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所得控除とは
学習予定日 月 日 学習日 Q 3 月 日 どんなものが控除される? QUESTION 私はパートタイマーとして働いていますが、夫が 配偶者特別控除の適用を受けるために、年間の給与 収入が141万円以上にならないように働いています。 それ以上、働いて所得を増やしてはいけないのでし ょうか。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 学習する項目 ¡ 所得控除とは ™ 所得控除は14種類 £ 所得控除の概要 ¢ 税額控除 ©2003 JMAM 12 A 第 ¡ 章 3 ANSWER 所 得 税 は ど ん な 税 金 ? 所得税は、個人の1年分の所得に対してかかる税金です。第1章Q2で各所得の金額の 計算方法を説明しましたが、次いで、所得金額から所得控除を差し引いて課税所得金額を 求めます。ここから税金の額を計算するわけです。 配偶者特別控除も所得控除の1つです。この控除は配偶者の所得金額によって控除額 が変化します。詳しくは£ ¡2 配偶者特別控除で解説します。 ¡ 所得控除とは 所得控除は、生活環境などの個人的事情を所得税の税額計算に反映させるために設け られたものです。所得税は個人にかかる税金であり、個人のすべての所得に税金を課すの は課税の公平などの観点から適切ではありません。 そこで、所得税法では家事上の支出や個人的事情への配慮、社会政策上の要請、最低 生活費の保証などの趣旨に基づいて所得控除を設けたのです。 第1章Q1で説明したように、所得の合計金額(所得金額の計算については第1章Q2を参 照)から所得控除の合計金額を差し引き、課税所得金額を算出し、それに税率を掛けて所 得税額を計算しますから、所得控除の金額が多くなればなるほど、税額は少なくなります。 ™ 所得控除は 14 種類 所得控除は、つぎのページの図表1−7の14種類です。これらの所得控除については、 給与所得者の場合、多くは年末調整を行うことによって適用が受けられます。しかし、雑 損控除、医療費控除、寄附金控除では、適用を受けるためには確定申告が必要です。 £ 所得控除の概要 1 雑損控除 雑損控除は、災害、盗難、横領によって本人や家族の生活に必要な資産が被害にあっ たときなどに認められるものです。 2 医療費控除 本人や家族のために医療費を支払ったときに、つぎの算式で求めた金額が医療費控除 の額となります。ただし、医療費控除額は最高200万円が限度です。 ( 医療費控除額= 医療費の総額 − ・所得金額の合計額×5% 保険等により 補てんされる金額 )( − ・10万円 のうちいずれか少ない金額 ) ©2003 JMAM 13 学習予定日 月 日 学習日 Q 4 月 日 相続税の計算方法は? QUESTION ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 48 学習する項目 ¡ 相続税額計算の流れ ™ 相続税の総額の計算 £ 各相続人の税額の計算 ¢ 2割加算 相続税のかかる財産については、一通り分かりまし たが、そこから私たち相続人が納める相続税の額を どのように計算するのですか。 A 4 ANSWER 相続税の計算では、実際の各人の相続税額を算出する前に、相続人各人が法定相続分 によって相続財産を取得したとして、相続財産全体にかかる相続税の総額を計算します。 これをもとに、各人の相続税額を計算するわけです。この点で計算方法が複雑といえます。 第 ™ 章 ¡ 相続税額計算の流れ 相 続 税 ・ 贈 与 税 は ど ん な 税 金 ? 相続税は、第2章Q2、Q3で説明した相続財産の課税価格をもとに計算します。しかし、 その方法は所得税のように年間の課税所得金額に直接、税率を掛けて算出する方法とは異 なっています。 相続税は、財産を取得した相続人などに課税するわけですが、課税価格に直接、税率 を掛ける方法によると、超過累進税率との関係で税額が高くなるため、仮想分割による嘘 の申告が行われる可能性が出てきます。このため、以下のように相続税の総額を最初に計 算し、それを各相続人に分ける方法をとっています。その流れを簡単に図示します(図の 下の番号は以下のテキストの説明に該当する番号です) 。 図表 2 - 6 相続税額計算の流れ 課 税 価 格 の 合 計 額 課 税 遺 産 総 額 2 ① 2 ②∼③ 法定相続人の 法定相続分に より分割した 金額に、税率 を掛けて計算 2 ④∼⑤ 相 続 税 の 総 額 2 ⑥ 実際の取得 財産額によ りあん分 → 実 際 に 負 担 す る 税 額 − 3 税 額 控 = 除 額 納 付 税 額 Q5 ™ 相続税の総額の計算 ① まず、課税価格の合計額を計算します。これは各財産取得者について計算された課 税価格を合計して計算します。 ② 次いで基礎控除額を差し引きます。遺産にかかる基礎控除額は居住用不動産および 当面の生活維持のための課税最低限です。基礎控除額は、つぎの算式により計算した 金額です。 遺産にかかる基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数 ③ ①で計算した課税価格の合計額から、②の遺産にかかる基礎控除額を差し引きます。 49