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平成27年度第3回調布市環境保全審議会議事録(PDF文書)

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平成27年度第3回調布市環境保全審議会議事録(PDF文書)
開催月日
平成28年2月10日(水)
開催場所
文化会館たづくり10階
1002学習室
平成27年度
第 3 回 調 布 市 環 境 保 全 審 議 会
議 事 録
- 1 -
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事務局
定刻前ではございますが,本日の出席予定者,委員の方々全員お揃いでござい
ますので,只今から平成27年度第3回調布市環境保全審議会を開催させていただきたいと
思います。
本日はお忙しい中,当環境審議会に御出席をいただき,まことにありがとうございます。
それでは,齊藤会長,議事進行をよろしくお願いいたします。
齊藤会長
皆さん,こんにちは。今日は午前中,しかも9時半からということで早い時
間ですけれども,お集まりいただきましてありがとうございます。既に御案内のとおり,
本日は報告事項が4件。崖線樹林地保全管理計画について,調布市社会資本総合整備計画
の事後評価について,さらに第3次調布市地球温暖化対策実行計画の策定について,もう
1つ,環境基本計画の策定についてということで,以上4つの報告事項がございます。御
協力のほどをよろしくお願いいたしまして開会といたします。
最初に定足数についての確認をいたします。
事務局
本日の審議会は,岡部委員が御都合により欠席される旨,事前に御連絡をいた
だいております。委員13名中12名が出席という形になりますので,当保全審議会施行規則
第6条に規定されております定足数に達していることを御報告させていただきます。
齊藤会長
ありがとうございます。
それでは,傍聴希望者の有無について確認いたします。
事務局
齊藤会長
本日は傍聴希望者がおりませんので,引き続いて会議に入らせていただきた
いと思います。
では,最初に本日の資料の確認をお願いいたします。
事務局
それでは,事務局から資料の確認をさせていただきます。
事前送付資料,当日配付資料及び当日差しかえ資料という形で,混乱させてしまうこと
がありますが,説明させていただきますので,よろしく御確認のほどをお願いいたします。
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まず,事前送付資料で送付を差し上げた本日の次第ですけれども,机上配付をさせてい
ただいております右上に赤丸印がついております次第,こちらの方に差し換えをお願いい
たします。よろしいでしょうか。
続きまして,机上配付に資料名等は記載しておりませんが,委員の皆様にいつものとお
り名簿及び裏面に席次表。それから,理事者側の環境部環境課の席次及び氏名を記載した
表をつけておりますので,御参考までに御確認ください。
そして資料1,こちらは事前送付済みの資料を活用します。こちらのカラー刷りのパワ
ーポイント,ツーインワンの資料の両面刷りです。「崖線樹林地保全管理計画
環境保全
審議会資料」になります。ページ数最終が58ページのもののカラー刷りとなります。資料
2,こちらが差し換えとなります。事前送付資料から,本日,机上配付させていただきま
した右上に丸印がついているA4両面横刷り,「調布市社会資本総合整備計画(下水道)
の事後評価について」,こちらの差し換え資料を御使用ください。資料3―1「第3次調
布市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)【概要版】(案)」,こちらがA3刷り両面でペ
ージ数4枚ものが1枚です。同じく資料3―2「調布市地球温暖化対策実行計画(事務事
業編)(案)」ということで,本編の案を冊子としてお付けしております。ページが37ペー
ジ物の左上1点留めの最新の資料でございます。続きまして資料4―1「調布市環境基本
計画【概要版】(案)」。こちらも,事前送付済みの資料を御活用ください。2点留めでペ
ージ数が10ページのものでございます。資料4―2「調布市環境基本計画(案)」という
ことで,こちらが本編冊子となります。2点留めで両面刷り,A4版ですが,本編のペー
ジ数が83ページ,資料編が10ページものの資料となります。よろしくお願いいたします。
それから,資料4―3「第2回環境保全審議会の委員からの主な御意見に対する(案)へ
の反映状況一覧」ということで,こちら,事前送付済み資料を御活用いただきたいと思っ
ております。A3両面刷り,横で3ページです。そして,参考資料として「第3回調布市
環境基本計画策定委員会の委員からの主な御意見に対する(案)への反映状況一覧」とい
うことで,こちらについても同じくA3刷りの資料を用意しております。右上に参考資料
と書いたA3両面刷りのものでございます。こちら,当日配付をさせていただきますので,
環境基本計画の説明審議のときに御確認いただければと思います。
最後になりますが,本日の審議には活用しませんが,各種2冊,各委員の皆様に配付を
させていただいております。1つの冊子が「未来へつなぐ調布の環境~平成26年度環境年
次報告書」。御存じのとおり第2回環境保全審議会において皆様から御意見等を頂戴し,
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最終的に,その御意見を反映する形で冊子として完成いたしましたので,本日,机上配付
をさせていただきました。お手数となりますけれども,お持ち帰りいただければ幸いでご
ざいます。もう1冊が緑の冊子の資料です。環境基本計画を策定するに当たって実施いた
しました市民参加手続の一環ですが,市民向けのワークショップを実施した結果報告書を
冊子としてとりまとめましたので,第2回目の保全審議会で概要報告をさせていただきま
したが,この冊子も参考資料として後で御確認をしていただければ幸いでございます。尐
し重たいお荷物となりますが,お持ち帰りいただければ幸いでございますので,よろしく
お願いいたします。
資料の確認は以上でございます。過不足のある委員の方,いらっしゃいますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは,会長,お願いいたします。
齊藤会長
それでは,議題に入らせていただきます。
最初に報告事項1,崖線樹林地(仙川崖線地区・布田崖線地区)保全管理計画(案)に
ついての御説明をいただきます。お願いいたします。
緑と公園課係長
緑と公園課みどりの推進係長の杉本と申します。どうぞよろしくお願
いいたします。
緑と公園課主事
同じく緑と公園課みどりの推進係,佐久間と申します。よろしくお願
いします。
緑と公園課係長
着席いたしまして説明をさせていただきます。
緑と公園課主事
それでは,平成27年度崖線樹林地の保全管理計画(案)について説明
させていただきます。お配りしております資料1を御覧ください。
最初に計画の概要について説明させていただきます。
お手元資料,スライド番号3を御覧ください。
調布市では,緑の基本計画の全体計画に掲げた施策,調布市を特徴付ける骨格的な水と
緑の保全に基づき,崖線の保全管理計画を進めております。今回の対象地区は赤で囲った
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市の東部に位置する仙川崖線緑地と,西部に位置する布田崖線,下石原,上石原地区の2
箇所で保全管理計画策定を予定しております。
まず,東部に位置する仙川崖線緑地については,平成2年より遊歩道として開放してお
りますが,平成25年8月に現存の緑を将来に渡って保全するために,特別緑地保全地区に
指定いたしました。この指定により,仙川崖線緑地は次世代に引き継ぐことが可能となり
ました。
次に西部に位置する布田崖線は,調布市内では樹林地として残っているところは尐なく
なっておりますが,多摩川沿いに調布から青梅市まで続く崖線です。調布市内では布田崖
線と呼ばれていますが,他市では立川崖線,府中崖線などとも呼ばれています。調布市で
は,この崖線のある沿線8つの市と,多摩川由来の緑を保全する協議会を東京都とともに
設置して,保全のための取り組みを進めています。両地域とも中長期的な樹林地の保全管
理計画がないことから,おおむね10年後を見据えた保全管理計画を策定することといたし
ました。
本日は時間の関係上,布田崖線,上石原地区のみの御説明となりますので,他の地域に
つきましては,お配りした資料を御確認していただければ幸いです。
では,崖線樹林の概要について説明いたします。
崖線とは,河川が長い時間かけて台地を削り取ってできた段丘のことで,崖地が連なっ
たものです。この崖線の緑は自然の地形に残る貴重な自然環境であるとともに,景観,歴
史,文化,動植物の骨格ともなっております。
次に布田崖線樹林地の上石原地区について説明させていただきます。
まず,相観植生,林床植生,樹林地の現況写真,毎木調査結果についてお示しします。
スライド番号6を御覧ください。こちらは上石原地区の相観植生図です。上石原地区につ
きましては,若宮八幡神社の西側,府中用水の北側に位置し,東西約 140メートル,南北
約50メートル,高低差約7メートルの斜面地で,面積が約 0.4ヘクタールの崖線樹林地に
なります。相観植生図とは,対象とする地域で優先する植物の広がりを示したものです。
中央の東西に延びる斜面樹林を境に,平坦面はJの草地となっていることがわかります。
また,斜面部の樹林はケヤキやムクノキを主構成種としたCの落葉広葉樹林が広がります。
南東側の下線部の斜面は,スダジイを主構成種とするBのスダジイ群落で占めていること
がわかります。中央の水色の部分がFのモウソウチク林です。
次のページを御覧ください。こちらは上石原地区の林床植生図です。林床植生図とは,
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対象とする地域の樹林の下で優占する植物の広がりを示した図面のことです。この地区は
人為的な管理がなされているため,複雑な植生形態となっています。この地区の多くは草
本型となっておりますが,一部にはアオキなどのaの常緑低木が占める部分と,スダジイ
の林床下は落ち葉が堆積しているmの落ち葉型となっています。南西側の平坦地の林床に
はアレチウリなどの特定外来種のeのツル植物が一部にみられます。
スライド番号8の写真は,樹林地内及び外観写真です。左の写真は若宮八幡神社前の旧
入り口の景観です。中央の写真は南東側水路に面している斜面樹林の林内写真で,スダジ
イ,ヤマモモ,桜などが混成した樹林で,林床の落ち葉が堆積しているのが特徴的です。
右の写真は北西側斜面の樹林景観ですが,モミジやムクノキなどの落葉広葉樹とトウネ
ズミモチなどの常緑樹が混成する樹林です。林床にはスゲの仲間の植物が繁茂しておりま
す。
続きまして,隣のスライド番号9を御覧ください。こちらは幹直径20センチ以上の樹木
を調べた結果,上石原地区では 140本が確認されました。全体的に樹勢は良好ですが,1
本は枯死しており,幹の腐れなどの不良木が3本ありました。また,直径 120センチ以上
の大木が3本確認され,全てケヤキでした。
次に,昨年11月に実施した第1回意見交換会で出た御意見について説明させていただき
ます。次のページを御覧ください。意見交換会での御意見を7つのカテゴリーに分類し,
それぞれの意見を要約したものになります。上石原地区の主な意見としましては,周辺緑
地の一体管理の必要性や,一部開放した場合の開放時間の告知方法など,管理体制に対す
る意見がありました。また,住宅地への越境樹木の剪定の問題や,下草管理の質の向上,
斜面保護の重要性などについて貴重な御意見をいただきました。
次に,崖線樹林の保全管理計画(案)について説明させていただきます。
保全管理計画(案)は,現地調査結果や市民の皆様からの御意見を踏まえ,検討し立案
したものです。
隣のページのスライド番号13を御覧ください。これは利用方針及び保全方針についてま
とめたものです。利用方針は,当該樹林地に生育するさまざまな植物を活用した自然学習,
環境学習の場として利用します。保全方針としましては,市民と行政との協働のもと,多
様な植物や小動物と触れ合える環境の保全を図って参ります。
管理の具体的な方針としましては,枯死木の伐採や剪定,林床植物成長促進のための本
数調整伐採や,下草刈りの質の向上,特定外来種の駆除などを行って参ります。また,斜
