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地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の38第6項の規定により、静岡県知事から包括外部監査結果に
基づく措置について通知があったので、次のとおり公表する。
平成26年11月21日
静岡県監査委員 富 永 久 雄
1
静岡県監査委員 青 木
清 高
静岡県監査委員 山 田
誠
静岡県監査委員 前 林
孝一良
包括外部監査の特定事件
平成 25 年度
「静岡県公立大学法人及び公立大学法人静岡文化芸術大学の財務事務の執行について」
2
措置の内容
別冊のとおり
平成 25 年度包括外部監査結果に基づく措置
監 査 結 果
措
置
の 内
容
監査の結果(「指摘」に係るもの)
静岡県公立大学法人
第1
1
管理運営組織関係
監事の欠員への対応について(P37)
(1)平成 24 年度において、やむを得ない理由では
あるものの、期中に監事1名が欠員となり、約
(大学課)
今後、同様な事態が生じた場合には、速やかな
選任手続に努める。
4ヶ月間、監事1名の体制が継続していた。数
ヶ月とはいえ定款違反の状態が継続していたこ
とは望ましいことではなく、監事に欠員が生じ
た場合には、新たな監事を選任する手続を速や
かに進めるべき。
2 内部監査の対象業務について(P38)
(静岡県公立大学法人)
(1)県立大学における過去の内部監査では「会計
内部監査として「会計監査」のほか「業務監
監査」に主眼を置いているが、内部監査の目的
査」についても実施を検討していく。具体的に
を、「法人の適正かつ効率的な業務執行の確保
は、他校の内部監査組織の状況、内部監査として
と健全な運営に資すること」としていることか
の業務監査の実施状況などについて調査を行い、
ら、「業務監査」の実施も求められるものと考
業務監査を実施していく上での具体的課題や実施
えるべき。
方法(監事監査との棲み分け、監査項目、現体制
で行うための手法等)を検討していく。
第2
財務会計等関係
1 固定資産の実査について(P64)
(1)平成 24 年度に実施された固定資産実査の結
(静岡県公立大学法人)
追跡調査を行うことにより所在不明資産が発見
果、現物が確認できなかった数点の備品等が報
される事例もあるため、所在不明資産を調査実施
告されているが、その理由等については、引き
年度に除却することの妥当性や除却時期について
続き調査を実施することとし、平成 24 年度にお 検討していく。
ける除却は行われていない。所在不明の資産の
除却処理は、固定資産の実査を実施した年度中
に行うべき。
2 消耗品で処理されたパソコンについて(P65)
(1)県立大学では、10 万円未満の消耗品扱いのパ
(静岡県公立大学法人)
平成 26 年度より、取得価格 10 万円未満のパソ
ソコンについては、利用者個人に管理が任され
コンについても大学として適切に管理することと
た状態となっている。情報資産という視点に立
した。今後、情報資産であることが判別できるシ
った場合、パソコンは情報セキュリティ上のリ
ールをパソコンに貼付し管理する。
スクを抱えた資産であり、金額基準で区分する
ことなく、全て県立大学が適切に管理すべき。
3
パソコンの廃棄に伴う情報漏えいのリスクにつ
いて(P66)
(1) 県立大学では、パソコン利用者に情報資産
が含まれる電磁的媒体の廃棄が任されており、
情報漏えいのリスクが避けられない状況であ
る。情報資産が含まれる電磁的媒体の廃棄及び
(静岡県公立大学法人)
谷田キャンパスの廃棄パソコンについては、平
成 27 年度から事務局がデータの破壊を含めた廃棄
処分を専門業者に委託することを検討している。
なお、小鹿キャンパスについては事務局が一括
してパソコンの廃棄を行っている。
情報漏えい防止策について、情報セキュリティ
統括責任者をトップとする管理体制を整備し、
県立大学が責任を持って対処する仕組みを構築
することが必要である。
(2) パソコン等の廃棄に伴う情報資産の漏えい
(静岡県公立大学法人)
防止のために、外部の専門業者を利用すること
パソコン等の廃棄に当たっては、外部の専門業
としているが、この際、専門業者との間で、秘
者を利用するとともに、契約書には、秘密保持や
密保持契約を締結すべき。
情報資産漏えい防止の条項を記載することを検討
している。
公立大学法人静岡文化芸術大学
第1
管理運営組織関係
1 内部監査の独立性について(P105)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
(1)文芸大学の内部監査体制は、監査の対象部門
監査体制の独立性の確保は課題として認識して
に所属する職員が「監査員」を兼務する体制を
いるが、法人事務局と大学事務局とは職員が兼務
採っており、独立した内部監査部門の設置や、
している状況もあり、本学の規模では組織上の独
独立した専任の監査員の配置などは行われてい
立は早期には難しい。他事例を研究する等、中長
ない。しかし、内部監査は、公立大学法人の
期的な課題として検討する。
「健全な運営に寄与するために行われる、独立
にして、客観的な評価および改善提案活動」と
考えられることから、内部監査部門は、理事長
の直属部門として、組織上独立したものである
ことが望ましい。
第2
1
財務会計等関係
パソコンの廃棄に伴う情報漏えいのリスクにつ
いて(P129)
(1) 情報資産の管理に関しては、情報資産を作
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
平成 26 年3月に「公立大学法人静岡文化芸術大
学情報取扱要領」を制定した。
成した利用者が実質的に管理することになると
今年度、その具体的な運用に係る情報セキュリ
考えられるが、情報資産の廃棄方法や機密漏え
ティ対策のためのガイドライン作成の検討を進め
い対策の具体的な処理手順などが定められてい
ており、その中で、廃棄方法等の具体的な情報資
ない。内部基準で「情報セキュリティ統括責任
産の取扱いを定めることとし、ガイドライン制定
者は、情報セキュリティに関する啓発や教育を
の後に教職員に周知徹底することとしている。
実施するために必要な措置を講じなければなら
ない。」と定められているが、この啓発や教育
の過程で、画一的な情報資産の管理や廃棄の具
体的な方法を、利用者には徹底することが必要
である。
(2) 情報資産の廃棄の具体的な処理手順を定め
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
たルール等がないため、情報漏えいのリスク対
従前は、情報管理担当室が教職員からパソコン
策は、関係部署の判断に任されている。パソコ
等の廃棄の相談があった場合、対象機器を引きと
ン等の廃棄に関しては、通常の固定資産の廃棄
り、資産の登録状況について確認の上、一旦倉庫
とは別に情報セキュリティを考慮した廃棄処理
へ保管しおおむね年に一回程度、廃棄処理につい
ルールを定める必要がある。
て業者と契約を結び、パソコン内のハードディス
クの電磁的消去を含めた廃棄を委託し、その処理
