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早期胃癌による pulmonary tumor thrombotic

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早期胃癌による pulmonary tumor thrombotic
122
日呼吸会誌
49(2)
,2011.
●症 例
早期胃癌による pulmonary tumor thrombotic microangiopathy(PTTM)の 1 例
安井 秀樹1)
赤松 泰介1)
中村祐太郎1)
乾
直輝1)
須田 隆文1)
千田 金吾1)
目黒 史織2)
馬場
聡2)
要旨:症例は 56 歳の男性,咳嗽と呼吸困難を主訴に来院した.入院時に著明な低酸素血症があり,胸部単
純 X 線写真にて,肺動脈陰影の増強,心エコーでは右心系の拡大がみられ,肺血流シンチグラムにて多発
性の欠損像を認めた.造影 CT では肺動脈内に明らかな血栓は確認されず,縦隔肺門リンパ節の著明な腫大
が確認され,腫瘍塞栓による肺性心が疑われた.左頸部のリンパ節生検にて印環細胞癌成分を含む転移性腺
癌が検出され,原発巣は不明であったが腫瘍塞栓と診断,全身化学療法を実施した.しかしその後も呼吸不
全は悪化し,入院第 3 病日に死亡した.剖検を行ったところ,肉眼的には明らかな原発巣は確認できなかっ
たが,顕微鏡的検索にて早期胃癌が確認された.また肺動脈の病理所見は pulmonary tumor thrombotic microangiopathy(以下 PTTM)に一致する所見であった.PTTM は悪性腫瘍の合併症として比較的まれな病
態であり,早期胃癌に伴う PTTM の報告は検索上なく,貴重な症例と考え報告する.
キーワード:急性呼吸不全,肺腫瘍塞栓,PTTM,肺性心,早期胃癌
Acute respiratory failure,Plumonary tumor embolism,
Pulmonary tumor thrombotic microangiopathy,Cor pulmonale,Early gastric cancer
緒
既往歴:51 歳
言
虫垂炎手術.
家族歴:特記事項なし.
悪性腫瘍は様々な様式で肺に転移巣を形成する.その
中でも,pulmonary tumor thrombotic microangiopathy
(以下 PTTM)といわれる小動脈の内膜肥厚が主体の肺
腫瘍塞栓症はまれである.PTTM は癌患者の剖検例の
1)
喫煙歴:既喫煙者
20 本 5 年間.
職業歴:会社経営,粉塵吸入歴なし.
ペット:なし.
家屋:木造築 15 年風通し,日当たり良好.
3.3% にみられたという報告があり ,胃癌での報告が最
現病歴:平成 21 年 3 月より乾性咳嗽が出現,改善乏
も多い.本症例では生前には原発巣ははっきりせず,剖
しいため 4 月近医を受診した.胸部 X 線上明らかな異
検まで実施し,肉眼的にも原発巣ははっきりしなかった
常なく,咳喘息に準じて気管支拡張薬や吸入ステロイド
が,胃を全割しての顕微鏡的検索の結果,粘膜内にとど
による治療を行ったが改善は乏しかった.7 月に入り体
まる早期胃癌が確認された.胃癌の組織型は印環細胞癌
重減少も目立ち,3 カ月で 9kg の体重減少を自覚し,近
成分が優勢の低分化型腺癌であり,肺動脈内や頸部リン
医で胃カメラを行ったが,有意な所見はみられなかった.
パ節と基本的に同様な組織形態であることから,早期胃
労作時の呼吸困難も出現するようになり,7 月中旬には
癌による PTTM と考えられた.早期胃癌による PTTM
軽労作も難しくなり,その後安静時の呼吸困難も出現し,
の報告は検索上今までになく,貴重な症例と考えここに
食事摂取も難しくなり当科受診した.
報告する.
入院時現 症:体 温 36.7℃,血 圧 110!
80mmHg,脈 拍
症
例
111!
分,呼吸回数 32!
分,酸素飽和度 88%(室内気吸入
下)と頻脈,頻呼吸と低酸素血症を認めた.眼瞼結膜貧
症例:56 歳,男性.
血なし,眼球結膜黄疸なし,末梢浮腫はみられなかった
主訴:咳嗽,呼吸困難,体重減少.
