の開発、高速反応中和剤の開発、高
術開発(固液分離技術他)
速沈降剤(凝集剤)の開発、パイプスケール除去技術の
開発、中和殿物削減のための技術開発、ローカルエネ
ルギーの安定的有効利用
16
鉱害防止技術(高効率廃水処理技術 石炭灰を利用した新しい中和剤を坑廃水処理に利用す
開発石炭灰利用坑廃水処理技術)
る技術を開発・一般化することにより、直接的には処理
に係わるエネルギーを低減させ、間接的には電力産業
からの廃棄物をリサイクルすることにより省エネルギー
を実現させる。
1
鉱害防止技術(坑廃水処理省力技
術)
坑廃水処理の省人力化、発生殿物量の削減等を目的と
して、硫酸還元菌を用いた坑廃水処理技術の開発
2
環境調和型生産プロセス技術(高機
能化学合成バイオリアクター)
省資源かつ省エネルギーで、環境への負担の少ない革
新的な化学物質の生産技術を開発する
11
エネルギー使用合理化生物触媒等技 バイオテクノロジーを活用することにより、環境調和型で
術開発
エネルギー削減効果の高いプロセス技術等を開発して
いる。
39
植物利用エネルギー使用合理化工業 ゴム、炭化水素、蛋白質等の有用物質の生産に関与す
原料生産技術開発
る遺伝子を適切に制御して植物に導入し、植物による
工業原料物質等の生産性能を飛躍的に向上させるため
の技術開発を行っている。
25
生物機能活用型循環産業システム創 化学工業などの生産プロセスを汎用的な宿主細胞と遺
造プログラム
伝子ライブラリーを開発することにより、環境調和型の
バイオプロセスに変革するための技術基盤を開発する
26
環境調和型触媒技術開発
触媒探索の基盤的技術の研究ならびに水の分解による
水素生成のための光触媒及びメタン等の選択酸化触媒
等の新規触媒の研究開発を行っている。
38
超臨界流体利用環境負荷低減技術
研究開発
超臨界流体を化学反応プロセス等に適応し、大幅な省
エネルギーを図る技術開発の推進。
105
次世代化学プロセス技術開発
基礎研究の最前線にある新規触媒反応、酵素ラジカル
反応等の新規反応プロセスの成果を用いて、エネル
ギーロスが少なく、廃棄物発生を最小化した次世代化
学プロセス調査、高選択性新規化学プロセス技術、分
離・合成連続化プロセス技術開発を行っている。
24
切削油剤を使用しない工作機械等を開発し、エネルギー
使用合理化、省資源化、生産環境の改善を図る。
5
我が国において共通使用できる、①LCA手法、②LCA
データベース及びユーザーにとって使用しやすいネット
ワークシステムの開発を行っている。
13
省エネ型工作機械等の開発
⑬ライフサイクルアセスメント 130131 LCA技術
技術等評価手法・評価結果の
提示
⑭環境分野の知的基盤の整
備とその活用
製品等ライフサイクル環境影響評価
技術開発
対策フェーズ
プロジェクトの概要
個別事業
132082 環境浄化技術
H13年度予算額
(億円)
130141 環境関連データ
ベース・情報システム等整
備
2.26
分野合計
31
個別事業
0.8
分野合計
4
個別事業
0
分野合計
3
現象解明
基盤技術
予測
影響評価
計測・
監視
未然防止
対策技術
処理・処分・
除去
環境改善
・修復
その他
H12終了
○
2.8
2.8
○
0.1
0.2
○
0
0
H10終了
○
273
0
32
0
60
H11終了
○
2.4
2.4
○
5.0
5.0
○
26
○
4.6
4.1
○
9.9
13
○
7.0
7.0
○
2.8
2.7
○
13
3.1
3.1
2.6
2.6
○
表2.2-8 経済産業省における技術開発プロジェクトの分類(件数ベース)
対策フェーズ
基盤技術
対策技術
小 目 標
①温室効果ガスの回収・固定化・有効利用
重 要 技 術 課 題
133091 温室効果ガス分離・回収技術
1
133092 固定化・有効利用技術
1
133093 貯留技術
上記3項目共通技術
133094 植物・森林等の二酸化炭素固定能力向上技術
②温室効果ガス排出の最少化
そ
の
他
環
境
改
善
・
修
復
処
理
・
処
分
・
除
去
未
然
防
止
計
測
・
監
視
予
測
・
影
響
評
価
現
象
解
明
1
3
1
2
1
1
備考
1
1
再掲
4
133101 新規代替物質の開発
3
133102 HFC等排出抑制技術
1
その他
③温室効果ガスを出さないエネルギー源等の利用
エネルギー分野で検討
1
1
1
1
④天然資源利用・廃棄物の発生抑制(Reduce)
⑤製品又は部品の再利用促進(Reuse)
⑥廃棄物・副産物の原材料やエネルギーとしての再生利用
⑦3R技術
131041 3R技術
⑧廃棄物の適正処理
131051 廃棄物処理技術
⑨化学物質の安全性評価・管理に係る技術基盤の整備
132061 環境モニタリング技術
132062 化学物質総合評価管理技術
⑩環境負荷の少ない化学物質及び製品への転換(Replace)
132071 環境負荷の少ない物質・素材・製品等の開発
⑪有害化学物質の回収・無害化・浄化
132081 有害化学物質の回収抽出・無害化技術
1
3
2
4
1
132082 環境浄化技術
⑫システムの抜本的改革
132121 生産プロセス革新技術
⑬LCA技術等評価手法・評価結果の提示
⑭環境分野の知的基盤の整備とその活用
130131 LCA技術
130141 環境関連DB・情報システム等整備
22
1
1
7
5
3
1
1
1
合 計
1
4
3 21 42
2
3
注1)表2.2-7のプロジェクトを対策フェーズ別に分類した。プロジェクトの分類に当たっては、プロジェクトの目的から見て最も良く当てはまると考えられる類型を原則として1つだけ
選んだ。
注2)但し、[133041 3R技術」中の「3R技術開発」については2つの分類に該当するとした。
2.27
表2.2-9 経済産業省における技術開発プロジェクトの分類(予算ベース)
対策フェーズ
基盤技術
対策技術
小 目 標
①温室効果ガスの回収・固定化・有効利用
重 要 技 術 課 題
計
測
・
監
視
予
測
・
影
響
評
価
現
象
解
明
133092 固定化・有効利用技術
65
上記3項目共通技術
133094 植物・森林等の二酸化炭素固定能力向上技術
②温室効果ガス排出の最少化
環
境
改
善
・
修
復
処
理
・
処
分
・
除
去
41
19 251
40
27
143
202
3.3
133091 温室効果ガス分離・回収技術
133093 貯留技術
未
然
防
止
133101 新規代替物質の開発
133102 HFC等排出抑制技術
30
そ
の
他
備考
3
30
再掲
48
その他
③温室効果ガスを出さないエネルギー源等の利用
エネルギー分野で検討
4
5
10 736
④天然資源利用・廃棄物の発生抑制(Reduce)
⑤製品又は部品の再利用促進(Reuse)
⑥廃棄物・副産物の原材料やエネルギーとしての再生利用
⑦3R技術
131041 3R技術
⑧廃棄物の適正処理
131051 廃棄物処理技術
⑨化学物質の安全性評価・管理に係る技術基盤の整備
2
2
3
132061 環境モニタリング技術
132062 化学物質総合評価管理技術
⑩環境負荷の少ない化学物質及び製品への転換(Replace)
132071 環境負荷の少ない物質・素材・製品等の開発
⑪有害化学物質の回収・無害化・浄化
132081 有害化学物質の回収抽出・無害化技術
3
15
7
77
2
132082 環境浄化技術
⑫システムの抜本的改革
132121 生産プロセス革新技術
⑬LCA技術等評価手法・評価結果の提示
⑭環境分野の知的基盤の整備とその活用
130131 LCA技術
130141 環境関連DB・情報システム等整備
235
23
19
12
38
13
合 計
3 85 15 556 1145 42 89
注1)前掲の分類に従って、各プロジェクトの予算(総額)を集計した。プロジェクトの分類に当たっては、プロジェクトの目的から見て最も良く当てはまると考えられる類型を原則として
1つだけ選んだ。
注2)但し、3R技術」中の「3R技術開発」については2つの分類に該当するとした。
(単位:億円)
2.28
件数ベース
45
40
35
30
件
数
25
20
15
10
5
環 境 改 善 ・修 復
基盤技術
処 理 ・処 分 ・除 去
未然防止
計 測 ・監 視
予 測 ・影 響 評 価
現象解明
0
対策技術
予算ベース
1400
1200
1000
億
円
800
600
400
200
対策技術
図2.2-1 経済産業省における技術開発プロジェクトの類型別分類
(表2.2-7のプロジェクト一覧表に基づいて作成)
2.29
環 境 改 善 ・修 復
基盤技術
処 理 ・処 分 ・除 去
未然防止
計 測 ・監 視
予 測 ・影 響 評 価
現象解明
0
25
20
15
H12年度
H13年度
10
5
環境改善
処 理 ・処 分 ・除 去
未然防止
計 測 ・監 視
予 測 ・影 響 評 価
H12年度
H13年度
︵
100
90
80
70
予
算 60
50
億
40
円
30
20
10
0
現象解明
0
︶
環境改善
処 理 ・処 分 ・除 去
未然防止
計 測 ・監 視
予 測 ・影 響 評 価
現象解明
図2.2-2 経済産業省におけるプロジェクトの類型別分類(平成12、13年度実施分)
(上段:件数、下段:予算)
2.30
参考:有機性廃棄物のメタ
ン発酵→炭素変換固定
(サッポロビール、島津製
作所、2004年の実用化を
目指す)
導入の可能性
地中貯留技
術開発
(40億円)
古紙利用(バイオマ
ス有効利用サイク
ル)(19億円)
細菌・藻類等利用
固定化技術
(143億円)
注)点線のマルは終了プロジェ
クト、実線のマルは実施中のプ
ロジェクトを示す。
これまでの評価結果などをもと
に作成。
10万トン
リアクター
CO2高温分
離技術
(41億円)
砂漠植物プロ
ジェクト
(30億円)
石炭・天然ガ
ス活用型
(19億円)
接触水素化反応
利用二酸化炭素
固定化
(約90億円)
火力発電所に
おける脱炭素
装置
海洋中の炭素
循環メカニズム
の調査研究
(45億円)
後継プロジ
ェクト
100万トン
図2.2-3 温暖化対策(二酸化炭素)対策技術の事業分布
海洋隔離の環
境影響調査
(65億円)
1000万t
地中、海洋貯留
削減ポテン
シャル
(tC/年)
2.31
表 2.2-10
CO2 の分離・回収、固定化・有効利用、貯留技術分野の評価結果一覧
プロジェクト名
ニューサンシャイン計画
事業の概要と成果
評価結果
・ 光合成を高効率に行う微 生物等を自然 ・ 規模的にみて実用化の見通しは厳しいといえる。
界 か ら 探 索 ・ 育 種 開 発 し 、 最 も 効 率 良 ・ 工 業 規 模 の 生 産 プ ロ セ ス に 対 し て は 、 CO2 を 人 工 的 な フ ォ ト バ イ オ リ ア ク タ
細菌・藻類等利用二酸化炭素固定化・
く光合成を行う生育環境条件を人工的
を用いて固定するというのは現実的ではない。
有効利用技術研究開発
に 実 現 し て 、 工 業 的 に 高 密 度 で 大 量 に ・ 技術的には実証プラントの設計・建設に向けての見通しはあると見られるが、
( 最 終 )( 平 成 1 1 年 度 評 価 )
培養し、自然界での光合成以上の効率
発電所が経済性を維持し得ると判断するに足りるだけの検討が行われている
で二酸化炭素を固定化するとともに、
とは言い難い。
平 成 2∼ 11 年 度
再資源化する技術開発を行った。
・ 当 プ ロ ジ ェ ク ト の 研 究 は 世 界 最 高 水 準 で あ り 、 CO2 固 定 の 領 域 に 限 定 さ れ る
約 143 億 円
こ と な く 基 盤 技 術 と し て 体 系 化 さ れ 利 用 さ れ る べ き で あ り 、海 洋 医 薬 な ど 広 く
バイオ生物利用知見として総合化すべき。
・ こ の シ ス テ ム は 特 に 発 展 途 上 国 に お け る 実 用 化 を 考 え る こ と も 重 要 。生 活 排 水
などの利用も考えられる。
・ 固 定 発 生 源 か ら の 高 濃 度 の 二 酸 化 炭 素 ・ 個 別 要 素 技 術 の 目 標 設 定 は 概 ね 妥 当 で あ る が 、 シ ス テ ム 全 体 が も た ら す CO2
を、分離膜を用いて大量かつ連続的に
の 削 減 効 果 や メ タ ノ ー ル 生 産 と そ の 消 費 の 実 用 化 、経 済 性 を 吟 味 す る と 目 標 設
接触水素化反応利用二酸化炭素固定
回収し、さらに回収した二酸化炭素に
定に疑問が残る。
化・有効利用技術研究開発
水素を添加することによ りメタノール ・ 水素化触媒の分野では際立った成果をあげている。
( 最 終 )( 平 成 1 1 年 度 評 価 )
等 の 有 用 化 学 物 質 を 合 成 す る プ ロ セ ス ・ プ ロ ジ ェ ク ト 推 進 上 、全 体 の 統 合 を 図 る べ き メ カ ニ ズ ム に 欠 け 、要 素 技 術 の 開
の開発を行った。
発研究の寄せ集めとなってしまったのは運営上の大きな問題であった。
平 成 2∼ 11 年 度
ニューサンシャイン計画
2.32
約 92 億 円
・ シ ス テ ム 技 術 と し て の 完 成 度 は 低 く 、提 案 シ ス テ ム の 実 現 に は 遠 く 及 ば な い 成
果と言わざるを得ない。
・ セ ラ ミ ッ ク ス 分 離 膜 等 を 利 用 し た 二 酸 ・ 研 究 計 画 中 に お け る 、 分 離 後 得 ら れ た 大 量 の 高 温 CO2 利 用 の 有 効 な 見 通 し が
化炭素高温分離・回収再利用技術を開
示されなかったことは、研究計画の妥当性に欠けるといえる。
二 酸 化 炭 素 高 温 分 離・回 収 再 利 用 技 術
発する。また、開発シス テムの市場適 ・ 高温分離膜については成型技術が確立されるなどその成果は評価できる。
研究開発
応性等の調査研究を行った。
・ 本 プ ロ ジ ェ ク ト の 目 標 は 近 い 将 来 に 実 現 さ れ る 可 能 性 は 少 な く 、本 プ ロ ジ ェ ク
( 最 終 )( 平 成 1 1 年 度 評 価 )
トのこのままの形での継続は不適当である。
ニューサンシャイン計画
平 成 4∼ 11 年 度
約 41 億 円
・ 海 洋 に 投 入 さ れ た 二 酸 化 炭 素 の 挙 動 や ・ 中 深 層 海 水 中 に 液 体 CO2 を 放 流 す る 技 術 は 確 立 し た わ け で は な く 、 実 用 化 へ
それによる環境への影響等の解明され
の 道 も 開 け て い な い な ど 、一 般 的 に 新 た な 市 場 創 生 や 汎 用 性 の あ る 技 術 は 開 発
二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影
ていない点の二酸化炭素海洋隔離に伴
されていない。
響予測技術研究開発
う環境影響予測技術の開発を行う。
・ 地 球 温 暖 化 抑 制 対 策 と し て 種 々 の 対 策 が あ る 中 で 、 二 酸 化 炭 素 (CO2)の 海 洋 隔
( 中 間 )( 平 成 1 2 年 度 評 価 )
離 は 、海 洋 へ の 影 響 を 考 え た 場 合 、優 先 し て 取 り 上 げ ら れ る 対 策 と は い え な い 。
ニューサンシャイン計画
平 成 9∼ 13 年 度
約 65 億 円
・ 海洋環境基礎調査としての海洋生態系に関する研究成果は評価される。
・ 成 果 の 実 用 化 可 能 性 に つ い て は 、実 用 化 に は か な り の 年 限 が 必 要 で 、実 用 化 の
見通しも厳しいことなどから、海洋隔離は当面の方策ではないといえる。
エネルギー
廃棄物(製造工程)
Reduce
資源採取
原料・素材製造
廃棄物の少ない循環型
プラスチックの設計・
製造技術開発
(1件、3.7億円)
中間製品
エネルギー・資源分野
Recycle
最終製品
処理
Reuse
(部品)
リサイクル技術開発
分類
技術課題名
予算額(億円)
H12
廃プラ
熱硬化性樹脂などの液相分解法によるモノマー・化学原料
へのケミカルリサイクル技術の開発
建設廃材、 建築廃材・ガラス等リサイクル技術開発
ガラス
建設廃材
資源循環型住宅技術開発プロジェクト
金属
非鉄金属系素材リサイクル促進技術開発
金属
スーパーメタルの技術開発
石炭灰
石炭灰有効利用技術開発
廃プラ
可燃性廃棄物燃料化等技術開発
廃プラ、ガラ 廃プラスチック含有塩素と廃ガラスびん含有アルカリの同
ス
時回収に関わる研究開発(新規リサイクル製品等関連技術開
発)
電子・電気製品の部
品等の再利用
(1件、2.8億円)
H13
1.1
0.7
2.5
2.8
1.5
6.4
4.6
3.1
0.4
1
1.8
4.8
4.2
1.6
0.3
3.9
流通・販売
廃棄物
Reuse
廃プラ
一般廃棄物の容器包装系プラスチックを対象とした回収シ
ステムの研究開発(新規リサイクル製品等関連技術開発)
0.9
古紙
余剰古紙を用いた乾燥式高強度古紙再生パネルの研究
開発(新規リサイクル製品等関連技術開発)
雑誌古紙を用いた発砲成形エコマテリアルの開発(新規リ
サイクル製品等関連技術開発)
雑誌古紙を利用した最終処分場向け覆土代替工法および
土壌流出防止工法の研究開発(新規リサイクル製品等関連
技術開発)
0.8
CO2排出抑制型廃ガラス高度利用システムの研究開発
(新規リサイクル製品等関連技術開発)
3R全般の技術開発
古紙
古紙
ガラス
計
1
0
0.3
0
0.5
0
13件
10件
24億円 20億円
3R技術実用化事業
(1件、4.2億円)
使用
図2.2-4 資源循環技術の実施状況
2.33
(数字は億円)
100
○:該当プロジェクトあり
(円の大きさは予算額に対応)
(括弧内数値はH12∼13年の合計値:図中 )
(ただしリユース・リデュース分は )
×:該当プロジェクトなし
%で示した値はリサイクル率の目標値
括弧内は目標達成年度
×
自転車
75
タイヤ 85%
× (2000)
80%
(2002)
95%(2015)
×
スチール缶
×
自動車
×
アルミ缶
ガラスびん
60%(2005)
2.34
リサイクル率︵%︶
50∼60%
(2001)
利用率20∼55%
(2003)
51%
(2004)
50
16(8)
65%(達成済)
(カレット利用率、
2001)
紙(段ボール含む)
8(3)
25
PETボトル
10(0)
(他1件)
パソコン
5(3)
0
1万トン
10万トン
石こうボード
家電(4品目)
531(3)
100万トン
1(0)
繊維製品
×
発生抑制・減量・再生利用
により発生量2割減
(2006年)
食品
×
1,000万トン
図2.2-5 資源循環技術の技術開発事業分布(製品別)
1億トン
発生量
表2.2-11 (図2.2-5参考データ)
製品
紙(段ボール含む)
食品
ガラスびん
発生量
リサイクル量
リサイクル率
データ年 出典
(千t)
(千t)
(%)
29,799
16,509
55.4
1998 古紙再生促進センター資料
16,000
50
0.3
1,975
1,459
73.9
1996 農林水産省資料
備考
(定量的)目標値
出典
古紙利用量をリサイクル量とした。
古紙利用率60%(2005年)
古紙リサイクル 余剰古紙を用いた乾燥式高強度古紙再生パネル
推進検討会
の研究開発
雑誌古紙を用いた発砲成形エコマテリアルの開発
一般廃棄物の厨芥が対象。
1999 ガラスびんリサイクル促進協議会資 利用率(=カレット使用量/生産
料
量)をリサイクル率とした。
対応プロジェクト
雑誌古紙を利用した最終処分場向け覆土代替工
法および土壌流出防止工法の研究開発
事業系について発生量2割 食品リサイクル法 なし
削減(2006年)
カレット利用率65%(2001 産構審リサイク 建築廃材・ガラス等リサイクル技術開発
年)
ルガイドライン
廃プラスチック含有塩素と廃ガラスびん含有
アルカリの同時回収に関わる研究開発(新規
リサイクル製品等関連技術開発)
CO2排出抑制型廃ガラス高度利用システム
の研究開発(新規リサイクル製品等関連技術開
発)
276
217
78.6
スチール缶
アルミ缶
1,269
1,051
82.8
ペットボトル
332
76
22.9
5,068
3,928
77.5
二次合金メーカーへの受入量をリ リサイクル率80%(2003年) 産構審リサイク なし
サイクル量とした。
ルガイドライン
回収重量をリサイクル量とした。
リサイクル率85%(2000年) 産構審リサイク なし
ルガイドライン
1999 PETボトルリサイクル推進協議会資料 回収量をリサイクル量とした。
分別収集計画数量51%
産構審資料
ペットボトル高度再資源化技術
(2004年)
家電製品
650 ほとんどな
し
#VALUE!
-
-
-
10
15.5
2.5
4
2.8
4.1
8.1
4
1
1.3
1.5
0.5
0
-
-
-
-
-
-
-
9
9.8
0
0
0
0
0
-
-
-
-
-
-
-
46
531
0
1
0
1.8
2.8
1998 クリーン・ジャパン・センター資料
リサイクル率は75∼80%
1997 循環経済ビジョン
856
88.1
1999 日本タイヤリサイクル協会資料
98
76
77.6
1998 自転車環境整備促進協会資料
7.5
-
-
972
15.0
-
-
タイヤ
138
0
-
-
自転車
225
0.3
-
-
1997 (社)日本電子工業振興協会資
料
1,850
2
0
-
13.3
1,500
1
-
6
繊維製品
8
-
45
石こうボード
3
3
1999 アルミ缶リサイクル協会資料
リサイクル率85%(2002
自動車リサイクル・ なし
年)、同95%(2015年)
イニシアティブ
リサイクル率:テレビ55%、 家電リサイクル法 廃家電品一貫リサイクルシステム開発
冷蔵庫50%、エアコン60%、洗
濯機50%(2001年)
廃棄物処理・再資源化導入システム開発
パソコン
H12
H13
H12-13
H13予算
予算計
予算計 予算計
0.8
2.1
1.3
1.3
3.4
予算計 H12予算
1999 あき缶処理対策協会資料
循環型PETボトルリサイクル技術開発事業
自動車
予算
1994 通商産業省資料
1997 (社)東京建物解体協会資料
リサイクル率:デスクトップ型本 産構審資料
体50%、デスクトップ型ディスプレ
イ55%、ノート型20%(2003)
原形又は加工利用をリサイクル量と なし
した。
リサイクル量には再生利用を含む。 なし
排出量を発生量とした。リサイクル量 なし
には古着の輸出分を含む。
石こうボード原料に生産ロス材
5%が利用。
2.35
0.8
0
480
0
0
0
電子・電気製品の部品等の再利用技術
5
電子・電気製品の部品等の再利用技術
5
5
1
1
1.8
1.8
2.8
1
1.8
なし
-
-
-
-
-
-
-
なし
-
-
-
-
-
-
-
なし
-
-
-
-
-
-
-
解体廃石膏ボードの再資源化に関する技術
開発
1
1
0
0
0
0
0
100
○:該当プロジェクトあり
(円の大きさは予算額に対応)
(括弧内数値はH12∼13年の合計値:図中 )
×:該当プロジェクトなし
%で示した値はリサイクル率の目標値
括弧内は目標達成年度
75
ガラス
16(8)
リサイクル率︵%︶
2.36
(参考)アルミ
11(3)
(非鉄金属の内数)
50
セメント
10(3)
非鉄金属
(アルミ含む)
83
(20)
鉄鋼
プラスチック
(サーマルリサイクル)
91
(6)
37(11)(他2件) 紙(段ボール含む)
(マテリアルリサイクル)
8(3)
56%(達成済)
(古紙利用率、2000)
25
FRP
2(0)
0
1万トン
10万トン
100万トン
1,000万トン
図2.2-6 資源循環技術の技術開発事業分布(素材別)
1億トン
発生量
表2.2-12 (図2.2-6参考データ)
素材
鉄鋼
非鉄金属(アルミ∼カ
ドミウムの合計)
発生量
リサイクル量
リサイクル率
データ年
出典
(千t)
(千t)
(%)
79,990
46,660
58.3 1996、97 循環経済ビジョン
3,341
1,999
59.8
備考
(定量的)目標値
生産量−輸出量+輸入量を排出
量とした。
出典
対応プロジェクト
スーパーメタルの技術開発
1996、97 循環経済ビジョン
85
非鉄金属系素材リサイクル促進技術開発
60
飛灰無害化技術開発
銅
亜鉛
鉛
カドミウム
プラスチック
2,250
550
255
284
2
9,760
1,380
382
45
192
0.1
4,520
61.3
69.5
17.6
67.6
5.2
46.3
1997 循環経済ビジョン
1996、97 循環経済ビジョン
1997 循環経済ビジョン
1996 循環経済ビジョン
1996 循環経済ビジョン
1999 (社)プラスチック処理促進協会資料 リサイクル量には熱回収分も含む。
1,340
13.7
1999
↑(マテリアルリサイクルのみ)
FRP
紙
ガラス
セメント
315
ほぼ0
ほぼ0
29,799
16,509
55.4
3,849
36,470
2,540
23,590
66.0
64.7
1997 循環経済ビジョン
1998 古紙再生促進センター資料
1997 循環経済ビジョン
1995 循環経済ビジョン
古紙利用量をリサイクル量とした。
板ガラスについては、生産量−
輸出量+輸入量を排出量とした。
コンクリート塊の排出量および利用
量をそのまま用いた。
2.37
古紙利用率60%
(2005年)
91
2.9
H12
H13
H12-13
H13予算
予算計
予算計 予算計
2.9
2.9
2.9
5.8
0
83
6.4
0
11.2
4.8
9
1.7
1.3
12
3.1
2.9
アルミニウム再生地金多様化促進技術開発事業
2
アルミニウム再生地金多様化促進技術開発事業
2
スーパーメタルの技術開発
9
非鉄金属系素材リサイクル促進技術開発(再掲)
飛灰無害化技術開発
飛灰無害化技術開発
なし
廃棄物の少ない循環型プラスチックの設計・製造
技術開発
熱硬化性樹脂などの液相分解法によるモノマー・化
学原料へのケミカルリサイクル技術の開発
可燃性廃棄物燃料化等技術開発
↑(サーマルリサイクル含む)
予算計 H12予算
6
環境調和型金属系素材回生利用基盤技術開発
スーパーメタルの技術開発
アルミニウム
予算
0
11
0
9.0
20.2
1.3
3.0
0
1.7
1.7
0
1.3
60
12
12
60
12
12
6.4
3.1
3.1
6.4
3.1
3.1
4.8
2.9
2.9
4.8
2.9
2.9
11.2
6.0
6.0
4
36.5
1.5
4.9
2.2
5.8
10.7
2.5
1.1
0.7
3
0.4
0.3
廃プラスチック含有塩素と廃ガラスびん含有アル
カリの同時回収に関わる研究開発(新規リサイクル製
品等関連技術開発)
一般廃棄物の容器包装系プラスチックを対象とし
た回収システムの研究開発(新規リサイクル製品等関
連技術開発)
処理困難廃プラスチック類再資源化技術
4
1
1.3
3
0.9
1.3
?
0
0
ペットボトル高度再資源化技術
9
0
0
電線被覆材燃料化技術開発
3
0
0
循環型PETボトルリサイクル技術開発事業
8
0
0
廃プラスチックのメタノール化リサイクル技術開発
0
廃FRP製品等再資源化実証システム研究
2
2
0
0
0
0
0
3
8
0.8
2.1
1.3
1.3
3.4
4.1
8.1
1.8
3.3
古紙リサイクル 余剰古紙を用いた乾燥式高強度古紙再生パネル
推進検討会
の研究開発(新規リサイクル製品等関連技術開発)
雑誌古紙を用いた発砲成形エコマテリアルの開発
(新規リサイクル製品等関連技術開発)
雑誌古紙を利用した最終処分場向け覆土代替工
法および土壌流出防止工法の研究開発(新規リサイ
クル製品等関連技術開発)
廃プラスチック含有塩素と廃ガラスびん含有アル
カリの同時回収に関わる研究開発(新規リサイクル製
品等関連技術開発)
建築廃材・ガラス等リサイクル技術開発
CO2排出抑制型廃ガラス高度利用システムの研
究開発(新規リサイクル製品等関連技術開発)
資源循環型住宅技術開発プロジェクト
0
0
3
1
0
2
0.3
0
4
15.5
10
4
2.5
1.5
10
1
2.8
0.5
10
1.5
1.3
0
1.5
1.8
100
動物のふん尿
×
○:該当プロジェクトあり
(円の大きさは予算額に対応)
(括弧内数値はH12∼13年の合計値:図中 )
×:該当プロジェクトなし
・
アスファルト・コンクリート塊
%で示した値はリサイクル率の目標値
括弧内は目標達成年度
75
金属くず
建設廃材
コンクリート塊 ・
2.38
リサイクル率︵%︶
172(20)
動植物性残渣
×
ばいじん
紙くず
5(5)
50
動物の死体
×
・
建設発生木材
鉱さい
×
20
(9)
8(3) ガラス・陶磁器類
16(8)
燃えがら
産廃計
・
廃プラスチック
34(11)
廃油
5(5)
×
木くず
×
25
廃酸
×
繊維くず
×
ゴムくず
×
廃アルカリ
×
建設混合廃棄物 ・・建設汚泥
一廃計
・
汚泥
×
0
1万トン
10万トン
100万トン
1000万トン
1億トン
図2.2-7 資源循環技術の技術開発事業分布(産業廃棄物別)
発生量
100
○:該当プロジェクトあり
(円の大きさは予算額に対応)
(括弧内数値はH12∼13年の合計値:図中 )
×:該当プロジェクトなし
%で示した値はリサイクル率の目標値
括弧内は目標達成年度
ガラス・陶磁器類
16(8)
ゴムくず
×
75
2.39
最終処分率︵%︶
廃プラスチック
燃えがら 34(11)
動物の死体
×
50
ばいじん
5(5)
金属くず
172(20)
繊維くず
×
25
5(5)
廃酸
×
紙くず 動植物性残渣
×
8(3)
木くず
×
廃アルカリ廃油
× ×
動物のふん尿
×
0
1万トン
10万トン
100万トン
建設廃材
15(9)
鉱さい
×
一廃計
・
汚泥
×
1000万トン
産廃計
・
1億トン
図2.2-8 資源循環技術の技術開発事業分布(産業廃棄物別)
最終処分量
表2.2-13 (図2.2-7、8参考データ)(1/2)
廃棄物種類
もえがら
汚泥
廃油
廃酸
廃アルカリ
廃プラスチック類
発生量
リサイクル量
リサイクル率 最終処分量 最終処分率
データ年
出典
(千t)
(千t)
(%)
(千t)
(%)
2,407
847
35
1,198
50
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
196,172
10,301
5
25,507
13
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
3,245
1,004
31
252
8
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
3,113
565
18
516
17
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
2,010
198
10
132
7
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
7,567
2,096
28
3,482
46
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
備考
(定量的)目標値
出典
対応プロジェクト
石炭灰有効利用技術開発
木くず
繊維くず
6,754
1,026
50
1,680
25
177
9
720
11
68
10
15
19
28
3,132
1,652
53
478
15
ゴムくず
69
8
12
49
71
金属くず
6,353
4,555
72
1,719
27
動植物性残渣
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
5
3.1
4
34.3
1.5
H12
H13
H12-13
H13予算
予算計
予算計 予算計
3.1
1.6
1.6
4.7
なし
なし
なし
廃棄物の少ない循環型プラスチック
の設計・製造技術開発
熱硬化性樹脂などの液相分解法に
よるモノマー・化学原料へのケミカルリサイク
ル技術の開発
可燃性廃棄物燃料化等技術開発
電線被覆材燃料化技術開発
2,063
予算計 H12予算
5
なし
廃プラスチック含有塩素と廃ガラスび
ん含有アルカリの同時回収に関わる
研究開発(新規リサイクル製品等関連技
術開発)
一般廃棄物の容器包装系プラスチッ
クを対象とした回収システムの研究
開発(新規リサイクル製品等関連技術開
処理困難廃プラスチック類再資源化
技術
ペットボトル高度再資源化技術
紙くず
予算
循環型PETボトルリサイクル技術開
発事業
廃プラスチックのメタノール化リサイ
クル技術開発
廃FRP製品等再資源化実証システ
ム研究
余剰古紙を用いた乾燥式高強度古
紙再生パネルの研究開発(新規リサイ
クル製品等関連技術開発)
雑誌古紙を用いた発砲成形エコマテ
リアルの開発(新規リサイクル製品等関
連技術開発)
雑誌古紙を利用した最終処分場向
け覆土代替工法および土壌流出防
止工法の研究開発(新規リサイクル製品
等関連技術開発)
なし
4.9
2.2
2.5
1.1
0.7
3
0.4
0.3
4
1
1.3
3
0.9
1.3
?
