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協同組合の今日的意義と課題

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協同組合の今日的意義と課題
新任理事研修資料
平成22年6月23日
1
協同組合の今日的意義と課題
地域営農の再構築
総合事業の再構築
非営利組織としての機能発揮
組合員の協同活動の再構築
JA長野中央会教育部
大木島 真
2
地域営農の再構築
産業組合・農業会から新生農協へ
戦後農政の展開過程と農協の営農振興対策
戦後農政の大転換が意味するもの
改良普及事業改革と営農指導事業
地域営農マネジメント機能の発揮
日本の農村協同組合の歩み
区分
原始的
協同組
合
明治初
期の協
同組合
産業組
合
農業会
年代
政治経済
出来事
3
説明
報徳社
(二宮尊徳)
農村金融(無利子資金と基金造成)
先祖株組合
(大原幽学)
農民による生産組合(共有地)
富国強兵策
生糸・茶の輸出奨
励
上州南三社
生糸の販売組合(碓氷、甘楽、下仁田
社)
益集社
お茶の販売組合
1873
地租改正金納制
西南戦争デフレ
信用組合法
案
ドイツの信用組合をモデルに(品川弥二
郎・平田東助)
1900
日清戦争 増税
高利貸し 小作化
産業組合法
信用、販売、購買、利用各組合
第一次世界大戦
産業組合振
興刷新運動
産業組合中央会
家の光(志村源太郎)の発刊(大正14
年)
1930
農村恐慌
農山漁村経
済更生運動
産業組合拡
充5ヵ年計画
4種兼業
産業組合主義(千石興太郎)
産業組合の飛躍的拡大⇒産業組合反
対運動(反産運動)の激化
1943
戦時体制
農業会
産業組合と農会(農業指導)の統合
1840
1868
1910
天保の大飢饉
商品経済の進展
浦里村経済更生計画
総務部
村経済改善委員会
生産部
4
村役場
村農会
家政相談所
(金融部)
【技術指導】
【金融改善
負債整理】
農事実
行組合
社会部
【経済行為】
【教育
生活改善】
5人組
負債整
理組合
産業組合
購買販売部
5人組
農事実
行組合
5人組
5人組
小学校
他
資料:長野県経済更生計画資料
部落協同体制と農業会
5
○部落協同体制の確立(昭和16年8月 下伊那農政審議会)
農会、養蚕業組合、産業組合は相協力して部落協同体(農家組合又は農事事項
組合、養蚕実行組合)の整備統合に当たる。
農家組合と養蚕実行組合とは必ずその地域ならびに組合員を同一ならしめ、か
つ役員は同一人の兼務とする
部落協同体は、農会、産業組合に加入し、その指導体制は総て農会、養蚕業組
合これを行い、産業組合は経済的部面に於いて協力して其の機能発揮に努める
純農村においては部落農業団体と部落会(常会)とは表裏一体の単一組織とな
す
部落協同体は自然部落の区域に準拠し、農家の自主的綜合団体として、生産、
経済、社会などに関する各般の事項の処理に当たらしむるため、その内容を整
備改善せしむること
○昭和18年 農業会設立 申し合わせ案(昭和18年2月 下伊那農政審
議会)
農業団体統合は大東亜共栄圏確立の礎石たる皇国農村使命達成の見地に立
脚しこれが実現に際しては我らは厳然純一透明なる精神に烈火振天の実践力
とを以って断固左記事項を必行し以って本県農業会創設の完璧を期し、国家
要請の完遂に決死邁進せんことを期す。
戦後農協の発足
農家の自主的な
相互扶助活動
6
明治政府による誘導
産業組合
戦時体制
農業会(集落共同体制)
GHQによる民主化政策
(農業会の否定)
地主制の解体
=農地改革
自作農の創設
農協の創設
財閥解体
=独占禁止法
協同組合発足時の論争
生産共同体(農水、小倉武一)
自由的協同組合(GHQ)
農業会の性格を継承
1. 自由意志による開かれた加入制 1.集落における「農事実行組合」
度
を末端組織とする生産共同体
2. 民主的な代表の選出
2.全国ー都道府県ー市町村ー集
3. 出資配当の制限、利子は法定利 落という行政組織に対応する形
態を思考(地域組合的色彩)
率に近いもの
3.強制加入
4. 参加に応じた利益の配分
5. 組織と連合会は、将来制定され 4.総合農協のほかに専門農協を
認め、協力な統制機能を持たせ
る独禁法に従う
る(米の強制割当、肥料の割当)
6. 施設の所有と管理
5.耕地整備事業を行わせ生産共
7. 教育の推進
同体としての基盤を準備
8. 租税の優遇措置
7
農協法案についての新聞発表
8
農業協同組合法とその施行法案の構想
新しい農業協同組合法案は、従来の農業団体法制の批判と民主的協同組合の諸原則の採用と
日本の政治的経済的要請、就中(なかんづく)農業のそれから生まれてくるものであって、その
根本となる考え方を述べれば、
(1)農地改革は、農民を封建的土地所有制から解放し、農業のためにその近代会への道を拓
いたのであるが、零細農としての性格は、協同組織によってのみ止揚され得るのであって、今
後の農業の生産力の発達と農民の地位の向上は、徹底的な農地改革と協同組合運動と新しい農
業技術の浸透を三大支柱としてのみ可能となるのであろう。
(2)かかる協同組織は、非農民的利害によって左右さえることがないように、勤労農民を主
体とするものでなければならない。農民はもはや動かされるものではなく、協同組織を通じて
自ら動くものとなるであろう。
(3)協同組織の結成と運営は、勤労農民の自主的意欲に基づいて民主的になさなければなら
ない。農民は、その生産と生活を通じて協同活動によって、民主主義的教養を身につけ
経済民主主義化の基盤を培うであろう。
結語
いうまでもなく、わが国の農業における協同組合運動の意義の決定的な意味のひとつは、零細
農制の止揚であるが、これは農業における貨幣の流通過程の協同化ばかりでなく、農業の生産
行程の協同化を伴わなければならない。本来の生産行程の協同化は、生産手段の協同化と農業
技術の改革を前提としなければならないのであるが、かかる前提が与えられていないときは、
生産行程の協同化は甚だ困難である。個別経営を前提とする限りにおいての生産行程の協同化
は、当面の協同組合の課題である得るのであって、これは客観的条件の推移と農業の主体的要
求によって可能となるだろう
農協法案に関する新聞発表 1946年8月1日 農林省農政局農政課
戦後農政の展開過程
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
主要農政
課題
解放農政
基本法農政
総合農政
80年代農政
新農政
農政の目
標
食料の増産
所得格差の是正・
選択的拡大
米の過剰と兼
業化への対応
自給率の向上
主要法律
食糧管理法
農地法
農協法
中央卸売市場
法
農業基本法
野菜生産出荷安
定法(指定産地制
度)
果樹振興特措法
食管法改正
(自主流通米)
農振法
卸売市場法
農用地利用増
進法
人
自作農の創設
自律経営農家の
育成(1~1.5ha)
中核農家の育
成(4~5ha)
土地
他
農地解放・農
地権利移転の
抑制
協業の助長
2000~05年
9
05~10年
2010年~
改革農政
戸別所得補償
農政
国際化に対応し、産業として自律で
きる効率的・安定的経営体の育成
プロ農業者
への施策集
中
国際化に対応
する戸別所得
補償
農業経営基盤
強化促進法
食糧法の改正
食料・農業・農村
基本法
食品安全基本法
改正卸売市場法
改正食糧法
改正農地法
改正農業経営
基盤強化促進
法
認定農家制度
の導入
認定農業者の
育成(10~20h
a)
認定農業者の経
営安定
品目別経営
安定対策
戸別農家所得
補償
集団的農用地
の利用
農業機械銀行
借地農による
規模拡大
農地保有合理化事業による認定農
業者への利用集積
株式会社に
よる農地利
用
農用地利用円
滑化事業
第一次農業構造
改善事業
第二次構造改
善事業
新農業構造改
善事業
活性化・基盤
確立農構
経営構造改善事
業
強い農業づ
くり交付金
増産・愛知揚
水・八郎潟干
拓
生産費・所得補償
方式、二重米価
稲作転換・水
田総合利用
水田利用再
編・水田農業
確立
水田営農活性
化・生産調整
推進対策
水田農業経営対
策
水田農業構
造対策
自由化交
渉
GATT加盟
121品目自由
化
GATTケネディラウ
ンド
プラザ合意
日米交渉(牛
肉・オレンジ)
GAT
TUR
WT
O
WTO農業交渉
技術開発
農業電力・モ
ーター
小型耕運機
(大型トラクター)
バインダー
田植機・コンバ
イン・トラクター
高性能コンバ
イン
高性能移植機・
収穫機
JAの振興
対策
農家組合の育
成
営農団地の育成
新営農確立運
動(協同活動
強化運動)
集落・地域営
農集団育成
地域営農システムの確立(多様な担
い手のネットワーク)
主
要
施
策
施設
基盤
米生
産調
整
グレープフルーツ
GATT東京ラ
ウンド
新基本法農政
戸別所得補償
モデル事業
FTA・EPA?
