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《 学校訪問を終えて 》 《 平成26年度青森県学習状況調査について 》
青森県教育庁西北教育事務所 五所川原市栄町10 ℡0173-34-2111 Fax33-3663 西北教育事務所便り №28 平成27年2月12日(木) 《 学校訪問を終えて 》 平成26年度の学校訪問は、下表のとおり、五所川原市、つがる市内の学校を除く西北管 内27校への計画訪問と11校への要請訪問を実施するとともに、五所川原市教育委員会指導 課並びにつがる市教育委員会指導課の計画訪問にも20校へ帯同しました。 訪問に当たっては、説明資料や学習指導案の準備など大変お世話になりました。各学校 の先生方の熱心で誠意ある姿勢、児童生徒の明るい授業態度や真剣な取り組み、美しく整 備された校内外の環境、そして教職員の協同指導体制など、各学校の特色を生かした充実 した教育活動を拝見することができました。大変ありがとうございました。 今年度は、全ての学校で「いじめ防止基本方針」を整備し体制が整えている様子を確認する ことができました。今後も日々の教育活動の中で見直しながらの取組をお願いします。 今後も、各学校の特色を踏まえ、知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな子どもを育成 する教育活動を推進してくださるようお願いします。 計画訪問 小学校 19校 提案授業:国語4 算数11 中学校 8校 提案授業:数学1 小学校 4校 道徳1校(2回) キャリア教育1校 国語1校(2回) 算数1校(3回) 中学校 7校 キャリア教育2校(4回) 国語1校 理科1校 英語1 道徳2 音楽2 美術1 学級活動2 道徳3 要請訪問 帯同訪問 道徳2校(2回) 特別活動1校 五所川原市、つがる市の20校(幼稚園1、小学校13校、中学校6校) 《 平成26年度青森県学習状況調査について 》 平成26年度の学習状況調査の結果につきましては、昨年12月中に県教育委員会より「学 習状況調査実施報告書」が各学校に送付されており、自校の結果との比較や課題の把握と その対応などに活用が図られていることと思います。本調査のみで、管内における学習状 況の全てを把握できるものではありませんが、この調査結果を見ますと、各学校の実態に 応じた積極的な取り組みの成果がうかがえるとともに、課題もみられます。 西北の課題の一つである「確かな学力の育成」のためには、日々の授業改善に努め、児 童生徒一人一人に確実に力を付けていく必要があります。そのために、各教科の調査結果 を分析して自校の指導上の課題を明らかにし、各教科で重点的に指導すべき事項と課題解 決の方策を具体化し、それらを日常の学習指導に生かしていくことが大切です。 そこで、各学校の授業改善に役立てていただくために、西北管内の結果分析を各教科ご とにまとめた資料を作成しましたので、学校での結果分析や日々の授業の参考として御活 用ください。今年度は、各教科に記載する内容を重点化しています。また、各教科によっ て県の通過率や設定通過率との差に違いがあるため、別添資料では教科ごとに抽出する基 準を変えておりますので御留意ください。 加えて、11月に電子データで配布された県教委発行の『平成26年度全国学力・学習状況 調査 本県の結果と今後の対策「基礎・基本の定着と活用力向上のために」(小学校・中学 校)』や「西北の教育」34~35ページも授業改善の参考として御活用ください。 (教育課長 原 知紀) 平成26年度学習状況調査結果分析(小学校 1 国語科) 教育事務所管内別通過率(%) 東青 中南 上北 下北 三八 五所川原市 つがる市 西・北郡 西 北 県 22年度 63.4 66.4 64.4 62.5 66.1 65.5 65.1 62.7 64.4 64.8 23年度 67.3 68.1 67.3 68.7 67.0 68.9 66.5 65.9 67.3 67.5 24年度 69.2 68.9 70.9 68.0 70.2 70.2 73.0 68.5 70.3 69.7 25年度 69.5 70.0 70.7 69.1 70.3 72.4 69.7 69.3 70.6 70.1 26年度 55.2 58.4 54.5 55.1 54.8 54.0 56.6 55.0 54.9 55.6 2 小問ごとの比較 ※問題の内容欄の◇は[活用に関する問題] ①県と比較して通過率が高い問題(全9問中、高い順に2問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 県との差 西北 県 16.4 75.8 59.4 2一(3) 言語 「用(いる)」の読み方 1三 話聞 ◇自分の意見の発表 4.4 62.8 58.4 3二(1) 読む ◇目的や必要に応じた読み取り(引用) 1.9 60.7 58.8 県との差 西北 県 ②県と比較して通過率が低い問題(全17問中、特に低い5問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 2五 言語 読点の打ち方 -12.7 46.6 59.3 2二(2) 言語 「せつやく」の書き方 -4.8 53.6 58.4 2六 言語 ◇漢字のへんやつくり -3.2 22.9 26.1 4二 読む 叙述を基に想像した読み取り(登場人物の性格) -3.2 36.7 39.9 3一 読む 構成の仕方や巧みな叙述などの読み取り -3.1 62.8 65.9 ③通過率が25%未満の問題(全5問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 西北 県 3二(2) 読む ◇目的や必要に応じた読み取り(要約) 7.1 9.4 4一 読む 叙述を基に想像した読み取り(登場人物の気持ち) 8.9 9.7 4三(1) 読む ◇表現の細かい点に注意した読み取り(引用) 10.6 12.0 1一イ 話聞 ◇話の要点の聞き取り 13.9 14.6 2六 言語 ◇漢字のへんやつくり 22.9 26.1 ④設定通過率より40ポイント以上低い問題(全4問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 差 西北 設定通過率 3二(2) 読む ◇目的や必要に応じた読み取り(要約) -57.9 7.1 65.0 4一 読む 叙述を基に想像した読み取り(登場人物の気持ち) -56.1 8.9 65.0 1一イ 話聞 ◇話の要点の聞き取り -56.1 13.9 70.0 4三(1) 読む ◇表現の細かい点に注意した読み取り(引用) -49.4 10.6 60.0 3 今後の指導について ① 通過率の低い観点と領域・分野への対策 「読む能力」に関する問題では、4二のようにストーリーに沿って人物相互の人間関係や人物像 を考える問題、3一のように説明的文章の書かれ方(説明の仕方)を考える問題が、県全体の通過 率より3ポイント程度低かった。4二は誤答分析から推察すれば、選択肢を全て使うものと思い込 んだ児童がいたことも通過率の低さの一因と思われるが、それを差し引いても、人物相互の人間関 係を捉えながら読む力の育成が今後も必要であると言える。3一の結果からは、説明される内容を 読みとるだけでなく、説明の仕方・書かれ方を考えながら読む学習をより多く設定することの必要 性が浮かび上がってくる。 「言語についての知識・理解・技能」に関する問題では、読点の打ち方(2五)、漢字のへんや つくり(2六)を考える問題の通過率が特に低かった。句読点の打ち方については、 「書くこと」 の学習と関連付けて、文や文章を分かりやすくしたり、誤解の可能性を減らしたりする工夫の手立 てとして、繰り返し指導することが有効である。2六は活用を意識した出題であるため、知識・理 解だけでなく発想力(ひらめき)も求められ通過率が低かったものと推察されるが、漢字や語句の 基礎的・基本的な知識・理解の定着を図る指導は、今後も丁寧に行う必要がある。漢字のへんやつ くりの知識・理解は、未習の漢字の読み(音)や意味を推測することや、新たな語彙を増やすこと の助けになったりすることを考慮し、ある程度のまとまりをもって学習させることが効果的であ る。 また、全体的に活用を意識した問題の通過率が低く、通過率10%未満の問題もあった。