0
0
9
0
0
3
0
0
0.8
0
0
3
0
0
2
3
0
8
0.8
5.8
10.7
1.3
3.4
9
20
0
2.1
1.3
3
1
0
2
0.3
0
なし
なし
なし
非鉄金属系素材リサイクル促進技術
開発
スーパーメタルの技術開発
環境調和型金属系素材回生利用基
盤技術開発
アルミニウム再生地金多様化促進技
術開発事業
60
172
6.4
11
4.8
25
4.6
4.2
85
0
0
2
0
0
表2.2-13 (図2.2-7、8参考データ)(2/2)
廃棄物種類
ガラス・陶磁器くず
発生量
リサイクル量
リサイクル率 最終処分量 最終処分率
データ年
出典
(千t)
(千t)
(%)
(千t)
(%)
5,704
1,658
29
3,998
70
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
鉱さい
17,893
11,518
64
6,314
35
建設廃材
56,993
37,874
66
18,754
33
動物のふん尿
93,706
89,715
96
276
0
109
50
46
57
52
備考
(定量的)目標値
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
建築廃材・ガラス等リサイクル技術
開発
資源循環型住宅技術開発プロジェク
ト
なし
7,496
3,968
53
3,454
46
産廃計
414,854
168,725
41
67,102
16
一廃計
50,583
3,345
7
12,008
24
アスファルト・コンクリート塊
3,565
2,881
81
684
19
コンクリート塊
3,647
2,359
65
1,288
35
1995 旧建設省「建設副産物実態調査」 副産物を含む
リサイクル率95%(2010年)
建設発生木材
632
234
37
387
61
1995 旧建設省「建設副産物実態調査」 副産物を含む
リサイクル率95%(2010年)
建設汚泥
978
57
6
843
86
1995 旧建設省「建設副産物実態調査」 副産物を含む
リサイクル率60%(2000年)
建設混合廃棄物
952
52
5
852
89
1995 旧建設省「建設副産物実態調査」 副産物を含む
リサイクル率50%(2000年)
ばいじん
2.41
対応プロジェクト
建築廃材・ガラス等リサイクル技術
開発
廃プラスチック含有塩素と廃ガラスび
ん含有アルカリの同時回収に関わる
研究開発(新規リサイクル製品等関連技
術開発)
CO2排出抑制型廃ガラス高度利用シ
ステムの研究開発(新規リサイクル製品
等関連技術開発)
なし
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
1997 旧厚生省水道環境部「産業廃棄
物の排出及び処理状況等」
1997 旧厚生省水道環境部「日本の廃
棄物処理」
1995 旧建設省「建設副産物実態調査」 副産物を含む
動物の死体
出典
予算
予算計 H12予算
10
15.5
2.5
H12
H13
H12-13
H13予算
予算計
予算計 予算計
4.0
2.8
4.1
8.1
4
1
1.3
1.5
0.5
0
10
20
10
2.5
4
1.5
2.8
4.6
8.6
1.6
4.7
1.8
なし
石炭灰有効利用技術開発
最終処分量半減(2010年)
最終処分量半減(2010年)
リサイクル率95%(2010年)
廃棄物の減量
化の目標量
廃棄物の減量
化の目標量
建設リサイクル法
基本方針
建設リサイクル法
基本方針
建設リサイクル法
基本方針
建設リサイクル推
進計画'97
建設リサイクル推
進計画'97
5
5
3.1
3.1
1.6
100
×
金属くず
紙くず
燃えがら
廃油
ガラス・陶磁器くず (パルプ・紙・紙加工品製造業)(輸送用機械器具製造業)
(非鉄金属製造業)
(鉱業)
(窯業・土石製品製造業)
金属くず
×←鉱さい(非鉄金属製造業)
ばいじん
×
(電気機械器具製造業)
(鉱業)
鉱さい
(一般機械器具製造業)
75
○:該当プロジェクトあり
(円の大きさは予算額に対応)
(括弧内数値はH12∼13年の合計値:図中 )
×:該当プロジェクトなし
%で示した値はリサイクル率の目標値
括弧内は目標達成年度
×
鉱さい
(鉄鋼業)
紙くず
(出版・印刷業)
金属くず
(一般機械器具製造業)廃プラ
(プラスチック製品製造業)
金属くず
(鉄鋼業)
2.42
リサイクル率︵%︶
×
汚泥
(窯業・土石製品製造業)
燃えがら(電気業)→ 50
(注)鉄鋼 業、一般 機械器 具 製造業、電 気機械 器具製 造業 、
輸送用機械器具製造業の金属くずについては同一の
技術開発事業であり、各業種毎に個別の技術開発事
業が行われているわけではない。
廃プラ
(非鉄金属製造業)
25
0
1千トン
汚泥(非鉄金属製造業)→× ×←ゴムくず(ゴム製造業)
汚泥
× ×←汚泥(化学工業)
(精密機械器具製造業)
汚泥
廃酸
×
(パルプ・紙・紙加工品製造業)
×←汚泥(金属製品製造業) (金属製品製造業)
×
×
汚泥
汚泥(石油・石炭製品製造業)
(家具・装備品製造業)
×
×
×
汚泥
汚泥
(繊維製造業)
(ガス業)
1万トン
10万トン
100万トン
1,000万トン
図2.2-9 資源循環技術の技術開発事業分布(業種別・産業廃棄物別)
発生量
100
○:該当プロジェクトあり
(円の大きさは予算額に対応)
(括弧内数値はH12∼13年の合計値:図中 )
×:該当プロジェクトなし
汚泥
(金属製品製造業)
×
%で示した値はリサイクル率の目標値
括弧内は目標達成年度
(注)鉄鋼 業、一般 機械器 具 製造業、電 気機械 器具製 造業 、
輸送用機械器具製造業の金属くずについては同一の
技術開発事業であり、各業種毎に個別の技術開発事
業が行われているわけではない。
75
2.43
最終処分率︵%︶
廃プラ
(非鉄金属製造業)
50
汚泥
(ガス)
ガラス・陶磁器くず
(窯業・土石製品製造業)
ゴムくず
(ゴム製造業)
×
汚泥
(非鉄金属製造業)
×
汚泥
(繊維製造業)
×
燃えがら
(電気業)
汚泥
金属くず
(窯業・土石製品製造業)
(輸送用機械器具製造業)
金属くず
×
汚泥
汚泥
(一般機械器具製造業)
(家具・装備品製造業)
(パルプ・紙・紙加工品製造業)
廃プラ
ばいじん
×
×
鉱さい
(プラスチック製品製造業)
(鉱業)
(一般機械器具製造業)
×
×
汚泥
汚泥
×汚泥(精密機械 ×
紙くず
鉱さい
(化学工業)
(石油・石炭製品製造業)
器具製造業)
(出版・印刷業)
(鉄鋼業)
×
金属くず
×
鉱さい
×
(鉄鋼業)
(非鉄金属製造業)
× ×
×
0
廃酸
金属くず
(金属製品製造業)
(電気機械器具製造業)
廃油
1千トン
1万トン
10万トン
100万トン
1,000万トン
(鉱業)
燃えがら
(非鉄金属製造業)
紙くず
(パルプ・紙・紙加工品製造業)
図2.2-10 資源循環技術の技術開発事業分布(業種別・産業廃棄物種類別)
25
最終処分量
表2.2-14 (図2.2-9、10参考データ)
業種
廃棄物種類
繊維製造業
汚泥
家具・装備品製造業 汚泥
パルプ・紙・紙加工品 汚泥
製造業
紙くず
出版・印刷・同関連 紙くず
産業
化学工業
汚泥
石油製品・石炭製品 汚泥
製造業
プラスチック製品製造業 廃プラ
ゴム製造業
ゴムくず
窯業・土石製造業
ガラス・陶磁器く
ず
汚泥
鉄鋼業
金属くず
鉱さい
非鉄金属製造業
汚泥
鉱さい
燃えがら
廃プラ
金属製品製造業
汚泥
廃酸
一般機械器具製造業 金属くず
鉱さい
電気機械器具製造業 金属くず
輸送用機械器具製造 金属くず
業
精密機械器具製造業 汚泥
電気業
燃えがら
ガス業
汚泥
鉱業
ばいじん
廃油
1996年実績
排出量
リサイクル量
リサイクル率 最終処分量 最終処分率
(千t)
(千t)
(%)
(千t)
(%)
600
2
0
202
34
101
0
0
9
9
4,007
522
13
700
17
排出量
(千t)
2000年目標値
リサイクル率 最終処分量 最終処分率
(%)
(千t)
(%)
702
17
333
8
リサイクル量
(千t)
4,127
557
1,213
551
1,071
99
88
1
99
0
8
563
1,169
557
1,093
99
93
1
23
0
2
5,754
553
845
34
15
6
749
22
13
4
5,484
562
915
39
17
7
535
18
10
3
945
71
231
719
13
229
76
18
99
152
28
2
16
39
1
881
62
228
693
16
227
79
26
100
127
17
2
14
27
1
7,549
246
38,950
69
2,169
14
38
72
839
420
177
784
2,223
4,497
177
35,662
10
2,031
14
16
7
2
334
159
734
2,216
60
72
92
14
94
100
42
10
0
80
90
94
100
1,269
0
1,344
20
91
0
22
66
4
75
15
36
6
17
0
3
29
4
0
58
92
0
18
8
5
0
6,753
240
38,931
63
2,284
14
35
61
827
359
163
-
4,340
167
35,696
19
2,158
14
17
9
6
315
148
-
64
70
92
30
94
100
49
15
1
88
91
-
676
0
1,296
16
69
0
17
52
3
7
14
-
10
0
3
25
3
0
49
85
0
2
9
-
7
4,338
6
11
8
0
2,673
0
10
8
0
62
0
91
100
1
1,665
1
1
0
14
38
17
9
0
7
5,300
3
11
5
0
4,000
0
10
5
0
75
0
91
100
0
1,300
1
1
0
0
25
33
9
0
出典:産業構造審議会廃棄物処理・再資源化部会 第11回企画小委員会資料(1998.7.17)
(業界団体ごとに最も排出量の大きい廃棄物の実績値と目標値が示されていたのを、業種別、産廃種類別に整理したもの)
2.44
2.45
国が行う技術開発の必要性︵循環経済ビジョン等による︶
××
乾燥機
3
VTR
× ×
電子レン
ジ
オーディオ機器
×
電気こたつ
×
潤滑油
紙
×
繊維板
×
太字下線は経済産業省において
現在プロジェクト実施中のもの
PETボトル
FRP
ふとん
エアゾール缶
×
×
2
ガス湯沸器
石油ストーブ
プリンタ等周辺機器
石油ファンヒーター
石油給湯器
1
×
×
×
アルミ缶
エアコン
発泡スチロールトレイ
× ×××
× ×× ×× ×
パソコン
ファックス
ワープロ
ガスストーブ
ガスふろがま
冷蔵庫
×
× ×× ×
アルミサッシ
テレビ
ガラスびん
その他紙製容器包装
その他プラスチック製容器包装
石こうボード
×
段ボール
×
洗濯機
ガスこんろ
蛍光ランプ
バッテリー
複写機
カセットボンベ
紙パック
ぱちんこ遊技機
ニカド電池
××
×
×
0
×
×
×
×
オートバイ
スプリングマットレス
ガス導管
カーペット
自転車
塗料
自動販売機
1万トン
衣料
タイヤ
×
×
スチール缶
10万トン
家具
建設機械
電線
×
100万トン
1,000万トン
図2.2-11 資源循環技術の技術開発事業分布(製品別)
1億トン
廃棄量
2.46
国が行う技術開発の必要性︵循環経済ビジョン等による︶
3
紙
繊維板
潤滑油
×
乾燥機 電気こたつ
× ××
×
電子レン
ジ
PETボトル
衣料
ふとん
2
ガラスびん
発泡スチロールトレイ
その他プラスチック製容器包装
その他紙製容器包装
1
0
段ボール
石こうボード
× ×
パソコン
(ノート型)
紙パック
カーペット
家具(木製)
塗料
×
オーディオ機器
×
VTR
タイヤ
×
×
アルミ缶
エアゾール缶
×
×
石油ストーブ
プリンタ等周辺器
石油ファンヒーター ガス湯沸器
カセットボンベ
石油給湯器
蛍光ランプ
×
ガスストーブ
× ×
× × ×× ×
テレビ
ワープロ
ファック
ス
×
スチール缶
エアコン
アルミサッシ
××
×
冷蔵庫
パソコン
洗濯機
(デスクトップ型) ガスこんろ
ガスふろがま
ぱちんこ
ニカド電池
遊技機 複写機
× ×
×
×
×
ガス導管
スプリングマットレス
×
オートバイ
0
太字下線は経済産業省において
現在プロジェクト実施中のもの
10
100
建設機械
家具(金属製)電線
×
×
×
×
自転車 バッテリー
自動販売機
1,000
自動車
×
10,000
希少性
(=発生量/可採年数)
図2.2-12 資源循環技術の技術開発事業分布(製品別)
2.47
国が行う技術開発の必要性︵循環経済ビジョン等による︶
3
2
1
0
紙
電気こたつ
VTR
×
繊維板
プラスチック製パイプ
スチール缶
アルミ缶
PETボトル
× 衣料
ガラスびん
発泡スチロールトレイ
その他プラスチック製容器包装
段ボール
その他紙製容器包装
× パソコン(ノート型)
ファックス
ワープロ
アルミサッシ
石こうボード
紙パック
× 家具(木製)
ガス導管
0
太字下線は経済産業省において
現在プロジェクト実施中のもの
オーディオ機器(ステレ
× オ)
潤滑油
× 乾燥機
電子レンジ
エアゾール缶
× ふとん
タイヤ
×FRP
テレビ
パソコン(デスクトップ
型)
× プリンタ等周辺機器
ガス機器
蛍光ランプ
複写機
ニカド電池
カーペット
家具(金属製)
オートバイ
自転車
× 建設機械
ぱちんこ遊技機
電線
1
×
洗濯機
石油機器
×
冷蔵庫
エアコン
スプリングマットレス
自動車
×
バッテリー
塗料
×自動販売機
2
3
図2.2-13 資源循環技術の技術開発事業分布(製品別)
処理困難性
2.48
国が行う技術開発の必要性︵循環経済ビジョン等による︶
太字下線は経済産業省において
現在プロジェクト実施中のもの
○:該当プロジェクトあり
(円の大きさはH12∼13年の予算額に対応)
(数字は予算額(億円))
×:該当プロジェクトなし
潤滑油
家電(その他)
紙
×
×
3
3
3
エアゾール缶
2
×
PETボトル
× ×
繊維製品
FRP
建材
0.1
タイヤ
× ×
アルミ缶
×
スチール缶
電子・事務機器(3)
その他紙製容器包装(2)
ガラスびん(5)
発泡スチロールトレイ
×
1
× ×4
10
蛍光ランプ
段ボール(2)
その他プラスチック製容器包装(2)
家電(4品
目)
×
×
3
ガス・石油機器
自動販売機
×
建設機械
自動販売機
家具等
ニカド電池
オートバイ
紙パック
ぱちんこ遊技機 自転車
×
× × ×
×
塗料
ガス導管
0
0
1
自動車
×
電線
× × ×
バッテリー
2
3
図2.2-14 資源循環技術の技術開発事業分布(製品別)−総括図−
4
対策の必要性
表2.2-15 (図2.2-11∼14参考データ)(1/2)
製品名
容器包装
廃棄量
(千t/年)
スチール缶
アルミ缶
ガラスびん
希少性
(有用性)
1,351 *
275 *
2,330
ペットボトル
発泡スチロールトレイ
その他プラスチック製容器包装
1,964
198
0
処理困難性 技術開発の 技術開発の
必要性
有無
0
0
0
2
2
1
○
○
●
技術開発課題
★
★
★
319 *
0
0
2
○
★
52
2,975 *
0
0
0
0
1
1
○
○
☆
☆
・薄肉化、軽量化等の技術開発
・薄肉化、軽量化等の技術開発
・エコロジーボトルの利用推進
・ガラスびん以外の利用拡大
・薄肉化
○軽量びんの開発
経済産業省における該当
プロジェクト
予算
予算計
H12
予算計
H12予算
H13
予算計
H13予算
H12-13
予算計
なし
なし
廃プラスチック含有塩素と廃ガラ
スびん含有アルカリの同時回収
に関わる研究開発(新規リサイクル
製品等関連技術開発)
建築廃材・ガラス等リサイクル技
術開発
CO2排出抑制型廃ガラス高度利
用システムの研究開発(新規リサイ
クル製品等関連技術開発)
4
15.5
1
4
1.3
4.1
8.1
10
2.5
2.8
1.5
0.5
0
3
0.9
1.3
2.2
・紙としての再利用、紙以外の用途での利用、燃料と 余剰古紙を用いた乾燥式高強度
古紙再生パネルの研究開発
しての利用の推進
・紙としての再利用、紙以外の用途での利用、燃料と 余剰古紙を用いた乾燥式高強度
古紙再生パネルの研究開発
しての利用の推進
・安全処理設備の開発等技術開発
余剰古紙を用いた乾燥式高強度
・古紙の他用途利用のための技術開発
・古紙再生プロセスで発生する汚泥(ペーパースラッ 古紙再生パネルの研究開発
ジ)のリサイクルに関する技術開発
3
0.8
1.3
2.1
3
0.8
1.3
2.1
雑誌古紙を用いた発砲成形エコ
マテリアルの開発(新規リサイクル製
品等関連技術開発)
雑誌古紙を利用した最終処分場
向け覆土代替工法および土壌流
出防止工法の研究開発(新規リサ
イクル製品等関連技術開発)
3
1
0
2
0.3
0
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
電子・電気製品の部品等の
再利用技術
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
5
1
1.8
2.8
・ボトルtoボトルに向けた技術開発
・リサイクルPETフレークの新規用途開発
・プラスチックトレイの材料リサイクルの促進
・リサイクル能力の確保(プラスチックとしての再利 一般廃棄物の容器包装系プラス
チックを対象とした回収システム
用、高炉還元、コークス炉原料、油化、ガス化)
の研究開発(新規リサイクル製品等
関連技術開発)
紙パック
段ボール
302 *
9,425 *
0
0
0
0
0
1
☆
その他紙製容器包装
2,246 *
0
0
1
☆
44 *
16,358 *
44
0
1
0
2
3
エアゾール缶
紙
家電製品
冷蔵庫
221
1
●
★
・リデュースの観点からリペア技術の高度化が課題
198
52
1
1
●
★
・リデュースの観点からリペア技術の高度化が課題
エアコン
137
180
3
1
●
★
・リデュースの観点からリペア技術の高度化が課題
洗濯機
98
83
2
1
●
★
・リデュースの観点からリペア技術の高度化が課題
乾燥機
10
9
2
3
★
・リデュースの観点からリペア技術の高度化が課題
電子レンジ
12
16
2
3
★
・リデュースの観点からリペア技術の高度化が課題
電気こたつ
44
20
0
3
★
・リデュースの観点からリペア技術の高度化が課題
オーディオ機器(ステレオ)
90
83
1
3
★
・リデュースの観点からリペア技術の高度化が課題
31
29
0
3
★
・リデュースの観点からリペア技術の高度化が課題
39
31
1
1
○
☆
・易リサイクル設計、リユースの促進
3
1
0
1
○
☆
・易リサイクル設計、リユースの促進
プリンタ等周辺機器
23
15
1
1
○
ファックス
12 *
9
0
1
ワープロ
16 *
24
0
1
複写機
48
51
1
0
ガスこんろ
ガス湯沸器
ガスふろがま
67
34
40
85
64
72
1
1
1
1
1
1
パソコン
デスクトップ型
ノート型
ガス機器
3
★
★
テレビ
VTR
電子・事務機器
185
○
☆
・易リサイクル設計、リユースの促進
☆
・易リサイクル設計、リユースの促進
○
☆
・易リサイクル設計、リユースの促進
●
☆
・一層のリユース、リサイクルの促進
☆
☆
☆
・易リサイクル性の促進
・易リサイクル性の促進
・易リサイクル性の促進
3
8
0.8
2.1
1.3
1.3
3.4
表2.2-15 (図2.2-11∼14参考データ)(2/2)
製品名
石油機器
ガスストーブ
カセットボンベ
石油ストーブ
石油ファンヒーター
石油給湯機
1
1
1
1
1
0
1
1,057
0
0
2
56
0
1
タイヤ
258
11
773
230
5,523
1,008
0
9
927
0
6,472
376
アルミサッシ
石こうボード
160
100
98
1,200
105
55
442 *
1,552
繊維板(パーティクルボードを含む)
2,258 *
ふとん
カーペット
スプリングマットレス
家具
金属製家具
木製家具
自動車
バッテリー
オートバイ
自転車
建設機械
自動販売機
ぱちんこ遊技機
建材
処理困難性 技術開発の 技術開発の
必要性
有無
1
1
2
2
2
1
1
衣料
4
11 *
32
28
23
2
70 *
希少性
(有用性)
6
16
45
40
40
5
14
ニカド電池
蛍光ランプ
生活用品
廃棄量
(千t/年)
技術開発課題
☆
☆
☆
☆
☆
・易リサイクル性の促進
・易リサイクル性の促進
・易リサイクル性の促進
・易リサイクル性の促進
・易リサイクル性の促進
☆
・蛍光管の細管化による省資源化、水銀封入量の削減
○
★
2
○
★
・複合繊維の素材分離のための技術開発
・衣料品の用途拡大のための技術開発
・衣料品のサプライチェーンの情報化技術の導入
・易リサイクル製品の研究開発
・高効率なRDF化のための技術開発
1
2
1
0
2
1
0
0
0
0
0
2
○
394
96
117
1,756
130
29
230
0
2
1
1
1
3
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
0
0
3
経済産業省における該当
プロジェクト
予算
予算計
H12予算
H12
予算計
H13
予算計
H13予算
H12-13
予算計
●
○
○
★
○用途拡大(タイヤtoタイヤ、道路の舗装材等)を図
るための技術開発
☆
☆
・リサイクルし易い製品の開発
・壁紙、断熱材等の不純物の分離が必要で技術上の問
題がある
●異物除去、再結晶化等の技術開発に取り組んでいる
ところ
平成12年度廃棄物用途開発・拡
●異物除去技術、表面化粧材除去技術
○
○
○
○
○
★
0.1
0.1
0
0.1
2.5
1.1
0.7
1.8
大のための調査検討(木質ボー
ドの再生利用)
プラスチック製パイプ、窓枠、
壁紙、床材等
潤滑油
塗料
電線
ガス導管
プラスチック製品 FRP
熱硬化性樹脂
?
1,237 **
324
1,165 *
30
315
?
主にH9年前
後の値を使用
*生産量:販売
量からの推定
**千kl/年
?
0
3
★
・リサイクル用途の拡大、リサイクル技術の開発
0
0
2,272
40
?
?
1
2
1
0
2
3
0
0
0
2
★
・長寿命潤滑油の技術開発
★
・FRP製品の適正処理技術開発
○
○
○*
廃棄量×Σ 循環ビジョン 3:★のみ ●:かなりの
(金属素材 の●の数
2:○かつ★ 程度行われ
構成比/耐
1:●かつ★ ている取組
用年数)
(もしくは☆ ○:一部で見
あり)
られる取組
0:★もしく (出所:循環
は☆なし
経済ビジョ
ン)
熱硬化性樹脂などの液相分解法
によるモノマー・化学原料へのケミカル
リサイクル技術の開発
★:具体的に技術 ・:循環経済ビジョン
開発が必要と明記 ○:産構審製品別ガイドライン
されているもの
●:資源有効利用促進法の検討対象業種における検討状況
☆:技術開発の必
要性が示されてい
るもの
無印:技術開発の
記載がないもの
2.50
表2.2-16 鉱物資源とエネルギー資源の生産量と埋蔵量
元素名
アルミニウム
単位
1000t
生産量
(P)
113,523
埋蔵量
(R)
21,800,000
耐用年
価格
備考
数
($/kg)
192
1.68 ボーキサイト
アンチモン
t
52,688
4,200,000
80
2.18
砒素
t
55,103
1,000,000
18
3.97 As2 O3 生産量
ベリリウム
t
7,138
382,000
54
496 緑柱石生産量
ビスマス
t
2,770
89,500
32
1000t
2,900
320,000
110
カドミウム
t
20,206
535,000
26
セシウム
t
N.A.
100,000
1000t
11,720
1,361,000
116
t
43,360
3,310,000
76
22.0
1000t
9,020
352,000
39
2.72
カリウム
t
N.A.
110,000
金
kg
1,818,089
42,000,000
インジウム
t
N.A.
1,690
硼素
クロム
コバルト
銅
7.72
0.27 B2 O3 量
7.94
661
0.06 クロム鉄鉱
525
23
12,217
230
鉄
1000t
982,850
66,100,000
67
0.03 鉄鉱石生産量
鉛
1000t
3,325
70,000
21
1.01
リチウム
1000t
N.A.
2,210
マンガン
1000t
22,100
812,000
37
3.95
t
5,156
130,000
25
7.25
水銀
4.00
モリブデン
1000t
110
5,530
50
7.79
ニッケル
1000t
872
49,000
56
8.82
ニオブ
t
13,712
3,540,000
258
7.16
白金族
kg
286,704
56,000,000
195
15,690
希土類
t
55,000
45,000,000
818
レニウム
kg
33,600
2,740,000
82
1,433
セレン
t
1,818
80,000
44
12.79
1000t
4,125
N.A.