IT・省エネ技
術
バイオ技術
中心的担い手の育成支援
集落営農組織の育成・法人化
戦後農協の営農振興対策
区分
再建整備
年代
政治・経済
JAの対応
10
内容
系統共販確立
運動(‘50)
共販3原則(無条件委託、平均売
り、実費手数料)
総合経営刷新
計画(‘5
6)
共販4原則(3原則+全利用)⇒整
促方式
‘50
経済安定9原則(‘49)・デフレ
‘60
農業基本法
所得倍増計画
農村から労働力の流出
指定野菜産地制度
農業団地構想
農業基本構想
(‘67)
果樹団地・野菜団地・畜産団地の
育成、生産部会の育成
構造改善事業を活用した、共同利
用施設の建設
‘70
ニクソンショック
石油ショック(‘73)
転作の開始
協同活動強化
運動(‘76)
組合員営農計画の積み上げによる
地域農業振興計画の策定⇒全国生
産販売計画による農産物需給調整
‘80
プラザ合意(‘83)
農協バッシング(‘87)
牛肉オレンジの自由化(‘88)
集落営農実践
運動((80~8
8)
果樹・野菜などへの転作団地化農
業機械銀行、
ブロックローテーション・集団転作
‘90
新政策(‘94)
GATT⇒WTO体制移行(‘95)
地域営農集団
育成・強化運動
農地保有合理化事業
農業労働保険
新基本法・国
際化・規制緩
和への対応
‘00
食料農業農村基本法(‘99)
農協あり方研究会(‘04)
品目横断的経営安定対策
営農・経済事業
改革
販売機能の強化(複数共計)
集落営農組合の結成、法人化
中心的担い手支援
安全・安心対策
新たな時代へ
の対応
‘10
民主党政権へ(‘09)
戸別所得補償制度(‘10)
担い手・農地対
策推進
農用地利用円滑化事業
経営支援対策
高度成長・農
業基本法への
対応
低成長
自由化への対
応
水稲の単収・作付面積・収穫量
1,400
3,500
1,200
収
穫
1,000
量
・
800
消
費
600
量
・
400
単
収
200
3,000
作
2,500 付
面
2,000 積
(
1,500 千
h
1,000 a
11
推定収穫量 万t
国内消費仕向量 万t
作付面禎 千ha
推定10a収量 kg
)
500
0
0
1
9
5
5
1
9
6
0
1
9
6
5
1
9
7
0
1
9
7
5
1
9
8
0
1
9
8
5
1
9
9
0
1
9
9
5
2
0
0
0
2
0
0
5
※ 推定10a収量=10a収量/作況指数、推定収穫量=推定10a収量×作付面積
食管法から改正食糧法へ
食料管理制度
全量政府管理米
減反政策の目的=
(S17~H7年)
=在庫は政府のもの
政府在庫の増加防止
12
計画流通制度による需給と価格の安定
旧食糧法制度
(H8年~15年)
政府管理米=備蓄米のみ
生産調整の目的=
流通米=民間管理米=在庫は民間の
総供給量の抑制による民
もの
間全体在庫の発生抑制
政府による基本計画の公表と生産調整・
(全農による調整保管)
生産目標数量ガイドライン提示
計画流通制度の廃止
市場原理に基づく計画的生産への誘導
改正食糧法制
度(H16年~)
産地別在庫責任の明確化
第三者機関による需要動向の提供と基
本指針の公表・政府による配分の廃止
(移行期間は目標数量を配分)
生産調整の目的=
売れるこめづくり的=
産地別需要動向に基づく
産地在庫の発生防止
(全農による調整保管なし)
生産調整対策の推移
目標面
積
転作率
米生産
量
千ha
%
百万t
13
補助金
内容
百億円
稲作転換
1971
S46
230
16.7
10.9
17.0
水田総合利用
1976
S51
215
6.5
11.8
8.4
1期
1978
S53
391
14.7
12.6
19.7
2期
1981
S56
631
22.7
10.3
33.9
3期
1984
S59
600
21.1
10.4
25.7
前期
1987
S62
770
26.9
10.6
16.8
後期
1990
H2
827
29.0
10.5
15.1
水田営農活性
化
1993
H5
673
25.0
7.8
9.3
新農政プラン(平成4 年)に合わせ、農業者や農業者団体の一層の主体的取
組み。また、米の多様な需給に応じた米づくりの推進。他用途利用米を含む
米の用途別需給の均衡化
新生産調整推
進
1996
H7
670
25.8
10.3
9.3
食糧法に基づいて農業者や地域の自主性を尊重した「とも補償」8による転作
への支援(とも補償への助成の拡大)
緊急生産調整
1998
H9
960
34.7
9.0
11.7
新たな米政策大綱による、稲作経営安定化対策(生産者と政府助成で資金
を造成し、自主流通米の価格下落の際の所得減収分を補填する)、米需給安
定対策(全国規模でとも補償を進める)
水田農業経営
2000
H12
960
35.3
9.5
12.9
「食料・農業・農村基本法」のもと、「水田を中心とする土地利用型農業活性
化対策大綱」による。
水田農業構造
2004
H16
8.5
15.9
米政策改革大綱(平成14年)12および改正食糧法による。米づくりの本来あ
るべき姿に向けた水田農業の構造改革農業者・農業者団体主体による自主
的な生産調整システムへの転換
水田
利用
再編
水田
農業
確立
水田の休耕と転作の二本建て
水田では、その高い生産力をいかして米以外の作物の生産振興を行い、水
田の有効利用による転作の定着化
米の過剰を招くことのないように長期的視点から、米の生産抑制と水田利用
の再編成を推進することにより、更なる転作の定着を目指した。
特に、食料自給率向上の主力となる麦、大豆、飼料作物を特定作物として位
置づけ、転作奨励金の増額など特定作物への転作に優遇措置がとられた。
団地化加算
米価の据え置き。米の計画生産と転作を行政だけでなく、地域の農業者や農
業者団体が行政と一体になって取り組む。
地域営農加算を新設、地域農業の組織による集団的な地域輪作農法による
転作の一層の定着化
米の生産調整政策の経緯と見直し問題 調査と情報No659国立国会図書館
卸売市場制度と集団生産地の育成
果樹農業振興特別措置法(‘61)
⇒濃密果樹団地
農業構造改善事業
(選果施設)(’62)
大型果
樹産地
大消費地
中央卸売市場
農協営農団地構想(‘62)
系統共販
野菜出荷安定法(‘67)
「野菜指定産地制度」
⇒野菜集団生産育成事業
野菜生産出荷安定事業
14
大型野
菜指定
産地
地方都市
地方卸売市場
卸売市場経由率と小売専門店のシェアー
15
100.0
90.0
80.0
野菜
果実
花
牛肉
豚肉
ャー
20
15
09
20
06
20
03
20
00
97
20
19
94
19
91
10
19
2005
88
2000
19
1995
85
1990
野菜
果実
鮮魚
食肉
19
1985
専
門 45
小 40
売
店 35
の
シ 30
25
82
0.0
50
19
10.0
55
79
20.0
60
19
70.0
市
場 60.0
経
由 50.0
率 40.0
%
30.0
卸売市場法の変遷
16
中央卸売市場法
1937年(大正12)制定
卸売市場法
1971年(昭和46年)
制定
改正卸売市場法
1999年(平成11)
・2004年(平成16)
環境条件
出荷者も書い手側も零細多数で
ある
量販店の登場とJAの
合併、指定野菜産地に
よる産地の大型専化
量販店が大半に
IT取引の具体化
対象範囲
公設の中央卸売市場を卸売市
場の基軸とする
中央卸売市場と地方卸
変更なし
売市場を対象に
売・買業者の
分離
売り手(卸売会社)と買い手側(仲卸業者・売買参加者)の
分離
卸売業と仲卸業の兼営
が可能に(16年)
手数料主義
卸売会社は卸売手数料のみを収入とする
手数料の自由化(16
年)
せり原則
取引はせり・入札を原則とする
無条件委託・
受託拒否禁
止の原則
出荷者は卸売会社に無条件の販売委託をする
卸売会社は受託を拒否できない
予約相対の導入
商物一致の
原則
出荷者は卸売市場内に現物を搬入する
商物分離の容認
中央卸売市場法に同じ
原則の廃止
(例外事項あり)
農地法第一条の改正過程
農地法(1952)
改正農地法(1962)
17
改正農地法(2009)
この法律は、国内の農業生産の基礎
である農地が現在及び将来における
国民のための限られた資源である事
に鑑み、
この法律は、農地はその 同じ
耕作者みずからが所有す
ることを最も適当であると
認めて
耕作者自らによる農地の所有が果た
してきている重要な役割を踏まえつ
つ農地を農地外のものにすることを
規制するとともに
耕作者の農地の取得を促 耕作者の農地の取得を促 農地を効率的に利用する耕作者によ
進し、
進し、
る地域との調和に配慮した農地につ
いての権利の取得を促進し
その権利を保護し
及びその権利を保護し
その他土地の農業上の
利用関係を調整し、
並びに土地の農業上の
効率的な利用を図るため
その利用関係を調整し、
及び農地の利用関係を調整し、並び
に農地の農業上の権利を確保する
ための措置を講ずることにより、
もって耕作者の地域の安
定と農業生産力の増進と
を図ることを目的とする
同じ
耕作者の地域の安定と国内農業生
産の増大を図り、
もって国民に対する食料の安定供給
の確保に資することを目的とする
農地法改正案のポイント
18
現行
改正案
目的規定
耕作者自らが所有す
ることが最も適当
耕作者の地位の安定と地域と調和を前提にした農地の効
率的な利用促進
農地権利者の責務
ー
「適正かつ効率的な利用の確保」の責務を創設
公共施設整備に
許可不要
都道府県と国が協議
転
伴う農地転用
用
規
懲役3年以下または、 法人の罰金を1億円以下に引き上げ。
違反転用
制
罰金300万円以下
都道府県知事などによる行政代執行制度を創設
農地の所有と利
利 用
用
規
制
農業生産法人
への出資
所有は現行通り、
所有・利用とも農業者、 利用は一般企業やJA、NPO法人などにも認める。
農業生産法人
ただ、周辺地域での農地の効率的利用に支障を生じる恐
れがある場合は、農業委員会が許可しない要件を新設
1事業者当り10%以
下、
全体で25%以下
1事業者当り10%以下を廃止
全体の25%以下は継続
農商工連携事業者などの場合は50%未満に
賃貸借期間
20年以下
50年以下
遊休農地対策
市町村が指定した遊
休農地について、農
業振興の観点から必
要な措置を講じる
すべての遊休農地を対象にした仕組みに見直し、
所有者が分からない遊休農地も利用権を設定できるように
する
090214 農業新聞
農地法の改正と株式会社の農地利用
農業基本法の見通しに関する提言(1
997年9月 経団連)
第一
段階
農地法の改正(株式会社継体による農業経
営の導入)
農業生産法人への株式会社 2000. 農地法の改正で農業生産法人の一
の出資要件を大幅に緩和する 11
形態として株式会社容認
2003. 特区法に基き、農業特区での一般
04
株式会社のリース方式営農開始
第二
段階
経営基盤強化法改正による町村指
借地方式による株式会社の営 2005. 定地区での一般株式会社の借地営
09
農を認める
農全国化
農地法改正により、借地営農なら全
2009.
国どこでも一般株式会社の農業参
06
入を容認
第三
段階
一定の条件の下で株式会社
の農地取得を認める
?