ペーパー テストで国語の活用力を問うのは難しい面もあるが、調査問題を授業改善のためのメッセージと受 け止め、そこに示されたような言語活動を日々の授業に取り入れるよう努めることが一つの対策に なる。 最後に、4一や4三(1)の誤答例に「(正しく)書き抜いていない」ものが3割程度あることにつ いても留意すべきであると思われる。国語科の学習の本質とはかけ離れるが、 「書き抜いて~」 「文 中の語句を使って~」 「○○文字以内で簡潔に~」 「○○のの理由を~」などの問いに正しく答える ための、答え方の指導も高学年では意識して行うことが必要になるだろう。 ② 授業改善の手立て 国語科の授業改善については、学習指導要領解説国語編P.3~P.8において、国語科改訂の趣旨、 国語科改訂の要点として、具体的に示されている。小学校では「日常生活に必要な基礎的な国語の 能力を身に付けることができるよう」、(ア)~(ケ)の9項目の内容が示されているが、今回はその中 の(ア)の内容について、改訂の要点(2)(3)(4)を踏まえて、より具体的に提案することとしたい。 国語科の授業では、各領域で、日常生活に必要とされる対話、記録、報告、要約、説明、感想な どの言語活動を通して、指導事項を指導し、それらの言語活動を行う能力を身に付けることができ るよう、継続的に指導することが求められている。そして、こうした指導を具現化する授業モデル として、単元を貫く言語活動を位置付けた国語科授業が提唱され、全国的に実践的研究が進められ ている。 今後の授業改善に当たっては、特に、以下の4点に留意して取り組んでほしい。 ① 「何のために」 「誰に向かって」といった目的意識や相手意識を具体的にした言語活動を通 して指導し、児童の内発的な学習意欲と主体的な学習態度を養うよう工夫すること。 ② 児童に付けたい力を明確にし、それにふさわしい特徴をもつ言語活動を行わせ、焦点化した 指導と評価を行うこと。 ③ 教師の指示によって言語活動を行わせること自体を目的化せず、学習内容の説明や、思考・ 判断を促す発問を適切に行い、児童に付けたい国語の能力の向上と習熟・定着を図ること。 ④ 単元や本時の学習(どのような手順でどんな国語の能力を伸ばすのか)の見通しをもたせる ことと、自己の学習(どのようなことを学び、どのようなことができる力を高めたのか)を振 り返ることを、授業の中にしっかりと位置付けること。 また、領域ごとには、 「聞くこと」では、話の組立て方を意識しながら、話の要点を自分の考え と関連付けて聞くことに、 「書くこと」では、目的や課題に応じた文章の種類や様式などを示し、 文章全体の構成を考えながら書くことに、 「読むこと」では、書かれている内容の読解だけでなく、 作者や筆者の表現の工夫についても考え、自己の表現に生かすことに、特に留意してほしい。 平成26年度学習状況調査結果分析(小学校 1 社会科) 教育事務所管内別通過率(%) 東青 中南 上北 下北 三八 五所川原市 つ が る 市 西 ・ 北 郡 西北 県 22年度 67.1 68.4 69.0 64.5 71.1 71.2 70.2 68.8 70.1 68.8 23年度 70.6 70.3 71.9 71.5 71.9 72.1 24年度 64.5 63.6 67.6 64.5 67.2 65.5 71.1 66.1 68.7 63.1 70.6 64.8 71.1 65.5 25年度 69.9 68.5 71.6 70.7 71.5 70.1 72.2 68.7 70.1 70.4 26年度 53.1 54.4 54.3 51.3 52.5 51.3 52.3 52.5 52.0 53.2 2 小問ごとの比較 ※問題の内容の◇は[活用に関する問題] ①県と比較して通過率が高い問題(上位3問) 問題番号 観点 問 題 の 内 6(2) 2(2)① 1(1)② 容 思考・判断・表現 条件に該当する都市名の指摘 技 能 技 能 家庭での水道使用量の読み取り 110番通報の仕組みの読み取り 県との差 西北 県 +3.5 64.6 61.1 +1.9 +1.8 78.9 61.9 77.0 60.1 県との差 西北 -6.4 50.7 県 57.1 ②県と比較して通過率が低い問題(上位3問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 2(3) 思考・判断・表現 ダムの役割や水源の確保の在り方の指摘 6(1) -5.9 64.0 69.9 -4.9 27.5 32.4 容 西北 県 7③~⑤ 思考・判断・表現 ◇日本海側の気候の特徴の指摘 9(2) 知識・理解 大陸や赤道等の理解 11.2 11.6 12.8 15.6 8(2)③ 23.6 27.1 24.3 27.5 25.3 32.4 5(2) 技 能 県内の鉄道の名称の指摘 思考・判断・表現 ◇等高線の読み取り ③通過率が30%未満の問題(下位5問) 問題番号 観点 問 題 の 内 思考・判断・表現 ◇品質改良の目的の指摘 7⑥~⑧ 思考・判断・表現 ◇太平洋側の気候の特色の指摘 5(2) 思考・判断・表現 ◇等高線の読み取り ④設定通過率より10ポイント以上低い問題(下位5問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 差 西北 設定通過率 7③~⑤ 思考・判断・表現 ◇日本海側の気候の特徴の指摘 -48.8 11.2 60.0 9(2) -38.4 11.6 50.0 8(2)③ 思考・判断・表現 ◇品種改良の目的の指摘 7⑥~⑧ 思考・判断・表現 ◇太平洋側の気候の特徴の指摘 -36.4 -35.7 23.6 24.3 60.0 60.0 5(2) -32.5 27.5 60.0 知識・理解 大陸や赤道等の理解 思考・判断・表現 ◇等高線の読み取り 3 今後の指導について ①通過率の低い観点と領域・分野への対策 ○教科全体では県平均にわずかに及ばず、通過率が県平均に及ばない問題が30問中 19問である。特に通過率が30%未満の問題と、設定通過率より10ポイント以上 低い問題を評価の観点別に見ると、 「社会的な思考・判断・表現」の観点が最も多い。 特に、資料から事実を読み取ったり、複数の資料を関連づけて事実を読みとるなどの 「資料活用」の能力に課題がある。内容・領域別に見た課題としては、 「国土の環境」 の学習内容の定着が挙げられる。 ○「社会的な思考・判断・表現」の能力を育成するためには、言語活動を充実させ、基 礎的・基本的な知識や技能を活用する学習活動に力を入れることが重要である。 特に、 思考力・判断力については、授業において児童の「問い」を重視した学習問題を設定 し、児童が自ら資料を選択し、調べていけるような問題解決的な学習を充実する。そ の際、社会的な事象の特色や社会的事象の相互の関係について考えたり、話し合った りする活動を取り入れた授業を行うことが大切である。また、表現力については、こ れまでの「調べたことの表現」に加え、「考えたことの表現」を重視し、「調べたこと や考えたことを表現する力」を育てることが大切である。 ○「活用」に関する問題の課題としては、資料から読み取った事実を活用して、思考・ 判断・表現する力の向上があげられる。社会科における「活用」は、 「習得した知識・ 技能を活用して考えること」と、 「獲得した社会的な見方や考え方を他の場面で活用す るということ」とが考えられる。授業においては、調べたことや既習事項を活用して 考える場面を意図的に設定した学習が大切である。 ②授業改善の手だて ○授業において、各学習過程を次の視点に基づき言語活動の充実を図ることにより、思 考力・判断力・表現力等を育成する。 ・【問題把握の段階】 資料への気づきや疑問を出し合い、既習事項や生活経験との矛盾や新たに知っ た事実などから、学習問題を引き出す。 ・【予想(仮説)や調べる計画を立てる段階】 学習問題に対する予想を出し合い、それらを類型化したり妥当性について考え たりしながら調べる視点を整理し、調べる方法を考える。 ・【調べる段階】 調べる視点に即し観察、調査した情報や、資料を活用して調べた情報を的確に 記録し、それらを比較・関連づけ・統合しながら再構成する。 ・【まとめる段階】 調べた結果を出し合い、お互いの考えを伝え合いながら学習問題に対する結論 を導き出す。 ・【表現する段階】 調べてわかったことや考えたことを様々な方法で表現する。 ○「資料活用能力の育成」のために、地図(絵地図を含む)や各種の具体的資料を効果 的に活用できる力を育成する。 具体的には ・資料を読み取る手順を指導したり、他教科(例えば、棒グラフの読み取りの場合は 算数科)との関連を意識し、計画的に継続して指導する。 ・複数の資料を活用させ、引き出した事実と事実とを比較させることで、違いや共通 点を考えさせ、その特色をまとめさせる。 ・「地図」の活用に関しては、地図記号や方位、縮尺などの地図の基本的な約束事を理 解させるだけでなく、写真や具体物あるいは児童たち自身の実体験と関連させ、具 体的なイメージを持って読み取らせる等の工夫をする。 平成26年度学習状況調査結果分析(小学校 1 2 算数科) 教育事務所管内別通過率(単位:%) 東青 中南 上北 下北 三八 22年度 62.5 67.9 66.9 60.4 66.9 70.2 70.2 23年度 72.3 71.0 72.5 72.3 70.7 75.0 24年度 73.2 74.6 74.8 76.2 74.8 25年度 62.1 60.9 62.3 61.4 26年度 61.5 61.1 61.5 59.0 小問ごとの比較 (1) 問題番号 五所川原市 つ が る 市 西 ・ 北 郡 西北 県 64.0 67.8 65.8 71.1 70.2 72.4 71.7 77.3 79.3 72.6 76.1 74.6 62.6 64.7 60.5 60.0 62.0 62.0 61.1 60.1 61.4 59.0 60.0 61.0 ※問題の内容の◇は[活用に関する問題] 県と比較して通過率が高い問題(上位5問) 県との差 西北 県 + 3.3 83.0 79.7 + 3.3 74.4 71.3 1(1) 数量や図形についての技能 小数×小数の計算〔数と計算〕 数量や図形についての技能 繰り上がりのある、小数と加法の計算〔数と計算〕 数量や図形についての技能 繰り上がりのある、小数の減法の計算〔数と計算〕 + 2.2 81.4 79.2 9(1) 数学的な考え方 ◇伴って変わる二つの数量の関係の変化〔数量関係〕 + 1.9 36.5 34.6 7(1) 数量や図形についての技能 平面上のものの位置の表し方〔図形〕 + 1.5 70.5 69.0 県との差 西北 県 1(2) 1(3) (2) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 〔領 域〕 県と比較して通過率が低い問題(下位5問) 観点 問 題 の 内 容 〔領 域〕 8(2) 数学的な考え方 ◇四角形の特徴〔図形〕 - 5.8 36.7 42.5 6(1) 数学的な考え方 ◇180°より大きい角の大きさの求め方〔量と測定〕 - 3.9 49.5 53.4 - 3.8 39.9 43.7 3(3) 知識・理解 整数や分数、小数の大きさ〔数と計算〕 10(1) 数学的な考え方 ◇複合図形の周囲の長さの求め方〔数量関係〕 - 3.8 30.3 34.1 2(2) 数学的な考え方 除法に関して成り立つ性質〔数と計算〕 - 3.4 33.3 36.7 西北 県 (3) 問題番号 通過率が40%未満の問題(5問) 観点 問 題 の 内 容 〔領 域〕 10(1) 数学的な考え方 ◇複合図形の周囲の長さの求め方〔数量関係〕 30.3 34.1 4 数学的な考え方 身近なものの面積の大きさ〔量と測定〕 30.9 32.5 2(2) 数学的な考え方 乗法に関して成り立つ性質〔数と計算〕 33.3 36.7 5 わけ 数学的な考え方 ◇立方体の構成についての説明〔図形〕 35.3 37.7 9(1) 36.5 34.6 (4) 問題番号 数学的な考え方 ◇伴って変わる二つの数量の関係の変化〔数量関係〕 設定通過率より20ポイント以上低い問題(4問) 観点 問 題 の 内 容 〔領 域〕 差 西北 設定通過率 2(2) 数学的な考え方 除法に関して成り立つ性質〔数と計算〕 -36.7 33.3 70.0 9(1) 数学的な考え方 ◇伴って変わる二つの数量の関係の変化〔数量関係〕 -33.5 36.5 70.0 10(1) 数学的な考え方 ◇複合図形の周囲の長さの求め方〔数量関係〕 -29.7 30.3 60.0 4 数学的な考え方 身近なものの面積の大きさ〔量と測定〕 -29.1 30.9 60.0 8(2) 数学的な考え方 ◇四角形の特徴〔図形〕 -23.3 36.7 60.0 3 今後の指導について (1)通過率の低い観点や領域の分析と対策 ◇ 全体の通過率をみると、西北管内は平成17年度以降県平均通過率を上回るか同程度であっ た。今年度は1ポイント下回ったが、おおむね同程度と言える。 ◇ 「小問ごとの比較」においては 、(2)、(3)、(4)のそれぞれの項目で取り上げた5問の うち3問が「活用に関する問題」であり、ここに課題がみえる。「活用に関する問題」に取り 組む際には、解決結果を振り返って確かめることや、解決過程における数学的なアイディアの 有効性を検証したり、得られた結果から類推し、新たな問題場面へと発展させたりする指導の 工夫が大切である。さらに、『平成26年度学習状況調査実施報告書』(37ページ)で、問題把握 が十分にできていない傾向が指摘されていることから、長文の問題を読み取る力の向上につい ても取り組む必要がある。 ◇ 評価の観点からみると、「技能」は高いが「数学的な考え方」に課題がある。通過率が40 パーセント未満の問題は7問あるが、そのうち6問が「数学的な考え方」に関する問題である。 設定通過率より20ポイント以上低い問題でも、5問中4問が「数学的な考え方」に関する問 題である。「数学的な考え方」に焦点を当てた学習指導を重視することが求められる。 そのためには、数、式、図、表、グラフといった数学的な表現方法について、ていねいに指 導することが大切である。また、自分の考えを説明する場面で、数的な根拠などを示して説明 として十分な表現ができるように指導する必要がある。 とりわけ 、「できたつもり」や「分かったつもり」を解消するために、すべての学年におい て、学年に応じた「見通し」と「振り返り」の場面を確実に設定して、学習活動の一部として 根付くよう、繰り返し指導することが大切である。 ◇ 各小問ごとの通過率をみると、県平均より低いものは、「数と計算」では11問中7問、「量 と測定」では7問中5問、「図形」では6問中6問、「数量関係」では5問中4問である。 (2)、(3)、(4)の比較項目で取り上げている8問のうち7問が「数量関係」である。中 学校の「関数」につながる見方・考え方を身に付けるため、次の点に特に留意して指導したい。 ・数量や図形に関する問題を解決するときに、求めるものは他のどんなものと関係があるか、 何が決まれば他のものが決まってくるかというように、求めるものと他のものとを関連付 けてみる見方を大切にし、二つの変化する数量の間にある関係を明確にする。 ・数量の関係を表す式を用いることができるようにするためには、変量を□、△などを用い て式に表すと数量の関係を簡潔に表せることを実感させ、□、△などの記号にはいろいろ な数が当てはまり、□、△の一方の大きさが決まれば、それに伴って、他方の大きさが決 まることについての理解が深まるように工夫する。 (2)授業改善の手立て ◇ 児童が算数を身近に感じ、実感を伴った学習活動を進めるために、生活の中から問題を取り 上げ、算数的活動を積極的に取り入れた問題解決的な学習を工夫したい。 ◇ 解決の手順の見通し、思考過程、気づき、修正点等を粘り強くノートに書き込むことで自分 の思考の足跡を残し、過程、結果とその根拠や理由を自信をもって表現しようとする姿勢を育 てることが大切である。 具体的には、次のような場面を取り入れた指導が大切である。 ・理由として何を示せばよいかを明らかにした上で、「AだからBになる」という説明の仕方 を意識して、説明したり記述したりする。 ・複数の事柄を比較して相違点を説明したり、説明する対象を明確にして述べる。 ・説明し合ったら、根拠や理由を適切に説明できているかを確認し合う。 ・不十分な説明をもとに、児童とともに修正や付け加えをして、よりよい説明を作り上げる。 ◇ 思考の場では、具体物を用いたり、言葉や式、図、表、グラフなどを用いて考え、考えたこ とを表現し、伝え合う活動を充実させる指導に努める。