銀
t
14,561
280,000
19
ストロンチウム
t
234,600
6,800,000
29
0.08 天青石生産量
タンタル
t
376
21,800
58
69.3
トリウム
t
25,404
910,000
36
45.0 モナズ石生産量 ThO2 埋蔵量
シリコン
− REO
1.51
161
錫
1000t
211
4,280
20
8.47
チタン
1000t
6,454
173,000
27
9.92
タングステン
t
43,280
2,570,000
59
5.42
バナジウム
t
33,200
4,270,000
129
7.72
1000t
7,326
147,000
20
1.65
993,088
36,000,000
36
23.0 ZrO2 埋蔵量
石油
1000t 2,930,687
132,795,534
45
0.13 1bbl=0.134tとして計算
石炭
1000t 3,474,000
515,795,000
148
天然ガス
1000t 1,928,770
101,763,240
亜鉛
ジルコニウム
t
2.51
0.12
53
39.2×103 ft3=1tとして計算
(出典:「資源経済学のすすめ」西山 孝)
表2.2-17 製品毎の特性及びリサイクル等に向けた取組状況
素 材 構 成
販 売
含 有 資 源
廃
棄
量
購入・使用
販売先
全
般
排出・回収
回収の
実施
耐久性
リ デ ュ ー ス
省資源化
リ ユ ー ス
長 寿 命 化
製品リユース
メーカーに
よる実施
●
20
○
【素材複合度】
*フルオロカーボン
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●*
*
●
87
93
89
95
94
94
98
98
96
28
28
40
75
98
1
100
100
100
100
100
100
100
100
*Ni-Cd
*水銀
●
●
●
●
37
8
12
70
17
93
15
25 ●
51
100
0
0
0
0
0
0
0
100 ●
100 ●
100 ●
100
100
100
*フルオロカーボン
●
●*
●*
●*
●*
●
−
−
*フルオロカーボン
●
●
*有機溶剤
、重金属
2
0 100
中
古
部
品
業
者
易
リ
ユ
ス
設
計
部
品
リ
ユ
ス
の
た
め
の
表
示
・
情
報
提
供
技
術
開
発
● ●
販
売
・
利
用
事
業
者
民
間
回
収
業
者
自
治
体
へ
の
支
援
回
収
促
進
の
た
め
の
表
示
・
情
報
提
供
●
○ ●
●
○
○ ○
●
●
●
○
○
●
●
○
●
●
●
● ● ●
● ● ●
●
●
● ○
製
造
事
業
者
○ ●
○ ●
○ ○ ○
エアゾール缶
20
20
20
20
18 82
30 70
72 28
93 7
40 60
8 92
24 76
93 7
36 64
67 33
95 5
● 100 0
●
● ●
6∼7
● 16 84
5∼10
100
0
6∼10
100 0
100
1∼2 ●
0
30∼50
50
30
● 100
●
●
●
製
造
事
業
者
・
販
売
事
業
者
段ボール
1∼3
2∼12
●
●
●
●
●
●
●
●
ス
の
た
め
の
表
示
・
情
報
提
供
技
術
開
発
製
造
事
業
者
民
間
処
理
・
リ
サ
イ
ク
ル
業
者
製
造
事
業
者
民
間
処
理
・
リ
サ
イ
ク
ル
業
者
易
リ
サ
イ
ク
ル
設
計
● ○
● ○
10∼15
100
印刷情報用紙
新聞紙
衛生用紙
冷蔵庫
テレビ
エアコン
洗濯機
乾燥機
電子レンジ
電気こたつ
オーディオ機器
VTR
デスクパソコン
ノートパソコン
プリンタ等
ファックス
ワープロ
複写機
ガスこんろ
ガス湯沸器
ガスふろがま
ガスストーブ
カセットボンベ
石油ストーブ
石油ファンヒーター
石油給湯機
ニカド電池
蛍光ランプ
衣料
ふとん
カーペット
スプリングマットレス
金属製家具
木製家具
自動車
タイヤ
バッテリー
オートバイ
自転車
建設機械
自動販売機
ぱちんこ
アルミサッシ
石こうボード
繊維板
0 潤滑油
塗料
電線
0 ガス導管
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
○
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
●
●
●
●
○
●
●
●
●
●
○
●
●
●
● ●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
● ○
● ○
●
○ ● ○
●
● ● ●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
○
● ○
●
● ○
●
● ○
●
●
○ ● ●
● ● ○ ● ● ○
○ ○
○
○
○
○
○ ○
○
○ ○
○
○
●
●
●
● ● ●
○
●
● ○
●
○
○
●
○ ● ● ● ● ● ●
● ○
○ ○
●
○
○
●
●
● ●
●
● ●
● ● ● ● ●
●
9
8
9
6
6
8
6
8
8
1
1
1
1
1
1
1
1
1
5
7
7
5
6
6
6
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○ ●
○ ○
○ ●
○ ○
○
○ ○
1
● ○
○
1
1
●
1
1
1
1
6
6
7
1
1
1
5
○
3 ●
1
1 ●
1 ●
1 ●
1
2∼3
10
○
○
○
○
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○ ○ ○
○ ○ ○
●
●
●
●
○
● ●
●
●
●
○
○
○
10
7
○
○
○
○
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
○
○
○ ○
○ ○
○ ●
○
○
○
● ○ ○
○
○
○
● ● ●
○ ● ○ ○
●
○
●
●
●
● ● ●
●
●
● ●
●
●
● ●
○
○ ○ ○ ● ●
○
○ ●
●
○ ○ ●
●
○
● ○
● ○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
●
●
●
○
○
○
○
○
●
●
●
●
○
●
●
●
○
●
○
●
●
●
○
○
●
●
●
○ ●
○ ○
2
●
リ
サ
イ
ク
ル
素
材
の
利
用
リ
サ
イ
ク
ル
に
つ
い
て
の
表
示
・
情
報
提
供
技
術
開
発
民
間
処
理
業
者
に
よ
る
適
正
処
理
の
実
施
設
計
上
の
配
慮
環
境
負
荷
物
質
の
削
減
等
適
正
処
理
の
た
め
の
表
示
・
情
報
提
供
破砕困難 :主として市町村の処理の観点からの堅牢性、弾力性による
破砕処理困難性
●:購入の直接的目的でない
【機能的寿命と物理的寿命の差】
●
●
●
○ ○
● ○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
●
●
●
●
○
○
○
○
○
○ ○
○ ○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
●
○
○
○
○
○
○
○
○
●
○
○
○ ○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
○
● ○ ●
○
○
○
○
○
○
● ○
○ ○ ○
○
●
● ○
● ○
● ○
● ○
● ○
○ ○
○ ○
○ ○
○ ○
○ ○
○ ○ ●
○ ○ ●
○ ○ ○
○ ○ ○
○ ○ ○
○ ○ ●
○
○
○
○
○ ○
○
○
○
○ ●
○
○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
○ ○
●
○ ○ ● ○
●
○ ○ ●
○
○
● ● ●
●
●
○ ● ○
●
●
●
○ ○ ○
●
○
○ ○
○
○
○
●
○
○
○
○
●
○
● ○
○
○
○
○
●
○
○
●
○ ○ ● ○
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
○
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
○
●
●
●
○
●
●
●
●
●
●
●
●
○
●
●
●
●
○
○
○ ○
○
○ ○
○
○
○
●
● ● ●
リ 適 リ
ユ 正 サ
処 イ
ス 理 ク
の の ル
実 実 製
施 施 品
等
の
利
用
●
●
● ○ ○ ○
●
●
○
●
●
○
●
●
○
●
●
○
○
● ●
●
○
● ●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
○
○
○
○
●
●
●
●
○
●
●
●
●
○
○
● ○
●
●
○
○
○ ●
●
●
○ ○
○ ○ ○
○
● ●
○ ● ○
● ●
○
●:かなりの程度行われている取り組み
○:一部の事業者(もしくは自治体)または一部の製品で見られる取り組み
●:寿命差が比較的大
回収された物についての実施主体別の割合
(注) 表中のフルオロカーボンについてはCFC・HCFC・HFCを指す
2.52
分
別
排
出
・
回
収
の
実
施
○
○
○ ○ ○
○ ○ ○
○
○
○ ○ ○
○
○
○ ○
○ ○
○ ○
○ ○
●
●
○ ○
○ ○
○ ○
○
●
○ ○
● ○
【回収の実施】
危険性 :主として市町村の処理の観点からの爆発性、引火性及び
病原性、腐敗性、悪臭等
技
術
開
発
● ○ ○ ●
● ● ● ●
● ● ○ ●
●
● ●
○
○
その他紙容器包装
30 70
● 12
● 33
● 7∼15 ●
●
製
品
リ
ユ
8 92 紙パック
12∼20
5∼10
5∼10
● 5∼20
中
古
品
業
者
○
○
その他プラ容器包装
8∼10 ●
●
●
●
●
3∼10 ●
3∼6 ●
10
10
10
10
●
−
●
● 10
● 11
● 10
2∼20
●
1
●
7∼8 ●
ド
設
計
製
造
事
業
者
・
販
売
事
業
者
●
9 91 発泡スチロールトレイ
80
80
80
80
8
5∼7
5∼7
7
5
●
●
● ● ●
プ
グ
レ
技
術
開
発
【財の購入目的】
環境負荷物質: 重金属等の含有
重量・寸法 :主として市町村の処理の観点からの運搬、処理施設搬入の困難性
●:構造が比較的複雑
12
10
12
9
8
10
98
*鉛等
●:いくつかの素材が複合
○:構造が比較的単純
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●** *鉛、**廃酸
●
●
●
●
●
○:比較的単一素材
量からの推定 ●:主たる構成素材 【構造的複雑性】
●
●
●
●
●
●
63
92
88
30
83
7
85
75
49
●
●* ●
13
7
11
5
6
6
2
2
4
72
72
60
25
2
99
0
0
0
0
0
0
0
0
系
以
外
の
リ
ペ
ア
事
業
者
に
よ
る
実
施
易
リ
ペ
ア
・
ア
ー
95>
*フルオロカーボン
●
●
●
●
カ
マテリアル サーマル
リサイクル リサイクル
の
の実施
実施
︶
25
●
年 年
メ
適正処理
︵
1
●* ●
●
●* ●
●
●
●
ビ
ス
の
有
無
無
償
保
証
期
間
ー
1
−
ド
サ
部
品
保
有
期
間
ー
10
90 ○
3
17
プ
グ
レ
リサイクル
製品
回収の
実施
部品
リユースの
実施
ー
91
83
ア
ー
2
●
20
PETボトル
●
●
●
リ
ペ
ア
体
制
の
有
無
ッ
2
80
50 50 スチール缶
37 63 アルミ缶
39 61 ガラスびん
技
術
開
発
︶
9
7
6
<5
10
○
0
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
耐
久
化
設
計
︶
●
15∼41
100
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
技
術
開
発
︵
53
59∼85
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
容
器
包
装
の
削
減
ー
1 4(4) 43
1 3(3) 26
9 18(18) 16
4 2(2) 33
○
○
●
1
6
5
●
○
○
●
○
○
●
9
18
9
30
7
42
2 6(5) 50
1 11(1)
8
3 3(3) 18
6
2
43
1
36
4
3
5
3
1
3
26
1
46
4
3
4
○ ●
77
● ●
10 35
1
8
5
8 2(1)
7
1
○
55 23
12
16
8
0.5
7
1 2(1)
1
1
1 1(1)
3
2 30
100
50
21
%
省
資
源
化
設
計
︵
100
100
100
50
79
自
治
体
製
品
ア
セ
ス
メ
ン
ト
の
実
施
ー
0.1
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
−
−
−
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
○
●
●
●
●
●
○
○
○
●
●
○
●
●
●
●
●
●
●
●
○
○
○
−
−
○
○
年
機 散
能 在
的 性
寿
民
命
と
間
物
理
的
%
寿
命
の
差
︶
○
●
100
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○
スチール製62%、アルミ製16%
○
○
○
○
3
●
5
●
3
●
9
●
●
7
●
●
●
●
25(プリント基板等) ●
36(プリント基板等)●
18(プリント基板等)●
●
10
●
9
●
17
●
1
●
●
●
○
4
●
1
●
●
10
●
2(蛍光体等)
●
○
●
23(羽毛他)
●
●
●
1
●
○(皮革等)
○
7
●
50(ゴム)
●
22(希硫酸)
●
12
●
9(ゴム)
●
1(ゴム)
●
14
●
14(プリント基板等) ●
○
94(石こう)
○
○
●(油)
●
●(顔料、溶剤) ●
3
○
○
使
用
期
間
︶
○
22
○:補助的構成素材
%
久
消
費
財
︵
○
16
素材構成比(%)
事
業
所
の
購
入
目
的
︶
○
100
100
100
○
4 73(70)
家
庭
ス
の
有
無
︶
100
○
リ 財 耐
危
険
性
・
衛
生
性
︵
破
砕
困
難
︵
重
量
・
寸
法
︶
環
境
負
荷
物
質
︵
構
造
的
複
雑
性
︵
素
材
複
合
度
ー
そ
の
他
%
5
*生産量、販売 または
**千kl/年
ガ
ラ
ス
ー
木
材
ッ
紙
ッ
4
95
直近の年・年度 【含有資源】
の値を使用
繊
維
( ):銅
スチール缶
*1,351 96
アルミ缶
*275
ガラスびん
2,330
PETボトル
*319
発泡スチロールトレイ
52
その他プラスチック製容器包装
*2,975
紙パック
*302
段ボール
*9,425
その他紙製容器包装
*2,246
エアゾール缶
*44 62
*10,863
印刷情報用紙
*3,792
紙 新聞紙
*1,703
衛生用紙
冷蔵庫
221 49
家 テレビ
198 12
エアコン
137 54
電 洗濯機
98 52
乾燥機
10 ●
製 電子レンジ
12 71
電気こたつ
44 ●
品 オーディオ機器(ステレオ)
90 ●
VTR
31 ●
パソコン デスクトップ型
39 39
電子
ノート型
3 18
・ プリンタ等周辺機器
23 33
事務 ファックス
*12 40
機器 ワープロ
*16 70
複写機
48 65
ガ ガスこんろ
67 75
ス ガス湯沸器
34 55
機 ガスふろがま
40 60
器 ガスストーブ
4 92
カセットボンベ
*11 97
32 95
石油 石油ストーブ
28 96
機器 石油ファンヒーター
石油給湯機
23 73
ニカド電池
3 40
蛍光ランプ
*70
衣料
1,057
生 ふとん
56
活 カーペット
258
用 スプリングマットレス
11 55
品 家具
金属製家具
773 80
木製家具
230 ○
自動車
5,523 71
タイヤ
1,008 ○
バッテリー
160
オートバイ
100 60
自転車
98 76
建設機械
1,200 93
自動販売機
105 81
ぱちんこ遊技機(回胴式遊技機を含む)
55 29
建材
*442
アルミサッシ
1,552
石こうボード
*2,258
繊維板(パーティクルボードを含む)
潤滑油
**1,237
塗料
324
電線
*1,165
ガス導管
30 ●
【凡例】
プ
ラ
ス
チ
ク
(千t/年)
容
器
包
装
そ
の
他
非
鉄
ー
ア
ル
ミ
回 収
部品リユース
製品
リユースの
実施
リペア・アップグレード
鉄
自治体・消費者
による取組
事 業 者 に よ る 取 組
製 品 特 性
処 理 困 難 性
(出典:循環経済ビジョン)
○
2.53
国が行う技術開発の必要性︵産構審業種別ガイドライン等による︶
太字下線は経済産業省において
現在プロジェクト実施中のもの
○:該当プロジェクトあり
(円の大きさはH12∼13年の予算額に対応)
(数字は予算額(億円))
×:該当プロジェクトなし
3
注)排出量は廃掃法上の産業廃棄物を対象に推計し
た数値(厚生省)であり、農業から排出されるわら
類や林業から排出される間伐材、一般廃棄物等は含
まない。
窯業・土石製品
2
5
×
3
非鉄金属
14
1
家具・装備品
ゴム製品
0
電気・ガス・
熱供給・水道
林業
×
漁業
公務
×
衣服・その他の繊維製品
なめし革・同製品・毛皮
×
× ×
出版・印刷
プラスチック製品
一般機械器具
サービス業
石油・石油製品
その他製造業
運輸・通信業
×
精密機械器具
1万トン
10万トン
飲料・飼料・
たばこ
木材・木製品
金属製品
4× ×× ×
化学
×
パルプ・紙・紙加工品
鉄鋼
×
電気機械器具
輸送用機械器具
卸売・小売業
食料品 鉱業
×
×
建設業
×
3
農業
×
繊維
100万トン
1,000万トン
図2.2-15 資源循環技術の技術開発事業分布(業種別)
1億トン
排出量
表2.2-18 (図2.2-15参考データ)
排出量(千t) 排出量の多い廃 技術開発の 既に行われ
棄物
必要性
ている取組
業
業
業
業
業
93,995
0
43
23,515
77,142
家畜ふん尿
−
廃プラ
汚泥
がれき類
食
料
品
飲料・飼料・たばこ
繊
維
衣服・その他の繊維製
木 材 ・ 木 製 品
家 具 ・ 装 備 品
パルプ・紙・紙加工品
10,626
3,972
2,440
165
3,346
381
27,080
汚泥
汚泥
汚泥
廃プラ
木くず
木くず
汚泥
出 版 ・ 印
化
石 油 ・ 石 炭 製
プ ラ ス チ ッ ク 製
1,028
16,487
755
1,269
紙くず
汚泥
汚泥
廃プラ
農
林
漁
鉱
建
製
造
業
設
刷
学
品
品
ゴ
ム
製
品
なめし革・同製品・毛皮
窯 業 ・ 土 石 製 品
鉄
非
鉄
金
金
属
製
一 般 機 械 器
電 気 機 械 器
輸 送 用 機 械 器
精 密 機 械 器
そ
の
計
気
給ス電 電
・ ・ 気ガ
ス
水熱 ・ 熱
供
給
道供ガ
上 下 水 道
計
運
輸
・
通
信
卸
売
・
小
売
サ
ー
ビ
ス
公
合 計
306 廃プラ
104 汚泥
15,373 汚泥
今後の取組
1
●
○技術開発等による生産工程における省資源化や副産物の排出抑制
○汚泥、石炭灰、汚泥焼却灰などの新規利用分野拡大のための技術的調
査
1
●
●汚泥等の他用途利用のための技術開発
24,056 鉱さい
1
●
○鉄鋼スラグの利用促進のための調査研究の推進
●港湾材料等への用途拡大のための技術開発
属
4,488 汚泥
1
●
○スラグの利用促進のための特性の調査研究、用途開発研究
●スラグの各用途に適した製品の開発技術向上(銅第一次製錬・精製業)
●リサイクル促進のための効率的技術の開発(同上)
具
他
業
業
業
業
業
業
業
務
3,204
1,610
4,082
4,413
予算計
H12
予算計
H12予算
H13予算
H13
予算計
H12-13
予算計
10
1.5
1.5
1.8
1.8
3.3
廃棄物の少ない循環型プラ
スチックの設計・製造技術
開発
4
1.5
1.5
2.2
2.2
3.7
3
0.4
0
0
0.4
0.3
0
0
0.3
0.7
廃プラスチック含有塩素と
廃ガラスびん含有アルカリ
の同時回収に関わる研究
開発(新規リサイクル製品等関
スーパーメタルの技術開発
4
1
1
1.3
1.3
2.3
非鉄金属系素材リサイクル
促進技術開発
60
6.4
6.4
4.8
4.8
11.2
スーパーメタルの技術開発
9
1.7
1.7
1.3
1.3
3
石炭灰有効利用技術開発
5
3.1
3.1
1.6
1.6
4.7
汚泥
汚泥、金属くず
汚泥
汚泥、鉱さい、
金属くず
216 金属くず
626 がれき類
126,028 汚泥
ばいじん
汚泥
汚泥
汚泥
86,371 汚泥
705 がれき類
5,227 廃プラ
1,793 汚泥
34 金属くず、汚泥
414,854 汚泥
H9年、厚生省
予算
資源循環型住宅技術開発
プロジェクト
●板ガラス原料として使用できないガラスカレットの用途拡大技術開発実施 可燃性廃棄物燃料化等技
術開発
中(板ガラス製造業)
●板ガラス着脱色技術開発を実施中(同上)
2
鋼
品
具
具
具
経済産業省における該当プ
ロジェクト
2
○石炭灰利用のための研究開発
2:今後の取 出所:産構 ○:産構審業種別ガイドライン
組のみ
審資料
●:資源有効利用促進法の検討対象業種における検討状況
1:現状およ
び今後の取
組あり
2.54
基
盤
技
術
内分泌かく乱化学物質
ダイオキシン/co-PCB
(環境ホルモン効果)
・
影響評価
計測
・
監視
未然防止
(発生抑制、
代替)
処理・
処分・
除去
その他有害物質
「有害物質の発生・曝露機構の研究開発」 (1件、2億円)
現象解明
予測
対
策
技
術
ダイオキシン類
環境負荷抑制対応
廃棄物エネルギー
利用促進調査研究
(1件、3億円)
環境ホルモン効
果に関する評価・
試験法の開発
(1件)
化学物質総合評価管理技術 (1件)
・約180物質のリスク評価等を実施
「環境中・物質中の微量化学物質の定量分析技術の開発」
「生物のもつ機能を利用した環境中化学物質の高感度検出・計測技術の開発」
(2件、13億円)
シックハウス関
連 (1件)
製造工程におけるDXN対策
(3件、3億円)
坑廃水処理
(3件、19億円)
焼却炉におけるDXNの分解・
除去(4件、9億円)、超臨界利
用分解技術等(2件、15.2億円)
土壌汚染対策
環境改善
・
×
修復
図2.2-16 化学物質関連プロジェクトの実施状況
2.55
(3)他省、民間、海外における技術開発の実施状況
本節では、前節と同様に、他省、民間、海外における技術開発実施状況の分析を
行った。
(a)他省における技術開発の実施状況
①環境分野全体の技術開発実施状況
○他省庁における環境分野全体の技術開発事業の概要は表 2.2-19 のとおりとなっ
ている。他省庁の研究開発でカバーされている研究開発分野は概ね次の通りで
ある。生態系・生物多様性関連分野は経済産業省の技術開発では扱われていな
い。逆に生産プロセス革新等分野は経済産業省が主として担当している分野で
ある。
・地球温暖化対策分野
・廃棄物、資源循環対策分野
・化学物質管理等分野
・生産プロセス革新技術等分野
・生態系・生物多様性関連分野
②地球温暖化対策分野における技術開発実施状況
1)地球温暖化対策分野全体の技術開発事業の状況
地球温暖化対策分野において実施されている技術開発は次の4分野に大別され
る。
a.二酸化炭素の分離・回収、固定化・有効利用、貯留技術
b.二酸化炭素以外の温室効果ガス対策技術
c.代替フロン等の新規代替物質開発等
d.オゾン層保護対策技術
経済産業省で実施されているプロジェクトは、a、c、d が中心であるが、他省にお
いては、温暖化の基礎的現象解明も含めて、a∼d 全体がカバーされている。また、
後述するようにこれらの分野全体にわたるような基礎研究も実施されている。
2)二酸化炭素の分離・回収、固定化・有効利用、貯留技術開発
ア)CO2分離・回収技術開発事業の状況
2.56
CO2分離・回収技術については、他省ではあまり行われていないようである。経
済産業省でも現在プロジェクトとしては実施されておらず、政府全体とし
てあまり取り組まれていない。
イ)CO2固定化・有効利用技術開発事業の状況
CO2固定化・有効利用技術としては、物理的固定技術、化学的固定技術、
生物利用固定技術等がある。経済産業省の事業としては、生物利用固定技
技術の大規模なプロジェクトが実施されている。他省においても以下のよ
うな生物学的固定方法に関するプロジェクトが実施されているが、その内
容を見ると、森林の二酸化炭素の収支や光合成に関する研究などとなって
おり、直接の固定化技術の開発というよりも、固定化メカニズムの解明や
固定化の基礎となる物質収支の研究に重点が置かれている。その意味で、
経済産業省のプロジェクトよりも、より基礎研究に近いレベルで研究が行
われているようである。
・森林における二酸化炭素収支に関する研究(環境省)
・光合成科学研究(文部科学省)
・温室効果ガスの人為的な排出源・吸収源に関する研究(環境省)
ウ)CO2貯留技術開発事業の状況
CO2貯留技術としては、海洋貯留技術と地中貯留技術がある。
経済産業省の技術開発事業としては、
「二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影
響予測技術開発」と「二酸化炭素地中貯留技術研究開発」が実施されてい
る。
他省においては、海洋利用の側面から以下のような研究開発が実施されて
いる。
・回収二酸化炭素の深海底貯留法の評価に関する研究(国土交通省)
・二酸化炭素深海貯留のための新投入システム COSMOS の開発に関する研究
(国土交通省)
COSMOS(CO2 Sending Method for Ocean Storage)とは、液化させた40℃程度のCO2を、深さ 500m程の海中から深海底へ自由降下させる新投
入法のことをいう。経済産業省で実施されている海洋隔離に伴う環境影響予
測も、CO2液滴を海洋中深層に放出することを想定している点では同じで
ある。ただし、海洋中深層で上昇する液滴を海中に溶解させる方法(経済産
業省)と深海底にクラスレートとして貯蔵する方式(COSMOS)という違
いがある。
2.57
エ)CO2モニタリング技術
温暖化の現象解明の基礎となる二酸化炭素のモニタリング技術については、
以下のような観測システムの整備が進められている。
・成層圏プラットホームに関する研究開発(文部科学省、総務省)
・地球規模の高度海洋監視システム(ARGO 計画)
(文部科学省、国土交通省)
3)二酸化炭素以外の温室効果ガス対策技術
この分野については、二酸化炭素のような具体的な分離・除去・貯留といった側面
からの研究ではなく、メタン、N2Oを対象とした発生量の推定と対策手法に関する
研究が中心となっている。
・ 西シベリア大低地におけるメタンフラックスの年変動と将来予測に関する研究
(環境省)
・ リモートセンシングとモデリングによる西シベリア低地からのメタン発生量推定
に関する研究(環境省)
・ 地球温暖化制御のためのメタン、N2Oの対策技術と評価に関する研究(環境
省)
4)代替フロン等対策技術、オゾン層保護対策分野
具体的な代替物質の開発や分解に関する技術開発は経済産業省が中心となっており、
他省の研究開発プロジェクトの件数はあまり多くない。
・フロン破壊モデル事業(環境省)
・電解法によるフロン-12 のテトラフルオロエチレンへの変換(文部科学省)
・衛星データ等を活用したオゾン層破壊物質の解明及びモデル化に関する研究
(環境省)
5)その他の研究開発
1)∼4)はCO2の固定や具体的な代替フロンの開発に関するものであるが、文部科学
省の科学研究費(特定領域研究)においては、気候変動に関するその他の研究が実施
されている。
特定領域研究は、その研究領域が我が国の学術研究分野の水準向上・強化につながる
2.58
ものや、環境問題・難病克服など地球規模での取り組みが必要なもの、社会的要請
が特に強いものを対象に予算を配分することを目的としており、AとBとの2種類が
ある。研究費の総額は特定領域研究Aの場合、概ね単年度当たり2∼6億円程度、特
定領域研究Bの場合、単年度当たり概ね2千万円∼2億円程度となっている。
◇特定領域研究A「対流圏化学グローバルダイナミクス」
(H10∼12)
特定領域研究Aでは、定められたテーマのもとで事前計画に基づいて実施される研
究(概ね一件当たり 1000 万円以上)と公募により実施される研究(一件当たり百∼
数百万円程度)とがある。平成 12 年度に採択された計画型の研究課題は次の4件
(総額 145,300 千円)である。
・ 対流圏化学とオゾン収支
・ 温室効果気体の変動と循環のダイナミクス
・ アジア・太平洋地域でのエアロゾルの変動と放射への影響
・ 対流圏におけるハロゲンの化学と循環
◇ 特定領域研究B
特定領域B(平成 12 年度)では次のような関連研究が実施されている。全般的に見
ると一件当たりの研究予算はAよりも少ない。
・ 北極域における気候・環境変動の研究(5件、57,300 千円)
・ 成層圏力学過程とオゾンの変動およびその気候への応用(6件、95,000 千円)
なお、科学研究費では特定領域研究以外にも一般研究の中で環境科学などの多くの
細目が設けられており、環境分野の研究が行われている。
また、同じく文部科学省の科学技術振興調整費においても、海洋科学、地球科学の
分野を中心に、気候変動に関する国際的な研究が実施されている。
・ 炭素循環に関するグローバルマッピングとその高度化に関する国際共同研究
・ 北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究