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面崩壊地の保護や根系露出部の保護に努めて参ります。
次に,スライド番号14を御覧ください。こちらは保全管理計画図です。枯死木や不要木
の伐採範囲,越境樹木の強剪定の範囲,下草刈りの範囲,斜面保護が必要な範囲等を示し
たものです。また,竹林の拡大抑制範囲も示してあります。なお,若宮八幡神社前の旧入
り口付近については,当面は現状維持として周囲の景観に配慮しながら不要木の伐採や剪
定を実施する方向で考えております。また,斜面崩壊地の場所については,新たに木柵を
設置する予定です。
次のページを御覧ください。これは,スライド番号14の保全管理計画図の樹林地の北西
側AからA’の位置の樹林の断面を表したものです。左の図は,現状の樹木や下草の状況
を表したものです。右の図は越境樹木を強剪定した状況や,不要木を伐採したときの将来
像を示したものです。
次に,下のスライド番号16を御覧ください。こちらはスライド番号14の南東側用水路に
接するBからB’の位置の樹林の断面を表したものです。左の図は,現状の樹木や下草の
状況を表したものです。右の図は,不要木を伐採したときの将来像を示したものです。
それでは,隣のページのスライド番号17を御覧ください。樹林地の管理スケジュールを
あらわしたものです。スケジュール表は,年間管理と今後10年間の管理の内容を示したも
ので,毎年実施する作業と,数年置きに実施する作業の時期について区分しております。
主な作業内容を下草管理,樹木管理,施設管理に分類し,各細目の作業内容について作業
実施推奨時期と作業可能時期を示してあります。下草刈りは年2回,初夏と秋に実施しま
す。樹木管理については,作業の細目により6月から12月までの期間に実施します。斜面
崩壊部の保護を目的とした木柵の設置は,2年目から3年目にかけて実施する予定です。
スライド番号55を御覧ください。こちらは,第2回意見交換会での市民の皆様からの意
見を要約したものです。上石原地区に対しての御意見としては,利用の方向性として子供
たちの環境学習の場所として活用し,学習を通して緑について身近に感じてほしい。また,
管理については,専門家の意見を取り入れながら管理をやってほしいなどがありました。
最後に,本計画策定の経過と今後の予定について御説明します。隣のページのスライド
番号57を御覧ください。今年度に入り,植生,毎木調査,地形,土壌浸食,湧水などの調
査及び管理実態調査を行い,保全管理計画の素案を取りまとめました。その後,崖線地区
で活動している市民団体とのヒアリングを行い,御意見,御提案を踏まえ,案として取り
まとめ,平成27年11月7日と14日並びに平成28年1月16日と23日に市民との意見交換会を
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実施しました。今後の予定としましては,本日いただいた御意見を踏まえ,3月末を目途
に本計画の策定を予定しております。
スライド番号58を御覧ください。来年度以降の予定としましては,平成28年度は国分寺
崖線の入間町2丁目地区,平成29年度は国分寺崖線の深大寺自然広場について保全管理計
画の策定を予定しております。
以上で説明を終了いたします。
齊藤会長
ありがとうございます。
時間の都合上,途中の一部を省略しておりますので,内容の説明については,全てを網
羅しておりませんが,石原,布田崖線と仙川崖線が今回の報告の対象です。
それでは,御意見,御質問をお受けしたいと思います。
面積をそれぞれについて報告願えますか。
緑と公園課主幹
今説明したところが0.4ヘクタールです。それから,次の下石原地区
が0.24ヘクタール。最後の仙川崖線地区につきましては,遊歩道を入れた面積が1ヘクタ
ールで,遊歩道を除いた崖の部分について0.73ヘクタールです。
齊藤会長
途中ですけれども,先ほど傍聴者の方が,会議が始まった後にお見えになり
ました。入場していただいておりますので,委員の皆様,御承知おきいただきたいと思い
ます。
事務局
傍聴希望の方がいらっしゃいましたので,入場いただきたいと思いますので,
御了承のほどよろしくお願いいたします。
齊藤会長
よろしいですね。
(「異議なし」の声あり)
では,速やかに入っていただいて。
では,一応面積の説明はいただきました。御意見,御質問をお受けしたいと思います。
どうぞ。
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阿部委員
保全の方針で,多様な植物や小動物と触れ合える環境というのはとても良い
ことだと思うのですけれども,植物はよくわかったのですが,小動物の話は出てきました
でしょうか,具体的にどういうものがあるのか教えてください。
齊藤会長
どうぞ。
緑と公園課主幹
小動物というものに当たるかわかりませんが,昆虫や鳥,今回はそこ
までは調査していないのですが,ネズミとか,そういうものもいるかなと思われます。
奥委員
私も今の点,生物多様性の観点から,崖線樹林地をどのように捉えて保全して
いくのかという内容が入っていないなというところが気になりまして,環境基本計画の案
を拝見しますと,また後でこれは御説明があると思いますが,例えば,資料4―2,26ペ
ージの一番下の四角囲みの中に,仮ですが,生物多様性地域ちょうふ戦略というものを策
定しているというように入っておりまして,この中に,崖線樹林地の部分も含めて,生物
多様性の観点から位置付けられるということになるのか。その辺りの崖線樹林地の保全管
理計画と,生物多様性戦略との関係性というところをもう尐し御説明いただくか,しっか
り押さえていただいていると良かったと思います。
緑と公園課主幹
今回は,崖線の植生管理を今後どうして行くべきかというところに絞
って説明しているので,小動物とか,生物多様性については今後の課題かと考えておりま
す。
齊藤会長
何のために崖線を保護するのか。今,奥委員がおっしゃったみたいに,崖線
を保全するということは,何のために保全するのですかと。今おっしゃったように,生物
多様性の保全ということが本来の目的で,そのために多様な植生を残すことによって,多
様な動物相もできるということ。そのために保全するということ。そこは明確ではなくて,
とりあえずやりますというのは,それはちょっと筋が違うのではないですか。そんなこと
をいったら,お金をかけることが無駄だということになりかねません。
緑と公園課長
今回,崖線については,今お話があった生物多様性の観点からとか,私
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たちからすると,緑の景観の保全といったものも併せて考えていますので,その両面でこ
こを検討しなくてはいけないと考えています。
今回の保全管理計画については,主に管理をやっていく上で,例えば,木の剪定である
とか,林床の保護であるとか,そういったものに重きを置いた計画ということでやってい
ますので,今後,生物多様性を踏まえた計画というのと,もうちょっと別の視点も含め,
併せて検討しなければいけないと思います。
齊藤会長
要するに目的が明確に書かれていないからいけないのですよね。何のために
やるかと。今の景観と,生物多様性である,そこのところをきちんと出さないと,やるこ
ともいいかげんになってしまう。目的がわからないのに,ただやりますというのは,それ
は内容が無駄なものになりかねませんよということだと思うのです。
他に御意見,どうぞ。
平田委員
スライド番号55番のところで,第2回意見交換会で出された意見が集約され
ているのですけれども,今回御説明いただいた地区では,植生管理のところで,西側平地
の植栽樹のところ,違和感があるというような御意見が出されているのですが,こちらの
コメントに対して市側から回答されると思うのですが,どのように御回答されるような形
で考えていらっしゃるかなどがありましたら,お願い致します。
齊藤会長
どうぞ。
緑と公園課長
もともと布田崖線の上石原地区というところが,旧邸宅というか,お宅
のところのお庭みたいになっているところが一部ありまして,そこには自然樹林地という
よりは,人の手が入って植栽をしたような樹木もありますので,私たちの自然樹林地とい
うところからすると若干違和感がある,人的な植栽がありまして,そういったものについ
ては今後,布田崖線上石原地区については,周辺に公園もありまして,そういったものと
一体的にどのようにここの緑地を管理して景観を守っていくのだというところを平成29年
度から,また別の検討を進める計画もありますので,その中で植生については,では,ど
のようにやっていくかというのを併せて検討していこうというような予定です。
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平田委員
では,周囲の公園と併せてエリア分けして広場的に使うような場所になるの
ではないかというような計画を出されるということですね。
緑と公園課長
まさにおっしゃるとおりです。
平田委員
わかりました。ありがとうございます。
齊藤会長
他に御意見は,どうぞ。
近藤委員
先ほど生物多様性が話題になりましたが,国分寺崖線と布田崖線の間の領域,
ここの領域の緑も,例えば,小鳥だとか,そういったもののためには,そこをつなぐ役割
が重要だと思いますので,今後,動植物の専門家の御意見を伺えると思うのですが,そう
いった観点も尐し入れた方が良いのではないかという気がいたしました。
齊藤会長
要するに生物多様性と景観ということ,どちらに重きを置くか。両方やろう
というのは本来無理な話なのです。相反する内容ですから,両方やりましょうということ
は,逆にいうと極めて中途半端な内容になりかねないということですから,そこは公園の
所管だから,そういうことになるのかもしれませんけれども,そこはよく検討してやって
いただかないと,何のために崖線を保全するのかということ自体が曖昧になってしまいか
ねないと。この内容も,そういう内容かなというように感じました。皆様,そういう方も
おいでになるようですから。
他にございましたら,どうぞ。
増田委員
53ページの計画表でお聞きしたいのですけれども,外来植物があるというこ
とですよね。多摩川の河川敷などで駆除に参加してみて,大変な作業だなと思いました。
ここの年間作業スケジュールに特別には書かれていないのですけれども,やはり外来植物
を野放しにしてはいけないのかと。どういう計画があるのか,もしあったら教えていただ
きたいと思います。
齊藤会長
どうぞ,外来植物について。
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緑と公園課主幹
今回,調査した中では,スライド番号14の中にあるように外来種が確
認されていますので,それらについては今後駆除していくという形で管理を進めていきた
いと思いますので,外来種が確認されれば,それについては適切に駆除,撤去なりしてい
くというように考えています。
齊藤会長
わかりましたか。なじんでしまっている外来種もたくさんありますから,そ
の辺をどう捉えるかということだと思うのです。昔から来ている帰化植物というのは,そ
の辺にたくさんあるわけです。だから,アレチウリだけが外来種ではないので,その辺の
ところを,そういうものについてもどう考えるかというガイドラインみたいなものをきち
んと考えないと,漠然とするのはちょっと甘いかなという気がしますが。
どうぞ,中岡先生。
中岡委員
外来種という話で,例えば,タンポポはどうするか。今生きているタンポポ
はみんな外来種ですよね。それを全部とってしまうのかという話になるかと思うのです。
日本産のタンポポなんてほとんどいない。やはり境目というのはとても難しいなという感
じがしますね。
1つ伺いたいのですけれども,質の高い下草刈りという表現が入ってくるのですけれど
も,質の高いのと低いのとは何が違うのですか。
緑と公園課主幹
質の高い下草刈りというのが書いてございますが,ここは現状,仲よ
し広場といって広場的に使っているところでしたので,ここについては他の部分に比べる
と,保育園の園児などが遊ばれるところなので,もうちょっと低く刈り込みをしようとい
うことです。そういう管理で進めていこうということで,表現的には質の高い下草刈りと
いう表現です。
中岡委員
質の低いというのは,ただ,がりがりとやってしまうという感じですか。
緑と公園課主幹
広場として管理するうえでの表現の違いです。
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齊藤会長
他に何か御意見がありましたら,どうぞ。
高田副会長
