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学習活動案 中学校 2 年理科【脊椎動物の仲間】

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学習活動案 中学校 2 年理科【脊椎動物の仲間】
中学校 2 年理科【脊椎動物の仲間】
学習活動案
使用プログラム:鳥を見る・鳥とくらべる・鳥になる(中学生編)
■ プログラムの位置づけと活用方法
単元の中での活用
中学校 2 年理科
第 2 分野
(3) 動物の生活と生物の変遷
(7) 自然と人間
ウ 動物の仲間
ア生物と環境
(ア)脊椎動物の仲間
(イ)自然環境の調査と環境保全
→ここでは,「(3) ウ 動物の仲間」のまとめとして行い,「(7) ア 生物と環境」と関連させた活動案を
示す。
学習指導要領のねらい
(3) ウ(ア)脊椎動物の仲間:
脊椎動物の観察記録に基づいて,体のつくりや子の生まれ方などの特徴を比較,整理し,脊椎動物が
いくつかの仲間に分類できることを見いだすこと。
(7) ア(イ)自然環境の調査と環境保全:
身近な自然環境について調べ,様々な要因が自然界のつり合いに影響していることを理解するととも
に,自然環境を保全することの重要性を認識すること。
■ 使用教材
1) 12 種の鳥の頭骨レプリカ標本
2) 鳥のくちばし体験キット
3) 双眼鏡
貸出可
4) 各種ワークシート
一部ダウンロード可
5) 映像(フラミンゴの採餌行動)
貸出可
貸出可
6) 各種解説シート
※貸出可マークの教材には往復の輸送費が必要になります(詳細は国立科学博物館までお問い合わせください)
。
※一部ダウンロード可マークの教材はポータルサイト「授業に役立つ博物館」からダウンロードが可能です。
■ 授業の展開
中学校 2 年理科「動物の仲間(脊椎動物の仲間)
」
本時 5 時間扱い
(※着色部がプログラム活用箇所)
1
第1次
2 3
第2次
4 5 6 7
第3次
8
第4次
9 10
第5次
11
12
第6次
13
時間
備考
学習の内容と活動
学習支援(●)と評価(◎)
(使用教材
等)
9
1.動物を様々な観点で仲間分けをし
時
てみよう
間
○班や隣どうしで,カードの絵や解
目
説を見て話し合う。
【10 分】
●分ける観点は自由で,何通りもの分
け方を考えてみるよう促す。
・○○と◆◆は体つきが似ている。 ●どんな分け方をしたか尋ねる。クラ
・すみかで分けてみようか,子ど
もの生まれ方は?
ス全体で共有する。
●こういう観点で分けてみたらどう
か。(分類項目提示)
●自分を含めた脊椎動物全体や,各分
(仲間分けカ
ード)
類群の共通性を確認する。
○哺乳類,鳥類,爬虫類,両生類,
●分類は異なるが,体つきが似ていた
魚類の特徴を確認する。 【10 分】
動物どうしはいるか?
・ペンギンとアシカの前足の形が
(すみかや生活との関連)
似ているのでは?
●その他不思議に思ったこと,独特な
・カモノ ハシ はなぜ卵 を産 むの
特徴を持つ動物について話し合う。
か?
・哺乳類はどのように進化したの
か知りたい。
2.オリジナルの鳥を描こう
○すみか,食べ物を自由に想定して, ●環境への適応を視野に入れ,自由な
(オリジナル
その環境でくらす鳥の特徴を考え
発想で描くよう促す。雌雄の差や繁
の鳥描画シー
る。自分で考えたオリジナルの鳥
殖の仕方も考慮に入れて描いてもら
ト)
を描画する。色も自由につける。
うと発展的な学習につながる。
描画した鳥の特徴とその根拠を説
明する。
【20 分】
(例)
●クラスで共有する。それぞれ(個人
や各班で)想像したその鳥の特徴に
ついて,意見を述べあう。
・くちばしがフックみたいに曲が
っ て いて 木の実 を 割っ て食べ
(鳥の特徴や環境との関連を視野に入
れて,議論するようにする。)
る。
・川にすむから水かきがある。卵
は親鳥と同じ色になっている
3.身近な鳥類のくちばしと食べ方と
の関連を学ぼう
○実在する鳥類の多様な形質を確認
●ワークシートにくちばしを描き入れ
(身近な鳥の
しよう。身近な鳥類のくちばしは
る。どのような形か,どのように使
くちばしシー
どのような形だろうか?そのくち
うかを話し合う。
ト,ワークシ
ばしを使ってどのように食べるだ
ろうか?