・ 風送ダストの大気中への供給量評価と気候への影響に関する研究
これらのプロジェクトは温暖化、オゾン層破壊に関わる基礎的研究として、他省に
おける実用的技術開発のベースになるものと言える。
2.59
③廃棄物、資源循環対策(3R対策)分野における技術開発実施状況
1)3R対策分野全体の事業分布の状況
○他省における実施状況は表 2.2-19 に示すとおりとなっている。農林水産省、国
土交通省、文部科学省を中心にプロジェクトが実施されている。また、その他
にも文部科学省の科学研究費が3R対策関連研究に充当されている。
○他省においても、経済産業省と同様に、リデュース・リユース技術開発に対し
て、リサイクル技術開発の実施が中心となっている。
2)3R対策技術開発事業の状況
a.リサイクル技術開発事業の状況
○リサイクル技術開発事業について、個別の製品、素材毎の状況は以下のよう
になっている。
<製品別>
・容器包装:
農林水産省において、食品容器包装のリサイクル技術の開発が実施されて
いる。経済産業省でもPETボトル、ガラスびん、プラスチック製容器包装
に関するリサイクル技術の開発が実施されており、政府全体として取組がな
されている。
・食品容器包装リサイクル技術開発事業(農林水産省)
・家電製品:
他省においてリサイクル技術開発関連のプロジェクトは実施されていな
い。また、経済産業省においても現在プロジェクトは実施されていない
(ただし、平成10年度終了のプロジェクトが2件実施済みである)
。
・自動車:
他省においてリサイクル技術開発関連のプロジェクトは実施されていない。
また、経済産業省においても現在プロジェクトは実施されていない。よって、
現在、政府全体においてプロジェクトは実施されていないようである。
・パソコン:
他省においてリサイクル技術開発関連のプロジェクトは実施されていない。
また、経済産業省においてもプロジェクトは実施されていない(ただし、リ
ユース技術に関するプロジェクトは1件実施中)
。
2.60
・建設廃材・石こうボード
国土交通省において建築解体廃棄物に関するプロジェクトが1件実施され
ている。経済産業省においても2件のプロジェクトが実施されており、政府
全体として取組がなされている。
・循環型社会の形成に資する建築解体廃棄物等のリサイクル推進に関する調査・研
究(国土交通省、ミレニアムプロジェクト)
・古紙:
他省においてリサイクル技術開発関連のプロジェクトは実施されていない
が、経済産業省において平成12年度で3件のプロジェクトが実施されてお
り、政府全体として取組がなされている。
・紙系廃棄物を原料とする活性炭製造法の開発 等3件(文部科学省、科学研究
費)
・繊維製品:
他省においてリサイクル技術開発関連のプロジェクトは実施されていな
い。また、経済産業省においても現在プロジェクトは実施されていない。
よって、現在、政府全体においてプロジェクトは実施されていないようで
ある。
・その他:
総務省において消火器等に関するプロジェクトが1件実施されている。経
済産業省においてはプロジェクトは実施されていない。
・消火器・防炎物品等のリサイクルの推進(総務省、ミレニアムプロジェクト)
<素材別>
・プラスチック:
文部科学省の科学研究費特定領域研究が平成12年度で1件実施されて
いる。経済産業省においても4件のプロジェクトが実施されており(その
他に平成10年度、11年度終了のプロジェクトが4件実施済)
、政府全体
として取組がなされている。
・再生可能資源からの環境低負荷プラスチックの生産に基づく持続型材料システム
の構造(文部科学省、科学研究費)
・FRP:
国土交通省において廃FRP船に関するプロジェクトが1件実施されて
いる。経済産業省では、現在、関連プロジェクトは実施されていないが、
2.61
平成11年度終了のプロジェクトが1件実施済である。
・廃 FRP 船リサイクルシステム実用化の研究(国土交通省、ミレニアムプロジェ
クト)
・鉄鋼:
文部科学省において超鉄鋼材料に関するプロジェクトが1件実施されて
いる。経済産業省においても1件のプロジェクトが実施されており(その
他に平成11年度終了のプロジェクトが1件実施済)
、政府全体として取組
がなされている。
・リサイクル超鉄鋼材料研究(文部科学省、ミレニアムプロジェクト)
・非鉄金属:
文部科学省においてリサイクル性に優れた合金の開発に関するプロジェ
クトが1件実施されているほか、科学研究費の特定領域研究が平成12年
度で1件実施されている。経済産業省においても2件のプロジェクトが実
施されており(その他に平成11年度終了のプロジェクトが1件実施済)
、
政府全体として取組がなされている。
・リサイクル性に優れた無添加合金製造技術の開発に関する研究(文部科学省)
・高性能マグネシウムの新展開−21世紀の超軽量金属材料−(文部科学省、科学
研究費)
・ガラス:
他省においてリサイクル技術開発関連のプロジェクトは実施されていな
いが、経済産業省では平成12年度で3件のプロジェクトが実施されてお
り、政府全体として取組がなされている。
<廃棄物種類別>
・汚泥:
他省においてリサイクル技術開発関連のプロジェクトは実施されていない。
また、経済産業省でも、現在、関連プロジェクトは実施されていない。
・有機系廃棄物:
農林水産省において、食品廃棄物、畜産廃棄物等に関するプロジェクト
が3件実施されている。また、文部科学省の振興調整費による関連研究が
2件実施されている。経済産業省では、現在、関連プロジェクトは実施さ
れていないが、政府全体として取組がなされている。
・農林水産革新的再資源化技術の実用化(農林水産省、ミレニアムプロジェクト)
・食品産業における生物活性利用等再資源化技術開発事業(農林水産省)
2.62
・環境保全のための家畜排泄物の高度処理・利用技術の確立(農林水産省)
・都市ごみの生分解性プラスチック化による生活排水・廃棄物処理システムの構築
(文部科学省、振興調整費)
・バイオマス有効利用のための高度な微生物制御技術に関する基礎研究(文部科学
省、振興調整費)
・石炭灰(ばいじん、燃えがら)
:
他省においてリサイクル技術開発関連のプロジェクトは実施されていない
が、経済産業省では、平成12年度で1件のプロジェクトが実施されており、
政府全体として取組がなされている。
・鉱さい:
他省においてリサイクル技術開発関連のプロジェクトは実施されていない。
また、経済産業省でも、現在、関連プロジェクトは実施されていない。
<その他>
・建設材料としてリサイクル材の利用:
国土交通省において、港湾構造物へのリサイクル材活用に関するプロジェ
クトが実施されている。
・港湾構造物へのリサイクル材活用開発調査(国土交通省)
b.リデュース・リユース技術開発事業の状況
○リデュース技術開発事業としては、他省においてプロジェクトは実施されて
いない。経済産業省においては、プラスチックに関するプロジェクトが1件
実施されている。
○リユース技術開発事業については、他省においてプロジェクトは実施されて
いない。経済産業省においては、電子・電気製品に関するプロジェクトが1
件実施されている。
c.その他の状況
○適正処理に関する技術開発事業としては、ガス化溶融技術、排ガス処理技術、
処理困難物の適正処理技術などが挙げられる。他省においてプロジェクトは
実施されていない。
○その他に3R全般に対する取組として、ゼロエミッションやエコシステム構
築に関するプロジェクトが文部科学省の科学研究費、振興調整費により実施
されている。
2.63
・ゼロエミッションをめざした物質循環プロセスの構築(文部科学省、科学研究費)
・材料の低環境負荷ライフサイクルデザイン実現のためのバリアフリープロセシン
グ技術に関する研究(文部科学省、振興調整費)
・環境と資源の持続的利用に資する資源循環型エコシステムの構築に関する研究
(文部科学省、振興調整費)
④化学物質管理等分野における技術開発実施状況
1)化学物質管理等分野全体の事業分布の状況
○他省における実施状況は表 2.2-19 に示すとおりとなっている。環境省、農林水
産省、文部科学省、国土交通省等でプロジェクトが実施されている。
○他省においても、経済産業省と同様に、素材・製品開発への資源配分の割合が
小さくなっている。
2)化学物質管理等分野における技術開発事業の状況
a.安全性評価に関する技術開発事業の状況
○安全性評価技術開発事業については、有害化学物質の発生・環境動態の解明、
有害化学物質の測定、化学物質のリスク評価の3分野に大別できるが、各分
野とも、他省においてまんべんなくプロジェクトが実施されている。
ア)有害化学物質の発生・環境動態の解明に関する技術開発事業の状況
有害化学物質の発生・環境動態の解明については、発生メカニズムの解
明と排出インベントリーの作成および有害化学物質の環境中での挙動解明
の2分野に大別される。
発生メカニズムの解明と排出インベントリーの作成については、下水処
理施設での有機有害物質の挙動解明に関する国土交通省のプロジェクトが
1件実施されている。また、経済産業省においてもダイオキシン類を含む
有害化学物質の発生機構解明に関する2件のプロジェクトが実施されてお
り、政府全体として取組がなされている。
・下水道における化学物質のリスクマネジメントに関する調査研究(国土交通省)
有害化学物質の環境中での挙動解明については、環境省、農林水産省に
よるプロジェクトが実施されている。経済産業省におけるプロジェクトは
実施されていないが、政府全体としては取組がなされている。
・東アジア海域における有害化学物質の動態解明に関する研究(環境省)
・東シナ海における長江経由の汚染汚濁物質の動態と生態系影響に関する研究(環
2.64
境省)
・農林水産業における内分泌攪乱物質の動態解明と作用機構に関する総合研究(農
林水産省、ミレニアムプロジェクト)
イ)有害化学物質の測定に関する技術開発事業の状況
有害化学物質の測定については、有害化学物質の自動・簡易計測法の整
備、生物機能利用測定手法(バイオアッセイ等)の整備、有害化学物質の
モニタリング技術の3分野に大別される。
有害化学物質の自動・簡易計測法の整備については、環境省が環境ホル
モン戦略計画SPEED’98の中で内分泌攪乱化学物質の簡易測定法の
開発等を実施している。また、経済産業省においても微量化学物質の簡易
な分析手法の開発に関するプロジェクトが1件実施されており政府全体と
して取組がなされている。
・環境ホルモン戦略計画 SPEED'98(環境省)
・ダイオキシン類・環境ホルモン等の化学物質による環境リスクの積極的制御(環
境省、ミレニアムプロジェクト)
生物機能利用測定手法(バイオアッセイ等)の整備については、環境省
が環境ホルモン戦略計画SPEED’98の中で生物を利用した内分泌攪
乱作用のスクリーニング手法の開発等を実施している。また、経済産業省
においても生物機能を利用した微量化学物質の高感度・安価な測定技術の
開発に関するプロジェクトが1件実施されており、政府全体として取組が
なされている。
・環境ホルモン戦略計画 SPEED'98(環境省)
有害化学物質のモニタリング技術については、バイオモニタリングや環
境省によるプロジェクトが2件実施されている。経済産業省におけるプロ
ジェクトは現在実施されていないが、政府全体としては取組がなされてい
る。
・バイオモニタリングに効果的な水生生物の開発と試験法に関する研究(環境省)
・ダイオキシン類・環境ホルモン等の化学物質による環境リスクの積極的制御(環
境省)
ウ)化学物質のリスク評価に関する技術開発事業の状況
化学物質のリスク評価については、健康影響評価、生態系影響評価の2
分野に大別される。
2.65
健康影響評価については、環境省、農林水産省で関連研究が実施されているほか、
文部科学省の振興調整費で関連研究が1件実施されている。また、経済産
業省においても2件のプロジェクトが実施されており、政府全体として取
組がなされている。
・環境有害因子の健康影響評価に関する研究(環境省)
・農薬内分泌攪乱影響判別技術確立事業(農林水産省、ミレニアムプロジェクト)
・内分泌かく乱物質による生殖への影響とその作用機構に関する研究(文部科学省、
振興調整費)
生態系影響評価については、環境省、農林水産省で関連研究が実施され
ているほか、文部科学省の振興調整費で関連研究が1件実施されている。
経済産業省におけるプロジェクトは実施されていないが、政府全体として
は取組がなされている。
・東シナ海における長江経由の汚染汚濁物質の動態と生態系影響に関する研究(環
境省)
・環境ホルモン戦略計画 SPEED'98(環境省)
・内分泌攪乱物質等漁業影響調査(農林水産省、ミレニアムプロジェクト)
・ダイオキシン類等漁業影響調査(農林水産省、ミレニアムプロジェクト)
・農林水産業における内分泌かく乱物質の動態解明と作用機構に関する総合研究
(農林水産省、ミレニアムプロジェクト)
・内分泌かく乱物質による生殖への影響とその作用機構に関する研究(文部科学省、
振興調整費)
b.素材・製品開発に関する技術開発事業の状況
○素材・製品開発に関する技術開発事業については、有害化学物質使用削減技
術、シックハウス対策の2分野に大別できる。
ア)有害化学物質使用削減技術に関する技術開発事業の状況
有害化学物質使用削減技術については、他省においてプロジェクトは実
施されていない。また、経済産業省でも関連プロジェクトは実施されてい
ない。
イ)シックハウス対策に関する技術開発事業の状況
シックハウス対策については、国土交通省のプロジェクトが1件、文部
科学省の振興調整費で関連研究が1件実施されている。また、経済産業省
においても関連プロジェクトが1件実施されており、政府全体として取組
がなされている。
2.66
・シックハウス対策技術の開発(国土交通省)
・室内化学物質空気汚染の解明と健康・衛生居住環境の開発に関する研究(文部科
学省、振興調整費)
c.回収・無害化・浄化に関する技術開発事業の状況
○回収・無害化・浄化に関する技術開発事業については、有害化学物質の除
去・無害化技術、土壌・地下水の汚染修復技術、大気汚染防止技術、水質汚
濁防止技術の各分野に大別できる。
ア)有害化学物質の除去・無害化技術に関する技術開発事業の状況
有害化学物質の除去・無害化技術については、ダイオキシン・PCB等
の除去・無害化技術、農薬、環境ホルモンの除去・無害化技術、その他有
害化学物質の除去・無害化技術の各分野に大別できる。
ダイオキシン除去・無害化技術については、国土交通省のプロジェクト
が1件実施されている。また、経済産業省においても5件のプロジェクト
が実施されており、政府全体として取組がなされている。
・建設分野におけるダイオキシン等汚染対策調査及び技術開発(国土交通省、ミレ
ニアムプロジェクト)
PCB除去・無害化技術については、環境省で1件のプロジェクトが実
施されている。経済産業省においても1件のプロジェクトが実施されてお
り、政府全体として取組がなされている。
・PCB5 割無害化技術導入(環境省、ミレニアムプロジェクト)
農薬、環境ホルモンの除去・無害化技術については、文部科学省で1件、
農林水産省で1件のプロジェクトが実施されている。経済産業省における
プロジェクトは実施されていないが、政府全体としては取組がなされてい
る。
・有害化学物質除去触媒の探索・育成(文部科学省、ミレニアムプロジェクト)
・食品中の微量物質制御等安全性確保技術の開発(農林水産省)
重金属等のその他有害物質の除去・無害化技術については、文部科学省
で1件のプロジェクトが実施されている。経済産業省においても超臨界水
利用技術とガス化溶融技術に関するプロジェクトが実施されており、政府
全体としては取組がなされている。
・資源循環型社会を指向する環境低負荷型の新材料研究開発(文部科学省)
2.67
超臨界水利用技術については、他省においてプロジェクトは実施されていないが、
経済産業省において1件プロジェクトが実施されており、政府全体として
取組がなされている。
ガス化溶融技術については、他省においてプロジェクトは実施されてい
ないが、経済産業省において1件のプロジェクトが実施されていおり、政
府全体として取組がなされている。
イ)土壌・地下水の汚染修復技術に関する技術開発事業の状況
土壌・地下水の汚染修復技術に関しては、修復技術別にはバイオレメ
ディエーション、物理的浄化法、化学的浄化法の各分野に大別できる。
環境省において汚染土壌修復技術全般に関する研究が実施されているほ
か、バイオレメディエーションについては、経済産業省においても平成1
2年度に1件のプロジェクトが実施されており、政府全体として取組がな
されている。
・ダイオキシン類汚染土壌浄化技術等の実証調査(環境省)
ウ)大気汚染防止技術に関する技術開発事業の状況
大気汚染防止技術については、他省においてプロジェクトは実施されて
いないが、経済産業省においてダイオキシン類の排ガス処理に関するプロ
ジェクトが3件実施されている。
エ)水質汚濁防止技術に関する技術開発事業の状況
水質汚濁防止技術については、農林水産省のプロジェクトが1件実施さ
れている。経済産業省においても坑廃水の処理技術に関するプロジェクト
が2件実施されている。
・有用植物の水質浄化特性の解明による資源循環型水質浄化技術に関する研究(農
林水産省)
⑤生産プロセス革新技術等の分野における技術開発実施状況
この分野に属する技術には次のようなものがある。
○環境調和型バイオプロセス技術
・バイオマスの原燃料利用
・有機性廃棄物の再資源化→リサイクルで検討
・生分解性プラスチック(グリーンプラ)
2.68
・バクテリア・リーチング
・大気汚染防止、排水処理等への利用
・バイオレメディエーション→化学物質のリスク極小化・管理で検討
・生物利用CO2固定→温暖化で検討・
○新規化学プロセス技術
・光触媒利用技術
・超臨界利用技術
・新規化学合成プロセス
これらの分野に属する技術は、具体的な工業プロセスや化学物質に関わるものが多い
ことから経済産業省が主体となっていると考えられる。ただし、文部科学省の振興調
整費では、次のような関連研究が実施されている。その他にも科学研究費による研究
がいつくか実施されている。文部科学省の研究は実際の産業プロセスというよりも、
より基礎研究段階のものが多いと考えられる。
・新規微生物酵素による希少糖類生産システムの開発とこれらを用いたもみがら等の
地域未利用資源の有効活用に関する基礎研究
・こめぬかを原料とする環境に適合した有機工業化学に関する基礎研究
・カビの酵素高生産能を活用した環境調和型工業プロセス技術の基盤研究
⑥環境モニタリングシステムの整備
環境モニタリングシステムの整備は各省において、それぞれ管轄する業務に関連す
る以下のようなプロジェクトが実施されている。
○大気の観測システムの整備
地球フロンティア研究システム(文部科学省)
成層圏プラットホームの構築に関する研究(文部科学省、総務省)
地球大気成分の衛星観測データ処理アルゴリズムに関する研究(環境省)
地球規模の高度海洋監視システム(ARGO 計画)の推進(文部科学省)
地球規模の高度海洋監視システム(ARGO 計画)による気候予知の推進(国土交
通省)
○生態系の観測システムの整備
サンゴ礁生物モニタリング手法の開発に関する研究(環境省、農林水産省)
衛星リモートセンシングと結合した植物構造動態モデルによる植物群集変動の推定
システムの開発(農林水産省)
2.69
○その他基盤整備
環境データ解析のための統計的手法に関する研究(環境省)
短波長ミリ波帯電磁波による地球環境計測技術の研究(国土交通省)
光領域アクティブセンサーによる地球環境計測技術の研究開発(国土交通省)
高分解能3次元マイクロ波映像レーダによる地球環境計測予測技術の開発(国土交
通省)
⑦生態系・生物多様性保全
生態系・生物多様性保全に関する研究は経済産業省では実施されておらず、環境省
を中心に以下のようなプロジェクトが実施されている。いずれも生態学的視点などに
もとづく基礎的な研究が多い。
湖沼沿岸帯に生息する底生生物の生息環境に関する研究(環境省)
湖沼の植物プランクトンに及ぼす様々な環境ストレスの影響(環境省)
高山域に分布する植物の環境適応性に関する研究(環境省)
温帯林野生植物の環境反応性に関する研究(環境省)
植物の生理生体機能の画像診断法に関する研究(環境省)
河川流下過程の水質変化と水域影響評価に関する研究(環境省)
サンゴ礁生物多様性モニタリング手法の開発に関する研究(環境省)
生態系の構造計測手法に関する研究計測(環境省)
スケーリングによる広域生態系の構造評価手法に関する研究(農林水産省)
衛星リモートセンシングと結合した植物構造動態モデルによる植物群集変動の推定
システムの開発(農林水産省)
海洋生態系の解明(生物多様性を含む)
(農林水産省)
草地・牧野林などの活用による生態系保全型肉用牛放牧技術の開発(農林水産省)
サンゴ礁生態系の生物多様性構造の解明に関する研究(農林水産省)
生態系の保全・生息空間の創造技術の開発(国土交通省)
陸域生態系の地球環境変化に対する応答の研究(文部科学省、科学研究費)
2.70
表2.2-19 経済産業省以外の関係省の技術開発実施状況一覧表(1/2)
中目標
地球温暖化を抑制する経
済社会の実現
小目標
①温室効果ガスの回収・固定
化・有効利用(Recovery &
Stock)
環境省
文部科学省
農林水産省
森林における二酸化炭素
収支に関する研究【0.94、
−】
温室効果ガスの人為的な 光合成科学研究(H11、
排出源・吸収源に関する 0,35)
研究
国土交通省
厚生労働省
総務省
回収二酸化炭素の深海底
貯留法の評価に関する研
究(H11年度、0.13)
二酸化炭素深海貯留のた
めの新投入システム
COSMOSの開発に関する
研究(H11年度、0.26)
西シベリア大低地における
メタンフラックスの年変動と
将来予測に関する研究
【0.2、−】
②温室効果ガス排出の最小化 衛星データ等を活用したオ 成層圏プラットホームの構
成層圏プラットホームの構
築に関する研究【13.4、
12.5】
ゾン層破壊物質の解明及 築に関する研究【5.3、-】
びモデル化に関する研究
③温室効果ガスを出さないエネ
ルギー源等の利用
→エネルギー分野で検討
資源の有効利用と廃棄物 ④天然資源利用・廃棄物の発
の減量化をしつつ資源循環 生抑制(Reduce)
を図る経済社会の実現
⑤製品又は部品の再使用促進
(Reuse)
⑥廃棄物・副産物の原材料や
エネルギーとしての再生利用
(Recycle)
リモートセンシングとモデリ 地球規模の高度海洋監視
ングによる西シベリア低湿 システム(ARGO計画)
地からのメタン発生量推定 【6、-】
に関する研究(H11年度ま
で)
地球温暖化制御のための
CH4、N2Oの対策技術と評
価に関する研究【1.04、−】
フロン破壊モデル事業評
価調査【0.3、0.3】
地球規模の高度海洋監視
システム(ARGO計画)
【4.4、0.3】
リサイクル性に優れた無
添加合金製造技術の開発
に関する研究(H11年度、
0.26)
リサイクル超鉄鋼材料研
究【7.4、7.3】
食品産業における生物活 廃FRP船リサイクルシステ
性利用等再資源化技術開 ムの実用化の研究【1.3、
発事業(H10年度、0.91) 1.1】
環境保全のための家畜排
泄物の高度処理・利用技
術の確立(H10年度、3.1)
リサイクル・有害物質除去 農林水産革新的再資源化
関連研究の推進【5、-】
技術の実用化【11、-】
食品容器包装リサイクル
技術開発事業(H10年度、
2.0)
⑦3R技術
⑧廃棄物の適正処理
2.71
港湾構造物へのリサイク
ル材活用開発調査【16.6
の内数、−】
循環型社会の形成に資す
る建築解体廃棄物等のリ
サイクル推進に関する調
査・研究【0.7、-】
消火器防災物品等のリサ
イクルの推進【0.9、-】
表2.2-19 経済産業省以外の関係省の技術開発実施状況一覧表(2/2)
中目標
小目標
環境省
文部科学省
⑨化学物質の安全性の評価・ 東アジア海域における有
化学物質のリスクを極小
化・管理する経済社会の実 管理に係る技術基盤の整備・ 害化学物質の動態解明に
確立
現
関する研究(H11、0.41)
農林水産省
食品中の微量物質制御等
安全性確保技術の開発
【2.5、-】
農林水産業における内分
泌攪乱物質の動態解明と
作用機構に関する総合研
究【6.6、6.6】
農薬内分泌攪乱影響判別
技術開発事業【0.1、-】
内分泌攪乱物質等漁業影
響調査【0.2、-】
東シナ海における長江経
由の汚染汚濁物質の動態
と生態系影響に関する研
究【0.72、ー】
環境ホルモン戦略計画
SPEED'98【13.9、12.6】
バイオモニタリングに効果
的な水生生物の開発と試
験法に関する研究(H11ま
で)
ダイオキシン類・環境ホル
モン等の化学物質による
環境リスクの積極的制御
【26、-】
環境有害因子の健康影響
評価に関する研究
国土交通省
厚生労働省
総務省
下水道における化学物質 アスベスト代替鉱物繊維
のリスクマネジメントに関 のリスク評価のための研
する調査検討【0.7、0.3】
究(H10まで)
河川における環境ホルモ
ン等実態調査及び対策検
討経費【0.4、−】
ダイオキシン類等漁業影
響調査【0.2、-】
⑩環境負荷の少ない化学物質
及び製品への転換(Replace)
シックハウス対策技術の
開発【0、2.4】
⑪有害化学物質の回収・無害 PCB5割無害化技術導入 有害化学物質除去触媒の 有用植物の水質浄化特性 建設分野におけるダイオ
化・浄化
【6、-】
探索・育成【2.2、2.2】
の解明による資源循環型 キシン等汚染対策調査及
水質浄化技術に関する研 び技術開発【2.5、0.4】
究(H11年度、0.14)
環境フロンティア技術の開 リサイクル・有害物質除去
発・実証・普及
関連研究の推進【5、-】
ダイオキシン類総合調査
費【2.5、−】
資源循環型社会を指向す
る環境低負荷型の新材料
研究開発
3つの中目標の達成に共通 ⑫資源・エネルギー投入及び
廃棄物・有害化学物質の排出
な技術開発課題
の最小化を図るためのシステ
ムの抜本的改革
⑬ライフサイクルアセスメント技
術等評価手法・評価結果の提
示
⑭環境分野の知的基盤の整備 地球大気成分の衛星観測 地球フロンティア研究シス サンゴ礁生物モニタリング 短波長ミリ波帯電磁波に
とその活用
データ処理アルゴリズムに テム【35、36】
手法の開発に関する研究 よる地球環境計測技術の
関する研究(H11年度ま
(H11年度まで)
研究(H11、0,5)
で)
サンゴ礁生物モニタリング 成層圏プラットホームの構 衛星リモートセンシングと 光領域アクティブセンサー
成層圏プラットホームの構
手法の開発に関する研究 築に関する研究【12、18】 結合した植物構造動態モ による地球環境計測技術
築に関する研究【12.5、
(H11年度まで)
デルによる植物群集変動 (H11、0.36)
13.4】
の推定システムの開発(H
11年度まで)
環境データ解析のための
高分解能3次元マイクロ波
統計的手法に関する研究
レーダによる地球環境計
(H11年度まで)
測予測技術の開発【1.33、
−】
(注:他省のプロジェクトのうち、産業技術戦略の小目標に該当するものを整理した。本表は必ずしも網羅的なものではなく、H13年度から新規に開始されたプロジェクトなど、この表に掲げられていないものもある。)
:ミレニアムプロジェクト
【】内は【平成12年度予算額、平成13年度予算額】、単位は億円、-:不明
一部のプロジェクトについてはそれ以前の予算額を記した。
2.72
表2.2-20 科学技術振興調整費(環境関連分野)
テーマ
課題名
温暖化
温暖化
温暖化
3R
炭素循環に関するグローバルマッピングとその高度化に関する国際共同研究
北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究
風送ダストの大気中への供給量評価と気候への影響に関する研究
材料の低環境負荷ライフサイクルデザイン実現のためのバリアフリープロセシング技術に関す
る研究
環境と資源の持続的利用に資する資源循環型エコシステムの構築に関する研究
都市ごみの生分解性プラスチック化による生活排水・廃棄物処理システムの構築
バイオマス有効利用のための高度な微生物制御技術に関する基礎研究
内分泌かく乱物質による生殖への影響とその作用機構に関する研究
室内化学物質空気汚染の解明と健康・衛生居住環境の開発に関する研究
新規微生物酵素による希少糖類生産システムの開発とこれらを用いたもみがら等の地域未利
用資源の有効活用に関する基礎研究
こめぬかを原料とする環境に適合した有機工業化学に関する基礎研究
カビの酵素高生産能を活用した環境調和型工業プロセス技術の基盤研究
3R
3R
3R
化学物質
化学物質
生産プロセス
生産プロセス
生産プロセス
計
H12年度予算
(百万円)
344
276
264
321
251
221
90
263
209
89
97
83
2,508
表2.2-21 科学技術研究費<特定領域研究>(環境関連分野)
テーマ
課題名
温暖化
温暖化
温暖化
3R
3R
3R
化学物質
生態系
対流圏化学グローバルダイナミクス
北極域における気候・環境変動の研究
成層圏力学過程とオゾンの変動およびその気候への応用
ゼロエミッションをめざした物質循環プロセスの構築
再生可能資源からの環境低負荷プラスチックの生産に基づく持続型材料システムの構造
高性能マグネシウムの新展開−21世紀の超軽量金属材料−
地球環境問題の解決を目指したグローバルな視点に立った石炭利用技術の開発
陸域生態系の地球環境変化に対する応答の研究
H12年度予算
(百万円)
161
57
95
140
90
113
106
68
計
2.73
830
(b)民間部門の環境分野における技術開発実施状況について
①環境分野全体の技術開発実施状況
○環境分野の技術開発は次のように大別できる。
民間分野では、廃棄物・資源循環分野、化学物質対策分野、生産プロセス革
新分野が企業の事業活動に直接関係することから、これらの分野について研究
開発が進められている。
地球温暖化対策分野については、二酸化炭素対策、オゾン層保護対策関連で
研究開発が行われている。ただし、新エネルギー・省エネルギーといった二酸
化炭素排出削減に関するものについては、エネルギー分野で別途検討するため、
ここでは割愛した。
生態系・生物多様性関連分野については事業活動に直接関係するテーマが少
ないことから、民間企業での研究はあまり実施されていない。
・地球温暖化対策分野
・廃棄物、資源循環対策分野
・化学物質管理等分野
・生産プロセス革新技術等分野