その際、互いの考え方や気持ちを理解 し、認め、励まし合いながら、「解決できた」、「分かって嬉しい」という成就感・達成感を味わ えるよう指導を工夫する。 ◇ 終末の段階では、課題にもどって学習内容を振り返り、児童とともに確認してまとめたい。 ◇ 学習内容を定着させるためには、定着を図る場を確実に確保する時間配分が大切である。ま た、学習内容を折に触れ確認したり、様々な問題に触れさせたり、日常の生活場面や他教科等 の学習場面で活用する機会を増やしたりして、学習内容の活用を促すことも大切である。 平成26年度学習状況調査結果分析(小学校 1 教育事務所管内別通過率(%) 東 青 中 南 上 北 下 北 三 八 五所川原市 つ が る 市 西 ・ 北 郡 西 2 理科) 北 県平均 2 2 年 度 62.6 63.0 64.7 60.7 66.7 66.0 64.2 64.3 65.0 64.1 2 3 年 度 61.9 61.1 64.5 62.4 61.1 66.6 58.9 61.3 63.0 62.2 2 4 年 度 71.4 72.6 74.2 74.5 73.9 73.1 76.2 69.0 72.3 72.9 2 5 年 度 74.0 72.6 75.0 74.1 74.5 74.5 72.9 71.5 73.0 73.9 2 6 年 度 72.1 70.7 72.4 68.7 72.5 71.2 72.7 70.2 71.2 71.7 小問ごとの比較 ※ 問 題 の 内 容 欄 の ◇ は [活 用 に 関 す る 問 題 ] ※ 内 容 は [物 ・ エ ]が 「 物 質 ・ エ ネ ル ギ ー 」 、 [生 ・ 地 ]が 「 生 命 ・ 地 球 」 を 表 す 。 ①県と比較して通過率が高い問題(上位5問) 問題番号 5 (2) 観 点 知識・理解 問 題 の 内 容 [内 容 ] イ ン ゲ ン マ メ の 胚 の 成 長 [生 ・ 地 ] 県との差 西北 県 + 3.5 59.6 56,1 3 (3) 科 学 的 思 考 ・ 表 現 月 と 太 陽 の 動 き [生 ・ 地 ] + 3.4 76.8 73.4 4 (5) 科 学 的 思 考 ・ 表 現 ◇ 氷水が入ったコップに水滴が多くつく場所[生・地] + 2.9 60.2 57.3 + 1.9 61.5 59.6 + 1.5 87.7 86.2 県との差 西北 県 3 (2) 4 (2)B 科学的思考・表現、知識・理解 ◇ 月 の 見 え る 位 置 [生 ・ 地 ] 知識・理解 湯 気 の 特 徴 [物 ・ エ ] ②県と比較して通過率が低い問題(下位5問) 問題番号 観 点 問 題 の 内 容 6 (3) 科 学 的 思 考 ・ 表 現 ◇ 水・空気の温度による体積変化の現象[物・エ] - 4.9 38.9 43.8 1 (2) 科 学 的 思 考 ・ 表 現 ◇ ヘ チ マ の 成 長 と 気 温 [生 ・ 地 ] - 4.6 82.5 87.1 4 (6) 科 学 的 思 考 ・ 表 現 ◇ 水 が 自 然 蒸 発 す る 現 象 [生 ・ 地 ] - 4.0 64.8 68.8 - 3.4 70.1 73.5 - 3.1 72.8 75.9 西北 県 38.9 43.8 差 西北 設定通過率 - 21.1 38.9 60.0 2 (4) 3 (4) 科学的思考・表現、知識・理解 ◇ 天 気 と 気 温 の 変 化 [生 ・ 地 ] 知識・理解 星 の 並 び 方 [生 ・ 地 ] ③通過率が50%未満の問題(1問) 問題番号 6 (3) 観 点 問 題 の 内 容 科 学 的 思 考 ・ 表 現 ◇ 水 ・ 空 気 の 温 度 に よ る 体 積 変 化 の 現 象 [物 ・ エ ] ④設定通過率より10ポイント以上低い問題(3問) 問題番号 6 (3) 観 点 問 題 の 内 容 科 学 的 思 考 ・ 表 現 ◇ 水・空気の温度による体積変化の現象[物・エ] 4 (1)B 知識・理解 水 の 温 ま り 方 [物 ・ エ ] - 17.9 57.1 75.0 3 (4) 知識・理解 星 の 並 び 方 [生 ・ 地 ] - 17.2 72.8 90.0 3 今後の指導について (1)通過率の低い観点と領域への対応 全体の通過率は県平均通過率を少し下回っているが、小問ごとに見ると県平均を大きく 下回っている問題や通過率50%未満の問題が少なく、学習状況はおおむね良好である。 評価の観点別に見ると、依然として「科学的な思考・表現」に課題が多く見られた。思 考力、表現力等を育むためには、予想や仮説を設定する場面と考察する場面での言語活動 を充実させることが大切である。特に「結果から何が言えるのか」「事実から何が読み取 れるのか」など、結果から考察して結論を導き出すことに多くの課題があると言われてい るので、考察やまとめにおいて、観察、実験の結果を基にして予想や仮説を検証し分かっ たことを言葉だけでなく、モデル図や立体的なモデルを用いて表現し説明させたり、科学 的な言葉を用いて文章に書かせたりする指導を行うようにしたい。 領域別にみると、「生命・地球」に課題が見られた。これは、「物質・エネルギー」の 領域に比べて、観察、実験に時間がかかったり、直接体験が難しい場合が多いことが原因 であると考えられる。そこで観察、実験の方法を工夫して児童一人一人に可能な限り直接 体験させるとともに、ICT機器の活用も積極的に取り入れていくことが大切である。例 えば、継続した観察が難しい星の並び方や運動の様子を映像で示すことは有効である。 活用に関する問題からは、学習内容を身の回りの事象と関連付ける見方や考え方が不十 分であるという課題が浮き彫りになった。そこで、学習して得た知識を日常生活に結びつ けて考えられるように、児童の疑問を積極的に引き出して学習課題を設定したり、実生活 の中から学習内容と関係のある事象を見つけて説明させたりする授業を行う必要がある。 (2)授業改善の手立て 理科では「科学的な思考力、表現力の育成」「科学を学ぶ意義や有用性を実感させ科学 への関心を高めること」などの観点から充実が求められている。 ①科学的な思考力、表現力の育成には、単元を一貫する問題解決の展開が鍵となる。児童 が自然事象に働きかけ、そこから問題を見いだし、自らの予想や仮説の基に観察、実験 などを行い、結果を整理し、考察し、結論を導き出すというプロセスに則って授業を展 開していくことが「考力、判断力、表現力」を育成につながる。前述したように「予想 や仮説をもつ場面」「結果から何が言えるのかを考察し、まとめていく場面」が授業を 展開するに当たってのポイントになる。 予想や仮説をもつ場面では、まず、自然の事物・現象に直接ふれたときの児童の気付 きや疑問から学習課題を設定することが大切である。このとき、実際に観察や実験をし て検証できる課題が条件である。次に自分の予想や仮説を立てさせ、根拠を必ず書くよ うにする。ここでは児童の予想や仮説が科学的な知識や事実、概念と合っているかどう かではなく、どんな予想や仮説をもっているのか、根拠はあるのかということが重要で ある。また、文字や記号だけでなく、イメージ図やモデル図を用いて表現し、自分の考 えを顕在化させておくことも重要である。そして、根拠について話し合うことにより、 他の考えや経験などと比較し関連させて考えたり、今までもっていた経験や知識を広げ 共有し、より主体的な問題解決、つまり目的意識をもった観察、実験につながる。 結果を整理して考察し、結論を出す場面での指導は、前述の通りである。 ②科学を学ぶ意義や有用性を実感させ科学への関心を高めるためには、実生活に着目した 教材を対象として、子ども主体の問題解決を展開していくことが不可欠である。理科で 学んだ自然事象の性質や働き、規則性などが自然の中で成り立っていることに気付いた り、実生活で役立っていることを確かめたりすることで、実感を伴った理解になる。 最後に、科学的な思考・表現の育成に向けて言語活動の充実が求められているが、理 科の学習は、児童が自然に親しむことから始まる。児童が関心や意欲を持って自然事象 と関わることが、学習活動の基盤となることを忘れないでほしい。 