についての証明書の添付を求めていた。平成 26 年
度からはこの手続を明文化し、全教職員へ周知を
図ることとしている。
また、処理の信頼性や確実性を高めるため、次
年度の学内情報システム保守委託業者との契約の
中に、パソコン等の廃棄処理を含めることを検討
し、平成 27 年度から実施を予定している。
2 パソコンの管理について(P131)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
(1)パソコンについては、備品又は消耗品の区分
資産を管理するシステムとの整合性等を確認の
を問わず、固定資産と同様に管理番号を付した
上、5年経過後に管理対象外となるパソコン(消
上で、資産システムに登録し管理されており、
耗備品)を、取得後5年経過後も現在のシステム
現物との照合も定期的に実施されているが、購
に継続登録し、現物との確認を実施する等の取扱
入後5年経過すると資産システムから削除され
いを検討し、平成 27 年度から実施を予定してい
るため、情報セキュリティの面などでリスクが
る。
ある。情報漏えいのリスクを避けるために、購
入して5年経過後であっても、資産システムか
ら削除することなく、廃棄まで資産システムに
登録しておき、定期的に現物との照合を実施す
ることが必要である。
3 少額重要物品の実地棚卸しについて(P138)
(1)平成 24 年度の実地棚卸の作業結果である
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
平成 26 年度から、数量差が生じた際の確認調査
「机・椅子チェックリスト」を閲覧したとこ
の徹底や必要に応じた除却処理等をより適切に対
ろ、台帳記載数と実地棚卸の数量に差が発生し
応する。
ているケースについて、担当部署の調査結果を
確認することができなかった。教室用の机・椅
子といった少額重要物品は、移動が比較的容易
であり、数量も多いことから、所在不明になり
やすく、実地棚卸の実施に当たっては難しい面
もあると思われるが、「固定資産及び物品管理
規程」や「実施方針」に定める方法に従って作
業を実施することの重要性を再確認すべき。
監査の結果(「意見」に係るもの)
静岡県公立大学法人
第1
管理運営組織関係
1 役員会と経営審議会の役割分担について(P32)
(1)平成 25 年度においては、「役員会」の全ての
(静岡県公立大学法人)
経営審議会で審議・議決された議案を、役員会
構成員が「経営審議会」の委員でもあることか
で審議・議決する場合は、経営審議会における審
ら、より効率的・効果的な「役員会」運営の実
議結果を踏まえて、議案審議について、一部簡素
現のため、「経営審議会」で議決が拮抗した場
化・重点化するなどしているところであり、今後
合など、法人としての最終的な意思決定を改め
もより一層効率的な会議運営に努めていく。
て行う必要がある場合を除き、「経営審議会」
の審議・議決プロセスを経た議案については、
「役員会」での審議は省略する等の柔軟な運用
も必要ではないか。
2 教育研究審議会の審議について(P34)
(静岡県公立大学法人)
(1)「教育研究審議会」の議事録を確認したとこ
「教育研究審議会」の議事録は、議事に関連し
ろ、年度を通じて発言記録のない委員が数名い
た主要発言を記録したものである。今後は、参加
た。本審議会を大学運営上、より有効に機能さ
委員全員が活発に議論を行えるよう審議会運営に
せるためにも、参加委員全員による一層活発な
努めていく。
議論を期待したい。
3 経営審議会の役割について(P35)
(静岡県公立大学法人)
(1)「経営審議会」の構成員である「学外委員」
平成 24 年度の経営審議会への学外委員出席率が
の出席率が低い。今後は、人選に当たって審議
40%と低かった理由は委員の体調不良によるもの
会への確実な出席を要件にするなど、何らかの
であった。平成 25 年度は学外委員が全員交替した
対策を検討すべき。
ため、出席率は 94%と改善した。
4 経営審議会の議事録について(P36)
(1)「経営審議会」の議事録に、具体的な発言者
(静岡県公立大学法人)
平成 25 年度第4回目の議事録から、誰がどのよ
や発言内容が記録されておらず、内容が不十
うな趣旨の発言を行ったのかがわかるように記載
分。事後に第三者が見ても十分理解できるよう
方法を改めた。
明確に記録する必要がある。
5
「リーダーシップ」と「PDCAサイクル」に
ついて(P40)
(1)県立大学では、中期計画策定時に、理事長・
(静岡県公立大学法人)
平成 27 年度計画では、ビジョンを実現するため
のアクションプランを記載し、可能な限りPDC
学長のリーダーシップにより今後取り組むべき
Aサイクルの中に位置付けるよう努めていく。
重要課題を「全学的な重点課題」として定めて
いるが、その「ビジョン」を具体化するための
アクションプランは、「中期計画」や「年度計
画」を見ても見受けられない。自律的・弾力
的・効率的な法人運営を目指した公立大学法人
制度のもとでは、理事長や学長に強い「リーダ
ーシップ」と経営手腕の発揮が期待されてお
り、それを発揮するための仕組みとして、目標
の設定、実行・評価という経営システム(PD
CAサイクル)が既に構築されていることか
ら、今後は、理事長や学長が作成した「ビジョ
ン」をPDCAサイクルの中に明確に取り込む
ことを検討すべき。
第2
人事関係
1 正規職員のプロパー化について(P42)
(静岡県公立大学法人)
(1)人事関係に関する法人化のメリットとして、
正規職員の採用については、全体の年齢構成及
より弾力的な雇用形態、給与体系や勤務時間体
び業務の円滑な執行に配慮しつつ、計画に基づく
系の導入、営利企業の役員等との兼職・兼業の
採用数を確保するように努め、プロパー化のスピ
弾力的な運用等が挙げられる。県立大学は、第
ードを早めていく。
2期中期目標期間以降、プロパー正規職員を毎
なお、平成 26 年度の採用においては、計画を上
年2名採用する予定だが、同期間終了時の平成
回る人数を採用している(計画2人→実績3
30 年度においても、プロパー正規職員は 10 名
人)。
で、全職員(69 名)に占める割合も 14.5%と低
い水準にとどまることから、正規職員のプロパ
ー化への取組のスピードをもっと早める必要が
ある。
2 プロパー正規職員の給与体系について(P48)
(1)公立大学法人化の狙いの一つに、画一的な給
与体系から能力・業績に応じた給与制度への変
更があったはずだが、現在、プロパー正規職員
の給与制度は県職員とほぼ同じもので、給与体
系は実質公務員と何ら変わらない状況にある。
平成 25 年度から正規のプロパー職員の採用が開
(静岡県公立大学法人)
独自の給与体系については、他公立大学法人の
動向を注視しつつ、検討を進めていく。
始され、平成 26 年度から正規のプロパー職員の
給与規程が実際に適用されることになる状況を
考慮すると、法人化のメリットを実現するた
め、独自の給与体系(能力に応じた給与制度)
の確立・運用について検討を急ぐ必要がある。
3 非公務員型の人事システムについて(P50)
(1)法人化から7年目を迎えているにもかかわら
ず、非公務員型の人事システムが実現できてい