・LCA技術開発分野
・生態系・生物多様性関連分野
②地球温暖化対策分野における技術開発実施状況
1)地球温暖化対策分野全体の技術開発事業の状況
地球温暖化対策分野において実施されている技術開発は次の4分野に大別され
る。
①二酸化炭素の分離・回収、固定化・有効利用、貯留技術
②二酸化炭素以外の温室効果ガス対策技術
③代替フロン等の新規代替物質開発等
④オゾン層保護対策技術
ア)CO2分離・回収技術開発事業の状況
CO2分離・回収技術については、民間企業では大規模なプロジェクトは
ほとんど実施されておらず、以下のような要素技術レベルの研究が多い。
2. 74
表 2.2-22 CO2分離・回収に関する技術開発例
技術開発テーマ
CO2分離用カルド型ポリ
マー膜の開発
CO2からのメタノール合成
触媒の開発
高温CO2分離用シリカ膜、
ゼオライト膜の開発
開発主体
住友電気工業
高温CO2吸収セラミックス
東芝
川崎重工業他
京セラ、ノリタケカンパニーリミ
テッド
また、これらの研究の多くは NEDO のプロジェクトなどの一部として実施
されたものとなっている。
イ)CO2固定化・有効利用技術開発事業の状況
CO2固定化・有効利用技術としては、物理的固定技術、化学的固定技術、
生物利用固定技術等があるが、いずれもある程度の二酸化炭素を固定する
ためには、プロジェクトの規模が大きくなる。このような要因を反映して、
この分野では民間企業による独自の研究開発はあまり実施されておらず、
NEDO プロジェクトなどの一部として実施されているのが大部分である。
民間レベルの研究としては次のようなものがある。
・石炭火力発電所排ガスからの二酸化炭素除去装置(三菱重工)
・バイオマス発酵メタンとCO2からの炭素合成技術(サッポロビール、島津
製作所)
ウ)CO2貯留技術開発事業の状況
この分野についても、民間企業での研究例はあまり多くないと考えられる。
3)二酸化炭素以外の温室効果ガス対策技術
この分野についても、民間企業での研究例はあまり多くないと考えられる。
4)代替フロン等対策技術、オゾン層保護対策分野
代替フロン等対策技術としては、代替フロン等の使用量削減を目的とした新規代替
物質等の開発、代替プロセス等の開発を中心に、民間企業においていくつかの技術開
発がなされている。
2. 75
・オゾン層破壊係数ゼロの冷媒によるエアコンの開発等(松下電器産業 エア
コン社)
・CFC−113の代替製品AK−225の開発(旭硝子)
・プリント基板無洗浄はんだ付け工法の開発(NEC)
・冷媒用フロンの効率的回収機の開発(中島自動車電装)
・特定フロン類の破壊処理システムの開発(アイ・シー・アイ帝人フロロケミ
カル)
③廃棄物、資源循環対策(3R対策)分野における技術開発実施状況
1)3R対策分野全体の事業分布の状況
○3R対策分野において実施されている技術開発は次の3分野に大別される。
①リサイクル技術開発
②リデュース技術開発
③リユース技術開発
2)3R対策技術開発事業の状況
a.リサイクル技術開発事業の状況
○リサイクル技術については、民間企業において多数の研究が実施されている
(表 2.2-23 参照)
。製品、素材、廃棄物種類別の実施状況は以下に示すとおり
である。
<製品別>
・容器包装:
容器包装のリサイクル技術開発については、政府として取組がなされて
いるが、民間企業においても以下に示すような多数の技術開発が行われて
いる。
・PET ボトルからのポリエステル原料の回収(帝人(株)
)
・容器包装プラスチックの樹脂別分別によるリサイクルコンパウンド原料化
(
(株)福田商会)
・カレットを利用したエコロジーボトルの開発(
(株)日本山村硝子)
・飲料用紙容器の高強度の段ボールへの再生(大和板紙(株)
) 等
・家電製品:
家電製品のリサイクル技術開発については、現在、政府としての取組は
あまりなされていないが、家電メーカー、素材メーカー等の民間企業にお
いて家電リサイクル法の施行に向けた取組がなされている。ただし、技術
開発ではなく、既存の技術を組み合わせたシステムづくりに重点が置かれ
2. 76
ているようである。
・部品実装プリント基板からの部品、銅および樹脂の回収(
(株)NEC)
・家電製品の機械分解・フロン焼却処理システムの開発(
(株)タクマ)
・コピー機等の感光体ドラムの再生技術の開発(㈱リスコビジネス)
・自動車:
自動車のリサイクル技術開発については、現在、政府として取組はなさ
れていないが、民間企業においてシュレッダーダストに関する技術開発が
いくつか行われている。
・廃自動車の解体、シュレッダー処理による金属及びガラスの回収(中田屋
(株)
)
・廃自動車シュレッダーダストの発泡ウレタンの利用(トヨタ自動車(株)
)
・廃自動車および廃家電のシュレッダーダストの乾留による非鉄金属の回収
(
(株)三菱マテリアル)
・パソコン:
パソコンのリサイクル技術開発については、現在、政府としての取組は
あまりなされていないが、民間企業においていくつか取組がなされている。
・部品実装プリント基板からの部品、銅および樹脂の回収(
(株)NEC)
・液晶ガラスパネルのリサイクル(
(株)シャープ)
・建設廃材・石こうボード
建設廃材のリサイクル技術開発については、政府として取組がなされて
いるが、民間企業においても多数の技術開発が行われている。
・建築廃木材の再利用による軽量木質系材料の開発(大建工業(株)
)
・廃アスファルト多数回再生技術(補助添加剤使用)
(㈱青森クリーンセンター)
・廃電柱を再利用した土留め擁壁工法(㈱サンセト)
・ウレタン発泡断熱材をリサイクルした屋根下地モルタル軽量骨材(宇部興産
(株)
) 等
・古紙:
古紙のリサイクル技術開発については、政府として取組がなされている
が、民間企業においても多数の技術開発が行われている。
・古紙の溶融処理によるパルプモールド生産技術の開発(栗原紙材㈱)
・古紙・ごみ焼却灰・下水汚泥を混合した建材ボードの開発(
(株)建材テクノ研
究所)
・古紙をリサイクルしたセラミック炭の開発(ナカタ技研㈱)
・牛乳パックのリサイクル原紙を利用した電子レンジ対応紙トレーの開発(㈱尚
2. 77
山堂) 等
・繊維製品:
繊維製品のリサイクル技術開発については、現在、政府として取組はな
されていない。民間企業において衣料のリサイクルに関していくつか取組
がなされているが、布団やカーペットについて取組は少ないようである。
・羊毛衣料の反毛化によるモップ、クロス等への再生(トーア紡(株)
)
・ポリエステル衣料の繊維、プラスチック製品への再生(帝人(株)
)
・使用済み衣料の固形燃料としての利用(クラレ(株)
)
・使用済み布団の回収・燃料化(クラレ(株)
) 等
・その他:
その他にも民間企業では、廃パチンコ台、廃タイヤ、電池、蛍光灯など
の製品についてリサイクル技術の開発が行われている。
・廃パチンコ台の固形燃料化(秩父小野田(株)
)
・リチウム−コバルトイオン二次電池を原料とするリチウム・コバルト化合物の
回収プロセスの開発(アサカ理研工業㈱)
<素材別>
・プラスチック:
プラスチックのリサイクル技術開発については、政府として取組がなさ
れているが、民間企業においても以下に示すような多数の技術開発が行わ
れている。
・廃プラスチック接触分解による水素化学原料へのリサイクル(石川島播磨重工
業(株)
)
・ポリエチレンのモノマー化装置の開発(東芝プラント建設(株)
)
・ポリスチレン系樹脂廃材の化学的改質による資源化(
(株)ソニー)
・廃プラスチックの粉体燃料化技術の研究開発(三井造船(株)
) 等
・FRP:
FRPについては廃船と浴槽が主たる廃棄物となるが、政府では廃船を
対象としたリサイクル技術開発が行われている。一方、民間企業において
は、以下に示すように浴槽等を対象とした技術開発が中心に行われている
ようである。
・FRP成型加工技術及び廃棄物リサイクルの研究(
(株)INAX)
・FRP浴槽の粉粒体化によるモルタル瓦、コンクリート骨材への再利用(
(株)
クボタ)
・廃FRP浴槽のリサイクル(積水化学工業㈱)
2. 78
・FRPからメタノールを回収し発電するシステム(三菱重工業㈱)
・鉄鋼:
鉄鋼のリサイクル技術開発については、政府として取組がなされている。
民間企業における技術は既に事業化されているものが多く、純粋な意味で
の技術開発はあまり行われていないようである。
・鉄くずを製鉄原料・鉄筋棒鋼板にリサイクルする事業(旭光商事(株)
)
・非鉄金属:
非鉄金属のリサイクル技術開発については、政府として取組がなされて
いるが、民間企業においてもいくつかの技術開発が行われている。
・アルミ鋳物低品位スクラップを高純度アルミ合金に再生する技術(本田技研工
業(株)
、古河電機工業(株)
)
・マグネシウム合金切削屑の溶解しないリサイクル技術(
(株)マツダ)
・ガラス:
ガラスのリサイクル技術開発については、政府として取組がなされてい
るが、民間企業においても多数の技術開発が行われている。
・発泡ガラス材を用いた道路斜面の緑化(日本建設技術(株)
)
・ガラス廃棄物の陶磁器原料化(クリスタルクレイ(株)
)
・廃ガラスを用いた高強度超軽量骨材の製造(
(株)サンライト) 等
<廃棄物種類別>
・汚泥:
汚泥のリサイクル技術開発については、現在、政府としてあまり取組は
なされていないが、民間企業において下水汚泥、建設汚泥を中心に以下に
示すような多様な用途への技術開発が行われている。
・下水汚泥の高品質コンポスト化(栗田工業(株)
)
・建設汚泥溶融スラグの細骨材としての再資源化(川崎重工業(株)
)
・汚泥の化学工業用原料化(宇部興産(株)他) 等
・有機系廃棄物:
有機系廃棄物のリサイクル技術開発については、政府として取組がなさ
れているが、民間企業においても多数の技術開発が行われている。
・醤油かすのコンポスト化(
(株)フジタ)
・コーヒー豆廃棄物の活性炭原料としての再利用(
(株)小島製作所)
・樹木剪定枝の堆肥化(荏原製作所(株)
)
・生ごみの高速堆肥化(
(株)日本製鋼所機械研究所) 等
2. 79
・ばいじん、燃えがら:
ばいじん、燃えがらのリサイクル技術開発については、政府として取組
がなされているが、民間企業においても以下に示すような多数の技術開発
が行われている。
・電気炉ダスト・アルミドロスの金属精錬用添加剤としての再資源化(
(財)金属
系材料研究開発センター)
・鉱さい:
鉱さいのリサイクル技術開発については、現在、政府としてあまり取組は
なされていないが、民間企業において以下に示すようないくつかの取組がな
されている。
・溶さい(アルミドロス)から効率よくアルミを回収する技術(
(株)神戸製鋼所、
(株)東京電力)
・マンガン鉱滓をセメント原料としてリサイクルする技術(
(株)東ソー)
・ごみ溶融スラグを利用した保水性セラミックの建材への利用(川崎製鉄(株)
他)
・シュレッダーダスト:
シュレッダーダストのリサイクル技術開発については、先述したように自
動車シュレッダーダストに関する技術開発が実施されている。
<その他>
・建設材料としてリサイクル材の利用:
建設材料としてのリサイクル材の利用に関する技術開発については、政府
として取組がなされているが、民間企業においても以下に示すようないくつ
かの取組がなされている。
・汚泥などに含まれる重金属類を固化し閉じこめ土木用資源として再利用可能にす
る硬化剤の開発(
(株)サンヨーテック)
b.リデュース・リユース技術開発事業の状況
○リデュース技術開発事業に関する民間企業での取組事例は以下に示すとおり
である。容器包装リサイクル法に対応した軽量化への取組が行われているほ
か、各種製品の軽量化・省資源化が進められている。
・極薄ブリキ鋼鈑、高強度薄鋼鈑の開発(新日本製鐵(株)
)
・タルク缶(鋼鈑に PET フィルムを圧着させて成形するため、製造工程における品質
劣化防止の溶剤が不要)の開発(東洋製罐(株)
)
2. 80
・薄肉化、内容物のコンパクト化による容器の軽量化(
(株)ライオン)
・容器包装の部材削減・素材変更による減量化、押しつぶし・折り畳み等による減容化
(大日本印刷(株)
)
・環境適合設計アセスメント指針の策定(
(株)日立製作所)
○リユース技術開発事業に関する民間企業での取組事例は以下に示すとおりで
ある。特に、自動車、OA機器、レンズ付きフィルムなどの製品に対する取
組事例が多く見られる。
・使用済み自動車の部品リユースのための効率的な解体方法の実証研究(日産自動車
(株)
、啓愛社NMB(株)
)
・音響放射計測を利用した複写機モーターの判別(
(株)富士ゼロックス)
・ワイブル解析、特性分析等を用いた複写機部品の余寿命予測((株)富士ゼロック
ス)
・レンズ付きフィルムのユニット化、共通部品の使用、自動化設計((株)富士写真
フィルム)
・紙やOHPシートに代わる、再使用可能なリユーザブルメディアの開発((株)ミノ
ルタ)
c.その他の状況
○その他にも上記3R技術を組み合わせた製造工程のゼロエミッション化が
ビール工場をはじめ各種工場で進められている。
・アサヒビール(全工場)
・本田技研工業(鈴鹿製作所、狭山工場)
・松下通信工業(佐江戸工場)
・ライオン(東京工場)
等
○廃棄物の適正処理に対する取組としては、ガス化溶融炉の開発がある。ス
トーカ式、シャフト炉式、キルン式、流動床式等の各種方式に関してプラン
トメーカーを中心とする20社以上が技術開発を進めている。
2. 81
表2.2-23 民間部門におけるリサイクル技術開発事業の状況(1/7)
分類
リサイクル装置・製品・技術等
容器包装(PETボトル) ボトル製造用の再生PET樹脂処理装置
(研究開発)
PETボトルからのポリエステル原料の回
収
PETボトルを塗料原料にケミカルリサイク
ルする技術(開発)
廃PETボトル・ごみ焼却灰をリサイクルし
たコンクリート骨材
容器包装(プラスチック 容器包装プラスチックの樹脂別分別によ
製容器包装)
るリサイクルコンパウンド原料化
容器包装(ガラスびん) ガラスビン用着色コーティング技術(廃ガ
ラスびんのリサイクルを促進する)
カレットを利用したエコロジーボトルの開
発
廃ガラス瓶再生材による透水性舗装材
(研究開発)
容器包装(飲料用紙容 アルコール飲料用紙容器におけるポリエ
器)
チレンフィルム等からのアルミ箔の分離
技術(研究開発)
飲料用紙容器の高強度の段ボールへの
再生
容器包装
回収ゴミを再利用した環境型不燃ボード
板(研究開発)
びん自動選別装置の高純度化
家電、OA機器
家電、パソコン
パソコン
建設廃材
資源(廃棄物)
廃PETボトル
リサイクル製品
再生ボトル
名称
㈱大阪冷研
廃PETボトル
ポリエステル原料
帝人(株)
廃PETボトル
塗料原料
関西ペイント㈱
廃PETボトル・ごみ焼
却灰
容器包装廃プラスチッ
ク
廃ガラスびん
コンクリート骨材
日本プレストン㈱
リサイクルコンパウンド
原料
(株)福田商会
廃ガラスびん
エコロジーボトル
廃ガラス瓶
透水性舗装材
アルコール飲料用紙容 アルミ回収
器等
飲料用紙容器
高強度段ボール
㈱スペースプランニ
ング
丸富製紙㈱
大和板紙(株)
産業廃棄物(廃PETボ 建材(環境型不燃ボード ㈲リスピー二十一
環境研究所
トル・食品用トレイ・ポリ 板)
袋・天然繊維等)
三菱重工業(株)
感光体ドラムの再生(研究開発)
感光体ドラム(コピー機
など)
家電製品の機械分解・フロン焼却処理シ 家電製品
ステムの開発
廃ブラウン管ガラスをリサイクルした再生 廃ブラウン管のガラス
ブラウン管
廃プリント基板半導体素子の床処理と資 廃プリント基板
源化技術(研究開発)
廃ウレタンリサイクル製品「真空断熱材」 廃ウレタン(冷蔵庫断熱
材など)
部品実装プリント基板からの部品、銅お
よび樹脂の回収
液晶ディスプレイパネルの再資源化(研 液晶ディスプレイパネ
究開発)
ル
プリント基板リサイクルシステム「エコセ プリント基板
パレーションシステム」(分離・回収する
「エコリムーバー」と破砕・分離する「エコ
セパレーション」とで構成)
マテリアルリサイクル率95%を目指した
使用済みパソコンのリサイクルシステム
の開発
液晶ガラスパネルのリサイクル
廃アスファルト多数回再生技術(補助添
加剤使用)(開発研究)
ウレタン発泡断熱材をリサイクルした屋
根下地モルタル軽量骨材
廃畳の堆肥化(研究開発)
保温材屑・脱硫石膏屑のリサイクル
㈱アサヒビールパッ
クス
(株)日本山村硝子
廃アスファルト
㈱リスコビジネス
(株)タクマ
再生ブラウン管の原料
日本電気硝子㈱
油
㈱クリエイトイシカ
ワ
松下電器産業㈱
真空断熱材
NEC(株)
部品を分離・回収する
㈱電硝エンジニアリ
ング
NEC・日本電気㈱
日新産商(株)
シャープ(株)他
㈱青森クリーンセン
ター
ウレタン発泡断熱材
屋根下地モルタル軽量 宇部興産㈱
骨材「ウレサンド−U」
廃畳
㈱エコテック
保温材屑・脱硫石膏屑 インターロッキングブロッ 関西電力㈱
ク、プランター
建築解体残土をリサイクルするための廃 建設解体残土
㈲クリーンクリエイト
棄物分別装置(研究開発)
廃電柱を再利用した土留め擁壁工法(立 廃コンクリート電柱
土留め擁壁
㈱サンセト
命館大と共同開発)
解体コンクリ再生骨材(栗本鉄工所と共 廃コンクリ(解体コンク 再生骨材「サイクライト」 ㈱竹中工務店
同開発、建築構造躯体に使用可)
リート)
セラミックタイル廃材をリサイクルした透 セラミックタイル廃材
透水性セラミックス舗装 東レ㈱
水性セラミックス舗装材
材「トレスルー」
廃ロックウール再生技術
ロックウール廃材
再生ロックウール
日東紡㈱
2.82
再生アスファルト
表2.2-23 民間部門におけるリサイクル技術開発事業の状況(2/7)
分類
古紙
繊維製品
廃電線
廃タイヤ
廃棄物一般
リサイクル装置・製品・技術等
資源(廃棄物)
リサイクル製品
珪砂・廃コンクリート・粘土の配合物の水 珪砂・廃コンクリート粘 建材
熱ホットプレスによる「窯業無機物不建 土
材」の合成・固化技術(研究開発)
100%リサイクル可能な住宅(解体後すべての材料を粉体化しリサイクル可能)・・(リサイク
ル鉄を利用した鉄骨・屋根化粧鉄板、珪石・石灰石主原料の外壁、再生アルミ使用のサッ
シ、再生木質素材」「M−Wood」利用の内部造作類、航空機用タイヤを再生した床カーペッ
ト、古紙を再生した内壁クロス、廃ガラスびんを使用した再生床タイルなど)
石膏ボードをリサイクルした土壌改良材 石膏ボード端材
種子吹き付け緑化材
「ジップファイバー」
建築廃木材の再利用による軽量木質系
材料の開発
古紙を再生したボード
古紙(低級古紙)
再生ボード(木材と同等
の強度でコンクリート型
枠・パーティクルボード
等の代替材)
古紙をリサイクルした覆土代替材「コンカ 古紙
覆土代替材「コンカ
バー」
バー」(廃棄物の生分解
を促進する)
古紙の溶融処理によるパルプモールド生 古紙
植木鉢、トレー
産技術(研究開発)
古紙・ゴミ焼却灰・下水汚泥を混合した建 古紙・下水汚泥・ゴミ焼 建材用ボード
材ボード
却灰
古紙を再利用したコンクリート型枠
古紙
コンクリート型枠(代替ベ
ニヤ)
古紙等過熱性廃棄物による耐火建材(研 古紙など過熱性廃棄物 耐火建材
究開発)
段ボール素材のトレイ
古紙・再生紙を利用した段ボール素材に 古紙
(代替発泡スチロール)
よる発泡スチロール製トレイの代替品(研
究開発)
段ボール古紙を再生した農用再生紙「カ 段ボール古紙
農用再生紙「カミマルチ」
ミマルチ」(製造)
(除草効果、地温抑制効
果、土中分解性)
牛乳パックのリサイクル原紙を利用した 牛乳パック
電子レンジ対応紙トレー
電子レンジ対応紙トレー(研究開発)
廃木材+古紙再利用の木質繊維板
廃木材+古紙
木質繊維板
古紙を炭化しリサイクルした堆肥
古紙
堆肥(炭化し堆肥に混
合)
古紙を活性炭に再生する技術
古紙
活性炭
古紙をリサイクルしたセラミック炭(研究
開発)
古紙
未利用繊維を使った布団袋
絹屑を利用した衣料品
未利用繊維
絹屑
綿及びポリエステル綿混紡テキスタイル
の中古衣料品の衣料への再生
羊毛衣料の反毛化によるモップ、クロス
等への再生
羊毛衣料の衣料、産業用資材への再利
ポリエステル衣料のファスナーなどの副
資材への再生
ポリエステル衣料の繊維、プラスチック製
品への再生
使用済み衣料の固形燃料としての利用
使用済み衣料の固形燃料、モップ、農業
資材への再利用
電線被覆材などから重油を回収する装置 電線被覆材
活性炭製造装置(廃タイヤより活性炭を 廃タイヤ
製造する装置)
古タイヤのリサイクルによる水上浮力材 廃タイヤ
(研究開発)
廃タイヤを利用したマンホールと道路の 廃タイヤ
段差緩和剤(研究開発)
産業廃棄物からレアメタル回収
産業廃棄物
混合廃棄物燃料製造技術(研究開発)
廃棄物
2.83
名称
前田建材工業㈱
ミサワホーム㈱
吉野石膏㈱
大建工業(株)
木村化工機㈱
栗田工業㈱
栗原紙材㈱
㈱建材テクノ研究
所
㈱神戸製鋼所
㈱鴻陽テクニカ
㈱コンドーマシナ
リー
三洋製紙㈱
㈱尚山堂
大建工業㈱
東京有機物循環事
業協同組合
東京都立産業技術
研究所
セラミック炭(軽量コンク ナカタ技研㈱
リート板・防虫防湿・水浄
化など)
赤玉フトン袋
赤玉産業㈱
エコシルク(下着など衣 金伴繊維㈱
類)
日清紡(株)
トーア紡(株)
日本毛織(株)等
東レ(株)等
帝人(株)
A重油
活性炭
水上浮力材
クラレ(株)
ヤギコーポレーショ
ン(株)
東芝プラント建設㈱
㈱アクトリームラタ
影澤エンヂニアリン
グ㈱
調和工業㈱
マンホールと道路の段
差緩和剤
レアメタル回収(金・銀・ 石崎産業㈱
銅・ニッケル等)
燃料
宇部興産㈱
表2.2-23 民間部門におけるリサイクル技術開発事業の状況(3/7)
分類
電池
蛍光灯
パチンコ台
廃電線
その他製品
プラスチック
リサイクル装置・製品・技術等
資源(廃棄物)
リチウム−コバルトイオン二次電池を原 リチウム電池
料とするリチウム・コバルト化合物の回収
プロセス(研究開発)
リチウムイオン電池リサイクル事業、レア リチウムイオン電池
メタル回収事業
使用済みニッケル・水素バッテリーリサイ 使用済みニッケル・水
クル事業(パナソニックEVエナジー、西濃 素バッテリー
運輸と共同で)
使用済み乾電池のフェライトへの再利用 使用済み乾電池
技術
蛍光灯の断熱材へのリサイクル
蛍光灯(於:茨城工場)
廃パチンコ台の固形燃料化
廃被覆電線からの導体金属及び被覆材
の回収
廃棄写真フィルム資源回収装置(研究開
発)
廃漁網をナイロンペレットにリサイクルす
る事業
廃光ファイバーケーブルの再利用技術
(開発)(破砕し丸ごとセメント原料とする)
廃磁気テープの再資源化技術
名称
アサカ理研工業㈱
コバルト、銅など回収
日鉱金属㈱
再生バッテリー
トヨタ自動車㈱
フェライト原料
富士通㈱
断熱材の原料
アサヒビール㈱
秩父小野田(株)
(社)電線総合技術
センター
㈱大崎製作所
廃写真フィルム
廃漁網
廃光ファイバーケーブ
ル
廃磁気テープ
廃農塩ビシートを原料とする木材代替品 廃農業用塩ビシート
(研究開発)
廃プラスチック接触分解による水素化学 廃プラスチック
原料へのリサイクル
ポリエチレンのモノマー化装置の開発
廃プラスチック(ポリエ
チレン)
廃プラスチックの粉体燃料化技術の研究 廃プラスチック
開発
シュリンクフィルムの線路路盤材へのリ シュリンクフィルム
サイクル
「(於:茨城工場)
固化発泡スチロール液化処理装置(発泡 廃発泡スチロール
スチロールインゴットの燃料化)
廃プラをガス化溶融炉で処理しアンモニ 廃プラスチック
ア原料にリサイクルする技術(荏原と共
同研究開発)
廃プラ・廃PETボトル・焼却灰の混合廃 廃プラスチック・廃PET
棄物をリサイクルした合成石
ボトル・焼却灰(混合
物)
廃定期券を駅のベンチにリサイクル(中 廃定期券
央化学に依頼)
超臨界技術による資源回収プラント(廃プ 廃プラスチック、PETボ
ラのケミカルリサイクル技術)
トル
廃発泡スチロールを再利用した建設用埋
め戻し土壌・断熱材の原料
不燃ゴミを魚礁・敷石にリサイクルするプ
ラント(開発)
廃塩化ビニール管のコンクリート二次製
品骨材へのリサイクル(竹中工務店と共
同開発)
発泡スチロール再生(リモネンで触解)
リサイクル製品
レアメタル回収
廃発泡スチロール
不燃ゴミ(廃プラなど)
廃塩化ビニール管
廃発泡スチロール
熱硬化樹脂の土壌改良材への再利用
熱硬化性樹脂
(研究開発)
「ボンドファースト」(再生プラスチックと新
規プラスチックの相溶化を向上するアロ
イ化剤)
ウレタンフォーム廃材を利用した断熱モ
ルタル用骨材の製造
2.84
再生ナイロンペレット
(メーン)
セメント原料
三協製鋼㈱
日本電信電話㈱
リサイクルパネル(畳床 フジ化成工業㈱
材などに利用、断熱・防
音・透水・耐水性・電磁
波吸収性)
木材代替品
㈱アースイング
水素化学原料
モノマー
石川島播磨重工業
(株)
東芝プラント建設㈱
粉体燃料化
三井造船(株)
線路の路盤材
アサヒビール㈱
液化燃料
㈱アルプス精工
アンモニア原料
宇部興産㈱
合成石(粟石状)「アッ
シュトン」Tボトル・焼却
灰(混合物)
駅のベンチ
大阪工業技術研究
所
京王電鉄㈱
合成樹脂原料回収(油 ㈱神戸製鋼所
化燃料・プラスチック原
料など)
建設用埋め戻し土壌・断 ㈱佐久間商事
熱材の原料
魚礁・敷石など
三晃技研㈱
コンクリート二次製品(イ 積水化学工業㈱
ンターロッキングブロック
など)
ポリスチレン回収(再生 ソニー㈱
梱包材)
土壌改良材
㈱田商
住友化学工業㈱
竹中工務店(株)他
表2.2-23 民間部門におけるリサイクル技術開発事業の状況(4/7)
分類
リサイクル装置・製品・技術等
使用済みプラスチックチックのリサイクル
に適した成型技術の実用化
廃プラスチックのコークス炉化学原料化
廃プラ・牛乳パック・綿をリサイクルした擬
似木
廃ガラスカレット・廃プラスチック・牛乳
パック・古紙を合体させる技術(研究中)
FRP
廃FRPをリサイクルしたマンホール蓋
資源(廃棄物)
ガラス・陶磁器
汚泥
名称
(株)神戸製鋼所
新日鐵(株)
廃プラスチック・牛乳
擬似木(トラック荷台など いすゞ自動車㈱
パック・綿
に利用)
㈱沖縄カレットセン
廃ガラスカレット+廃プ
ター
ラスチック+牛乳パック
+古紙
廃FRP
マンホール蓋
愛媛県工業技術セ
ンター
廃FRP
(株)INAX
FRP成型加工技術及び廃棄物リサイク
ルの研究
廃FRPにセメントを混ぜて屋根材として 廃FRP浴槽
再利用する技術
FRP浴槽の粉粒体化によるモルタル瓦、
コンクリート骨材への再利用
廃FRP浴槽のリサイクル
廃FRP浴槽
金属くず
リサイクル製品
洋瓦など(セメント二次
製品)
㈱クボタ
(株)クボタ
セメント原燃料、高炉還 積水化学工業㈱
元剤
FRP類をリサイクルした自動車部品
FRP・人工大理石廃棄 自動車部品
大日本インキ化学
物
工業㈱
FRP再生技術(研究中)
FRP
SMCフィラー(自動車バ 武田薬品工業㈱
ンパーなど)
フェノール樹脂をガラス状炭素に加工す FRP
ガラス状炭素
㈱棚澤八光社
る技術
FRPからメタノールを回収し発電するシス FRP
メタノール(発電)
三菱重工業㈱
テム
マグネシウム合金切削屑のリサイクル技 マグネシウム合金切削 鍛造用素材(溶解せず) マツダ㈱
術(溶解しない)
屑
鉄くずを製鉄原料・鉄筋棒鋼板にリサイク 鉄くず
製鉄原料・鉄筋棒鋼板 旭光商事(株)
ルする事業
アルミ鋳物低品位スクラップを高純度ア アルミ鋳物低品位スク 高純度アルミ合金
本田技研工業
ルミ合金に再生する技術
ラップ
(株)、古河電機工
業(株)
陶磁器廃材の水質浄化セラミックスへの 陶磁器廃材
水質浄化セラミックス
愛知県瀬戸窯業技
リサイクル
術センター
発泡ガラス材を用いた道路斜面の緑化 廃ガラス
日本建設技術(株)
ガラス廃棄物の陶磁器原料化
廃ガラス
陶磁器原料
廃ガラスを用いた高強度超軽量骨材の
製造
廃自動車ガラスを再利用したタイル強化
廃ガラスをタイル・陶器・セメントの副原料
等にリサイクルする技術(TOTO、川崎重
工業、日本電気硝子と共同開発)
がい子屑のリサイクル
廃棄ガラスをリサイクルしたガラスインテ
リア
リサイクル率の高い廃ガラス利用のタイ
ル・ブロック(研究開発)
磁器タイル廃材をリサイクルした透水性
舗装材
廃セラミックリサイクルタイル(鹿島・中濃
セテック等と共同開発)
ペーパースラッジを利用した保水・透水性
セラミックス歩道版(研究開発)
下水汚泥の高品質コンポスト化
建設汚泥溶融スラグの細骨材としての再
資源化
PSの燃料化技術とPS焼却灰の有効利
用(研究開発)
廃ガラス
高強度超軽量骨材
廃自動車ガラス
廃ガラス
タイル強化剤
タイル・陶器・セメントな
どの副原料
がい子屑
廃ガラスカレット
廃ガラス
関西電力㈱
ガラスインテリア(研究開 ㈲すずか
発)
タイル・ブロック
多治見工業㈱
磁器タイル廃材
透水性舗装材
東レ㈱
廃セラミック
タイル(外装用・床材)
㈱オリオン商事
ペーパースラッジ灰
保水・透水性セラミックス 亀井製陶㈱
歩道板
コンポスト
栗田工業(株)
細骨材
川崎重工業(株)
古紙汚泥をリサイクルしたゼオライト
下水汚泥
建設汚泥
PS(陶製スラッジ)
古紙汚泥
2.85
クリスタルクレイ
(株)
(株)サンライト
㈱INAX
㈱INAX
PS燃焼物(紙の砂とし ㈱クボタ商会
て供養灰などに利用)
(製造販売)
ゼオライト(多孔質材料) 日本電信電話㈱
(技術開発)
表2.2-23 民間部門におけるリサイクル技術開発事業の状況(5/7)
分類
リサイクル装置・製品・技術等
資源(廃棄物)
超高温発酵による製紙汚泥の肥料化実 製紙汚泥
用技術(研究開発)
製紙スラッジ、樹皮などをリサイクルした 製紙スラッジ、樹皮など
コンパネ(技術開発)
コンクリートスラッジのイオン化ケイ素とし コンクリートスラッジ
ての再利用
屎尿・下水汚泥・ゴミ焼却灰などからアル
ミニウム・リンなどの各種重金属を回収
(技術開発)
有機性汚泥・製紙汚泥を中間処理し紙
シートに混入させた肥料効果等期待でき
る生分解農業用除草シート(研究開発)
建設汚泥の路盤材への再利用(研究開
発)
下水汚泥から発生するガスを燃料電池に
使用する技術(研究)
下水汚泥+廃油を利用した助燃剤(技術
開発)
下水道メタンガスリサイクル(研究)
アルミニウムスラッジから水酸化アルミニ
ウムを回収(研究開発)
建設汚泥再利用の法面緑化材
使用済脱硫触媒の再資源化処理(研究
開発)
屎尿・ゴミ焼却灰など
リサイクル製品
肥料化
名称
㈱富士サテライト
コンパネ
藤本産業㈱
イオン化ケイ素(遠赤外 ㈱アイセ
線放出静電気コントロー
ル原料)
アルミ・リンなどの重金 三重県環境科学セ