今回の改正で、耕作者主義の原則
を修正加筆したので、一定の歯止
めはかかったが
19
解除条件付き農地リース方式の許可条件
業務執
行役員
要件
①業務を執行する役員のうち1人以上が、法人の農業経営に責任をもって
対応する
②業務を施行する役員は、実質的に業務執行についての権限を有し、地域
との調整役としての責任が持てる者
地域調
和要件
①適切な役割分担。例えば農業の維持発展に関する話し合い活動への参
加、農道・水路・ため池等の協同利用施設の取り決め遵守、鳥獣被害対策
への協力等と行う
②機械や労働力の確保状況等からみて、継続的かつ安定手的に農業経営
を行うかを判断する
③農地法による場合は、農地の権利取得を希望する者が提出する確約書、
農業委員会等と結ぶ協定で確認
④基盤法による場合は、利用権設定等を受けようとする者が、市町村長に
提出する確約書、市町村長と結ぶ協定で確認
解除条
件
①撤退した場合の混乱を防止するため、以上の事項を契約上(農地法の場
合)、農用地利用集積計画(基盤法の場合)に記載する
(1)農用地を明け渡す際の現状回復の義務は誰が負うのか
(2)現状回復の費用は誰が負担するのか
(3)貸借期間中途の契約終了時における違約金支払の取り組みがあるか
(4)現状回復がなされないときの損売賠償の取り決めがあるか
20
出展:室屋有宏 農林金融2010.6、資料:全国農業会議所(2010)より抜粋
農業団体3原則
21
農業団体3原則
①生産技術指導は、国および地方公共団体を主体として充実
強化すること。
②農民と農業の代表機関を整備すること。
③農業協同組合の事業の刷新強化に資すること。
この原則は次により具体化された
①農業改良普及員は農協の行う生産技術指導に協力するとと
もに、農協総合計画の樹立、実施に関する技術に従事するも
のとして、市町村農業委員会に技術員を設置する
②農業および農民の利益代表的機関として、都道府県および
全国の農業会議所を設立する
③農協の総合指導組織として農業協同組合中央会を設立する
資料:農業協同組合史入門
農業改良普及事業改革の基本方向
22
普及事業のあり方に関する検討会報告(2002年(平成14))
2.民間との連携のあり方
また、農協の営農指導については、農産物の販売や生産資材の購
買事業の「先行投資」と位置づけることができることから、農協の本来
事業である販売事業等の一環として行うべきものであり、公的な普及
事業とは性格を異にするものの、これまで互いに補完しあいながら、農
業者の農業経営を支援してきた。今後においても、地域に密着し農業
者の生計等に精通した農協の役割は大きく、営農指導をはじめ農協と
の役割分担・連携は引き続き重要と考えられる。
今後の農協の営農指導と普及事業との具体的な関係については、平
成13年の農協法改正において営農指導が農協事業の中で第一の事
業と位置づけられたところであり、また、現在、「食と農の再生プラン」
に基づき、営農指導も含めた農協系統組織・事業の改革の具体的検
討に着手していることろであることから、これら農協改革に関する検討
結果を踏まえた上で整理する必要ある。
普及事業との連携
23
○普及指導活動の重点化に伴い必要となる関係機関との連携
農業協同組合との連携
普及指導活動の重点化を図る中、一般的な技術及び知識の指導等は
農業協同組合が担当する等役割分担を明確化し、適切な連携を確保
することにより、農業協同組合の営農指導員と普及指導員がそれぞれ
の特性を活かした活動を展開するよう努める。
(協同農業普及事業のガイドライン:2010年4月9日)
○協同農業普及事業において重点的に推進する取組
1食料自給率の向上に向けた戦略作物等の生産に対する支援
2農業・農村の6次産業化等による収益力向上に向けた取組に対する
支援
3意欲ある多様な農業者による農業経営の育成及び確保等
4食品の安全性向上に向けた取組に対する支援
5持続可能な農業生産に向けた取組及び農業分野における地球環境
対策に対する支援
6農村の振興に向けた取組に対する支援
農協法と営農指導
第一次案
市町村農協の第一義的機能⇒技術員を設
置
GHQ
10番目農業技術と文化的発展に向けた情
報活動
第七次案
信用が1番目、技術指導は5番目
当初法
10番目、「農業技術及び組合事業に関する
教育並びに情報提供の施設
現行(2001年
改正)
1番目に農業の経営及び技術の指導
24
農協法(2001年改正)と営農指導事業
25
農協法 第10条 組合は、次の事業の全部又は一部を行うことができる。
1.組合員(中略)のためにする農業の経営及び技術の向上に関する指導
2.組合員の事業又は生活に必要な資金の貸付け
3.組合員の貯金又は定期積金の受入れ
4.組合員の事業又は生活に必要な物資の供給
5.組合員の事業又は生活に必要な共同利用施設(医療又は老人の福祉に関
するものを除く。)の設置
6.農作業の共同化その他農業労働の効率の増進に関する施設
7.農業の目的に供される土地の造成、改良若しくは管理、農業の目的に供する
ための土地の売渡し、貸付け若しくは交換又は農業水利施設の設置若しくは管
理
8.組合員の生産する物資の運搬、加工、貯蔵又は販売
9.農村工業に関する施設
10.共済に関する施設
11.医療に関する施設
12.老人の福祉に関する施設
13.農村の生活及び文化の改善に関する施設
14.組合員の経済的地位の改善のためにする団体協約の締結
15.前各号の事業に附帯する事業
JAの営農振興の環境の大転換
JAとの一体的立場
26
JAとは一定の距離
農業基本
法
協業の助長を基本に、JA
への流通施設の近代化を
積極的に支援
食料・農
効率的かつ安定的な農業経営
業・農村基 の育成
本法
食糧管理
制度
生産者⇒一次出荷業者(農
協)⇒二次出荷業者(経済
連)⇒全農⇒政府の流通ル
ートが特定し、コメ・麦流通
の90%以上を系統が扱う
生産調整は国が主導
改正食糧
法
政府によるコメ管理からの撤
退(備蓄のみ)
流通は自由化、系統三段階性
を制度として必要としない。
生産調整は生産者が主体的
に取組むべし
卸売市場
法
指定野菜生産団地制度(価
格安定制度を含む)と卸売
市場が一体的になって、系
統共販を基本とする大型生
産団地を育成
改正卸売
市場法
生産者からの無条件委託、中
卸業者へのせり原則は撤廃
量販店のニーズを基本に原則
自由化
価格安定制度は、系統だけで
なく個人でも適用に
農地法
自作農主義(所有者が利
用)を基本に、小規模化した
農業者の地域を保全するた
めに農協を設立
改正農地
法
耕作者主義は残したが、所有
と利用を分離し、株式会社の
賃貸者を基本的に容認した。
大規模な農地利用を推進
農業構造の展望(2005基本計画)
27
農業構造の展望(2010年基本計画)
28
地域営農のマネジメント機能の強化
農業経営
経営戦略
何を
経営計画
資金調達
どれだけ
農地調達
資材調達
生産工程
管理
販売促進
販売実行
代金回収
決算・納税・
反省
営農指導=
地域営農マ
ネジメント
地域営農振興戦略立案
地域営農方
向付け機能
共同販売・代金回収
共同利用施設の運営
マーケティン
グ機能
農地・機械・労働力・地
域資源の利用調整
地域営農調
整支援機能
農作業・経営の受託
(出資法人を含む)
生産工程管
理機能
生産資材の共同購入
戸別営農支
援機能
技術開発・普及
経営者組織
代表機能
経営コンサルタント
誰が
生産実行
誰の
土地で
どのよう
生産し
如何に
販売
29
マーケティング戦略
安産・安心システム
資金調達提供
経営者組織化・代表
新たな共販理念の考え方
要件
前提条件
現行の理念
30
新たな理念
多くの等質な農家を前提とする
農業者の多様化や異質な農業経営を前提とする
全利用
零細な農家経営が、業者の庭先集荷により分断さ
れないよう全生産物をJAに出荷する
農家ーJAグループを基本とした全利用は引き続き
強化するも、JAグループ内では、最も共販のメリッ
トを追求できる方法を基本に、JAー経済連の一体
的な販売を行う
無条件委
託
相対取引の拡大や農家の多様化に対応して、生協
卸売市場の委託販売の原則、受託拒否禁止原則、 との取引など販売先の特定、有機低農薬栽培など
即日全量取引の原則など基本に、農家はJAに販 出荷条件を提示した取引を行うなど多様な販売形
態を取り入れる。
売先などを無条件で委託し、JAは経済連に再委
託する
また、販売形態に応じて、委託販売、契約販売、買
取販売を行う
平均売り
農家の地理的条件など公平を図るため、平均的
に販売し、価格の平準化を図る
一元集荷
多元販売
一定の販売量を確保し、有利販売を行うためJA
への一元集荷を行い、複数の市場など多元販売
を行う
共同計算
一元集荷・多元販売・平均売りを行うため、共同計
算を行う。
販売形態舞の共同計算を行う
手数料実
費主義
販売価格から実費費用を手数料として差引く
実費手数料を基本意、検討を要する
販売形態により、価格の設定が異なる
ただし、同一販売形態の中では平均売りは継続さ
れる
販売形態舞に、区分けして集荷し、販売する
市場流通については、原稿同様一元集荷・多元範
囲を基本とする
平成8年第49回大会銀案審議会資料
JA中野市の生産者グループ
31
その2
32
地域営農システムとJAによるマネジメント
地域営農組織
高齢農業者
高齢農業者
兼業農家
兼業農家
女性農業者
中心的
な担い
手農家
高齢農業者
33
兼業農家
農地や労働
力の提供
地域農業のマネ
ジメント
高齢農業者
兼業
農家
中心的
な担い
手農家
女性農業者
新規就農者
新規就農者
水田
JA営農センター
基幹作業の
委託
果樹団地
兼業農家
高齢農業者
中心担い手への
個別支援
兼業農家
高齢農
業者
中心的
な担い
手農家
新規就農者
兼業
農家
女性農業者
高齢農業者
中心的
な担い
手農家
協働する
担い手
兼業
農家
高齢農業者
新規就農者
女性農業者
営農指導 大木島
北の原 営農組合
34
○営農組合から法人化
昭和54年に発足した全身の「北の原営農組合」は、水稲、
麦、大豆栽培の団地化を進め、その間、麦・大豆の共励会で
は多くの賞を獲得するなど約25年の活動実績を持つ。その
後、品目横断的経営安定対策への対応として平成18年9月
法人化した。組合員73名(36戸)、経営規模は約18h
a、経営内容は、水稲、麦、ねぎ、作業受託である。
○組合員参加による複合経営の確立
高収益品目の白ねぎ栽培を導入し、複合経営基盤を確立する
とともに、法人化しても、組合員が組織の一員として農地管
理に責任を持って携わり、水稲の日常的管理やねぎの栽培管