【10 分】
●解説シートで確認する。機会があれ
ば野外で観察するようにする。
ート,解説シ
ート)
※時間があれ
ば, 貸出教材
である「12 種
の鳥の頭骨レ
プリカ標本」
や,
「鳥のくち
ばし体験キッ
ト」を活用す
る。
10
4.フラミンゴの足とくちばしの形や
時
動きを予測しよう
間
○つぎに,水辺でプランクトンを食
●すみかや食べ物との関連で,くちば
目
べるフラミンゴのくちばしと足の
しと足がどのような形で,さらにど
シート)
絵を描き入れよう。どのような動
のように動かすかをイメージさせ,
(ワークシー
きをするか予想しよう。 【15 分】
シートに描いてもらう。
ト,解説シー
○どんなくちばしや足を描いたか,
(フラミンゴ
ト)
動きのイメージと合わせて紹介す
る。
【15 分】
○事前に用意できればビデオ映像で
確認する。
【10 分】
・足が長い
(映像(フラ
●予想と違っていたことや,新たに気
づいたことはあるか?
ミンゴの採餌
行動))
●鳥の体の特徴を確認しよう。
・足が反対に曲がっている
(鳥の骨格シ
・くちばしが下に曲がっている
ート)
・首がくねくねしている
5.自分は動物園で,鳥の「こういう
ことを観察したい」という課題を書
き出そう
【10 分】
・インコが好きだから,どんなイ
ンコがいるかを調べたい。
●自分なりに観察する視点を持てるよ
うにする。
・足の曲がり方を見たい。
動物園展示動
物(鳥)情報
資料
・鳥の生活が知りたい。
11
※動物園での校外学習
時
1.フラミンゴの行動をじっくり観察
間
しよう
目
○体の特徴をスケッチする。
・
○自分の好きなフラミンゴを一羽決
12
めて,行動を追跡し,見たことを
時
記録する。
【40 分】
●事前学習で予想したくちばしや足の
形,動き,生活を自分で確かめるよ
(観察記録シ
ート)
うにする。
●特定のフラミンゴを時間をかけて観
間
察させ,様々な動きに気づくように
目
促す。
●一連の動きをよく観てから記録する
2.複数の鳥の体つきや行動を比較し
て観察しよう
ように助言する。
【40 分】
○2 種類以上の鳥を比較観察する。
○簡単なスケッチをする。
○特徴やしぐさで気づいたことを記
録する。
(観察記録シ
●フラミンゴで観察方法を身につけた
後に,複数種類の鳥を比較観察させ
る。気づいた事を記録するように助
言する。
ート)
3.観察して気づいたことや質問した
いことを出し合おう
【20 分】
○観察した後に,気づいたことを報
告する。疑問に思ったことを動物
●事前に動物園側に質疑対応の協力に
(発見・考察
ついて相談しておく。給餌時間など
シート)
も情報も得ておく。
(質疑用メ
園の人に質問する。
モ)
13
1.観察した結果と環境との関連を考
時
察しよう
間
○観察で気づいたことを書き出す。
目
○班やクラスで共有する。
クラス全体で出し合い,適応や環境
○環境との関連を考察する。
との関わりについて考え,認識を深
【15 分】
●発見したことや疑問に思ったことを
(観察結果考
察シート)
める。
2.存続が危ぶまれている鳥の状況を
調べよう
【15 分】
○絶滅の危機にある鳥の種類とその
要因を調べる。
●動物園で観察した鳥の野生での生息
インターネッ
状況や,ワシントン条約やレッドリ
ト,図鑑,本
ストを調べる。持続可能性について
など
学ぶ機会にする。
3.動物園の役割を考えよう【10 分】
○動物園での保護繁殖について意見
を出し合う。
○動物園と野生生物保全との関連を
●討論を行っても良い。動物園の役割
(種の保存活
や利用のあり方について考える機会
動に関する資
にする。
料・映像など)
考える。
(動物園側に
相談する)
4.人間(自分)とのかかわりを考え
よう
【10 分】
○コウノトリ野生復帰の試みを学
ぶ。
○なぜコウノトリを守るのか,地域
●現地での情報をもとに,自分との関
わりで野生生物や環境保全を考える
(コウノトリ
解説パネル)
ようにする。
環境の保全や自分との関わりを考
(野生コウノ
える。
トリの生態写
○自分が実践したいことを出し合
真)
う。
プログラム活用の工夫
本プログラムでは,動物園で観察する際に,子どもたちが観察の視点を見いだすための事
前学習に重点を置いています。対象を鳥類に絞りましたが,様々な動物の生活と環境を考
えたり,生き物の進化や環境への適応について考えるきっかけとなるプログラムです。
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