属回取
ンター
有機性汚泥・製紙汚泥 生分解農業用除草シー 岩田商事㈱
ト
建設汚泥
路盤材
下水汚泥
水素(回収し燃料電池に ㈱東芝
使用)
助燃剤
福岡県
下水汚泥+廃油
水酸化アルミニウム(回
収)
建設汚泥
法面緑化材
使用済脱硫触媒(石膏 モリブデン・バナジウム
精製会社の脱硫精製装 など(回収)
置から排出する副産
生コン残渣・鋳物廃砂を利用した人工砂 生コン残渣・鋳物廃砂 人工砂利
利製造技術・設備(研究開発)
汚泥の化学工業用原料化
有機性廃棄物
廃木材を再利用した難燃断熱材(研究開
醤油かすのコンポスト化
コーヒー豆廃棄物の活性炭原料としての
再利用
樹木剪定枝の堆肥化
生ごみの高速堆肥化
アルミニウムスラッジ
前田製管㈱
昭電システム㈱
㈱住吉製作所
場の池化学㈱
金沢生コンクリート
㈱
宇部興産(株)他
廃木材
醤油かす
コーヒー豆廃棄物
難燃断熱材(研究開発) 蝦名林業㈱
コンポスト
(株)フジタ
活性炭原料
(株)小島製作所
樹木剪定枝
生ごみ
堆肥
堆肥
間伐材を利用した取り外し不要コンクリー 間伐材
ト型枠「エコフォーム」(研究開発)
間伐材を利用した河川浄化技術(開発) 間伐材
廃材利用の油吸着材「ロフィー」
サン化工販売㈱
廃木材(杉の皮)
間伐材を利用したウッドチップ舗装「W− 間伐材
ウッド」
コンクリート型枠「エコ
フォーム」
木材チップ(河川浄化
用)
油吸着材「ロフィー」
ウッドチップ舗装「W−
ウッド」(クッション性・浸
水性など有す)
有機性廃棄物の乾留炭化技術
有機性廃棄物
炭
廃糖蜜利用の生分解性スポンジ
廃糖蜜(サトウキビ精製 生分解性スポンジ「エコ
後の残渣)
タッチスポンジ」
生ごみの建築資材へのリサイクル
生ごみ(於:茨城工場) 建築資材
法面保護資材・農業資
焼酎粕を固液分離せずに丸ごと再生紙 焼酎粕
材
に封じ込めるノウハウを用い法面保護資
材・農業資材として製品化
おからからできた包装紙
おから
紙(包装紙)
おから・ふすまを利用した緩衝剤
おから・ふすま
緩衝剤「エコシード」
お茶及びその抽出物を利用した環境アメ お茶・お茶の抽出物
繊維製品
ニティ繊維製品(研究開発)
乳酸(生分解性プラス
生ごみ・焼酎廃液から乳酸(生分解性プ 生ごみ・焼酎廃液
チック原料)(開発中)
ラスチック原料)を製造する技術(研究開
発)
まぐろ加工後の残さから低コストでDHA まぐろ加工残渣
DHA(抽出)
を抽出(技術開発)
新豆腐製造装置「ソイラックライン」(おか おから
豆腐原料(全量再利用)
らを全量豆腐原料として再利用)
生ごみから生分解性プラスチックを生産 生ごみ
生分解性プラスチックス
する技術(他2社と共同研究)
(乳酸)
2.86
荏原製作所(株)
(株)日本製鋼所機
械研究所
岡田産業㈱
㈱シードコンサルタ
ント
ダイデンエンジニア
リング㈲
㈱渡辺組
㈱アースコーポ
アイセン工業㈱
アサヒビール㈱
㈱アシップ
阿波製紙㈱
㈱エコシード
㈱エルプ
環境テクノス㈱
協同組合三崎まぐ
ろ加工センター
澤産業
㈱島津製作所
表2.2-23 民間部門におけるリサイクル技術開発事業の状況(6/7)
分類
リサイクル装置・製品・技術等
リンゴ絞りかすを利用した製紙原料
資源(廃棄物)
リンゴ絞りかす
家畜ふん尿のメタンガスから水素を分離
し燃料電池に使用する技術(三井物産化
学プラントと共同研究)
産業廃棄物資源化装置(林産・農業廃棄
物のセルローズからエタノールを生産す
る装置)
クルミ殻を利用したスタッドレスタイヤ
家畜ふん尿
竹を有効利用した繊維板(研究開発)
米糖混入のおからを主体とした漬物床
(研究開発)
竹材利用の大断面集成材・食品トレイ等
(研究開発)
竹を利用した食品用トレイ「エコトレイ」
(代替発泡スチロール)
竹を利用した竹チップ(未利用資源利用
技術)
孟宗竹利用の高機能建材(研究開発)
トビ粉(こんにゃく製造過程廃材)を再利
用した粘着材
ジャガイモとホタテ貝内蔵から乳酸(生分
解性プラスチックの原料)を作る技術
カキ殻+天然ゼオライトを利用した殺菌
用セラミック
燃えがら、ばいじん
廃木材+カニガラを利用した農業用害虫
防除剤
貝廃棄物の消臭材への利用(研究開発)
火力発電所焼却灰からのバナジウム回
収技術
ゴミ焼却灰をリサイクルした再生フェライ
ト
石炭灰を再利用した水処理剤
製鉄ダストから黒鉛を回収する技術
焼却灰をゼオライトに再生する装置
フライアッシュリサイクル脱臭剤
鉱さい
ゴミ焼却灰を平板型ブロックにリサイクル
(技術開発)
溶融飛灰の資源化(研究)
焼却灰の無害化したスラグを利用した
農・園芸用資材(研究開発)
廃タイヤ発電の焼却残渣の顆粒固形加
工法の確立及びコンクリート添加剤への
再利用技術(研究開発)
電気炉ダスト・アルミドロスの金属精錬用
添加剤としての再資源化
塩素含有ダストからの重金属の濃縮・回
収
焼却灰溶融スラグをリサイクルした透水
性ブロック(開発)
溶さい(アルミドロス)から効率よくアルミ
を回収する技術
高炉スラグのコンクリート構造物へのリサ
イクル技術(研究開発)
低温溶融による焼却灰のガラス状固形
化造粒技術(研究開発)
マンガン鉱滓をセメント原料としてリサイ
クルする技術(研究開発)
溶さいから効率よくアルミを回収する技術
(東京電力と共同開発)
リサイクル製品
名称
製紙原料(木材繊維に 高崎製紙㈱
混合する)
水素(回収し燃料電池に ㈱東芝
使用)
林産・農業廃棄物(セル エタノール
ローズ)
クルミ殻
竹
おから
竹
日揮㈱
クルミ入りスタッドレスタ ㈱日本ウォルナット
イヤ
竹質繊維板
エース住宅㈱
漬物床
㈱おかべや
竹
大断面集成材・食品トレ (協)クリエイトピア
イ等
広島
食品トレイ
日本エスエム㈱
竹
竹チップ(堆肥)
日本ブロアー工業
㈱
㈱フジ製作所
国土緑化㈱
竹(孟宗竹)
高機能建材
トビ粉(こんにゃく製造 粘着材「ピーエムザイ」
過程廃材)
ジャガイモ・ホタテ貝内 乳酸(生分解性プラス
㈱セテック
臓
チックの原料)
カキ殻+天然ゼオライト 殺菌用セラミックス(食品 東北板金塗装工業
㈱
にそのまま利用可能)
(東北大学農学部と共同
開発)
廃棄材・カニガラ
農業用害虫防除剤「ネガ 日本農業資材㈱
ヘルス」
貝廃器物
消臭材
盟和薬品工業㈱
火力発電所焼却灰
バナジウム回収(研究開 ㈱イムラ材料開発
発)
研究所
ゴミ焼却灰
再生フェライト(電波吸収 ㈱大林組
材)
石炭灰
汚濁物質の除去処理剤 小野田ケミコ㈱
(水質浄化凝集剤・排水
処理・汚泥の肥料化な
製鉄ダスト
黒鉛(回収)
光和精鉱㈱
焼却灰
ゼオライト
大洋マシナリー㈱
フライアッシュ
脱臭剤
東電環境エンジニ
アリング㈱
ゴミ焼却灰
平板型ブロック
名古屋市立工業研
究所
溶融飛灰
日本鉱業協会
焼却灰(スラグ)
農・園芸用資材
㈲富士物産商事
廃タイヤ焼却灰
コンクリート着色剤(開
発・販売)
アイディーコーポ
レーション㈱
(財)金属系材料研
究開発センター
太平洋セメント(株)
焼却灰溶融スラグ(都
市ゴミ・下水汚泥)
アルミドロス
透水性ブロック「トレス
ルー」
アルミ
高炉水砕スラグその他 水硬系粗製物(コンク
リート)
焼却灰
ガラス状造粒物
マンガン鉱滓(二酸化マ セメント原料
ンガン製造時廃棄物)
溶さい(アルミドロス)
アルミ
2.87
東レ㈱
(株)神戸製鋼所、
(株)東京電力
日本化薬㈱
日本電気精機㈱
東ソー㈱
㈱神戸製鋼所
表2.2-23 民間部門におけるリサイクル技術開発事業の状況(7/7)
分類
リサイクル装置・製品・技術等
電気炉ダスト・アルミドロスの金属精錬用
添加剤としての再資源化
ごみ溶融スラグを利用した保水性セラミッ
クの建材への利用
高炉スラグの高炉セメント使用比率の拡
大、新規用途の開発
製鋼スラグの鋼製ケーソン中詰め材、複
合路盤材、海砂代替材料等の用途開発
廃食用油を飼料油、工業用油脂原料にリ
サイクルする事業
廃食用油からの脂肪酸の精製(研究開
発)
ロストワックス精密鋳造法で発生する回
収ワックスからのポリスチレンフィラーの
回収・再利用プロセス(研究開発)
廃潤滑油中の灰分・塩素分除去技術お
よび灰溶融燃料利用に関する研究開発
定着廃液(レントゲン、印刷など)、フィル
ムから銀を回収する事業
梅の廃油から「食用梅油」等を再生する
技術(研究開発)
焼酎廃液の飼料へのリサイクル(研究)
廃油
廃液
ゴムくず
シュレッダーダスト
利用
易リサイクル技術
適正処理
有機排水処理水を再利用した有機液肥・
消臭還元液
ウィスキー蒸留廃液処理システム(大学
と共同開発し自社導入)
半導体廃液からフッ素を回収
プリント基板廃液から銅などを回収
無電解ニッケルめっき廃液からの有価物
回収処理装置(研究開発)
使用済みゴムを再利用した新しい粘着材
(研究開発)
シュレッダーダスト選別リサイクル技術
(プラスチック・金属・ガラスに選別・再生)
廃車シュレッダーダストからガス回収する
実験プラント
シュレッダーダストの繊維・ポリウレタンを
自動車防音材としてリサイクル
シュレッダーダストリサイクル発電事業
(高岡事業所内にプラント設置)
廃自動車の解体、シュレッダー処理によ
る金属及びガラスの回収
廃自動車シュレッダーダストの発泡ウレタ
ンの利用
廃自動車および廃家電のシュレッダーダ
ストの乾留による非鉄金属の回収
「無機系特殊効果保進材RC硬化剤」(汚
泥などに含まれる重金属類を固化し閉じ
こめ土木用資源として再利用可能にす
る)
分離廃棄しやすいキャップ(研究開発)
資源(廃棄物)
リサイクル製品
名称
(財)金属系材料研
究開発センター
川崎製鉄(株)他
新日鐵(株)
新日鐵(株)
廃食用油
廃食用油
ワックス
飼料油、工業用油脂原 小寺油脂㈱
料
脂肪酸(精製)
日本油脂㈱
ポリスチレンフィラー(回 ㈱プライソン・ジャ
収)
パン
定着廃液(レントゲン、 銀(回収)
印刷など)、フィルム
梅の廃油
食用梅油
焼酎廃液
有機排水処理水
ウィスキー蒸留廃液
日石テクノロジー
(株)
㈲太陽化学
(協)エーオーシー
飼料
鹿児島県酒造組合
連合会
有機液肥、消臭還元液 ㈱コスモクリーン
半導体廃液
プリント基板廃液
めっき廃液
肥料(窒素・リン)・メタン
ガス(回収)
フッ素
銅(回収)
有価物回収
使用済みゴム
粘着材
サントリー㈱
竹中産業㈱
鶴見曹達㈱
㈱ワープエンジニア
リング
㈱新栄興業
NKK㈱
廃車シュレッダーダスト 石油系ガス燃料
廃車シュレッダーダスト 自動車の防音材
東海窯炉サービス
㈱
トヨタ自動車㈱
シュレッダーダスト
日本重化学工業㈱
発電
中田屋(株)
トヨタ自動車(株)
土木用資源
汚泥・ヘドロ・建設残
土・焼却灰・ガラスくず・
金属くず・ゴム屑等
容器キャップ(易リサイ
クル性)
有害なクロムを含まない電気亜鉛メッキ
鋼板(リサイクルし易い)
高温ガス化直接溶融炉による廃棄物の
再資源化
三菱マテリアル
(株)
㈱サンヨーテック
関西システムパック
㈱
㈱神戸製鋼所
NKK(株)
出典: 関西エコノス、環境技術・製品総覧 2000-2001年版
(財)クリーン・ジャパン・センター、リサイクル技術研究発表会講演論文集(1999)
(財)クリーン・ジャパン・センター、廃棄物リサイクル技術情報一覧(1998) 等
2.88
④化学物質管理等分野における技術開発実施状況
1)化学物質管理等分野全体の事業分布の状況
化学物質管理等分野において実施されている技術開発は次の3分野に大別され
る。
a.安全性評価
b.素材・製品開発
c.回収・無害化・浄化
2)化学物質管理等分野における技術開発事業の状況
a.安全性評価に関する技術開発事業の状況
この分野に属する技術には次のようなものがある。政府による取組が有害化学
物質の発生・環境動態の解明、有害化学物質の測定、化学物質のリスク評価の各
分野にまんべんなく実施されているのに対し、民間企業においては、特に有害化
学物質の測定技術に関する技術開発が数多く行われているようである。
・水中微量化合物分析用濃縮技術としての固層抽出法(日本ウォーターズ)
・全有機ハロゲン測定技術(ダイアインスツルメンツ)
・排ガス中ダイオキシン類の効率的測定方法(島津製作所)
・簡易変異原性試験試薬キット(日本抗体研究所)
・ダイオキシン前駆体(クロロフェノール)のリアルタイム測定技術(日立製作所)
・多地点測定が容易な小型NO2センサの開発(NTTアドバンステクノロジ)
・ASE法によるダイオキシン類の高速溶媒抽出(日本ダイオネクス)
b.素材・製品開発に関する技術開発事業の状況
この分野については、政府による取組は少ないが、以下に示すように民間企業
においていくつかの取組が見られる。民間企業においては、特に有害化学物質の
使用削減技術について技術開発が行われているようである。
・鉛を使用しない燃料タンク用アルミニウムメッキ鋼板の開発(新日本製鐵(株)
)
・鉛を使用しないはんだ使用の出来る三層メッキ鋼板の開発(新日本製鐵(株)
)
・クロムを含まない薄板表面処理鋼鈑の開発(新日本製鐵(株)
)
・鉛とクロムを含まない錆止め塗料の開発(塗料工業会)
・焼却時に有害物質を発生しないプラスチック材料の開発(
(株)NEC)
・生分解性のよい直鎖系ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤の開発
(
(株)花王)
・VOC対応枚葉印刷システムの開発(東洋インキ(株)
)
c.回収・無害化・浄化に関する技術開発事業の状況
この分野に属する技術には次のようなものがある。この分野については政府で
も取組が行われているが、民間企業においても、対象化学物質(ダイオキシン、
2. 89
PCB、環境ホルモン等)、無害化技術(生物的、化学的、物理的手法)、浄化対
象媒体(大気、水、土壌)のそれぞれについて多様な技術開発が行われているよ
うである。
・メカノケミカル法によるダイオキシンの非加熱無害化(住友金属工業)
・BCDプロセスによるPCB分解技術(荏原製作所)
・超臨界水酸化によるPCB分解技術(オルガノ)
・水熱分解法によるPCB一貫処理システムの開発(三菱重工業)
・気相水素還元法(還元熱化学分解方式)によるPCB処理(東京貿易、日本車輌製造)
・真空加熱分離(VTR法)によるトランス、コンデンサの処理(ゼロ・ジャパン)
・鉄粉水溶液を活用した有機塩素系溶媒の分解技術(間組)
・蓄熱式燃焼装置によるダイオキシン類等の無害化処理(中外炉工業)
・高性能触媒フィルターによるダイオキシン類除去システムの開発(ジャパンゴアテック
ス)
・炭酸水によるVOC除去および重金属不溶化技術(ハザマ)
・高効率担体による下水中のアンモニア除去(関西ペイント)
⑤生産プロセス革新技術等の分野における技術開発実施状況
この分野に属する技術には次のようなものがある。
○グリーンバイオテクノロジー
・バイオマスの原燃料利用
・有機性廃棄物の再資源化→リサイクルで検討
・生分解性プラスチック(グリーンプラ)
・バクテリア・リーチング
・大気汚染防止、排水処理等への利用
・バイオレメディエーション→化学物質のリスク極小化・管理で検討
・生物利用CO2固定→温暖化で検討
○新規科学プロセス技術
・光触媒利用技術
・超臨界利用技術
・新規化学合成プロセス
近年日本の化学産業では、グリーン・サステイナブル・ケミストリーのコンセプトの
もとに、合成プロセスを中心とした化学物質のライフサイクル全体における環境負荷
低減を試みている。化学プロセスは多種多様であるため、グリーン・サステイナブ
ル・ケミストリーの考え方が応用できるプロセスは多数存在する。既に以下のような
2. 90
プロセスで新方式の化学プロセスにより、環境負荷の低減が行われている。
表 2.2-24 新方式の生産プロセスに関するトピックス
原理
要素技術
説
明
環境負荷の少な 塩素を用いない有機中間 ・従来 4-ADPA の合成には、ニトロベンゼンを置換した後、
い原料・有機溶 体(4-ADPA)の合成
アニリンで置換する方法が採用されていた。
媒の使用
・新法ではニトロベンゼンとアニリンと直接触媒でカップリ
ングすることにより、廃油、排水がそれぞれ 74%、97%
削減された。
ホスゲン代替用炭酸ジメ ・ホスゲンはポリウレタンの製造原料の合成などに広く用い
チルの合成
られるが、強い毒性を持つ。宇部興産ではホスゲンの代替
物質である炭酸ジメチルの効率的な合成法を開発した。
アジピン酸の新規合成法
・従来のアジピン酸(ナイロン原料)の合成法は温暖化ガス
であるN2Oを生成していた。
・代替合成法としてシクロヘキセンを 90%以上の効率で直
接酸化する方法が見いだされた。
天然資源からの パーム油からの 1,3-ジア ・固定化酵素(リパーゼ)を用いて、高効率に 1,3-ジアシル
化学品の合成
シルグリセロールの合成
グリセロールの合成を行うプロセスを確立(花王)
超臨界流体利用 トルエンジイソシアネー ・ウレタン樹脂の原料であるトルエンジイソシアネート(T
技術
ト合成過程の副産物の再
DI)の合成過程では、副産物のTDIオリゴマーが廃棄
利用
物として発生し、焼却処理されていた。
・武田薬品と神戸製鋼は超臨界水を用い、この副産物を原料
のトルエンジアミンに戻すことに成功し、廃棄物を削減し
た。
固定触媒の利用 エチレンの直接酸化によ ・従来の酢酸合成法はアセチレンからの2段階の合成法など
る酢酸合成法の開発
が中心であった。
・昭和電工は固体触媒を用いてエチレンを直接参加するプロ
セスを開発した。これにより排水が 15 分の1に減り、副
産物も減少した。
表 2.2-25 その他のグリーンケミストリーに関わる研究開発のトピックス
分類
技術
研究開発主体
概要
環境触媒・
光触媒
光触媒による排ガス処 ヤマダインダス 産業廃棄物の焼却炉の排ガス処理に酸化チ
理
トリー
タンを用いた光触媒を応用
超 臨 界 利 用 超臨界を利用した電線 中部電力
技術
被覆剤のリサイクル
廃電線を超臨界流体で処理することで、リ
サイクル困難だった架橋ポリエチレン
(XLPE)製被覆剤のリサイクルを可能に
した
2. 91
(c)海外の環境分野における技術開発実施状況について
①海外主要国における環境分野の技術開発に関する政策
1)米国
米国では環境保護庁(EPA)
、エネルギー省(DOE)
、国立科学財団(NSF)
など多くの連邦機関が環境研究、環境技術に関係しており、1990年代の初め頃から
様々な研究開発プロジェクトを行ってきた。
これらの連邦機関が実施する科学技術プログラムの調整並びに研究開発戦略と投資
目標の策定を行う組織として、1993年に国家科学技術会議(National Science and
Technology Council, NSTC)が設置された。
NSTCは1997年に「持続可能な発展のための技術」と題する報告書を発表し、今後の
環境技術開発の方向性を打ち出している。それによれば、今後の米国政府の環境技術
についてのビジョンは次の通りである。
○環境技術についてのビジョン
・環境を改善、維持しながら、雇用の創出につながる長期的経済成長を実現する。
・汚染の処理から未然防止、資源の有効利用といった産業界の取り組みを支援する。
・拡大する環境産業市場において世界のリーダーになり、米国が世界の持続可能な
発展をリードしていく。
さらに同報告書では、環境技術の展望として、21世紀初頭は汚染対策技術、汚染修
復技術が重要であるが、2040年頃までには汚染防止技術と監視・アセスメント技術が
重要になるとの予測が出されている。連邦政府としてはこのようなトレンドを踏まえ
ながら、技術開発を推進して行くべきであると述べている。環境分野の研究開発の基
本指針としては次のような項目があげられている。
○環境技術研究の基本指針
・環境技術の長期的トレンドを考慮しながら政府の環境規制と政策立案を進める。
・産業エコロジーの考えのもと、システムズアプローチを採用して、技術的インフ
ラにおける資源の利用効率を高める。
・公共−民間、連邦−州のパートナーシップを確立し、環境技術の開発、実用化と
普及を進める。
・環境技術の研究開発から実用化、輸出までの期間を短縮する。
・世界各地の途上国において、環境に健全で社会的に適正な技術の使用を促進する。
このような考え方のもと、次のような取り組みを進めていくこととされている。
・研究開発、技術の実証過程におけるイノベーションを推進する。
2.92
・ 規制の見直し、市場創出のための政策、予算措置において新しいアプローチを
採用する。
・国際環境市場への参加や海外協力など世界レベルの活動へ参加する。
・ 連邦政府と産業界とのパートナーシップを確立し、教育・訓練、情報普及など
の基盤整備を進める。
・資源利用効率の向上、ライフサイクル分析など新しいパラダイムにもとづく産業
を振興させる。
2)ドイツ
ドイツでは環境省、教育科学研究技術省などが環境研究、環境技術の開発に関係し
て い る 。 教 育 科 学 研 究 技 術 省 が 毎 年 発 行 し て い る 報 告 書 ( Bundesbericht
Forschung)などによれば、連邦政府の現在の技術開発の重点は次の通りである。
①旧東独地域における研究開発基盤の設立と拡充
②基礎研究の高い水準の維持
③戦略的技術の前競争段階における助成
④中小企業のイノベーション能力の強化
⑤予防効果を有する研究の発展
⑥研究インフラ基盤に対する機関助成の強化
⑦国際研究開発活動の強化
⑧安全に関する政策支援と技術研究
⑨政府の長期的プログラムの継続
環境については、1997年9月に教育研究技術省と環境省が共同で「環境のための研
究」と題する報告書を発表し、今後の環境研究の指針を示している。それによれば、
今後の基本方針は次の通りである。
a.次世代以降への良好な環境の確保
b.将来の雇用の創出
c.競争原理の導入による環境保護費の適正な負担
3)英国
イギリスの科学技術政策は伝統的に各省庁で分散して進められて来たが、1992年に
貿易産業省(Department of Trade and Industry)内に科学技術局(Office of Science
and Technology)を設置し、全体の調整と産業界との一層効果的な連携を図っている。
科学技術局が発表した科学技術白書(SET白書)によれば、現在の技術開発の基本方
針は次の通りである。
2.93
・英国の科学技術が有する潜在能力に対する自覚を促すとともに、それを守り
育てる姿勢を強化し、かつその重要性の認識をより高める。
・国富の形成に向けて英国の伝統的な科学技術面での潜在能力を発揮させる。
そのために伝統的な科学技術研究と産業界との意識的、計画的連係を進める。
・研究協議会と政府の研究機関の機構、管理体制等の改善を行う。
具体的な環境研究、環境技術のプロジェクトとしては、技術予測調査の結果などに
基づいて、産業廃棄物のリサイクルと排出抑制、地球観測、持続可能な畜産業の確立
などのプロジェクトが実施されている。
2.94
②地球温暖化対策分野における技術開発実施状況
1) 米国
○温暖化対策の全体像
米国の地球温暖化対策の研究開発は、気候変動研究プログラム(Global
Climate Change Research Program)と呼ばれるものが中心となっている。NSTC
では、このプログラムをIT(情報技術)
、ナノテクノロジーと並んで、省庁間の
連携が特に必要な重点プロジェクトと位置付けている。プロジェクトは次のよう
なサブテーマに分かれており、関連省庁の分担のもとに様々なプロジェクトが実
施されている。
表 2.2-26 気候変動研究プログラムのテーマ別分類と予算配分
地球の気候システムの解明
49 8 .6
F Y 2 00 1
要求額
4 85 .4
大 気 の 組 成 と大 気 化 学 の 解 明
38 7 .9
3 65 .4
地球規模の水循環
27 3 .8
3 08 .1
地球規模の炭素循環
20 4 .2
2 29 .2
生態系の変化の解明
プログラムの要素
F Y 2 0 00
20 5 .6
2 23 .6
気候変動の人的側面の解明
9 1 .8
95 .3
古 気 象 :地 球 シ ス テ ム の 歴 史
2 9 .6
27 .4
気 候 変 動 研 究 合 計
1 ,69 1 .4
1,7 3 4.7
(単 位 :百 万 ド ル )
表 2.2-27 気候変動研究プログラムの省庁別の予算配分
大分類
省庁
FY1999
農務省
52
商務省
エネルギー省
保 健 ・福 祉 省
科学研究
53
FY2001
要求額
85
63
67
95
114
114
123
40
46
48
内務省
27
27
25
EPA
16
21
23
NASA
218
236
252
国立科学財団
182
187
187
7
7
7
ス ミソ ニ ア ン 研 究 機 構
宇宙観測
FY2000
科 学 研 究 小 計
719
758
845
NASA
937
937
897
気 候 変 動 研 究 合 計
1 ,6 5 6
2.95
1 ,6 9 5
1 ,7 4 2
(単 位 :百 万 ド ル )
それぞれのサブテーマの概要は下表の通りである。
表 2.2-28 気候変動研究プログラムのサブテーマの概要
サブテーマ
地球の気候システムの解明
・
・
・
・
概
要
降雨観測システム(地上局)の整備による観測精度の向上
海面温度等の観測システムの拡充(観測用ブイの増強等)
気候システムモデルの改良
衛 星 に よ る 観 測 シ ス テ ム の 拡 充 ( NASA の Earth
Observing System, EOS 等) 等
大気の組成と大気化学の解明 ・ アラスカ、ハワイ、南極等における大気のベースライン観
測の拡充
・ 航空機によるCO2、メタン、CO、CFC、エアロゾル
等の濃度の測定
・ 高層におけるオゾン測定体制の強化(衛星利用)
・ 地表への紫外線照射量の測定 等
地球規模の水循環
・ 熱帯地域における降雨量の推定精度の向上
・ 観測衛星(NASAEOS-Aqua)の打ち上げと大気中の温
度、水蒸気、放射量、雲量、降雨量などの同時観測システ
ムの運用開始
・ 陸域→湿地→沿岸への栄養成分の輸送に関する研究 等
地球規模の炭素循環
・ 米国全土におけるCO2挙動の観測体制の強化
・ 陸域生態系における炭素収支の解明
・ 炭素循環の観測体制(局地的、地域的、広域的)の定量的
比較
・ 北大西洋及び太平洋における海洋と大気の炭素交換に関す
る予測精度の向上
生態系の変化の解明
・ 熱帯地方における土地利用の変化が大気化学や生物多様性
に与える影響の解明
・ ランドスケープの変化と攪乱が生態系に与える影響の解明
・ 衛星を用いた地上、海上の観測 等
気候変動の人的側面の解明
・ 長期的な温室効果ガスの排出シナリオとそれによる環境変
化の検討
・ 気温上昇と大気汚染物質の複合的な人体影響の評価
・ 成層圏オゾンの減少の影響の解明 等
古気象:地球システムの歴史 ・ 堆積コアの分析体制の強化による長期的な気象・環境の古
記録の収集
・ 古気象のモデルの改良
・ 古気象に関するデータの一般公開の推進 等
2.96
○二酸化炭素固定・隔離に関する研究の実施状況
地球温暖化対策のうち二酸化炭素の固定・隔離に関するものは、
「温室効果ガス隔
離イニシアティブ」としてクリントン大統領により 1997 年に発表され、2015 年以
降の温室効果ガスの増分をすべて相殺できるような炭素隔離方策を開発し、2015 年
以降大規模に実行する場合の環境面での受容性や技術的可能性、経済性を検討するこ
とを目的としている。
このイニシアティブの目標は 2015 年までに炭素隔離コストを 10 ドル/tC 以下と
する事であり、この目標は平均電気料金に 0.2 セント程度追加する水準となっている
(現在のコスト水準は 100∼300 ドル/tC と言われている)
。
エネルギー省の化石燃料局では上記の目標にそって、炭素隔離に関する様々なプ
ロジェクトを実施している。
この枠内で実施されているプロジェクトは概ね次のように分類できる。これらの
プロジェクトの予算総額は約3千万ドルで、実証段階や応用段階のプロジェクトの予
算額が比較的大きくなる傾向にある。要素技術レベルで見ると、日本で実施されてい
るものと大きな差異はないと思われる
a.エネルギーシステムからの CO2 分離・回収
b.海洋中への隔離
c.陸上生態系への隔離
d.地層中への隔離
e.新しい生物プロセス
f.新しい化学的アプローチ
これらのプロジェクトの予算額とテーマ別のロードマップを次ページ以降に示す。
2.97
表2.2-29 エネルギー省の炭素隔離プロジェクトの実施課題(1/2)
分類
分
離
・
回
収
技
術
生
物
利
用
固
定
化
地
中
貯
留
海
洋
貯
留
そ
の
他
プロジェクト名
火力発電所におけるCO2の回収システム
再生可能な乾式吸着剤による煙道ガスからのC
O2の回収
CO2選択的なセラミックス膜を用いた気液交換
反応によるCO2の同時除去
CO2隔離の工学的可能性と経済性:既存の火力
発電所への適用
先進的な化石エネルギー利用におけるCO2回収
新方式CO2分離システム
ゼオライト膜を用いたCO2分離
酸素富下燃焼による高効率CO2回収の評価
化石燃料の使用に伴う炭素の隔離と荒廃地の修
湿式吸着剤・ストリッピングによる煙道ガスからの
CO2回収方法への研究ニーズ
微生物の光合成による定置型燃焼源からのCO
2の回収と固定
光合成能力の増強によるCO2固定
生態系のダイナミクス
植物成長の促進
CO2の陸上固定
採掘不可能な深度石炭鉱床での二酸化炭素隔
離:総合的研究と実用化
カンサス大学研究センター(地中貯留に関する調
二酸化炭素の貯蔵率と貯蔵能力の向上と環境保
全の確保(地中貯留関連)
石炭中の二酸化炭素の回収のための地理的スク
リーニングの基準
アパラチア地方における廃鉱山地帯の修復によ
る陸上炭素シンクの拡大
コロラド盆地地下の塩水帯水層におけるCO2の
CO2隔離のための国際的協力(海洋隔離)
大規模CO2輸送と深海隔離
海洋利用CO2隔離
CO2の塩水帯水層における処分の可能性
CANMET CO2コンソーシアム:O2/CO2リサイク
ル燃焼
(単位:ドル)
応用
実施主体
Tennessee Valley Authority
応用
Research Triangle Institute
2000
2003
1,050,889
812,285
応用
Media and Process Technology Inc.
2000
2003
900,000
720,000
未定
基礎
基礎
基礎
基礎
応用
ABB Power Plant Laboratory
Research Triangle Institute
TDA Research, Inc.
University of Colorado
McDermott Technology, Inc.