理・荷造り作業は組合員が分担することにより、女性等組合
員の就労の機会がつくられ、組合員の所得確保を図られてい
る。
○全員参加型の組織運営
組織運営においては、女性家族を組合員と位置づけ、理事に
青年部や女性部の代表者を加えるなど“集落ぐるみ型“組織
として組合員みなの参加を重視し、女性や後継者の意思を組
織活動に反映させる仕組みづくりが行われている。
○環境保全型農業による米直販事業
組織の所在地
エコファーマーの認定を受けてエコ米を生産し、精米機を導
駒ヶ根市 赤穂1
4
6
16番地164
入した無洗米「ゆきどけ」の地元販売に取り組むなど、環境
構成員
73名(男49名、女23名、JA1) に優しい農業をすすめるとともに、地域の子供たちを対象に
組織の設立年月日
した野菜作り教室の開催など、地域に根ざした活動を実践し
平成18年9月29日
ている。
平成19年度JA長野県優良組合員組織受賞
地域営農の
担い手の定義
リストアッ
プし個別対
応
コスト低減に
向け生産資材
の個別対策
販売農家74,719戸
4,721
戸
14,182
戸
副業
農家
35,940
戸
42,979
戸
高齢農家
50
万円
小規模農家
29,213
戸
17,558
戸
兼業農家
300
万円
準主
業
JAが定める
一定規模の
取引
農家・集団
○認定農業者(6,079戸)
○特定農業団体(米)
○産地が定める担い手(園芸)
○販売額500万円以上の場合
戸数=約10,000戸
戸数割合=16%
販売割合=73%
戸数
女性農業者
4,923
戸
中規模農家
500
万円
新規就農者
認定農業者
専業的家族農家
主業
農家
1,000
万円
大規模農家(法人)
6,260
戸
中心的な担い手
水稲
450戸
販売額
で8割を
占める
認定農家
戸数割
販売割
432戸
2%
21%
X%
X集団
果樹
3,000戸
1,483戸
15%
52%
野菜花
4,200戸
1,459戸
30%
84%
その他
1,950戸
1,900戸
70%
97%
○販売額300万円未満の場合
戸数=約54,000戸
戸数割合=77%
販売額割合=19%
多様な担い手
集団
対応
35
経営サポート対策
地域ビジョン・産地
計画の実現に向け
た対策への支援
産
地
が
定
め
る
中
心
的
な
担
い
手
多様な担い手
(農家の8割)
兼業農家・
いきがい農業者
産
地
を
形
成
す
る
担
い
手
JA別中心的な担い手の状況
販売農
家数
300万
円以上
の戸数
500万円
以上の戸
数
300万円
以上の
割合
500万
円以上
の割合
規模別農家
数から推定
した販売額
合計
300万
円以上
農家の
販売額
500万円以
上農家の
販売額
300万円
以上農家
の販売額
割合
36
500万円
以上農家
の販売額
割合
認定農
業者数
長野八ヶ岳
1,490
1,127
1,036
75.6
69.5
28,847
26,899
26,535
93.2
92.0
616
佐久浅間
8,927
1,338
945
15.0
10.6
24,129
16,546
14,974
68.6
62.1
706
信州うえだ
5,747
634
401
11.0
7.0
11,866
7,134
6,202
60.1
52.3
316
信州諏訪
3,786
887
584
23.4
15.4
12,753
9,499
8,287
74.5
65.0
423
上伊那
8,675
984
621
11.3
7.2
19,244
12,098
10,646
62.9
55.3
612
みなみ信州
7,492
1,852
1,170
24.7
15.6
25,014
18,630
15,902
74.5
63.6
630
木曽
1,294
91
65
7.0
5.0
2,242
1,176
1,072
52.4
47.8
60
塩尻市・洗馬
2,073
557
379
26.9
18.3
7,689
5,870
5,158
76.3
67.1
118
松本ハイランド
6,490
1,421
1,009
21.9
15.5
22,556
16,887
15,239
74.9
67.6
477
あづみ
5,201
797
490
15.3
9.4
12,960
8,653
7,425
66.8
57.3
367
大北
3,496
285
140
8.2
4.0
8,750
5,957
5,377
68.1
61.5
164
ちくま
2,123
267
141
12.6
6.6
6,377
4,667
4,163
73.2
65.3
68
ながの・グリー
ン長野
9,953
1,395
638
14.0
6.4
18,207
10,340
7,312
56.8
40.2
477
須高
3,050
998
577
32.7
18.9
10,450
7,885
6,201
75.5
59.3
362
中野市
2,159
939
721
43.5
33.4
18,227
16,097
15,225
88.3
83.5
393
773
355
275
45.9
35.6
4,768
3,994
3,674
83.8
77.0
155
3,494
580
383
16.6
11.0
12,119
9,175
8,387
75.7
69.2
354
76,223
14,507
9,575
19.0
12.6
240,607
175,915
156,187
73.1
64.9
6,298
志賀高原
北信州みゆき
合計
37
総合事業の再構築
産業組合と信用事業・
共済制度・厚生事業と総合事業
独禁法と協同組合
農村恐慌と長野県産業組合事業の発展
60,000
「この難局に対して
僅かに金融の途を
開き生気を与えつ
つあるもの独り産
業組合あるのみ」
(鈴木県知事)
農村恐慌
千円
38
50,000
資本主義の発展
農村疲弊
40,000糸価の低迷
借入金
貯金
貸出金
販売高
購買高
30,000
20,000
販売高=繭価に連
動
1934
1934
1933
1932
1931
1930
1929
1928
1927
1926
1925
1924
1923
1922
1920
1918
1916
1914
1913
1912
0
1911
10,000
産組拡充5 ヵ年計画
自力更生運動
世界恐慌
昭和恐慌
産業組合主義
産組振興刷新運動
家の光発刊
産業中金
震災恐慌
4 種兼業化
世界大戦景気
県信連設立
信用兼務・農工銀行
低利融資(1909)
貸出金を確保する
ために、信連、政
府資金を借入賄う
購買事業の進展
⇒商系業者が反
産運動を展開
産業組合県信連業務と債務保証資金
資本主義の発展
農村疲弊
糸価低迷
14,000,000
39
信連が債務保証を
し、産業中金、勧
業銀行から借入各
産業組合に融資
大戦不景気から農村恐慌
12,000,000
繭価回復
10,000,000
借入金
貯金
貸出金
債務保証貸出
8,000,000
6,000,000
繭価暴落
4,000,000
1936
1935
1934
1933
1932
1931
1930
1929
1928
1927
1926
1925
1924
1923
1922
1921
1920
1919
1918
1917
1916
1915
1914
1913
0
1912
2,000,000
2 .26 事件
産組拡充5 ヵ年計画
自力更生運動・
満州事変
信濃銀行倒産
世界恐慌
昭和恐慌
産業組合主義
産組振興刷新運動
家の光発刊
産業中金
震災恐慌
4 種兼業化
世界大戦景気
県信連設立
信用兼務・農工銀行
低利融資(1909)
「この難局に対して
僅かに金融の途を
開き生気を与えつ
つあるもの独り産
業組合あるのみ」
(鈴木県知事)
産業組合と無担保貸付
40
○産業組合法容儀
「産業組合法の企画するところは、中産以下の小資本家をし
てあい連合せしめて強固なる1の信用主体を構成し、この信
用主体を利用して諸般の経済活動を為すを得せしめ、もって
大資本家と共に産業場裡に角逐並立せしむるの手段を与へん
とするにあるものにして、
本法により整理した産業組合は、所得税および営業税など
を免除せらるるのみならず、無限責任の信用組合及び生産組
合には、農工銀行業に於いて5ヵ年以内において定期償還の
方法により無抵当貸付をおこなうことを得たり」
グラミン銀行
41
グラミン銀行(グラミン=農村)はバングラディッシュにある銀行。『貧者の銀行』とし
て知られている。ムハマド・ユヌスが1983年に創設した。マイクロクレジットと呼ばれ
る貧困層を対象にした比較的低金利の無担保融資を主に農村部で行っている。200
6年ムハマド・ユヌスと共にノーベル平和賞を受賞した。受賞理由は「底辺からの経
済的および社会的発展の創造に対する努力」である。
本部はバングラデシュの首都ダッカに所在する。2006年5月現在、2,226の支店を持
ち、バングラデシュにある村の86%以上にあたる、72,096の村でサービスを行ってい
る。667万人の借り主のうち97%が女性である。
グラミン銀行では、貧困層向けに事業資金を融資し、生活の質の向上を促す活動
を行っている。バングラデシュにおいては「16の決意」と呼ばれる価値観を広めている
。女性を中心にして500万人以上に貸し付けを実施。顧客に対し担保を求めない代わ
りに、顧客5人による互助グループがつくられる。これは、それぞれが他の4人の返済
を助ける義務があるが、連帯責任や連帯保証ではなく、他のメンバーに本人に代わ
っての支払いの義務は生じない仕組みである。このようなシステムによる貸付金の返
済率は98.9%と、通常の銀行と比べても遜色のないレベルを保っている。得られた利
益の全額が災害時のための基金にまわされる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グラミン銀行 16の決意
42
1. 私たちはグラミン銀行の4つの原則に従い、私たちの人生のあらゆる歩みの中でこれを推進
する:規律、団結、勇気、そして勤勉。
2. 繁栄は家族のために。
3. 私たちは荒廃した家には住まない。まず第一に家を修繕し、新しい家を作るために働く。
4. 私たちは一年を通して野菜をつくる。私たちはそれらを豊富に食べ、余った分を売る。
5. 私たちは耕作期にはなるべく多くの種をまく。
6. 私たちは家族を大きくしすぎないように計画する。支出をおさえ、健康に気を遣う。
7. 私たちは子供たちを教育し、子供たちが自分の教育費を払えるよう保証する。