平成26年度学習状況調査結果分析(中学校 1 国語科) 教育事務所管内別通過率(%) 東青 中南 上北 下北 三八 五所川原市 つがる市 西・北郡 西 北 県平均 22年度 66.0 64.1 63.2 60.8 65.8 62.9 63.4 61.9 62.6 64.5 23年度 57.0 54.2 54.6 53.4 56.2 53.4 54.0 53.5 53.6 55.2 24年度 68.6 67.3 68.6 64.4 70.3 68.0 68.6 66.5 67.6 68.4 25年度 67.7 63.8 65.0 64.8 67.9 63.2 64.9 64.9 64.2 66.0 26年度 55.5 52.0 53.1 53.6 57.2 51.2 52.9 52.3 52.0 54.4 県との差 西北 県 2 小問ごとの比較 ※問題の内容欄の◇は[活用に関する問題] ①県と比較して通過率が高い問題(全8問中3問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 2二(1) 言語 〔オギナ(補)う〕の書き方 5.5 74.9 69.4 2一(1) 言語 〔採(と)る〕の読み方 5.4 86.2 80.8 7一c 言語 3.7 76.3 72.6 県との差 西北 県 結語の選択 ②県と比較して通過率が低い問題(全20問中3問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 2三 言語 異なる読みと意味をもつ熟語の組合せ -15.9 28.4 44.3 2二(2) 言語 〔ツト(努)める〕の書き方 -14.8 39.7 54.5 6三 読む -8.3 33.8 42.1 文章の内容に関連付けた自分の考えの形成 ③通過率が50%未満の問題(全15問4中) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 西北 県 6一b 読む 文脈におけることわざの理解 17.3 19.5 6二 読む 表現の仕方とその特徴の選択 22.9 22.5 4三 読む 事実と意見の読み分け 24.6 23.3 1一 話聞 話の結論 25.1 27.5 ④設定通過率より30ポイント以上低い問題(全5問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 差 西北 設定通過率 1一 話聞 話の結論 -44.9 25.1 70.0 6一b 読む 文脈におけることわざの理解 -37.7 17.3 55.0 6二 読む 表現の仕方とその特徴の選択 -37.1 22.9 60.0 7一a 言語 時候の挨拶の選択 -29.6 35.4 65.0 3二 言語 体言止めの句の選択 -29.2 35.8 65.0 3 今後の指導について ① 通過率の低い観点と領域・分野への対策 全28問の出題のうち20問が県全体の平均通過率を下回っている状況なので、すべての観点・ 領域について課題の把握・分析を行い、各校において生徒の実態に合わせた具体的な対策を検討す る必要があるが、ここでは特に通過率の低かった問題を中心に述べることを了承いただきたい。 県の通過率と比べ最も差が大きかったのは、2三の二通りの読み方ができる熟をつくる問題であ った。また、 「ツト(努)める」を正しい漢字で書く問題も通過率が低かった。漢字の読み書きにつ いては、実生活で使われる場面を想起させながら、同音異義語や同訓異字などに留意して指導する ことが大切である。機械的な知識の詰め込みではなく、生徒が実生活で使える語彙となるよう、漢 字や語句の指導を工夫することが対策につながる。 6一bの文章中のことわざの意味を考える問題の通過率が17.3%と低かったが、これは問いの条 件に合わせられない誤答が多かったことから、単純にことわざの知識不足として片付けることはで きないだろう。ことわざや故事成語、慣用的・比喩的に用いられる語句の知識については、生徒が 書いたり話したりする自己の表現に生かさせるよう指導を工夫するとともに、文脈から意味を推測 して読むことにも留意してほしい。 「読むこと」の領域では、表現の仕方とその特徴の選択(6二)も低かった。第1学年では表現 の特徴について、第2学年では表現の仕方について自分の考えを形成することが指導事項として示 されていることを踏まえ、文章の内容解釈だけでなく文章の書かれ方についても考える学習が必要 である。また、文章の内容に関連付けた自分の考えの形成(6三)にも課題が見られた。 「読むこと」 の授業の中に、自分の知識や体験と関連付けて自己の考えを形成し書いたり話したり学習を位置付 けることが効果的な対策となるだろう。 前ページの抽出では分かりにくいが、今回「話すこと・聞くこと」の問題全3問について、いず れも県全体の平均より劣る結果になった。 「話すこと・聞くこと」の学習においては、原稿を流暢に 読み上げたり、内容を正確に聞き取ったりするだけでなく、話し方や聞き方の工夫に留意した指導 や、自分の考えをまとめ、話し合うことを意図した指導の充実が求められる。 ② 授業改善の手立て 国語科の改善の基本方針としては、各領域で、社会生活に必要とされる発表、討論、解説、論述、 鑑賞などの言語活動を通して指導事項を指導し、それらの言語活動を行う能力を身に付けることが できるよう、継続的に指導することとし、自ら課題を設定し、基礎的・基本的な知識・技能を活用 し、他者と相互に思考を深めたりまとめたりしながら解決していく能力の育成が重視されている。 こうしたことを踏まえ、以下の4点について、特に留意して授業改善に取り組んでほしい。 ① 「何のために」「誰に向かって」といった目的意識や相手意識を具体的にした言語活動を通 して指導し、生徒のの内発的な学習意欲と主体的な学習態度を養うよう工夫すること。 ② 生徒に付けたい力を明確にし、それにふさわしい特徴をもつ言語活動を行わせ、焦点化した 指導と評価を行うこと。 ③ 教師の指示によって言語活動を行わせること自体を目的化せず、学習内容の説明や、思考・ 判断を促す発問を適切に行い、生徒に付けたい国語の能力の向上と習熟・定着を図ること。 ④ 単元や本時の学習(どのような手順でどんな国語の能力を伸ばすのか)の見通しをもたせる ことと、自己の学習(どのようなことを学び、どのようなことができる力を高めたのか)を振 り返ることを、授業の中にしっかりと位置付けること。 なお、 「聞くこと」の指導では、質問しながら聞く活動や、話の構成や展開などに注意して聞き、 評価する活動を、 「書くこと」の指導では、他教科の学習と関連付けて書く活動を、 「読むこと」で は読書を進めたり、情報を得て活用したりする活動を充実させることが、具体的な改善の手立てに なっていくものと思われる。 また、小学校までの学習内容と生徒一人一人の習熟状況を把握することや、問いに対する適切な 答え方(条件に沿って解答すること)について指導することにも留意してほしい。 平成26年度学習状況調査結果分析(中学校 1 社会科) 教育事務所管内別通過率(%) 東青 中南 上北 下北 三八 五所川原市 つ が る 市 西 ・ 北 郡 西北 県 22年度 60.5 55.3 55.2 54.1 58.9 55.9 52.7 56.0 55.2 57.3 23年度 63.2 57.7 58.1 54.9 60.9 54.7 51.0 57.0 54.8 59.2 24年度 61.3 53.4 56.2 50.4 59.3 54.5 54.0 56.0 54.9 57.1 25年度 65.7 57.9 61.9 60.2 65.9 61.1 58.1 64.2 61.6 62.8 26年度 51.1 45.5 49.1 50.3 50.1 45.2 48.2 47.9 46.9 48.9 2 小問ごとの比較 ※問題の内容の◇は[活用に関する問題] ①県と比較して通過率が高い問題(上位3問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 県との差 西北 県 1(4) 思・判・表、技能 ◇日本とブラジリアの時差の理解 +8.5 55.9 47.4 3(2) 思・判・表、技能 ◇資料から読み取ったことの表現 +4.0 52.6 48.6 9(1) 技能、知識・理解 十三湊の位置の指摘 +3.4 38.7 35.3 ②県と比較して通過率が低い問題(下位3問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 県との差 西北 県 7(2) 知識・理解 公地公民の理解 -10.0 19.1 29.1 1(2)Y 知識・理解 六大陸の位置と名称の理解 -9.8 39.5 49.3 1(2)X 知識・理解 三大洋の位置と名称の理解 -7.2 56.6 63.8 西北 県 ③通過率が30%未満の問題(下位3問) 問題番号 観点 5(4) 思・判・表 ◇中世の政治の流れの理解 17.9 21.0 7(2) 知識・理解 公地公民の理解 19.1 29.1 21.9 23.4 7(4) 問 題 の 内 容 思・判・表、知 ◇平安時代の政治の流れの理解 ④設定通過率より低い問題(下位3問) 問題番号 観点 7(2) 知識・理解 9(3) 5(4) 問 題 の 内 容 公地公民の理解 思・判・表、知 室町時代の文化の特色の理解 思・判・表 ◇中世の政治の流れの理解 差 西北 設定通過率 -40.9 19.1 60.0 -32.7 22.3 55.0 -32.1 17.9 50.0 3 今後の指導について ① ○ 通過率の低い観点と分野への対策 教科全体では県平均に及ばず、通過率が県平均に及ばない問題が34問中25問で ある。