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アサヒビール(株) - 内閣府 沖縄総合事務局
『沖縄バイオマスセミナー 』 平成19年3月28日 伊江島における バイオ燃料利活用研究について アサヒビール株式会社 研究開発企画部 飯島 昇 試験目標と体制 サトウキビを原料として バイオマスエタノールを 安価かつ大量に生産する プロセスを開発する 共同研究 『アルコール製造技術』と 『サトウキビ原料開発』の合体 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター 世界の燃料アルコール利用動向 ・EU バイオ燃料導入促進指令 ・スウェーデン E100バス試験、E5、E10試験運用 ・ドイツ バイオ系燃料の非課税化 E10の試験運用検討中 ・ポーランド E3.5、ETBE11.5等 ・フランス ETBEとして利用 ・中国 4省都市部でのE10 ・カナダ 一部でE5∼E10 ・日本 E3まで可能 ・アメリカ 全土でE5.7、E7.7、E10 利用拡大 ・フィリピン E10導入 ・インド 9州でE5実施 全土でE10展開目標 備考) E3:エタノール3%混合ガソリン E10:エタノール10%混合ガソリン ・タイ E10試験導入 ・オーストラリア E10導入 ・ブラジル 全土でE25、E100 資料:バイオマス情報ヘッドクウォーター(http://www.biomass-hq.jp/foreign/index.html)など 国産バイオマスによるE3実証試験 1.北海道十勝区((財)十勝振興機構等) 【農林水産省、経済産業省、環境省】 ・規格外小麦等からの燃料用エタノール製造と E3実証。(18年4月実験プラント設置) 2.山形県新庄市(新庄市)【農林水産省】 ・ソルガム(こうりゃん)からの燃料用エタノール製 造とE3実証。(現在、栽培試験を実施) 3.大阪府堺市(大成建設、丸紅、大阪府等)【環境省】 ・建築廃材からの燃料用エタノール製造と E3実証。 (19年1月大規模実証プラント設置) 4.岡山県真庭市(三井造船等)【経済産業省】 ・製材所端材からの燃料用エタノール製造実証。 (18年小規模実証プラント設置) 6.沖縄県伊江村 (アサヒビール、JA伊江、伊江村等) 【農林水産省、経済産業省、環境省、内閣府】 ・サトウキビ(新品種)からの燃料用エタノール製造と E3実証。(17年小規模実験プラント設置) 5.沖縄県宮古島(りゅうせき)【環境省】 ・サトウキビ(糖蜜)からの燃料用エタノール製造とE3実証。 (17年実証プラント設置。大規模化の予定) 資料:農林水産省HP(http://www.maff.go.jp/biomass/dpt/01/data02.pdf) パイロットプラント実証試験地:伊江島 伊江島 米軍訓練場 城山(172m) 那覇 伊江島空港 米軍訓練場 伊江島空港 南北:3km 伊江村役場 伊江港 人口 5300人 東西:8.4km 主要産業 サトウキビ 葉タバコ 電照菊 畜産 プラントは ここです JA伊江島 製糖工場 (H.16閉鎖) 新しいプロセスのメリット ①食糧(砂糖生産)競合問題の解消 同じ面積の畑から多くの「糖分」,「繊維分」を生産 砂糖・糖蜜をバランス生産(1回結晶化) ②安価な製造コスト 設備の効率化(発酵技術、サトウキビの収穫期間の延長) 原料の効率化(①と同様) ③製造エネルギーに化石燃料を使用しない バガス燃焼エネルギーで全工程のエネルギー供給(石油を使わない) 経営理念 アサヒビールグループは、 最高の品質と心のこもった行動を通じて、 お客さまの満足を追及し、 世界の人々の 健康で豊かな社会の実現に貢献します。 ビールからバイオマスエタノールへ 二条 大麦 麦芽 ホップ添加 ビール醸造 (アルコール発酵) 技術 微生物 プラント設計 農作物加工 派生 麦汁 酵母添加 バイオマス エタノール バイオマスエタノール 特徴 ①ガソリンに混合できる液体燃料 (日本では3%以内:平成15年8月施行 経済産業省) ②CO2排出ゼロとみなされる,「クリーンエネルギー」 (カーボンニュートラル) 植物体 エネルギー CO 2 成長 変換 燃料 CO2吸収→糖・セルロース 吸収→セルロース 排ガス (光合成) 大気中のCO2が循環 環境基本方針 基本理念 ビールは水・麦・ホップといった 「自然の恵み」からつくられています。 