が,末梢冷感がみられた.弾性硬で圧痛のない 2cm 大
の左頸部リンパ節腫大あり,胸部聴診上明らかなラ音な
〒431―3192 静岡県浜松市東区半田山一丁目 20 番 1 号
1)
浜松医科大学呼吸器内科
2)
同 附属病院病理部
(受付日平成 22 年 7 月 7 日)
く,心雑音もみられなかった.
入院時検査所見(Table 1)
:ヘモグロビン 11.4g!
dl と
貧血あり,血小板も 8.1 万と低値であった.LDH が 484
IU!
l,AST62IU!
l と 高 値 で あ り,ALP が 1,520IU!
lと
早期胃癌による PTTM の 1 例
123
Table 1 Laboratory findings on admission
[Haematology]
WBC
8,500/μl
RBC
408×104/μl
Hb
11.4 g/dl
Plt
8.1×104/μl
[Biochemistry]
Na
135 mEq/l
K
4.3 mEq/l
Cl
100 mEq/l
Ca
8.4 mg/l
BUN
13.2 mg/dl
Cre
0.68 mg/dl
T.Bil
1.9 mg/dl
LDH
484 IU/l
AST
62 IU/l
ALT
45 IU/l
CPK
155 U/l
ALP
γGTP
ChE
TP
Alb
[Serology]
CRP
BNP
[Coagulation]
PT
PT-INR
aPTT
FBG
D-dimer
1,520
261
273
7.1
3.8
IU/l
IU/l
IU/l
g/dl
g/dl
1.34 mg/dl
490 pg/ml
78%
1.09
92%
160 mg/dl
18.5 μg/dl
Fig. 1 Chest radiograph on admission shows cardiomegaly and enhancement of pulmonary artery opacities.
[tumor marker]
CEA
CA19-9
SCC
CYFRA
proGRP
sIL-2R
35.7
1,179
7.9
6.8
20.6
800
ng/ml
U/ml
ng/ml
ng/ml
pg/ml
IU/l
[Arterial blood gas analysis (room air)]
pH
7.502
26.7 Torr
PaCO2
54.4 Torr
PaO2
20.4 mmol/l
HCO3−
B.E.
−1.6 mmol/l
Fig. 2 Enhanced CT shows swelling of the mediastinum and hilar lymph nodes, but no apparent thrombi in the pulmonary arteries.
の呼吸性変動は消失していた.
入院時画像所見(Fig. 1)
:胸部 X 線では CTR が 60%
異 常 高 値 で あ っ た.NT-pro BNP が 4,771pg!
ml,BNP
が 490pg!
ml と心負荷所見がみられた.凝固系ではフィ
と心拡大あり,両側肺門リンパ節の腫大がみられた.
入院後経過:入院時低酸素血症の存在と右心負荷所
ブリノゲンが 160mg!
dl と低値で D ダイマーが 18.5μg!
見,D ダイマーの上昇からは肺動脈血栓塞栓症が考えら
dl と高値であった.室内気吸入下の動脈血液ガス分析
れた.しかし造影 CT(Fig. 2)では肺動脈内には明ら
で は PaO2 54.4Torr と 低 酸 素 血 症 が あ り,pH 7.502,
かな血栓の存在なく,左頸部,両側肺門,縦隔リンパ節,
PaCO2 26.7Torr と呼吸性のアルカローシスによるアル
腹部の傍大動脈リンパ節腫大がみられた.肺野条件(Fig.
カレミアが存在していた.腫瘍マーカーでは CEA と
3)では肺動脈の軽度拡張とびまん性の粒状陰影がみら
CA19-9,SCC,シフラの上昇がみられた.心電図上は
れた.肺動脈血栓塞栓症は否定的であり,リンパ節腫大
V1 から V3 に陰性 T 波が存在しており,心臓超音波検
と肺血流シンチ(Fig. 4)での多発性の欠損像からは mi-
査では右心系の拡大と左室圧排像があり,推定右室圧は
croangiopathy の存在が示唆された.診断確定のため体
52mmHg と著明な右心負荷が存在しており,下大静脈
表から触知可能な左頸部リンパ節の生検(Fig. 5)を実
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日呼吸会誌
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,2011.