評価の観点別に見ると「社会的な思考・判断・表現」と「社会的事象について の知識・理解」に、分野別に見ると歴史的分野に課題がある。 ○ 「社会的な思考・判断・表現」の能力の育成については、学習課題に対し多面的・ 多角的にとらえる能力の伸長を図るため、課題解決のために有効な事実や資料等を提 示し、まず個人で読み取った予想をもとに、グループ等による話合い活動や練り合い を通し、さらに思考を整理させるなどの段階に応じた場面を設定することが大切であ る。今後の学習指導においては、新聞記事や体験から感じ取ったことを表現したり、 事実を正確に理解し伝達したり、互いの考えを伝え合う中で、自らの考えを発展させ たりする場面を設定する。 ○ 歴史的分野の指導においては「歴史のとらえ方」に課題がある。特に、用語や人物 の業績等の基礎的・基本的な知識の習得、時代の流れや特色、社会的事象間の因果関 係の理解について課題があるといえる。個々の歴史的事象の理解とともに、 「時代の転 換の様子をとらえる学習」や「時代の特色をとらえる学習」を充実する。 ② 授業改善の手だて ○ 基礎的・基本的な知識の確実な習得を図るとともに、説明的な知識を身に付けさせ るような授業を展開する。 具体的には ・ICT機器(プロジェクターや電子黒板等)を活用して資料を提示し、社会的事象 を視覚的にとらえさせながら理解を深めさせたり、問題意識を持たせる。 ・既習事項を用いて、社会的事象の意味や関連等を自らの言葉で説明させるような活 動を取り入れ、使える知識にする。 ・生徒の問題意識を大切にし、生徒の言葉でまとめさせる。 ○ 時代の区分や移り変わりに気付かせたり、歴史の大きな流れをとらえさせたりする 授業を展開する。 具体的には、 ・各時代のできごとや時代の特色や移り変わりを考えさせたりする授業の中で、 「世 紀」「時代区分」の表し方や年表を意図的に活用させる。 ・「各時代の特色をとらえる学習」においては、歴史的事象や関連性に着目しながら、 時代の特色をとらえたり、同じ視点から各時代を比較するなどの学習を充実する。 さらに、調べたことや考えたことを文章等にまとめ、説明し伝え合う活動も充実す る。 ○ 資料を生徒が自分の力で読み取り、全体で検討する活動を授業の中に位置づけるな ど、複数の資料を読み取り説明する学習を充実する。 具体的には ・複数の資料から読み取れることを基にして考えたり、既習事項を活用して資料から 社会的事象間の関連を指摘するなどの活動を取り入れる。 平成26年度学習状況調査結果分析(中学校 1 教育事務所管内別通過率(単位:%) 東青 中南 上北 下北 22年度 55.0 49.2 48.4 43.3 23年度 56.3 49.3 51.0 44.6 24年度 59.5 50.9 51.5 42.4 25年度 57.1 49.4 52.1 48.4 26年度 52.1 43.9 48.6 49.0 三八 53.7 53.8 55.9 55.2 48.1 五所川原市 51.2 49.1 51.7 50.9 44.6 つがる市 49.7 49.1 55.9 46.8 47.7 数学科) 西・北郡 50.5 47.0 50.3 54.0 49.3 西北 50.6 48.3 52.2 51.2 47.0 県 51.3 51.8 53.8 53.2 48.2 2 小問ごとの比較 ※問題の内容の◇は[活用に関する問題] ① 県と比較して通過率が高い問題(上位5問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 〔領 域〕 県との差 2(1) 数学的な技能 四則を含む正の数と負の数の計算〔数と式〕 +6.0 14 数学的な見方や考え方 ◇対称移動と理解とその利用〔図形〕 +3.8 15 数学的な見方や考え方 ◇垂直二等分線の作図の理解とその利用〔図形〕 +3.4 8(1) 数学的な技能 座標の意味の理解〔関数〕 +2.9 4(2) 数学的な技能 式の変形の仕方〔数と式〕 +2.4 西北 79.9 74.6 48.7 85.6 49.1 県 73.9 70.8 45.3 82.7 46.7 ② 県と比較して通過率が低い問題(下位5問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 〔領 域〕 4(1)① 知識・理解 簡単な比例式のつくり方〔数と式〕 8(2) 数学的な技能 グラフからの比例の式の求め方〔関数〕 4(1)② 数学的な技能 簡単な比例式の解き方〔数と式〕 17(1) 知識・理解 資料からの最頻値の求め方〔資料の活用〕 3(2) 数学的な技能 連立方程式の解き方〔数と式〕 西北 46.4 31.2 69.4 16.6 57.5 県 60.5 37.0 75.1 21.8 62.7 西北 13.8 16.6 17.4 17.6 県 18.2 21.8 15.8 19.8 県との差 -14.1 -5.8 -5.7 -5.2 -5.2 ③ 通過率が20%未満の問題(3問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 〔領 域〕 5(2) 数学的な見方や考え方 ◇文字式の意味の読み取り〔数と式〕 17(1) 知識・理解 資料からの最頻値の求め方〔資料の活用〕 16 数学的な見方や考え方 ◇空間図形の平面上への表現と読み取り〔図形〕 11 数学的な見方や考え方 ◇円柱と円錐との体積の関係〔図形〕 ④ 設定通過率より20ポイント以上低い問題(7問) 問題番号 観点 問 題 の 内 容 〔領 域〕 17(1) 知識・理解 資料からの最頻値の求め方〔資料の活用〕 5(2) 数学的な見方や考え方 ◇文字式の意味の読み取り〔数と式〕 12(2) 数学的な見方や考え方 ◇文字式の読み取り〔数と式〕 16 数学的な見方や考え方 ◇空間図形の平面上への表現と読み取り〔図形〕 11 数学的な見方や考え方 ◇円柱と円錐との体積の関係〔図形〕 差 -38.4 -36.7 -29.2 -22.6 -22.4 西北 16.6 13.3 30.8 17.4 17.6 設定通過率 55.0 50.0 60.0 40.0 40.0 3 ① ② 今後の指導について 通過率の低い観点や領域の分析と対策 ◇ 全体の通過率をみると、一昨年度、昨年度は県全体より2ポイント程度下回っていたが、今 年度、県全体との差は1ポイント程度と上向いている状況にある。 ◇ 通過率が県より高かった問題は、昨年度は31問中9問(29.0%)だったのに対し、今年度の 29問中11問(37.9%)と、一昨年からのよい傾向が続いている。しかしながら、「数と式」の領 域における「知識・理解」や「数学的な技能」の観点の問題で通過率が低い問題がある。「数と 式」の内容は、各領域において活用されるものであり、指導に当たっては次の点に留意したい。 ・正負の四則計算、累乗の計算、一次方程式や連立方程式、比例式を解くこと、等式を変形 することなどは、計算練習のほかに計算手順を数の性質などに基づいて説明させる。 ・式を用いて表したり読み取ったりする学習では、式を用いて数量の関係や法則などを表し たり、その意味を読み取ったりしてよさを感じ取り、式を積極的に活用できるようにする。 