8. 私たちはつねに子供と周囲の環境を清潔に保つ。
9. 私たちは穴を掘ったトイレ (pit-latrine) をつくり、使う。
10. 私たちは筒井戸から水を飲む。もし井戸がない場合は、水を沸かすかミョウバンを使う。
11. 私たちは息子の結婚式で持参金をもらわず、娘の結婚式にも持参金を持っていかない。私た
ちのグループは持参金の呪いから距離をおく。私たちは幼年での婚姻をさせない。
12. 私たちは不正なことをせず、また他人に不正なこともさせない。
13. 私たちは共同でより大きな投資を受けることにより、より多くの収入を受ける。
14. 私たちはつねにお互いに助け合えるよう用意する。もし誰かに困難があれば、私たちは全
員で彼または彼女を助ける。
15. もしどこかのグループが破綻しそうだとわかったときは、私たちはそこへいって回復を手
助けする。
16. 私たちはすべての社会活動に共同で加わる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
共済制度の歴史(産業組合)
43
明治33年 保険業法
大正5年簡易保険制度
大正3年 民間保険の代理店方式の提案
⇒保険料支払いが困難な人向けに、産業組合が保険の代理店となり、年
度末に掛け金を一括支払う。
大正11年
高田火災共済組合発足
「協同組合保険会社の設立を願っているが、営利保険に対して、当面、
各地に共済社を創設し、さらに郡あるいは県域に連合会を町村全体が
災害を受けた際に救済できるように組織しようとよびかける。
大正13年20回全国大会
生命保険事業の開始と相互火
災保険会社の設立の決議
賀川豊彦「乳と蜜の流るる郷」
「生命保険を、信用組合で兼営することであります。生命保険は死ぬ
までの定期預金でありますから、銀行の定期預金のように満期前に引
き出すことはない。世界の金融傾向を見ますのに、今日では生命保険
会社がもっとも多額の金を集めております。
このもっとも安全な、そしてもっとも多額な金を恐慌率の高い資本主
義経営に任せておくことは、一番危険でありますがゆえに、わたしは
信用組合中央金庫をして生命保険会社の事業を開始せしむるか、ある
いは生命保険会社を中央金庫が買収して、これを産業組合的に経営し
てほしいのであります」
協同組合で生命保険を実施、病院をつくるなど自分たちで使える資金
を蓄積しよう。病気を追放すれば、保険はもうかり、より大な資金を
蓄えることができる。大きな資金によってより大きな事業が展開でき、
幸せを還元できる
大正14年新日本海上火災の買
収企画
←反産運動で中止命令
反産運動で中止命令
昭和17年 「共栄火災海上保険
株式会社」の設立
←生産物の集荷施設の損害保
険に限定する(あくまでも経済事
業の延長)
共済制度の歴史(戦後編)
農業会の解散と農協の設立
戦前の農業災害の保険は、「農業保険組合・同連合会が実施」
⇒農業会に統合
農業災害補償法(農災組合)
農業の災害は別途措置される
44
対立
農協法第10条
「農業災害の共済に関する施設
組合員の財産の災害のための任員共済に限定
日本生命などが農協(全国の1/3の組合)と提携して農村に進出
保険業界の抵抗で全国組織の
設立が遅れる
昭和25年 有志県で
農協共済事業推進打合せ会議
の発足(長野県他)
昭和25年11月全国共済連
昭和26年 長野県共済連認可
大蔵省は「北海道共済連の共済事業に関する私見」で「共済は保険と
断定できない、したがった保険業法違反でない」と結論
→「保険は目的があって団体が構成されるものであるが、共済はすで
に存在している団体の構成員のために一種の構成・福利として行われ
るものであって、共済を目的として別に団体が構成されることはな
い」
「保険は個人の経済上受けた損失を自分でほてんしなければならない
ことからできた制度であるから「損失を補てんする」との概念が強い。
一方「共済は団体員のために作られて厚生・福利の性格から損失を補
填するとの性格は希薄である。水害や地震についても補填することと
しており、しかも損害が3割以上の場合に共済金を支払うことになっ
ており保険とは性格だ違う
注)2008年(平成20)の保険法により、共済事業も一般
の保険と同じ法律の提供を受けることになった
喬木村産業組合医療部
45
大正7・8年
流行性感冒(スペイン風邪)の大流行
罹病者は続出
医者は飯田市内にはいたが
喬木村には居ない
大正8年
島根県青原村購買販売利用組合
で医療事業を始める
何とかせねばと木下照一は考える
産業組合製糸富田館の医療事業として
喬木医療組合を設立(大正11年)
昭和3年
青森県利用組合東青病院
赤穂購利昭和病院開設(昭和8年)
医療組合の波及⇒
開業医の反産運動が起こる
組合製糸の建設者たち、木下照一氏の項から
昭和7年
賀川豊彦 東京医療組合中野病
院開設
昭和18年
佐久医薬販売購買組合連合会
(佐久総合病院)開設
長野県厚生連30年史
産業組合製糸と総合事業
46
【産業組合=総合事業の仕組み】
【購買事業】
生産資材の共同購入⇒
まがい物の排除とコストカット
【加工利用事業】
均質な生糸の製造⇒
出資をして工場を建設
【指導事業=養蚕業組合】
海外に売れる商品作り⇒技術指導
⇒繭の均一化
営農・生活設計指導
【信用事業】
相互信用による無担保融資
繭を担保に営農・生活資金の
融資⇒信用事業
【販売事業】
均質な生糸の共同販売によ
るロットの確保とブランド化
⇒海外に向け有利販売
病院の建設⇒厚生事業
共済事業の探求⇒共済事業
組合員の家
族を工員に⇒
雇用の創出
農村社会の
貧しさからの
解放
原則と組合法と独禁法の相互関係
①独禁法の目的と協同組合の目的
が合致する
②協同組合は独禁法の目的を達成
する担い手である。(経済恐慌・世界
戦争を起さない)
独占禁止法の
特殊性(22条
但書)
協同組合法の
特殊性
(法定)
協同組合原
則・農協法・独
禁法の共通性
47
第22条 この法律の規定は、次の各号に掲げる要件を備え、
かつ、法律の規定に基づいて設立された組合(組合の連合会
を含む。)の行為には、これを適用しない。
1.小規模の事業者又は消費者の相互扶助を目的とすること。
2.任意に設立され、且つ、組合員が任意に加入し、又は脱退
することができること。
3.各組合員が平等の議決権を有すること。
4.組合員に対して利益分配を行う場合には、その限度が法令
又は定款に定められていること
第8条 組合は、その行う事業によつてその組合員及び会員
のために最大の奉仕をすることを目的とし、営利を目的として
その事業を行つてはならない。
第52条 2 剰余金の配当は、定款で定めるところにより、組
合員の出資組合の事業の利用分量の割合に応じ、又は年8分
以内において政令で定める割合を超えない範囲内で払込済み
の出資の額に応じてしなければならない。
第1原則 自発的で開かれた組合員組織
すべての人に門戸を開いている
第2原則 組合員による民主的運営
組合員は平等の投票権(一組合員一票)を持つ。
第3原則 経済的側面での組合員参加
報酬として利子を与えられる場合はその率は通常制限される。
適用除外見直しの動向とその問題点
独禁法の適用除外そのものの廃止
48
実方謙二
協同組合の事業方式の是非(共同販売・購 実方謙二
買、協同組合間の価格協定の是非
渡辺清二
協同組合の規模により適用除外を廃止
塚田俊二
総合農協方式の疑義
実方謙二
農協それ自体の適用除外を廃止
本間・八代他
適用除外の農協から連合会を除く
宮内義彦
非営利法人の独禁法適用
八代尚広
農協それ自体の適用除外を廃止(特に連
合会・一県一JA)
山下一仁
1970年~1980年
2002年 総合規制改革会
議
2010年 規制・制度改革に
関する分科会農業WG
①連合会は単協の補完組織として代行・仲介・卸売機能を果たしている
②既存法でも不正取引は取り締まれる。連合会が但書に適用しているか検討すべき
③問題となっている点は、連合会の本来の姿から逸脱した事項である
④連合会の除くの括弧書きを除くことは他の協同組合に及ぶことになる
独禁法22条 「ただし、不公正な取引方法を用いる場合又は一定の取引分野における競
争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなる場合は、この限りで
ない。」⇒但書の運用の厳正化と適正化が必要
JA活動に関する独禁法ガイドライン
49
1 指針の趣旨
農業協同組合は,農業協同組合法に基づき自主的に設立された協同組合であり,
小規模な事業者である農業者が相互扶助によって,経営効率の向上や生活の改善
を図るとともに,その組合員のために最大の奉仕をすることを目的としている。
農業者による農業協同組合への加入・脱退が自由であることはもちろん,組合員
が,農薬,肥料,飼料,農業機械等の生産資材を購入したり,組合員が生産した
農畜産物を出荷したりする際に農業協同組合の事業を利用するか否かは組合員の
自由意思に委ねられている。
このため,農業協同組合が組合員に対して農業協同組合の事業の利用を強制す
ることは,そもそも農業協同組合制度の趣旨に反するものであるが,さらに,組
合員の自由かつ自主的な判断による取引を妨げることや,農業協同組合と競争関
係にある商系事業者等の取引の機会を奪うことなどを通じて,農業分野における
競争に悪影響を及ぼすことにもなる。
2 独占禁止法の規制対象
独占禁止法は,この目的を達成するために,事業者や事業者団体が競争制限的又は
競争阻害的な一定の行為を行うことを禁止している。農畜産物の生産や販売を行ってい
る個人農業者や農業生産法人も事業者に該当する。
また,単位農協は,事業者である組合員の結合体であるという点では事業者団体に該
当するのと同時に,自ら購買事業,販売事業,利用事業,信用事業等の事業活動を行っ
ていることから事業者にも該当することとなる。連合会についても同様である。
JA活動に関する独禁法ガイドライン
50
この適用除外制度は,以下のような趣旨のものと解されている。
単独では大企業に伍して競争することが困難な農業者が,相互扶助を目
的とした協同組合を組織して,市場において有効な競争単位として競争す
ることは,独占禁止法が目的とする公正かつ自由な競争秩序の維持促進に
積極的な貢献をするものである。したがって,このような組合が行う行為
には,形式的外観的には競争を制限するおそれがあるような場合であって
も,特に独占禁止法の目的に反することが少ないと考えられることから,
独占禁止法の適用を除外する。
単位農協の下の組織である部会が単位農協とは別に独自の行動をしてい