(静岡県公立大学法人)
プロパー正規職員の採用に努め、非公務員化の
スピードを早めていく。
ない状況が見受けられた。今後、第2期の「中
また、プロパー正規職員について、勤務実績等
期目標」及び「中期計画」が順調に達成されて
を評価した上で、能力・適性に応じた配属・昇格
も、県派遣職員の3割程度が正規のプロパー職
等を行っていくことなどにより、職員の意欲・能
員に変わるに過ぎず、また、職員評価制度につ
力向上及び事務組織の強化を図るとともに、より
いても、評価結果を処遇に反映する仕組みの構
効果的な人事システムとするよう努めていく。
築までは「中期計画」での明言が無いため、非
公務員型の人事システムが目標としている水準
に達している可能性は低い。機動的で柔軟性に
富んだ大学運営により、「魅力ある大学」を目
指すためには、非公務員型の人事システムをぜ
ひとも早急に実現すべき。
4
“効率的・効果的で生産性の高い事務処理”に
ついて(P52)
(静岡県公立大学法人)
平成 26 年度計画において、事務等の生産性の向
(1) “効率的・効果的で生産性の高い事務処
上に関して「包括的な管理契約等による業務の効
理”という「中期目標」に対して、「中期計
率化を検討する」とし、検討内容を具体的に記載
画」や「年度計画」、「自己評価」には、人員
した。年度終了後の自己評価においても、年度計
のスリム化、コスト削減についての具体的な表
画を踏まえて具体的に表現するよう努めていく。
現を見ることはできない。“効率的・効果的で
生産性の高い事務処理”、言い換えれば“より
高いコストパフォーマンスの実現”を目指すの
であれば、人員のスリム化やコスト削減といっ
た文言(数値を含む。)を明確に「年度計画」
や「自己評価」に表現すべき。
第3
財務会計等関係
1 外部資金の獲得について(P56)
(静岡県公立大学法人)
(1)外部資金の獲得について、「中期計画」で、
平成 25 年度においては、各学部とも「個別的な
部局ごとに目標を設定することをうたっていな
事情」がなかったため、前年度を上回ることを目
がら、「年度計画」では具体的な記載はなく、
標値と設定した。
平成 21 年度以降、全部局同じである。その内容
は、“件数・金額とも前年度以上の獲得”とな
平成 27 年度計画においては、実績及び個別事情
を加味した目標設定とするよう努める。
っており、PDCAサイクルが有効に機能する
ための目標設定にはなっていない。外部資金の
獲得目標については、現在のように全部局一律
で考えるのではなく、各部局の個別的な事情を
加味した目標設定に変えていくことが望まし
い。
2 管理的経費の削減について(P57)
(1)第1期中期目標では期間中の管理的経費の
(静岡県公立大学法人)
第2期中期計画においては第2期中期目標期間
5%削減をうたっていたが、「中期計画」「年
中の管理的経費の5%以上の削減を掲げるととも
度計画」では、具体的な数値目標を設定してい
に、平成 25 年度計画及び平成 26 年度計画におい
ない。経費を削減するためには、“何の経費
ては前年度比1%以上の削減を図ることを掲げ
を”“どのような方法で”“どれくらい削減す
た。平成 25 年度は、委託料や旅費、通信運搬費を
るか”をあらかじめ明確にしておくことが必要
節減することにより、管理的経費を前年度に比べ
であるが、第1期中期目標期間では、この視点
て1%以上削減することができており、今後も年
に立った作業が欠けていたのではないか。経費
度計画に数値目標を掲げ、具体性のある計画の策
削減のためにPDCAサイクルを有効に機能さ
定に努めていく。
せることが重要であり、「中期計画」「年度計
画」等の作成については、具体性の視点から十
分に注意を払う必要がある。
3 人件費の管理について(P60)
(1)県からの運営費交付金が優先的に人件費に充
てられるためか、「中期目標」や「中期計画」
等に人件費についての記載がなく、人件費の管
理への積極的な姿勢が感じられない。しかし、
人件費は大学の運営コストの約6割を占める費
用であり、十分な注意を向けることが必要では
ないか。県立大学も人件費の管理に取り組んで
(大学課、静岡県公立大学法人)
中期目標や中期計画に人件費の管理を記載する
ことについては、今後、検討していく。
いるのであれば、「中期目標」や「中期計画」
「年度計画」に人件費の管理について記載し、
PDCAサイクルの中で人件費を管理していく
ことを考えるべき。
4 固定資産実査について(P61)
(静岡県公立大学法人)
(1)数年に一度のローテーションで行われる固定
①固定資産実査の対象範囲の変更については、そ
資産の実査の対象範囲を、取得年度や取得価額
の効果及び影響も考慮し、慎重に検討していく。
をベースに考えているため、備品等が複数ある
②パソコン等は膨大な量のため、毎年実査を行う
部署では、実査の対象資産と対象外資産の混在
ことは困難であるが、より適切な実査に向け努め
による間違いを起こしやすい状況がある。固定
ていく。
資産の実査については、今後次のような事項を
③平成 27 年度からは、業務閑散期の7月~8月に
検討すべき。
実査を実施していく。なお、小鹿キャンパスでは
①実査の対象は、取得年度や取得価額ではなく、
毎年度全ての備品を対象に実施している。
設置場所を重視する。
②パソコンのように紛失した場合のリスクが高い
資産については、毎年実査の対象にする。
③実査は、期末実施の必要がないため、各部署の
仕事の閑散期に実施する。
(2)固定資産を適切に管理するためには、当該資
産が使える状態にあるのか、修繕や買替が必要
(静岡県公立大学法人)
固定資産の実査結果報告では、現物照合の結果
ないのかについても確認することが重要であ
のみ記載しているが、実査においては管理状況
る。
(使用の可否)についても確認しており、使用で
「固定資産管理規程」に、実査の目的と
して、評価の妥当性の視点に立った文言を加え
た上で、実査時には、固定資産の使用可能性に
ついても適切にチェックすることが必要であ
きないものは、廃棄の手続を行っている。
固定資産管理規程の改正については、今後検討
していく。
る。
5 USBメモリーの取扱いについて(P69)
(1)情報漏えいの防止の視点から、原則USBメ
モリーなどの使用を禁止し、また、学外へのデ
ータの持ち出しも禁止すべき。ただし、例外的
にUSBメモリーの使用が必要となる場合に
は、その運用は、次のように行うことが望まし
い。
(静岡県公立大学法人)
事務職員に対してUSBメモリーの使用実態を
調査した。今後、取扱いについて検討していく。
①大学の資産として、USBメモリーを数本用意
し、大学の管理のもと、鍵のかかるところに保
管する。
②使用の際は、セキュリティ責任者の許可を必要
とし、管理簿に記載する。
③使用が終了し返却する場合は、USBメモリー
内のデータは全て消去する。
④学外への持ち出し、私用パソコンでの利用は禁
止する。
⑤管理していないUSBメモリーを、学内のパソ
コンで使用できないように設定するか、ログを
取って、管理外USBメモリーの使用履歴が分
かるようにし罰則を設ける。
6 ユーザーIDの管理について(P71)
(1) 職員が大学の情報システムにアクセスする