16ページのところで,現状で,落ち葉の堆積と書いてあって,将来像はそ
このところに書いてないのですけれども,落ち葉は公園内とか樹林地から積極的にどけて,
どこかに捨てるということを意図していますか。それとも堆積はさせていくということで
すか。
齊藤会長
16ページの下に書いてあるものです。
高田副会長
ここはそのまま残しておくべき。でないと,土壌ができなくなってしまう
ということもありますし,管理計画のときに,積極的に落ち葉をどこかにもっていってど
けてしまうということですか。それとも,そこに溜めておくということなのか。
緑と公園課主幹
ここは落ち葉が溜まりやすいところになっているので,そこはある程
度,落ち葉はとって,除去するということは考えています。だから,それを全部とってと
いうことではないですけれども。
高田副会長
外に持っていってしまうというようなことですか。
緑と公園課主幹
高田副会長
不要なものについては持っていくこともあります。
外へ持っていったらごみになってしまうし,緑地の中でうまいことリサイ
クルさせるようにしないと,もちろん溜まりやすいところ,溜まりにくいところがあるな
ら,溜まりにくいところに持っていくようにするとかしないと,土壌も将来的にできなく
なってしまうし。
齊藤会長
はい,先生。
中岡委員
植物をきちんと管理するということは,植物の成分が何なのかということで
すよね。植物の成分というのは,例えば,根から吸い上げたものが全部葉っぱとか何かに
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行っているわけですね。落ち葉だからといって,とって,それをよそに持っていってしま
うと,そこの土壌はどんどん痩せていってしまうのです。だから,循環させなければいけ
ない。これは植物を管理するという面で基本ですよね。落ち葉は,先生,おっしゃってい
るように,どうするのですか。落ち葉は地面の中に戻すのが最高の方法なのです。それが,
本当の意味のその場所を管理するということだと思うのです。人間の都合で,落ち葉は邪
魔だ,飛んでいくから邪魔だといってどけてしまうというのは,本当の意味の管理ではな
いと思うのです。植物の目からみたときにです。ちょっとそれを申し上げたいと思います。
高田副会長
ありがとうございます。
齊藤会長
関森委員。
関森委員
今,中岡先生のおっしゃった意味もよくわかりますけれども,私自身,落ち
葉を集めて堆肥化することをやっておりました。調布市側の緑の公園課の気持ちもよくわ
かるのです。やはり坂のところというのは,落ち葉をある程度掃いておかないと,それが
飛んでしまうとか。でも,植物のことを考えると,やはりそのままにした方が良いのだろ
うなと思いますけれども,ただ,ここは幾らか坂になっていますよね。そうなると,落ち
葉自身も,その場に置いておくのは難しいのかと思います。
齊藤会長
いろいろ御意見があるのですが,この後のこともありますので,ただ,皆さ
ん,私も含めてですけれども,この内容は,中岡先生がおっしゃっている内容に集約され
るのですが,公園として遊ぶのに都合が良いというか,ただ見るだけの場所にするのか。
自然環境の保護ということをきちんと謳っていくのか。生物多様性というか,リサイクル
を考えてやるのか。例えば,仙川崖線などは下に何もなくて,植物の樹木の根が上がって
しまっているわけです。落ち葉も何もないから。あのままいけばどんどん悪くなるだけ。
そういう意味で,公園課さんということではあるかもしれませんけれども,崖線を何の
ために保全するのか。それは,一部は公園として,皆さんの共有の場所として使う。ある
いは,一部は植生の保全をして,それによって動植物のフローラを復活させるということ
に使うのか。その辺をきちんと考えて,部分的に分けて,ここは残すところ,ここは活用
するところ,その辺をもっときれいに立て分けをしていかないと,それで計画を立ててい
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ただかないと,書類そのものも非常に曖昧で,総花的で,総花的は何もないということで
すから,そこをよく考えて,この計画を再度作り直していただきたいと思うくらいの計画
です。十分注意していただきたい。私は,そのように思っています。
どうでしょうか。皆さんも多分,私と同じような御意見,お考えだと思いますが。
齊藤会長
よろしくお願いします。
では,この件については終了させていただきます。
それでは,次の報告事項に移らせていただきます。
次に報告事項2の調布市社会資本総合整備計画(下水道)の事後評価についてのお願い
をいたします。
事務局
すみません,事務局から一言ですが,本日,説明に当たりまして,事業の推進
に当たり東京都からの補助金等を活用した事業であるため,事後評価を行ったことについ
て都に報告する必要があるとのことです。それが,保全審議会を介して事後評価をセッテ
ィングして報告したということを都に記録として報告する必要があるそうでございます。
したがいまして,記録用に,傍聴者の方は写らないような構図で写真を撮らせていただき
たいと考えておりますので,委員の皆様におかれましては,御了承のほどをよろしくお願
いいたします。
齊藤会長
よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
下水道課長
改めまして,下水道課長の香西です。どうぞよろしくお願いいたします。
下水道課施設管理係長
施設管理係長をしております下水道課,宮地でございます。よ
ろしくお願いいたします。
下水道課施設管理係主任
下水道課長
施設管理係の渡辺と申します。よろしくお願いいたします。
着席にて説明させていただきます。よろしくお願いします。
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下水道課施設管理係主任
これより,調布市社会資本総合整備計画(下水道)の事後評
価について,下水道課,渡辺が説明いたします。説明内容は,配付資料1枚目に記載した
①から③の順に御説明いたします。資料2枚目に移ります。
社会資本総合整備計画は,国の財政支援を得る目的で作成する計画書を指します。本整
備計画は,後ほど説明する3つの事業で構成され,事業実施の期間は平成23年度から平成
26年度の4箇年であり,計画上に位置付けた事業は完了しております。
本計画は国土交通省が作成した要綱に従い作成するもので,計画期間終了後,事業主体
が自ら事後評価を行い,改善点と今後の方針等に対する意見をいただき,これを反映した
結果を公表することと定められているため,本審議会にお諮りするものです。
資料3枚目に移ります。国に提出した計画書を資料3枚目と4枚目に添付しました。記
載内容は大まかに計画の目標,指標と目標値,個別の事業内容を記載しています。
では,計画書に記載した,それぞれの事業の中身について説明を続けます。次の次の5
ページ目を御覧ください。
まず初めに,合流式下水道の改善に係る事業について説明いたします。
本事業については,平成26年2月4日の環境保全審議会にて事業完了に伴う御報告をし
ており,重複する部分がございますが,御了承ください。合流式下水道は,雨天時に未処
理下水が河川などに放流される仕組みとなっていることから,公共用水域の汚染が社会問
題化し,平成15年の下水道法施行令の改正などを受けまして,平成25年度までに合流式下
水道の緊急的な改善を行うことが義務付けられました。これを受けまして本市は,大部分
が合流式を採用していることから,本計画期間内に合流式下水道の緊急対策を実施しまし
た。対策内容としましては,雨天時に未処理水の放流量を減らすために面的に浸透施設を
多数設置することとし,民間施工による浸透施設の設置と併せて,調布市は既存の道路集
水桝に浸透管を設置しました。
さらに,固形化した汚物や夾雑物といったごみ類が河川に流出するのを抑制する装置を
設置しました。平成23年度から平成25年度までに浸透管を約 1,200基,夾雑物の除去装置
を15基設置し,これを合流式下水道改善率で評価し,目標を達成しました。
資料6枚目の下水道施設の地震対策事業について説明いたします。
過去の大震災では,ポンプ場の機能停止や液状化によるマンホールの浮上などが発生し,
住民の健康や社会活動に重大な影響が生じました。下水道はインフラの中で代替する手段
がなく,重要な施設の耐震化を図る防災対策や,被災時の被害を最小限に抑える減災対策
- 17 -
が強く求められています。
調布市では市役所や避難所となる学校施設からの経路を,耐震上,重要な排水経路とし
て位置付け,地震時に脱却,抜け出しといった被害の集中しやすいマンホールと本管の継
ぎ手部に対し,耐震化工事を実施しました。
地震対策事業は第1期と第2期とに分けており,平成22年度に事業着手した第1期計画
では 168箇所のマンホールの継ぎ手部を柔軟構造に変える可とう化工事を行いました。ま
た,現在,対策工事を進めている2期計画は本整備計画期間内に調査と設計を行い,平成
28年度末見込みで116箇所のマンホールに対し可とう化工事を実施する予定としました。
達成状況についてですが,第1期計画の指標は平成28年度までに実施する全体マンホー
ル数284を母数とし,対策済みの168で割合を求めた59%を達成目標とし,当初目標を達成
いたしました。
第2期計画は調査・設計の実施率を指標化し,平成26年度中に完了したことから目標を
達成しました。
最後に,下水道施設の長寿命化対策事業について説明します。7枚目に移ります。
調布市で管理する下水道管の総延長は約550キロ,マンホール数は約2万 2,000基あり,
30年経過する施設は約9割に及びます。下水道管渠の経済的耐用年数は,近年80年に延伸
される方向になりますが,一般的な耐用年数は50年とされております。しかし,添付写真
のように50年に満たない施設であっても,設置環境によっては腐食が進行している場合が
あります。膨大な施設の中から損傷劣化した施設を早期に発見し,事故の未然防止の措置
を行うことが今後,重要度を増していきます。
このため施設の劣化傾向,経過年数,重要拠点の密集状況などを総合的に考慮し,布田,
調布ヶ丘地区を調布市として最初に着手する区域とし,本計画期間内に調布市下水道長寿
命化計画を策定することとしました。更新する施設は下水道本管とマンホール蓋とし,劣
化の進行した本管約 1.2キロとマンホール蓋約 1,700箇所を平成27年度から5年間で更新
することとしました。
本件の成果指標は計画期間内の長寿命化計画策定率ということで表現することとしまし
て,当初の計画期間内に策定ができましたので目標達成としました。
資料8枚目,9枚目に示した事後評価書(案)は,以上の説明をとりまとめたものです。
最後のページになります。ここには先ほどの事後評価書(案)の最下段に記載した各事
業に対する今後の方針を示したものです。順に説明いたします。
- 18 -
まず①の合流改善事業についてです。
毎年行う河川への放流水質のモニタリング結果などを通じまして,水質汚濁の懸念は一
定程度解決されると判断しております。しかし,都市化の進んだ市街地において合流式か
ら分流式へ切り替えを行うことは現実的に困難なため,下水道管への雨水流入の抑制が引
き続き必要です。また,市の取り組みには限界があり,民間事業者による浸透施設設置を
促進する必要があり,設置指導や啓発活動などを通じて継続した対応が求められます。
②の耐震化事業についてです。
計画の中では防災拠点のルートを優先してきたところですが,これ以外の耐震性能を有
しているか否か判明していない他の重要なルートもございます。平成28年度までは避難所
ルートの可とう化工事を集中して進めて参りますが,他の重要なルートについても事業範
囲を拡大していく必要があります。
③の長寿命化事業についてです。
本計画では下水道施設の長寿命化計画の策定を事業の目標としておりましたが,今後は
この計画に基づき,着々と施設の更新工事を進めることが当面の目標となります。また,
市域全体における計画策定率で見ると1割程度であることから,順次,計画策定エリアを
策定し,実施段階に移行していく必要があると考えております。
以上で,調布市社会資本総合整備計画(下水道)の事後評価についての説明を終わりま
す。ありがとうございました。
齊藤会長
御苦労さまでした。
それでは,この件について御意見,御質問を承りたいと思います。どうぞ。
高田副会長
①の合流改善のところ,現状だと浸透施設の民間での設置を促進しないと
なかなか進まないのかと思うのですけれども,その辺の財政援助とかはやられているので
すか。設置するという人に対して。それは,ここの事業とはまた別になるのでしょうか。
齊藤会長
下水道課長
どうぞ。