る場合など,当該部会が単位農協とは別の事業者団体であると認められる
場合には,当該部会の行為は,独占禁止法の適用除外とはならない。
生産調整については,これに参加しない事業者に対して,協同組合内で
不当に差別的な取扱いが行われ,その事業者の事業活動を困難にさせる場
合には,不公正な取引方法に該当し違法となるおそれがある
不公正な取引
51
条文等
取引拒絶
指定第
2項
不当に事業者が単独で特定の事業者との取引を拒絶したり,第三者に特定
の事業者との取引を拒絶させる行為
事業者団体 指定第
における差 5項
別的取扱い
等
事業者団体若しくは共同行為からある事業者を不当に排斥し,又は事業者
団体の内部若しくは共同行為においてある事業者を不当に差別的に取り扱
い,その事業者の事業活動を困難にさせる行為
法3号
指定第
6項
商品を不当に低い価格,例えば実質的な仕入価格を下回る価格で,継続し
て販売し,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれのある行為
抱き合わせ 指定第
10
販売等
商品やサービスを販売する際に,不当に他の商品やサービスを一緒に購入
させる行為,その他不当に取引を強制する行為
排他条件付 指定第
11
取引
自己が供給する商品のみを取り扱い,競合関係にある商品を取り扱わない
ことを条件として取引を行うことなどにより,不当に競争相手の取引の機
会や流通経路を奪ったり,新規参入を妨げたりするおそれのある行為
再販売価格 法4号
の拘束
小売業者等に自社商品の販売価格を指示する行為
拘束条件付 指定1
取引
2
取引相手の事業活動を不当に拘束するような条件を付けて取引する行為
優越的地位 法5号
の濫用
取引上優越的地位にある事業者が,その地位を利用して取引先に対し正常
な商慣習に照らして不当に不利益を与える行為。例えば押し付け販売など
不当廉売
購買事業のおける不公正な取引
不公正な取引
に当たらない
不
公
正
な
取
引
抱き合
わせ販
売・
排他条
件付取
引・
拘束条
件付取
引
52
単位農協が,サービスの向上,例えば,品ぞろえの充実,割安な商品等の提供や,購買事業に関
する情報提供,その利用の呼びかけ等を通じて,組合員による購買事業の利用促進を図ること
項目
内容
具体例
購買事業の
利用に当た
って単位農
協の競争事
業者との取
引を制限す
る行為
単位農協が,農畜産物の生産に必要な生産資材の一
部について購買事業を通じて購入しようとしている
組合員に対して,他の生産資材も併せて購買事業を
通じて購入することを強制する等(系統利用率に応
じた奨励金供与を含む)何らかの方法により、購買
事業を利用せずに購入したいと当該組合員が考えて
いる生産資材を含めて購買事業の利用を事実上余儀
なくさせる場合
単位農協が,その管内に他の競争事業者がい
ない種子を単位農協から購入しようとしてい
る組合員に対し,単位農協から肥料を併せて
購入しない場合には,当該組合員にその種子
を販売しないこと
共同利用施
設の利用に
当たって購
買事業の利
用を強制す
る行為
単位農協が組合員に対して,共同利用施設を組合員
が利用する際に,自己の購買事業の利用を強制する
等何らかの方法により,当該組合員が農畜産物の生
産に必要とする生産資材の全量又は一定の割合・数
量以上について購買事業を利用することを事実上余
儀なくさせる場合
単位農協が自ら事業主体として行っているビ
ニールハウスのリース事業について,組合員
がリース事業を利用するに当たっては,使用
する肥料,農薬その他の生産資材を単位農協
から購入することを義務付けること
信用事業の
利用に当た
って購買事
業の利用を
強制する行
為
単位農協が組合員に対して,信用事業を組合員が利
用する(注7)際に,自己の購買事業の利用を強制
する等何らかの方法により,当該組合員が農畜産物
の生産に必要とする生産資材の全量又は一定の割
合・数量以上について購買事業を利用することを事
実上余儀なくさせる場合
単位農協が組合員に対し,①自己から農業機
械を購入することを条件に融資を行うこと,
②融資の条件として,商系事業者から農業機
械を購入した場合には組合員又は商系事業者
から手数料を徴収することを認めさせること
販売事業の
利用に当た
って購買事
業の利用を
強制する行
為
単位農協が組合員に対して,販売事業を組合員が利
用する際に,自己の購買事業の利用を強制する等何
らかの方法により,当該組合員が農畜産物の生産に
必要とする生産資材の全量又は一定の割合・数量以
上について購買事業を利用することを事実上余儀な
くさせる場合
単位農協が減農薬栽培米の条件として指定し
た農薬と同じ品質・規格の農薬を商系事業者
から入手することが可能であるにもかかわら
ず,単位農協から当該農薬を購入して栽培を
行わないと減農薬栽培米として扱わないとす
ることにより,各組合員に単位農協から当該
農薬を購入させること
販売事業のおける不公正な取引
不公正な取引
に当たらない
単位農協が,例えば,販売ルートの開拓,共同販売による販売力の確保等や,販売事業に関する
情報提供,その利用の呼びかけ等を通じて,組合員による販売事業の利用促進を図ること
項目
不
公
正
な
取
引
抱き合
わせ販
売・
排他条
件付取
引・
拘束条
件付取
引
53
内容
具体例
販売事業の
利用に当た
って単位農
協の競争事
業者との取
引を制限す
る行為
単位農協が,農畜産物の一部について
販売事業を利用しようとしている組合
員に対して,他の農畜産物も併せて販
売事業を利用することを強制する等何
らかの方法により,単位農協の販売事
業を利用せずに販売したいと組合員が
考えている農畜産物を含めて販売事業
の利用を事実上余儀なくさせる場合
単位農協が部会に対し,同部会の会員が
生産物を全量出荷しなければ,部会から
除名するよう求め,単位農協に全量出荷
させること
共同利用施
設の利用に
当たって販
売事業の利
用を強制す
る行為
単位農協が組合員に対して,共同利用
施設を組合員が利用する際に,自己の
販売事業の利用を強制する等何らかの
方法により,販売事業の利用を事実上
余儀なくさせる場合
単位農協が組合員に対して,単位農協を
通じて米を出荷しない場合には育苗セン
ター,ライスセンター及びカントリーエ
レベーターの3施設の利用を断ることが
ある旨を各施設の利用案内文書に記載し
て,組合員に対して周知することにより,
当該組合員に単位農協を通じて米を出荷
させること
信用事業の
利用に当た
って販売事
業の利用を
強制する行
為
単位農協が組合員に対して,信用事業
を組合員が利用する(注11)際に,
自己の販売事業の利用を強制する等何
らかの方法により,販売事業の利用を
事実上余儀なくさせる場合
単位農協が,組合員への融資に当たり,
組合員が農畜産物を単位農協系の加工業
者のみに供給することを条件とすること
単位農協が,単位農協系の加工業者と競
合する事業者と取引している組合員に対
し,当該事業者と取引していることを理
由として資金の供給を拒否すること
戦後民主化と新自由主義政策
戦後GHQによる
民主化政策
戦後の農地改革
所有と利用の一体化
財閥(持株会社)解体
自作農民による
協同組合の創設と
独禁法除外
独占禁止法の創設
新自由主義に
よる 構造政策
国際化への対応
H11年 新農基法
協業の助長の脱皮
H21年 農地法改正
所有と利用の分離
H21年
農水省「農協の新事業像の構
築に関する研究会」?
54
H8年 金融ビッグバン
金融持株会社の解禁
H14年 小泉構造改革
H19年 3大銀行グルー
プへ(三菱UFJ、三井住
友、みずほ)
財閥解体から巨大銀行体制へ
55
財閥・政府系
銀行誕生
戦時統制
戦後改革・財閥
解体
財閥名復帰・長
期金融整備・高度成
長
安定成長⇒バ
ブル経済
金融ビッグバン
不良債権処理
1873~39
1940~45
1946~1952
1952~1970
1971~1989
1900~2000
2001~
三菱銀行
千代田銀行
横浜正金銀行
東京銀行
三菱銀行
東京三菱銀行
三和銀行
UFJ銀行
東海銀行
住友銀行
大阪銀行
住友銀行
神戸銀行
日本無尽
三井銀行
三菱東京
UFJ銀行
(2006年
~)
日本相互銀行
太陽銀行
帝銀銀行
三井銀行
太陽神戸銀行
太陽神戸三井
銀行
三井住友銀行(2001年
~
第一銀行
帝銀銀行
第一銀行
第一勧業銀行
日本勧業銀行
日本勧業銀行
安田銀行
富士銀行
みずほ銀行/みずほコー
ポレート銀行(2002年
~)
日本興業銀行
日本長期銀行
朝鮮銀行
日本不動産銀行
日本貯蓄
銀行
協和銀行
埼玉銀行
大阪野村銀行
大和銀行
北海道拓殖銀行
北海道拓殖銀行
日本債券信用銀行
1998年破綻
新生銀行
1998年破綻
あおぞら銀行
協和埼玉銀行
→
あさひ銀行
りそな銀行/埼玉りそな銀行
(2003~)
1997年破綻
合併解消(2
010年5月)
企業集団(2004.8)一部2008
フィナン
シャルG
三菱U
FJ
三井住
友
みずほ
旧6大企
業集団
56
主な企業
三菱系
金曜会
三菱重
工業
新日本石
油
旧三和系
水曜会
日新製
鋼・日立
金属
コスモ石
油
三井系
二木会
石川島
播磨
三井造
船
住友系
白水会
住友金
属鉱業
三菱自
動車
ダイハツ
トヨタ
イオン
三菱電
機
キリン
麦酒
旭硝子
高島屋+
H2Oリテイリング(阪
急・阪神)
シャープ
京セラ
サント
リー
オリック
ス
三越・伊勢丹HD
ミレミアムリテイリング
(そごう・西武)
セブン&アイHD
東芝
三井住
友建設
西友
NEC
パナソニ
ック
日本板
硝子
丸紅
ダイエイ
日立
沖電気
伊藤忠商
事
ユニー、サークル
k、ファミリーマー
ト
日立
富士通
三菱商事
双日
三井物産
三越
住友商事
旧芙蓉
(安田)系
芙蓉会
JFE
日本油脂
旧一勧系
三金会
神戸製
鋼
昭和シェ
ル
日産自
動車
サッポ
ロビー
ル
大成建
設
清水建
設
市民社会と非営利組織の機能発揮
~地域協同組合の実現に向けて~
ロッチデール流コミュニティー協同組合
新たな公共と協同
員外利用と准組合員
新たなJA事業の領域
57
世界の協同組合の生い立ち
資本主義社会の影
都
市
部
農
村
部
対応
国
賃金労働の生
活苦(低賃金と
高い食料品、ま
がいもの)
生活店舗を経営し、
その利益で工場
イギリス
や農業生産を開
始
機械大工場の
出現⇒手工業
者衰退、
自らの手で資本を
出し合い、工場を フランス
経営する
商品経済の伝
播、高利貸しの