(静岡県公立大学法人)
個人別のIDにすることを検討していく。
ためのユーザーIDについては、各部署別のI
Dを利用しており、職員に異動があった場合で
も、後任者は前任者の使用していたIDをその
まま使用している。しかし、前任者による不正
利用を防止するためにも、個人別のIDとし、
異動があれば、その都度、アクセス制限の変更
を行うことを検討すべき。部署別IDを使う場
合は、パスワードの速やかな変更は強制とすべ
き。
(2) 教員については、各個人別のIDが作成さ
れ、メールについては、退職・異動後も利用可
能であるが、情報資産の漏えい防止のために、
(静岡県公立大学法人)
メールの継続利用者から誓約書を徴収すること
を検討していく。
退職時に、過去のメールのメールサーバーから
の削除や、情報資産の漏えい防止に関する誓約
書の徴収などを検討すべき。
7 修繕計画について(P72)
(1) 既存の施設・設備を有効に活用するととも
(静岡県公立大学法人)
平成 26 年度から、当該年度に計画されている具
に、老朽設備の更新を適切に進めるためには、
体的な工事名を年度計画に記載する。
中長期の修繕計画による計画的な修繕等の実施
が必要であるが、各年度の「年度計画」では、
具体的な修繕計画の内容を確認できない。具体
的な大規模修繕工事が計画されている場合に
は、少なくとも「年度計画」には、具体的な工
事名を記載すべき。
8 中長期の修繕計画について(P74)
(大学課、静岡県公立大学法人
(1)県立大学では、民間のコンサルティング会社
めて記載)
※8、9をまと
に依頼し、20 年間にわたる中長期修繕計画が作
既に多くの施設・設備が老朽化しており、修繕
成されているものの、県立大学自らが作成した
の計画を策定し、これを着実に実行することは、
中期修繕計画との間に、工事内容・金額ともに
大学の大きな課題である。このため、中長期の修
大きな違いがあるため、中長期修繕計画の役割
繕計画については、県におけるファシリティマネ
が見えてこない。長期的な展望に立ち、計画的
ジメントの取組と連携し、県の協力のもと作成し
に施設・設備の整備・改修を進めるためには、
ていくことを検討する。
より精度の高い中長期的視点に立った修繕計画
を、県立大学自身で作成することが必要であ
る。
9 大規模修繕工事と資金対策について(P76)
(1)県立大学に出資した建物等の施設の維持・管
理について、資金面で県が第一義的に責任を持
つべきであることを踏まえると、老朽化対策に
ついても、県立大学の中長期又は短期の修繕計
画は、県と県立大学が共同で作成することを検
討すべき。
第4
1
目標・評価関係
「中期計画」と「年度計画」の記載内容が同じ
であることについて(P78)
(1)当然実施すべきことを「中期目標」等に記載
することについて
定款等でルール化されていることや当然やる
べきことを、「中期目標」や「中期計画」「年
度計画」で取り上げることに、目標管理の視点
(大学課、静岡県公立大学法人)
第2期の「中期目標」では、定款等でルール化
されていることや当然やるべきことの項目を削除
した。
から、どれほどの効果が期待されるのであろう
か。このような項目については、「中期目標」
の設定対象から外すことを検討すべき。
(2)「中期計画」や「年度計画」の記載内容に具
体性を欠くことについて
(静岡県公立大学法人)
既に開始されている第 2 期中期計画の大幅な変
行動計画であるべき 「中期計画」及び「年度 更は困難であるが、年度計画の策定において、記
計画」に“何を行うのか”が記載されていなけ
載内容の具体化に努める。
れば、担当者は計画を実行することができな
い。また、「中期計画」も「年度計画」も計画
期間終了後に実績評価の対象となるが、計画の
内容が抽象的な表現にとどまっている場合、そ
の評価の作業は困難を極めることになる。「中
期計画」や「年度計画」には、その期間におい
て行うべきことを具体的に記載することが必要
である。
(3)「中期計画」や「年度計画」に数値目標を設
定していないことについて
(静岡県公立大学法人)
第2期中期計画の策定に当たっては、アウトカ
「中期目標」で管理的経費の5%削減という
ム指標となるものに焦点を当て、指摘のあった管
具体的な数値目標を掲げていながら、「中期計
理的経費の削減のほか法人固有職員の採用割合
画」「年度計画」では全く数値に触れられてい
(県派遣職員の切替え)等についての数値目標を
ない。数値目標は計画の具体性の性格を最も適
設定した。
格に有しているものであり、行動計画の場面に
おいても、評価の場面においても、有効に機能
することが期待されるため、積極的に数値目標
を利用することを検討すべき。
2
「年度計画」の記載内容が毎年同じであること
について(P86)
(1)「年度計画」が毎年同じような表現となって
いる事例が多く見受けられる。県立大学の目
標・評価システムを有効に機能させるため、計
画どおりに作業が進まなかった場合には、その
原因を詳細に分析・評価し、その評価結果(改
善策)を次の「年度計画」や「中期計画」に具
(静岡県公立大学法人)
今後は、より具体的な計画の策定に努め、中期
計画や年度計画の進捗状況・課題を踏まえた上
で、次年度の年度計画を策定するよう努める。
体的な行動計画として明示する必要がある。
3
「自己評価」と「評価委員会の評価」に違いが
あることについて(P88)
(静岡県公立大学法人)
県(評価委員会)と大学では年度実績の評価を
(1)「中期目標」の達成が困難と考えられる項目
異なる基準(前者は中期計画期間(6年間)での
において、「評価委員会」が「年度計画」にC
進捗状況を勘案して当該年度の実績を評価するの
の評価を付しているが、「自己評価」ではBが
に対して、後者は年度計画に対する実績のみを評
付されている事例があった。「中期目標」の達
価する。)で判断していた。今後、「中期目標」
成は難しいかもしれないが、「年度計画」は十
「中期計画」「年度計画」の関係について整理
分実施したという判断を行っていることにな
し、適切な自己評価となるよう努める。
り、「自己評価」の妥当性について疑問が残
る。「年度計画」が「中期目標」を達成するた
めの計画であることを、もう一度確認するとと
もに、「自己評価」を適切に行うことが必要で
ある。
4 「中期計画」の修正について(P90)
(静岡県公立大学法人)
(1)計画の内容に曖昧な部分がある、進捗状況が
進捗状況・課題を踏まえたPDCAサイクルの
芳しくないなど、当初の計画に修正すべき点を
中で、中期計画の修正の必要性についても検討す
確認できる場合には、「中期計画」を見直す作
る。
業を検討すべき。「中期計画」の運用について
は、そもそも当初の計画の内容に問題がある場
合も含めて、その進捗状況や大学を取り巻く環
境の動向等によって修正を余儀なくされる場面
が必ずあるはずである。「中期計画」を柔軟に
修正していく姿勢を持つことが必要である。
5 「年度計画」の修正について(P91)
(静岡県公立大学法人)
(1)年度計画の作成の際は、前年度の途中実績や
評価委員会から課題を指摘された項目について
「中期目標」の進捗状況が反映されるが、「評
は、速やかに対応するよう努めている。今後、評