また、文字が表す数量とその関係を理解し文字式を用いて表すため、文字のみで考えるよ りも具体的な数に置きかえて考えるなどして、その関係の把握がしやすいように工夫する。 ◇ 「活用」に関する問題については、昨年度と同様、12問中7問で県の通過率より低かった。 言語活動を充実させ、生徒が既習の知識や技能を活用して課題を解決できたことを実感し、 達成感が得られるような学習活動を数多く経験させることが大切である。 ◇ 各小問ごとの通過率をみると、県の通過率より低いのは、 「数と式」では13問中10問、 「図 形」では9問中4問、 「関数」では6問中2問、 「資料の活用」では2問中2問であった。また、 通過率が20%未満であったのは、「数と式」では1問、「図形」では2問、「資料の活用」で は1問だった。設定通過率より20ポイント以上低いものは、「数と式」では2問、「図形」で は3問、「関数」では1問、「資料の活用」では1問であった。 ◇ 「資料の活用」は、本調査では出題数こそ少ないものの、生活に直接役立つ数学として大切 な、統計的な見方や考え方や確率的な見方や考え方を扱う領域であり、数学的活動を通した学 習活動の工夫が求められる。実際の指導場面では、資料を整理することにとどまらず、範囲やヒ ストグラム、代表値を用いて資料の傾向をとらえ説明することができるように指導する。その際、 根拠を示して資料の傾向を把握し説明する活動を充実させ、説明の仕方についても指導したい。 授業改善の手立て ◇ 主体的に問題解決に取り組ませるためには、必要感や学ぶ意欲を高めるような問題を提示し て生徒一人一人に確実に課題をつかませて学習を進める。そのためには、単位時間の授業をス モールステップの問題解決的な展開として構成することが大切である。 ◇ 問題把握の場面では、一人一人が内容をとらえることができたか、与えられた条件や求める ことは何であるかを確認し、その上で見通しをもたせ自力解決に向かわせる。 ◇ 生徒の学習状況や過去の指導状況からつまずきが予想される場合には、あらかじめ手だてを 用意し、個に応じた指導を明確に位置付ける。 ◇ 「数学的な見方や考え方」を培うためには、自力解決において結果を導く過程を大切にし、 思考過程をノートに記述させた上で、話合いの中で自分の考えやその具体的根拠を筋道を立て て説明したり、結果を導く過程を振り返って考えを修正したりする場を設定したりして、一連 の学習過程の中で言語活動を充実させる。 ◇ 終末の段階では、課題にもどって学習内容を振り返り、生徒とともに解決の手順や過程を明 らかにする。また、定着を図る場を設定し、様々な問題に取り組ませ理解を深めるようにする。 ◇ 日常の活用場面や様々な問題に触れる機会を多くしたり、教科書等を十分活用したりして、 「わかった」、「使える」という実感と自信をもたせる。 ◇ 習得した学習内容は活用することによって一層の習得を促すことから、活用する力を培う学 習活動を充実させる。その際、県教育委員会が作成した「活用する力をはぐくむ問題例」等を 活用して発展的な学習問題に取り組ませたりする。 平成26年度学習状況調査結果分析(中学校 1 理科) 教育事務所管内別通過率(%) 東 青 中 南 上 北 下 北 三 八 五 所川 原市 つ が る 市 西 ・ 北 郡 西 2 北 県平均 2 2 年 度 63 .4 56 .5 5 6. 7 5 2. 7 61 . 7 58 .1 5 4. 9 56 .5 5 6. 8 5 9. 1 2 3 年 度 60 .3 53 .9 5 5. 2 5 0. 6 58 . 5 51 .4 5 2. 5 54 .0 5 2. 7 5 6. 3 2 4 年 度 65 .9 59 .4 6 0. 2 5 2. 6 63 . 2 58 .5 6 0. 7 62 .9 6 0. 6 6 1. 6 2 5 年 度 63 .5 56 .2 5 7. 7 5 5. 2 62 . 1 56 .0 5 3. 5 58 .9 5 6. 6 5 9. 5 2 6 年 度 64 .9 56 .9 6 1. 7 5 9. 7 60 . 4 63 .7 6 2. 1 61 .4 6 2. 5 6 1. 2 小問ごとの比較 ※ 問 題 の 内 容 欄 の ◇ は [活 用 に 関 す る 問 題 ] ①県と比較して通過率が高い問題(上位5問) 問題番号 観 点 問 題 の 内 容[領域] 8 (1 ) 11 (3 ) 7 (1 ) 11 (2 ) 11 (1 ) 科学的思考・表現、技能 科学的思考・表現 科学的思考・表現、技能 知識・理解 知識・理解 ◇物体に働く力の作図[物理] ◇ 肺胞と柔毛に共通する利点[生物] ◇光の反射の作図[物理] 柔毛の名称[生物] 肺胞の名称[生物] 県との差 西北 県 + 1 1.9 + 10 . 9 + 9.1 + 7.0 + 6.9 44 .6 72 .5 50 .5 83 .9 88 .3 32 .7 61 .6 41 .4 76 .9 81 .4 県との差 西北 県 - 9.0 35 .7 50 .9 45 .2 80 .2 90 .6 44 .7 54 .4 47 .9 82 .3 92 .6 西北 県 15 .3 35 .7 10 .9 44 .7 西北 設 定通 過 率 15 .3 57 .2 53 .6 45 .3 80 .0 80 .0 65 .0 55 .0 ②県と比較して通過率が低い問題(下位5問) 問題番号 10 (2 ) 12 (2 ) 8 (2 ) 9 (3 ) 1 (1 ) 観 点 科学的思考・表現 技能 科学的思考・表現 知識・理解 知識・理解 問 知 識 ・理 解 科学的思考・表現 の 内 容 ◇ 反応する銅と酸素の質量のグラフ化[化学] 試 薬 の 色 に よ る 物 質 の 特 定[ 生 物 ] ◇ 物体に働く水圧の大きさと向き[物理] 炭酸水素ナトリウムの生活での活用[化学] ロウの状態変化と体積[化学] ③通過率が40%未満の問題(2問) 問題番号 観 点 5 (1 ) 10 (2 ) 題 問 題 の 内 - - - - 3.5 2.7 2.1 2.0 容 火山の形と名称[地学] ◇ 反応する銅と酸素の質量のグラフ化[化学] ④設定通過率より10ポイント以上低い問題(4問) 問題番号 5 (1 ) 12 (1 ) 6 (2 ) 1 (3 ) 観 点 知識・理解 問 題 の 内 容 差 火山の形と名称[地学] - 6 4. 7 科 学 的 思 考 ・ 表 現 、 技 能 ◇ ベ ネ ジ ク ト 液 の 色 の 変 化[ 生 物 ] - 2 2. 8 科 学 的 思 考 ・ 表 現 ◇ 地 震 波 の 伝 わ る 様 子 [ 地 学 ] - 1 1. 4 科 学的思 考・表現 、知 識・理解 ◇ 水 の 状 態 変 化 と 体 積 [ 化 学 ] - 9 . 7 3 今後の指導について ( 1 )通 過 率 の 低 い 観 点 と 領 域 へ の 対 策 全体の通過率は県平均通過率を上回っており、小問ごとに見ても県平均通過率を大 きく下回っているのは1問だけで、全体的によい傾向にあると言える。 評価の観点別に見ると、依然として「科学的な思考、表現」に課題が見られた。特 に「反応する銅と酸素の質量のグラフ化」では、グラフの示す意味をきちんと読み取 れていなかったと考えられる。つまり、グラフの縦軸、横軸が何を示しているのかを 理解していない生徒が多いということである。その原因の一つとして、縦軸、横軸に 名称や単位、目盛りがあらかじめ記入されたグラフ用紙を常に使用していることが考 えられる。このことにより、生徒は何が独立変数で、何が従属変数なのかを理解して いなくても、機械的にデータをプロットするだけでグラフをつくれてしまうため、結 果として、グラフの示す意味を読み取れなくなったと考えられる。データのプロット の仕方が分かったら、目盛りの取り方を学習するというように、中学校3年間でグラ フ作成について意図的、計画的に指導するとともに、実験前に何が独立変数で、何が 従属変数かを常に確認して意識付けさせることが大切がある。 次に「だ液のはたらき」の問題において「観察・実験の技能」に課題が見られた。 こ こ で は 「 だ 液 の 有 無 」「 温 度 」「 時 間 」 な ど の 条 件 を 意 識 し 制 御 し な が ら 観 察 ・ 実 験 を行うことが重要になってくる。