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大型光学望遠鏡 TMT
2013.12.理論懇 大型光学望遠鏡 TMT TMTの概要 TMTの性能 サイエンスケース 柏川伸成 (NAOJ/TMT推進室) Dec. 2013 30m望遠鏡 Thirty Meter Telescope (TMT) 口径30m 0.31-28um 日本・アメリカ・カ ナダ・NSF・中国・ インドの国際協力 ハワイ・マウナケア 総予算1500億円 2021年末観測開始 492枚の鏡を敷き詰める。1枚の直径1.44m Segment Size 鏡の裏からロボットで支える。 重力による変形を瞬時に補正。 Enclosure Site マウナケア, ハワイ Gemini CSO Keck Subaru SMA TMT 6 TMTにおける国際協力 望遠鏡 ドーム 主鏡材 副鏡 観測装置 主鏡 補償光学 第3鏡 付帯設備 制御系・ソフト 7 TMTにおける日本の役割 望遠鏡: 斬新な設計による 軽量化、すばるの誇る高駆 動性能を継承、免震機構。 主鏡:超低膨張セラミック ガラスは、半導体/液晶製 造装置材料として日本は優 れた製作実績を誇る。均質 かつ安定な量産体制。試作 1枚完成。 観測装置:すばるでの経験 を活かした装置開発。国内 大学の開発グループと連携。 8 TMT観測装置 第1期観測装置 IRIS, WFOS, IRMS+NFIRAOS 2022年FLまでに 完成させる 第2期観測装置 少なくとも6台の候補装置 2021年以降段階的(2-3年 に1機)に実現していく コミュニティ→SACにお いて優先順位決定→CFP 9 TMT Baseline Operations Plan (TBD) 各パートナーごとに独立して観測時間を割り当てる。 各パートナーは独自に観測提案の募集・評価・採択を行 う。TMT全体における観測提案の重複は気にしない。 観測提案応募システム、積分時間計算ツール、データ解 析ツールなどは共有する。 パートナーで協力してUM、 講習会を開催する。 リモート観測(ヒロ、各国基幹施設)が基本。 PI観測モード ⇒ サービス観測 ⇒ キュー観測 ToO観測には前向き。拒否権や複数パートナーによる同 じToO発動の場合などについては未検討。 18か月後にパートナー内にデータ公開。アーカイブは各 パートナーごとに。 世界の次世代超大型望遠鏡計画 計画 TMT GMT E-ELT 直径 30m 22m(8.4mx7) 39m 建設地 (標高) ハワイ:マウナケア (4050m) 北の宇宙 チリ:ラスカンパナス (2550m)南の宇宙 チリ:セロアマゾネス (3060m)南の宇宙 予算規模 1500億円 1100億円?(推定額) 2000億円?(推定額) 建設期間 (完成予定) 9年(2022年) 7年(2020年代?) メンバー 日本、米国(カリフォル 米国(カーネギー天文 ニア大ほか)、カナダ、 台、ほか)、韓国、 中国、インド オーストラリア 11年(2024年?) 欧州南天天文台 (15ヶ国) 11 TMTの特徴 1 大集光力: すばるの14倍 → 遠くまで、暗いところまで、見える。 30m 8m 12 TMTの特徴 2 高い空間分解能:0.015arcsec, JWSTの5倍 → 細かいところまでよくみえる。 30m 8m 13 High spatial resolution w/TMT/AO 0.01” @5 AU = 36 km (Jovian’s and moons) ⇒ 木星の衛星イオの火山活動が見える。 5 pc = 0.05 AU (Nearby stars – companions) 100 pc= 1 AU (Nearest star forming regions) 8.5 kpc= 85 AU (Galactic Center or Bulge) ⇒ 銀河中心のBH周囲の星の固有運動が測れる。 1 Mpc= 0.05 pc (Nearest galaxies) 20 Mpc = 1 pc (Virgo Cluster) z=0.5= 0.07 kpc (galaxies at solar formation epoch) z=1.0= 0.09 kpc (disk evolution, drop in SFR) z=2.5= 0.09 kpc (QSO epoch, Ha in K band) z=5.0= 0.07 kpc (protogalaxies, QSOs, reionization) ⇒ 遠方銀河の星形成領域が分解できる。 