Oak Ridge National Laboratory
1999
1998
1998
1998
1999
1999
2001
2001
2001
2001
2001
2001
649,420
550,000
549,999
266,613
99,985
250,000
250,000
550,000
549,999
200,000
99,985
250,000
未定
University of Texas at Austin
1999
2001
48,834
48,834
未定
Physical Sciences, Inc.
未定
Ohio University
基礎
Los Alamos National Laboratory
基礎
Los Alamos National Laboratory
工学的開発 USDA - Forest Service - Southern Research Station
2000
2000
2000
2000
1999
2003
2003
2001
2001
2004
2,361,111
1,369,525
1,120,000
440,000
75,000
1,682,028
1,075,052
560,000
440,000
25,000
実証
応用
Advanced resources International
University of Kansas Center for Research
2000
2000
2003
2003
5,543,246
3,307,515
1,387,224
2,436,690
応用
Texas Tech University
2000
2003
2,618,393
2,081,348
応用
Geological Survey of Alabama
2000
2003
1,398,068
789,565
探索的開発 Stephen F. Austin State University
探索的開発 University of Utah
基礎
Massachusetts Institute of Technology
基礎
McDermott Technology, Inc.
未定
Department of Navy - Naval Sea Systems Command
基礎
Battelle Columbus Laboratories
2000
2000
1998
1998
1999
1999
2003
2003
2002
2001
2001
2000
798,665
428,049
950,000
619,732
491,500
198,000
587,330
342,412
950,000
619,732
491,500
99,000
先進的開発 Natural Resources Canada - CANMET
1999
2002
765,000
35,000
2000
1998
2003
2001
896,466
511,660
717,172
511,660
研究開発段階
CO2対策技術の統合モデルのフレームワーク
基礎
埋立地管理におけるCO2隔離とメタン排出抑制 基礎
Carnegie Mellon University
Institute for Environmental Management
2.98
開始年 終了年 予算総額 うちDOE負担
2000 2003
1,289,007
729,007
表2.2-29 エネルギー省の炭素隔離プロジェクトの実施課題(2/2)
分類
プロジェクト名
高炭素分焼却灰の管理方策と技術
燃焼後のアンモニア注入が飛灰の品質に与える
影響
石炭再燃焼における炭素ロスの最小化
白亜期末における気候変動の記録
予 算 総 額
実施主体
研究開発段階
(単位:ドル)
開始年 終了年 予算総額 うちDOE負担
2000 2003
398,128
313,636
未定
Brown University
未定
未定
University of Kentucky Research Foundation
2000
Energy & Environmental Research Corporation - CA 2000
University of North Dakota Energy and Environmental
Research Center
2000
応用
2.99
2002
2002
2001
300,326
250,000
149,815
200,000
219,232
109,616
30,714,363 19,813,890
投
中深層への投入
プルームモデル
CO2−水系
の挙動(ハ
イドレート
を含む)
入
隔離効果の向上
深海投入
深海技術
隔離効果の解明
賦活化
フィールド
試験
賦活化技術
地域的
全球的
海洋モデル
環境影響の解明
トレーサー
研究
生物学的
調査
モニタリング
図 2.2-17 CO2 海洋隔離における技術開発のロードマップ
(出典:米国エネルギー省資料)
2.100
戦略目標
2025 年までに人間活動による二酸化炭素排出の
有意な部分を隔離できる科学技術的能力を開発する
政策目標
生産技術
システム
技術プラット
ホーム
要素技術
科学技術的
能力
陸上バイオマス
による隔離
生物学的生産
養殖技術の改良
農業技術の改良
新規微生物・植物
及び代謝経路
分子生物学
植林技術の改良
新たな増殖
スキーム
収穫・加工法
生化学
図 2.2-18
海洋バイオマスに
よる隔離
微生物生理学
植物生理学
吸収地点における
吸収能力の向上
海洋の持続可能性
の改良
生態系の解明
新規固定物質
土壌生物学
総合的な
バイオプロセス技術
モニタリング
構造生物学
分離・回収技術
プロセス工学
先端生物学プロセスの技術開発のロードマップ
(出典:米国エネルギー省資料)
2.101
戦略目標
2025 年までに人間活動による二酸化炭素排出の
政策目標
有意な部分を隔離できる科学技術的能力を開発する
従来型の炭素排出
システム
土壌/バイオマス
による吸収
燃料製造
生産技術
システム
隔
離
新方式の炭素
排出システム
吸着
吸収
低温蒸留
膜
新しいコンセプト
技術のプラッ
トホーム
化学法
物理法
化学法
物理法
有機膜
無機膜
ハイドレ
ート形成
化学ルー
プ燃焼
CO2リサ
イクル燃焼
要素技術
科学技術的
能力
溶媒
吸着材
ガス-固相
接触器
ガス-液層
接触器
反応速度論的
モデル
液体の
動力学
物質合成
大規模システ
ム工学
輸送能力の向
上
分子ふるい
分子
モデリング
表面
モデリング
図 2.2-19 二酸化炭素の分離・回収技術の開発におけるロードマップ
2.102
(出典:米国エネルギー省資料)
Phase 1
(2000-2005)
Phase 2
(2005-2015)
Phase 3
(2015-2025)
Vision 2025
地域的な地域隔離
フォーメーションの評価
総合的な地中隔離の
実証
実証規模
での試験
基礎研究
地中隔離オプション
の条件
先端技術の開発
コスト競争力
安全性
一般への受容
信頼性
地理的類似地点
の調査
図2.2-20 二酸化炭素地中隔離の研究開発のロードマップにおける主要要素
(出典:米国エネルギー省資料)
2.103
2) ドイツ
ドイツの環境省では毎年、環境分野の研究開発課題(UFOPLAN)を策定して
いる。それによれば 2001 年の地球温暖化関連の研究開発課題には次のようなも
のがある。これらは政策的な研究に関わるものと具体的な技術や個別課題に関わ
るものとに大別される。
◆政策的な研究に関わるもの
・共同実施及びCDMの評価
・気候変動対策のための政治的シナリオ
・気候変動に対して影響を受けやすい国内のシステムの保全
・気候変動にともなう異常気象
・発展途上国の UNFCC の枠組み内への取り込み
・社会経済的な指標による温室効果ガス排出量の計算
・京都議定書のさらなる発展と批准
・京都議定書に基づく温室効果ガスの把握
・気候変動対策の効果のモニタリング
・地球温暖化に対する問題意識の醸成
◆具体的な技術、個別課題に関わるもの
・生態学的に最適な再生可能エネルギーの利用
・環境の観点から見たバイオマス政令と再生可能エネルギー法の政策評価
・省エネルギー法の改定についての調査
・産業及び小規模事業所における分野を越えた省エネルギー技術の可能性
・民生部門、小規模事業所、事務所における機器の効率向上による温暖化防止
・電気機器の待機電力の削減による温暖化防止のポテンシャル
・コミュニティレベルの地球温暖化対策の促進に関わる政策と手法
・総合的エネルギー消費量を指標に用いた持続可能な製品とサービスの実現
・SAVE プロジェクト:公共部門における省エネルギー技術のグリーン調達
・クリーナープロダクションに関するインターネット情報システムの拡充
2.104
③廃棄物、資源循環対策(3R対策)分野における技術開発実施状況
1)概況
廃棄物リサイクルを軌道に乗せるためには、法律や制度等の面での支援が不可欠
であり、欧米先進国では、この点で積極的な取り組みを実施してきている。
ドイツでは 1990 年より、容器包装材のリサイクルを実施し、現在ではそのシステ
ムに、フランス、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルグ、スペイン、ポルトガル
が参加している。これは、リサイクルマーク(グリューネプンクト)の使用料を容器
包装材のメーカーに課し、その収益でリサイクルマークのついた使用済み容器包装材
を回収・リサイクルする民間組織を運営するというものである。
オランダでは 1993 年に自動車リサイクル財団とリサイクル協会を発足させ、1995
年より廃車のリサイクルを開始している。ドイツでも 1998 年より、新しい廃車政令
のもとでリサイクルを実施している。
米国では 1991 年より、連邦政府の物品調達においてリサイクル品や環境負荷の低
い製品の購入を実施しており、これに対応するため、産業界がリサイクルに取り組ん
でいる。
いずれの例も、実施されてからの日が浅く、実施状況のモニタリングも含め、問題
点の洗い出しは今後行われていくことになる。また、リサイクルの要素技術に関して
は、我が国で実施、あるいは開発中のものと大差はない。
2) 米国
○政策の概況
連邦レベルの廃棄物対策はEPAが総括している。現在EPAは国家環境目標プロ
ジェクト(National Environmental Goals Project)のもと、国民の健康、経済活動、
生活の質を改善するために、10年間程度の長期的かつ現実的な目標の設定を進めてい
る が 、 廃 棄 物 関 連 で は 1996 年 の 廃 棄 物 最 少 化 国 家 計 画 ( National Waste
Minimization Plan)において次のような目標が定められている。
・ 国レベルで、有害廃棄物のうちで難分解性、生体蓄積性、毒性が最も強い化学
物質を2000年までに25%、2005年までに50%削減する。
・ これらの化学物質が環境媒体を通じて拡散するのを抑制する。
・ これらの化学物質を発生源においてできるだけ抑制し、抑制不可能な場合は環
境に影響を与えない方法でリサイクルする。
○プロジェクトの実施状況
・Common Sense Initiative
コモン・センス・イニシアチブは、従来の規制措置に基づく環境対策から脱却して、
EPAと業界が合意形成を図りつつ、より柔軟かつコスト効果的に汚染の予防を進め
て行くとの考え方に基づいて実施されている一連のプロジェクトの総称である。現在
2.105
EPAは以下の6業種に対してCSIによる意見交換を実施しており、委員会(Common
Sense Initiative Committee)の中に業種別の分科会を設置している。
・自動車製造業
・コンピュータ・電子機器製造業
・鉄鋼業
・メッキ業
・石油精製・石油製品製造業
・印刷業
分科会にはEPAと業界の代表者だけでなく、地域住民、環境団体などの代表者も
出席し、経済的で実効性のある汚染予防対策を検討している。このイニシアチブでは
1995年1月の開始以来、約40のプロジェクトが実施されており、150以上の関係機関
が参加している。
産業廃棄物の数値目標は現在のところ定められていないが、次のようなテーマにつ
いて検討が行われている。
表2.2-30 Common Sense Initiativeにおける業種別の廃棄物対策
業
種
検 討 テ ー マ と 概 要
コンピュータ及び
電子機器製造業
・ブラウン管のリサイクルを阻害するRCRA法の条項の改正について検討
・電子機器の回収とリサイクルに関する円卓会議の開催(1997年2月)
・Legitimate Recyclingプロジェクトにおいて、コンピュータ部品のリサイクルの
あり方についてコンセンサスの形成を図るとともに、現行の固体廃棄物に関する
法制度のあり方について検討中。
鉄鋼業
・酸洗い工程(Pb,Ni,Cr等を含む廃棄物が発生)における廃棄物の排出抑制、再資
源化対策に関するワークショップを開催
(この工程からは全米で年間約90万トンの廃棄物が発生している)
・環境パフォーマンスのモニタリングのあり方についての検討委員会を開催(1998
年1月)
メッキ業
・メッキ業からの排水処理汚泥(有害廃棄物)の排出抑制、リサイクル、最終処分
量削減策などを検討するプロジェクトを実施
・有害物質の排出を(ほぼ)ゼロにするための新技術の実証プロジェクトを実施。
毒性の低い薬品への代替やクリーン技術の導入を目指す。
2.106
3) ドイツ
○概況
ドイツにおける廃棄物・リサイクルに関する基本法としては、1996 年に施行され
た循環経済・廃棄物法がある。同法には8つの一般政令と1つの指針・2つの技術指
針、1つの一般行政規則があり、この他に使用済みハロゲン系溶剤、廃油、容器包装、
廃自動車、バイオ廃棄物等に関する個別の政令がある。
ドイツ環境省の 2001 年の研究計画(UFOPLAN 2001)によれば、廃棄物関連の
研究テーマは次の通りである。
◆廃棄物対策のコンセプト、物質循環の確立とマテリアルフローの管理
・特定の廃棄物に関する環境に適正な処理処分の指針策定
・ドイツにおける 2000 年の容器包装の使用と再資源化状況
・有機物起源の物質中におけるポリ塩化ビフェニル(PCB)とポリ塩化テル
フェニル(PTB)の定量方法の開発と評価
・家庭系廃棄物処理の将来戦略(2020 年)
◆廃棄物処理と再資源化
・下水汚泥中の有機性有害物質のリスク評価
・再生資源由来の肥料中のリンとカリウムによる植物の生育特性
・生物系廃棄物の嫌気性処理から生じる発酵残さの土壌還元にともなう安全性確
認
・家庭系廃棄物の最終処分場の閉鎖に向けての法的、制度的、経済的検討
・建設資材の再生にともなう二次廃棄物の処理処分
2.107
④化学物質管理等分野における技術開発実施状況
1)化学物質管理等分野全体の概況
○先進国では、内分泌攪乱物質、ダイオキシン類等の有害化学物質による水質汚
染が大きな問題となっており、OECD での取り組みをはじめとして各国でこれ
らの問題への取り組みが進んでいる。また、有機スズなどの有機金属類や新た
な金属類、非金属類による汚染の処理も課題となっている。
○また、これらの処理技術を適用した結果の評価などを行ったり、有害化学物質
の管理やリスクアセスメントを行うために、汚染物質の計測技術の開発が重要
であり、先進国を中心として研究が進んでいる。対象物質は、内分泌攪乱化学
物質、塩素化ダイオキシン類、フッ素や微量の金属・半金属・有機金属などで
ある。これらの物質を対象とした高度計測技術の開発が課題となっている。具
体的な課題としては、高感度・高精度化、簡易化、オンライン測定、目的物質
の高度分離・精製技術などが挙げられる。
○また、廃棄物の焼却においては、ダイオキシンをはじめとする有害化学物質の
排出という問題を抱えている。廃棄物焼却は、世界的にみても廃棄物処理の代
表的な方法であり、未利用エネルギー源としての期待も大きい。ゴミ問題の先
進国とされるヨーロッパ諸国でも、埋立処分地の確保が次第に難しくなってい
ることから、焼却率が増加する国が増えている。焼却に伴うダイオキシン対策
は、すでにヨーロッパ諸国では一段落しており、むしろ工業炉、家庭での焼却
処理に関心が寄せられている。
2)米国
○有害化学物質対策
米国EPAでは、廃棄物中の有害化学物質のうち、残留性(Persistent)、生物
濃縮性(Bioaccumulative)
、有毒(Toxic)なもの(PBT Chemicals)について次
のような目標を掲げている。
・ 国レベルで、有害廃棄物のうちで難分解性、生体蓄積性、毒性が最も強い化学
物質を2000年までに25%、2005年までに50%削減する。
・ これらの化学物質が環境媒体を通じて拡散するのを抑制する。
・ これらの化学物質を発生源においてできるだけ抑制し、抑制不可能な場合は環
境に影響を与えない方法でリサイクルする。
この計画が対象とするのは主としてスーパーファンド法の対象企業である。
2.108
○環境ホルモンに関する研究
・ 研究の経緯
内分泌攪乱化学物質に対する問題提起は、1996年に米国で出版された「奪われし未
来(Our Stolen Future)
」が契機となっており、米国でもその頃から環境中の化学物
質の内分泌系への影響についての研究が活発になった。1996年には食品品質保護法
(Food Quality Protection Act, FQPA)と飲料水安全法(Safe Drinking Water Act,
SDWA)の改正法が成立し、その中でEPAが次のような調査研究を行うことが定めら
れた。
・実証された試験方法及び関連の科学的情報に基づいてスクリーニングのための
計画を策定する
・ある種の化学物質が、天然に存在するエストロゲンに類似した影響及びその他
の影響(EPA長官が定めるもの)を人体に与えるかどうかを明らかにする
具体的には次のような期限に従ってスクリーニングが進められることとされた。
1998年8月:EPAがスクリーニング・プログラムを策定する
1999年8月:プログラムを実施する
2000年8月:計画の進捗状況について議会に報告する
これを受けてEPAは「内分泌攪乱化学物質のスクリーニングと試験に関する諮問
委員会」 (Endocrine Disruptor Screening and Testing Advisory Committee,以下
EDSTACと略)を設立した。委員会はEPA、その他の連邦機関、州当局、産業界の代
表者、水供給事業者、労働安全分野の関連機関、環境保護団体、公衆衛生に関する団
体、科学者などから構成されており、次のようなワーキング・グループ(WG)に分
かれている。
2.109
表2.2-31 EDSTACのワーキング・グループの構成
WGの名称
活 動 内 容
作業原則WG(Principles WG)
・EDSTACの概念的枠組みを定める。
優先順位付けWG
(Priority Setting WG)
・
スクリーニングと試験WG
(Screening & Testing WG)
コミュニケーションと教育WG
(Communications & Outreach WG)
内分泌攪乱化学物質のスクリーニングと試験のため
の優先順位決定方法について推奨できる方法を定め
る。
・スクリーニングと試験プログラムに盛り込むべきスク
リーニング法と試験法について推奨できる方法を定め
る。
・ スクリーニングと試験プログラムに関するコミュニ
ケーション上の問題について提言を行う。
(出典:Endocrine Disruptor Screening and Testing Advisory Committee, Final Report August,
1998 USEPA)
米国では内分泌かく乱化学物質のリスクは日本ほど大きなトピックスとはなっ
ておらず、リスク評価のための基礎的な研究が進められている。研究は日本の環
境省が提唱した Speed ’98 とも連携して実施されている。
3)ドイツ
ドイツ環境省の 2001 年の研究計画(UFOPLAN2001)によれば、化学物質の
リスク対策に関する研究課題として次のようなものが上げられている。
・ 環境中の内分泌かく乱化学物質の影響についての国際的研究計画への参加
・ 土壌汚染防止法に係る土壌からヒトへの直接暴露における耐容摂取量の設定根拠
の確立
・ 「環境と健康」健康に関わる環境基準の設定におけるリスクグループ(児童)の
取扱い方の検討
・ 「環境と健康」に関する行動計画の実施
・ 一般住民に対する有害物質の実質的な暴露経路の評価
・ 連邦及び州のダイオキシンデータベースに基づくダイオキシンデータへのアクセ
ス、情報交換、情報公開についての検討
・ EUの廃車指令、廃家電指令における重金属規制が環境に与える影響とそれにと
もなう対応
・ 健康影響に関する閾値の決定方法の比較(ベンチマーク量−NOAEL)
・ 実験動物データのヒトへの外挿に関する研究
・ 線虫を用いた医薬品、殺虫剤当の環境中化学物質のバイオモニタリング手法の開
発と評価
・ 根粒共生菌を用いた土壌汚染物質の試験法ガイドライン案の検証 等
2.110
⑤生産プロセス革新技術等の分野における技術開発実施状況
1) 米国
○グリーンケミストリーの推進
米国では、1990 年に Pollution Prevention Act(汚染未然防止法)という法律が
制定された。この法律は化学工場などでの生産プロセスからの環境汚染物質を未然に
防止することをねらいとしていたが、1993 年頃から米国 EPA では、この考え方を
Green Chemistry と呼び、それ以来環境調和型の化学物質生産プロセスとして積極
的な研究開発を進めている。
1995 年 3 月にはクリントン大統領が「環境規制再計画」宣言を発表し、その中の
「優先行動 25」の1つにも「グリーンケミストリー(Green Chemistry Challenge)」
が取り上げられている。
具体的な取り組みとして、グリーンケミストリー大統領賞(Presidential Green
Chemistry Challenge Award)が設けられ、産官学で行われている優良事例の表彰
を行っている。これまでに応募のあったテーマは次のようなものが中心となっている。
・ 塩素系有機溶剤の代替技術(塩素を使用しない工程、水系洗浄剤等)
・ 環境低負荷型の化学薬品(殺虫剤、生分解性の新規物質等)
・ 環境低負荷の新しい生産プロセス(医薬品等の新規合成法、微生物利用法等)
・ 新規触媒
・ リサイクル技術
・ 超臨界流体利用技術
2) その他の海外諸国
グリーンケミストリーというコンセプトは米国EPAが提唱したものであるが、
その後 OECD 諸国を中心に他の国々でも受け入れられるようになってきている。
OECD の調査によれば、OECD 加盟国ではそれぞれ次ページ表のような研究開発
が実施されている。なお、今のところグリーンケミストリーという言葉に明確な
定義はなく、表中にはリサイクル技術など他の分野と重複する技術が含まれてい
ることに留意されたい。
2.111
表 2.2-32 グリーンケミストリーに関する研究開発の実施状況
国
米国
ドイツ
英国
EU
研究分野
表彰制度に合致した分野と研究内容
分析化学
環境にやさしい化学合成
環境にやさしい溶媒、触媒反応
再生可能原料
分子設計
廃棄物のない合成法
代替原料
環境にやさしい溶媒
超臨界流体の利用
クリーンな酸化化学
触媒反応
クリーンテクノロジー(SCに合致したもの)
廃棄物の極小化。リユースとリサイクル
触媒反応
食物にならない作物からの原料
塩素を使わないプロピレンオキサイド製造
汚染廃棄物を出さないアルキル化プロセス
省エネルギー、高収率のカプロラクタン製造
環境と人間に安全なジメチルカーボネート製造
プラスチックの燃料または原料へのリサイクル
自動車プラスチックのリサイクル
ホスゲンを使わないイソシアナート製造
化学センサー
毒性溶媒の使用回避
安全性の高いケミカルプロセス
触媒による窒素酸化物の減少
カーペットのリサイクル
電気的空気的ポジショナー、製造プロセス改良
高速発熱や敏感な反応用リアクター
気液反応リアクター
注)OECD による加盟国へのアンケートに基づく。
2.112
研究実行者
産・学
官(NIST)
官(EPA)
国研
国研
学
学
MPI
MPI・産
DFG(学)
DFG(学)
BMBF(学・産)
学・産
産
産
産
産
産
産
産
産
産
産・学
産・学
産・学
産・学
産・学
産・学
(参考資料1)
EUREKA における環境関連プロジェクトの実施状況
1.EUREKA プロジェクトの体系
・ EUREKA プロジェクトのデータベース(www3.eureka.be)には、EUREKA プロジェク
トで実施されているプロジェクトの情報が収録されている。
・ プロジェクトは次の3種類に分類されている・
①Umbrella
・個別プロジェクトの上位にある包括的な位置づけのプロジェクト。
・Umbrella プロジェクトでは具体的な研究開発を実施せず、プロジェクトの立
案を行う。
②Sub-Umbrella:Umbrella と Project の中間に位置する。
③Project:個別の具体的研究開発プロジェクト
・ プロジェクトの実施段階は主として次のように分類されている。
・Finished:終了プロジェクト
・Announced:プロジェクト実施についてアナウンスが行われたプロジェクト
・Endorsed:プロジェクト実施について承認が得られたプロジェクト
・Proposal:プロジェクトの提案段階
・Idea:プロジェクトのアイデア段階
2.EUREKA における環境関連のプロジェクト
・ EUREKA データベースで、環境(environment)
、廃棄物(waste)をキーワードとし
てプロジェクトを検索した結果を次表に示す。
・ ただし、終了プロジェクトや環境という語を含んでいても環境問題に直接関連し
ないと思われるプロジェクトは除外した。
2.113
表 EUREKA における環境関連プロジェクト (1/2)
No.
330
略称
EUROENVIRON
概 要
Status
Announced, Umbrella ・環境保全に関するアンブレラプロジェクト
・本プロジェクトでは技術開発を実施せず、プロジェクトの立案
・環境負荷の少ない寄生虫の駆除方法による牛毛皮の光損傷
の防止
1080 TAMARREC
Announced
・ゴムのリサイクル
1140 CARE ELECTRONICS
Announced, Umbrella ・電気・電子機器のリサイクルと環境効率向上のための包括
的アプローチ
1176 GRANULATES(FEA)
Announced
・排水処理汚泥及び固形廃棄物を原料とした造粒体の製造
・水及び酸に強い硫黄含有コンクリートの開発
1208 SULCON
Announced
1296 LCAGAPS
Announced
・既存のLCA手法の補完システムの開発
1355 REWASCON
Announced
・最終処分場の建設における鉱物廃棄物の再利用
1500 WOOD-INITIATIVE
Announced, Umbrella ・木製品及び木材加工技術の開発
・本プロジェクトでは技術開発を実施せず、プロジェクトの立案
1501 HYDROSLUDGE
Announced
・下水汚泥・有機系廃棄物の減容化のための水熱反応の利用
・排出源における排水/汚染の低減−処理と修復
1574 LODE(P)STAR
Announced
1654 SLU/AGR ENERGY
Announced
・汚泥・農業系バイオマスの燃料利用
・家畜糞尿や有機系廃棄物中の窒素、リン、酸素の迅速定量
1676 FASTNAP
Announced
・低品位の銅鉱山におけるバイオリーチング
1705 BIODUMP
Announced
・断熱用のグラスファイバー向けの樹脂の開発
1709 REFIGLAC
Announced
・環境モニタリングシステム
1731 EMOS
Announced
・レーザー技術による表面洗浄
1769 SUCLAT
Announced
・豚の食餌中のタンパク質利用の改善による窒素汚染の低減
1807 PIG97
Announced
1838 PACKSYS
Announced
・生物学的手法による排水の高度処理
・クリーンな手工芸ガラス製造のための知識ベースの戦略
1844 K-LEAN
Announced
1857 IX-ELIMINATE
Announced
・排水中の窒素化合物の電気化学的分解
・品質保証・環境管理システムの統合
1892 IQEM
Announced
・地下水中のヒ素等の削減:ハンガリーにおける試験事例
1904 AQUACLEAN
Announced
1934 COALFLOW
Announced
・微粉炭のミルからバーナーまでのプロセスの最適化
1986 WABR 2000
Announced
・郊外地域における焼却炉による廃棄物処理
2003 SECONFUEL
Announced
・廃棄物からの再生燃料の製造技術
・バルト海における海岸・大陸棚の近代的な電気観測法
2030 BALTIC
Announced
・低環境負荷の新総合交通システム
2044 ECOCITY
Announced
2049 DYNAMIC MEMBRANES Announced
・繊維工業からの排水処理への膜技術の応用
・サーモ・メカニカル法によるポリエステル繊維製造工程からの
2053 PET-RECYCLE
Announced
廃棄物のリサイクル
2054 SURVEYOR
Announced
・排水処理のためのオンラインモニタリング・分析システム
2066 WASTEN
Announced
・廃棄物発電用ボイラーの最適設計と運転
・貯水地における環境モニタリングのパイロットプロジェクト
2068 ENMOS(IMP)
Announced
・環境及び生態系への影響を考慮した建物のメンテナンス
2081 MAINTENVIR
Announced
2096 EURO OIL RECYCLING Announced
・廃油のリサイクルと高付加価値の再生品の製造
・太陽熱を利用した建築物の冷房
2098 SOLDEC
Announced
・糖蜜利用工程における環境低負荷型のスプレー設備
2150 VINEPA
Announced
2171 ZEWADI
Announced
・表面処理プラント排水の真空蒸発処理によるゼロエミッション
2190 REVITAL
Announced
・有機性廃棄物の石油汚染土壌の修復への利用
・軟質包装の性能向上による省エネルギー・漏洩防止
2200 SOFT PACKINGS
Announced
2221 LEATHER BYPRODUCTSAnnounced
・皮革工業副産物工程におけるリサイクル
・皮なめし工程からの排水の処理技術
2238 WASTEWATERS
Announced
・低騒音型の回転翼の開発と応用
2290 PROPTECH
Announced
2293 MULTIVALENT
Announced
・生物系廃棄物大規模非連続式燃焼設備の開発
2308 INDCONWET
Announced
・工業排水の処理と再利用のための人工湿地の利用
2310 FUTOGA
Announced
・ガス化燃料製造技術
2337 ASHREC
Announced
・一般廃棄物焼却灰のリサイクル
・燃料タンクシステムの改良
2366 RESIN
Announced
2392 EAW
Endorsed
・エネルギーと廃棄物
・発電・送電の最適化のためのインテリジェントシステム
2425 EEOS
Endorsed
2467 ENVIRONMENTAL AGIS Circulating, Umbrella ・環境情報と地理情報システムの自動マッピング
・環境低負荷のインテリジェントコンクリートミキサーの開発
2468 BETINTEC
Circulating
・自動車のライフサイクルコストとインフラ整備のあり方
2486 FOOTPRINT
Endorsed
・自動車用電線の絶縁体からのハロゲン使用の削減
2502 FREEHALOGEN
Endorsed
・環境低負荷型の電気製品の梱包と環境データの管理
2523 GREENPACK
Endorsed
1062 EUROCLEAR
Announced
2.114
表 EUREKA における環境関連プロジェクト (2/2)
No.