浸透施設の設置については,現在は調布市雨水浸透施設設置基準という基
準を用いて,新たに家を建てたりする方については,浸透施設を設置してくださいという
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ことで,お願いベースですけれども,それをやらせていただいているというのが1つの事
業です。
それと,環境政策課で,現在ある家に新たに浸透施設を設置するという事業に対しては
無償で設置を行う事業があります。その2本立てで,各家庭の浸透施設の設置については
進めさせていただいているということでございます。
付け加えさせていただきますと,先ほどお願いベースでやらせていただいているという
ことを申し上げましたが,ほとんどの方が,私供の設置基準に基づいて浸透施設を設置し
ていただいているというところでございます。
以上です。
齊藤会長
他にございますか。どうぞ。
近藤委員
地震対策事業の件についてお伺いしたいのですが,重要なルートを中心に接
続部を主にやられているわけですけれども,これによって調布市全体の下水道の管路部の
リスクがどのくらい減っているかとか,例えば,下水の復旧期間が地震後,例えば,2週
間で復旧できる面積が全体どのくらいよくなったかとか,それが見えないとなかなか効果
が見えづらいのですが,そういう評価はいかがでしょうか。
下水道課長
まず,地震対策の対象としている管路についてです。これについては重要
な幹線等という位置付けで実施させていただいております。例えば,避難所からを連絡す
る管だとか,あとは地震時に車両等,通行しなければいけないような啓開道路とか,鉄道
が横断しているようなところに入っている管路,そういったものを重要な幹線ということ
で位置付けさせていただいているのですけれども,それが調布市の中ではおおむね60キロ
ございます。
現在,避難所等を連絡する管路ということで耐震化を進めさせていただいておりますが,
平成28年度で対策が完了する路線延長が,おおむね6キロでございます。大体1割の管路
に対して,そういった対策が実施できるかなというような動きで進めさせていただいてい
ます。
近藤委員
それは地震後も,そこの下水の管路を使えると。
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下水道課長
重要な管路として耐震対策を行わせていただいているのが,対象地震とし
てはレベル2地震という供用期間中に発生するかしないかわからないような大きな地震を
対象としているのですけれども,そういった地震が来たときに,壊れないという表現では
ないのですが,流下機能は確保する。クラックとか,そういったものは入る可能性はある
かなというような想定ですけれども,下水道として使用は可能であるというところまでの
耐震強度はもたせるというところで整備を進めさせていただいております。
近藤委員
わかりました。今おっしゃったような具体的な効果が,実施率が何パーセン
トだと実際にどのくらい効果があるかわかりにくいので,そういったところの表現も入れ
ていただきたい。
下水道課長
わかりました。全体というところを見据えて,今回の事業の位置付けがど
うかといったところについても記載をさせていただくような形で整備させていただきたい
と思います。ありがとうございます。
齊藤会長
質問,いいですか。長寿命化事業をするのが調布ヶ丘と布田ということです
けれども,これは多分,調布市の人口のかなりの,面積で1割とおっしゃっていますが,
人口比率からいうともうちょっと高いのではないかと思うのですが,その辺の数字でみる
とどうなっているのでしょうか。
下水道課施設管理係主任
人口密集地という観点で内容を見たときに,実際上,単純な
密集率でいきますと,例えば,国領地区は非常に密集地として,高層住宅が非常に多いと
いうことで,計算上は多くなります。ただ,敷設年度が,西調布,調布は着手した時期が
非常に古いということもございまして,それに比べて国領地区は,密集度は高いのですが,
敷設年度はそんなに古くはないということで,それぞれ幾つかの要素を複合的に,総合的
に判断させていただきまして,行っております。
齊藤会長
わかりました。
どうぞ。
- 21 -
高田副会長
私も長寿命化事業について伺いたいのですが,今伺うと,マンホールの蓋
をまずやられているようですけれども,下水管自体のクラック等の漏れがかなりあるかな
と思うのです。調布市だけではなくて,東京都全域について地下水への下水の漏れをマー
カーを使って調べるということをやっているのですけれども,大体浅い井戸で調べていく
と0.数パーセントから1パーセントくらいは下水が地下水に混ざっているなと。それは場
所も特定できず,全域にあるなという感じなので,下水の本管か接合部の漏れが広範囲で
起こっているかと思うので,長寿命化事業を蓋だけではなくて,本管の漏れも可能性があ
れば見つけて,そこを補修するようなこともやっていくようにしないといけないかと思い
ます。
ただ,それ自体,下水道の世界でもテクノロジーもまだないと思うので,情報収集して
いただいて,調布市で使えるような方法を考えていくとか,地下水の下水の漏れをモニタ
リングするとか,そのようなことも考えていただけたらと思います。
まず伺いたいのは,これからもやることは,蓋だけでしょうか。
下水道課長
資料の7枚目の下水道施設の長寿命化事業というところでございますけれ
ども,これの3「進捗状況」というところで,管路についても約 1.2キロ。これは管路を
調査した結果,劣化している状況が確認されたものに対しては,管路についても更正工事
を実施していくという計画にしております。
高田副会長
1.2キロはどういう基準ですか,明らかに漏れているなというところで見
つけられたのですか。
下水道課施設管理係主任
入り込んでくる状況の調査はわかりやすいのですが,外部に
しみ出ているかどうかというのは調査ではわかりにくいです。計画書の内容は,1.2キロ,
管の更正をするという内容になっており,実際には腐食ですとかクラック,これが幾つか
の判定基準がございまして,その中で特にひどいという箇所を,内面を被覆する等して対
応します。1.2キロは連続しているものではなくて,飛び飛びです。計画区域内で飛び飛
びの箇所を総合計して1.2キロあるということです。しみ出る箇所の補修というのは,こ
の中には入っておりません。
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齊藤会長
浸入を遮断できるということは,浸出を遮断できるということでは。
下水道課施設管理係長
つながっているかとは思うのですけれども,どれだけ出ている
かという把握はなかなか難しいのです。
高田副会長
浸入の遮断のときには,下の部分というか,下水が入っている下の部分の
ときも一緒に補修するのですか。それとも上の方だけ,浸入だけ防ぐという,全体を補修
するのですか。
下水道課施設管理係主任
通常は管と管の継ぎ手を全周に渡って,被覆を巻くといった
補修を行います。
高田副会長
そっちは進められてきたし,これからも進めるという理解でよろしいです
か。
下水道課施設管理係主任
はい,そのとおりです。
齊藤会長
中岡委員。
中岡委員
その浸入と浸出の話は地下水との関係が出てくるかと思うのです。そこら辺
は地下水のレベルが平均的にどうなっているか,かなり見えてくるのではないかと思うの
と,これで,今,30年以上経過した管が全体の9割だという話で,このペースでいって間
に合うのですか。そこら辺の将来像みたいなものがあったら御紹介いただけたらと思いま
す。
下水道課長
長寿命化事業というのは,今回初めて取り組ませていただいたということ
で,実際,どのペースで私どももできるかという,その辺を今回の事業でつかんでいきた
いと思っています。実際,このペースでいくと,1割の面積を5年かけてやるということ
なので,非常に長大な時間がかかってしまうということですけれども,そのようにならな
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いように,今回,やった事業をフィードバックするような形で,例えば,30年ペースで市
域全体を回すとか,そういったスケジューリングを今後検討していきたいと考えておりま
す。
中岡委員
とても重要な今後の方針の中に入るのではないかと思うのです。要するに,
とりあえずやった結果から,どう反映させていくかという話ですよね。
下水道課長
ありがとうございます。
高田副会長
周辺の井戸水の水質の調査とかとはリンクさせて考えられていますか。
下水道課長
現状で,外に下水が漏れて水質がどうなるというような観測とか調査とい
うのは考えていないです。
高田副会長
井戸水の水質調査はやられていますよね。
下水道課長
やっています。
高田副会長
そのデータを見て,ここが漏れていそうだなというところがあれば,そこ
を優先的にやるというようなことも,何年かローテーションで回していくならば,そうい
うことも必要かなと思います。
下水道課長
今回,私どもは不明水対策ということで,そういったことは下水道の課題
としてよく言われています。それは逆に漏れるというよりも,下水道管の方に地下水が入
り込んで,下水の量が,皆さん使っていただいているよりも多く出て処理費がかさむとい
うようなことで課題になっているということです。それが,教科書的にいくと2割ほどあ
って,不明水については課題だということを言われているところで,どうしようかと考え
ていたのですけれども,今回初めて,逆に外に漏れた場合の対応ということを御意見とし
ていただいたので,そういう目線でも今後,周辺の地下水の計測データ等,確認させてい
ただきながら,状況等を見ていければと思っています。
- 24 -
齊藤会長
私のところは井戸水なので,チェックしているのです。そうすると,全部ク
リアはしているのですけれども,総体的に窒素分が多いというのです。それは,うちがそ
れで良いとか悪いとかではなくて,高田先生がおっしゃるみたいに,あちこちで井戸水の
チェックを要請して,市がしていると思うのです。その辺のデータをうまく集めて,それ
を下水道の漏れに反映できるかどうか。一度データを集めてみる必要があるのではないで
すか。そうすると一番合理的で,なおかつ無駄がなく,余分な費用もかけずに,依頼があ
ったデータをうまく活用させていただくということができるかなというように今聞いてい
て思ったのです。
高田副会長
そういう特別な計量も研究室で扱ったりしているので,御協力できればと
思いますので。
下水道課長
齊藤会長
ありがとうございます。
では,時間もございますので,次に移らせていただきたいと思いますが,よ
ろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
では,御苦労さまでした。
次に報告事項3の第3次調布市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)の策定について,
御説明をいただきます。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
環境政策課長の河西でご
ざいます。よろしくお願いいたします。
環境政策課環境保全係主任
同じく環境政策課の倉林です。よろしくお願いします。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
だきます。
- 25 -
着席して説明させていた
環境政策課環境保全係主任
それでは,第3次調布市地球温暖化対策実行計画(事務事
業編)の策定について,資料3―1と資料3―2を使用して説明させていただきます。
本計画につきましては現在,資料3―2を公表し,パブリック・コメントを実施してい
るところです。本日は時間も限られておりますので,ポイントを絞り説明させていただき
ます。
まず計画の構成について説明しますので,資料3―2の目次を御覧ください。第1章に
は計画の基本的事項,第2章には温室効果ガス排出量の現状,第3章には温室効果ガス削
減目標,第4章には取り組み内容,第5章には進行管理,参考資料を掲載しております。
次に,本計画の性質,計画の対象,計画期間等について説明しますので,資料3―1の
1ページを御覧ください。調布市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)は,地球温暖化
対策の推進に関する法律第20条の3の規程に基づき,調布市の事務及び事業の実施に伴い
排出される温室効果ガスの削減等について定めた計画です。現行の第2次調布市地球温暖
化対策実行計画の計画期間が今年度で終了することから,引き続き温室効果ガス排出量の