暗躍、借金地獄
資金の相互扶助
(一人は万民のた
ドイツ
めに、万民は一人
のために)
農業恐慌
○日本の産業組合、農協に影響
58
主な組合
○ロッチデール公
生活協同 正先駆者組合(1
844年)
組合
生産組合
労働者協同組合
シュルツェ信用組
合
信用組合 ○ライファイゼン
農村信用組合
(1862年)
デンマー
○農産物の加工・販売組合
ク・米
ロッチデールの原則 p23
59
ロッチデール公正先駆者組合のメンバー
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
組合は1人1票の投票権による民主的運営とする。
だれでも組合に自由に参加できる。
出資に対する利子は固定され、制限される。
剰余金は購買額に比例して分配する。
売買は厳格に現金にもとづき、信用取引はしない。
純粋で混ざりもののない商品だけしか売らない。
組合員を教育するためにも積立をする。
政治及び宗教に対しては中立を守る。
(G.D.Hコール著「協同組合の1世紀」より意訳)
ロッチデール先駆者組合 p23
60
先駆者組合の規約第一条
本協同組合の目的と計画は、一人1ポンドの出資金で十分な額の資
本を調達し、事業を起こすことによって、組合員の金銭的利益と社会
的および家庭的状態の改善のための制度を形成することである。そ
のため、次のような計画と取り決めを実行に移す
①食料品、衣料品などの販売のための店舗の開設
②組合員のための住宅の建設
③先駆者組合が決定する品物の生産
④組合員の雇用創出のために農地を購入・賃貸して「組合員に耕作
させる」
⑤「生産、分配、教育および統治の能力を備えたコミュニティーの建
設
⑥組合員の社会的及び家庭的状態の改善
ロッチデール流コミュニティー協同組合
61
消費・生産協同事業による共同資本の蓄積は、新たな投資を生み出し、漸
進的に地域社会(コミュニティー)を改革でき、住民の生活を向上するこ
とができる。
出資
(共同資本
の蓄積)
生活店舗経営
利益=剰余金
良質な商品の確保
工場・農業
生産に投資
段階的・漸進的
地域コミュニティーの改革
究極の目的として、オーエンが目指
した協同コミュニティーの建設
賃金奴隷・借金奴隷・
飢餓からの解放
失業
解消
規模の経済から関係の経済へ
規模の経済
62
前提条件=投入率(量)を超える産出率(量)の上昇
生産量<需要量
①技術的制約
②外部不経済への影響
③投入率(量)が産出率(量)
超えることができない
規模の経済の前提の崩壊
一定の技術水準で適正規模を超えると
収穫逓減(ていげん)の法則が動く
需要減による生産過剰の発生
少子高齢化=人口減少社会
範囲の経済⇒規模の水平的拡大であり同じこと
関係の経済
適正規模を超えない個人や経済主体が外部経済との関係性(環境と
の共生)を維持しつつ、核経済主体の需要に基づいた経済を追求する
ネットワーク組織=パーソナル化
相互自助(Mutual Self-help)を原則に、適正規模を維持し、外部経済との調和
を図り、組合員ニーズに応える協同組合経済は、今日ではもっとも効率的で経済
的であり、未来に展望のある経済である。
山梨学園大学 堀越芳昭
新しい公共と協同
63
新しい公共と協同を巡る4つの課題
1 新しい公共性とは何
か
「公共性」=個人的自助を超えたもの
市民自治を原則に「市民の自立的な活動」と「主権者である市民の管理
下に置かれて行政」の連携により、NPOや協同組合が担い手となる
①社会一般に内在する家庭の問題・子育てや高齢化の問題
②生命・医療の問題や食糧問題・環境問題・教育問題
③非正規雇用の問題・格差の問題
2 市民自治とは何か
シチズンシップの要件(中川)
①市民による自治、②市民の平等の権利、③市民の自発的責任、④市
民による参加
3 新しい公共性におけ
る協同の意義は何か
協同的行為を通じた新しい公共的課題の解決
個が共同により公共性を開く手段的役割、公と私の媒介的役割
4 新しい公共性におけ
る協同労働の意義と課
題は何か
公共を担う主体の中身が豊かでなくてはならない
①働くもの同士の協同、②利用者との協同、③地域の人と人との協同に
立脚した「協同労働の協同組合は市民自治の原点(宮本)
ワーカーズコープのような働き方(雇用労働ではない働き方)が若者をめ
ぐる労働と生活の問題を解決する
集落・行政・企業とJAとの関係
•アソシエーション=共
通の関心や目的などで
集まった機能的集団。
•集落そのものではない
第一セクター
(公益セクター)
【国・公共機関】
第三セクター
(非営利・協同セクター)
【アソシエーション
・社会的経済組織】
コミュニティー
(地縁・血縁共同
体)
【家族・集落・地
域】
新しい地域づくりの中心軸⇒
地域共同体・行政・企業を連
結する組織
行政の下請け機関ではない
福祉事業の受け皿
【ボランタリー
・非営利組織
・協同組合】
第二セクター
(営利セクター)
【私的経済組織・
民間企業】
福祉多元論における第三セクターの定義=混合組織:Pestoff(1992)
64
非営利と営利
65
組織の主要事業目的
非営利(利益をあげることそれ自体を目
的としない)
剰余処分の基本ルール
社会的経済
(組合員への
配分を認める)
非営利
(投資家
への非配
狭義の非営利
分)
(一切非配分)
営利(投資家への配分)
共益(組合員共
通の利益)
公益(組合員だけで
なく地域の利益)
協同組合(所有:
利用:経営の三
位一体)
イタリアの社会的協
同組合、スペインの
混合型協同組合
NPO
公益法人など狭義の
NPO
営利(利益をあ
がることが目的)
利益最大化
株式会社などの
通常の民間企業
農協法
第8条 組合は、その行う事業によつてその組合員及び会員のために最大の奉仕をすることを目的とし、
営利を目的としてその事業を行つてはならない。
第52条 2 剰余金の配当は、定款で定めるところにより、組合員の出資組合の事業の利用分量の割合
に応じ、又は年8分以内において政令で定める割合を超えない範囲内で払込済みの出資の額に応じてし
なければならない。
員外利用と准組合員制度
66
産業組合
農業会
農民個人の加入
(加入脱退の自由)
家族の代表者の加入
員外利用
組合員資格はあるが。
組合員の家族などや
出資をしない人の利用
を可能にした
農協
正組合員
農村全戸強制加入
農村集落自治会
=農事実行組合
農業会の財産を引
継(災害共済・病院
を含めて)
准組合員
准組合員
(農民ではないが出資をし
て組合の事業を利用する)
員外利用と准組合員2
現
行
67
員外利用
准組合員制
第十一条
17 組合は、定款の定めるところによ
り、組合員以外の者にその施設(=中
略=)を利用させることができる。ただ
し、=中略=一事業年度における組合
員以外の者の事業の利用分量の額
(第一項第二号及び第六項第一号の
事業を併せ行う場合には、これらの事
業の利用分量の額の合計額。以下こ
の条において同じ。)は、当該事業年
度における組合員の事業の利用分量
の額の五分の一(=中略=)を超えて
はならない。
第十二条 農業協同組合の組合員たる
資格を有する者は、次に掲げる者で定
款で定めるものとする。
一 農業者(組合を除く。)
二 当該農業協同組合の地区内に住
所を有する個人又は当該農業協同組合
からその事業に係る物資の供給若しくは
役務の提供を継続して受けている者で
あつて、当該農業協同組合の施設を利
用することを相当とするもの
三、四 略
第十六条 組合員は、各々一箇の議決
権並びに役員及び総代の選挙権を有す
る。
ただし、第十二条第一項第二号から第
四号まで又は=略=組合員(以下「准組
合員」という。)は、議決権及び選挙権を
有しない
員外利用と准組合員
員外利用
一次案 農事実行組合を基礎組織とし、強制加入を想定
68
准組合員
市町村農協に組合員以外の者に事業を利
用することができる
強制加入でなくなる⇒
二次案 組合員たる資格を有する者で組合員でないものも なし
統制の対象とする(員外統制)
GHQ
組合員は農民に限定、団体加入はだめ
員外利用は認めない
准組合員とは組合員資格はないが、施設を
利用することが農村の利益になるもの
第七次
省令に定めることにより員外利用を可能とした
案
個人又は団体(農事実行組合など集落規模
の任意団体の一括加入を想定)で准組合員
になれる
GHQ
准組合員理事は4分の1に限定せよ
団体は認めない
員外は可、但し制限を加えよ
第10条 12 組合員以外の者に施設を利用する
ことができる。但し、1事業年度における組合員以
外の者の事業利用分量の総額は、組合員の利用
分量の総額の5分の1を超えてはならない←代表
当初法 者が1人組合員となった場合に組合員資格のあ
る家族の利用等を想定する
農協は農村の主要経済機関であり広く農村住民
全般と関係を持っている
農協の経営上、恒常的な事業量の確保が必要
第12条 組合員たる資格を有する者は、
一 農民
二 農民以外で、同一地区内に住所を持つ
者で、施設を利用することを相当とするもの
←組合員資格はないが、農業会に加入して
いて、その持分が農協に移管されたの者等
相当の理由があるものを准組合員とする
准組合員制度の歴史的扱い
69
① 「住むところを同じくする人々が、自治意識のもとに結集をはかり、ともに問題の解決に当たっ
ていく必要性が今後ますます強くなっていくであろう。今後農業者は分化し、農業を離れる
者も増えていくが、これらの組合員も、地域在住の非農業者も、生活部面において、協同の
利益と便宜を得ることを必要としている。これまでも、農協は、単に農業者だけの組織たるに
とどまらず、地域に住む人々も希望する者はメンバーに加え、地域の相互扶助による経済的
社会的中核体の役割を果たしてきたが、人間連帯のゆたかな郷土社会建設の必要性がま
すます高まっていく時代において、農協は、これまでの歴史的実績をふまえ、その建設の核
となって運動を展開していくべきである。」「新しい農村地域社会建設への取組」(1970年第
12回全国大会)
② しかし、農水省は「無限定に地域住民を准組合員として吸収することを好まない」(農政審議
会1971)、「地域住民を事業拡大のために無原則に准組合員に加入させることは・・・・農協
本来のあり方にもとる」(農水省通達1977年)
③ 「准組合員の農協運営における位置づけの明確化」
ア 准組合員の加入については、農協が農民に基礎をおいた組織であることをふまえ、協同組
合運動に共鳴し、安定的な事業利用関係が可能な者を中心に、地域の実態に応じてその
加入をすすめる。