アサヒビールグループは 「美しい地球の保全と人に優しく」を実現する ために、「自然の恵み」を育んだ地球に感謝し、 地球をより健全な状態で子孫に残すことを 責務と考え、行動していきます。 http://www.asahibeer.co.jp/csr/eco/eco_01.html 原料とプロセス 酵母 糖質系 (サトウキビ等) でん粉系 (とうもろこし等) 酵素 酵母 糖化 発酵 酸or酵素 木質・ セルロース系 (前処理) 発酵 糖化 蒸留 脱水 蒸留 脱水 蒸留 脱水 酵母 発酵 無 水 エ タ ノ | ル バイオマスアイランド構想の概要 1府3省 連携PJ ①エネルギー用 サトウキビ栽培試験 農水省 経産省 環境省 内閣府 E3ガソリン ④公用車での E3ガソリン走行試験 ③エタノール3%混合 収 吸 2 ガソリン(E3)製造 CO サトウキビ (九州沖縄農業研究センター担当) バイオマスエタノール 堆肥 サトウキビ葉 ②砂糖・エタノール 同時製造実証試験 砂糖 飼料 ⑤副産物利用 敷料 サトウキビ搾り粕 畜産農家 ※注 : 図中数字は試験前の推定値 パイロットプラント ● 平成17年12月末完成 ● 平成18年1月より立上げ開始 ● 同年1月31日より、 E3ガソリンによる走行試験開始 設備の想定規模 ●原料処理量 : 600∼1,000kg/回 ●エタノール製造量 : 20リットル/回 ●砂糖製造量 : 400kg/回 1回の処理量 (およそ1トン) パイロットプラント(平面図) ケーン置場 搾汁タンク 三重圧搾機 コンベア シュレッダー 動力室 ボイラ コンプレッサー CIP 操作室 エタノール精製 蒸留 清澄化液 脱水 エタノール製造室 (サニタリーエリア) 加熱装置 CT 沈殿槽 CT 濃縮缶 晶出缶 分離機 発酵タンク 見学者通路 原料サトウキビ投入 ブレンダー サトウキビの加工と製糖、アルコール発酵・精製から E3ガソリン製造まで一貫して行える設備 E3製造 従来からの取組み サトウキビから砂糖を作り、砂糖副産物からエタノール生産 【製糖用サトウキビ】 【製糖プロセス】 粗糖 糖収量少ない 結晶化 輸送 圧搾 糖蜜 繊維量少ない 残糖量少 発酵 蒸留 エタノール 搾汁 収量低い 【アルコール 製造プロセス】 3回 収穫期間短い バガス 燃焼 発電 エネルギー 石油 『エタノールをより多く製造しようとすると、砂糖の生産と競合する』 エタノールの原料である『糖分』が、低価格で大量に残らないと。。。 高バイオマス量サトウキビ 九州沖縄農業研究センターが開発 高バイオマス量サトウキビ 従来サトウキビ 【写真:一株あたりの茎収量の差】 写真提供:九州沖縄研究センター 砂糖・エタノール複合製造プロセス 『砂糖(食糧)の生産と競合せずに、安価なエタノール製造』 【新規設備併設】 【製糖用サトウキビ】 【製糖プロセス】 多くの収量 1回 結晶化 圧搾 糖蜜 多くの糖収量 多くの繊維分 粗糖 【アルコール 製造プロセス】 発酵 蒸留 エタノール 搾汁 現状より 生産量維持 残糖量アップ 大量に発生 バガス 燃焼 発電 エネルギー × 石油 E3ガソリン製造試験 試験目的 エタノール混合ガソリンの製造と品質調査 エタノール ガソリン ブレンド計量器 (兼ラインブレンド) ガソリンタンク 【地下タンク貯蔵所】 【E3ガソリン詰替所】 E3ガソリンの利用 JAガソリンスタンドにある 専用給油機 チャージ 給 危 油 平成18年1月31日 伊江村公用車での E3ガソリン走行試験開始 マスコミ披露 今後の予定 1.2010年3月まで、原料となる高バイオマス量 サトウキビの育種・栽培からエタノール製造ま での実証試験を行います。 2.実証試験を通じて、最適な高バイオマス量 サトウキビ品種の選抜と、効率的なプロセス 開発を行います。 九州沖縄農業研究センターと共同で研究を進めてまいります 謝辞 ● 本件は1府3省の連携プロジェクトとして、以下のご支援を いただいております。 【農林水産省】 事業名:バイオマスの環づくり交付金 【経済産業省】 事業名:バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業 (NEDO事業) 【環 境 省】 事業名:地球温暖化対策技術開発 【内 閣 府】 全体の調整 ● 研究協力 : 沖縄県 沖縄県伊江村役場 JAおきなわ伊江支店 ご清聴ありがとうございました。 アサヒビールグループは、 「食」と「健康」に関する事業を通して、 新しい時代における人々の楽しく・心豊かな 生活文化の創造に挑戦します。