削減に取り組むため,第3次計画を策定するものです。
本計画の対象は調布市役所の事務事業で,調布市役所を構成する組織を管理している施
設・車両の全てが対象です。つまり,市庁舎や文化会館たづくり等の公共施設や,庁用車
両の使用における電気や都市ガス,ガソリン等の使用による温室効果ガスの削減を目指す
ための計画となります。計画期間は平成28年度から平成32年度です。対象となる温室効果
ガスは,調布市役所ではエネルギーを使用することにより排出される二酸化炭素,車両の
走行に伴い排出されるメタン,一酸化二窒素,車両のエアコンに使用されているハイドロ
フルオロカーボンの4種類です。
次に振り返りとしまして,第2次計画の計画期間,平成23年度から平成27年度の計画期
間となっております。こちらにおける温室効果ガス排出量の現状について説明しますので,
恐縮ですけれども,資料3―2に戻りまして,7ページを御覧いただけますでしょうか。
表2.1.1に温室効果ガス排出量実績の推移を掲載しております。平成27年度につき
ましては,平成28年度に入ってから集計するため,実績は掲載しておりません。第2次計
画では,平成21年度比5%以上の削減という目標を掲げて省エネ等の取り組みを推進して
おり,平成23年3月の東日本大震災を契機とした主に照明の間引き等の節電行動により,
平成26年度の実績では,基準年度の平成21年度比9.4%の削減となりました。
次に,8ページの図の2.2.1を御覧ください。排出主体別の温室効果ガスの排出割
- 26 -
合については,施設から排出される温室効果ガスは98.5%,車両は 1.5%を占め,ほとん
どの排出が施設からのものとなります。なお,基準年度の平成21年度と26年度と比較して
も,その排出割合に変化はありません。
次に9ページの表2.2.1を御覧ください。温室効果ガスの排出量の多い上位10施設
は記載の施設で,上位10施設が全施設の排出量の半分等を占めております。
10ページを御覧ください。図の2.3.1のとおり平成26年度は電力が約67パーセント,
都市ガスが約32パーセント,その他が約1パーセントとなっております。
11ページを御覧ください。ここには施設別エネルギー別温室効果ガス排出割合を掲載し
ております。 (1)のところには電力, (2)には都市ガスの使用量の多い施設を記載してお
りますが,この10施設でそれぞれのエネルギー使用量の半分強を占めております。
ここまでが第2次地球温暖化対策実行計画(事務事業編)に基づく現状の報告となりま
す。
次に,第3次計画の計画内容について説明しますので,再度資料を戻りまして恐縮です
が,資料3―1【概要版】の1ページの中段から下にあります削減目標のところを御覧く
ださい。削減目標は平成26年度の総排出量1万4,589t―CO2を基準として平成32年度までに
総排出量 3.2%以上の削減かつ中長期的に見て,エネルギー消費原単位1パーセント以上
の低減として設定しております。
目標値の算出根拠を説明します。まず調布市役所全体の目標値につきましては,省エネ
法において特定事業者として指定されている市長部局,教育委員会,第二種エネルギー管
理指定工場等として指定されている文化会館たづくりについて,それぞれが中長期的に見
てエネルギー消費原単位を年平均1パーセント以上の低減の達成が必要となる削減量を算
出し,その削減量の合計として 3.2パーセントの目標数値を設定しました。
また,市長部局,教育委員会,文化会館たづくりにつきましては,それぞれ中長期的に
見て,エネルギー消費原単位を年平均1見て以上低減することも目指します。
2ページを御覧ください。こちらの表の下から2行目,「教育委員会
計」と書いてあ
る行を御覧ください。目標削減量が228t―CO2に対して,想定削減量は208t―CO2と記載して
おります。目標削減量にあと 20t―CO2足りないことが見込まれますが,教育委員会につい
ては,継続して新たな省エネ設備改修や省エネ行動等について追加検討することで取り組
みの強化を図り,目標達成を目指すこととしています。
1ページにお戻りいただきまして,1ページの目標算出根拠の一番下の白星を御覧くだ
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さい。環境確保条例の総量削減義務制度の対象施設であります文化会館たづくりを中心と
した6施設については,条例で定められた温室効果ガス排出量の削減義務を達成すると記
載しておりますが,また資料が戻りまして恐縮ですけれども,資料3―2の37ページを御
覧いただけますでしょうか。こちらの中段にあります表の6.8.2を御覧ください。環境確
保条例における第1計画期間の超過削減分については,第2計画期間に持ち越しできると
ともに,平成26年度の実績が基準年度比20.2パーセントの削減をしたため,現状の取り組
みを継続した場合,環境確保条例の第2計画期間の削減義務率17パーセントも達成可能と
考え,先ほど説明した第3次計画で掲げた目標を達成できれば,環境確保条例の削減義務
も達成可能と考えております。
では,資料3―1の2ページを御覧ください。ここでは省エネ設備改修等に関する取り
組みを記載しています。この表に記載している省エネ設備改修等につきましては,平成31
年度までの改修計画となっております。改修を行った翌年度からCO 2の削減効果を享受
できるという考えと,第3次地球温暖化対策実行計画(事務事業編)の基準年度が平成26
年度の実績値であることから,平成26年度から31年度までの設備改修等が本第3次計画の
削減に寄与すると考え算定しております。
なお,こちらに記載の省エネ設備改修の実施につきましては,目標値の達成状況,関連
計画との整合,調布市の財政状況などを踏まえ,必要に応じ調整して参ります。
こちらに記載の省エネ設備改修等を全て実施した場合は,表の一番下の行の右から2つ
目に書いてございます759t―CO2の温室効果ガス削減を見込んでおります。
調布市役所全体の目標削減量は,平成26年度比3.2パーセントの削減で470t―CO2となり
ますので,記載の設備改修等を実施できれば,調布市役所全体の目標は達成できる見込み
です。具体的には空調設備交換やLED照明の導入等を盛り込んでいます。なお,計画期
間における施設の増加や,気温変動に伴う空調設備の稼働率増加などの悪化要因について
は,759t―CO2の省エネ設備改修分から470t―CO2の削減目標を引いた分で吸収し,目標達成
を見込んでいます。
次に,3ページの上段を御覧ください。施設の新築・改修時における環境配慮事項を記
載しています。例えば,(1)公共施設等の新築,改修等の際には省エネ型設備の導入を行
うですとか,(2)公共施設等の新築,改修等の際には温室効果ガスの排出量の低減に資す
る素材をできる限り選択することなどを掲載しています。
3ページの下段,施設管理等での取り組みを御覧ください。ここは文化会館たづくりや
- 28 -
市庁舎といった大きな公共施設が対象となりますが,例えば,(1)施設の保守・管理に関
する取り組み,①熱源設備では,熱交換器のスケールの除去ですとか,冷却塔の充塡剤の
清掃をする取り組みを掲載しています。(2)施設の設備機器の運用改善に関する取り組み,
①熱源設備では,冷温水出口温度の適正化を図るといったことを実施し,省エネを図るこ
ととしております。
4ページを御覧ください。職員共通の取り組みの (1)を御覧ください。ここでは照明の
消灯の徹底や,クールビズ,ウォームビズの励行等,職員一人ひとりが省エネに向けて取
り組む内容を記載しております。 (2)には,その他の温室効果ガスの削減に資する取り組
みを記載しています。③のフロンについては,今年度からフロン排出抑制法が施行され,
各公共施設において第一種特定製品,これは業務用空調機と業務用冷凍機器となっており
ます。これ所有している場合は,年4回の簡易定期点検等を実施し,異常を認めたときは
速やかに修理を依頼するなど,フロンをできるだけ漏らさない取り組みを行っています。
最後に進行管理です。(1)推進体制の①ですが,調布市役所では省エネや環境の継続的
改善を図るため,ISO14001環境マネジメントシステムに基づく取組を実施しています。
この組織を活用し,進行管理を行っていきます。また,②に記載のとおり,省エネ設備改
修等に関する取組については,調布市環境調整協議会,当部会の1つである地球温暖化対
策推進部会において進行管理を行っていきます。
(2)点検・評価結果の公表に記載のとおり,実績等点検・評価結果については毎年度1
回市報を出し,ホームページ等を通じ情報発信に努めて参ります。
説明は以上となります。
齊藤会長
ありがとうございました。
それでは,この件につきまして御意見,御質問をお受けしたいと思います。中岡先生,
どうぞ。
中岡委員
車と建物という話で,車は,いわゆるごみ収集は入らないのでしょうか。
環境政策課環境保全係主任
ごみ収集車は委託事業者が管理しているということで,含
めてはいないです。ただ,ごみ対策課で持っている自前の車については入っております。
- 29 -
中岡委員
わかりました。
もう1つ,たづくりがすごく多いのだというのを見せていただいて,施設におけるエネ
ルギー別温室効果ガス排出割合をみて思ったのですけれども,電力のところが平成21年の
平成26年で,kWh当たりの CO 2排出量が全く同じ数字だと思うのですが,これはこうい
う数字で計算しろという話になっているのですか。
10ページのところですが,kWh当たりの CO 2排出量。例えば,表2.3.1です。こ
れ, 9,321トンを 2427万kWh当たりで割ると kWh当たりの CO 2が出てきますよね。それ
と,26年, 8,183を2131で割ると出てくるけれども,電気の中身が変わってきているので,
逆にふえているのではないか。というのは,電源構成が平成21年と平成26年では随分違い
ますよね。その話と,今,市庁舎とか何かに置いてあります太陽光発電等々を,ここには
どう取り入れて評価するのか。この2点,伺いたいのですけれども。
環境政策課環境保全係主任
それは東京電力で買うCO 2の排出係数と,他の会社で買
うCO2係数が違うというお話ですか。
中岡委員
平成21年度のkWh当たりのCO 2排出量と,平成26年度のkWh当たりの排出量
が東京電力の電気でも大分違っている。
齊藤会長
要するに原子力がなくなって変わってきた。
環境政策課環境保全係主任
CO 2排出係数が高くなっていますよね,ということでし
ょうか。
中岡委員
そうです。そうすると,この数字が増えてしまうのではないかと思います。
環境政策課環境保全係主任
電源構成が変わって増えてしまうと,削減経過が見えなく
なってしまうので,係数を固定して全部計算しております。
中岡委員
実際のCO 2の排出量ではない。そこに太陽光等をあえて入れられたのだか
ら,太陽光の効果を逆に取り込んでいった方が,排出削減の数値になるのではないでしょ
- 30 -
うか。
齊藤会長
課長。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
考え方が,定められた計
画期間内では固定した考えで数字を追いなさいという考えになるということでございまし
て,本来であれば,毎年変わっていかなければいけないのですが,そうすると取り組みの
効果が見えなくなってしまうのです。例えば,この5年間については固定している初年度
の基準年度の排出量係数をもとにずっと計算していくということで,こういう計算になっ
ているのです。
齊藤会長
だから,中岡先生のおっしゃっているのは,努力の結果はあるけれども,実
際には増えているかもしれないというお話ですよね。
中岡委員
排出量CO 2と書いてしまうのは, kWhが減ったのはすごい努力ですよね。
すごく認めて良いと思うのですけれども, CO 2は,アスタリスクか何か付けて,例えば,
平成21年換算値で計算しているというようにしておいた方がよろしいかと思います。
齊藤会長
あと,太陽光の話をちょっとされているので,その辺についてどうですか。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
実際今,市役所の施設に
設置している太陽光発電については,エネルギー協議会にお願いしているのですが,全て
売電ということで市の方で使っていないというのが通常でございまして,反映はされてい
ないということです。
中岡委員
その電気を実際には使っているわけですよね。
齊藤会長
実質的にはどのくらいの数値が出たのですか。
環境政策課長補佐
100万kWhくらいです。
- 31 -
齊藤会長
年間ですか。
環境政策課長補佐
