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南アルプス通信・第12号(2010年2月1日)

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南アルプス通信・第12号(2010年2月1日)
南アルプス通信
第 12 号
2010.02.01
この通信は、南アルプスの素晴らしさをより多くの方に知っていただくため、南アルプスの世界
自然遺産登録を目指す「南アルプス世界自然遺産登録推進協議会」が作成・発行するものです。
協議会の活動をはじめ、南アルプスの有する様々な魅力をお伝えしていきます。
新府桃源郷から鳳凰三山を望む
TOPICS
○韮崎市と南アルプス
○南アルプスシンポジウムを開催します
○耳より情報!
○構成市町村イベント情報
韮崎市と南アルプス
昭和46年(1971)3月21日、深田久弥は茅ケ岳
(標高 1704m)の山頂まであと一息の稜線上にいた。
時計を見ると午前10時55分。ここから山頂までは尾
根ぞいの岩だらけの急坂をもう30分ほど登るだけで
ある。
(中略)20分ほど休んで7名は再び腰を上げた。
(中略)登りはじめて50m ほど進んだあたりで最後尾
にいた山村が、すぐ前をいく深田に声をかけた。
「このへんは5月の終わりにはもうイワカガミが咲く
んですよ」
(中略)深田はふと足をとめた。
「それはきれ
いだろうね」次の瞬間、深田はスリップしたようによろ
け、左肩を下に、顔を地面に打ちつけるようにして倒れ
こんだ。「先生!」背後から山村が慌てて声をかけた。
顔をのぞきこむと深田はふうふうと口から大きく息を
吐いている。これは脳溢血ではないか。(中略)時計を
見ると11時23分だった。(中略)心臓の鼓動が止っ
て、3月21日午後1時、深田君は還らぬ人となった。
『百名山の人
深田久弥伝』(田澤拓也著/角川書店発行)より引用
日本の山岳史に多大な功績と足跡を残された『日本百
名山』の著者であり、登山家の深田久弥氏は、韮崎市・
北杜市・甲斐市にまたがる茅ケ岳で急逝されました。
韮崎市では氏の遺徳を偲び、10回忌にあたる昭和5
6年、当地に深田記念公園を設置。氏の直筆である『百
の頂に百の喜びあり』を刻んだ記念碑を建立し、以来、
毎年4月の第3日曜日に「深田祭」を開催しています。
因みに日本百名山には、南アルプスから甲斐駒ケ岳・
仙丈ケ岳・鳳凰(三)山・北岳・間ノ岳・塩見岳・悪沢
岳・赤石岳・聖岳・光岳の10峰が選定されています。
茅ケ岳(かやがたけ):山梨百名山
茅ケ岳は南の茅ケ岳(1704m)、北の金ケ岳(1764m)
の2峰からなり、山頂からは金峰山をはじめとする奥秩父の
山々、八ケ岳、南アルプス、富士山と、360°の大パノラマ
が望めます。山容が八ヶ岳によく似ていることから「にせ八
ツ」との異名がありますが、深田久弥氏終焉の山として全国
各地から多くの登山家が訪れています。
南アルプスをはじめ、日本の山岳史に多大な功績を残された、
韮崎市にゆかりのある偉大な先人を紹介します。
平賀文男氏(雅号月兎=がごうげっと)は1895
年、穂坂村(現在の韮崎市穂坂町)に生まれ、196
4年に69歳の生涯を閉じた。早稲田大学政治経済学
部を卒業後、村長・県議会議員等を歴任し、一方で登
山家としても名を成した。白馬岳へ登ったことがきっ
かけとなり登山を始め、南アルプス・北アルプス等へ
も他に先駆けて登頂している。南アルプスを特に愛し、
著作を多く残している。1925年3月、第三高等学
校(現京都大学)の西堀栄三郎、桑原武男らと北岳の
積雪期初登頂を争い、6日の遅れをとったが、甲斐駒
ケ岳の積雪期初登頂を果たしている。県内山岳会の草
分けであると同時に、指導的役割を担い、甲斐山岳会
や白鳳会の発会に尽力した。
平賀氏の著書『赤石渓谷』は70年以上も前の紀行
文であるが、南アルプス深南部の山々が、すでに大正
末期には近代登山の対象として登られている。
その他、『日本南アルプスと甲斐の山旅』『日本南ア
ルプス』
『南アルプスと其渓谷』など、南アルプスに関
する著書に加え、山と渓谷など数多くの山岳誌に南ア