どの条件を制御する必要があるのかを教師が伝える のではなく、問題解決を進めていく中で、生徒自らが条件をそろえることの必要性に 気付くようにしたい。また、できる限り生徒一人一人が実際に器具を操作しながら観 察・実験を進め、技能を身につけられるような教材の工夫も求められる。 「活用」に関する問題の課題としては、上記の問題の他に、時間の経過と地震のゆ れの関係を推測する力、水が状態変化するときの体積変化を日常生活と関連付けて説 明する力の定着不足が挙げられる。ここでは、会話文やグラフから必要な情報を分析 し解釈する学習活動を通して、事象を総合的にとらえさせる指導の工夫や実際に凍ら せたペットボトルの水を見せるなど、日常生活と関連付けて指導する必要がある。 (2)授業改善の手立て 次の学習活動について、3年間を見通して指導を改善することが大切である。 ①問題を見いだし観察、実験を計画する学習活動では、実験に際して、教師が実験の 要因や条件を全て示すのではなく、生徒の状況を踏まえて段階的に、実験を計画さ せる学習活動を取り入れることが大切である。例えば、実験における独立変数と従 属変数を挙げさせ、独立変数の変化に応じて、従属変数がどのように変化するかを 予想し、それを基に実験の計画を行うことなどが考えられる。 ②観察、実験の結果を分析し解釈する学習活動では、比較したり、条件を制御したり するなど、小学校での学習成果を生かすとともに、科学的な知識や概念と根拠に基 づき、筋道を立てて考えをまとめ説明できるように指導することが大切である。例 え ば 、発 表 の 際 に 、結 論 と 根 拠 を 整 理 し て 述 べ る よ う に 指 導 す る こ と が 考 え ら れ る 。 ③科学的な概念を使用して考えたり説明したりするなどの学習活動では、他者の考え も取り入れながら実験を振り返ったり、考察を検討したりする場面などを設定する ことが大切である。また、理科で身につけた知識や技能を日常生活や社会における 特 定 の 場 面 で 活 用 す る こ と は 、科 学 的 な 思 考 力 や 表 現 力 を 育 成 す る 上 で 大 切 で あ る 。 例 え ば 、日 常 生 活 に 着 目 し た 教 材 を 基 に し て 授 業 を 展 開 す る こ と な ど が 考 え ら れ る 。 平成26年度学習状況調査結果分析(英語) 1 教育事務所管内別通過率(単位:%) 東青 中南 上北 下北 22年度 64.5 56.1 57.5 55.1 23年度 64.9 57.9 59.0 52.0 24年度 63.9 57.2 61.1 56.2 25年度 63.1 58.3 61.6 60.5 26年度 59.6 52.2 59.2 60.2 三八 62.0 59.2 60.7 63.6 56.5 五所川原市 61.6 58.6 59.6 58.0 57.2 つがる市 58.1 58.9 63.1 61.7 59.8 西・北郡 58.7 56.9 62.8 60.1 59.5 2 小問ごとの比較 ※問題の内容の◇は[活用に関する問題] ①県と比較して通過率が高い問題(上位4問) 問題番号 領域 問 題 の 内 容〔評価の観点〕 7 (3) □ 4 (1) □ 9 (3) □ 1 (3) □ 西北 県 +12.2 76.6 64.4 書く 三人称・単数・現在形の動詞の記入 〔言・文〕 + 9.2 60.5 51.3 書く ◇How manyを用いた日本文に合う英作文〔表現〕 + 5.7 33.0 27.3 聞く お礼の言葉に対する応答〔理解〕 + 4.9 81.1 76.2 県との差 西北 県 書く ◇条件に合うまとまりのある英作文〔表現〕 - 8.4 11.0 19.4 聞く ◇まとまりのある英文の概要説明〔理解〕 - 2.9 34.8 37.7 聞く ◇数、教科名、曜日の聞き分け〔理解〕 - 1.8 63.4 65.2 聞く whoseを用いた疑問文への応答〔理解〕 - 1.4 37.9 39.3 西北 県 書く What timeを用いた日本文にあう英作文〔表現〕 26.0 24.0 書く 一般動詞・現在形の否定文の語句記入〔言・文〕 25.2 25.0 書く ◇条件に合うまとまりのある英作文〔表現〕 11.0 19.4 西北 設定通過率 聞く ◇How long ~?に対しての応答〔理解〕 -34.6 35.4 70.0 書く -29.0 11.0 40.0 聞く whoseを用いた疑問文への応答〔理解〕 -27.1 37.9 65.0 聞く ◇まとまりのある英文の概要説明〔理解〕 -25.2 34.8 60.0 書く 25.2 50.0 書く 対話に合うHow many+名詞の語順の文の完成〔表現〕 ③通過率が30%未満の問題(3問) 問題番号 領域 問 題 の 内 9 (1) □ 4 (5) □ 10 □ 容〔評価の観点〕 ④設定通過率より20ポイント以上低い問題(5問) 問題番号 領域 問 題 の 内 容〔評価の観点〕 1 (4) □ 10 □ 1 (2) □ 3 □ 4 (5) □ 県 60.0 59.6 60.6 61.5 57.3 県との差 ②県と比較して通過率が低い問題(下位4問) 問題番号 領域 問 題 の 内 容〔評価の観点〕 10 □ 3 □ 2 (3) □ 1 (2) □ 西北 59.7 58.0 61.6 59.6 58.7 ◇条件に合うまとまりのある英作文〔表現〕 一般動詞・現在形の否定文の語句記入〔言・文〕 差 -24.8 3 今後の指導について ①通過率の低い観点と領域・分野への対策 内容・領域別にみた課題としては 、「書くこと」の向上が挙げられる。特に、コミュニケー ションの中で基本的な語彙や文構造を活用する力と、内容的にまとまりのある一貫した文章を 書く力の向上を図る必要がある。 伝えたい内容を適切な英文で表現するためには、語彙や表現の拡充、文法や文構造について の知識を深めることが必要である。指導に当たっては 、「読むこと」と「書くこと」を関連付 けた指導の工夫・充実を図ることが考えられる。「読むこと」と「書くこと」を統合した活動 を計画的に設定し、自分の考え・感想等をまとめ、それを適切に書いて表現することに慣れ親 しむような指導を工夫する。 また、より複雑な文構造を使って叙述したり、自分の考えや意見を書いたりするためには、 ある一文のみを引き出して文法的な正確さに重点をおいて英語を書くだけでなく、内容的にま とまりがあり、文と文のつながりがよく、読み手に理解できる文章を書く機会を増やすことが 必要である。 ②授業改善の手立て 学習指導要領では、4技能を統合的に活用できるコミュニケーション能力を育成する指導が 求められている。このことから、授業づくりにおいては、複数の技能を関連付け、実際のコミ ュニケーションの場面を想定し、「活用」を意識した活動を設定することが大切なこととなる。 4技能の統合的な活動例としては、 ・ 教科書本文の手紙やメールに対して返事を書く。または、本文の内容に対して感想、賛 否やその理由などを書く。 ・ あるテーマに沿ったまとまりのある文章を書き、スピーチにつなげる。 ・ インタビューや日常会話等で得た情報をもとに、分かったことや自分の感想、考えなど を加え、英文を書く。 ・ 場面を提示し、スキットを作成し、発表する。 などが考えられる。 このような活動をする際の、まとまりのある文章を書くための留意点として、 ・ 生徒が書きたくなるような題材の工夫や場面を設定する。 ・ マッピング等を活用して、生徒のアイデアや創造性を引き出す。 ・ モデル文や構成、型などを提示し、書き始めやすいようにする。 ・ スモールステップを踏んで、まとまりのある文章を書けるようにする。 ・ 文と文の順序や相互の関係、文の構成などにも注意させる。 ・ 授業ごとに、少しずつ文を書かせて、最終的にまとまりのある文章ができるようにする。 とよい。 また、生徒の実態に応じて、ペアやグループなどの小集団活動を取り入れたり、自己表現さ せる際には、英語で何かを伝えたいという気持ちを大切にし、辞書や「青森県版中学校英単語 集~VERSION Ⅳ~」を活用したりすることも有効である。 以上のように、自分の考えや気持ち、事実などを伝え合うような言語活動の中で文法事項の 指導を生かし、場面設定に必然性をもたせつつ、豊かな内容を伴うコミュニケーションが行わ れるような指導に十分留意したい。