はい。その削減効果につきましては,事務事業編の計画でございま
すので,市の事務事業,もしくは事業によって伴って排出される温室効果ガスの削減を目
指す計画には,先ほど申し上げました屋根貸しにつきましては 100パーセント売電なので,
事務事業編の効果としては載らないのですけれども,もう1つ,温暖化計画の中には市域
編というものがございまして,そこには地産地消に貢献するということで,今回の屋根貸
し事業の売電についても,効果としては併せて謳っていける予定と考えております。よろ
しいでしょうか。
齊藤会長
どうぞ。
近藤委員
大変重要な取組をされていると思います。2つほど教えていただきたいので
すけれども,1つは,大きく分けると空調機の交換と電気設備の更新,電気のLED化と
いうのがあると思うのですが,費用対効果という面でみたときに,どれが一番効果的かと
いうのをちょっと教えていただきたいのと,もう1つは,空調機器を交換した場合でも,
やはり部屋ごととかにきめ細かく運用の工夫をすることで,かなりエネルギーコストを下
げられると言いますし,あと自然換気等をどう活用していくか。そういう観点の取り組み
もされているかどうか。それをちょっと教えてください。
齊藤会長
お願いします。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
空調設備の費用対効果に
ついては,それぞれの施設の所管をするところでの検討ということになっております。我
々環境政策課として計画をまとめるところでは,費用のことまでは実際,全体的には調布
市の中で費用を考えるのですけれども,そこの費用については,主にこちらの方でアドバ
イスということはしていないのですが,当然,予算化という問題がありますので,最も費
用対効果がある設備を導入していくという考えで進めているというところがございます。
- 32 -
近藤委員
具体的な数字はわからないということですか。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
申し訳ございません。把
握していないということです。
近藤委員
空調システムの運用上,工夫をされているということですか。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
個室ごとに利用した方が
当然効果が高いものでございますので,全体的な空調よりも,部屋ごとにという考えをも
って進めているところではございますが,どうしても市役所の使い勝手ということ,大き
な部屋,間取りが大きいものがございますので,できる限り部分的には空調を使っていこ
うという考えはもっているものの,思うとおりに実際はいっていないというところが実情
ではございます。
近藤委員
わかりました。
齊藤会長
今の件ですけれども,うちの会社でも実はLEDに事務所はほとんど変えま
した。それによって何が減ったかというと,照明の電力も当然減るのですけれども,エア
コン,特に夏場のエアコンの使用量が,要するにスイッチをいつ頃から入れ始めたかとい
うと,1箇月くらいずれて使い始めると。要するに,蛍光灯は熱が出ないというけれども,
現実にやはり出るわけです。その辺が,蛍光灯ですと,一方で熱を出しながら,それをエ
アコンで冷ますということが現実に行われている。その辺の効果というのが,どのように
なるかわかりませんけれども,尐なくともエアコンを使用し始めた時期がずれたことは間
違いありませんので,そういうことも結構出てくるのかなと感じています。
はい。
中岡委員
一方,暖房の方は逆の効果が出てくるのです。
齊藤会長
そうですね。でも,暖房は暖めるだけだから。冷ます方は暖めて冷ますとい
う。
- 33 -
中岡委員
逆に暖めるというときに使うエネルギー量が減るわけです。ヒーターとして
考えるならば,ヒーターのそのままの暖める何ワットが何ワットの熱になるわけです。エ
アコンの場合にはコンプレッサーが入っているので,効率3倍になっているので,どちら
が得なのか,そこはすごく難しい計算になっています。
齊藤会長
わかりました。ありがとうございます。
はい。
高田副会長
中岡先生が初めにおっしゃられた,ごみ収集車の方は事業だから,ここに
は含めない。どこか別で評価されるのですか。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
計画の中には区域施策編
と事務事業編というのがございまして,事務事業編は市の所管する施設等が対象というこ
とでございますので,先ほど,民間の業者の車ということでございますから,事務事業編
では評価しないという内容でございます。
高田副会長
調布市で出てくる二酸化炭素に変わりはないので,どこか他のところ,こ
の委員会の中でどれくらい減ったとか,どういう政策があるということは伺えるのですか
という話です。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
もう1つの計画の区域施
策編というものがございまして,そちらについては5年ごとの見直しではないので,なか
なか報告をする機会がございませんが,市全体の CO 2の削減については,また機会を設
けて,こちらから報告させていただきたいと思います。
高田副会長
全体のごみの量を減らさないと,かなりな車が走っているでしょうし,普
通の収集車のほかに,ペットボトルとか,プラごみでも結構走っているので,そういうも
のも減らさないと,トータルの二酸化炭素は減らせないのではないかと思って伺いました。
- 34 -
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
なかなか調査方法が難し
くて,現在,私どもが区域施策編で把握している数値が,東京都の方で市町村で調べてい
るデータが2年遅れくらいで,調布市がどのくらい減ったかというのが出てくるのです。
そうすると,部分的に車でどのくらい減ったかというのは,車全体では出るのですが,今
の収集車両でどのくらい減ったかというのは,恐らく委託業者のガソリン使用料か何かで
換算しないとなかなか難しいところがございますので,わかる範囲では調査の方はさせて
いただきます。
高田副会長
ごみ焼却場での排出というのは,ここでは関係ないですか。事業ではない
ということですか。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
現在,組合の方で行って
おりますので,調布市としてのカウントはしてございません。
高田副会長
それもまた別の機会にということで。
環境政策課長補佐
はい。ふじみ衛生組合はふじみ衛生組合で独自に事務事業編を作る
予定になっておりますので,ふじみ衛生組合としての,またこの市と同じような自分たち
の事業の排出に関わる削減目標計画を今まさに作っている最中だと思います。
中岡会員
それには,ごみ収集車も入るのですか。
環境政策課長補佐
高田副会長
それはまた別となってしまうと思います。
何か全部縦割りになっていて,セクション,セクションでやっているので,
全部まとめてどうなのかという話。あと,それぞれのインタラクションもあるでしょうか
ら,それをまとめて評価とか,まとめて政策を作るというセクションがないとなかなか全
体として減るのか,増えるのか評価できないのではないでしょうか。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
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委託業者等も含めて,市
の行う事業ということでカウントするということであれば,分かりやすいのですが,計画
策定のルールというものがございますので,そこの部分を,国の方で変えていただくとか,
何か基準を決めていかないと,どこまでカウントして良いかということになります。参考
値として調査をするというのは市として可能だと思いますから,そのようなことであれば,
調査できる範囲では検討したいと思います。
齊藤会長
そうですね。せっかくここまでやるのだから,役所が絡んでいる事業全体と
して,多尐細かいズレはあるにしても,把握して,現実にどこが減らしているのか。減ら
していなければ,そこのところを多尐お願いする。要請するという形が必要なのだと思い
ますね。
中岡委員
例えば,ごみ収集車がどの程度の量なのか。おおよそで良いと思うのです。
それを例えば,収集車をハイブリッド化させることに補助金を出した方が効果があるのだ
ったらば,そういう話だって出てくるかと思うのです。おおよその把握ですよね。
齊藤会長
全体として把握しないと,個々のものだけではみえないですよね。全体が見
えないと。それは是非東京都とか国とか,いろいろ役所で決めたからということとは別に,
環境部として把握していただきたいということです。
高田副会長
役所とか,たづくりで,みんな寒い思いをしたり,暑い思いをしたりして
削減しても,それとは全然別のところでもっと削減できるところがあるなら,そっちをや
った方が良いということになると思うので,全体を見て,どこがどれくらい無駄なのかと
いうのを調べないとだめだと思うのです。
齊藤会長
奥委員
他にございますか。どうぞ。
調和小学校というのは,どうしてこんなに他の学校に比べて突出して排出量が
多いのでしょうか。都市ガスの使用量が多いですよね。
環境政策課環境保全係主任
室内プールを備えているので,多くなっています。
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奥委員
齊藤会長
室内プールがあるのですね。
はい。
環境政策課長補佐
市民向けの貸し出しをしているのです。したがって,学校の生徒だ
けに関わらず,授業に関わりない時間を使って,市民向けに,使用料を徴収してプール等
の貸し出しを行っているので,他の小学校と比べると,その分が大幅に増えてしまったと
いう形になります。
齊藤会長
それにしても若干,体育館プラス小学校より大幅に多いような気がするので
すけれども,細かいことは,他の小学校の個々の情報を出すとよくわかるのではないか。
関森委員
今の調和小学校のことに関連するのですけれども,あそこの学校は開かれた
学校ということで,やはり地域の方をどんどん入れてやっていらっしゃいますが,やはり
稼働率が多いのであれば,仕方がないなと思います。そこのところ,人数が尐なくてもプ
ールを常に動かしているのか,尐し気になりました。また違った分野かとも思いますが。
環境政策課長補佐
基本は総合体育館が持っている貸し出しのプールと運用基準は一緒
で,生活文化スポーツ部が所管をしているのですけれども,人が来ようが来るまいが,開
設日を規定して,そこにいつでも入れるように受け入れをしている。関森委員,おっしゃ
られたように,地域に開かれたPFIを活用した市として初めての公立学校に当たります
ので,図書館などを市民に開放したり,通常の公立直営運営の小学校とは諸々,地域連携
や市民貸し出しに関わる事業で大幅に使用量は高いというように認識しています。
齊藤会長
ありがとうございます。
この件についてはよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
よろしいようでしたら,それではこの件については終わらせていただきまして,次の4
番の環境基本計画の策定についてということで報告をお願いいたします。
- 37 -
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
環境政策課長の河西でご
ざいます。よろしくお願いいたします。
環境政策課環境保全係主査
環境政策課の志賀でございます。よろしくお願いします。
環境政策課環境保全係主任
環境政策課の倉林でございます。よろしくお願いします。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
着席にて説明させていた
だきます。
環境政策課環境保全係主査
それでは,調布市環境基本計画案について説明をさせて
いただきます。資料4-2「調布市環境基本計画(案)」をお願いします。
現在,御覧いただいております環境基本計画(案)については,1月20日(水)か
ら2月19日(金)まで,パブリック・コメント手続に付しており,内容については,
前回第2回の調布市環境保全審議会や第3回調布市環境基本計画策定委員会開催時等で
いただいた委員の皆様からの御意見を踏まえたものとなっており,第3回調布市環境基
本計画策定委員会の場において,パブリック・コメント実施前の最終案として承認をい
ただいたものとなっております。
それでは1枚おめくりいただきまして,目次を御覧ください。基本構成に変更はあり
