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「ITの必要性と業務改善」
○長堀健司*1
*1
株式会社 ロンド・アプリウェアサービス
川畑
*2
眞*1
坂田俊一*2
くまもとテクノ産業財団
1.はじめに
電子応用機械技術研究所
みが増えてしまう活動となってしまっている。
ものづくり企業におけるスタッフ部門の業務は
業務とは、情報を収集・加工・提供する一
旧態依然とした紙と電話と会議により行われてい
連のプロセスで構成される。業務の 7 大ロス
る。スタッフ部門の業務には、多くのムダが内包さ
が情報の処理プロセスや情報の管理プロセス
れているが、改善活動が遅遅と進まない。
に潜んでいることにより業務に問題や矛盾が
本発表では、スタッフ部門の生産性向上を実現
発生している。業務改善により、この問題と
する業務改善のアプローチ方法と IT 活用の必要
矛盾が取り除かれ、スタッフ部門の生産性が
性について報告をおこなう。
向上し、業務の管理が可能となる。業務改善
の進め方は、図2-2に示す手順となる。
2.業務改善のアプローチ
2-1.業務の 7 大ロス
業務には、図2-1に示す7大ロスが潜んで
現状の業務
ムダの排除 業務の設計
IT業務
IT化
問題点だらけ
の業務
ITの活用による
効率的な業務
る。
図2-2.業務改善のアプローチ
図2-1.業務の7大ロス
ロス
テレフォンロス
ミーティングロス
停滞ロス
ポカミス
探すロス
成り行きロス
内容
電話により発生しているロス
会議により発生しているロス
業務が停滞しているロス
ポカミス発生によるロス
情報(書類やファイル)を探
すロス
成り行き でやっている業務のロス
① 現状の業務に潜むロスを明確にする
② ロスを排除し、ムダのない新業務フローを
設計する
③ IT を活用して効率的な業務を実現する
3.IT の必要性
AT-ST差ロス
STとATとの差分ロス
3-1.IT の活用
業務改善の成功のポイントは、IT というツールを
スタッフ部門の生産性は、業務のミッションを明
確にし、7 大ロスを排除することにより向上する。
いかに活用できるかにある。IT を活用することに
より、業務がスピードアップし、業務の精度が向上
する。
2-2.業務改善の進め方
情報を収集・加工・提供する一連のプロセス
スタッフ部門の業務改善が遅れた理由として、
の中で、業務で発生した情報を蓄積するデータ
体系的な業務改善ツールが整備されていない点
ベース(Database)により業務の精度を向上さ
が挙げられる。ファイルの2S や現場改善のみの
せ、情報の伝達を行うネットワーク(Network)と
改善に終わり、IT 化に全く注目せず、効果が少な
業務を自動化するアプリケーション(Application)
い改善に終わってしまう活動や、一方、業務に潜
により業務をスピードアップし、業務の効率化を実
むムダを排除せずに IT 化のみが先行し、投資の
現する。
目的でいかに活用するかの能力がないためであ
⑤ 生産順序変更
顧客への連絡
る。これまでは、システムの構築は情報システム部
① 生産立案
生産計画(Plan)
生産計画(Plan)
門または外注、現場の人は使うだけ、の意識であ
対応不能
⑥ 計画修正
対応(Action)
対応(Action)
った。これでは効果の出る業務改善は実現できな
生産(Do)
生産(Do)
④応援
時間延長
い。IT 化を本格的に推進していくためには、現場
においても、IT を利用して、必要な情報を収集→
② 生産
加工・分析→伝達する能力(IT リテラシー)を持つ
監視(Check)
監視(Check)
IT 要員を育成する必要がある。
③ 遅れを発見
これらIT要員が、業務を分析し、ITというツー
ルを使いこなし、業務の IT 化を推進していくので
図3-1.IT の効果
ある。
3-2.IT 要員の育成
ものづくり企業におけるスタッフ部門の業務改善
が進まない理由の一つに、IT を使いこなせないと
4.おわりに
経済が停滞している現在、これまで抱えていた
いうことが挙げられる。パソコンの普及により、表
ムダを排除して、筋肉質の企業体質を作り上げる
計算ソフトなどを利用して個人の業務の効率化は
ことが企業の生き残り条件となる。
進んできている。しかし、情報を共有して業務全
これまで改善が遅れていたスタッフ部門は、現
体の効率化の実現となるとデータベースシステム
場の改善知識・業務の分析知識、そして IT リテラ
が高いハードルとなり、なかなか乗り越えることが
シーを身につけ、自らの手で業務改善を実施し、
できない。
デブデブの体をスリム化していく必要がある。
日本の IT 化は、アメリカに 10 年遅れていると
言われている。これは、IT という道具をどのような
そろばん
電卓
データベース
ネットワーク
表計算ソフト
個人の業務の効率化
個人の業務の効率化
パソコン化
パソコン化
ITを活用して業務ロスを排除
を活用して業務ロスを排除
IT
ITを活用して業務ロスを排除
IT化
化
IT
IT化
図3-2.パソコン化と IT 化
IT化を推進するためには...
ITリテラシーの能力を持つ要員を育成すること
コンピュータ
コンピュータ
リテラシー
リテラシー
コンピュータやソフトツール
を使える能力
IT
IT
リテラシー
リテラシー
情報
情報
リテラシー
リテラシー
コンピュータを利用して、必要な情報を
収集→加工・分析→伝達する能力
必要な情報を収集→加工・分析
→伝達する能力
図3-3.IT リテラシー
情報
報の
の共
共有
有
情
この先になかなか
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