イ 准組合員の農協運営への参画については、正組合員中心の運営に差し支えの無い範囲で
、集落の座談会および生活関係の委員会への参加などにより准組合員の意思反映方策を
講ずる。
ウ 准組合員が協同組合についての理解を深め、各種組合員組織の協同活動に積極的に参加
するよう情報の提供、組合員教育の充実などその対応を強化する」(農協総合審議会答申1
979年)
コーポレートガバナンス(企業統治)の二つのモデル
70
企業=主催者の物
【主権者‐代
理人モデル】
企業は
誰のもの
二つのモデル
企業(JA)の主催者=株主(組合員)の利益
を最大化にするために、代理人(経営者・理
事者)をコントロールする仕組み
JAの場合、職能組合的側面から農家組合
員の利益をどう守るのか
企業=関係者皆の物
【利害関係者
モデル】
企業の社会的使命・責任に立脚し、企業やJ
Aの主催者の利益だけでなく、企業活動を密
接に関連している地域社会、取引企業、ユー
ザー、従業員などに対する影響、利益を考慮
できる仕組み
JAの場合、地域協同組合的側面から、地域
社会との関係性を重視
AかBかの二者択一でなく、両方のバランス、
共益(組合員の利益)だけでなく公益にも配慮したガバナンスが必要
5人を幸せにする
71
社員とその家族を幸せに 社員が幸せであってこそ、お客様に良い
する
サービスを提供できる
外注先・下請企業の社員 赤字を下請けに押し付けてはダメ、誰か
を幸せにする
の犠牲の上に成立つ組織は正しくない
顧客を幸せにする
社員と外注企業の満足度を高めることが、
顧客満足度を高めることにつながる
地域社会を幸せにし、活
性化させる
日常的な企業活動を通じて、地域住民の
誇りになる
自然に生まれる株主の
満足度も必然的に発生
する
上記4人の満足度を高めれば、株主の
満足度も必然的に発生する
「日本でいちばん大切にしたい会社」 坂本光司
JA事業のドメイン戦略(過去・現在)
事業領域
イメージ
誰に対して
72
何を(提供するサービス どのような技術・手段によって(サービ
は誰のどのようなニーズ スを提供するのか)
に向けてか
<過去>
農 家 ( 正 組 農業で豊かになる支援
農家の協同組 合 員 ) に 対
合
して
貧しさからの
開放
営農関連事業《営農指導事業
生産購買事業(共同購入)・共同利用事
業・販売事業(一元集荷・無条件委託・
共同販売・共同計算)》
金融事業(総合貸付口座)
農家組合(農事組合)活動助成
生活の近代化の支援
生活購買事業(共同購入・小型店舗)
プロダクトア
ウト
共済事業
( 准 組 合 員 生命・財産の保険活動
に対して) 健康増進(脳卒中、農薬 集団保養 健康スクリーニング 人間ド
生産者
中毒等)に対する支援
ッグ
病院事業(厚生連)
<現在>
正 組 組 合 員 農産物の集出荷・販売支 営農関連事業(グリーンファーム)
生産部会・集落営農支援
営農と生活の ( 農 家 ) に 援・生産資材の入手
総合センター 対して
生活物資の入手
生活関連事業(Aコープ・宅配・燃料)
資産管理・保険
金融事業(生活関連ローン)
顧客満足
共済事業
介護事業・葬祭事業
利 用 者 ( 准 健康増進・高齢者支援
消費者
健康活動支援・病院事業
組合員)の
対して
JA事業のドメイン戦略(未来)検討例
事業領域
イメージ
誰に対して
<これから>
正組合員
「人に優しい社会 (個)に対し
づくり」
て
何を
農地保全の安心
73
どのような技術・手段によって
(サービスを提供するのか)
【生産協同活動】
農地の管理保全活動、(地域営農組合・出資法
人:生産協同活動・営農指導事業)
【魅力ある事業展開】
農と地域のセー
農業経営の安定・安 営農関連事業(農業経営者の組合として)、農
フティーネット
心
産物直売事業(Aコープを含めて)定年帰農者
定年後の安心
の所得確保(共同販売・購買・利用事業)
おも てなし(ホ ス
信用・共済・葬祭事業・生活関連事業(相互扶助
ピタリティ)
事業)
准組合員に
対して
資産とくらしの安全・
生活者
安心
【地域社会への貢献とネットワークづくり】
医療・福祉・介護事業
地域住民に 健 康 ・ 環境 ・老 後 の 環境保全活動(環境保全型農業を含む)
対して
安全・安心
社会文化活動・NPO支援活動
地域の安全・安心
地域防犯・防災活動(生活協同活動・生活指導
事業)
地域ブランド開発活動(地域資源の活性化)(観
安全・安心な農産物 光農業)
消費者に対 の供給
しいて
食を通じた心と体の GAP、環境にやさしい農業の普及指導(営農指
安全・安心
導事業)
地域に協同を育む
大きな協同と小さな協同
74
農協の土俵、依拠すべき場は、市場ではなく、地域であり、
そこでの組合員の暮らしである。
第一戦略=農協の事業を組合員の暮らしを拠点に立て直すことであり、そこで働く
農協労働者の仕事を、組合員を主人公としたサポータと編成することである。
第二戦略=農協という大きな協同組合の中に、小さな協同をつくること
①販売拠点であると同時に交流から協同の拠点
へと展開する直売市
小さな協同の領域
②地域の暮らしから助け合い協同としてのコミュ
ニティー協同を組み立て介護事業へとつなげる福
祉・助け合い協同
③女性起業グループや集落営農・農業生産法人
といった生産場面の協同
田中秀樹 広島大学大学院生物圏科学研究科教授 月間JA2010.02
75
組合員活動の再構築
JAという大きな協同の中に小さな協同
を創ろう
営農面の小さな共同
くらしの面での小さな共同
協同活動が育てる人づくり運動
営農面での小さな協同と大きな協同
個人
個人
個人
生産
協同活動
地域内
営農組織
県内
世界
JA
共同販売
共同購買
JA
全農
県本部
全農
県本部
全農
(共同販
売)
共同購買
共同購買
大きな 協同
国内
法人組織
小さな 協同
個人
76
新たな協同 女性組織のイメージ
77
既存の女性部
(網羅的組織
・集落組織)
産直部会
助け合いの会
生産部会女性部
ボランティアの会
各 種 文 化・ ス ポー
ツサークル
目的別組織
(事業利用面)
目的別組織
(自主的活動面)
子育ての会
Aコープ友の会
ネット宅配友の会
ホームヘルパー部会
JA女性組織(協議会)
共通課題 ・活動 ・
事業への取り組み
健康管理活動
理事・参与の選出母体
食と農への取り組み
女性大会等統一イベント
環境問題への取り組み
2000年
女性がきらめく
新たな協同組合活動のあり方について
小さな協同のネットワークで
共生の地域社会を
78
地域社会
やりたい人がや
りたい方法で
やりたい事を
=ポイント=
楽しい活動
地域社会
地域社会との関わり⇒感動
学習活動⇒成長実感
目的別グ
ループ
協働して
社会活動
に参加
NPO
活動グル
ープ
協働して社会
場作り JA
活動に参加
社協
福祉団体
目的別グ
ループ
中間支援組織
JAくらしの(生活文化学習)活動と
生活指導事業
【小さな協同】
79
【大きな協同】
【組合員の活動力】
【JAの事業力】
信用・共済事業
JAと一緒に
組合員同士
JA・組合員と地域
活動
の場
作り
くらしの活動
(目的別生活・
文化・学習活
動)
介護福祉事業
くらしの事業
(各事業部)
(各支所)
葬祭事業
生活購買事業
生活指導事業
(組合員組織活動+くらしの相談活動+学習活動)・
広報事業(教育事業:総務企画部)
活用
家の光教育文化活動
連
携・
企画
JAあづみ くらしの助け合い
ネットワーク“あんしん”
組織の所在地
安曇野市豊科42
7
0-6
構成員
32
3名(男42
名、女2
81
名)
組織の設立年月日
平成1
0年6月24
日
平成1
8年度優良組合員組織
80
・元気高齢者の拠り所となるミニデイサービスの
「あんしん広場」をコーディネーター役の「お世
話係り」を中心にして22会場で定期的に開催し、
健康づくり活動、健康指導、娯楽活動、農業食や
行事食の復活運動、協同作業による農園づくりな
ど多彩な活動に取り組んでいる。
・「生き活き塾」は、健康、農業、環境、生きが
いづくり学習などをテーマに、2年1期で20回以
上の講座を開設するとともに、ふれあい市「安曇
野五づくり畑」、エネルギー自給を目指した「菜
の花プロジェクト」、「朗読ボランティア」、「
あんしんコーラス隊」などの学習実践グループ活
動を展開。生き活き塾は、リーダー育成と学習の
場となり、各地区のあんしん広場での実践につな
げている。
・基本的に参加者の自主的な活動であり、すべて
会費制の自主財源で運営されていることが特徴で
、これらの取り組みが地域全体の運動に拡大し、
多くの参加者の増加に結びついている。
・これらの活動を通して、農協運動が本来持って
いる相互扶助の精神を、改めて地域にアピールし
、性別・年齢を問わず結集を図るという新たな組
織・地域コミュニティーづくりをすすめている。
JAらしさの追求 事業と活動
各種事業を
運営・利用できます
「事業利益は、利用高により
還元」
経営・事業運営に
参画できます
出資による経営参画、
事業計画に意見反映
各種相談事業を
利用できます
目的別組合員活動に
参画・参加できます
「専門スタッフによる
農業の事、生活の事、お金の
事、なんでも相談」
「やりたい事を、やりたい人と、
やりたい方法で、仲間作り・
地域づくり」
81
協同活動が育てる人づくり運動
【営農活動】
①地域営農組合活動
②生産部会の見直しとグループ育成
③定年帰農者や女性向け営農講座の開設
④新規就農者・若い担い手グループの育成
⑤農業法人会など農業者グループの育成
【生活文化・地域活動】
①学習文化活動グループの育成・「家の光」の
活用促進
②環境問題への取組・助け合い活動の取組・食
農教育への取組
③協同大学の開催(組合員+地域住民、女性)
④広報誌・コミュニティー誌の発行
【人を育てる場づくり】
①自分らしく働くことができる職場づくり
②育成を意識した採用から退職までの制度設計
③成長が実感できる人材養成施策(集合研修・O
ffJT・自己啓発)の実施
④自律・自発的職場改善活動(組合員対応向上
・ISO・環境改善を含む)
⑤一人一組合員協同活動への参加
協同活動を創る
リーダーの育成
現場力の向上
組合員の協同活動
の場づくり
協同組合人を育
てる職場づくり
82
【支援型リーダーの育成】
①組合員リーダー育成(新協同活動塾)
②次世代・中核人材養成
③学習活動を促進する現場リーダーの育成
③組合員協同活動のコーディネーターの育成
④支援型リーダーシップ能力の開発
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