ません。第1章から第3章と,第4章及び第5章の資料編という構成になっております。
パブリック・コメント用ということで,資料編については,環境指標一覧のみがついて
おります。
それでは章ごとに説明いたします。
第1章は,1ページから7ページになります。計画策定の背景,計画の概要を記載し
ています。社会情勢の変化を踏まえ,新たな視点を加え計画を策定したことを説明し,
計画の目的・役割・期間・対象範囲・位置付けを記載しています。
第2回保全審議会時の資料との比較では,大きな変更はございません。見易さ・文言
整理などをいたしました。
続いて第2章です。第2章は8ページから19ページになります。調布市が目指す環境
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の姿として,市の基本データや目指す環境の姿,次期環境基本計画の基本目標と施策体
系を記載しています。第2回策定時での資料から大きな変更はございません。なお,環
境基本計画策定委員会委員の方からいただいた御意見を踏まえまして,12ページの白四
角の枠で囲まれた計画の基本理念内の記載と13ページの白四角の枠で囲まれた目指す環
境の将来像内の記載については,記述内容の変更をして,地球環境の視点を取り入れた
ものとなっております。
続いて第3章です。20ページから69ページになります。調布市環境基本計画案の中で
は中心となる部分であり,環境の保全と創造に向けた施策として,5つの基本目標・
10の施策の方針・22の施策を掲げ,それぞれ個別の施策において現状・課題,課題に対
応するための施策の方向・取組内容を記載し,次ページに施策を実現するための事業及
び進捗状況を確認するための環境指標を記載しています。
第2回保全審議会時資料との比較ですが,委員の皆さまからいただいた御意見を基に,
「主な事業」や「指標」等への記載の修正・追加をさせていただいております。反映状
況については,後ほど資料4-3にて説明させていただきます。
それではここで,ある施策を例に見方等について説明させていただきます。20,21ペ
ージをお願いいたします。この見開きのページを一例として,説明させていただきます。
「3.1豊かな緑と水や多様な生物を育むまち」とあるのが基本目標,「1)緑と水の保全
・再生」とあるのが方針,
「①緑の保全」とあるのが,施策です。
「豊かな緑と水や多様な生物を育むまち」を実現するに当たっての現状及び課題を記
載しています。ここでは,豊かな自然環境に恵まれている調布でも,都市化や宅地化に
より緑が減ってきており,市内の緑を維持していくことが必要といった内容になってお
ります。
次に施策の方向性が書かれており,「緑を適切に維持管理し,保全していく」とし,そ
の下の施策・取組の内容では,黒四角の「調布を特徴づける緑の保全と維持管理の推進」
していくこと,黒四角「湧水・河川等の水辺環境との一体的な保全」を記載しています。更
に主な事業として,21ページ真ん中ほどにそれぞれの取組内容を具体化した主な事業を記載
しています。主な事業等を推進した成果を測定する手段として,環境指標を21ページ上段に
記載しています。例えば公共が保全する緑の面積について,平成26年度146.63ヘクタールと
なっているものを,平成37年度には149.85ヘクタールにしていくという目標を立てていま
す。なお,この指標の考え方等については,資料の最後から6枚分に資料編として掲載して
- 39 -
いますので,お時間のよろしい時に本編と併せて御覧いただけたらと思います。
21ページにお戻りください。一番下に当該施策についての「市民・市民団体・事業者等に
期待される役割」が出ております。
ページの構成は,以後の施策でも同じ作りとなっています。お時間よろしい時に御覧
いただけたらと思います。
続きまして第4章,重点プロジェクトの章です。70ページから79ページになります。
第3章の施策・事業のうち,70ページ中段に記載のプロジェクト選定の視点である「緊
急性・重要性の高い事業等」について横断的に串をとおし,73ページに記載の3つの重
点プロジェクトを定めました。
その重点プロジェクト,1つめは,調布の貴重な自然環境を守り,多種多様な生き物
の命の育みを守ることを目的とした「市民の心の安らぎ緑と水を守るプロジェクト」,2
つめは,省エネ・再エネ行動を積極的に実践し,エネルギー自立に向けた機運を高めて
いくことや,進行する地球温暖化・気候変動の適用への取組を目的とした「みんなで目
指す環境先進都市プロジェクト」
,3つめは,市が発信する環境情報を全ての人が,積極
的に共有し,環境教育・環境学習を通じて,全ての人が楽しみながら環境を学ぶことを
目的とした「みんなが主役
環境を学んで楽しむプロジェクト」です。具体的な事業に
ついては,74ページ以降の各重点プロジェクトのページの重点事業に,事業名称と内容
を記載しています。
最後に第5章です。第5章は80ページから83ページになります。この章では,計画の
推進として,推進体制や進行管理について記載をしています。市,市民,市民団体,事
業者といった主体がどのような役割を担い,策定された後の環境基本計画の着実な推進
を進めて行くかといったことや,取組の継続的な改善を図りつつ進行を管理していくと
いった内容が書かれています。
以上が「調布市環境基本計画(案)
」についての説明になります。
続いて,資料4-3「第2回環境保全審議会の委員からの主な御意見に対する(案)
への反映状況一覧」について説明をさせていただきます。
こちらの資料は第2回環境保全審議会開催時及び終了後にいただいた委員の皆様から
の主な御意見をまとめ,次期調布市環境基本計画案への反映状況について記載したもの
です。意見については,一部修正のうえ反映したものや現段階で反映が難しいものはそ
の理由を記載しています。ほとんどの御意見について,次期調布市環境基本計画案へ反
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映をしております。
資料中央部分が意見の内容です。二つ右側に反映状況を示しています。
それでは内容に入ります。まず始めに綾野委員からは施策の推進における広報の重要
性についての御意見をいただきました。御意見を踏まえ,今後事業展開をして参ります。
続いて岡部委員・奥委員その他委員の皆様から指標についての御意見をいただきました。
環境基本計画策定委員会からも指標について同様に御意見をいただきました。指標につ
いては,定量的なもので,努力の結果がよく見ることができるよう,成果指標を第一と
して,成果指標が立てられない項目については活動指標として,設定しました。なお,
指標の設定の有り方についても,御意見をいただきました。一例ですが,ここで調布市
環境基本計画(案)を再びお願いいたします。
40ページの環境指標。以前はここに,「情報提供による健康被害の防止」という指標が
入っておりました。現在はこのように環境基準を指標に取り組くんだものに改めました。
奥委員から「公害のない環境の維持」に係る環境指標を考える際に「健康被害の防止に
向けて情報提供」を行ったとしても,因果関係をとらえることや効果を把握することは
難しいのではないかという御意見をいただいたことを受けて改めたものです。それでは
資料4-3にお戻りいただきまして,ページ右下3分の1ページと記載がありますが,
おめくりいただきまして,3分の2ページをお願いします。齊藤会長からは,生物多様
性の保全・活用のところで,ゲンジボタルの養殖について御意見をいただきました。こ
ちらについては,在来種の保護及び特定外来生物の駆除の点から,事業名を「生態系の
維持・回復」に変更をいたしました。近藤委員からは,事業の推進や計画の進行管理に
ついての御意見をいただきました。御意見を踏まえ,事業の追加や文言記載の追加等を
しました。関森委員・高田副会長からは,ごみの減量化や適正処理等についての御意見
をいただきました。いただいた御意見を踏まえ,それぞれごみの発生・排出抑制に向け
た啓発や分別排出の適正化に向けて広報に努めて参ります。平田委員からは,「主な事業
と照らして効果の把握が難しい指標が設定されているのでは」という御意見をいただき
ました。こちらも先ほどの奥委員と同様に指標設定における妥当性についてものと考え
られます。再度検討しまして,主な事業に関連のある環境指標を再設定しました。増田
委員からは,環境教育の充実についての御意見をいただきました。環境基本計画策定委
員会でも同様の意見をいただきました。「学習指導要領に基づく環境教育の推進」という
踏み込んだ形で事業名の記載変更をいたしております。
- 41 -
それでは,
「今後のスケジュールについて」について,口頭で説明をさせていただきま
す。
1月20日(水)から始まったパブリック・コメント意見募集が開始していますが,期
間は2月19日(金)までの1箇月間となっています。なお,1月28日(木)には,調布
市環境基本計画(案)について,より多くの市民の方に,より良く理解していただくた
め,調布市環境基本計画(案)説明会を開催しました。当日は調布市環境基本計画
(案)や概要版の内容について,またパブリック・コメント意見募集についての説明を
しました。6人の御参加がありました。簡単ではございますが,この場にて御報告させ
ていただきます。
予定に戻りまして,パブリック・コメントの終了後ですが,パブリック・コメントを
踏まえた調布市環境基本計画(案)をもとに3月28日(月)に開催予定の第4回調布市
環境基本計画策定委員会で最終審議を行い,3月末に調布市環境計画を策定,4月に公
表という流れになります。
最後になりますが,資料4-4の「第3回調布市環境基本計画策定委員会の委員から
の主な御意見に対する(案)への反映状況一覧」についてですが,こちらの資料は御参
考資料として,お時間のよろしい時に御覧いただけたらと思います。
以上です。
齊藤会長
ありがとうございました。
これから御意見,御質問を受けるのですが,今日は9時半から始めましたのは,この会
場が12時までに完全にきれいにして返すということのようです。今,11時半ですから,11
時45分,あるいは50分には全てを終了したいと思いますので,まず御承知おきいただきた
いと思います。
それでは,この件について。
高田副会長
齊藤会長
これは最後の議題ですよね。
そうです。最初に委員として御参加いただいております高田副会長より,こ
の件についてお話をいただきたいと思います。
- 42 -
高田副会長
前回の審議会で出た意見が先ほどの資料4―3で,そこに反映されており
まして,その後,環境審議会の後に1回,計画策定委員会があって,そこで出た意見につ
いては,もう1つの参考資料,その後,出た意見については参考資料の方で書いてある意
見が出されて,それが反映された形でのパブリック・コメント用の原案にして,今日お配
りいただいた案になっているという理解ですね。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
追加で仕様を変更してい
るのが活動指標となっていた一番最初の21ページの崖線で保全活動を行う市民団体数とい
うところ,ここも団体数ではなくて,箇所ですね。市の方で,成果指標となるように,崖
線等で保全活動,市民と協働により保全を行う崖線の箇所数というような変更していると
ころが3箇所ほどございますが,それらの内容でとりまとめたものでございます。
高田副会長
基本的には,前回の審議会で出た意見は反映された形になっているかなと
思いますので,それのチェックを含めていろいろ見ていただいて,御意見をいただければ
よろしいかと思うのです。
齊藤会長
今お話がありましたように,審議会の委員,または審議会で出た意見につい
ては十分反映していただいているということでございますけれども,改めてまた御意見,
御質問があればお受けしたいと思います。
どうぞ。
中岡委員
前回お休みしてしまって申し訳なかったのですけれども,毎回,この会議で
出てくるのは教育との関係の話が出てくるかと思うのですが,増田委員からも教育との関
係を重視するということで御意見が出て,今回の重点プロジェクト,市民みんなで,みん
なが主役というような言葉になっていて,結局,ここで育つ子供たちが,このまちを愛し
てくれて,そして,その親たちが,良いところに住んでいるのだと思っていただいて,そ
こに手を差し伸べてくれることが大事ではないかと思う中で,ちょっと残念なのは,実施
体制のところに教育関係が入っていないのではないかと思って,これは何とか入れること
ができないのかと。アドバイザーでも何でも良いから,何らかの形で教育関係は入らない
のかなという感じがして,時間が経ってしまっていて,今こんなことを申し上げて大変申