2524
2529
2553
8234
8236
8238
略称
ASITEC
ENVIRONPCC
PURIGEST
ARIDGREEN
INTEGRALMOD
VISOR
Status
Endorsed
Endorsed
Proposal
Idea
Idea
Idea
概 要
・ヨーロッパ観光会議における生態学的技術の利用
・化学工業からの廃棄物を利用した炭酸カルシウムの製造
ム
・乾燥地域における廃棄物の再利用方策
・総合的水循環モデル
ム
(出典:EUREKAデータベースから環境[environment]、廃棄物[waste]をキーワードとするプロジェクトを抽出。
ただし、終了済み[finished]のプロジェクトや環境問題に直接関連しないと思われるプロジェクトは除外した。)
2.115
<参考資料>
諸外国と日本の環境分野における政府研究開発予算の比較
1.政府予算総額
日本と海外とでは、環境政策に国が関与する範囲、国と地方との役割分担など多くの事情が
異なるため、単純に予算を比較することは困難であるが、参考のために予算総額(政府支出)
を比較すると概ね以下の通りである。ここでは、環境分野の予算として、汚染防止と地球科学・
大気科学に関する分野を集計した。
環境分野の研究開発への政府支出は米国が最も多く、1998年には1,476百万ドルを支出して
いる。次いでドイツが963百万ドルを支出しており、日本とフランスは約450百万ドルとなって
いる。英国の政府支出は133百万ドルで、これらの国の中で最も少ない。
公害防止分野の支出も、1998年時点で米国が641百万ドルで最も大きく、次いで、ドイツ(6
23百万ドル)、フランス(313百万ドル)、日本(142百万ドル)、英国(83百万ドル)の順に
なっている。
表
日 公害防止小計
汚染防止
汚染の発見と処理
本 地球科学・大気科学
環境合計
ア 公害防止小計
メ
汚染防止
リ
汚染の発見と処理
カ 地球科学・大気科学
環境合計
ド 公害防止小計
イ
汚染防止
ツ
汚染の発見と処理
地球科学・大気科学
環境合計
イ 公害防止小計
ギ
汚染防止
リ
汚染の発見と処理
ス 地球科学・大気科学
環境合計
フ 公害防止小計
ラ
汚染防止
ン
汚染の発見と処理
ス 地球科学・大気科学
環境合計
環境分野の研究開発への政府支出(単位:百万ドル)
1991
80
22
58
153
233
440
781
1,221
605
441
1,046
127
255
382
114
275
389
1992
90
23
67
180
270
487
828
1,315
746
543
1,289
123
213
335
186
182
368
1993
109
26
83
221
330
509
848
1,357
714
521
1,235
163
149
312
201
178
379
1994
125
28
97
270
395
553
983
1,536
701
544
1,245
180
164
343
221
126
347
1995
149
34
115
336
485
549
902
1,451
792
505
1,297
208
166
374
336
138
473
1996
149
29
119
348
497
482
814
1,296
799
463
1,262
201
149
350
334
119
453
1997
141
33
108
335
476
570
813
1,383
635
367
1,002
83
50
133
293
109
402
1998
142
33
108
312
453
641
835
1,476
623
339
963
83
50
133
313
125
439
1999
197
48
149
410
607
636
832
1,468
注1:OECD資料の中から環境研究、環境技術に関連が高いと思われる項目を抜き出したが、その定義は各国
によって異なることに注意。
注2:原資料の数値は各国通貨(ドル、円、マルク等)で与えられている。ここでは、各年の為替レートを
考慮してドル換算した。
(出典:Basic Science and Technology Statistics, OECD に基づいて作成)
2.116
2.政府支出の対GNP比
前述の環境分野の政府支出を各国のGNPに対する比率(%)に直したものを下表に示す。
対GNPで見ると、ドイツが最も高く、次いでフランス、米国の順になっており、日本は英
国とほぼ同じレベルになっている。
公害防止分野に限ってみても、日本は諸外国に比べて低いレベルにある。
表
主要国の環境分野の研究開発に対する政府支出(対GNP比%)
日 公害防止小計
汚染防止
汚染の発見と処理
本 地球科学・大気科学
環境合計
ア 公害防止小計
メ
汚染防止
リ
汚染の発見と処理
カ 地球科学・大気科学
環境合計
ド 公害防止小計
イ
汚染防止
ツ
汚染の発見と処理
地球科学・大気科学
環境合計
イ 公害防止小計
ギ
汚染防止
リ
汚染の発見と処理
ス 地球科学・大気科学
環境合計
フ 公害防止小計
ラ
汚染防止
ン
汚染の発見と処理
ス 地球科学・大気科学
環境合計
1991
0.002
0.001
0.002
0.005
0.007
0.008
0.014
0.021
0.037
0.027
0.064
0.013
0.026
0.040
0.010
0.024
0.033
1992
0.003
0.001
0.002
0.005
0.008
0.009
0.015
0.023
0.045
0.033
0.079
0.013
0.022
0.035
0.016
0.016
0.032
1993
0.003
0.001
0.002
0.007
0.010
0.009
0.015
0.024
0.044
0.032
0.075
0.017
0.015
0.032
0.017
0.015
0.032
1994
0.004
0.001
0.003
0.008
0.012
0.010
0.017
0.027
0.043
0.033
0.076
0.019
0.017
0.036
0.019
0.011
0.030
1995
0.004
0.001
0.003
0.010
0.015
0.010
0.016
0.026
0.048
0.031
0.079
0.022
0.017
0.039
0.029
0.012
0.041
1996
0.004
0.001
0.004
0.010
0.015
0.008
0.014
0.023
0.049
0.028
0.077
0.021
0.015
0.036
0.029
0.010
0.039
1997
0.004
0.001
0.003
0.010
0.014
0.010
0.014
0.024
0.039
0.022
0.061
0.009
0.005
0.014
0.025
0.009
0.034
1998
0.004
0.001
0.003
0.009
0.014
0.011
0.015
0.026
0.038
0.021
0.059
0.009
0.005
0.014
0.027
0.011
0.038
1999
0.006
0.001
0.004
0.012
0.018
0.011
0.015
0.026
(注:人口データは各国の最近の国勢調査の結果を用い、各年の人口の増減を考慮した補正は行っていな
い。)
(出典:前記資料にもとづいて集計)
2.117
3.国民一人あたりの予算額
1998年時点における日本と諸外国の環境分野の政府研究開発予算を国民一人あたりの金額
で比較すると、ドイツが最も多く、次いでフランス、米国、日本、英国の順になっている。日
本の国民一人当たりの予算額は3.7ドルで、ドイツの約3分の1のレベルである。
表
日 公害防止小計
汚染防止
汚染の発見と処理
本 地球科学・大気科学
環境合計
ア 公害防止小計
メ
汚染防止
リ
汚染の発見と処理
カ 地球科学・大気科学
環境合計
ド 公害防止小計
イ
汚染防止
ツ
汚染の発見と処理
地球科学・大気科学
環境合計
イ 公害防止小計
ギ
汚染防止
リ
汚染の発見と処理
ス 地球科学・大気科学
環境合計
フ 公害防止小計
ラ
汚染防止
ン
汚染の発見と処理
ス 地球科学・大気科学
環境合計
環境分野の研究開発への政府支出(単位:ドル/人)
1991
0.6
0.2
0.5
1.2
1.9
1.7
3.1
4.8
7.5
5.5
13.0
2.2
4.4
6.7
2.0
4.8
6.8
1992
0.7
0.2
0.5
1.5
2.2
1.9
3.3
5.2
9.3
6.8
16.0
2.1
3.7
5.8
3.3
3.2
6.5
1993
0.9
0.2
0.7
1.8
2.7
2.0
3.4
5.4
8.9
6.5
15.4
2.8
2.6
5.4
3.5
3.1
6.6
1994
1.0
0.2
0.8
2.2
3.2
2.2
3.9
6.1
8.7
6.8
15.5
3.1
2.9
6.0
3.9
2.2
6.1
1995
1.2
0.3
0.9
2.7
3.9
2.2
3.6
5.8
9.9
6.3
16.2
3.6
2.9
6.5
5.9
2.4
8.3
1996
1.2
0.2
1.0
2.8
4.0
1.9
3.2
5.1
9.9
5.8
15.7
3.5
2.6
6.1
5.9
2.1
7.9
1997
1.1
0.3
0.9
2.7
3.8
2.3
3.2
5.5
7.9
4.6
12.5
1.4
0.9
2.3
5.1
1.9
7.0
1998
1.1
0.3
0.9
2.5
3.7
2.5
3.3
5.9
7.8
4.2
12.0
1.4
0.9
2.3
5.5
2.2
7.7
1999
1.6
0.4
1.2
3.3
4.9
2.5
3.3
5.8
-
-
-
(注:GNPは各国の最近の調査結果を用い、各年のGNPの増減を考慮した補正は行っていない。)
(出典:前記資料に基づいて集計)
2.118
4.環境分野への政府研究開発支出が政府研究開発支出全体に占める割合
環境分野の政府研究開発支出が政府研究開発支出全体に占める割合は下表の通りである。
環境分野への研究開発の比率が最も高いのはドイツで、政府支出の約5%を占めている。次
いで、英国(3.7%)、フランス(3.1%)の順になっており、日本は米国と同程度の2.0%と
なっている。
公害防止関連分野に限ってみても、ドイツが最も政府支出に対する割合が多く、日本は
諸外国に比べて低いレベルにある。
表
環境分野への研究開発支出が政府研究開発支出全体に占める割合(単位:%)
日 公害防止小計
汚染防止
汚染の発見と処理
本 地球科学・大気科学
環境合計
ア 公害防止小計
メ
汚染防止
リ
汚染の発見と処理
カ 地球科学・大気科学
環境合計
ド 公害防止小計
イ
汚染防止
ツ
汚染の発見と処理
地球科学・大気科学
環境合計
イ 公害防止小計
ギ
汚染防止
リ
汚染の発見と処理
ス 地球科学・大気科学
環境合計
フ 公害防止小計
ラ
汚染防止
ン
汚染の発見と処理
ス 地球科学・大気科学
環境合計
1991
0.5
0.1
0.4
1.0
1.5
0.7
1.2
1.9
3.4
2.5
5.9
1.4
2.9
4.3
0.7
1.7
2.4
1992
0.5
0.1
0.4
1.1
1.6
0.7
1.2
1.9
3.7
2.7
6.5
1.4
2.4
3.7
1.1
1.1
2.2
1993
0.5
0.1
0.4
1.1
1.6
0.7
1.2
1.9
3.8
2.7
6.5
2.0
1.8
3.8
1.3
1.1
2.4
1994
0.5
0.1
0.4
1.2
1.7
0.8
1.4
2.2
3.7
2.9
6.5
2.3
2.1
4.3
1.4
0.8
2.2
1995
0.6
0.1
0.4
1.3
1.8
0.8
1.3
2.1
3.6
2.3
5.9
2.4
1.9
4.3
2.0
0.8
2.8
1996
0.6
0.1
0.5
1.3
1.9
0.7
1.2
1.9
3.7
2.2
5.9
2.2
1.7
3.9
2.0
0.7
2.7
1997
0.6
0.1
0.4
1.3
1.9
0.8
1.1
1.9
3.5
2.0
5.5
2.3
1.4
3.7
2.0
0.7
2.8
1998
0.6
0.1
0.5
1.3
2.0
0.9
1.1
2.0
3.5
1.9
5.4
2.3
1.4
3.7
2.2
0.9
3.1
1999
0.7
0.2
0.5
1.5
2.2
0.8
1.1
2.0
(出典:前記資料に基づいて集計)
2.119
図1 環境分野の研究開発への政府支出(単位:百万ドル)
1600
1400
1200
1000
地球科学・大気科学
公害防止
800
600
400
200
0
日本
アメリカ
ドイツ
イギリス
フランス
図2 主要国の環境分野の研究開発に対する政府支出(対GNP比%)
0.07
0.06
0.05
0.04
地球科学・大気科学
公害防止
0.03
0.02
0.01
0
日本
アメリカ
ドイツ
イギリス
2.120
フランス
図3 環境分野の研究開発への政府支出(国民一人当たり、ドル/人)
14
12
10
8
地球科学・大気科学
公害防止
6
4
2
0
日本
アメリカ
ドイツ
イギリス
フランス
図4 環境分野への研究開発支出が政府研究開発支出全体に占める割合
(単位:%)
6
5
4
地球科学・大気科学
公害防止
3
2
1
0
日本
アメリカ
ドイツ
イギリス
2.121
フランス
第3章 評価
−環境分野の技術開発実施状況の評価−
第3章 評価・提言 −環境分野の技術開発実施状況の評価−
1.環境分野における分野別評価の特徴
技術と社会は密接な関係にある。特に環境問題への対応においては、環境影
響が生じた後の汚染の処理や、環境負荷を極力低減するなどといった社会ニー
ズを踏まえて、それを実現するためにどのような技術開発が必要なのかといっ
た、社会ニーズからのアプローチが必要になる。
また、社会ニーズの実現に貢献すると考えられる技術テーマがあったとして
も、その技術が実際に社会の中で使われるかどうかは、社会システムにも依存
する。例えば、ある技術が環境負荷の低減に貢献する場合であっても、その技
術を使うこと自体に多大なコストを要したり、その技術を社会システムに組み
込むために制度の整備が必要になることもある。一方で、環境対策は制度の整
備のみで対応できるものでもなく、その制度の実効性を高めるためには、技術
的な裏付けも必要になるし、制度の整備を促すような技術テーマもあり得る。
このように、環境対策は技術のみで対応できるものではなく、また、制度整備
のみでも対応できるものでもない。技術開発と制度整備は、環境対策を進める
上での車の両輪のようなものであり、ここに、環境分野における技術面での分
野別評価を行う際の特徴及び難しさがある。即ち、現在の技術開発実施状況を
評価するとしても、技術的な視点からのみ評価をしても不十分であり、技術が
社会システムの中で将来どのように活きてくるのかを併せて考慮しなければな
らないからである。
このような環境分野の特徴を踏まえて、環境分野における分野別評価WGで
は、「産業技術戦略」(2000年4月、工業技術院)や「循環型経済システム
の構築に向けて(循環経済ビジョン)」(1999年7月、産業構造審議会地球
環境部会、廃棄物・リサイクル部会合同基本問題小委員会)等で示された方向
性に照らし合わせて、現在の技術開発状況が合理的かどうかということも併せ
て評価した。即ち、産業技術戦略や循環経済ビジョンは、上記に述べたような
社会システムを踏まえた上での技術開発の方向性が示されており、現在の技術
開発事業の実施状況がこれらの方向性と適合しているかどうかも分析すること
により、本WGにおける評価に、技術的な視点のみから評価を行うということ
を排除し、社会システムを考慮した上での技術開発事業の位置づけという視点
を盛り込もうとしたものである。
3. 1
以下、上記のような観点から、第2章の現状分析に基づいて、まず、地球温
暖化対策、廃棄物・資源循環対策、化学物質対策といった、各分野毎の技術開
発実施状況の評価結果、提言の内容を示し、その後に、これら各分野に共通す
る環境分野全体にわたる総合的な評価結果、提言内容を示す。
3. 2
2.技術開発実施状況の評価
(1)地球温暖化対策技術開発の評価
二酸化炭素対策技術開発では、これまで特定の技術開発を大規模で集中的に
行う一点集中型のプロジェクトが実施されてきた。例えば、細菌藻類等利用二
酸化炭素固定化・有効利用技術研究開発、二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影
響予測技術研究開発、接触水素化反応利用二酸化炭素固定化・有効利用技術研
究開発、二酸化炭素高温分離・回収再利用技術研究開発等がこれに相当する。
これらのプロジェクトでは、開発技術の実用化までには基礎研究からベンチ
スケール試験、実証試験、環境影響評価等を含む長期間かつ多段階のステップ
を必要とする。第2章の海外における技術開発実施状況の分析で見たとおり、
海外のプロジェクト、特に米国においては、こういったステップが明確に示さ
れておりさらに長期的な道筋が描かれている。一方、上記のプロジェクトの中
には、実用化までの研究開発のステップが海外に比べて明確に設定されていな
い例も多く見られ、また基礎的な要素技術開発が中心であるにもかかわらず大
規模なプロジェクトとして提案・実施され、その結果、プロジェクト終了後に
おける成果の活用及びその後の政策的展開が明確でなかった例もある。
今後は、プロジェクトの企画・実施にあたって、現時点での技術的到達点、
技術の実用化までのタイムスパンと実用化までの道筋を明確に描くことが必要
である。技術開発から得られるであろう成果の活用を誰がどのように行うのか
を意識して、そこに至るまでのシナリオを示したロードマップを明らかにしな
ければならない。
また、技術開発のスタート時において、基礎レベルのものは小規模で多数実
施して、多様な可能性を追求する必要がある。上述のとおり、これまでは、特
定の技術開発を大規模・集中的に行う一点集中型のプロジェクトが実施されて
きており、将来の実用化へ向けた技術を探索する努力が必ずしも十分ではな
かったと考えられる。今後は広範な研究機関や民間で実施し得る多様な可能性
を追求すべきであり、こういったテーマについては、優れた提案の中から競争
的に選択して実施していくことが効果的であると考えられ、提案公募型の研究
開発制度により実施していくことが必要である。そして、このようなテーマの
採択、技術開発の実施などを通じて実用化へのステップを明確に示せるように
なった技術テーマについて、集中的に予算などの資源を投ずることがより効果
的であると考えられる。その際に、明確なロードマップが必要になることは上
3. 3
述のとおりである。
このように、多様な可能性を追求することと、実用化へのステップが明確に
示せるテーマに集中的に予算を投ずるという方向へ技術開発事業の構成を転換
していくことが必要であるが、その際、研究分野、成果のインパクト、予算等
の投入資源量の大小・バランスを考慮することが重要であり、第2章の図3に
示した評価軸を使用することが効果的である。
(2)廃棄物・資源循環対策(3R対策)技術開発の評価
廃棄物・資源循環対策(3R対策)の分野では、循環型社会形成推進基本法
(平成13年1月施行)、資源有効利用促進法(平成13年4月施行)、家電リ
サイクル法(平成13年4月施行)、建設資材リサイクル法(平成14年春完
全施行予定)、食品リサイクル法(平成13年6月施行)、グリーン購入法(平
成13年4月施行)など、制度的な枠組みが整備され、この分野での強力な3
R対策の推進が求められている。特に資源有効利用促進法では、リサイクルの
みならず、リデュース、リユースの取組強化を図るという、1Rから3Rへと
その対策の視点を拡充している。
このような制度的な整備に加え、技術的な貢献も求められているが、「1環
境分野における分野別評価の特徴」で述べたとおり、技術開発を進める際には、
その成果が社会システムの中でどのように使われ得るのかを明確にイメージし
なければならない。これは、3R対策の分野において特に意識されなければな
らないものである。
3R対策の分野における技術開発事業は、第2章の分析のとおり、リデュー
ス(平成12年度で1件、1.5億円)、リユース(同1件、1.0億円)、リ
サイクル(同13件、24.1億円)となっており、リサイクル技術開発事業
への資源配分の割合が極めて大きくなっている。上述のとおり、1Rから3R
への拡充強化という流れを踏まえると、今後は、リデュース、リユースの分野
における技術開発にも力を入れていく必要があると考えられる。この場合、社
会システムを視野に入れ、成果の活用を明確にイメージして、リユースにおい
て優先的に求められる技術テーマは何か、リデュースに貢献する技術テーマは
あるかといった検討が必要になる。また、組立産業を対象とした技術開発への
取組度合が相対的に小さいことから、組立産業における3R対策技術開発を検
討することも必要と考えられる。
3. 4
技術開発の成果の社会システムの中での活用方策を描きながら技術開発事業
を進めるためには、関係省庁間の連携が必要となる。例えば、食品有機廃棄物
からメタンや生分解性プラスチックを生産するリサイクル技術開発がある。こ
のような場合、生産される「モノ」の市場性を見ながら、あるいは市場を創出
する手だてを講じながら技術開発を進めないと、技術開発の成果が活きてこな
く、研究のための研究になる恐れがある。特にリサイクル技術開発においては、
リサイクル前後の「モノ」の所管が省庁をまたぐことがあり、技術開発成果の
活用を図るためには、技術開発成果の市場性を十分に認識するとともに、排出
される原料の性状・特性などを十分に理解する必要があり、この観点からの関
係省庁間の連携が必要である。
次に、リサイクルの分野の中での、各種製品・素材等毎の技術開発事業規模
(予算)を見ると、様々な製品・素材等に関する技術開発事業が実施されてい
るが、リサイクルの中では非鉄金属関連の事業(予算)が大きくなっている。
今後、リサイクルのシステム・技術の現状・見通しを踏まえ、技術開発事業の
適切な構成と資源配分について検討する必要があると考えられる。その際、第
2章で分析したように、技術開発の必要性が高いと考えられる、以下のような
技術開発テーマの必要性も含めて検討することが必要である。
・ 最終処分量の削減の観点からは、処分量が多く、技術開発の余地が多く残
されていると考えられるにもかかわらずリサイクルが進んでいない汚泥に
ついて、特に発生量の多さから考えて、ペーパースラッジ、化学工業から
の汚泥のリサイクル技術開発
・ 鉄鋼スラグ、非鉄金属(銅)スラグを対象とした技術開発
・ 繊維について複合繊維の素材分離のための技術開発、再生利用用途の拡大
のための技術開発
・ FRPを対象とした技術開発
以上のように、3R対策の分野では、必ずしも合理的な資源配分がなされて
きたとは言えない。この分野では、多数の技術テーマが多数の者により実施さ
れており、3R対策の政策目標に見合った技術開発事業の資源配分が必要と考
えられ、それを実現しやすいプロジェクトのフォーメーションとして、3R対
策の「プログラム方式」による取組を検討すべきと考えられる。また、プログ
ラム方式により実施する場合には、社会ニーズが高いために、制度整備と合わ
せて技術開発等による支援を行っていかなければならない自動車や容器包装、
家電、建材などの分野における技術開発を主体とすることが重要である。
3. 5
(3)化学物質対策技術開発の評価
化学物質対策全般においては、ダイオキシン、環境ホルモンに関する技術開
発が中心となっている。この他では、「化学物質総合評価管理プログラム」に
おいて、生産量の多い物質を中心に化学物質のリスク評価、リスク評価手法の
開発が実施されている。
今後は、化学物質の総合的なリスク削減のため、他の有害化学物質に関する
技術開発も進めるべきと考えられる。その際、現状の科学的知見に基づいて重
点化されている分野におけるリスク削減対策、「化学物質総合評価管理プログ
ラム」においてリスクが比較的大きいと見積もられた化学物質に対して重点を
おいた対策技術開発の推進、あるいは、将来問題となる物質に対しての予防的
リスク対策の推進が必要となろう。このとき、エンドオブパイプ対策技術から
インプラント(クリーナープロダクション)技術への展開といった観点も必要
である。また、化学物質のリスク評価手法の進展を見ながら、データの集積な
ど知的基盤を整備していくことも検討していくことが必要である。化学物質対
策は非常に多数の物質を相手にして行う必要があることから、このデータの集
積とリスク評価の改訂は常時行い、その最新の結果が研究開発のロードマップ
として反映されるシステムの構築が必要である。
有害化学物質の分解・除去の分野においても、ダイオキシン対策技術開発が
中心的に実施されている他は、坑廃水処理技術開発が実施されているのみで、
例えば土壌汚染対策技術開発は実施されていない。土壌汚染対策に対するニー
ズが増大すると考えられ、この方面の技術開発を進めることも必要であると考
えられる。
(4)その他の分野の技術開発の評価
その他の分野の技術開発としては、LCA技術開発等が進められている。L
CA技術は、民間部門のみで取組が進むものでもなく、製品のライフサイクル
全体での環境負荷の最小化を図るための基盤となるものである。このため、引
き続き、LCA技術開発を継続的に着実に進めていくことが重要である。また、
環境関連情報のデータベース化等により、環境分野での知的基盤を整備してい
くことも必要である。
3. 6
3.総合的な評価
地球温暖化対策、廃棄物・資源循環対策(3R対策)等の各分野毎の評価、
今後への提言としては、前節のような点が指摘できるが、環境分野全般にわた
る評価、今後への提言は以下のとおりである。
○技術の実用化までのタイムスパンと道筋の明確化(ロードマップの必要性)
環境分野全般の全ての技術開発事業について、技術の実用化までのタイムス
パンと道筋の明確化が必要である。技術開発事業の企画・立案時においては、
明確なロードマップを示すことが必要不可欠である。
○技術開発成果の市場性を意識した、関係省庁間での連携による技術開発の推
進
上記2(2)でも述べたが、関係省庁間の連携が必要な場合がある。技術開
発事業の成果の活用を着実に図るためには、複数省庁での共同事業をやみくも
に作り上げるということではなく、官民の役割分担を明確にした上で、技術開
発によって生産するモノの市場性を見ながら事業を進める体制の整備が必要で
ある。2(2)では、リサイクルの分野でその必要性を指摘したが、その他の
分野においてもこれは重要な観点である。研究のための研究に陥らないために
も、技術開発事業の出口、成果の活用方策を常にイメージしながら事業を進め
ることが必要である。そして、このような観点からの関係省庁間の連携が求め
られる領域、テーマの抽出には総合科学技術会議が重要な役割を果たすべきと
考えられる。
○「環境の創造」という新しい視点からの技術開発の必要性
環境分野の技術開発事業は、温暖化対策技術開発、廃棄物・資源循環対策
(3R対策)技術開発など、いわば「環境の改善」を図るための技術開発が中
心になってきた。今後は、「環境の創造」という視点が必要であり、将来我々
が健康に生活するための環境要因を考え、それをもとに現時点においてその
「あるべき未来の環境の創造」に向けてどのような技術開発が必要かを抽出す
るという視点も重要となろう。さらに、室内の香り、光、音の演出、人工自然
の創出、自然環境の室内への導入など、環境を豊かにしたり、快適性を向上さ
せるという観点からの技術開発も重要になってくると考えられ、これは、新た
な環境産業の創出にもつながるものである。
3. 7
○産業技術戦略の見直しや国としての戦略への反映
環境分野の技術開発への取組の基本的な考え方を示したものとしては、「産
業技術戦略」(2000年4月、工業技術院)がある。産業技術戦略では、環
境分野のみならずエネルギーや情報分野など、各分野毎に技術開発推進の基本
的な考え方が示されている。しかしながら、環境という分野の中において、或
いは、温暖化対策、3R対策といったカテゴリーの中において、特にどこを重
点化するのか、また、プロジェクトのフォーメーションや推進方策をどうする
のかなどといったことは具体的には示されていない。このため、「産業技術戦
略」の見直しが必要と考えられ、見直しの際には、本WGの評価方法、評価結
果、提言の内容が有益な情報を提供できていると考えられる。
また、総合科学技術会議においては、環境、ライフサイエンス、ナノテクノ
ロジー・材料、情報等といった分野での今後の研究開発戦略のあり方について
検討を行っている。本WGの評価結果、提言の内容は総合科学技術会議の議論
に反映できる有益な情報を提供できていると考えられる。
3. 8
表3−1 環境分野の分野別評価結果のポイント
分野
地球温暖化対策
分
野
毎
の
技
術
開
発
実
施
状
況
廃棄物・資源循
環対策
(3R対策)
評価のポイント
・ これまでは特定の技術開発を大規模で集中的に行う一点集中型のプロ
ジェクトが実施されてきたが、実用化までの研究開発のステップが必
ずしも明確にされていなかったプロジェクトもある。
→今後は、プロジェクトの企画・実施にあたって、現時点での技術的
到達点、技術の実用化までのタイムスパンと実用化までの道筋(ロー
ドマップ)を明確に描くことが必要。
・技術開発のスタート時において、提案公募型の研究開発制度の活用に
より、基礎レベルのものは小規模で多数実施して、多様な可能性を追
求し、実用化へのステップが明確に示せるものについて、集中的に資
源を投入するという方向に転換する必要がある。
・ 1 R か ら 3 Rへ の 拡充 強化 と い う 流れ を 踏 ま え て 、今 後 は リデ ュ ー
ス、リユースの分野における技術開発を相対的に強化すべき。その際
には、成果の活用を明確にイメージして、優先的なテーマの探索を行
う必要がある。また、組立産業に関する取り組みの検討も必要。
・ 技術開発成果の活用を図るためには、技術開発成果の市場性を見なが
ら、あるいは市場を創出する手だてを講じながら技術開発を進める必
要があり、この観点からの関係省庁間の連携が必要。
・ 現状のリサイクル分野の技術開発は非鉄金属関連の事業(予算)が大
きくなっており、リサイクルのシステム、技術の現状・見通しを踏ま
え、技術開発事業の適切な構成と資源配分について検討すべき。
→汚泥(ペーパースラッジ、化学工業からの汚泥)、鉄鋼スラグ、 繊
維、FRPなども技術開発の必要性を検討すべき。
化学物質対策
その他
総合的な評価
・ 3R対策の政策目標に見合った合理的な資源配分を実現しやすいプロ
ジェクトのフォーメーションと、3R対策の「プログラム方式」によ
る取組を検討すべき。
・ ダイオキシン、環境ホルモンに関する技術開発が中心。
→化学物質の総合的なリスク削減のため他の化学物質に関する技術開
発も進めるべき。その際、エンドオブパイプ技術からインプラント
(クリーナープロダクション)技術への転換といった観点も必要。
・ 化学物質のリスク評価手法の進展を見ながら、データ集積などの知的
基盤の整備を進めることやリスクの予見と予防といった観点も重要と
なろう。
・ 土壌汚染対策へのニーズの高まりに対応した技術開発の推進が必要。
・ LCA技術開発の継続的な進展と環境関連情報のデータベース化が必
要。
・ 技術の実用化までのタイムスパンと道筋の明確化(ロードマップ)を
明確に示すことが必要。
・ 官 民 の 役 割 分担 を 明確 にし た 上 で 、技 術 開 発 成 果 の市 場 性 を意 識 し
た、関係省庁間での連携による技術開発の推進が必要。
・ 未来の「快適な環境」の創成など、将来の環境を豊かにしたり、快適
性を向上させるという観点(環境の創造)からの技術開発も必要。
・ 今後はこれらの評価結果を踏まえて、産業技術戦略の見直しを行うこ
と等も検討すべき。
3. 9
おわりに
本WGでは、平成13年4月から6月まで3回にわたり環境分野の分野別評価の検
討を行い、本報告書をとりまとめた。従来の個別プロジェクト毎の評価とは異なり、
本WGでは、環境という広範な分野の中で、多数の技術開発事業を俯瞰的に見て、技
術開発実施状況や事業構成、資源配分の妥当性等を評価した。このように複数の技術
開発事業を束ねて俯瞰的に評価するということは、政府部内においても恐らく初めて
の取組であり、個別プロジェクト毎の評価では得られない有益な評価、提言がなされ
たものと考えられる。
分野別評価が他でも例のない取組ということもあり、その評価手法にも確立したも
のはない。このような中で、本WGでは、複数事業の実施状況、事業構成、資源配分
状況等を評価するため試行錯誤を重ね、第2章の現状分析、第3章の評価・提言で示
したような方法で評価を行った。特に、第2章の現状分析の中で行ったポートフォリ
オ分析は、技術評価の一つの新しい手法を提示できたのではないかと考えている。一
方で、技術評価にはこれで完全という手法は存在しない。取組が始まったばかりの分
野別評価では特にそうであり、今回採用した評価軸(評価指標)は決して絶対的なも
のではない。今後とも評価手法の向上に向けた関係方面における継続的な努力が期待
される。なお、個別プロジェクトの評価についても引き続き継続的な見直しが必要で
あり、本WGの評価結果を個別プロジェクトの見直しにうまく結びつけることが重要
である。
本WGの評価結果、提言の内容は、政府における技術開発事業の問題点を的確に指
摘していると考える。
「技術評価」は次の政策の企画・立案・実施に対する指針とな
るべきであり、政府においては、指摘された問題点を改善し、より良い技術開発事業
を進めていくため、この評価結果、提言の内容を踏まえて、技術開発事業の企画、立
案、実施にあたるよう期待する。そして、本WGの評価結果、提言内容を踏まえて、
技術開発事業の進め方等がその後どのように変わったのか等について、今後の環境分
野の分野別評価で確認することが必要である。
第3章の「評価・提言」でも述べたように、総合科学技術会議においては、環境、
ライフサイエンス、ナノテクノロジー・材料、情報等といった分野で今後の研究開発
戦略のあり方について検討を行っている。本WGで採用した評価方法及びその分析・
評価結果は総合科学技術会議での環境分野の議論に対して有益な情報を提供すること
ができたと考えられ、さらに、環境分野以外においても活用できるような有効な分析
手法を提示できたと思われる。本評価結果が、広く我が国の研究開発の効率的推進に
寄与すれば幸いである。
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