Fig. 4 Pulmonary blood flow scintigraphy shows multiple defects.
Fig. 3 CT shows small nodules (arrow head) and septal wall thickening (arrow).
Fig. 5 Biopsy of a lymph node in the left side of the neck. (a) Low-power view showing atypical cell proliferation mainly in the dilated lymph sinuses (Hematoxylin-eosin [H.E.] stain, ×10). (b) High-power view
exhibits poorly differentiated adenocarcinoma cells, including some signet-ring cells (H.E. stain, ×40). (c)
Some tumor cells contained PAS-positive mucin in the cytoplasm (PAS, ×40). (d―f) Immunohistochemical staining for mucin core proteins (×40). Most tumor cells were negatively stained with MUC-1 (d)
and MUC-2 (e) but positively stained with MUC-5AC (f).
早期胃癌による PTTM の 1 例
Fig. 6 Autopsy findings of the lung. (a) Fibrocellular
intimal proliferation with tumor embolism (arrow
head and inset) and recanalization were observed in
the small arteries (H.E., ×10). Involvement of the tumor cells in the periarterial lymphatic vessels was
also frequently observed (arrows). (b) Another representative lesion similar to (a) (H.E., ×20).
125
Fig. 7 Autopsy findings of the stomach. (a) Intermediate-power magnification of the gastric mucosa
showing scattered tumor cells infiltrating the superficial lamina propria and admixed chronic inflammatory infiltrates (H.E., ×20). (b) High-power view
shows signet-ring cell-type adenocarcinoma (H.E.,
×40).
深い観察にも関わらず肉眼的に原発巣を疑うような腫瘤
施,PAS 陽性粘液を有した印環細胞癌成分を含む低分
は見出されなかった.心臓は右心系の拡大を認め,肝臓
化腺癌の転移が確認された.免疫組織化学的にサイトケ
はうっ血所見がみられた.胸腰椎には造骨性の癌の骨転
ラ チ ン・パ タ ー ン は CK7(+)!
CK20(+)型 で,粘
移が多発性に存在していた.肺は重量が左 440g,右 520
液コア蛋白の形質は主に MUC-1(−)
,MUC-2(−)
,
g で,中枢肺動脈内には血栓や腫瘍は存在していなかっ
MUC-5AC(+)の胃腺窩上皮型であった.その他にも
たが,割面上は肺実質に散在性に白色顆粒状の病変を認
多数のマーカーを用いた免疫組織化学的検討の結果,大
め,顕微鏡的には多数の細動脈内に器質化血栓ならびに
腸腺癌,前立腺癌,肺癌腺癌などは可能性が低く,胃癌
腫瘍塞栓と細動脈の内膜肥厚がみられた(Fig. 6)
.観察
もしくは膵・胆管癌などが疑われた.しかし,全身の CT
された癌の組織形態および免疫組織化学的形質は,基本
を撮影したが明らかな原発巣ははっきりせず,上部消化
的に頸部リンパ節生検のものと同一であった.
管に関しても入院 1 月前に胃カメラを近医で実施してい
一通りの剖検検索では原発巣ははっきりしなかった
たが,異常所見はみられなかったことから原発不明の低
が,PTTM は胃癌での報告が多数を占めていること,
分化型腺癌に伴う腫瘍塞栓と判断した.低酸素血症は入
および癌の組織形態および免疫組織化学的形質型も胃癌
院後もさらに悪化,入院第 2 病日より原発不明癌に準じ
に矛盾しないことから,胃全体を細かく全割して組織標
て CBDCA と PTX による全身化学療法を開始した.し
本とし追加検討を行なったところ,胃粘膜に印環細胞癌
かしその後も低酸素血症は悪化,入院第 3 病日に軽労作
成分を主体とした低分化型腺癌が確認された(Fig. 7)
.
後に心肺停止をきたし,心肺蘇生を開始した.約 1 時間
検索の限りでは粘膜内に限局した平坦病変(深達度 pM,
におよぶ心肺蘇生においても心拍の再開なく,死亡確認
最大径 15mm)で,いわゆる“悪性サイクル”を示唆す
を行った.