価委員会」の評価の反映は、その公表スケジュ
価内容によっては年度計画の修正も検討してい
ール上、前々年度のものとなっている。評価委
く。
員会がC評価を付したような場合に、速やかに
改善策を計画に反映させるためには、年度途中
であっても「年度計画」の修正を積極的に考え
るべき。
6 評価項目数の削減について(P92)
(大学課、静岡県公立大学法人)
(1)評価項目数については、第1期「中期計画」
中期計画・年度計画の項目数は、県が策定する
の 225 個から第2期「中期計画」では 166 個に
中期目標の内容(項目数)に比例する。第2期で
削減し、項目数のスリム化が図られているが、
も項目数の削減に努めたが、第3期での中期目
166 個という数は依然として多い数であり、評
標・中期計画の策定時の課題として、作業の負担
価等の一連の作業には担当者に大きな負担がか
軽減や重点施策の明瞭化のため「選択と集中」の
かっているのではないか。負担軽減や重点施策
視点で項目数の更なる削減に努める。
の明瞭化のためにも、評価項目数の更なる削減
を検討することが必要である。
7
「年度計画」「中期計画」における重点施策の
明瞭化について(P93)
(1)「中期計画」や「年度計画」において、課題
となっている事項を重点的な施策として明瞭に
(静岡県公立大学法人)
第2期中期計画では、全学的な重点課題(3項
目)及び部局別の重点課題を明示した。年度計画
についても、重点課題の明示を検討する。
表示している箇所はないが、「中期計画」や
「年度計画」の中には、県立大学が優先的に取
り組みたいと考える項目があるはずであり、優
先度の高い項目には県立大学の経営資源を重点
的に利用することを積極的に考えるべき。その
ためには、優先的に取り組むべき事業を重点的
施策として捉え、「中期計画」や「年度計画」
で明確に意思表示することを検討してはどう
か。
8
「年度計画」と予算編成方針の調整について
(P94)
(静岡県公立大学法人)
予算編成方針は予算編成の考え方を示したもの
(1)毎年、理事長が決定する「予算編成方針」で
であり、年度計画の内容を直接指示するものでは
は数値目標の達成を掲げているのに対し、「年
ないが、相互に関連する部分もあるため、内容の
度計画」では数値目標が見られない事案が見受
調整に努めていく。
けられる。「年度計画」はあくまでも「中期計
画」を達成するための単年度の計画であり、そ
の内容は「予算編成方針」と必ずしも一致する
ものではないが、「予算編成方針」が大きく影
響する項目もあり、「予算編成方針」と「年度
計画」の内容は十分に調整作業を行うことが必
要である。
9 「中期目標」の策定方針について(P95)
(大学課)
(1)県立大学の第2期の「中期目標」を策定する
第2期中期目標では、項目別の目標とは別に前
に当たって作成された「第2期中期目標策定方
文において、県立大学の目指すべき姿とともに、
針」(以下「策定方針」)の1では、「「選択
これを実現するために重点的に取り組むべき、教
と集中」の視点で、重点的に取り組む内容を明
育、研究、地域貢献、グローバル化の4つの事項
確化し、静岡県立大学らしさを示す。」ことを
を記載している。
方針として掲げており、これを受けて「中期目
標」では重点的に取り組む内容を明確化するた
更なる重点化については、今後、他の事例を参
考にしながら検討していく。
め 46 項目を掲げているが、46 項目の重要度は
全て同じレベルではないはずである。県や県立
大学の思いが強くこめられた目標を重点的目標
として県民に明示してはどうか。
(2)「策定方針」の2は、「目標の達成状況の検
(大学課)
証が可能となるように、取組内容を具体的、定
中期計画の全体の項目数は削減する一方で、数
量的に表す」ことを方針として掲げているが、
値目標の設定数は、第1期の 14 項目から第2期で
「策定方針」決定後の検討や「評価委員会」の
は 19 項目と増加している。なお、中期計画は6年
意見を踏まえて、「中期目標」は原則として全
間に及ぶ計画であり、全ての項目を具体的に記載
学的にわたるもので、主に大きな方向性を示す
することは困難であるため、これらについては、
ものであり、大学が自主性・自律性をもって
年度計画の中でより具体的な記載とするよう法人
「中期計画」で具体的内容を記載すべきとの考
と調整していく。
えから中期目標には数値目標が記載されていな
い。しかし、「中期計画」の記載内容には具体
性を欠くケースが依然として多く見受けられ
た。このような状況を改善するため、県は、
「中期計画」を具体的に記載することの重要性
について、積極的に県立大学に伝えていくこと
が必要である。
(P97)
(3)「策定方針」の3は、「これまでの評価で明
(大学課)
らかになった成果や課題を踏まえ、中期目標の
第2期中期目標の策定に当たっては、第1期の
見直しを行う」ことを方針として掲げている。
成果や課題を踏まえ、第1期から引き続き取り組
このために大事なことは、評価を適切に実施
むべき目標、さらに発展させるべき目標、強化す
し、その評価結果を「中期目標」に具体的に反
べき目標のほか、新たな目標を設定している。中
映させることであるが、このことが確認できな
期目標に記載する表現については、次期中期目標
い事案があった。「自己評価」においては、目
に向けて、研究していく。
標が達成できなかった場合の原因を追究し、次
期目標期間における具体的な施策を検討するこ
とが重要である。
10
中期目標期間と県立大学の経営陣等の任期につ (大学課、静岡県公立大学法人)
いて(P100)
県派遣職員からプロパー職員への計画的移行を
(1)中期目標の期間は6年であるが、知事・役員
進めるとともに、県派遣職員については、今後も
の任期は4年、職員の任期は3~5年程度であ
県に大学経験者の派遣を要望するなど、施策の継
るため、「中期目標」策定時の大学経営陣や大
続性・連続性を確保するよう努める。
学事務職員(静岡県からの派遣職員)、県知事
や担当部局職員は、再任や任期延長がなけれ
ば、その期間終了時には誰もいなくなるという
ことになり、「中期目標」を達成するための県
立大学及び県の体制として、望ましい姿といえ
るのか疑問である。「中期目標」の期間も、理
事の任期も、法律や定款等で規定されている事
項であるため、当面は、県派遣職員からプロパ
ー職員への計画的移行や、県派遣職員に大学経
験者の派遣を要望するなどして、施策の継続
性・連続性を確保するなどで対応するしかない
であろう。
公立大学法人静岡文化芸術大学
第1
管理運営組織関係
1 役員会と経営審議会の役割分担について(P101)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
(1)「役員会」の全ての構成員が「経営審議会」
経営審議会で審議・議決された議案を、役員会
の委員でもあることから、より効率的・効果的
で審議・議決する場合は、議案説明を省略し、経
な「役員会」運営の実現のため、「経営審議
営審議会での審議を踏まえた上で役員会に諮って
会」で議決が拮抗した場合など、法人としての
いるところであり、今後もより一層効率的な会議
最終的な意思決定を改めて行う必要がある場合
運営に努めていく。