ルプスの紀行文が掲載されている。平賀氏が南アルプ
スの父と呼ばれる由縁である。(資料:白鳳8号)
山梨県連絡協議会活動
※「山梨県連絡協議会」は、韮崎市・南アルプス市・北杜市・早川
町の4市町で構成されており、それぞれが連携して南アルプスの世
界自然遺産登録を目指しています。
南アルプスシンポジウム を開 催します
南アルプスの貴重な動植物を守り、未来に残していくため、南アルプスが有する希少な生物資源を生物圏
保存地域に登録し、その資源価値を証明するなかで、南アルプスにおける自然保護の保全対策を充実・強化
し、生物資源の分野に関する新たな可能性を探るとともに、南アルプスの素晴らしさを多くの皆さんに理解
していただくことを目的に開催します。
1.開催日 平成22年2月14日(日)午後1時∼ ※入場無料(お申し込み不要)
2.会 場 南アルプス市櫛形生涯学習センター(山梨県南アルプス市小笠原 1061-1)
■基調講演:南アルプスのユネスコ『人間と生物圏』(MAB)プログラムへの登録に向けて
講師:松田裕之氏(横浜国立大学教授・日本ユネスコ国内委員会調査委員)
■パネルディスカッション:南アルプスの自然の価値と生物圏保存地域登録(BR)の条件
コーディネーター:松田裕之氏
パネリスト:増沢武弘氏(静岡大学教授)/名取俊樹氏(国立環境研究所主任研究員)
北原正彦氏(山梨県環境科学研究所自然環境・富士山火山研究部長)/依田真司氏(山梨総合研究所主任研究員)
ご興味のある皆様は、ぜひご参加ください。
お問い合わせは、南アルプス市みどり自然課(055-282-7259)または、山梨県連絡協議会構成市町まで。
構成市町村イベント情報
☆2月7日(日)午前8時開場(静岡県静岡市)
リバウェル井川スキー場雪まつり
南アルプス・鳳凰三山の前衛に位置する甘利山(標
高 1731m)は、手軽なハイキングコースとして親し
まれています。6月中旬から7月上旬にかけて咲く、
約15万株とも言われるレンゲツツジの大群落をはじ
め、夏から秋にかけて貴重な高山植物が咲き誇ります。
山頂直下にある甘利山グリーンロッジは、恵まれた
大自然の中での学習体験やハイキングの拠点として古
くから利用されてきましたが、現在、宿泊施設の一部
個室化や山岳資料コーナー・天体望遠鏡の新設など、
施設・設備の充実をはかるためのリニューアル工事を
行っています。
5月1日には、
より便利に生ま
れ変わってオー
プンいたします
ので、グループ
やご家族等でぜ
ひご利用くださ
イメージパース い。
ソリ大会や雪上ゲーム、おしるこ無料サー
ビス、お得なレンタル用品割引など、この
日だけの特別企画が満載!また、リフト券
等が当たる「大抽選会」も実施!
詳しくは、静岡市(リバウェル井川スキー場)
ホームページをご覧ください。
場所:リバウェル井川スキー場
(静岡市葵区井川 2629-190 ℡:054-260-2316)
お問合せ先:静岡市農林総務課 ℡:054-354-2177
☆2月 11日 (祝 ) (長野県伊那市)
だるま市
伊那市高遠町にある鉾持(ほこじ)神社で、
旧暦正月14日(現在は2月11日)に五
穀豊穣を祈る祈念祭。参道には縁起ものの
「福だるま」の露店が並び、多くの人で賑
わいます。
お問合せ先:伊那市高遠町総合支所産業振興課
℡:0265-94-2552
問い合わせ先:
韮崎市商工観光課観光担当 TEL 0551-22-1111
発
行:南アルプス世界自然遺産登録推進協議会
(韮崎市、南アルプス市、北杜市、早川町、飯田市、伊那市、富士見町、大鹿村、
静岡市、川根本町)
[HPアドレス http://www.minamialps-wh.jp/]
今月の担当市:韮崎市(山梨県)
問い合わせ先:韮崎市商工観光課観光担当 〒407-8501 山梨県韮崎市水神 1-3-1 TEL 0551-22-1111
推進協議会では、南アルプスの世界自然遺産登録に賛同してくださる皆さんを賛助会員として募集しています。
現在433団体・個人の方が登録されています。お問い合わせ、ご質問は上記問い合わせ先まで・・・!
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