High-z galaxy image superimposed on a TMT IFU with 50100pc spatial resolution Keck AO image of Titan with an overlayed 0.05’’ grid (~300 km) 14 Keck AO image of M31 Bulge with 0.1” grid TMTの特徴 3 高い波長分解能 R~100,000 → 物理測定の精度が上がる。 30m 8m 15 vs. JWST JWSTの勝ち TMTの勝ち 可視域(0.3-1um)において広視野(FOV>10’)かつ高感度 ToO観測に対応可能 アップグレードしやすい Synergy w/Space-IR and ALMA SPICA SPICA MIR域でSPICAより数倍高い波長分解能、1ケタ高い空間分解能 MIR域でJWSTより2ケタ程度高い波長分解能 NIR域でALMAとほぼ同じ空間分解能 TMTの特徴のまとめ TMTの特徴 – 大集光力 → 遠くまで、暗いところまで、見える。 – 高い空間分解能 0.015arcsec → 細かいところまでよくみえる。 – 高い波長分解能 R<100,000 → 物理測定の精度が上がる。 これらのTMTの特徴を活かした観測装置・ 観測計画 18 HSCとTMTのsynergy 小さな望遠鏡で見つけて大きな望遠鏡で調べる 小さな望遠鏡で見つけて大きな望遠鏡で調べる Current & Future high-z galaxy survey 32 31 JWST K TMT-IRIS J-imag 5hr S/N=10 JWST z 30 Depth (AB) UDF 29 28 GOODS HDF J-spec TMT-IRIS SXDS 5hr R=4000 S/N=10 27 26 25 HSC UD WISH UDS CFHTLS deep HSC deep SDF COSMOS LSST HSC wide HSC NB z=6.5 SXDS NB z=6.5 Pan-STARRS UltraVista SDF NB z=7.0 Keck MOSFIRE J-spec CFHTLS wide WIRCAM NB z=7.7 5hr R=3000 S/N=3 HSC NB z=7.0 UKIDSS UDS 24 0.0001 0.001 UltraVista NB z=8.8 0.01 0.1 1 10 Area (sqdeg) 100 1000 10000 100000 すばるの広視野カメラ LSST広視野望遠鏡 現在のフロンティアを拡大する。 ー より深く、細かく、正確に、数多く ー 系外惑星の直接撮像: separation 0.2arcsec → 0.02, contrast 10-5 → 10-8 金属欠乏星探査: Galactic halo → local group 近傍銀河の星形成史: Red giants → MS, 5mag fainter 遠方超新星: z=1.5 → z=2-4 銀河の内部(力学・化学)構造: z=2,3 → z=6 IGMの化学進化: 10-2 → 2x10-4Z accuracy 銀河とBHの共進化: 20 → 100Mpc or MBH=107 → 106M 新しいフロンティアを築く。 ーこれまでにない全く新しい天文学ー 太陽系惑星上の大気構造・成分、天候・火山活動などが わかる 系外惑星上の水、酸素、オゾンなどの分子を検出し、生 命の可能性を見つける 濃い分子雲内の若い星団の中間赤外観測により、IMFの 質量、環境依存性を明らかにする 原始星コアの形状、内部円盤からのジェットの直接観測 銀河系中心にあるBHによる星の軌道運動の測定 IGM進化は3次元的に観測可能 最初の星・銀河・QSOの検出 赤方偏移の直接観測、物理定数の時間変化 未知の天文学 宇宙膨張の直接測定 非常に高精度な測定ができれば、赤方偏移の時間変化= 宇宙膨張の加速度・減速度を知ることができる。 宇宙の未来は? ダークエネルギーとは? 