を除き、「経営審議会」の審議・議決プロセス
を経た議案については、「役員会」での審議は
省略する等の柔軟な運用も必要ではないか。
2
経営審議会における書面表決制度について
(P103)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
今後も、早期の連絡により出席を確保するよう
(1)経営審議会において、「学外委員」の出席確
努める。また、引き続き早期に議案を送付すると
保のため、議案に対する意思を表示する「書面
ともに、議案に補足説明を加えるなどしてより分
表決制度」を採用しており、書面表決書には
かりやすい資料作りに努め、場合によっては直接
「賛否に附帯する意見等」の欄が設けられてい
出向いて説明する等の方法により、委員に内容を
るが、平成 24 年度の審議会において提出された 理解していただき、やむを得ず欠席される場合で
「書面表決書」で意見等が記載されたものは 21 あっても積極的に意見を求めていく。
件中、1件だけにとどまった。法人運営に幅広
く外部の視点を活かす観点から、学外有識者を
「学外委員」として積極的に登用しているが、
この趣旨の実現のためにも、「賛否に附帯する
意見等」欄の記載を積極的に促す仕組みを検討
すべき。
3 監事監査の実効性について(P107)
(1)監事監査について、平成 24 年度に係る「監査
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
監事監査結果報告書については、監査の実施内
調書」や「業務監査に係る監事ヒアリング概
容を、監査概要、監査方針、監査実施体制、監査
要」には、記載すべき事項が十分に記録されて
結果等として監査意見の形成に至った過程及び理
いないことから、適切に実施されていることを
由等をまとめた上で、記載する。
確認することができない。現在の監事監査は非
設置者である県において、業務量を勘案して非
常勤の監事2名により実施されているが、「監
常勤としており、費用対効果の面からも常勤とす
査補助者を利用する」、あるいは、「内部監査
るのは困難であるとしているところであり、引き
部門に監査作業の一部(監査調書の取りまとめ
続き非常勤監事による監事監査を実施することと
を含む)を依頼する」といった「監事を補助す
なるが、法人内部監査員が監事監査補助者として
る体制」が十分に整っていない状況であると、
その任についた上で、適切に監事監査を実施して
法人全体の広範な業務に対する監事監査の十分
いく。
な遂行には限界がある。したがって、非常勤監
事を補助する体制を十分に確保すること、ある
いは、監事2名のうち1名を常勤化することな
どを検討すべき。
4
「リーダーシップ」と「PDCAサイクル」に
ついて(P109)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
次期中期計画を見据え、理事長及び学長のビジ
(1)文芸大学では、当該年度に主に取り組む事項
ョンを踏まえた年度計画を検討し、そのリーダー
として独自に「事業方針」を作成し、事業優先
シップのもとで自立的・弾力的・効率的な法人運
度を明確にしているものの、「中期計画」や
営に努め、PDCA サイクルの手法により計画達成に
「年度計画」で「ビジョン」に類するものを見
努める。
ることはできない。自律的・弾力的・効率的な
法人運営を目指した公立大学法人制度のもとで
は、理事長や学長には、強い「リーダーシッ
プ」と経営手腕の発揮が期待されており、今後
は、理事長や学長が作成した「ビジョン」をP
DCAサイクルの中に明確に取り込むことを検
討すべき。
第2
1
人事関係
正規職員(事務職員)のプロパー化について
(P111)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
今後のプロパー職員数は第2期中期計画で規定
(1)文芸大学では事務職員のプロパー化を進めて
する予定である。本学事務局は、プロパー職員に
いく方針のもと、最終的には県等からの派遣職
加え、県、市、企業派遣及び期間契約職員等で組
員は最小限にとどめる体制を描いているものと
織しており、それぞれの役割と業務の専門性・継
思われるが、目指すべき人数構成や達成年度等
続性とを考慮しながら、第2期中期計画期間にお
については明らかにされていない。機動的で柔
ける職員体制を構築していくこととしている。
軟性に富んだ大学運営により、「魅力ある大
学」を目指すためには、非公務員型の人事シス
テムの実現が必要であり、文芸大学が抱く事務
職員の体制(人数構成等)についてのイメージ
を早く明確にし、達成年度について目標設定す
ることを検討すべき。
2
能力・業績に応じた弾力的な人事システムの導
入について (P116)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
平成 25 年度に、教員と事務職員それぞれの活動
(1)公立大学法人化により可能となった弾力的な
評価に係る作業部会を設置し検討作業を進め、概
制度設計のポイントの一つが“能力・業績に応
要設計を取りまとめた。平成 27 年度のインセンテ
じた弾力的な人事システム”の導入であり、
ィブが働く仕組みの確立に向け、平成 26 年度中に
「中期目標」でも、“教職員にインセンティブ
詳細設計を終え、活動評価の試行に取り組む予定
(動機付け)が働く仕組みの確立”をうたって
としている。なお、この中期計画の策定に当た
いるが、中期計画の記載内容は抽象的表現にと
て、給与等への反映も検討していくこととする。
どまっており、「年度計画」や「自己評価」も
具体的な記載内容に欠けるため、「中期目標」
に対しての進捗状況を正しく把握することが難
しい。この制度の導入を着実に進めるために
も、今後の「年度計画」については、スケジュ
ールや実施すべき事項を具体的に記載すること
が必要である。
3 プロパー正規職員の給与体系について(P118)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
(1)公立大学法人化の狙いの一つに、画一的な給
能力・業績に応じた給与制度の構築について
与体系から能力・業績に応じた給与制度への変
は、他公立大学法人や、国、県の動向を注視しつ
更があったはずだが、現在、プロパー正規職員
つ、検討を進めていく。
の給与制度は県職員とほぼ同じもので、給与体
系は実質公務員と何ら変わらない状況にある。
能力・業績に応じた給与制度の構築の作業は、
これまで多くの法人が試行錯誤を繰り返してき
た分野であり、大変難しい作業であるが、事務
職員がより一層やる気を持って働くことのでき
る職場づくりのためにも、その確実な実現を期
待したい。
4
“効率的・効果的で生産性の高い事務処理“に
ついて(P120)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
これまでも、短期間に集中する業務や専門的な
(1)“効率的・効果的で生産性の高い事務処理”
業務については、アウトソーシングを活用するな
という「中期目標」に対して、「中期計画」や
ど、効率的な事務処理に努めている。年度計画及