るような潰瘍や瘢痕はなく,脈管侵襲像もはっきりしな
剖検では,胃や胆囊,膵臓を含め全身諸臓器には注意
かった.しかし,癌の形態と形質が生検や肺病変と同様
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日呼吸会誌
であり,他に原発巣がみられないことから,この早期胃
癌が肺血管を中心に転移したと考えざるを得ないと結論
づけられた.
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,2011.
させると考えられている10).
胃癌取扱い規約において,早期胃癌とはリンパ節転移
の有無に関わらず,病変が粘膜下層にとどまるものと定
考
義されている.早期胃癌で特に病変が粘膜内にとどまる
察
ものであれば,リンパ節転移の頻度は 3% と低値であ
悪性腫瘍に伴う肺腫瘍塞栓症は,固形悪性腫瘍患者の
り11),通常内視鏡的な粘膜切除術の適応となるが,印環
剖検例の 2.4∼26% に認められ2)3),うち腫瘍塞栓が直接
細胞癌などの低分化なものではより早期にリンパ行性に
4)
死因となる場合は 2.8% と報告されている .Pulmonary
転移している可能性があり,本例のような PTTM とい
tumor thrombotic microangiopathy(PTTM)は,1990
う病態をきたしてもおかしくないと考えられる.本例は
年に Herbay らが確立した疾患概念であり肺動脈腫瘍塞
早期胃癌という特殊な症例であり,入院 1 月前の胃カメ
栓症の特殊な型として位置づけられている1).PTTM の
ラでも所見がなく発見は困難であったが,早期の発見に
組織学的な特徴としては細動脈の線維性の内膜肥厚が挙
て化学療法により症状や胸部 CT 所見が消失した胃癌に
げられる.3,300 例の連続する固形癌患者の剖検所見に
よる PTTM 症例の報告もあり12),原因不明の慢性咳嗽
おいて 21 例で PTTM が存在していたと報告されてお
患者で肺野に多発性の粒状陰影をみたときには PTTM
り,本邦の報告では 318 剖検例中 3 例(0.9%)が PTTM
を鑑別に挙げ,造影 CT,胃カメラや PET をより早期
5)
と診断されている .胃癌での報告が最も多く,その他
に行うべきであると考えられた.
乳癌,膵臓癌,胆囊癌などでの報告がある.PTTM は
参考文献
進行性の呼吸困難を主訴とすることが多く,本例のよう
に胸痛や咳嗽,倦怠感,体重減少を伴うことが多い.亜
1)Von Herbay A, Illes A, Waldherr R, et al. Pulmonary
急性から急性に進行し,肺高血圧から右心不全を呈し,
tumor thrombotic microangiopathy with pulmonary
突然死をきたすことが多く生前診断が難しく,剖検での
診断がほとんどである.本例においても生前には頸部リ
ンパ節生検の結果から原発不明の低分化型腺癌による
PTTM であることが推定されたが,生前での確定診断
は得られていない.原発不明癌は病歴聴取や詳細な診察,
追加検査などで原発巣がはっきりしないもので,固形癌
全体の 2.3∼4.2% を占める6).過去に原発不明癌による
PTTM の報告は Seppala N らと櫨木らの報告がある7)8).
hypertension. Cancer 1990 ; 66 : 587―592.
2)Kane RD, Hawkins HK, Miller JA, et al. Microscopic
pulmonary tumor emboli associated with dyspnea.
Cancer 1975 ; 36 : 1473―1482.
3)Winterbauer RH, Elfenbein IB, Ball WC Jr. Incidence and clinical significance of tumor embolization to the lung. Am J Med 1968 ; 45 : 271―290.
4)Bassiri TC, Ng FH, Chow KC, et al. Am J Respir Crit
Care Med 1997 ; 155 : 2089―2095.
Critical Reviews in Oncology!
Hematology における原発
5)田村厚久,松原 修.肺動脈腫瘍塞栓症:臨床像と
不明癌のガイドラインでは本例は unfavorable group に
病理所見の関係について.日胸疾患会誌 1993 ; 31 :
属し,治療法としては明確なエビデンスは存在しないが,
1269―1278.