10年後の宇宙 現在の宇宙 ある天体までの距離の 時変化を直接測定するのは 初めて 膨張する宇宙 ある天体までの 現在の距離と 10年後の距離 のわずかな差か ら宇宙膨張を直 接測る z=4のLyA forestの20年間 宇宙誕生から ビッグバンでの距離変化を超精密測定 137億年 6cm/s per 10yrs @z=4 10年間で赤方偏移が赤線から青線へ変化 Redshift drift Acceleration / Deceleration of the universe causes observed redshift as a function of time. 6cm/s per 10yrs @z=4 High S/N and R obs. for ~20 Lyα forests with 4000hrs of TMT over 20yrs Direct and modelindependent measure of the expansion history. Liske+ 09 08 微細構造定数の変動 微細構造定数a 2e / hc QSO吸収線のうち共鳴吸収 線(FeII, ZnII)を用いる 実験での制限(year-1) 2 a / a (1.6 2.3) 10 17 VLT/Keckの観測では未解 決。 Keckを使っていた人が VLTを使った結果 VLT+UVESの結果 Keck+HIRESの結果 Rahmani+ 12 •Proton/electron ratio μ=mp/meについても可能性 宇宙で最初の星(PopIII)の検出 popIIIの観測的証拠となるのは HeII 1640Aの検出 コンパクト (<30mas) かつfaint HSC/JWSTで候補天体捜索 TMTはz<14までHeIIの検出可能 Lyα すばるで見つけた z=6.5LAEs PopIIIの予測 される明るさ TMTの1時間観測での限界 Schaerer+ 02 IGM tomography TMT: R=10,000の限界等級は24mag 背景光源の個数密度でdominantなのはQSOではなく銀河(2個/arcmin^2) <300kpcくらいの空間scale相関を得ることができる。 宇宙におけるHI・metal・星の3次元地図が描ける。 HSC: 環境依存性、GWの強弱、など多様なターゲットフィールドを提供。 x30 IGM distribution Galaxy distribution TMTが切り拓く銀河進化 速度マップ 星形成率マップ 金属度マップ 密度マップ ダスト減光マップ 温度マップ 弱いAGNの検出 Inflow/outflowの検出 銀河内部におけるsub-kpcスケールのバリオンの複雑 な物理素過程とその進化(z~6まで)を明らかにする。 Forster Schreiber+ 09 銀河系中心のBH 銀河系中心のBH周囲の星 K<22, ~100 stars 位置決定精度30uas 速度分解能精度 1km/s → 固有運動を測定できる。 → MBH, Ro, DM halo形状に制限。 SMBH周囲の星形成 SgrA*フレア A.Ghez, UCLA 惑星大気分光 Absorptions due to molecules in the transiting planetary atmosphere are superimposed on the spectrum of the host star. 3hrs integ. (snr=30000, 6km/s)of TMT/HROS for O2 of Mstar NIR HR Spec. for organic hydrocarbon molecules Turnbull+06 TMT ISDT ISDT (International Science Development Team)のメンバ ーを募集しています。 TMT詳細サイエンス検討書の改訂、とTMTキー観測プロ グラムの検討、が当面の目的。 将来的な共同国際研究グループを構築していく。 9つのサブサイエンスグループから組織され、既に日本人 数名を含むコアメンバーが加入している。 特に理論のみなさんは大歓迎。 〆切: 2014年1月17日。 http://www.tmt.org/about-tmt/international-sciencedefinition-teams TMT ISDT Summary - TMT 30m TMTの特徴を活かした高空間・高分散観測。 観測的宇宙論分野でも新たな観測を。 現在のフロンティアを拡大する。 ー より深く、細かく、正確に、数多く 新しいフロンティアを築く。 ー これまでにない全く新しい天文学 あなた独自のサイエンスケースは? みなさまのご支援お願いいたします。