「年度計画」、「自己評価」には、人員のスリ
び自己評価については、時間外勤務縮減目標を設
ム化、コスト削減についての具体的な表現を見
定するなどのコスト削減方策を平成 27 年度計画か
ることはできない。“効率的・効果的で生産性
ら具体的に記載するよう努めていく。
の高い事務処理”、言い換えれば“より高いコ
ストパフォーマンスの実現”を目指すのであれ
ば、人員のスリム化やコスト削減といった文言
(数値を含む。)を明確に「年度計画」や「自
己評価」に表現すべき。
第3
財務会計等関係
1 外部資金の獲得について(P124)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
(1)外部資金の獲得について、「中期計画」に記
現在の中期計画策定時に、中期目標に示された 4
載されている内容は、あくまでも外部研究資金
項目(「就職率 100%を目指すこと」「外部資金獲
獲得に向けた支援体制の充実・強化にとどまっ
得件数 5%増(H16-21/H22-27 比)」「公開講座等
ており、外部資金獲得の具体的な目標について
参加者数 5%増(H16-21/H22-27 比)」「管理的経
は特に言及がない。外部資金獲得件数の具体的
費削減率 5%減(H22/H25 比))」の中期計画期間
な目標を設定しているのであれば、「中期計
中の数値目標を定め、各年度の数値目標進捗状況
画」や「年度計画」にその内容を表現すべき。
を「年度実績」に合わせて県へ報告しているとこ
ろであり、平成 27 年度計画にはこれら数値目標を
記載する。
2 管理的経費の削減について(P126)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
(1) 第1期中期目標では期間中の管理的経費の
現在の中期計画策定時に、中期目標に示された 4
5%削減をうたっているが、「中期計画」「年
項目(「就職率 100%を目指すこと」「外部資金獲
度計画」の内容は、抽象的な表現にとどまって
得件数 5%増(H16-21/H22-27 比)」「公開講座等
おり、具体的な数値目標は記載されていない。
参加者数 5%増(H16-21/H22-27 比)」「管理的経
予算編成時において、管理的経費に前年度マイ
費削減率 5%減(H22/H25 比))」の中期計画期間
ナス1%のシーリングをかけており、計画どお
中の数値目標を定め、各年度の数値目標進捗状況
り毎年1%ずつ削減効果が出ているということ
を「年度実績」に合わせて県へ報告しているとこ
であり、「中期目標」が順調に達成されている
ろであり、平成 27 年度計画にはこれら数値目標を
状況がうかがえるが、「中期計画」や「年度計
記載する。
画」、そして「自己評価」や「評価委員会」の
評価結果には全く記載されていない。目標・評
価システムを有効に機能させるためにも、管理
的経費の削減目標については、具体的な数値目
標を「中期計画」や「年度計画」に記載すべ
き。
3 人件費の管理について(P127)
(1)「予算編成基本方針」では、人件費の抑制に
ついて言及していることから、人件費の管理に
(大学課、公立大学法人静岡文化芸術大学)
中期目標や中期計画に人件費の管理を記載する
ことについては、今後、検討していく。
ついて一定の配慮をしていることが理解でき
る。一方、「中期目標」や「中期計画」には人
件費の抑制についての記載がない。人件費は大
学の運営コストの約6割を占める費用であり、
中長期的視点に立ったコスト管理が必要であ
る。「予算編成基本方針」で年度ごとの人件費
が増大しないように努めていることを踏まえれ
ば、「中期目標」や「中期計画」「年度計画」
に人件費の管理について記載し、PDCAサイ
クルの中でコスト管理していくことを考えるべ
き。
4
USBメモリーなどの記録媒体の取扱いについ
て(P132)
(1)情報漏えい防止の視点から、原則USBメモ
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
平成 26 年 3 月に「公立大学法人静岡文化芸術大
学情報取扱要領」を制定した。
リーなどの使用を禁止し、また、学外へのデー
今年度、その具体的な運用に係る情報セキュリ
タの持ち出しも禁止すべき。ただし、例外的に
ティ対策のためのガイドラインを作成するための
USBメモリーの使用が必要となる場合には、
検討を進めており、その中で USB メモリーの使用
その運用は、次のように行うことが望ましい。
実態を調査した上で、取扱いについても定めるこ
①大学の資産として、USBメモリーを数本用意
し、大学の管理のもと、鍵のかかるところに保
管する。
②使用の際は、セキュリティ責任者の許可を必要
とし、管理簿に記載する。
③使用が終了し返却する場合は、USBメモリー
内のデータは全て消去する。
④学外への持ち出し、私用パソコンでの利用は禁
止する。
⑤管理していないUSBメモリーを、学内のパソ
コンで使用できないように設定するか、ログを
取って、管理外USBメモリーの使用履歴が分
かるようにし罰則を設ける。
ととしている。
5 修繕計画について(P134)
(1)既存の施設・設備を有効に活用するととも
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
「中期計画」については、次期計画分から、中
に、老朽設備の更新を適切に進めるためには、
長期の修繕計画を基にした大規模な修繕工事内容
中長期の修繕計画による計画的な修繕等の実施
の概略を記載する方向で検討していくこととし、
が必要であるが、「年度計画」からは、具体的
「年度計画」については、平成 27 年度計画から、
な修繕計画の内容を確認できない。しかし、劣
翌年度実施する修繕工事のうち主要なものを具体
化診断書に基づき、日々の点検業務等の結果を
的に記載していくこととする。
加味して優先順位をつけて修繕工事を実施して
いる現状を踏まえると、少なくとも「年度計
画」には、具体的な工事名を記載するべき。
6 中長期の修繕計画について(P136)
(大学課、公立大学法人静岡文化芸術大学
(1)民間のコンサルティング会社が作成した情報
6、7をまとめて記載)
※
をもとに、短期又は中期の修繕計画は策定され
開学から約 15 年経過し、その修繕に係る費用が
ているものの、長期の修繕計画は作成されてい
今後増大していくことが見込まれ、財政事情の逼
ない。大規模修繕の問題は、今後、文芸大学が
迫が想定される。このため、中長期の修繕計画に
対処すべきテーマの中で大きくクローズアップ
ついては、県におけるファシリティマネジメント
されて来る可能性が高い。長期の修繕計画につ
の取組と連携し、県の協力のもと作成していくこ
いても、優先順位を考えながら、財政事情を考
とを検討する。
慮した、より実現可能性の高い内容のものを作
成する必要がある。
7 大規模修繕工事と資金対策について(P137)
(1)文芸大学に出資した建物等の施設の維持・管
理について、資金面で県が第一義的に責任を持
つべきであることを踏まえると、老朽化対策に
ついても、文芸大学の中長期又は短期の修繕計
画は、県と文芸大学が共同で作成することを検
討すべき。
