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実施報告 - 慶應義塾大学文学部ホームページ

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実施報告 - 慶應義塾大学文学部ホームページ
2010年度民族学考古学三田会講演会・総会・懇親会報告
2010年度の民族学考古学三田会講演会・総会・懇親会が201
0年5月29日(土)に慶應義塾大学三田キャンパスに於いて開催
された。当日は曇天で時より雨の混じるあいにくの天候であっ
たが、講演・総会に69名、懇親会に66名の出席があり、昨
年度にも増して盛況な会合であった。
このうち講演会は14時より西校舎527番教室にて開催された。
全体の司会は牧野久実理事(86年卒)が担当した。講演に先立
って稲野裕介会長(79年卒)より挨拶があり、民族学考古学三
田会の活動内容および問題点について説明があった。14時10
分より行われた講演は2本あったが、最初に元毎日新聞社の野
崎義昭会員(71年卒)より「考古と報道」という演題の講演が
野崎義昭氏(71年卒)
あった。内容は毎日新聞の整理記者されていた野崎氏が関係し
た考古学報道に関するものであり、その具体例の一つは大分県
囲ヶ岳洞穴で発見・報道され3日後には地元民の落書きと判明
した旧石器時代壁画の報道、もう一つは2000年に毎日新聞がス
クープしたF氏による前期・中期旧石器時代遺跡捏造事件報道
であった。野崎会員はこれらの遺跡報道の背景に新聞社間の
「特ダネ合戦」(1972年の高松塚古墳の壁画発見が遺跡報道過
熱の契機になったとされている)やマスコミと発掘関係者の
「持ちつ持たれつの発表会見」があることを指摘され、このよ
うな行き過ぎた報道に歯止めをかけることも必要であること
を述べられた。本講演では遺跡報道について報道する側からの
石田慎一郎氏(98年卒)
問題提議がなされ、考古学に携わるものにとって遺跡報道のあ
り方について考えさせられる講演内容であった。引き続いて首都大学東京准教授の石田
慎一郎会員(98年卒)の講演「ニューギニア三角地帯:三田の思い出」があった。石田
会員は学生時代の「三田の思い出」として探検部に属しニューギニア高地の農村でフィ
ールド調査を行ったことや当時の三田に存在した「ニューギニア三角地帯」(大学-ニ
ューギニア大使館-カフェ・ニューギニ)など三田での研究環境に恵まれていたことを
強調された。次に御自身の研究テーマについて触れられ、学生時代にニューギニアの紛
争をテーマとして法人類学的な研究をされ、その後都立大学(現・首都大学東京)の大
学院に進学後は東アフリカ・ケニアの農村を新たなフィールドとされたこと、そして将
来的にはニューギニアやケニアの地域社会における多元的法体制の比較研究を進めた
いという御自身の研究計画やその背景にある理論的枠組みについてお話された。海外の
フィールドワークを中心としたお話であったため民族学や文化人類学に興味のある学
生や大学院生にとって興味深い講演内容であった。
講演終了後、15時20分より民考スタッフを代表して山口 徹会員(86年卒)より民族
学考古学専攻の現状報告および大学院生の紹介があ
った。その後、休憩を挟んで15時45分より2010年度通
常総会が開催された。総会に先立って議長として五十
嵐彰理事(85年卒)が選出され、議題として2009年度
事業報告および収支決算報告、2010年度事業計画およ
び収支予算が提案され承認された。さらに、民族学考
古学三田会活動の活性化について議論がなされ総会
民考の大学院生たち
は16時30分に終了した。総会終了後に今年度の新入会
員の紹介、学部生の紹介、染野日名子会員(00年卒)
よる2010年慶應連合三田会についての御案内があっ
た。
その後、南館の階段で記念撮影を行ったのち、場所
を生協食堂に移し、17時より懇親会が開催された。懇
親会は佐藤えりか理事(05年卒)・今永恵梨理事(0
8年卒)の司会進行で行われた。阿部祥人副会長(71
年卒)の挨拶、穴沢咊光会員(61年卒)による乾杯の
懇親会で「若き血」を歌う
後、天野弘一新会員(56年卒)・尾原 徹会員(86年
卒)・古田 幹会員(85年卒)などの挨拶が続いたが、終始和やかな雰囲気の中で懇親
会が進行した。参加者はビールやワインを片手に旧交をあたため、OB・OGと現役学
生・大学院生との交流も盛んであった。最後に恒例の瀧上清隆理事による「若き血」の
合唱、稲野会長による一本締めで懇親会は終了した。懇親会終了後、いくつかのグルー
プに別れ三田の街で二次会が行われた。
(文:櫻井準也・83年卒)
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