タキサン系抗癌剤と白金製剤の併用療法が推奨されてお
6)Krementz ET, Cerise EJ, Foster DS, et al. Metasta-
り本例では CBDCA と PTX による全身化学療法を開始
ses of undetermined source. Curr Probl Cancer
9)
した .化学療法を開始したが,化学療法開始翌日の入
院第 3 病日に死亡した.剖検における肉眼的な観察と通
常の組織学的検索では諸臓器に原発を示唆する所見は見
られなかったが,胃に関しては過去の報告で 胃 癌 が
PTTM の多数を占めることから,念のため更に細かな
追加切り出しを行った.その結果胃粘膜に低分化型腺癌
1979 ; 4 : 4―37.
7)Seppala N, Cala A, Klebe S. Unusual presentation of
pulmonary tumor thrombotic microangiopathy with
no detectable primary tumor. J Postgrad Med 2009 ;
55 : 38―40.
8)櫨木暢子,小林和幸,山本正嗣,他.原発不明癌に
よる Pulmonary tumor thrombotic microangiopathy
が発見された.粘膜内にとどまる早期胃癌相当の癌であ
の 1 症例.日本呼吸会誌 2009 ; 47 : 1030―1035.
るが,肺動脈内や頸部リンパ節と同様の組織形態と免疫
9)Pavlidis N, Fizazi K. Carcinoma of unknown pri-
組織化学的形質を有しており,その他には原発を示唆す
mary (CUP). Critical Reviews in Oncology!
Hematol-
る病変は発見されず,早期胃癌による PTTM と考えら
ogy 2009 ; 69 : 271―278.
れた.PTTM は単純な腫瘍による血管閉塞だけではな
10)Sakashita K, Yokose C, Fujii K, et al. Pulmonary tu-
く,凝固システムを活性化し,tissue factor や serotonin
mor thrombotic microangiopathy resulting from
などの炎症性のメディエーターを放出し,微小血栓形成
metastatic signet ring cell carcinoma of the stom-
や細動脈の線維性内膜肥厚をもたらし,肺高血圧を進行
ach. Pathol Int 2007 ; 57 : 383―387.
早期胃癌による PTTM の 1 例
11)Ono H. Early gastric cancer : diagnosis, pathology,
127
12)Miyano S, Izumi S, Takeda Y. Journal of Clinical On-
treatment techniques and treatment outcomes. Eur
cology 2007 ; 25 : 597―599.
J Gastroenterol Hepatol 2006 ; 18 : 863―866.
Abstract
A case of pulmonary tumor thrombotic microangiopathy induced by early gastric cancer
Hideki Yasui1), Taisuke Akamatsu1), Yutarou Nakamura1), Naoki Inui1), Takafumi Suda1),
Kingo Chida1), Shiori Meguro2)and Satoshi Baba2)
1)
Department of Respiratory Medicine, Hamamatsu University School of Medicine,
Hamamatsu University Hospital
2)
Department of Diagnostic Pathology, Hamamatsu University Hospital,
Hamamatsu University School of Medicine
A 56-year-old man with chief complaints of dry cough and dyspnea was admitted. He had severe hypoxemia,
and his chest radiographs showed enhancement of pulmonary artery opacities with multiple defects on pulmonary blood flow scintigraphy. Enhanced computed tomography (CT) revealed swelling of the mediastinum and hilar lymph nodes, but no apparent thrombi in the pulmonary arteries was seen. A biopsy specimen of a left neck
lymph node showed poorly differentiated adenocarcinoma, including signet-ring cell carcinoma components, but
the origin was unclear. Despite receiving chemotherapy, his respiratory condition worsened, and he died 3 days
after admission. Routine autopsy failed to clarify the tumor origin, but a detailed dissection of specimens confirmed early gastric cancer. Additionally, pathology of the pulmonary arteries was compatible with pulmonary tumor thrombotic microangiopathy (PTTM). PTTM is a rare condition characterized by the presence of diffuse
thrombotic microthrombi and fibrocellular intimal proliferation in the pulmonary vasculature. Accompanied with
early gastric cancer, this is an extremely rare but important case of PTTM.
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