第4
1
目標・評価関係
「中期計画」と「年度計画」の記載内容が同じ
であることについて(P140)
(1)当然実施すべきことを「中期目標」等に記載
することについて
(大学課)
第2期の「中期目標」では、当該項目を削除す
る方向で検討する。
定款等でルール化されていることや当然やる
べきことを、「中期目標」や「中期計画」「年
度計画」で取り上げることに、目標管理の視点
から、どれほどの効果が期待されるのであろう
か。このような項目については、「中期目標」
の設定対象から外すことを検討すべき。
(2)「中期計画」や「年度計画」の記載内容に具
体性を欠くことについて
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
次期中期計画においては、具体的な計画となる
行動計画であるべき 「中期計画」及び「年度 よう努める。
計画」に“何を行うのか”が記載されていなけ
れば、担当者は計画を実行することができな
い。また、「中期計画」も「年度計画」も計画
期間終了後に実績評価の対象となるが、計画の
内容が抽象的な表現にとどまっている場合、そ
の評価の作業は困難を極めることになる。「中
期計画」や「年度計画」には、その期間におい
て行うべきことを具体的に記載することが必要
である。
(3)「中期計画」や「年度計画」に数値目標を設
定していないことについて
「中期目標」で管理的経費の5%削減という
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
平成 27 年度計画から、中期目標に示された数値
目標について記載するよう努めていく。
具体的な数値目標を掲げていながら、「中期計
画」「年度計画」では全く数値に触れられてい
ない。数値目標は計画の具体性の性格を最も適
格に有しているものであり、行動計画の場面に
おいても、評価の場面においても、有効に機能
することが期待される。積極的に、数値目標を
利用することを検討すべき。
2
「年度計画」の記載内容が毎年同じであること
について(P146)
(1)「年度計画」が毎年同じような表現となって
いる事例が多く見受けられる。文芸大学の目
標・評価システムを有効に機能させるため、計
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
今後は、より具体的な計画の策定に努め、中期
計画や年度計画の進捗状況・課題を踏まえた上
で、次年度の年度計画を策定するよう努める。
画どおりに作業が進まなかった場合には、その
原因を詳細に分析・評価し、その評価結果(改
善策)を次の「年度計画」や「中期計画」に具
体的な行動計画として明示する必要がある。
3 「年度計画」の修正について(P148)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
(1)年度計画の作成の際は、前年度の途中実績や
評価委員会から課題を指摘された項目について
「中期目標」の進捗状況が反映されるが、「評
は、速やかに対応するよう努めている。今後、評
価委員会」の評価の反映は、その公表スケジュ
価内容によっては年度計画の修正も検討してい
ール上、前々年度のものとなっている。評価委
く。
員会がC評価を付したような場合に、速やかに
改善策を計画に反映させるためには、年度途中
であっても「年度計画」の修正を積極的に考え
るべき。
4
「年度計画」「中期計画」における重点施策の
明瞭化について(P149)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
現在も優先的に取り組む事業を中心に重点施策
(1)「中期計画」や「年度計画」において、課題
を明示した年度ごとの「事業方針」を独自に策定
となっている事項を重点的な施策として明瞭に
しており、これを年度計画の実行における重点施
表示している箇所はないが、「中期計画」や
策として、更に活用していく。
「年度計画」の中には、文芸大学が優先的に取
り組みたいと考える項目があるはずであり、優
先度の高い項目には文芸大学の経営資源を重点
的に利用することを積極的に考えるべき。その
ためには、優先的に取り組むべき事業を重点的
施策として捉え、「中期計画」や「年度計画」
で明確に意思表示することを検討してはどう
か。
5
「年度計画」と予算編成方針の調整について
(P150)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
年度計画と予算編成方針の策定に当たっては、
(1)毎年、予算会議において策定される「予算編
相互の内容との調整を行いながら進め、予算編成
成方針」では、経費の削減等について詳細に方
方針の趣旨を年度計画に取り入れているが、今後
向性を述べているのに対し、「年度計画」では
もより一層効果的なものとなるよう内容の調整に
抽象的な記載にとどまっている事案が見受けら
努めていく。
れる。「年度計画」はあくまでも「中期計画」
を達成するための単年度の計画であり、その内
容は「予算編成方針」と必ずしも一致するもの
ではないが、「予算編成方針」が大きく影響す
る項目もあり、「予算編成方針」と「年度計
画」の内容は十分に調整作業を行うことが必要
である。
6 評価項目数の削減について(P151)
(公立大学法人静岡文化芸術大学)
(1)文芸大学で「中期計画」や「年度計画」の評
年度計画の項目数は約 190 項目であるが、平成
価を行う際の評価項目数は 103 個に上り、評価
23 年度までは、この計画を 57 項目に体系化して自
等の一連の作業には多くの労力が費やされてい
己評価を行っていた。しかし、評価委員会から、
る。負担軽減や重点施策の明瞭化のためにも、
体系化しすぎては評価の判断ができないため評価
評価項目数の更なる削減を検討することが必要
項目数を増やすよう指示があったため、103 項目に
である。
増やしたところである。項目数の削減について
は、今後、県、評価委員会との協議を踏まえ検討
していく。
7
中期目標期間と文芸大学の経営陣等の任期につ
いて(P152)
(大学課、公立大学法人静岡文化芸術大学)
県派遣職員からプロパー職員への計画的移行を
(1)中期目標の期間は6年であるが、知事・役員
進めているところである。県派遣職員について
の任期は4年、職員の任期は3~5年程度であ
は、今後も県に大学経験者の派遣を要望するな
るため、「中期目標」策定時の大学経営陣や大
ど、施策の継続性・連続性を確保するよう努め
学事務職員(静岡県からの派遣職員)、県知事
る。
や担当部局職員は、再任や任期延長がなけれ
ば、その期間終了時には誰もいなくなるという
ことになり、「中期目標」を達成するための文
芸大学及び県の体制として、望ましい姿といえ
るのか疑問である。「中期目標」の期間も、理
事の任期も、法律や定款等で規定されている事
項であるため、当面は、県派遣職員からプロパ
ー職員への計画的移行や、県派遣職員に大学経
験者の派遣を要望するなどして、施策の継続
性・連続性を確保するなどで対応するしかない
であろう。
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