- 43 -
し訳ないのですけれども,見えてこないと思います。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
80ページのところに推進
体制を書いております。下の市民活動団体のところには入っていないのですが,上の中央
くらいに調布市というところで書いてありまして,その中央に課の名前が書いていないの
ですが,これは環境調整協議会という庁内で行う調整があるのです。左側に環境調整協議
会と,各部会というのがございまして,この中に教育関係も入ってきますので,この中で
調整をさせていただくということです。
中岡委員
わかりました。メンバーに入っているのですね。
齊藤会長
多分,おっしゃっているのは,入っているかもしれないけれども,もっと積
極的に中に項目なり,章とまではいきませんけれども,きちんと明記してほしいと。では
いと,同じ入っていても,意識が薄くなってしまう。私の感覚ですよ。そういう意味で,
明確に謳ってほしいというのが中岡委員の気持ちだろうと思います。
中岡委員
実はそうです。関係各課というイメージは,教育の関係は入っていないとい
うイメージをもってしまうのです。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
もう1つ,66ページを開
いていただくと,非常にハードルが高かったのですが,66ページの主な事業というところ
が中間のところに書かれているので,その部分の担当課というところ,指導室。学校とい
う名称が入っていないのでわかりにくい。この指導室というのが教育関係でございまして,
ここでも加わっていただいたということでございます。教育とも連携を図りながら,子供
の環境の教育を進めていくということで理解を得ているところでございます。
高田副会長
計画策定委員会でも出たように思うのですけれども,教育委員会と市の立
場の兼ね合いということもあって,これくらいの表現になっているということでしたかね。
環境政策課長補佐
総合学習等を利用した環境学習の推進というのがそもそもの原案で
- 44 -
ございました。策定委員会の中には中教審の先生がおられまして,今は,やはり学習指導
要領を明確に小学校においても,中学校においても環境教育を実施する旨が規定されてい
るわけだから,総合学習にかかわらず,通常の授業時間の中を,全てを介して環境教育に,
学校に取り組ませるべきだということで御指摘いただきました。
そこで,教育長等々の調整を図る中で,今,私ども河西が66ページで説明しましたが,
その前のページの65ページで主に学校教育の取組内容。一番上段に記載しております学校
での環境教育の推進ということで,学習指導要領に基づき,理科,社会等全ての教科。こ
こに総合的な学習時間も含めて環境教育を推進しますということで,従前より,さらに一
歩踏み込んで環境教育に学校教育として取り組んでいただくように調整を図ったところで
ございます。
中岡会員
すみません,この一番上の項目は学習指導要領に載っている話なので,当た
り前の話なのです。今ここで議論するのは,このまちが,みんなでということを言ってい
る。そこの部分がこれでは表現されていない。その次の項目のところの地域での環境学習
の支援。これは,とても重要なところ,この問題に関係するところだと思うのですけれど
も,ここに実は学校教育関係の部分が入ってこなければいけないのではないかと思うので
す。結局,学習指導要領のところは,どこの学校だって,全国一律にやっている話であっ
て,特にここで目標にしているものを取り上げる必要はない部分ですよね。
齊藤会長
どうぞ。
環境政策課長補佐
それは確かにおっしゃるとおりですけれども,それを書くこと自体
も今まではできていなかったということで,確かに大きな壁が教育委員会側とあるのは事
実です。まずは,当たり前のことですけれども,当たり前のことを当たり前のこととして
きっちりやっていただくということを積極的にアピールしていただく。今まで指導要領自
体に規定されていること自体,御認識されていない方もいらっしゃいましたので,こうい
う書き方をまずはさせていただいたというところです。
齊藤会長
多分,章立てのところで,最初の目次のところ,「みんなの力で」の2番。
3.5の2)環境活動を担う人材の育成というところがあるのですけれども,ここのとこ
- 45 -
ろに要するに環境教育だということをきちんと打ち出せば,もう尐しわかりやすいのです。
これが曖昧なのです。どんな人材なのかということが幅広いといえば幅広いのですけれど
も,どこかで環境教育という言葉が目次のところに出てくるということが大事なのだろう
と思います。中身はそれなりに書かれているとしてもですよ。
環境部副参事(環境政策担当)兼環境政策課長(事務取扱)
73ページのところです。
追加いたしまして,基本的な構成や事業が出てくるようにしているのですが,あと,基本
的に一足飛びに何かできるというものではないので,例えば,63ページも,実施されてい
る環境学習や環境教育の実態の把握というのが主な事業の1つ目の一番最後のところに書
かれている。この辺りから進めていかないと,なかなかすぐに学校を巻き込んでというこ
とができないので,こういう基本的な内容から調布市みんなで取り組んで行く考えをもっ
ています。こちら,プロジェクトの方には,この内容が盛り込まれるような形での記載を
考えています。
中岡委員
すごく大変だと思うのですけれども,一歩一歩進んでいただければと思いま
す。
環境政策課長補佐
中学生については,先生おっしゃられるとおり,次代を担う子供た
ちとして,調布の環境に大きく影響を,大きく貢献してくれる可能性がある世代として,
既に資料配付をさせていただきましたが,中学2年生をターゲットとしたアンケート調査
を実施させていただきました。学校での環境教育の状況や,日頃の環境に接している状況
等を,そのアンケート調査結果を分析する中で,必要とする課題認識はもっているものの,
なかなか自分たちのところに行政等が発信する情報は届いていないというのが,このアン
ケート調査結果から導き出された1つの課題点として認識できました。
それらを踏まえて,63ページ。先ほど副参事が説明したところですけれども,主な事業
の黒四角の2番目に中学生版「ちょうふ環境にゅ~す」。これは既に環境政策課において
は年4回,一般市民向け等に発行している環境にかかわるニュースですけれども,尐し子
供向けにターゲットを絞ったニュースを発行して,課題認識等をより強く認識してもらっ
て,将来に必要とされる情報を,学校教育以外からでも行政側,市長部局側から子供たち
に伝えていきたいということで,新たな事業を立ち上げたいというように考えて,ここに
- 46 -
も載せた次第です。
齊藤会長
奥委員
齊藤会長
奥委員
どうぞ。
すみません,時間は大丈夫でしょうか。
大丈夫です。
尐し細かいところも含めて4点ございます。
まず1ページの「社会情勢の変化」の下の図ですが,今日の社会情勢の下の最初の黒丸
経済・環境の成熟化というのがありますが,環境の成熟化と言いますかね。社会経済の成
熟化とは言いますけれども,環境の成熟化とは言わないので,そこを直していただいた方
が良いかなというのが1点目です。
あと,21ページですが,環境指標の2つ目の公共が保全する緑の面積というのがござい
ますが,公共の意味するところがどこまでなのか。市なのか,もしくは都も含めた,いわ
ゆる法的な機関を意味するのか。指標として位置付けるのであれば,しっかりと意味内容
を明確化していただく必要があるかなというのが2点目です。
それと同じページの主な事業の最初の黒四角の中の白丸の一番下,開発事業指導要綱に
基づく緑化の強化とありますが,要綱に基づく緑化の強化という表現がいかがなものかと
思いまして,つまり1990年代以降,特に要綱行政の問題が指摘されて,要綱ではなくて,
できるだけ条例に基づいて指導を含めてやっていくべきだという流れで今までも来ていま
すので,要綱は要綱でもちろん存在意義はあるのですけれども,強化するのであれば,要
綱はあくまでも行政の内部指針ですので,強制力はないので,何をどう要綱に基づいて強
化していくのか。これも中身がわかりませんし,要綱に基づくという表現がどうかなとい
うのは慎重に検討していただいた方が良いかなと思います。他のところを見ると条例に基
づく。条例はそれに基づいて良いと思うのですが,要綱を前面に出すのはどうかと思うの
です。
あと,最後の点ですが,43ページの主な事業の一番下の白丸です。これは家庭の生活雑
排水対策についてですが,下水の高度処理化に向けた働きかけというのは,どういうこと
なのでしょう。家庭に向けて働きかけるということでしょうか。尐しよくわからないので
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お伺いします。
齊藤会長
下水道課さん。
下水道課長
これは,都の方に向けて高度処理の推進を図っていただきたいという働き
かけをするということです。
奥委員
都に対しての働きかけですね。これですと,家庭に向けてみたいにも読めます
から,いずれにしても意味内容が,誰に対して何をするのかがわかるように記載していた
だきたいということです。
以上です。
齊藤会長
下水道課長
齊藤会長
よろしいですね。
ありがとうございます。
それでは,ちょうど45分で時間になったのですけれども。
環境政策課長補佐
皆様に御確認していただきたいことが1点ございます。この冊子の
最後,資料の参考編には今,環境指標の一覧しか載せていないのですけれども,この策定
に携わった策定委員会委員及び環境保全審議会委員の皆様のお名前を載せさせていただき
たいと考えております。現行案を今,配付させていただきますので,特に環境保全審議会
につきましては,10期と11期の2箇年で環境基本計画策定に係る御意見等を頂戴して参り
ました。
したがいまして,10期の委員の方,基本的には齊藤会長から,大事な環境基本計画の策
定に当たるので,皆さん,引き続き11期をお願いしたいということをおっしゃっていただ
き,大体の方が継続してという形になっている訳ですが,計画策定体制92ページの(2)と9
3ページの第11期の委員の指名をさせていただいてよろしいでしょうかというところで,
所属,役職名,区分については選出区分ですけれども,特に所属,役職等に誤り等がない
か御確認をしていただければ幸いでございます。
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齊藤会長
よろしいでしょうか。はい。
平田委員
すみません,簡単なことなので最後に一言だけお伝えさせてください。例え
ば,8ページの図のように図がクリアではないところがあるようですので,今から写真な
ど差し入れされるようなので,そのときに差し換えをしていただいた方が良いと思います。
以上です。
齊藤会長
それでは,大体時間も参りましたので,今年度はこれで最後ということです
ね。長時間に渡りましてありがとうございました。
特に,この基本計画については,教育委員会との関係について,大きく取り上げられま
したので,今ちょっとお話をしていたのですけれども,防災教育の日というのがあるくら
いですから,環境教育の日というのを打ち上げるくらいのつもりでやっていただいて良い
のではないか。そのように議論を聞いていて思いました。
いずれにしても,よろしくお願いします。
では,最後に高田副会長から。
高田副会長
もう時間もないので,朝早くから長時間いろいろ意見を出していただいて
ありがとうございます。可能な限りいろいろ反映させていただければと思います。どうも
お疲れ様でした。
事務局
すみません,事務局から2点ばかり事務連絡です。1月22日付けで平成27年度
の源泉徴収票を皆様方にお送りしております。もしお手元に届いていない方,内容に誤り
がありましたら,本日,会議終了後に事務局までお申し出いただければ幸いでございます。
増田委員については他課から発送,奥委員につきましては政策企画課分の報酬も含めて
環境政策課から発送しております。
2点目でございますが,本年度最後の保全審議会となりました。平成28年度につきまし
ては従前どおり,現在,7月頃の開催を予定しております。また,開催日時が近づきまし
たら,委員の皆様にメール等で日程調整をさせていただきたいと思いますので,よろしく
お願いいたします。
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以上でございます。
齊藤会長
どうもありがとうございました。
――了――
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